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コンタクトセンター(コールセンター)の評価21項目を全解説!評価方法と改善ポイントが分かる

コールセンターの評価

「コンタクトセンター(コールセンター)を正しく評価して改善につなげたい。」
「どの指標で評価すればよいか分からない」

こうした悩みを抱える担当者は多いでしょう。
コンタクトセンター運営には多数の評価指標があり、何を可視化すべきか判断が難しいためです。

本記事では、運営改善に使えるコールセンターの評価項目21項目を整理し、各指標の意味と算出方法、評価時のポイントを解説します。最後まで読めば、現状の課題を把握し、優先的に改善すべき指標が明確になります。

視点

評価項目

パフォーマンス|効率

応答率
放棄呼率
稼働率
占有率
CPH(平均処理件数)
ASA(平均応答速度)
サービスレベル(設定時間内応答率)
ATT(平均通話時間)
AWT(平均保留時間)
ACW(平均後処理時間)
AHT(平均処理時間)

クオリティ|品質

一次解決率(FCR)
ミス発生率
顧客満足度(CS)

プロフィット|収益性

売上/利益貢献
NPS®(顧客推奨度)
CES(顧客努力指標)
レスポンス率

その他の評価項目

勤怠状況
コミュニケーション力
業務知識

正しい評価と継続的な改善により、収益性と顧客満足度は確実に向上しますので、コンタクトセンター運営の最適化にぜひお役立てください。

1.コンタクトセンター(コールセンター)の評価基準一覧

コンタクトセンター(コールセンター)の評価基準一覧

コンタクトセンター(コールセンター)の評価とは、コンタクトセンター全体の運営状況やオペレーター個人の能力・成果を適切に測ることです。定期的に評価することで、見えていなかった課題や強みを可視化し、運営の最適化につなげられます。

評価は主に次の3つの観点で行います。

パフォーマンス
効率

適切な稼働率を保ち、効率的に運営できているかを測る
例:顧客を待たせる時間が少ない

クオリティ
品質

応対品質やプロセスの安定性を維持できているかを測る
例:トラブルや苦情が少なく、顧客満足度が高い

プロフィット
収益性

コンタクトセンターが目標とする収益を生み出しているかを評価
例:新規顧客やリピーターの獲得につながっている

2.指標①パフォーマンス|効率の評価項目

指標①パフォーマンス|効率の評価項目

まずは、コンタクトセンター(コールセンター)やオペレーターのパフォーマンスを評価する指標です。ここで挙げる数値は運営効率の可視化に直結します。

パフォーマンス|効率の評価項目

応答率

放棄呼率

稼働率
(利用率)

占有率
(オキュパンシー)

CPH
(平均処理件数)

ASA
(平均応答速度)

サービスレベル
(設定時間内応答率)

ATT
(平均通話時間)

AWT
(平均保留時間)

ACW
(平均後処理時間)

AHT
(平均処理時間)

2-1.応答率・放棄呼率

コンタクトセンターの応対が円滑かを評価する代表指標が、応答率と放棄呼率です。まず定義と算出式を明確に示します。

応答率

概要

着信に対してオペレーターが対応した割合
つながりやすさを示す指標

算出方法

応答数÷入電数×100

放棄呼率

概要

オペレーターにつながる前に顧客が切断したコールの割合
混雑状況や利便性の指標

算出方法

放棄呼数÷入電数×100

応答率が高く、放棄呼率が低いほど評価は良好です。応答率向上のために無理に対応時間を短縮すると、対応品質が下がる場合があります。

パフォーマンスとクオリティのバランスを保つことが重要です。

放棄呼・応答率については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

2-2.稼働率・占有率

稼働率と占有率は、オペレーターが効率的に顧客対応できているかを測る重要指標です。両者の違いと算出方法、適正値の目安、運用上の注意点を簡潔に示します。

稼働率

概要

オペレーターのログイン時間のうち、顧客対応に充てた時間の割合

算出方法

(通話時間+後処理時間+保留時間+受付可能時間)÷ログイン時間×100

目安

一般的には80〜85%が目安。COPC CX規格ではハイパフォーマーの目安:約86%が示されることがある

占有率(オキュパンシー)

概要

生産時間(待機を含む)に対して、通話・保留・後処理が占める割合

算出方法

(通話時間+保留時間+後処理時間)÷(通話時間+保留時間+後処理時間+受付可能時間)×100

稼働率や占有率が高すぎると、オペレーターが常に業務に追われ、研修機会の不足、離職率上昇、応対品質低下を招きます。逆に低すぎると人件費の無駄が生じるため、両指標は「適正な水準」を維持することが重要です。

指標は単独で判断せず、離職率・CS・AHTなど他のKPIと合わせて評価し、最適なシフト設計や研修計画、セルフサービス導入などで調整しましょう。

稼働率・占有率について、詳しく知りたい方はこちらの記事も併せてご確認ください。

2-3.CPH(平均処理件数)

CPHはオペレーターの生産性を測る指標で、Call Per Hourの略です。オペレーター1人あたりの1時間の処理件数を表します。

CPH(平均処理件数)

概要

オペレーター1人あたりの1時間の処理件数

算出方法

総処理件数÷総稼働時間

業務内容によってCPHは大きく変わるため、業種や対応の複雑さで単純な目安値は設定できません。複雑な対応が多いコンタクトセンターではCPHは低く、単純対応が中心なら高くなります。

同一センター内でも、同じ業務・同じスキルレベルのオペレーター同士で平均を取り、そこから高低を判断するのが実務的です。

2-4.ASA(平均応答速度)・サービスレベル(設定時間内応答率)

電話のつながりやすさを示す代表指標がASAとサービスレベル(SL)です。

ASA(平均応答速度)

概要

着信からオペレーターが応答するまでの平均待ち時間
つながりやすさの速度指標

算出方法

応答までの待ち時間合計÷総着信数
(社内で着信数・応答件数どちらを母数とするか定義を統一する)

目安

30秒以内を目標にすることが多い(業種・業務により変動)

サービスレベル(設定時間内応答率)

概要

事前に定めた秒数以内に応答したコール割合
つながりやすさの到達率指標

算出方法

設定時間内に応答したコール数÷総着信数×100

目安

30秒以内応答率で80%前後が一般的な基準

指標はあくまで目安です。業務特性や顧客期待に合わせてASA/サービスレベルの目標を設定し、時間帯別のモニタリングと改善サイクル(原因分析→対策→効果検証)を回すことが重要です。

ASAについては、以下の記事で詳しく解説しています。

2-5.ATT(平均通話時間)・AWT(平均保留時間)・ACW(平均後処理時間)・AHT(平均処理時間)

応対にかかる時間を測る指標は、オペレーター個人の生産性評価でよく使われます。

ATT(平均通話時間)

概要

1コールあたりの平均通話時間

算出

総通話時間÷総応答件数

AWT(平均保留時間)

概要

1コールあたりの平均保留時間

算出

総保留時間÷総応答件数

ACW(平均後処理時間)

概要

通話終了後の後処理に要する平均時間

算出

総後処理時間÷総応答件数

AHT(平均処理時間)

概要

通話開始から後処理終了までを含む1件あたりの平均所要時間

算出

(総通話時間+総保留時間+総後処理時間)÷総応答件数
AHT = ATT + AWT + ACW(個別平均の合算でも算出可能)

通話時間や後処理時間は業務内容によって大きく異なるため、明確な基準値はありません。評価はAHTだけでなく、ATT、AWT、ACW個別に比較することが重要です。

同一センター内で同じ業務を担当するオペレーターの平均値を基準にし、平均から大きく乖離する者をモニタリングするとよいでしょう。

・通話時間や保留時間が長い場合
製品知識や対応スキルの不足が疑われます。ナレッジ整備や個別コーチングを検討しましょう。

・後処理時間が長い場合
操作スキルや処理手順の浸透不足が原因のことが多いです。テンプレート化やRPA導入、操作研修で改善を図りましょう。

・指標が短すぎる場合
応対の質が低下していないかCSやミス発生率も合わせて確認するとよいでしょう。

ACW・AHTについては、以下の記事で詳しく解説しています。

3.評価②クオリティ|品質の評価項目

評価②クオリティ|品質の評価項目

コンタクトセンターの品質を評価する主要指標と算出方法です。品質が低いとトラブルや顧客満足度低下につながるため、定期的にモニタリングしましょう。

クオリティ|品質の評価項目

一次解決率
(FCR)

ミス発生率

顧客満足度
(CS)

3-1.一次解決率(FCR)

一次解決率は、最初に応対したオペレーターが1回の通話で顧客の問題を完結できた割合です。高い一次解決率は顧客満足(CS)向上とコスト削減に直結します。

一次解決率(FCR)

概要

顧客の問い合わせが1回の応対で解決した割合

算出方法

1度の通話で解決できた件数 ÷ 全対応数 × 100

顧客対応中に問題が解決できずコールバックやスーパーバイザー対応が発生すると、運用は非効率になり顧客満足度(CS)も低下します。逆に一次解決できれば、業務効率とCSの双方が改善します。

一次解決率が低い場合に有効な施策

・ナレッジ・スクリプト整備
対応フローや検索性の高いFAQを整備し、一次対応で解決できる情報を充実

・研修・OJT強化
実践に即したロールプレイやコールレビューで対応スキルを底上げする、定期的なカルブレーションも実施

・セルフサービス/自動化
チャットボットやオンラインFAQで問合せを削減し、一次対応の負荷を軽減

3-2.ミス発生率

ミス発生率とは、コンタクトセンター業務で発生したミスの割合のことです。

ミス発生率

概要

コンタクトセンター業務で発生したミスの割合

算出方法

ミス発生件数÷応答数×100

【ミスの主なタイプ】
・顧客影響の重大ミス:誤った案内で再連絡や手続きが発生
・ビジネス影響の重大ミス:不要なコスト発生や業務遅延を招く
・コンプライアンスの重大ミス:個人情報漏洩や法令違反につながる行為

ミスのタイプにより対策は異なりますが、以下のような対策を検討してください。

【コンタクトセンターでミスが起きたときの対策】
・オペレーターと面談を実施し、録音やログを確認してミスの原因を特定する
・ミスの内容に応じて、個別指導やケース別の研修を行う
・ミス防止のため、ツール導入やオペレーションの見直しなど、業務環境を整備する

3-3.顧客満足度(CS)

顧客満足度(CS)は、コンタクトセンターが提供するサービスに対して顧客がどの程度満足しているかを数値化した指標です。

一般的にはアンケートやヒアリングを実施し、その結果を集計・分析して測定します。電話応対では、応対後にSMS等でアンケートを送付するケースが多く、回答は5段階(「満足」「やや満足」「普通」「やや不満」「不満」)や10段階評価などで受け付けます。

【アンケートの質問例】
・電話のつながりやすさ
・オペレーターの話し方や聞き取りやすさ
・問題の解決度
・今後も利用したいかどうか
・電話に対する総合満足度

オペレーター別に低評価の項目があれば、該当箇所を指導・改善することでサービス向上につなげましょう。

顧客満足度の測定は以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

4.評価③プロフィット|収益性の評価項目

評価③プロフィット|収益性の評価項目

コンタクトセンターの収益性を評価する主要指標と算出方法を示します。

アウトバウンド業務を行うコンタクトセンター(コールセンター)では、これらの指標が直接的に収益に結びつきます。さらに、各指標は単独で判断せず、他のKPIと合わせて分析することで、効率と収益性の最適化につながります。

プロフィット|収益性の評価項目

売上/利益貢献

NPS®
(顧客推奨度)

CES
(顧客努力指標)

レスポンス率

4-1.売上・利益貢献

プロフィットを判断する要素には、直接的な売上や利益の達成が含まれます。
とくに製品やサービスの受注を目的とするインバウンド型コンタクトセンターや、営業系のアウトバウンドでは重要な評価指標です。

たとえば、1個5,000円の商品を1,000個受注すれば売上は500万円になります。
運営費用が500万円以下であれば売上に貢献していると言えますが、運営費用が500万円を上回る場合は売上に寄与していても利益貢献になっていない可能性があります。

なお、受注獲得のための広告費などをどこまでコスト計上するかは企業ごとに評価基準が異なり、経営企画部門が評価を行うケースもあります。

カスタマーサポート関係のインバウンドセンターでは積極的な販売を目的としないため、このような評価は当てはめにくい場合が多く、問題解決を主目的としつつ、アップセルやクロスセルで発生した売上貢献額を参考値として把握する運用が一般的です。

4-2.NPS®(顧客推奨度)

NPS®(Net Promoter Score)は顧客ロイヤルティを数値化する指標です。

顧客に「あなたはこの製品・サービスを他者にどの程度勧めたいか」を0~10の11段階で評価してもらい、9~10を選んだ「推奨者」の割合から0~6を選んだ「批判者」の割合を差し引いて算出します(7〜8は中立のパッシブ)。この差分がNPS®スコアとなり、顧客の推奨意欲を示します。

NPS®の段階評価のイメージ

顧客満足度(CS)が個別の応対やサービス体験の満足度を測るのに対し、NPS®は製品・サービス全体を踏まえた「他社への推奨意向」を評価するための、より包括的な指標です。

顧客が推奨者になるには継続的な関係構築が必要であり、その中でコンタクトセンターの対応が重要な役割を果たします。近年はコンタクトセンター利用後にNPS®調査を行い、顧客ロイヤルティや将来的な収益貢献を把握するケースが増えています。

NPSⓇについては、以下の記事で詳しく解説しています。

4-3.CES(顧客努力指標)

CES(顧客努力指標、Customer Effort Score)は、顧客がコンタクトセンターを利用する際に感じた負担やストレスを数値化する指標です。

「サービスを利用するときにどの程度負担がありましたか?」「抱えていた課題を解決する手助けができましたか?」といった単一の設問を5~7段階で評価してもらい、回答の平均値や「低努力(解決が容易)を示す回答の割合」を算出して評価します。

なお、NPS®のように好意的割合から否定的割合を差し引く方法はCESの一般的な算出方法ではありません。

顧客が問題解決に多くの努力を要すると、満足度低下や売上減少につながるため、CESはできるだけ低く保つことが重要です。そのためにはオペレーターの応対品質維持に加え、ナレッジ整備やプロセスの簡素化、セルフサービスの充実などで顧客の負担を減らす施策が効果的です。

CESについては、以下の記事で詳しく解説しています。

4-4.レスポンス率

レスポンス率は、電話やDМ送付などの施策に対して、顧客のうちどれだけが商品購入や問い合わせなどの特定行動を起こしたかを示す指標です。

レスポンス率

概要

電話やDМ送付などの施策に対して、顧客のうちどれだけが商品購入や問い合わせなどの特定行動を起こした割合

算出方法

特定の行動をした顧客数 ÷ 電話やDMを実施した顧客数 × 100

レスポンス率が高いほど施策の効果が高く、一定の成果につながっていると判断できます。

たとえばアウトバウンド型のセンターでは、目標行動を「商品購入」や「アポイント獲得」に設定し、電話をした顧客のうちどれだけが実際に購入や申し込みに至ったかを評価します。

レスポンス率が低い場合は、トークスクリプトやオファー内容の見直し、オペレーター研修、顧客ターゲティングやリスト品質の改善、送付タイミングやチャネルの最適化などの施策を検討し、改善を図ります。

5.その他の評価項目

その他の評価項目

最後に、主要KPIと併せて確認しておきたい評価項目を3点紹介します。

クオリティ|品質の評価項目

勤怠状況

コミュニケーション力

業務知識

これらの項目は定量・定性両面で評価し、研修やフォローアップ施策に反映することをおすすめします。

5-1.勤怠状況

勤怠状況とは、オペレーターが無理なく適正に勤務できているかを確認する指標です。
具体的には、シフトに従い遅刻や欠勤がないか、残業時間が適切な範囲に収まっているか、有給休暇の取得や福利厚生の活用が適切に行われているかといった観点で把握します。

コンタクトセンター(コールセンター)の稼働率が高いと残業が増え、オペレーターに負担がかかる可能性があります。また、欠勤や遅刻が目立つ場合は何らかの不安や悩みを抱えている場合があり、応対品質の低下や離職につながるリスクがあります。

これらを防ぐために、定期的な勤怠状況の確認(欠勤率、平均残業時間、有給取得率など)と、該当者への面談やチームミーティングによるフォローアップを行い、原因の把握と解決を図ることが重要です。

5-2.コミュニケーション力

外部からは「コミュニケーション能力が高くないと務まらない仕事」と見られがちですが、日常では不得意でも業務対応に支障のない人もいます。とはいえ、応対品質向上につながるため、可能であれば評価に加えることをおすすめします。

ただし、この能力は数値化しづらく、客観評価が難しいため、以下のような観点を点数化して運用してください。

【コミュニケーション力を評価する視点】
・言葉遣いや話し方、話すスピードが適切か
・顧客の要望、疑問、問題を的確に引き出し共感できているか
・顧客のために誠意や熱意を持って応対しているか
・顧客や問い合わせ内容に応じて臨機応変に対応できているか

モニタリングスコアと合わせ、評価項目をリスト化して基準を明確にし、公平な評価と定期的なフィードバックを行ってください。

5-3.業務知識

オペレーター間で差が出やすい評価項目が業務知識です。
同じ問い合わせでも、知識が豊富なオペレーターは応対時間の短縮や一次対応解決率(FCR)の向上、回答の正確性、顧客満足度(CS)などが向上します。

【評価方法と運用のポイント】
・定期テストで知識レベルを数値化。合格基準や再学習計画を設定する
・モニタリングやQA評価で回答の正確さや参照頻度をチェックする
・KPI連動指標として一次解決率、平均処理時間(AHT)、顧客満足度を参照する
・ナレッジ投稿数や改善提案の有無を定性評価に加える
・スキルマトリクスで担当領域ごとの習熟度を可視化し、研修計画やOJTに反映する

オペレーターの教育方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

6.コンタクトセンター(コールセンター)での応対を評価する方法

コンタクトセンター(コールセンター)での応対を評価する方法

ここまで、コンタクトセンター(コールセンター)を評価する項目を詳しく解説してきました。応対評価は一つの手法だけでなく、目的に応じて複数を組み合わせることが重要です。

コンタクトセンター(コールセンター)での応対を評価する方法

モニタリング

顧客からの評価
(アンケート)

データ分析

ミステリーコール

6-1.モニタリング

手法

概要

モニタリング

オペレーターの通話やチャットを確認して応対を評価する方法
応対スキルやスクリプト運用の改善、個別フィードバックを行いたいときに向いている

モニタリングは、チームリーダーやスーパーバイザーが顧客とオペレーターのやり取りを確認し応対品質を評価する手法です。

主に以下の2方式で実施します。

リアルタイムモニタリング

即時に応対を確認でき、問題があればその場で指示・サポートが出せるため、新人の教育や緊急対応に有効

録音データをモニタリング

通話録音やチャットログを後から確認する方式。評価業務を計画的に行いやすく、時間のあるタイミングで深堀りができる

評価基準は業務内容や課題に合わせて設計します。参考となるチェックポイント例は以下の通りです。

評価項目と評価基準(例)

パフォーマンス

稼働率: 目標稼働率を維持しているか

平均処理時間(AHT):基準値を大幅に超えていないか

平均通話時間(ATT):通常問合わせは目標内に収まっているか

平均応答速度(ASA):目標の数値以内に応答できているか

クオリティ

一次解決率(FCR):目標を達成しているか。解決困難な場合は適切にエスカレーションされているかも確認

ミス発生率:誤対応・誤案内の発生率が許容基準内にあるか

プロフィット/
その他

売上・利益貢献: 目標達成度に貢献しているか

コミュニケーション:顧客に分かりやすく、適切なトーンで対応しているか

業務知識:正確な知識で対応しており、誤情報を顧客に伝えていないか

同一の評価基準でセンター全体を比較すると、課題の所在が明確になります。

【具体的な活用例と対応策】

・オペレーターの一次解決率が低い場合
原因分析(ナレッジ不足、ヒアリング不足、エスカレーション基準の不明確化)を行い、研修・ナレッジ整備・FAQの充実で一次解決力を向上させる

・センター全体の稼働率が高い場合
 需要予測、シフト設計、IVR・セルフサービス導入、優先ルーティング見直しなどで業務負荷を分散し、過重労働やAHT増を抑制する

6-2.顧客からの評価

手法

概要

顧客からの評価
(アンケート)

CS、NPS、CESなどのアンケートで顧客の声を収集する方法
顧客視点での満足度や改善点を把握したいときに向いている

2つ目は、顧客からの評価です。
顧客の声は、センター内では見えにくい課題を発見する重要な情報源です。利用直後に評価を取得して、応対の「不快感」「解決の速さ」などを確認します。

【顧客から評価をもらう方法】
・利用直後にSMSやチャットでアンケート送付
・応対終了時にIVRやチャットで簡易アンケートに切り替え
・メールやフォームで随時の意見受付

利用後にSMSで「アンケートへのご協力をお願いします」と案内し、コンタクトセンターの評価基準に沿った簡潔な設問を送付する方法が有効です。

集まった回答は集計・分析して課題抽出に活用します。
たとえば「待機時間が長い」という回答が多ければ、需要予測・シフト見直し、IVRやセルフサービス導入、優先ルーティングの設定など運用改善を検討します。

第三者の声は現場では気づきにくい課題を可視化します。モニタリングやシステムデータと合わせて定期的に分析し、改善に結びつけることをおすすめします。

6-3.データ分析

手法

概要

データ分析

システムデータを収集・可視化する方法
定量的な運用課題の可視化に向いている

3つ目は、データ分析です。
コンタクトセンター運営の課題把握には、定量データの収集・分析が不可欠です。KPIを軸に可視化することで、傾向把握・要因分析・施策効果検証がスピーディに行えます。

たとえば、コンタクトセンターシステムでAHT・ATT・CPHを計測し、KPI分析ツールでチャネル別・時間帯別に可視化すれば、どの指標が基準未達か、どこに課題があるかが一目で分かります。

KPI分析ツール

コンタクトセンターの主要KPI(AHT、ASA、FCR、稼働率など)を定量的に収集・分析し、ダッシュボードで可視化する。

コンタクトセンターシステム
(CTI/ACD/CRM)

通話ログや処理件数(CPH)、ATTなど運用データを自動で取得できる基盤。

コンタクトセンターシステムについては、以下の記事で詳しく解説しています。

6-4.ミステリーコール

手法

概要

ミステリーコール

第三者が顧客役となって応対品質をチェックする方法
実業務での応対準拠状況を独立評価したいときに向いている

4つ目は、ミステリーコールです。

ミステリーコールは、第三者(もしくは管理者)が顧客を装って架電し、顧客視点でオペレーターの応対品質を評価する手法です。実際の顧客接点を模した評価で、モニタリングやアンケートでは拾えない定性的な課題を抽出できます。

実施方法は2種類あります。

・外部委託:客観性が高く、評価のブラインド性を確保しやすい
・内部実施:シナリオ調整や即時フォローがしやすい

【評価項目(例)と着眼点】
・待機時間:応答までの時間が目標内か、待ちの案内が適切か
・問題解決の可否:目標時間内に解決できたか、エスカレーションは適切か
・コミュニケーションのしやすさ:声の大きさ・トーン、話し方の明瞭さ、傾聴の有無
・案内の正確さ・分かりやすさ:専門用語の説明や手続き案内が適切か
・回答のスピード:質問に対して迅速に回答・対応できたか

たとえばミステリーコールで「声が小さい」「案内が雑で分かりにくい」といった課題が明確になった場合、次のような対応が考えられます。

・研修:発声・傾聴・言い回しのロールプレイや録音レビューで定着化
・トークスクリプト改善:表現の統一、重要情報の強調、分岐フローの明確化
・オペレーター個別フィードバック:評価結果を速やかにフィードバックし、改善計画を設定
・運用改善:マイク・ヘッドセットの運用ルール見直し、応対チェックリストの導入
・効果検証:一定期間後に再ミステリーコールやモニタリングで効果を計測(クローズドループ)

【評価頻度はコンタクトセンターによって異なる】
評価の実施頻度は、業務内容・目標指標・リソースによって最適解が変わります。運用例としては以下が実務的です。

日次〜週次:AHTや稼働率などのKPIを自動監視
月次:データ集計・傾向比較(毎月の比較で変化を把握)
四半期(3か月)ごと:モニタリングやミステリーコールによる詳細評価

「毎月の評価でデータ比較を行い、3か月に1回の頻度で詳細な品質確認を行う」運用は、効果と負担のバランスが取りやすい方法です。評価の目的(品質維持・改善・法令対応)や評価に要する工数を考慮し、無理なく継続できる頻度を設定してください。

7.コンタクトセンター(コールセンター)の評価制度を作る際の注意点

コンタクトセンター(コールセンター)の評価制度を作る際の注意点

評価制度は現場の行動を変え、顧客体験と業績を改善する重要な仕組みです。作成時は以下のポイントを押さえてください。これらを踏まえれば、自社業務に適した、バランスの取れた評価制度が構築できます。

コンタクトセンター(コールセンター)の評価制度を作る際の注意点

1.業種・業務に合わせた評価基準を定める
2.収益のみを重視しない(バランス重視)
3.ES(従業員満足度)も意識する

7-1.業種・業務に合わせた評価基準を定める

コンタクトセンター(コールセンター)の業務は業種・業態で大きく異なります。
インバウンド/アウトバウンド、問い合わせ対応/申し込み受け付けなどによって平均通話時間や一次解決率は変わるため、一律の基準は当てはまりません。

【ポイント】
この記事で提示した基準値は参考例に過ぎません。自社の業務特性に合わせて最適値を設定してください。

・現場(オペレーター・スーパーバイザー)を巻き込み、実行可能な基準を設計
・ベンチマークや過去データで仮設定一定期間で検証、必要に応じて調整する
・「効率化で品質が低下する」などの副作用が出た場合は、速やかに基準を見直す柔軟性を持つ

評価基準は固定ではなく、実績と現場の声を踏まえて継続的に最適化することが重要です。

7-2.収益性のみを重視しない

従来、コンタクトセンターは、「コスト部門」と見なされ、収益性やコスト削減だけが評価軸になりがちです。しかし、収益性だけを追うとオペレーター削減や応対短縮が進み、次のようなリスクが生じます。

【主なリスク】
オペレーターの負担増:応対品質低下・ミス増加
顧客満足度(CS)低下:クレーム・解約の増加
離職率上昇:教育コスト・採用負荷の増大

コンタクトセンターは、あくまで顧客対応が業務の主軸です。収益性改善を目指す際も、顧客体験と従業員の持続可能性を評価制度に組み込み、総合的に最適化してください。

7-3.ES(従業員満足度)も意識する

今までとは異なる視点の評価として、「ES(従業員満足度)」があります。
ES(従業員満足度)は、オペレーターが職場や業務にどれだけ満足しているかを示す重要指標です。ES向上はCS向上や離職率低下につながるため、評価制度に組み込みましょう。

ESで見る代表的項目(アンケート例)】
・業務のやりがい・達成感
・研修・指導の充実度
・上司や同僚との関係性・信頼感
・勤務環境(シフト、ツール、設備)の満足度

ES向上は応対品質の改善につながります。

実務でも、ESの高い職場は顧客満足度(CS)も高まる傾向が確認されています。ESを高めることでオペレーターのモチベーションや定着率が向上し、結果として応対品質の底上げと離職率低下が期待できます。

オペレーターを評価するだけでなく、働く環境を継続的に改善することを重視してください。

エンゲージメント調査については、以下の記事で詳しく解説しています。

コンタクトセンターの課題解決はトランスコスモスにお任せください

トランスコスモスによる業務改善のイメージ

コンタクトセンター運営で課題を抱えている場合は、3,000社以上の運用実績を持つトランスコスモスにご相談ください。

国内トップクラスの運用ノウハウを基に、センター設計・構築・運用体制の構築から、売上拡大とコスト最適化を両立する改善施策までワンストップで支援します。ので、まずはお気軽にお問い合わせください。

まとめ

いかがでしたか?
コンタクトセンター(コールセンター)における評価方法、評価基準を整理しましたが、よく理解していただけたかと思います。

ではもう一度、記事の要点をまとめてみましょう。

◎パフォーマンス(効率)の評価項目

・応答率/放棄呼率
・稼働率/占有率
・CPH(平均処理件数)
・ASA(平均応答速度)/サービスレベル(設定時間内応答率)
・ATT(平均通話時間)/AWT(平均保留時間)/ACW(平均後処理時間)/AHT(平均処理時間)

◎クオリティ(品質)の評価項目

・一次解決率
・ミス発生率
・CS(顧客満足度)

◎プロフィット(収益性)の評価項目

・売上/利益貢献
・NPS®(顧客推奨度)
・CES(顧客努力指標)
・レスポンス率

◎コンタクトセンターでの応対を評価する方法

・モニタリング
・顧客からの評価
・データ分析
・ミステリーコール

◎コンタクトセンターの評価制度を作る際の注意点

・業種、業務内容に合わせた評価基準を定める
・単純な収益性のみを重視しない
・ES(従業員満足度)も意識する

以上、コンタクトセンターの運営の一助となれば幸いです。
注:本記事内におけるネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、NPS、そしてNPS関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標又はサービスマークです。

トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションの
ノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。
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