
「コンタクトセンターのACWってなんのこと?」
「ACWが長いことに頭を悩ませている。どうすれば短縮できる?」
コンタクトセンター(コールセンター)で働いていて、そのような疑問や悩みを持っている方も多いでしょう。
「ACW」とは「After Call Work」の略で、「平均後処理時間」を指します。
顧客との通話が1件終わるごとに、オペレーターは通話の内容を記録したり、商品の注文を専用システムに入力したりといった作業を行う必要があります。
この作業にかかった時間の平均を「ACW」と呼んでいるのです。
このACWを短縮できれば、その分、時間に余裕が生まれ、生産性向上、コスト削減、顧客満足度向上などの効果が期待できます。
多くのコンタクトセンター(コールセンター)ではACW短縮のために以下のような施策を行っています。
・オペレーターのスキルを上げる |
これらを実行することで、以下のような成果を得た事例があります。
【音声認識を導入したA社の事例】
|
そこでこの記事では、ACWについてわかりやすく説明します。
◎コンタクトセンター(コールセンター)におけるACWとは |
最後まで読めば、ACWの意味や重要性から短縮方法まで、コンタクトセンター(コールセンター)において、知っておきたいことがひと通りわかるでしょう。この記事で、あなたのセンターがACWを短縮できるようになり、生産性や顧客満足度を上げられるよう願っています。
1.コンタクトセンター(コールセンター)におけるACWとは
「ACW」とは「After Call Work」の略で、「平均後処理時間」を指します。
1章では、ACWの意味について説明します。
1-1.「ACW」とは?
後処理とは、顧客との通話が1本終わるごとにオペレーターが行う作業のことです。
作業内容は各コンタクトセンターによって異なりますが、通話の内容を要約して記録したり、いま受けた商品の注文を受発注システムへ入力したり、これらの作業にかかる時間の平均が「ACW」です。
ACWが長ければ、次の顧客を待たせてしまいますし、オペレーターが対応できる件数も増えませんので、生産性が下がります。その為、多くのコンタクトセンターではACWをKPIとして目標値を設定し、短縮に努めています。
1-2.「ACW」と「AHT」「ATT」の関係
ACWとあわせてよく挙げられる指標として、「AHT」「ATT」というものがあります。
これらの意味や違い、関係も理解しておきましょう。
まず「AHT」とは「Average Handling Time=平均処理時間」のことで、顧客との通話1件にかかる時間の平均を指します。
言い換えれば、受電した瞬間から始まって通話している時間、顧客情報やマニュアルなどを調べるための保留時間、そして前述の後処理時間などをすべて含めて、次の通話を受電できるようになるまでの時間が「AHT」です。
一方「ATT」は「Average Talk Time=平均通話時間」の略で、顧客との通話にかかった時間の平均値です。
これには実際に会話をしている時間はもちろん、保留時間も含まれます。
つまりこの3つの関係は、「ATT(平均通話時間)」と「ACW(平均後処理時間)」と足したものが「AHT(平均処理時間)」というわけです。
これら3つをなるべく短縮できれば、より多くの入電に対応できるようになり、コンタクトセンターの生産性が向上します。
ただ、ATTとAHTには顧客との会話という応対品質に関わる要素も含まれていて、一概に時間を短縮することだけがいいとは限りません。
顧客との会話を短縮することを意識してしまうと、顧客側に「聞きたいことを十分に聞けなかった」「事務的に処理された」などの不満が生じてしまい、顧客満足度が低下する恐れがあります。
それに対してACWは、コンタクトセンター側のみで対応する時間なので顧客満足度を左右しません。
そのため、コンタクトセンターの生産性向上を考える場合には、まずこのACWの短縮から取り掛かるというところも多いのです。
1-3.ACWの平均値
ACWの短縮がコンタクトセンター運営にとって重要だとすると、では一般的には平均でどれくらいの時間に後処理を収めればよいのでしょうか?
それは、コンタクトセンターの業務内容や業務フロー、導入しているシステムなどによって異なります。
例えば通信販売の受注をするコンタクトセンターで、通話をしながら受発注システムに発注内容や顧客情報などを入力できる場合は、後処理時間はそれほどかからないでしょう。
それに対して顧客からの意見やクレームに対応するセンターであれば、通話後に「どんな内容であったか」をわかりやすく要約して記録に残す必要があります。
細かく記録するフローになっていれば、後処理時間もおのずと長くならざるを得ません。
それを踏まえた上で、ACWの一般的な平均値のデータを見てみましょう。
株式会社リックテレコムの「コールセンター白書 2023」によると、コンタクトセンター97社のACWは平均で「6.3分」だったそうです。さらに約半数のコンタクトセンターではACWを5分以内に抑えていることがわかりました。
出典:株式会社リックテレコム「コールセンター白書 2023」
自社のセンターでACWをKPIとして設定する際には、現状の平均値を調べた上で、上記のデータを参考にして目標を立てるとよいでしょう。
1-4.ACWの計算式
では、自社のACWを知るためには、どのように計算すればいいのでしょうか?
その計算方法は以下の通りです。
ACWの計算式 | ACW = 総後処理時間 ÷ 総処理件数 |
1)平均値を求めたい期間の、全オペレーター・全コールの後処理時間を合計する |
例えば、1ヶ月の間にすべてのオペレーターが応対したコールが3,000件あり、それらすべての後処理にかかった時間の合計が600,000秒(10,000分)だったとします。
この場合の計算式は、
600,000秒 ÷ 3,000件 = 200秒 = 3分20秒
となり、このセンターのその月のACWは「3分20秒」だったとわかります。
2.ACWを短縮する必要性、メリット
1章で、ACWを短縮することはコンタクトセンター(コールセンター)の効率化に有効だとお伝えしました。
2章ではメリットや必要性について、具体的に説明しておきましょう。
2-1.生産性が向上する
第一に、ACWの短縮によってコンタクトセンターの生産性向上が期待できます。
【例 1】 ●各対応件数・処理時間 このコンタクトセンターで、ACWを1分短縮できたとしましょう。 |
1分、30秒といった細かい時間でも、短縮を積み重ねることで対応件数をより増やすことができるのです。
2-2.コストを削減できる
2つ目のメリットは、コスト削減です。
前述したように、ACWを短縮することで対応できるコール数を増やすことができるということは、見方を変えれば今と同じ入電数に対してより少ないオペレーターでも対応できるようになるとも言えます。
【例 2】 ●各対応件数・処理時間 このコンタクトセンターでは、AHTが10分で入電数が300件ですから、オペレーターが6時間=360分稼働するとした場合、 (10分 × 300件)÷ 360分 ≒ 8.3人 最少で9人のオペレーターが必要です。 (9分 × 300件)÷ 360分 ≒ 7.5人 計算上では8人のオペレーターでも300件の入電に対応できるようになります。 |
オペレーターの人数が最適化されれば、給与、教育研修費、採用コストなどの人件費はもちろん、設備にかかる費用なども抑えることができ、センターの運営コスト削減につながるでしょう。
2-3.顧客満足度が向上する
3つ目は、顧客満足度の向上です。
前述したようにACWが短縮されれば、オペレーターがコール1件あたりに要する時間が短くなります。
そうなると、より早く次のコールに対応することができます。
これは、顧客側からすれば、「待ち時間が短くなる」ことにほかなりません。
Cotra編集部にて実施した【カスタマーサポートに対するカスタマーニーズ調査2024】において、カスタマーサポートに電話で問い合わせた際、最もストレスに感じるのは「電話がつながりにくい」ことだとわかっています。
この結果を見ても、電話が繋がりやすくなることで顧客満足度の向上が期待できることがわかります。
3.ACWを短縮する方法
ACWを短縮することの重要性がよく理解できたかと思います。
ただ、「自社のコンタクトセンターでも短縮したいけれど、どうすればいいかわからない」という人も多いのではないでしょうか?
そこで3章では、ACWを短縮することができる方法として以下の3つをおすすめします。
・オペレーターのスキルを上げる |
それぞれ具体的に説明しますので、ぜひ実践してみてください。
3-1.オペレーターのスキルを上げる
まず1つは、オペレーターのスキルを上げる方法です。
一般的にコンタクトセンター(コールセンター)の後処理は、通話内容を記録する作業が大きな割合を占めます。
コンタクトセンター専用のシステムを導入している場合は、そこに応対内容を入力する必要がありますし、導入していない場合でも何らかの形で記録を残しているでしょう。
この際に、なるべく早く記録を残せるように、オペレーターのスキルを上げるわけです。
具体的には、以下のような施策を行うとよいでしょう。
・タイピングのスピードをアップさせる |
タイピングのスピードをアップさせる
最も大切なのは、オペレーターそれぞれのタイピングスピードを上げることです。
新人オペレーターの中にはパソコンやコンタクトセンターのシステムにあまり慣れておらず、タイピングのスピードが遅い人もいるでしょう。
それでは後処理時間が長くなってしまうのは当然です。
そこで、タイピング練習ソフトを導入して日常的に練習できるようにするなど、スキルアップのための環境を整えるといいでしょう。
タイピングのスピードを上げることで後処理時間の短縮だけではなく、顧客との対話中や保留中に行うパソコンでの入力作業もスピードが上がり、より顧客を待たせない対応につながるでしょう。
ショートカットキーや単語登録を活用する
入力の手間を省くためには、ショートカットキーや単語登録を活用するのも有効でしょう。
ショートカットキーは、「コピー&ペースト」を覚えるだけではなく、よく使うフレーズをいちいち入力しなくてもよくなる分、時間の短縮になります。
同じく単語登録も、そのコンタクトセンターで扱う商品名やよく使う文章を登録しておけば、数文字入力するだけで必要な言葉に変換されるので便利です。
代表的なショートカットキーとして、以下のようなものはオペレーターに使いこなしてもらってください。
【OSごとの代表的なショートカットキー】
Windows | Mac | |
選択した部分のコピー | Ctrl+C | command + C |
コピーの貼り付け(ペースト) | Ctrl+V | command + V |
すべて選択 | Ctrl+A | command + A |
選択した文字の切り取り | Ctrl+X | command + X |
ページ内での文字検索 | Ctrl+F | command + F |
これ以外にも、それぞれのコンタクトセンターによってよく使えるショートカットがあれば、あわせて周知するといいでしょう。
内容を「要約」するコツを身につける
後処理の際に、通話の内容をオペレーター自身が要約して文章で入力する場合は、「要約の仕方、コツ」を知ってもらう必要もあるでしょう。
話の内容を要約するのはなかなか難しいものです。
コツがわからないと、長々と書いてしまったり、どうまとめればいいのか迷ってしまったりして、余計な時間を取られてしまいます。
そこで、以下の点に留意してまとめてもらうといいでしょう。
・「顧客の主張、もっとも言いたかったこと」と「通話の結論」は必ず書く |
例えば「商品に関する問い合わせ」の場合は、「問い合わせの内容」と「どう解決したか(回答して納得してもらった、担当者から本日中に連絡することになった、など)」をまとめます。
「サービスに関するクレーム」であれば、「何に対するクレームか」と「どう対応することになったか(担当者に伝えることで納得してもらった、後日担当者がお詫びに伺うことになった、など)」が重要です。
コンタクトセンターに連絡してくる顧客は、上記の要点だけでなく「自分がどう感じたか」「どんなふうに困っているか」「過去の似たような出来事、エピソード」などさまざまなことを話すでしょう。
それらすべてを記録していては、ACW短縮はできません。
「このコンタクトセンターの場合、記録すべき重要なポイントは何か」をオペレーターに周知徹底して、必要な事柄だけを素早く要約するスキルを身につけてもらいましょう。
3-2.入力内容や作業フローを見直す
前項はオペレーターの努力による改善策でしたが、もちろん管理者側でできることもあります。
1つは、後処理の入力内容や作業フローを見直すことです。
具体的には以下のような方法が考えられます。
・入力内容を必要最小限に抑える |
入力内容を必要最小限に抑える
コンタクトセンターによっては、顧客との通話内容を細かい項目に分けて入力するように定めているところもありますし、逆に何を記録に残すかはオペレーターそれぞれの判断に任せているところもあるでしょう。
ただ、そこで記録された内容がすべて必要なものとは限りません。
中には、必要ない事柄まで入力することで、余計な後処理時間をかけているケースもあるはずです。
特に最近は、通話内容はすべて録音してデータを保存するセンターも増えていて、いざとなれば録音を聞き直せるため、全ての記録を入力する必要はありません。
それを踏まえて、「後処理で何を入力するか」必要な項目を見直し、オペレーターには最小限の情報だけ入力すればいいように改善しましょう。
通話中から入力するようフローやマニュアルを変える
必要な入力項目を絞り込んだら、次はそれをできる限り通話中から入力するように、フローやマニュアルを変変更します。
例えば、顧客の氏名、連絡先、商品の注文内容、修理依頼などの情報は聞いたそばから入力し、入力内容を読み上げて確認するフローにすれば、後処理時間の短縮にもなりますし、入力間違いを減らすこともできるでしょう。
話しながら入力するのが苦手なオペレーターには、「タイピングのスピードをアップさせる」同様に練習してもらってください。
通話中に入力できる限り入力し、後処理の際には足りない部分の追加や内容確認だけするようなフロー、マニュアルにすれば、ACWはかなり短縮が期待できるはずです。
テンプレートやプルダウンを活用する
もうひとつ、非常に有効な方法として、テンプレートやプルダウンの活用があります。
「プルダウン」とは、入力ウインドウをクリックすると入力候補の文字列が複数表示され、その中から選択した文字列が自動で入力される仕組みです。
通話記録を入力するシステムに、プルダウン機能がついている場合は、よく使う文章を登録しましょう。
通話の「用件」を「問い合わせ/注文/解約/クレーム/その他」の中から選び、「内容」もよくあるものを端的な文章にまとめたものの中から選ぶようにしておきます。
そうすれば、簡単な電話内容の場合は、キーボードで入力する必要はほとんどなく、プルダウンで選ぶだけで入力が完了することもあるでしょう。
もしプルダウン機能がなかったり、プルダウンでは入力しきれない長い文章が必要だったりする場合は、事前に例文をテンプレートとして用意しておきましょう。
後処理の際にはこれをコピー&ペーストし、一部分だけ入力や変更すればよくなりますので、ACWの短縮につながります。
3-3.音声認識などのシステムを導入する
更に、コンタクトセンター側でできる有効な方法として、音声認識などのシステムを導入することもおすすめです。
音声認識とは、「コンピューターが人間の発する音声を自動的に認識する仕組み・技術」です。
人が話した言葉の内容や口調などをコンピューターが認識し、リアルタイムでテキスト化したり、話の内容や話者の感情などを分析したりすることができます。
コンタクトセンター向けの音声認識システムや、音声認識機能を搭載したコールセンターシステムがさまざまありますので、それを導入することで、顧客との通話内容が自動的にテキスト化されて保存されるようになるのです。
中には、トランスコスモスのtranspeechのように要約機能がついているものもあり、認識した通話内容を自動的に要約してくれますので、オペレーターが後処理で通話内容を入力する必要はほとんどなくなります。
後処理作業の大きな部分を占める通話内容の記録をコンピューターで自動化することができれば、ACWを大きく短縮することができるでしょう。
トランスコスモスが提供する音声認識ソリューション transpeechは、音声認識ソリューションです。顧客との通話に対して、以下のような機能でその意見や感情を収集・分析することが可能です。 ◎音声認識 ◎品質管理プラットフォーム ◎感情解析 また、上記の他にも、応対の正誤を自動で判断する「AI defender」、音声認識した会話テキストを要約する「対話要約」、トークスクリプトの傾向を分析する「セールストーク解析」など多彩な機能を備えています。 トランスコスモスでは、このtranspeechを音声認識環境の導入から運用までをワンストップで提供しますので、あなたのコンタクトセンターの品質向上と業務効率化を実現することができるでしょう。 詳しいサービス内容については、こちらから資料をご確認ください。 |
4.ACWを短縮できた事例
4章ではトランスコスモスの音声認識ソリューションtranspeechを導入してACWの短縮に成功した企業の事例を紹介します。
製造業のA社では、コンタクトセンターで製品の修理受付と工事内容の説明を行っています。
以前は通話後の後処理で入力しなければならない内容が煩雑で、特に新人オペレーターは後処理に時間がかかっており、当時のACWは「158.3秒」と2分半を超えていたのです。
そこで、トランスコスモスのtranspeechを導入しました。
ただ、音声認識技術で通話内容をテキスト化して記録するためではありません。
A社が行った施策は以下のようなものでした。
まず、顧客との大量の通話音声データを音声認識でテキスト化した上で、そこから「コールリーズン=顧客が電話してきた理由」を分析します。
更にコールリーズンを、「どんな内容の電話の場合、再入電がなかったか」で分類しました。
何故なら、再入電がなく1回の通話で用件が完結する場合は、引き継ぎの必要がないため、通話内容を詳しく記録しなくてもいいからです。
これによって、顧客からの入電を「再入電の可能性があるもの=通話記録を詳しく残す必要あり」と「再入電の可能性がないもの=通話記録は最小限でよし」とに切り分けることができました。
そして、後者のコールについては「キーワード(製品名・事象など)」と「応対履歴がわかるURL登録のみ」を記録することにしたのです。
その結果、新人オペレーターのACWは、transpeech導入前の「158.3秒」から「60.7秒」と、100秒近くも短縮することができました。
ACWが短縮されたことで生産性も上がり、「CPH(平均処理件数)」は1.2件増加、応答率も90%を達成したそうです。
応答率90%は、A社が約1年にわたって達成できていなかった目標でしたが、それが「transpeech」導入後2か月で達成されたのです。
ちなみにコールリーズンごとに分類された通話音声データは、新人研修でも活用され、それを学習することでオペレーターは短期間で高い経験値を積むことができるようにもなったそうです。
5.ACWを短縮する際の注意点
ただ、ACW短縮の施策を行う際には、注意しなければならないこともあります。
それは以下の2点です。
・ACWは問い合わせ内容などに左右されるので、適切なKIPを見極める |
5-1.ACWは問い合わせ内容などに左右されるので、適切なKPIを見極める
まず、ACWは一概に「◯秒以内に抑えるべき」とは言えず、コンタクトセンター(コールセンター)ごとに適切なKPIを見極めなければなりません。
というのも、「1-3.ACWの平均値」でも触れたように、ACWはコンタクトセンター(コールセンター)ごとにまちまちです。
後処理の内容は、そのセンターがインバウンドかアウトバウンドか、受注専用か問い合わせ全般の窓口か、扱う商品やサービスがどんなものかなど、さまざまな要素によって異なるからです。
それを考慮せずに、「他社平均が5分だからうちは4分以内を目指す」などと実際には無理なKPIを設定してしまうと、オペレーターが焦って入力間違いや入力忘れなどのミスを引き起こす恐れもあります。
まずは自社センターの現在のACWを算出したり、同業種や同業務のセンターのACWを調べたりして、自社で実現可能な目標値を設定していきましょう。
5-2.オペレーターごとにバラつきが出過ぎないよう管理する
また、「3-1.オペレーターのスキルを上げる」で説明したように、後処理時間はオペレーターのスキルによっても異なります。
タイピングに慣れていなければ入力に手間取りますし、経験を積むにつれて後処理にかかる時間はどんどん短縮されていくでしょう。
このように、個々人でバラつきがある状態のオペレーターにACW短縮施策を行うと、場合によってはこの格差がさらに拡大してしまう恐れもあります。新人やスキルの低いオペレーターは、新しいフローやマニュアル、導入したシステムなどに対応するにも時間がかかるからです。
ACWの短縮を目指す際には、このように遅れをとってしまうオペレーターには特に目を配り、別途研修を行うなど、品質のバラつきがこれ以上、広がらないよう管理することが必要でしょう。
まとめ
いかがでしたか?改めて、記事の要点をまとめておきます。
◎コンタクトセンター(コールセンター)におけるACWとは「After Call Work=平均後処理時間」のこと
◎ACWの平均値は「5.5分」
◎ACWの計算式は「総後処理時間 ÷ 総処理件数」
◎ACWを短縮する必要性、メリット
・生産性が向上する |
◎ACWを短縮する方法は、
・オペレーターのスキルを上げる |
この記事で、あなたの会社のコンタクトセンターがACWを短縮し、生産性や顧客満足度の向上を図れるよう願っています。