概要設計01.方針策定

01-1. 存在目的設計(why)

企業方針や製品、サービスから、コンタクトセンター/コールセンターがなぜ必要なのか、目指すべき姿を確認します。

概要設計02.企業方針策定

02-1. Vision設計

企業が向かうべき方向性・ビジョンを、コンタクトセンター/コールセンターへ浸透させるために整理をします。企業のありたい姿を明確にして、ビジネスゴールを設定します。顧客にどのようなサービス・価値を提供し、どのようなブランドイメージを形成していきたいのか改めて整理することが第一歩になります。

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概要設計03.コンタクトセンター/コールセンター方針策定

03-1. Mission設計

企業方針を基にコンタクトセンター/コールセンターの方針・ミッションを策定します。企業ビジョンを理解し、実現するためにコンタクトセンター/コールセンターが果たすべきミッションは何かを考え、決定します。このミッションをさらに行動規範まで落とし込むことで、企業ビジョンが顧客応対に浸透されていきます。

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03-2. 対応者ポリシーの策定、ペルソナ(疑似人格)

自社のどんな顧客層がコンタクトセンター/コールセンターにコンタクトをしてくるのか、企業の顔としてどのような対応を実践したいかという、イメージをすり合わせます。例えば、銀行、通信のような業界ではそれぞれの店舗窓口と同じレベルの対応品質が求められます。
そこで、窓口の対応を文書化・定義化し、電話対応の対応者ポリシーを策定します。
また、メールやチャット等、テキストコミュニケーションでは個人差が出やすいため、回答や返信の統一性をコントロールしたいというニーズが多く、この場合はアバターやペルソナ(疑似人格)を設定することが多いです。

概要設計04.基本設計

04-1. センター名

センター名称を定めます。コンタクトセンター/コールセンターが複数になる場合、商品やサービス名をつけることが一般的です。ビジネスの内容によって複数の窓口や専門性を持たせる場合はIVRで切り分ける手法を使い、センター名称は「総合センター」のように汎用的な名前を付ける事が多いです。ただし、汎用的な名前はすべての問い合わせを受付しやすくなるので、呼称とミッションはセットで考える必要があります。

04-2. 営業曜日・時間(when)

窓口の営業曜日・時間を定めます。顧客側からすれば、いつでも必要なときに24時間365日サポートして欲しいという要望はありますが、有人で全時間をカバーするにはコストが肥大化します。そこで、最近では、どこまでを有人でどこまでを無人orサポート時間外とするかを決め、時間外はbotやFAQを案内し自己解決を促す対応がよく用いられています。

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04-3. サポート対象者(whom)

窓口の利用者を想定し、対応方針や窓口自体を分ける必要があるのか検討します。よくあるケースはこれから顧客になる見込みのある人(新規顧客)向けなのか、既に自社顧客になっている人(既存顧客)向けなのかで分けることが多いです。新規顧客向けの場合にはサービス/商品の説明の情報量を増やし、既存顧客向けでは、顧客状況をヒアリングの上、対応が必要になってくることから顧客情報登録を促し、CRMシステムと連携してサポートやケアを実施します。

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04-4. 対象商品(what)

何の商品を対象に対応していくかを決めます。対応する種類・数によって研修期間や、ナレッジメントシステムの構築等、準備時間が異なります。例えば、製造メーカー等では全種類のサポートを求めたくなりますが、問い合わせ数が少ないものに対して研修をすることの非効率性から、保守切れや在庫保持期限切れのものはまとめて一つの対応方針とし、現役商品だけに対応を絞ることが多いです。しかし、商品ラインナップや、コンタクトセンター/コールセンターへの問い合わせ数が多く想定される場合は、商品軸等でコンタクトセンター/コールセンターを分けて併設することもあります。

04-5. 対象サービス(what)

サポート対象サービスの種類や、どのように対応をしていくのかを決めます。特に継続型サービス(サブスクリプション)等は、手続きとセットの対応を考えるフローにすることが多いため、システム連携の検討が重要です。

04-6. サポートチャネル(how)

顧客からの問い合わせに対してどのチャネルを準備して対応していくかを検討します。検討すべきチャネルは主にボイス(電話)とノンボイス(メール、チャット、SNS等)に分かれ、そこからチャネル毎に自動化(電話でのIVR対応、AI対応、ノンボイスでのbot対応)を導入していくかを検討していきます。一般的には電話を設置するケースがほとんどですが、最近では、メール/チャットのみでサポート提供する企業も少しずつ増えてきています。サポート対象者の顧客属性や問い合わせの緊急度合いを考慮するとともに、営業時間内外でサポートチャネルを切り替えることも併せて検討していきます。

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04-7. 対応範囲(support range)

営業曜日・時間(いつ?)、サポート対象者(誰に?)、対象サービス内容(何の?)、サポートチャネル(どのように?)が決まったら、範囲を決める必要があります。問い合わせ対応だけでなく、その後のバックオフィス処理、例えば商品の受注受付センターで注文を受け付ける範囲までサポートするのか、それともその後の出荷手続きや配送指示まで全てコンタクトセンター/コールセンターのサポート範囲なのか、線引きを決める必要があります。コスト削減目的でアウトソーサーに委託する場合は、範囲を制限して量が多い業務範囲を委託するケースが一般的でしたが、最近はコンタクトセンター/コールセンター全体を委託することも増えてきています。

04-8. センター実施場所(Where)

コンタクトセンター/コールセンターを運営する場所を決めます。自社オフィス内で実施をするのか、新たに物件を借りて実施するのか、アウトソーサーのセンターで実施するのか、はたまた在宅環境を整備して実施するのかなど、選択肢は多様にあります。自社で実施する場合、場所/通信設備の準備に多大な工数がかかるうえ、大型のコンタクトセンター/コールセンターの場合、業務量の繁閑により固定資産が増加しやすいという課題があります。そこで、固定資産の減少、変動費化を目的としてアウトソースを活用を選ぶ企業が多いです。

04-9. 運用プロセスフロー(Process)

基本要件で定めた対応範囲を実現するにあたり必要な運用フローを対応種別毎にどの役職者が対応するのかを設計していきます。複雑な場合は構成図を作り可視化します。

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04-10. イレギュラーフロー(Process)

基本の運用フロー設計と同時にイレギュラーが発生した場合の対応フローを策定します。イレギュラーフロー発生時の対応は、権限や責任をあらかじめ設定しておき、緊急連絡が必要なもの、対応遅延が許容できるものなど、時間の制約条件を踏まえながら臨時権限整理を行います。

04-11. エスカレーションフロー(Process)

どのような場合に誰にエスカレーションを実施するのかを策定します。18-1関連部署/関連会社含めて策定が必要です。 18-1はこの段階で整理をするとスムーズなプロジェクト運営が可能になります。

スコープ05.ゴール設計

05-1. 完了定義

基本設計ででてきた各項目に、いつまでに何を達成するべきか数値目標や承認定義を設計します。後述する18利害関係者調整と合わせて考慮する必要があります。

スコープ06.ベネフィット設計

06-1.提供価値

顧客に提供する価値を定めます。品質、納期、コストを鑑みながら現実的な設計プランを策定します。例えば、コストであれば有人で対応する業務が、どれぐらいの業務量があるかを予測し、生産性を試算、必要人数を算出、応答率放棄率の目標を定め、「つながりやすさ」という価値を設計します。導入するサポートチャネルごとに生産性が異なるので、チャネルごとに試算が必要です。
自動化した無人部分は、一般的に費用を払えば無限に対応可能ですが、解決率が低い場合、有人に流れてくることになるので、解決率を加味した上で業務量を計算する必要があります。

クオリティ07.接続品質

07-1. 生産性

コンタクトセンター/コールセンターにおける生産性とは、問い合わせ当たりの作業時間を計測した効率性を指します。初期の設計では、問い合わせ傾向別、チャネル別で1件あたりの平均対応時間(通話+後処理)を、類似業務や模擬対応を参考に仮説をたてます。ここから通話と後処理の目標時間をKPIとし、オペレーターSVの改善取組指標を作成します。

07-2. 接続品質KPIの作成

策定したコンタクトセンター/コールセンター方針・ミッションを基に、センターを運営する上での具体的な管理指標や目標を設定します。コンタクトセンター/コールセンターは「つながりやすさ」が顧客満足度に直結する指標になるため、SL(サービスレベル)応答率(対応率)FCR(一次対応率)などの接続品質KPIをたてて管理することが一般的です。

クオリティ08.運用品質

08-1. 着信予測/配置管理設計

着信件数予測はキャパシティ設計の基礎となる重要な部分で、サポート対象顧客の数や実施するキャンペーン(マス広告や顧客への個人通知)によって異なります。コンタクトセンター/コールセンターへの相談はいつ来るかわからないため、この予測の精度の向上を狙い、最近ではAI学習させて予測精度をあげ、無駄な配置コストを減らす取り組みが開始されています。

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08-2. 問い合わせ傾向計測/分析

問い合わせいただく内容により、生産性は大きく変動しコンタクトセンター/コールセンターの規模にも影響するため問い合わせ傾向の仮説を立てます。例えば、商品に関する問い合わせが全体の●%、配送関連●%、修理受付●%といったイメージです。
また、問い合わせの傾向を製品別や、コンタクトポイント(企業と顧客のあらゆる接点)別で取得し、分析に活用したり、苦情数をカウントしてクレーム率を計算したりすることで、PDCAの指標にすることが多いです。

08-3. 運用KPIの作成

センター全体の管理指標を指します。欠勤率、稼働率、シフト充足率等、要員管理にかかわるものが多いです。また、センターによってはクロスセルやアップセルの提案率や販売率を目標とするケースもあります。

クオリティ09.対応品質

09-1. オペレーター対応マニュアル作成

一般的なコンタクトセンター/コールセンター運営の中で、オペレーターが使用する資料は、スクリプト、FAQ、業務マニュアル、システムマニュアルの4種類です。これらの資料は、応対品質の均一化や、オペレーションや新人研修工数の削減が主な目的となるため、実際に利用するオペレーターがいかに使いやすいかを追求する必要があります。今までは紙での資料配布が主流でしたが、情報の一元化や情報更新/管理工数の削減、また在宅勤務への移行による業務環境の変化も後押しし、今ではドキュメントのデジタル化が進んでいます。また、One to Oneコミュニケーションも求められている現在では、AIを使い適切なタイミングで顧客が求めている情報を画面上に表示しオペレーターを支援する事例もあります。

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09-2. 対応品質KPIの作成

顧客対応における品質のKPI目標を設定します。コンタクトセンター/コールセンターの一般的なKPIとしては内部品質評価としてモニタリングチェック、外部調査としては顧客満足度調査、顧客推奨度調査があり、PDCA活動に利用します。

09-3. ミニマムスキル要件(着座基準設計)

実際に顧客対応をするためのスキル要件を決めます。ここはコンタクトセンター/コールセンター毎に変わるところですが、例えばトランスコスモスではコンプライアンス研修を必須、ソフトスキル(会話スキル)、ハードスキル(業務知識)にわけて学習量からカリキュラムを作成し、SVQAチームがOJTを実施してデビュー判定をすることが一般的です。このスキル要件は、業務開始までの納期に大きく影響します。

クオリティ10.処理品質

10-1. 業務マニュアルの作成

処理品質における業務マニュアルは、業務知見の集約だけではなく、利用システムとの流れを含めた業務フローをまとめます。商品追加や運用変更にあわせて更新が必要です。最近は紙や、テキストだけではなく、顧客向けにサポート用Youtube動画をアップしつつ、それをコンタクトセンター/コールセンターの作業マニュアルにも利用する動画/映像マニュアルが増えつつあります。

10-2. FAQの作成

FAQはコンタクト/コールセンタ―の対応者向けに作成することが多いです。しかし、顧客向けの情報と社内向けの情報は共通していることが多く、顧客向けのサービスサイトのFAQにも活用されることがよくあります。近時はSEOを考えてFAQを作り自己解決を促す取り組みが始まっています。

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10-3. システムマニュアルの作成

コンタクトセンター/コールセンターで使われるシステムは、そのミッションによって複数存在します。例えば注文センターならオーダーシステム、サービスのコンタクトセンター/コールセンターなら料金照会や解約ができるシステムとあわせて顧客対応を実施します。システムの利用方法は処理品質のことを考えて、作業の同一性を保つように画像を利用したマニュアルを作成します。

10-4. 処理品質KPI

処理オペレーションの内容によってミス率をKPIとすることが一般的です。また、取り扱う情報にあわせて重要度設定をするケースも多くあります。例えば、個人情報を伴う会員証の印刷業務についてはミス率0.02%、発送業務は0.001%等、重要度に応じてチェック体制を引き、現実的なミス率を設定します。

Time11.スケジュール

11-1. 要員配置計画

新規、既存における採用~配置までの計画を作成します。採用はエリアや時期にあわせて変動があるため、計画的に進める必要があります。アウトソーサーに任せた場合は採用機能ごと外部に委託できるメリットがあります。採用ノウハウがある場合は委託や派遣、アルバイト等を雇い入れしながら構築することが一般的です。なお、考慮しておきたい注意点として、コンタクトセンター/コールセンターは時に製品不良や、個人情報漏洩管理など、最低限のアナウンスを目的として至急で窓口を立ち上げるニーズがあります。トランスコスモスでは発注から数日でコンタクトセンター/コールセンター開設を行うサービスが用意されています。

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11-2. 教育カリキュラムの作成

教育カリキュラムは、サポートする範囲とミッションにあわせて作成します。コンタクトセンター/コールセンターに必要なソフトスキル(会話スキル)とハードスキル(業務知識)を、インプットするだけではなく、ロールプレイングなどでアウトプットを組み合わせる事が重要です。研修は長く実施すればよいというものではありません。長いと覚えきれずに離脱するオペレーターが多くなりますし、実際の応対の品質も低くなりやすいです。働き手が少なくなっている現在では、この設計の度合いが重要になっています。

Time12.アウトプット設計

12-1. 納品物(注文データ、配送データ、レポート等)

業務運営/改善に必要不可欠な成果物を定義します。注文データ、配送データ等のデータや、領収書や通知等顧客に必要なアウトプットと、コンタクトセンター/コールセンター自体のレポーティングの項目、サイクル、フォーマット等社内で必要なものを定義します。レポート項目は、基本的な運営指標に関わる入電数、応答数応答率放棄数平均通話時間平均後処理時間で構成されることが多いです。また、クオリティで定義した各種品質のKPI数値を利用することがあります。これに加え、VOCや業務特性に応じたレポート項目をコンタクトセンター/コールセンターで関連する部署/会社と協議し決定します。例えば注文センターやメーカーサポートの場合、オーダーデーターや、書類送付、配送指示等と連動する業務がある場合、関係部署も含めて定義を決めます。

データ連携やレポート項目の内容・フォーマットによっては、システムやそもそもの運用設計にも影響を及ぼすため、現場運用を行うスーパーバイザーやシステム担当者も交え決定する必要があります。品質KPIの数値についても、自動算出できるようにシステム設計を検討します。
最近では、業務効率化を目的にRPAツールによりレポートを自動作成する事例が増えています。

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コスト13.スケーラビリティ

13-1. 必要要員数

一般的には、オペレーターの必要席数をチャネル別に問い合わせボリューム、問合せ傾向、生産性、KPI/目標に加え、時間帯、曜日、季節性、稼働率など多くの要素を加味し試算します。オペレーターの必要席数決定後、業務難易度や対応範囲に応じた管理者の配置席数を決定します。また応対品質KPIを重視するセンターの場合は、QAを配置するなどの検討も必要となります。

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13-2. 座席数

必要要員が日々運用するために必要な設備(座席、システム、等)を用意します。年次の繁閑やキャンペーンやサポート対象者の増加率を設定し、将来の拡張性を見越した座席を確保します。特に、セキュリティ上の必要性からコンタクトセンター/コールセンターに特化したクローズブースを用意する場合は、将来性をどこまで加味してコンタクトセンター/コールセンターのファシリティを確保しておくかが重要になります。検証機材や事務作業スペースが必要な場合は、必要要員数以上の座席を常に確保する必要があります。

13-3. 電話回線/電話機/PBX/CTI

コンタクトセンター/コールセンターで電話対応をする上で必要なインフラは、電話回線、電話機、PBXCTIです。これらのインフラは多数の商品が揃っているため、コンタクトセンター/コールセンターのミッションやサポートチャネルの拡張性を考えて選定する必要があります。例えば、電話回線を決める際には、通話料の負担先についても検討した上で、どのキャリアのどのサービスを利用するかを決めます。多くの重要情報を取り扱うコンタクトセンター/コールセンターでは、オンプレミス型のインフラ構築が主流でしたが、BCPや導入・運営コスト削減の観点からクラウド型のインフラ設計をする事例が増えてきました。

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13-4. インターネット回線(専用線、VPN、等)

インターネット回線は、取り扱う情報セキュリティポリシーにかかわります。コンタクトセンター/コールセンター業界で主流な回線は、専用線とVPNに大きくわかれます。重要情報を多く取り扱うコンタクトセンター/コールセンターでは、よりセキュリティが強固な専用線を引いたり、VPNで繋ぐことが多いです。しかし、コストや拡張性の高さ、また在宅化などの業務環境の変革などにより、現在ではVDIを活用する方式も非常に注目されています。

13-5. その他作業用設備(ファシリティ)

業務運用設計にあわせて、PCスペックや、プリンタや複合機の利用有無、検証機、什器なども検討する必要があります。また、音声用の録音装置や音声をテキスト化する仕組みなどの導入時も設備が追加になるので注意が必要です。

13-6. CRM/CTS等 対応用システム

顧客対応をする上で、対応履歴を残さないと、同じ顧客から再度問い合わせがあったときに最初から対応をやり直すことになり、顧客満足度が下がります。
そこで問い合わせ対応履歴を入力するツールとしてCTSCRMシステムと呼ばれるツールを利用します。非常に多数の商品が揃っているため、コンタクトセンター/コールセンターのミッションやサポートチャネルの拡張性を考えて選定する必要があります。

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13-7. その他利用システム

コンタクトセンター/コールセンターのミッションに合わせ、付随業務に必要なシステムを準備します。例えば受注センターのオーダーシステムやインフォメーションセンターの料金照会・解約ができるシステムなど、顧客対応の際に必要なシステムを洗い出します。

コミュニケーション14.リレーション

14-1. プロジェクト全体会議・分科会

会議の設計はまずタイム、体制、調達、コスト、ステークホルダーの状況を把握し、スケジュール化します。あわせて、専門のタスクにあわせて必要なコミュニケーション回数をセットし、会議計画を作成します。全体のタスクを可視化し、カットオーバーまでのクリティカルパスとプロジェクトバッファを設定し管理します。

14-2. 運用週次・月次

現場運用時に必要なレポートと合わせて会議回数をセットします。ビジネスラインに合わせた設計を最初からすると、コンタクトセンター/コールセンター側もミッションを達成しやすくなります。具体的には全体のレポートタイミングを考慮して、改善&チェックが回せる回数をセットすると効果的です。

14-3. 要件定義~定着化

システム間コミュニケーションの設計は、最もリードタイムに影響しやすい項目です。既存のビジネスで利用しているオーダーシステムや配送システム、財務経理システム等との連動を考える必要がある場合、システム結合を踏まえて導入する必要があります。

要員/組織15.実行体制

15-1. 立上プロジェクト体制/運用体制

プロジェクト推進のための役割と体制を可視化します。職務分掌を定義することが重要なポイントになります。立上体制と、後の運用体制やシステム/ITとの連携をセットして管理します。完全に分離して情報乖離が発生しないように配慮をすることがプロジェクト成功のポイントです。

15-2. システム連携体制

システム体制は、協力会社やパートナー等のサービスを使う事が多く、利害関係者が多く存在します。そのため、リスク要因をまとめてリカバリー体制や事前のサービスレベルを設定しておきます。

リスク16.リスク

16-1. カットオーバー条件

コンタクトセンター/コールセンターをカットオーバーする条件です。通常は問い合わせを目標数値で処理可能な体制・教育が整ったことを合意してカットオーバーを迎えます。社内のステークホルダーが納得する条件を設定し、ローンチ前の会議で条件が満たされているか、チェックします。

16-2. コストオーバー

プロジェクトの進行にあわせて要件違いが発生することがあります。その際のオーバーコストに対する責任範囲とリカバリ案を事前にリスクとして管理します。こうすることによって予見可能なリスクか、予見不可能なリスクかどうかを切り分けます。各種会議にてリスク監視を行います。

16-3. セキュリティ要件

個人情報や、センシティブ情報を取り扱うコンタクトセンター/コールセンターでは、対応範囲および関連会社を含み、セキュリティ要件を設定します。通常セキュリティ要件は、業務で取り扱う情報流出の影響度から、「人」「物理」「技術」それぞれにルールを策定し、監視体制を定義します。例えば、第三者認定資格(ISOやプライバシーマークなど)の取得・保持の確認、個人情報を含む重要情報の保管/削除ルールの設定、不正アクセス防止措置、入退室監視体制、業務スペースへの持込物制限ルールなどの作成等が挙げられます。

調達17.各種手配

17-1. 人材/座席/設備/利用システム/ツール準備

各種手配を自社で実施するのか、アウトソーサーに依頼するのかにより調達方法は異なりますが、大規模な調達になる場合はアウトソーサーに用意してもらうのが一般的です。自社だけで実施する場合、調達における手配コストや調達人員も追加で検討する必要があります。

ステークホルダー18.利害関係者調整

18-1. 関連部署/関連会社

コンタクトセンター/コールセンターで関連する部署/会社について、洗い出します。対応範囲にも関連しますが、どのような状況の時に連携が必要になるのか、どのような方法で連携するのか、関連部署/会社の対応範囲も整理する必要があります。

18-2. 期待値の整理

社内外の関係者承認がイメージしているコンタクトセンター/コールセンター像と違う等のトラブルが発生します。立ち上げた後に改善で修正するには時間がかかるため、各種ステークホルダーがどのようなミッションや期待をしているのかを初期段階で見落とさないように洗い出します。

いかがでしたでしょうか?こちらが一般的なコンタクトセンター/コールセンターの立ち上げ方となりますが、この中の項目がいくつか漏れていたとしても、コンタクトセンター/コールセンターは立ち上がります。
但し、運用開始後に事前設計できていないことから問題が発生し、改善までに余計な時間やコストがかかることが多くあり、弊社まで相談を寄せられたりします。
これから立上される方や運用見直しを検討したい方には、コンタクトセンター/コールセンター診断サービス トランスコスモスが運営する「transplus」内の資料ダウンロードページへ遷移します。 を用意していますので、是非お問合せください