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コールセンターの稼働率・占有率とは?適正な稼働率・占有率を維持するコツを紹介

コールセンター 稼働率

コンタクトセンター(コールセンター)の稼働率とは、オペレーターの稼働時間のうち顧客との通話や後処理、待機時間など顧客対応に費やしている時間の割合を指します。

コンタクトセンターの稼働率とは稼働時間のうち顧客対応に費やしている時間の割合

もう少し詳しく説明すると、稼働率が高いとオペレーターの稼働時間の多くを顧客対応に費やしていることになります。逆に稼働率が低いと顧客対応をしていないオペレーターが一定数いることになり、シフト管理や人員配置の見直しが必要です。

よく占有率と混同したり、定義を誤って使われていますが、顧客からの電話などを待っている時間も稼働時間に含まれます。稼働率と占有率は切っても切れない関係なので、稼働率と占有率の違いについては「1-4.稼働率と占有率の違い」で詳しく説明します。

稼働率は、高ければ高いほどいいわけではありません。稼働率が高すぎるとオペレーターが常に顧客対応をしている状態となり、疲労やストレスからモチベーションの低下を招く可能性があるのです。

だからこそ、センターの稼働率がどのようなものか正しく把握して、コールセンターに見合う適正な状態を維持できるようにすることが欠かせません。

そこでこの記事では

◎コールセンターの稼働率とは
◎コールセンターの稼働率の算出方法
◎稼働率と占有率の関係性
◎稼働率と応答率の関係性
◎コールセンターの稼働率・占有率が高いときに起こる問題点
◎コールセンターの稼働率・占有率が低いときに起こる問題点
◎コールセンター稼働率・占有率を適切に保つための5つのコツ

をまとめて紹介します。

稼働率・占有率はコールセンター運営をしていくうえで把握しておきたい指標なので、記事を最後までお読みいただき、ぜひ参考にしてください。

1.コンタクトセンター(コールセンター)の稼働率とは

最初に、コンタクトセンター(コールセンター)の稼働率とは何を表す数字か、あらためて確認しておきましょう。

1-1.コンタクトセンターの「稼働率」とは?

冒頭でも説明したとおりコンタクトセンター(コールセンター)の稼働率とは、オペレーターの稼働時間のうち顧客対応を行った時間の割合を指します。

稼働率に含まれる時間を「生産時間」や「勤務時間」「給与支払い時間」と呼ぶこともあります。

【稼働率の例】

稼働率の例

稼働率に含まれる顧客対応業務には

・顧客との通話(チャット等の場合は、チャット対応時間)
・通話中の保留時間
・通話の後処理時間
・通話の待機時間(受付可能時間)

などがあります。逆に

・休憩時間
・面談やフィードバック、研修の時間

などは稼働率の顧客対応時間には含まれず、非生産時間といわれています。

【稼働時間内の分け例】

稼働時間内の分け例

1-2.コンタクト(コールセンター)の稼働率の算出方法

コンタクトセンター(コールセンター)の稼働率(%)は(通話時間+ 保留時間+後処理時間+ 待機時間)÷(稼働時間 ) ×100で算出します。

コンタクトセンター(コールセンター)の稼働率の算出方法

例えば、1日の過ごし方が下記のようなオペレーターがいたとします。

通話時間

後処理時間

保留時間

待機時間

離席/
研修時間

稼動時間

4.0

0.5

0.5

1.0

1.0

7

単位:時間

この場合は(通話時間4+後処理時間 0.5 +保留時間0.5+待機時間 1)÷(稼動時間7 )×100 = 約85.7%となり、稼働率は約85.7%となります。

この算出方法を使えばオペレーター個人の稼働率だけでなく、コンタクトセンター全体の稼働率を求めることも可能です。1日の稼働率は状況によって異なるので、月間稼働率を取得して現状や推移を把握しておくとよいでしょう。

1-3.コンタクトセンターにおける稼働率の適正値・目安は80〜85%

稼働率の求め方はわかりましたが、では、コンタクトセンター(コールセンター)の場合、どの程度の稼働率であれば適正だと言えるのでしょうか?

それは概ね80〜85%程度を目安にすればいいでしょう。

コンタクトセンターの国際的品質保証規格である「COPC CX規格」では、ハイパフォーマンスベンチマーク(=効率のいい稼動状態の基準)として稼働率86%が定義されています。

ただし、稼働率の適正値に関しては、センターごとの特性によっても異なるので、これはあくまで目安とされているのです。

稼働率は、高すぎても低すぎてもよくありません。

例えば、稼働率が高いということは、オペレーターは稼働時間の多くを顧客対応に充てているわけです。そうとなると、必要なフォローアップ研修や品質フィードバックが行われていない可能性があり、顧客満足度の低下を招く恐れがあるでしょう。

反対に、稼働率が低い場合、オペレーターは顧客対応以外のことに多くの時間を割いていることになり、非効率なコンタクトセンター運営がされている可能性があります。

しかしながら、日々提供する情報に変更が発生したり、常に高い応対品質が求められるコンタクトセンターでは、一定の非生産時間が必要です。
無理に稼働率を上げようとすると、応対品質が下がってしまいかねません。

このように、稼働率が高ければ高いほどいいというわけではなく、コンタクトセンターに応じてバランスの取れた比率を保つことが重要なのです。

1-4.稼働率と占有率の違い

ところで、稼働率と似たような指標として、「占有率」というものがありますので、その違いを説明しておきましょう。

占有率とは?

占有率とは、生産時間の内、実際に顧客対応にあてられる時間の割合のことです。

稼働時間内の占有率の例

占有率(%)は、(通話時間 + 保留時間 + 後処理時間)÷(通話時間 + 保留時間 + 後処理時間 + 待機時間)×100で算出できます。

占有率(%)の算出方法

例えば、1日のスケジュールが下記のようなオペレーターがいた場合、(通話時間4 +後処理時間 0.5 + 保留時間0.5)÷(通話時間4 +後処理時間 0.5 +保留時間 0.5 +待機時間 1)×100= 83.3%で、占有率は83.3%となります。

通話時間

後処理時間

保留時間

待機時間

4.0

0.5

0.5

1.0

稼働率と占有率の違い

では、稼働率と占有率はどう違うのでしょうか?

稼働率は労働時間全体から顧客対応にあてられる時間の割合を算出する指標ですが、占有率は顧客対応にあてられる時間が効率的なのかどうかを把握するときに使います。

占有率が高いとオペレーターの待機時間(受付可能時間)は少なく、適切なオペレーター配置ができていることになります。ただし、占有率が高すぎると稼働時間内に多くの顧客対応をしなければならないため、多忙から対応が雑になる可能性もあるため注意が必要です。

一方で、占有率が低いとオペレーターの待機時間が長く、入電に対してオペレーターが余っている状態だと言えます。占有率をコントロールするには、当日の状況を把握しながら運営する必要があります。

よく稼働率と占有率が混同されるのは、入電の集中で占有率が高くなると、非生産時間である研修や休憩の時間が十分に取れなくなり、稼働率が高くなることが理由です。

なお、占有率には、稼働率のような指標値が定義されていませんが、85%程度が目安でしょう。

占有率は稼働率と間違えやすい指標ではありますが、下記のポイントをおさえておきましょう。

・稼働率はオペレーターの労働時間全体から顧客対応にあてられる時間を判断するために用いられる指標
・占有率は顧客対応にあてられる時間が効率的かどうかを判断するために用いられる指標

1-5.稼働率・占有率と応答率の関係性

応答率とは、コール数に対しオペレーターが対応できた入電の割合を指します。(IVRでの対応を含む場合があります)

コンタクトセンター(コールセンター)のつながりやすさを示す指標で、応答率が高いとオペレーターにつながりやすく顧客が利用しやすい状態が維持できていると言えます。

一方で、応答率が低い場合はオペレーター不足や入電の集中などでオペレーターにつながりにくく、顧客の不満が溜まりやすい状態になっています。

応答率(%)は、オペレーターが対応できたコール数 ÷ 総コール数×100 で算出できます。

例えば、1時間に50件のコール数がありオペレーターが30件対応できたとすると、 (30 ÷ 50)×100 =60%で応答率は60%となります。

応答率(%)の算出方法

応答率は稼働率と占有率とセットでチェックすることが多い指標です。稼働率や占有率だけではコンタクトセンターの入電に対して適切な処理ができているのか把握できないため、応答率も併せて把握することでつながりやすい状態を維持できているか分かります。

稼働率・占有率が高くても応答率が低い場合は、入電の集中などによりオペレーターが対応しきれていないことになります。稼働率が低いが、占有率が高く、応答率が低い場合は、非生産時間が多すぎるので非生産時間を生産時間に回すことを検討する必要があります。

稼働率・占有率ともに低くても応答率が高い場合は、オペレーターが余っている状態なので、オペレーターの配置の見直しを検討する必要がでてきます。

また、稼働率・占有率・応答率全てが高い場合は、コンタクトセンターがフル稼働しておりオペレーターが全力で入電に対応している状態なので、センター全体の稼働を見直す必要があります。

このように、稼働率・占有率・応答率を一緒に把握することで、コンタクトセンターの課題や現状が把握しやすくなります。

なお、応答率について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参照ください。

2.コンタクトセンター(コールセンター)の稼働率・占有率が高いときに起こる問題点

先ほども説明したように、コンタクトセンター(コールセンター)の稼働率や占有率は高ければ高いほどいいわけではありません。コンタクトセンターの稼働率や占有率が高いときに起こる問題点としては

■稼働率が高い際に起こる問題

・オペレーター研修など教育機会の損失

■占有率が高い際に起こる問題

・顧客満足度の低下
・オペレーターのモチベーションの低下

という3つが挙げられます。どのような点が問題点となるのか、事前に把握しておきましょう。

2-1.オペレーター研修など教育機会の損失

コンタクトセンター(コールセンター)の稼働率が高くなると、稼働時間内で顧客対応以外に使える時間が捻出できません。非生産時間が確保できないため、オペレーターの研修や交流など教育をする時間が作れない状態となります。

その結果、オペレーター個人のスキル向上やコンタクトセンター全体での知識や現状の共有ができず、時には情報が不足していることにより、誤った対応をしてしまう可能性もあります。

このように、稼働率が高いと目の前の業務で手一杯の状態となり、コンタクトセンターとして成長する機会を失う可能性もあるのです。占有率を確認し、占有率が低いようであれば受付可能時間を非生産時間に回すことなどを検討しましょう。

2-2.顧客満足度の低下

コンタクトセンター(コールセンター)の占有率が高いと、顧客満足度の低下を招いてしまうことがあります。主な理由としては、次の2つが挙げられます。

オペレーターの顧客対応が雑になりやすい

受付可能時間に余裕がない、占有率が高いコンタクトセンターの場合、一息つく間もなくオペレーターは顧客対応に追われています。

通話が終了したら短時間で後処理をしてすぐに次の入電を受ける状態を繰り返していると、どうしても余裕がなくなり声のトーンや話す速度、言葉遣いや顧客への応答など細かな部分に気を配れなくなります。

その結果、顧客に与える印象が悪くなり、顧客満足度の低下につながってしまうことがあります。

顧客を待たせてしまう可能性がある

受付可能時間に余裕がない、占有率が高いコンタクトセンターの場合、顧客対応に要する時間が長かったり入電が集中していたりすることが考えられます。

オペレーターが頑張って顧客対応をしていても、あふれ呼が発生しやすくなり顧客を待たせてしまうことになります。その結果、「オペレーターにつながるまで時間がかかった」「なかなかつながらない」などの不満が起こり、顧客満足度が低下してしまいます。

このように、占有率が高いとオペレーターの業務過多や入電の集中により顧客満足度の低下につながってしまうことがあります。

あふれ呼とは?

あふれ呼とは、コンタクトセンターへの電話が集中し繋がらない状態のことを指します。あふれ呼が発生する原因やあふれ呼の問題点を詳しく把握したい場合は、下記の記事も参考にしてください。

2-3.オペレーターのモチベーションの低下

2-2.顧客満足度の低下」と同様に受付可能時間に余裕がない、占有率が高いコンタクトセンターの場合、オペレーターは顧客対応に追われている状態となります。

稼働時間の多くを通話や後処理に使うとなると、疲れるのは当然です。顔の見えない相手と円滑なコミュニケーションが図れるよう慎重な対応をしなければならないため、オペレーターの疲労はどんどん溜まっていきます。

本来なら業務の大変さをカバーできるゆとりやコンタクトセンター内でのコミュニケーションが必要ですが、占有率が高いとそのようなことをしている余裕がありません。

業務に追われ疲労やストレスを感じるようになり、業務へのモチベーションが下がるオペレーターが出てくるでしょう。最終的には離職率の増加につながる可能性があり、コールセンター運営に欠かせない貴重な人材を失うことになります。

3.コンタクトセンター(コールセンター)の稼働率・占有率が低いことで起こる問題点

コンタクトセンター(コールセンター)の稼働率や占有率が高いときの問題点が把握できたところで、コンタクトセンターの稼働率や占有率が低い場合にはどのような問題が起こるのか見てみましょう。

コンタクトセンターの稼働率や占有率が低いことで起こる問題としては

■稼働率が低い際に起こる問題

・運営コストがあがる

■占有率が低い際に起こる問題

・適正なシフト管理ができていない
・無駄なコストをかけている

という3つがあります。具体的にどのような部分が問題となるのかチェックしてみましょう。

3-1.運営コストがあがる

コンタクトセンター(コールセンター)の稼働率が低い、非生産時間が多すぎると、管理者が研修や面談を実施するコストもそうですが、生産時間(顧客対応にかけられる時間)も少ないことになるので、余分に人数を準備しなければならない可能性が出てくるため、コストも跳ね上がります。

コンタクトセンターのレベルアップに必要な投資ではありますが、非生産時間の使い方が適正かどうか、トータルコストとの兼ね合いをみて判断してください。

3-2.適正なシフト管理ができていない

コンタクトセンター(コールセンター)の受付可能時間が余り、占有率が低いということは、顧客対応をしていないオペレーターが一定数いる状態です。入電が集中する時間や曜日などを把握し、適正なシフト管理ができていない可能性があります。

コンタクトセンターの運営状況を把握したうえでシフト管理ができていないと、占有率が低下してしまうところは問題点の一つだと言えるでしょう。

3-3.無駄なコストをかけている

占有率が低い状態が続いている場合は顧客対応ができていないオペレーターが一定数いることになるため、無駄な人件費がかかっている可能性があります。

オペレーターのシフトを調整して本当に必要な人数のみ配置できるようになれば、無駄な人件費をカットできるようになります。

コンタクトセンター(コールセンター)運営におけるコスト削減が課題となっているコンタクトセンターは多いので、占有率が低い場合はオペレーターのシフト管理と併せて人件費の見直しを行う必要があるでしょう。

但し、1日の中で発生する繁閑差が原因で占有率が低くなっているケースもあります。この場合は、受付可能時間を非生産時間に変え、フォローアップ研修など有効時間に変えていくことが重要です。

入電を他のチャネルに分散させるのもひとつの手!

なかなか繁閑差が読み切れず有効時間にかえることが困難な場合は、入電を他のチャネルに分散させることを検討する必要があります。

トランスコスモスでは、現状の問い合わせ内容を分析し、チャネル分散を検討できるようにしていくためのサービスを準備しております。興味がある方は以下よりお問い合わせください。

4.コンタクトセンター(コールセンター)の稼働率・占有率を適切に保つための5つのコツ

今までご紹介してきたようにコンタクトセンター(コールセンター)の稼働率や占有率は高すぎても低すぎても問題があり、適正に保つことが大切です。

ここでは、コンタクトセンターの稼働率や占有率を適正に保つための

・細かな人員調整を行う
・オペレーターのステータス管理を行う
・オペレーターのコンディション管理を行う
・非生産時間を有効活用する
・IVRなどを活用しオペレーターの負担を軽減する

という5つのコツをご紹介します。働きやすいコンタクトセンターを運営するためにも、ぜひチェックしてみてください。

4-1.細かな人員調整を行う

稼働率や占有率を管理するには、オペレーターの適正な人員調整が欠かせません。

入電が少ない日にオペレーターを多く配置してしまうと占有率は低くなり、入電が集中する日にオペレーターが不足していると占有率は高くなり、非生産時間に充てられる時間が少なくなるため、稼働率も高くなります。

人員配置の予測を誤ると適切な稼働率や占有率を保つことが難しくなり、生産性や顧客満足度の低下につながってしまうのです。

そこで適正な稼働率を意識した人員調整には、下記の2つが重要です。

①着信の予測(フォーキャスト)精度を上げる

稼働率の管理には、入電が集中しそうな日やオペレーターの待機時間が多くなりそうな日を予測する精度を上げることが大切です。

従来は今までのデータからある程度の予測を立てる事が一般的で、現在も主流だと思います。ただし、作業工数がかかり属人化が起こりやすいという課題がありました。そこで最近はAI活用による予測精度の向上を実施する仕組みが取り組まれています。

トランスコスモスではDataRobotを活用し、フォーキャスト精度向上に取り組んでいます。興味のある方は以下をご確認ください。

②オペレーター配置計画の精度を上げる

高精度なコール予測をベースにしても、適正なオペレーターの配置ができないと稼働率の変動を防げません。オペレーターのスキルには差があるため、1日あたりの処理件数や1件あたりの問い合わせにかかる時間にばらつきが出ます。

そこで、コンタクトセンターでは、ワークフォースマネジメント(WFM)ツールを活用する事例が増えてきました。

ワークフォースマネジメントとはオペレーターを適正に配置するマネジメント方法です。

・必要なオペレーターの人員予測
・オペレーターの手配管理
・オペレーターのスキル管理

などができるため、コンタクトセンターの状況に合わせた精度の高いシフト作成ができます。(WFMツールにより、使用できる機能は異なります)

・オペレーターのスキル
・オペレーターの希望シフト
・非生産時間と生産時間のバランス

を踏まえて、無駄のないオペレーター配置ができるようにしましょう。

このように、WFMツールなどを活用しながら細かな人員調整をすることが結果的に適正な稼働率の維持へとつながります。

4-2.オペレーターのステータス管理を行う

人員配置を調整すると同時に、オペレーター一人ひとりのステータス管理を行うことも重要です。

というのも、オペレーターの人数が適切であっても、個々の動きにばらつきがあるかもしれません。そうなると、不要な待機時間が生じたり、効率が悪くなったりして結局稼働率も適正化されないでしょう。

そこで、スーパーバイザーは個々のオペレーターのステータス(=状態)を把握しておく必要があるのです。

コンタクトセンターの場合、オペレーターのステータスは以下のように分類できます。

・通話中
・後処理中
・待機中
・離席中(トイレなど)
・休憩中
・研修中    など

あまり細かく分類すると管理しづらいので、上記のような粒度でよいでしょう。

管理方法は、小規模なセンターであればオペレーター個人が報告することもできるでしょうが、ある程度人数のいるセンターの場合は、専用のシステムを活用するのがおすすめです。

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トランスコスモスの「Genesys Cloud CX」は、コンタクトセンターやオフィス内コミュニケーションの効率、生産性を格段に向上させるクラウド・コンタクトセンター・ソリューションです。

電話、Eメール、チャット、ソーシャルメディアといった各チャネルの応対管理機能とともに、自己解決を促すチャットボットなどのセルフサービス機能、従業員の品質管理・ワークフォース管理機能、もちろんステータス管理機能も備わっています。

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4-3.オペレーターのコンディション管理を行う

オペレーターの心身の健康を管理し、無理のない人員配置をすることも適正な稼働率を保つためには必要です。

ストレスや過労でオペレーターが離職し人員が不足すると限られた人員でコンタクトセンター(コールセンター)を運営することになるため、自然と占有率が高くなり、稼働率も高くなります。

オペレーターの顧客対応時間も長くなるのでストレスや疲労が溜まりやすく、モチベーション低下を招く悪循環に陥ってしまうのです。

コンタクトセンターの運営はオペレーターがいないと成立しないので、オペレーターが無理なく働けているかコンディションチェックをすることはとても重要なのです。

最近ではコンディションチェックツールを用いて、体調やストレス度、仕事に対してのモチベーションなどを管理することがあります。

コンディションチェックをしてオペレーターが疲れているようなら

・シフトを調整する
・非生産時間と生産時間のバランスを見直す

などの対策を取り、適正な稼働率を継続していけるベースを作るようにしましょう。

4-4.非生産時間を有効活用する

占有率が高くなる場合はオペレーターのシフト作成を工夫して、意図的に非生産時間を作るようにしましょう。

顧客対応だけを連続で行うと疲労やストレスが溜まりやすくなりますが、非生産時間を挟み、稼働率を下げることでリフレッシュやモチベーションアップにつながります。非生産時間では

・オペレーターのスキルアップのための研修会
・オペレーターとの個人面談
・オペレーター同士の情報交換
・コンタクトセンター(コールセンター)の課題や現状の共有

などを行うといいでしょう。スキルアップのための研修会やオペレーター同士の情報交換の場を設けると顧客対応に活かせる知識を養うことができ、モチベーションアップにつながります。

また、コンタクトセンターの課題や現状が共有できれば課題を意識しながら顧客対応ができるため、コンタクトセンター全体の応対品質の向上が期待できるでしょう。

より良い顧客対応をしていくためには、現状の把握や未来に向けた取り組みが欠かせません。占有率が高くなり過ぎている場合は、オペレーターの負担も考慮して意図的に非生産時間を作ることを心掛けてください。

4-5.IVRを活用しオペレーターの負担を軽減する

入電が集中する時間や日などで稼働率管理が難しい場合は、システムを利用して入電分散するのもよいでしょう。

例えば、自動音声応答システムのIVRを活用することも一つの方法です。IVRは顧客がプッシュ操作をすることで、事前に録音しておいた音声が再生される仕組みとなっています。

IVRを導入すると

・有人対応と無人対応の切り替え
・無人での自動受付
・時間外の対応
・折り返しでの電話対応

などができるようになります。(IVRによって利用できる機能は異なります。)例えば、有人対応と無人対応の切り替えができるようになれば、簡単な問い合わせは自動応答で解決できるようになりオペレーターにつなぐ入電を選別することが可能です。

また、自動応答で時間外対応ができるようになれば休日明けの入電集中を防ぐことができ、適切な稼働率を保ちやすくなるでしょう。最近は自然発話におけるボイスボット(音声AI)の技術が進んでおり、簡単な対応はIVRで対応できます。

トランスコスモスのボイスボット(音声AI)を活用したサービスにご興味がある方は、以下にて資料をご確認ください。

このように、オペレーターの負担を軽減しながら多くの入電に対応できるシステムを整えることで、応答率を向上させながらも適切な稼働率が維持できるようになります。

IVRの仕組みやIVRでできることをもっと詳しく知りたい場合は、下記の記事も参考にしてみてください。

まとめ

いかがでしたか?

コンタクトセンター(コールセンター)の稼働率や占有率とはどのようなものか把握でき、誤りやすい稼働率や占有率の違いも理解できたかと思います。

最後に、この記事の内容をまとめてみると

◎コンタクトセンターの稼働率とは、オペレーターの稼働時間のうち顧客対応に費やした時間の割合のこと

◎コンタクトセンターの稼働率の算出方法は(通話時間+ 後処理時間 +保留時間+ 受付可能時間)÷(給与時間 ) ×100で算出できる

◎占有率(回線占有率)とは、稼働時間内にオペレーターが電話にログインをして実際に顧客対応をしている時間の割合のこと

◎応答率とは、コール数に対しオペレーターが対応できた入電の割合のこと

◎コールセンターの稼働率・占有率が高くて起きる問題点は次の3つ

1)非生産時間が捻出できないため、オペレーター研修など教育機会を作れない
2)多忙によりオペレーターの対応が雑になったり入電で集中したりすることで、顧客満足度が低下する
3)顧客対応に追われて疲れやストレスが溜まりやすくなり、オペレーターのモチベーションが低下する

◎コールセンターの稼働率・占有率が低くて起こる問題点は次の3つ

1)非生産時間を取りすぎている場合は、運営コストがあがることになる
2)オペレーターが余っている状態なので、適正なシフト管理ができていないことになる
3)オペレーターの待機時間が長い場合は、無駄なコストをかけていることになる

◎コールセンターの稼働率を適切に保つコツは次の5つ

1)予測精度をあげて、細かな人員調整を行う
2)オペレーターのステータス管理を行う
3)オペレーターのコンディション管理を行う
4)稼働率が高い場合は非生産時間を有効活用し、研修や課題共有などを行う
5)IVRを活用しオペレーターの負担を軽減する

この記事を参考にセンター運営が上手くいくことを願っています。

トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションの
ノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。
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