「会社でKPIとしてCSATというものが設定されたが、どんな指標?」
「CSATを調査したいが、どうすればいい?」
顧客対応を担当する部署で、そのような疑問を持っている人も多いでしょう。
「CSAT」とは、「Customer Satisfaction=顧客満足」の略で、「顧客満足度」を測る指標です。
企業が提供する商品やサービスに対して、それを購入・利用した顧客がどの程度満足しているかを数値化したもので、業務の改善や商品・サービスの品質向上を目指す際のKPIとして、多くの企業で活用されています。
測定方法は顧客へのアンケートが主流で、満足度を5段階または10段階で回答させた上で、以下の計算式によって算出します。
「満足」と回答した数 |
定期的にCSATを測定し、数値の向上を図ることで顧客満足度を最大化し、ひいては企業の業績をアップさせるのが目的です。
そこでこの記事では、CSATについてわかりやすく解説します。
まず最初に、以下のようなCSATについての基礎知識から学んでください。
・CSATの意味
・CSATの重要性
・「NPSⓇ」とCSATの違い
その上で、実際にCSATを測定、活用する方法として以下のことを説明します。
・CSATの測定方法
・CSATの計算方法
・CSAT測定の注意点
・CSATを向上させる4つの対策
最後まで読めば、CSATをよく理解した上で有効に活用できるようになるでしょう。
この記事で、あなたの会社の顧客満足度が向上するよう願っています。
1.CSATとは
まず、「CSAT」とは何か、その意味や重要性についてよく理解するところから始めましょう。
1-1.CSATの意味
「CSAT」は、「Customer Satisfaction=顧客満足」の略で、日本語では「顧客満足度」と呼ばれます。
企業が提供する商品やサービスに対して、それを購入・利用した顧客がどの程度満足しているかを数値化した指標で、業務の改善や商品・サービスの品質向上を目指す際のKPIとして活用されているものです。
「満足度」という目に見えない要素を数値化するため、「非常に満足」から「非常に不満」までを5~10段階にわけて、顧客に評価してもらう手法が主にとられます。
顧客の感情を数値で表すことから「感情的スコア」とも呼ばれ、企業が顧客ニーズを把握するには欠かせないものとなっています。
この測定方法と計算方法については、「2.CSATの測定方法」「4.CSATの計算・分析方法」で説明しますので、そちらを参照してください。
1-2.CSATの重要性
では、CSATをKPIとして活用する意義とはなんでしょうか?
それは、顧客ニーズを把握し、商品やサービスの品質向上を目指すためであり、ひいては企業の業績自体を向上させるためでもあります。
CSATの目標値を設定し、それよりも高い数値が達成できれば、その数値を維持するように努め、もし低ければその原因を分析して、改善点を洗い出すことができるからです。
たとえば、顧客への質問項目を「この商品・サービスに満足しているか」だけでなく、「商品の使いやすさ」「スタッフのサービス」など細かく分けたり、「その他ご意見・ご要望があればお聞かせください」といった自由回答を設ければ、より具体的に顧客ニーズをつかむことも可能です。
顧客ニーズに応じて商品やサービスを改善することで、既存顧客は定着し、新規顧客の掘り起こしにもつながるでしょう。
実際に多くの企業では、CSATをKPIとして活用することで業績をアップさせています。
1-3.「NPSⓇ」とCSATとの違い
さて、CSATは顧客満足度をはかる指標だと説明しましたが、近年同じように活用されている指標として「NPSⓇ」というものもあります。
この両者を混同している人も多いようですので、その違いについても理解しておいてください。
「NPS」とは、厳密にいえば顧客満足度ではなく「顧客ロイヤルティ」を数値化するための指標です。
「Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)」を略したもので、日本語では「顧客推奨度」「正味推奨者比率」などと表現されます。
CSATが顧客の「満足感」を示すのに対して、NPSは顧客がその企業の商品やブランドに対して持っている「信頼感、愛着・愛情=顧客ロイヤルティ」を測るものです。
両者の違いは、満足感の持続性に現れます。
CSATでは、「今回購入した商品・受けたサービス」に対する意識・感情を質問するため、算出される数値は比較的短期的な満足度を表します。
そのため、定期的な調査をすることで満足度の変化がわかり、顧客ニーズの傾向分析も可能です。
一方NPSは、その商品や企業に対する長期的な顧客感情を調査するものです。
ロイヤルティが高い顧客ほど、その商品・企業を利用し続けてくれる=リピーターになる傾向が高いと考えられるので、この調査は「競合他社に乗り換えられる可能性が高いか、低いか」を知るために利用されます。
この特性の違いを理解して、KPIとしての使い分けをするといいでしょう。
1-4.その他の顧客満足度に関する指標
ちなみに、CSAT、NPS以外にも顧客満足度に関する指標はいくつかあります。
ここではそのうち代表的な2つを挙げておきましょう。
1-4-1.GCR(目標達成率)
「GCR=目標達成率」は「Goal Completion Rate」の略で、顧客のニーズや目標がどの程度達成されたかを測る指標です。
たとえば企業のホームページ内に設置されているFAQページやサポートページに関して、利用した顧客が知りたかった情報を得ることができたか、問題を解決できたかを計測する際などに利用されます。
ページを閲覧したあとに、「このページは役に立ちましたか?」「問題は解決できましたか?」といった質問をポップアップで表示し、回答を集計する方式がポピュラーです。
もしGCRが低ければ、そのページには「多くの顧客が知りたい情報が不足している」「情報はあるがわかりにくい」などの問題があることが予想されるため、改善しなければなりません。
1-4-2.CES(顧客努力指標)
「CES=顧客努力指標」は「Customer Effort Score」の略で、顧客がそのサービスや商品を利用する際に、どの程度の努力が必要だったか、負担やストレスがあったかを測る指標です。
NPSが顧客のポジティブな感情を計測するのに対して、CESはネガティブな感情にフォーカスすることができるのが特徴です。
調査は主にアンケートで行い、「このサービスは負担なく利用できましたか?」「どれくらい大変でしたか?」といった質問に回答してもらいます。
その結果、「負担が大きかった」ということがわかれば、よりスムーズに利用できるように改善していく必要があるでしょう。
2.CSATの測定方法
前述したように、CSATは「顧客の満足度」を数値化してKPIとして活用するものです。
では、顧客の満足度はどうやって測定すればいいのでしょうか?
それは、顧客へのアンケートです。
具体的には、以下の3つの方法でアンケートを行います。
2-1.WEBサイトでのアンケート
多くの企業が実施しているのは、自社のウェブサイト内にアンケート専用フォームを設置して回答を募る方法です。
アンケートツールを利用して、「この商品(またはサービス)にどの程度満足しましたか?」と質問し、「非常に満足・満足・普通・不満・非常に不満」の5段階で回答させたり、満足度を「1~10」の10段階の数値で回答させたりします。
また、それに加えて「使いやすさ」「買いやすさ」「サービスの質」など個別の項目を質問することも可能です。
また、最後に「その他ご意見・ご要望があればお聞かせください」といった、文章で自由に回答できる項目を設けるケースもよくあります。
2-2.チャット・コール応対後のアンケート
また、企業の問い合わせ窓口を利用した顧客に対して、アンケートを行う手法も多く用いられています。
たとえば、チャットでの問い合わせがあった場合、やりとり終了後に「今回の対応にご満足いただけましたか?」といった質問を設けたり、コール応対後にアンケートの協力をお願いしIVR(自動音声応答システム)「この応対にご満足いただけましたか?」などの質問に回答してもらう方法です。
それに対して、5段階・10段階で回答してもらい、集計してCSATを算出します。
この方法の場合、あまり細かい質問をすると、顧客が「面倒だから回答するのをやめよう」と感じてしまう恐れがあるので、なるべく負担なく回答できるような工夫が必要でしょう。
2-3.はがき・手紙によるアンケート
さらに、はがきや手紙でアンケートを集める方法もあります。
この手法のメリットは、細かいアンケート項目を設けることができる点と、インターネット環境のない人や、インターネット利用に馴染みのない人、たとえば高齢者などについても調査することが可能な点です。
ただ反面、顧客側からすれば返送する手間がかかり、回収率が低くなる恐れがあること、集計を手動でしなければならないことなどのデメリットもありますので、それを踏まえてどの方法を実施するか検討する必要があるでしょう。
2-4.その他
上記3つはアンケートによる調査でしたが、まれにアンケート以外の方法がとられるケースもあります。
たとえば、以下のような調査方法です。
・インタビュー:顧客と対面で回答を得る
・電話調査:顧客に架電して回答を得る
手軽さでいえば、インターネット上でのアンケートがもっとも回答を得やすいものですが、「もっとくわしい意見が知りたい」などの意図がある場合は、これらの方法を選択肢に入れるのもひとつの手だと言えるでしょう。
3.CSATのアンケート項目
CSATの調査は、主にアンケートで行なわれることがわかりました。
では、その際の質問項目はどんな内容がよいでしょうか?
その例を挙げておきましょう。
3-1.1項目のみの場合
まず、CSATのアンケートでもっとも重要な質問項目は、「満足度はどの程度か」ということです。
コール応対後のIVRでアンケートを集める場合は、この1項目のみ質問するケースもあります。
具体的には、以下のような質問が考えられるでしょう。
【質問】 【回答】 |
「質問数を増やして回答率が下がるより、なるべく多くの顧客の満足度を知りたい」という場合などには、この1問のみでアンケートをとるか、これに「その他ご意見・ご要望があればお聞かせください。」といった自由回答の質問を追加して2問で回答を募るのもひとつの方法です。
3-2.複数項目の場合
一方で、顧客のニーズをもっと細かく知りたいのであれば、上記の「満足度はどの程度か」の質問に数問~10数問のアンケートを加えて実施するとよいでしょう。
追加する質問項目は、企業の業種や商品の種類によって異なりますが、例えば以下のようなものが考えられます。
【質問】 【回答】 |
「3-1.1項目のみの場合」の質問が全体の満足度を聞くのに対して、細かい項目ごとの満足度を質問するわけです。
これにより、「品質はいいけれど、価格が高いと思われている」とか、「購入までは満足だが、その後のカスタマーサポートが足りないようだ」といった分析が可能になります。
また、CSATのアンケートに加えて、以下のようなその他の指標に関する質問を同時にしてもいいでしょう。
【推奨度】 【問題解決度】 |
3-3.コンタクトセンター(コールセンター)のアンケート例
上記を踏まえた上で、アンケートの作成例をひとつ挙げておきましょう。
コンタクトセンター(コールセンター)を利用した顧客に対するアンケート例です。
Q1. 今回のオペレーターの対応は、全体的にどの程度満足でしたか? 満足 ・ やや満足 ・ 普通 ・ やや不満 ・ 不満 Q2. 今回のご利用について、以下の点それぞれの満足度はどの程度でしたか? ・電話の繋がりやすさ: 満足 ・ やや満足 ・ 普通 ・ やや不満 ・ 不満 ・話の分かりやすさ: 満足 ・ やや満足 ・ 普通 ・ やや不満 ・ 不満 ・情報の正しさ: 満足 ・ やや満足 ・ 普通 ・ やや不満 ・ 不満 ・オペレーターの感じの良さ: 満足 ・ やや満足 ・ 普通 ・ やや不満 ・ 不満 ・オペレーターの丁寧さ: 満足 ・ やや満足 ・ 普通 ・ やや不満 ・ 不満 Q3. その他、ご意見・ご要望などあればお聞かせください。 |
この例では回答を5段階にしていますが、「1~10」の10段階回答でも結構です。
ただし前述したように、あまり質問数が多くなりすぎると、顧客が面倒に感じて回答率が下がる恐れがありますので、必要最小限に絞り込むようにしてください。
4.CSATの計算・分析方法
CSATの測定方法はわかりました。
では、集めた回答からどのようにCSATを算出し、KPIを設定すればいいのでしょうか?
4-1.CSATの計算式
CSATのアンケートは、満足度を5段階または10段階で回答させるのが主流です。
その上で、「満足」と回答した人の数を集計し、以下の計算式でスコアを算出します。
「満足」と回答した数 |
基本的には、5段階調査なら4~5段階、10段階評価なら8~10段階を「満足」の数として計算すればいいでしょう。
CSATの数値が算出できたら、それを定期的に観測して満足度の向上を目指しましょう。
ただ、注意が必要なことがあります。
それは、「日本人は “ 中間選択 ” をしやすい」ということです。
「中間選択」とは、選択肢がいくつかある場合、真ん中の数値を選んでしまう現象で、他の国に比べて日本人にはこの傾向が強いとされています。
つまり、「満足度を5段階で表してください」と言われると、実際には満足していても「3~4」を選ぶ人が多いのです。
そのため、日本人顧客に対する調査の場合、「CSATは実際の満足度よりも低めに出ている」ことを意識しておく必要があるでしょう。
4-2.CSATの分析方法
CSATの分析方法は、上記のようにパーセンテージを算出するだけではありません。
「もっとも高評価をつけた人数=トップボックス」と「もっとも低評価をつけた人数=ボトムボックス」の推移を時系列分析するのも有効です。
たとえば、「満足・やや満足・普通・やや不満・不満」の5段階評価であれば、「満足」がトップボックス、「不満」がボトムボックスになります。
10段階なら「10」がトップボックス、「1」がボトムボックスです。
CSATの調査を毎月、毎週、四半期など定期的に実施したら、そのたびにトップボックスとボトムボックスの回答数を出して推移を見ます。
もしトップボックスの数値が減少したり、ボトムボックスが増加してくれば、満足度が下がっているわけですから、その原因を分析して改善しなければなりません。
反対に、トップボックスが増加したりボトムボックスが減少した場合は、何が顧客満足につながっているのかを見極めて、それを維持していくように努めましょう。
ちなみに、上位2つの評価を合計したもの(「満足+やや満足」など)を「トップ2ボックス」、下位2つの合計(「やや不満+不満」など)を「ボトム2ボックス」といい、これで評価する方法もあります。
5.CSATの測定タイミング
さて、CSATは定期的な測定が必要だということは前述しました。
では、どのようなタイミングで測定すればいいのでしょうか。
顧客が製品やサービスを認知し購入するまでのプロセスをカスタマージャーニーと言います。
カスタマージャーニーは、企業の業種や商品・サービスの種類によって異なりますが、たとえば以下のようなプロセスをたどる場合、どのタイミングから調査するのがベストでしょうか。
1)認知:顧客が自分の必要としているものに気づき、それに最適なもの・解決法を探し始める
2)情報収集:インターネットや口コミなどで情報を集める
3)比較・検討:情報をもとに、自分にとって最適なもの・解決法を見極める
4)購入・申し込み:最適と思われる商品を購入、またはサービスに申し込みする
5)使用・利用:実際に購入した商品を使用したり、サービスを利用したりする
6)評価:その商品・サービスが自分にとって本当に最適だったか、必要なものだったかを評価する
7)コンタクト:その商品・サービスについて問い合わせをしたり、再利用をするなど何らかの接触をもつ
測定タイミングとしては「顧客が製品を購入、またはサービスの利用を開始したタイミングから」となるため、このカスタマージャーニーの場合は4の「購入・申し込み」以降のタイミングでアンケートをとることになります。
顧客と企業側に接点ができるタイミングがいくつもありますから、アンケートへの誘導をしやすくなる準備をしておきましょう。
6.CSAT測定の注意点
「2.CSATの測定方法」で説明したように、CSATの測定調査は簡単なアンケートで実施でき、計算式もシンプルです。
が、注意してほしいことが2点ほどあります。
6-1.目的を明確化する
まず、CSATの調査は漠然と行うのではなく、明確な目的とKPIを設定した上で実施しましょう。
なんとなくアンケートだけとって数値化しても、「その数値が予想とどう異なっていたか」「今後に何をどう改善するのか」など具体的な分析や活用がしづらいものです。
そこで、調査前に「何のために調査をするのか」「KPIとしては何%を目指すのか」をはっきりさせる必要があります。
新商品について反響を調査するのか、既存の商品の改善点を知りたいのか、前年、前期に比べて満足度を何%上げたいのかなど、明確な目的・目標を定めた上でアンケートを作成してください。
6-2.指標の種類を絞る
次に、CSATを測定する際に、同時に多数の指標を測定するのは避けてください。
前述のように、顧客満足に関係する指標はCSATだけでなく、NPS、GCR、CES、その他さまざまあります。
「せっかくアンケートをとるなら、他のこともあわせて知りたい」と考える企業もあるでしょう。
が、アンケートの項目が多く複雑になるほど、顧客は「回答するのが面倒」と感じます。
また、アンケート結果の集計や分析の手間も増え、混乱しかねません。
そこで、一度に調査する指標は種類を絞り込み、他の指標も調査したい場合は時期をずらすなどの対策を考えましょう。
7.CSATを向上させる4つの対策
このようにしてCSATスコアを算出した結果、残念なことにKPIとして設定した数値よりを下回ってしまうこともあるでしょう。
その場合、どのような対策をとるべきでしょうか?
それは主に以下の4点に集約されます。
7-1.品質の向上
まず第一にすべきことは、商品・サービスの品質向上です。
CSATは「商品・サービスに対する顧客の満足度」を表わしていますので、それが低いということは、顧客は商品・サービスに不満を持っていることが予想されます。
そこで、アンケート結果から顧客が不満に感じている原因を分析します。
その結果を踏まえて、たとえば「使いにくい」という不満があればより使いやすく、「壊れやすい」のであればより丈夫に、というような品質、機能面での向上を図りましょう。
また、「サービスに不満がある」場合は、スタッフ教育を徹底する、マニュアルを改善するといった対策も効果的です。
7-2.プロセスの簡潔化
次に、購入や申し込みといった手続きのプロセスを見直します。
顧客満足度を左右するのは、商品やサービスの品質のみではありません。
「商品には満足だが、購入しにくい」「サービス利用の申し込み手続きが煩雑」「問い合わせ電話が担当につながるまで何度も転送される」といった不満もあるものです。
むしろこちらの不満の方が、商品購入・サービス利用からの離脱につながりやすいとも言えます。
そこで、商品購入やサービス利用がなるべくスムーズに進むよう、プロセスを簡潔化する努力も必要です。
7-3.サポート体制の充実
また、顧客の満足は、商品の購入やサービスの利用時点で完結しません。
アフターフォローやサポートによっても、満足度をより高めたり、逆に不満が生じたりもするものです。
そのためには、サポート体制を充実させる必要があります。
具体的には、以下のような施策が有効でしょう。
・カスタマーサービスのマルチチャネル化
→電話だけでなく、メールやチャット、SNSでも対応できるようにするなど
・顧客情報の把握と、それにもとづく1 対1の対応実施
・自社サイト内でのFAQページの設置と内容の充実 など
7-4.従業員満足度の向上
最後に意外なポイントですが、従業員満足度を向上させることも、CSATの向上につながります。
というのも、「従業員満足度が高い企業は、顧客満足度も高くなる傾向がある」ことがわかっているからです。
研究者によると、以下のような相関関係が成り立つとのことです。
従業員満足度が向上する→商品・サービスの質が向上する→顧客満足度が向上する→業績が向上する |
そこで、従業員満足度を向上させるために、たとえば以下のような対策を講じるとよいでしょう。
・職場環境を整備する:オフィス内の環境や設備だけでなく、勤務体系や人間関係なども見直す
・福利厚生を充実させる:休暇制度、各種手当などの水準を上げる
・人事評価を適切にする:不公平感をなくし、多数にとって納得感のある人事評価制度を設ける
8.コンタクトセンター(コールセンター)でCSAT向上を目指すなら「transpeech」(トランスピーチ)がおすすめ
CSATをKPIとして利用する目的は、前述したように製品・サービスの品質向上と、その先にある業績アップでしょう。
そこでおすすめしたいのが、トランスコスモスが提供する「transpeech」(トランスピーチ)です。
「transpeech」は、コンタクトセンター(電話やメールに加え、SNS、チャットなど幅広いコミュニケーションチャネルを利用して、顧客と企業を結ぶ部署を指す。以前は電話コミュニケーションのみだったので、コールセンターと呼ばれており、現在でもコールセンターで表現されている所も多い。)など電話応対業務を行う企業・部署向けの音声認識ソリューションです。
顧客からの電話に対して、以下のような機能でその意見や感情を収集・分析することが可能です。
音声認識
顧客との通話内容を自動でテキスト化します。
また、全応対テキストの中から特定のキーワードを含む通話を検索することもできるため、VOC=顧客の声を体系的に分析することも可能です。
品質管理プラットフォーム
オペレーターの応対を、AIが顧客目線で分析し、「丁寧語の使い方」「口ぐせの頻度」「NGワードがないか」などを数値的に評価します。
感情解析
通話中の顧客の感情を、「興味」「期待」「怒り」などに分けてパラメータ表示します。
CSATの測定に「transpeech」の解析を併用すれば、より精度の高い顧客ニーズが把握できるでしょう。
また、上記の他にも、応対の正誤を自動で判断する「AI defender」、音声認識した会話テキストを要約する「対話要約」、トークスクリプトの傾向を分析する「セールストーク解析」など多彩な機能を備えています。
トランスコスモスでは、この「transpeech」を音声認識環境の導入から運用までをワンストップで提供しますので、あなたのコンタクトセンターの品質向上と業務効率化を実現することができるでしょう。
くわしいサービス内容については、こちらから資料をご確認ください。
まとめ
いかがでしたか?
CSATについて、よく理解できたかと思います。
では最後にもう一度、記事の内容を振り返ってみましょう。
◆CSATは、「企業が提供する商品やサービスに対して、顧客がどの程度満足しているか」を数値化した指標
◆CSATの測定方法は、主に以下の3つ
・WEBサイトでのアンケート
・チャットやコール応対後のアンケート
・はがきや手紙によるアンケート
◆CSATの計算式は、「CSAT(%)=(「満足」とした回答数/全回答数)✖ 100」
◆CSATを向上させる対策は、
・品質の向上
・プロセスの簡潔化
・サポート体制の充実
・従業員満足度の向上
以上を踏まえて、あなたの会社がCSATをKPIとして有効活用し、業績アップにつなげられるよう願っています。