「自社のコールセンターにピッタリのシステムを選びたいけど、種類が沢山あって選べない」
「そもそもコールセンターシステムがどういったものなのか、あまり良く分かっていない」
このようにコンタクトセンター(コールセンター)システムの選び方や、そもそもシステムがどういったものなのかよく分からないとお悩みではないでしょうか?
結論から申し上げると、コンタクトセンターシステムとはコンタクトセンターを運用するうえで必要な機能を備えたシステムの総称です。
そしてコンタクトセンターのプロが教える「失敗しないコンタクトセンターシステムを選ぶポイント」は以下の通りです。
1.必要な機能が揃っているか |
コンタクトセンターシステムは、応対の品質や業務の効率性に大きく影響する要素です。
自社にとって必要な機能の選び方に失敗すると、コンタクトセンターの運用に影響が出るだけでなく、ユーザーの顧客満足度にも影響がおよびます。
そこで本記事では、コンタクトセンターの成功に不可欠である「コンタクトセンターシステム」について、詳しく解説します。
▼ 本記事のポイント
・コンタクトセンターシステムの仕組みと基本機能がわかる |
この記事を最後までお読みいただければ、「コンタクトセンターシステムとは何か」はもちろん、システムを選ぶ際の具体的な観点や導入の流れまで理解できるようになります。
結果として、顧客満足度を向上させるために最適なコンタクトセンターシステム導入を実現できるはずです。
なお、この記事はコンタクトセンターの電話に関するシステムについて、紹介していきます。
ではさっそく解説を始めましょう。
- 1.コンタクトセンター(コールセンター)システムとは
- 2.コンタクトセンター(コールセンター)システムの基本機能
- 3.コンタクトセンター(コールセンター) システム導入のメリット・効果
- 4.コンタクトセンター(コールセンター)システム導入のデメリット・課題
- 5.業務種別ごとに異なるコンタクトセンター(コールセンター)システムの機能
- 6.コンタクトセンター(コールセンター)システムの導入形態
- 7.コンタクトセンター(コールセンター)システムの価格相場
- 8.コンタクトセンター(コールセンター)システムの選び方のポイント
- 9.7つの基本機能別:コンタクトセンター(コールセンター)システム選びにおけるポイント
- 10.コンタクトセンター(コールセンター)システム導入の流れ 5ステップ
- 11.コンタクトセンター(コールセンター)システム導入上の注意点
- 12.汎用性の高いコンタクトセンター(コールセンター)システム「Contact-Link」
- まとめ
1.コンタクトセンター(コールセンター)システムとは
まずはコンタクトセンター(コールセンター)システムが、コンタクトセンターにおいてどのような機能を果たしているのか全体像を把握しましょう。
1-1.コンタクトセンター(コールセンター)システムの概要
コンタクトセンターはオペレーターが顧客対応をする窓口だけでなく、さまざまなシステムが各所で必要な機能を担うことで運用されています。
例えば、顧客からかかってきた電話をオペレーターに自動で振り分ける、オペレーターが通話しながら顧客データを閲覧できるようにする、通話内容の録音、通話結果を記録するなど、その機能は多岐にわたります。
またここでは深く触れていませんが、メールやWEBチャット、SNSでの応対を実施するための機能も必要になります。これらのコンタクトセンターを運用するうえで必要な機能を備えたシステムの総称を「コンタクトセンター(コールセンター)システム」と呼びます。
実際にどのようなシステムが、どのような機能を果たしているかについては、「2.コンタクトセンター(コールセンター)システムの基本機能」で詳しく解説していきます。
1-2.コンタクトセンター(コールセンター)システムは選び方が重要
コンタクトセンター(コールセンター)を運用する鍵は、「どのようなコンタクトセンターシステムを選ぶか」にあります。
なぜなら、自社の目的に合ったコンタクトセンターシステムを導入すれば「顧客応対の品質向上」と「効率向上・コストの削減」を両立できるからです。
逆に、コンタクトセンターシステム選びを間違えると、応対の品質が下がって顧客満足度は下がり、そのうえ無駄なコストが発生し続ける事態に陥るリスクがあります。
また、古いコンタクトセンターシステムを使い続けている企業にとっては、コンタクトセンターシステム刷新によって現在抱えている課題の多くを改善できる可能性が高いといえます。
2.コンタクトセンター(コールセンター)システムの基本機能
コンタクトセンター(コールセンター)を構成するシステムには主にどのようなものがあるかイメージができたところで、次は基本機能を1つずつ紹介していきます。
それぞれ概要とともに、活用シーンや導入により実現できることなども合わせてお伝えします。
1.CTI |
2-1.CTI
CTI(Computer Telephony Integration)は、「コンピューターと電話を統合した技術またはその技術を使ったシステム」です。
電話とコンピューター(パソコン)が連携することによって、電話機の盤面に出ていた電話番号がCTI連携することでコンピューター側に情報が流れその電話番号の顧客情報がCRMでスクリーンポップアップすることができます。
CTIをひと言で説明するなら、「電話とパソコンを連携させるシステム」と言えます。
CTIには3つの機能があり、それぞれの名称と内容をご紹介します。
機能名 | 内容 |
ポップアップ | CTIをCRMと連携させることで顧客から電話がかかってきた際に相手の名前や電話番号がPCモニターに表示される機能 |
クリック | 顧客リストを事前に登録して、PCモニター上に表示された電話番号をクリックするだけでアウトバウンドができる機能 |
オートコール | あらかじめ登録した顧客リストの電話番号に対して、自動でアウトバウンドするという機能 |
中でもポップアップは、業種や問い合わせ内容に関係なく、ポップアップの機能次第で通話時間の短縮などに繋がり、顧客からしても、同じことを一から説明する手間が省けるメリットがあります。
CTIは具体的にどのように活用されているのでしょうか?主な活用シーンと内容をまとめました。
活用シーン | 内容 |
コミュニケーションのパーソナライズ化 | 顧客から着信があった際に、顧客名や連絡先、属性、過去の取引履歴・見込みなどの情報を、瞬時にモニターに表示する。 |
アウトバウンドで架電率を上げる | モニターに表示された番号をクリックするだけで架電できるので、アウトバウンドの手間を削減できる。かけ間違いなどのリスクも最小化できる。 |
CTIは、さまざまなアプリケーションと連動が可能です。特に親和性が高いのがCRM(顧客関係管理)ツールで、着信に対して1 to 1のコミュニケーションを可能にします。
顧客の名前や電話番号を都度聞く必要がなくなるので、確認ミスのリスクも軽減できます。
また、問い合わせ履歴を表示させれば、「この着信の要件はきっと〇〇についてだな」とか「前回はここまで商談が進んでいた」のような確認が通話前にできるので、効率良く応対が行えて、顧客満足度の向上が期待できます。
CTIについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
2-2.PBX
PBX(Private Branch eXchange)は、「構内交換機」とも呼ばれ、電話機にかかわる業務管理を行う装置です。
コンタクトセンター(コールセンター)では顧客からの入電をそれぞれのオペレーターに振り分け、各オペレーターの処理状況を数値化するなど、さまざまな機能を担っています。
顧客向けのフリーダイヤルにかかってきた電話を各オペレーターへ着信させるのが、PBXの機能のひとつです。
数多くの電話機器や通話状況を一括管理できることから、これまでは大規模コンタクト(コールセンター)や大手企業を中心に導入されていました。
最近では手軽に使えるPBXも登場したことで、小規模の会社でも導入されるケースが増えています。
それでは、PBXを導入すると、具体的にどのようなことができるようになるのでしょうか。
導入するとできること | 内容 |
代表者番号の発着信 | 代表番号にかかってきた電話を、あらかじめ設定したルールに従ってオフィスの内線電話機へ着信させることができる |
内線同士の通話 | PBXがあれば、内線同士の通話料がかからない |
発着信制御 | どの内線電話機にどの電話番号からの外線を着信させるか、あるいは、どの電話番号で発信させるか、PBXで設定することができる |
例えば、代表番号の発着信では、
「代表電話はこの期間だけは総務部の電話につなぐ」
「繁忙期はすべての電話で受けるようにする」
など、自由に設定したり、特定の電話機の番号通知を「代表番号」として設定することができます。
内線同士の通話では、全国の支店や工場、スマートフォンなどを内線として利用することが可能になります。
離れた複数拠点を内線化することで、コスト削減が期待できます。
発着信制御では、「営業部にある電話を一時的に企画部の電話番号で発着信させる」、「カスタマーケア部にはお客様相談窓口の電話番号を発着信させる」といった「割り振り」ができるので、デスクの移動やレイアウト変更時の面倒な電話工事が必要なくなり、配置換えなども簡単に行うことができます。
PBXについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
2-3.ACD
ACD(Automatic Call Distribution:着信呼均等分配)は、PBXに着信したコールを自動的にコントロールする装置、機能のことです。
次々に入る着信コールをその時点で空いている、もしくは最も長時間待っているオペレーターへ順次均等に配分することができます。
戦略的にコンタクトセンターを運営していきたい企業には欠かせないシステムになります。
PBXの導入だけでは、一般企業のオフィス内の代表電話を振り分ける内線・外線機能と変わりませんが、ACDシステムを持つことでオペレーターの稼働を均等化できます。
それでは、ACDで何ができるのか、ACDの主な4つの機能をみていきましょう。
・顧客からの着信を振り分ける機能 |
顧客からの着信を振り分ける機能では、待機時間などオペレーターの状況に合わせて振り分ける方法や、オペレーターのスキルに合わせて振り分ける方法などがあります。
また、優先順位を変更できる機能では、顧客の属性に合わせて着信の優先順位をつけることができます。
ACDについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
2-4.CMS
CMS(Call Management System) は、生産性や応対状況などコンタクトセンター(コールセンター)の運営に関わるデータを集計するシステムです。
オペレーターの管理だけでなく、問い合わせ、回数、応答時間等のレポートを長期・短期で集計し、コンタクトセンター運営の分析、予測に必要なデータを得ることができます。
CMSには、以下のような特徴があります。
・コールセンター分析レポーティングの統合ツール |
CMSを導入すると、電話対応業務の履歴を記録することにより、オペレーター業務を支援することができるのです。
では、実際にどのような場面で活用されている機能なのでしょうか?
CMSは、主に以下のような場面で活用されています。
・オペレーターの育成などによるサービスの向上 |
CMSは、応対品質の向上や業務の効率化を図りながら、コンタクトセンター(コールセンター)を運営するために、必要不可欠な機能といえます。
2-5.CTS(CRM)
CTS(Call Tracking System)は、一元的に顧客データベースを管理できるようにするシステムです。CRMと呼ばれることもあります。
顧客応対中のオペレーターの端末画面に、顧客の氏名・住所、購入履歴・応対履歴等の情報を表示すると共に、リアルタイムで電話応対の内容や顧客情報などを入力できます。
CTSの主な機能は、以下の4つです。
・顧客情報管理 |
CTSを導入すると、具体的には以下のようなことを実現できます。
・顧客情報を一元管理することで、生産性が上がる |
このように、CTS(CRM)の活用は、営業活動にさまざまなメリットをもたらします。
2-6.通話録音システム
通話録音システムは、顧客との通話内容を録音できる機能です。
導入の目的として、以下の3つが挙げられます。
・オペレーターの教育など、コールセンターの品質改善に利用するため |
後から通話を振り返ることで応対の品質向上や顧客トラブルの予防が可能になります。
通話録音システムについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
2-7.IVR
IVR(Interactive Voice Response)は、自動音声ガイダンスで応答するためのシステムです。
IVRを導入すると、以下のようなことが可能になります。
・有人対応と無人対応を切り替え |
例えば、ガイダンスに従って電話のプッシュボタンを押すと担当オペレーターに接続する、オペレーターが全員応対中の際にかけ直し依頼のアナウンスを流す、といった対応は、IVRの機能を利用しています。
ではIVRはどのように活用される機能なのでしょうか?IVRを導入するとできることを、具体的にまとめました。
導入するとできるようになること | 内容 |
有人対応と無人対応の切り替え | 無人(アナウンス)対応とオペレーターによる対応の切り替えができる |
適切なスキルを保持している | 利用者の要件とオペレーターグループを紐付けして、最適なオペレーションや自動受付などに接続する |
自動受付 | オペレーターを介さなくても自動で受付ができる |
SMSの活用 | 携帯番号にSMSを送り、「よくある質問」やチャボットに誘導できる |
時間外対応 | 営業時間外であっても対応できる |
折り返し電話機能 | コンタクトセンターの混雑時に、後ほどコンタクトセンターから折り返し電話をする予約を受け付けられる |
IVRを導入すれば、限られたオペレーターでも応対品質を維持しながら、効率よく運用できるようになります。
IVRについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
3.コンタクトセンター(コールセンター) システム導入のメリット・効果
ここで改めて、コンタクトセンター(コールセンター)システムを導入するとどのようなメリット・効果が期待できるのか、見ていきましょう。
1.質の高い応対で顧客満足度が高まる |
3-1.質の高い応対で顧客満足度が高まる
1つめのメリットは「質の高い応対で顧客満足度が高まる」ことです。
コンタクトセンター(コールセンター)における応対で顧客の満足度を高めるためには、まずはオペレーターが丁寧な対応をすることはもちろんですが、それだけでは不十分です。
例えば、どんな問い合わせにも正しい知識で解答するためのオペレーター支援、データベースを活用した顧客の状況の素早い把握、顧客感情を音声から解析したトラブル防止策など、コンタクトセンターシステムでしか実現できない高度な応対があります。
自社に合うコンタクトセンターシステムを導入すれば、それは良いCX(カスタマーエクスペリエンス、顧客体験)の実現に直結します。
結果として、顧客満足度が高まっていくのです。
3-2.現場の負担が軽減し業務が効率化する
2つめのメリットは「現場の負担が軽減し業務が効率化する」ことです。
コンタクトセンター(コールセンター)システムの大きな利点として、デジタル技術の活用によって業務を大幅に効率化できる点が挙げられます。
近年では、音声認識の技術が進み、顧客との会話を自動でテキストに変換することが可能です。
トランスコスモスではリアルタイムのモニタリングに利用したり、音声認識によって顧客の感情を解析したりと、活用の幅が広がっていますが、多くの作業をシステムによって自動化できます。
音声認識について詳しくは以下の記事をご覧ください。
3-3.顧客データをマーケティングや商品改善に活用しやすくなる
3つめのメリットは「顧客データをマーケティングや商品改善に活用しやすくなる」ことです。
コンタクトセンター(コールセンター)システムによって顧客情報や応対履歴、通話内容などのデータベースを連携して管理することは、企業にとって大変有益です。
マーケティング的な観点でみれば、コンタクトセンターシステムを通して蓄積されるデータは宝の山ともいえます。
なぜなら、まだ発見されていないニーズや顧客の本音など、新たな製品・サービスの開発や既存商品の改善などに直結するヒントが多く隠れているからです。
コンタクトセンターシステムによって顧客データを収集し活用することは、コンタクトセンター自体のみならず、その企業の事業成長に好影響を与えます。
4.コンタクトセンター(コールセンター)システム導入のデメリット・課題
一方でデメリットもあります。
デメリットを踏まえておくと、コンタクトセンター(コールセンター) システム導入の際に役立ちます。
1.導入コスト・運用コストがかかる |
4-1.導入コスト・運用コストがかかる
1つめのデメリットは「導入コスト・運用コストがかかる」ことです。
コンタクトセンター(コールセンター)システムは、導入時の初期投資コスト(イニシャルコスト)と保守運用コスト(ランニングコスト)が発生します。導入するシステムによって必要な費用はさまざまです。
コンタクトセンターシステムに最低限必要な機能に加えて、多くの付加機能を求めれば求めるほど、コストもかさんでいく点に注意しましょう。
コンタクトセンターシステムを導入する際には、求める応対の品質・コスト削減と、システム費用のバランスを取りながら、ベストな落としどころを熟考することが欠かせません。
4-2.システムを利用するための教育が必要になる
2つめのデメリットは「システムを利用するための教育が必要になる」ことです。
新しいコンタクトセンターシステムを入れる場合には、それを使いこなせる状態にするまでのトレーニングが発生することも加味しておく必要があります。
例えば、オペレーターにとって操作を覚えるのが難しいシステムや、直感的な操作ではミスが起きやすいシステム、使い勝手が悪いシステムなどは、教育コストが多くかかります。
場合によっては「前のシステムのほうが、生産性が高かった」といった失敗にもつながりかねませんので、注意しましょう。
5.業務種別ごとに異なるコンタクトセンター(コールセンター)システムの機能
さて、ここからは実際にコンタクトセンター(コールセンター)システムの導入を検討している方に向けて、業務種別ごとに異なる必要な機能や選び方についての話題に移っていきましょう。
まずコンタクトセンター(コールセンター)の業務種別は、大きく2つに分けられます。
1.インバウンド型 |
5-1.インバウンド型
インバウンド型のコンタクトセンターは、顧客からの問い合わせを受け付けます。
いわば受身型で、お客様相談室の電話番号にかかってくる問い合わせ電話を受ける、通販の受注電話を受ける、などがインバウンド業務にあたります。
▼ インバウンド業務の例
・商品の注文受付 |
インバウンド業務向けのコンタクトセンター(コールセンター)システムで重要になるのは、「顧客からの入電に効率的に対応する」ための機能です。
具体的には、着信をオペレーターに自動振り分けするACD機能、自動音声のアナウンスに従って注文や申込みできるようにするIVR機能、オペレーターの応対を支援するナレッジ表示機能などが挙げられます。
インバウンド業務のみ・またはインバウンド業務が多い企業では、インバウンドに強い種類のコンタクトセンターシステムを選ぶ必要があります。
5-2.アウトバウンド型
アウトバウンド型コンタクトセンターは、オペレーター側から顧客に商品・サービスの紹介やお知らせなどを伝えます。
インバウンドが受信ならアウトバウンドは発信であり、電話営業、購入者へのアフターフォロー、アンケート調査などがアウトバウンド業務に当たります。
▼ アウトバウンド業務の例
・商品を注文した顧客に対してのアフターフォローコール |
アウトバウンド業務向けのコンタクトセンター(コールセンター)システムで重要になるのは、「効率的に発信する」ための機能です。
具体的には、画面上のボタンをクリックして発信できるクリックトゥコールや、自動的に電話をかけるオートコール、自動的にかけた電話が応答したらオペレーターに接続するプレディクティブダイヤリングなどが挙げられます。
アウトバウンド業務が主体となる企業では、アウトバウンド向けの機能が充実したコンタクトセンターシステムを選定すると良いでしょう。
6.コンタクトセンター(コールセンター)システムの導入形態
コンタクトセンター(コールセンター)システムの導入形態は、大きく2つに分けられます。
1.オンプレミス型 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
6-1.オンプレミス型
1つめの導入形態は「オンプレミス型」です。
オンプレミス型とは
オンプレミスとは自社運用という意味で、企業が自社内に必要なサーバー機器や設備を設置して、システムを運用する形態です。
かつては、コンタクトセンター(コールセンター)システムに限らず、ITシステムといえば自社運用が当然だったため、特別な呼び方はありませんでした。
ですが、後述する「6-2.クラウド型」の出現により、クラウド型と区別するために、自社運用はオンプレミスと呼ぶようになりました。
オンプレミス型のメリット
オンプレミス型のメリットは、社内サーバーですべての情報管理を行うため、カスタマイズの自由度が高いことや外部漏洩のリスクが低いことが挙げられます。
また、オンプレミス型は開発を前提しているため、開発技術があれば他システムとも自由に連携することが可能です。
そのため、高いセキュリティレベルが求められる業界のコンタクトセンターシステムに適しているでしょう。
オンプレミス型のデメリット
一方、デメリットとしては、サーバー機器や各種設備を自社で購入するための初期費用や、それらが老朽化・故障した場合のメンテナンスや保守費用が発生する点が挙げられます。
自社での準備が必要なので、導入までのリードタイムも長くなる傾向です。
▼ オンプレミス型のメリット・デメリットまとめ
◎ メリット | ・カスタマイズの自由度が高い |
✕ デメリット | ・設備投資の初期費用やメンテナンス・保守費用が発生する |
6-2.クラウド型
2つめの導入形態は「クラウド型」です。
クラウド型とは
クラウド型はオンプレミス型とは違い、自社ではサーバー機器などの設備を持ちません。
クラウド事業者インターネットを経由して提供しているコンタクトセンター(コールセンター)システムを、サービス料を支払って利用するのがクラウド型です。
クラウド型のメリット
メリットは、自社でサーバー機器などを購入する必要がないため初期費用を低く抑えやすい、アカウント登録すればすぐに利用できる、インターネットさえあればいつでも・どこでも利用できるなどオンプレミス型と比較し手軽に利用できる点が挙げられます。
障害サポートもサービス提供者が対応してくれるため、自社で対応する必要はなくなります。
また、クラウド型はリモートワークなどの働き方の移り変わりにも柔軟に対応できるため、導入環境を整えることで優秀なオペレーターを確保しやすいという点も昨今は注目されています。
クラウド型のデメリット
デメリットとしては、自社で自由にカスタマイズしやすく初期費用が掛かるオンプレミス型と比較すると、カスタマイズの幅に制限があることや、長期間使うことによってランニング費用が高くなります。
また、他システムとの連携はサービス提供者にもよりますが、オンプレミス型ほど自由に連携することはできず、サポートに限りがあります。
▼ クラウド型のメリット・デメリットまとめ
◎ メリット | ・初期費用を抑えやすい |
✕ デメリット | ・長期間使うとランニング費用が掛かる |
7.コンタクトセンター(コールセンター)システムの価格相場
ここで「コンタクトセンター(コールセンター)の価格って、どの程度が相場なの?」という疑問が浮かんでいるかもしれません。
結論からお伝えすると、一部のクラウド型を除き、基本的にコンタクトセンターシステムは、都度見積もりになります。
またクラウド型も要件によっては、別システム連携が必要となることもあるので、価格感をつかみたいときには、必要な機能や規模、基幹システムとの連携有無などを決めて、複数社に見積もりを取るのがよいでしょう。
ただし、コンタクトセンターに必要なシステム要件を自身で判断できるケースに限ります。
信頼できる専門的な人に相談しながら見積を取る手法が最もお勧めの方法です。
8.コンタクトセンター(コールセンター)システムの選び方のポイント
自社に合うコンタクトセンター(コールセンター)を選ぶためには、どんなポイントを見れば良いのでしょうか。
ここでは8つのポイントをご紹介しましょう。
1.必要な機能がそろっているか |
8-1.必要な機能がそろっているか
1つめのポイントは「必要な機能がそろっているか」という点です。
必要な機能を洗い出すうえでは、「5.業務種別ごとに異なるコンタクトセンター(コールセンター)システムの機能」でご紹介したように、インバウンド業務が主となるのか、それともアウトバウンド業務が主となるのかを明確にしましょう。
そのうえで、具体的に「何をしたいのか」「どんな機能を求めるのか」を明確にし、必要な機能を基準としてコンタクトセンターシステムを選定しましょう。
基本機能ごとの選び方のポイントは、「9.7つの基本機能別:コンタクトセンター(コールセンター)システム選びにおけるポイント」で解説しています。
8-2.予算内の価格か
2つめのポイントは「予算内の価格か」という点です。
コンタクトセンターシステムに限ったことではありませんが、システム構築はカスタマイズを重ねていくと、金額が大きく跳ね上がることも珍しくありません。
そこで最初に予算の線引きをきちんとして、その予算内での導入を目指すことが大切です。
当初承認した予算で収まらないことも想定したうえで、バッファを持たせた予算設定にしておくと良いでしょう。
8-3.基幹システムと連携する必要があるか
3つめのポイントは「基幹システムと連携する必要があるか」という点です。
すでに運用している社内の基幹システムとコンタクトセンターシステムを連携させる必要性がある場合には、“自社の基幹システムと連携できるか否か”で選択肢が狭まってきます。
もちろん、基幹システムのすべての情報を連携する必要はなく、どんなデータを連携するべきかなどの要件や定義により難易度が大きく変わります。
このあたりの判断には専門知識が必要となりますので、基幹システムの担当部門や保守ベンダーとも相談しながらコンタクトセンターシステム選びを進めることが大切です。
8-4.操作性・使いやすさ(UI)に優れているか
4つめのポイントは「操作性・使いやすさ(UI)に優れているか」という点です。
忘れてはならないのが、オペレーターやスーパーバイザーなどの管理者にとっての操作性や使いやすさなど、UI(ユーザーインターフェイス)の評価です。
どんなに高度な機能を持つシステムであっても、現場のメンバーにとって使いづらければ、その機能性を発揮できません。
実際、最終的に「現場で使いづらいから」という理由でシステム入れ替えを行う企業も少なくありませんので、事前にしっかりチェックしたいポイントです。
8-5.セキュリティ対策が厳重か
5つめのポイントは「セキュリティ対策が厳重か」という点です。
顧客情報を扱うコンタクトセンターにおいては、セキュリティ面に十分な対策を講じる必要性があるのは、いうまでもありません。
コンタクトセンターシステムは、そのシステム自体が持つセキュリティ機能に加え、提供元のベンダーが情報セキュリティに対して万全の対策を行っている会社かどうかについても、慎重に見極めるようにしてください。
その客観的な指標として挙げられるのが、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格ISO/IEC 27001を取得しているかです。企業サイトなどで、確認しましょう。
例えば、トランスコスモスの取得情報は「情報セキュリティへの取り組み トランスコスモス」にて公開しています。
8-6.スピーディな導入が可能か
6つめのポイントは「スピーディな導入が可能か」という点です。
スピーディな経営が求められる今、コンタクトセンターシステムの導入も、長い時間をかけているわけにはいきません。
コンタクトセンターシステムの導入期間は、ベンダー・選択するシステム・カスタマイズの度合いなどによって、大きく変わってきます。
価格の見積もりを取るのと同時に、リードタイムの見積もりも取って、導入期間がどの程度かかるのか把握し、システム選定の判断材料のひとつとしていきましょう。
8-7.導入実績があるか
7つめのポイントは「導入実績があるか」という点です。
コンタクトセンターに限らず、何らかのシステム導入に携わったことがある方なら、「ローンチしたばかりのシステムは不具合が多い」という実感があるのではないでしょうか。
システムは、運用して初めて発見される不具合を抱えていることがあり、不具合の発見と改善を繰り返して、質が上がっていきます。
不具合の改善がすでに済んでいるコンタクトセンターシステムを導入したいのであれば、導入実績があるシステムを選ぶことが大切です。
逆に、導入実績がまだ少ないコンタクトセンターシステムを選ぶのは、不具合が起きるリスクを上回るベネフィットが想定できる場合のみに限定しましょう。
「競合他社に先駆けて最先端のテクノロジーを搭載したコールシステムを導入する」のようなケースであれば、実績が少ない段階から導入に踏み切る価値があるといえます。
8-8.アフターケアが充実しているか
8つめのポイントは「アフターケアが充実しているか」という点です。
コンタクトセンターシステムは、導入したら終わりではなく、導入してからが本番です。
導入してから生じた疑問・質問への対応や、運用中に発覚した問題の解決など、アフターケアなしにはシステムの稼働は不可能で、システム提供元の企業とは長いお付き合いが続いていきます。
システム導入後は、具体的にどんなサポートをしてもらえるのか、具体的に確認するようにしましょう。
また「システム納入後に提供元の企業が倒産してしまった」というような事態を避けるためには、経営の安定した企業を選ぶことも大切です。
9.7つの基本機能別:コンタクトセンター(コールセンター)システム選びにおけるポイント
前章では、コンタクトセンター(コールセンター)システムの選び方のポイントをお伝えしましたが、実際にシステムを導入する際には、各基本機能のシステムの選び方のポイントを把握することも重要です。
ここでは、2.コンタクトセンター(コールセンター)システムの基本機能でご紹介した7つの基本機能について、選び方のポイントをご紹介します。
・CTI |
9-1.CTI選びのポイント
CTI選びのポイントは、以下の2つです。
・必要な機能が揃っているか |
CTIの基本機能は、2章でお伝えしたとおり、以下の通りです。
・ポップアップ |
しかし、これ以外にも機能を備えているシステムは多数あります。
そこでCTIを選ぶ際は、はじめに「自社の電話業務ではどのような機能が必要か」について明確にすると、自社に必要な機能を網羅したCTIを選ぶことができます。
例えば、問い合わせ対応などのインバウンド業務が中心の場合は、ポップアップは必須ですが、クリックトゥコールやオートコールは必要ないかもしれません。
すでに導入しているシステムがある場合は、既存システムとの連携も確認する必要があります。
外部サーバーのシステムを利用するクラウド型CTIの中には、連携できるイステムが限られる場合があるので、注意しましょう。
9-2.PBX選びのポイント
PBXを選ぶ際に最も重要なのは、まずどの種類のPBXを選ぶかという点です。
PBXは、主に以下の3種類あります。
・レガシーPBX |
3種類のPBXの中から選ぶ際には、以下の比較表を参考にすると決めやすいでしょう。
レガシーPBX | IP-PBX | クラウドPBX | |
設置タイプ | オンプレミス | オンプレミス | クラウド |
内線通話 | 1拠点 | 多拠点間 | 多拠点間 |
テレワーク | × | ◯ | ◯ |
機器の | △必要 | △必要 | ◯不要 |
導入スピード | △遅い | △遅い | ◯不要 |
音声の品質 | ◯良い | ◯良い | △ネット環境に依存 |
初期費用 | ×高い | ×高い | ◯安い |
ランニングコスト | ◯ | ◯ | △ |
トータルコスト | × | × | ◯ |
停電・災害時 | ◯ | × | × |
情報の安全性 | ◯ | × | × |
これらの業務状況、コスト、安全性を比較して、自社に合った機能を導入しましょう。
9-3.ACD選びのポイント
ACDを選ぶ際のポイントは、以下の2つです。
・既存システムとの連携について |
まず、ACDは他のシステムと組み合わせることで効果を発揮しやすいシステムなので、必ず他のシステムと連携できるか確認しましょう。
また、自社の課題を明確にして、どのような機能が必要なのかを検討することが重要です。
ACDの機能は、主に以下の4つです。
・顧客からの着信を振り分ける機能 |
例えば、特定のオペレーターに入電が集中するなど負荷がかかることを懸念しているのであれば、着信の振り分けを細かく設定できる機能が重要となります。
また、入電が集中していることが課題なのであれば、混雑時に自動アナウンスを流すことができる機能を選ぶといいでしょう。
このように、自社に必要な機能は一体何なのかについて、検討した上で選択するとよいでしょう。
9-4.CMS選びのポイント
CMSを選ぶ際は、どのような情報を管理したいかによって選ぶのがポイントです。
CMSは、自動的に統計データを作成する分析システムなので、どのような情報がオペレーター育成に必要なのか、どのような業務の最適化が必要なのかなどを検討して、それに合ったシステムを導入しましょう。
9-5.CTS(CRM)選びのポイント
応対業務の効率化や顧客満足度の向上を実現するためのCTS(CRM)の選び方のポイントは、以下の2つです。
・自社の目的に合っているか |
CTS(CRM)を選ぶ際は、「どのような情報を管理する必要があるのか」という点について検討しましょう。
必要な機能がない場合は、追加で開発したり、他のシステムを導入する必要が出てきてしまいます。
9-6.通話録音機能選びのポイント
通話録音機能システム選びのポイントは、以下の2つです。
・自社に必要な機能が備わっているか |
最も重要なのは、自社のコンタクトセンターに必要な機能が全て備わっているかという点です。
コンタクトセンターは。業種、取り扱う商材、顧客層、インバウンドかアウトバウンドか、チャンネルの種類など、それぞれ詳細が異なります。
なお、通話録音機能には、以下のようなものがあります。
通話録音に関する機能 |
通話録音/予約録音/通話データの再生/通話データのバックアップ/通話データのダウンロード/通話データのテキスト化/通話データの検索/リアルタイムモニタリング機能/自動音声応答/迷惑電話フィルタ/通話データの暗号化機能/音声の自動レベル制御 |
データ管理に関する機能 |
顧客登録機能/顧客情報の検索/履歴管理/クラウドの一元管理 |
分析機能 |
パフォーマンス分析/リソース使用状況レポート |
その他 |
外部システムとの連携 |
例えば、オペレーター教育に重点をおきたい場合は、モニタリング機能が充実したものが良いでしょう。
オペレーターのパフォーマンス向上を目的としているなら、分析機能が備わっているものを選ぶとよいでしょう。
自社の目的を明確にして、導入する音声録音機能を選びましょう。
9-7.IVR選びのポイント
IVRは、ACDと似ている部分があるので、選ぶ際はIVRの機能の中で自社として何を課題に感じているかによって重要度が変わってきます。
機能 | 内容 |
有人対応と無人対応の切り替え | 無人対応とオペレーターによる対応の切り替えができる |
適切なオペレーターへの振り分け | 利用者の要件とオペレーターグループを紐付けして、最適なオペレーションや自動受付などに接続する |
自動受付 | オペレーターを介さなくても自動で受付ができる |
SMSの活用 | 携帯番号にSMSを送り、「よくある質問」やチャボットに誘導できる |
時間外対応 | 営業時間外であっても対応できる |
折り返し電話機能 | コンタクトセンターの混雑時に、後ほどコンタクトセンターから折り返し電話をする予約を受け付けられる |
一体どのようなことができる機能が自社にとってメリットがあるのかを検討し、IVRを選びましょう。
10.コンタクトセンター(コールセンター)システム導入の流れ 5ステップ
これからコンタクトセンター(コールセンター)の導入を検討するうえでは、“導入の流れ”を把握しておくと動きやすくなります。
5つのステップでご紹介しましょう。
・ステップ1:導入目的と要件を明確にする |
10-1.ステップ1:導入目的と要件を明確にする
1つめのステップは「導入目的と要件を明確にする」です。
実は、コンタクトセンターシステムの導入が成功するか失敗するかの分かれ道となるのが、“最初に目的と要件を社内でどれだけ明確化できたかどうか”になります。
ここを軽視してベンダー任せにしたり、一部の担当社員だけで決めたりすると、後になって必ず歪みが出ます。
コンタクトセンターの目的とゴールを見据えて必要な要件を洗い出し、それに合致したシステムを選ぶことが重要です。
その際には本記事ではあまり触れませんでしたが、「電話」の機能だけでなく、顧客との接点(コンタクトチャネル)をどこまで拡張していくかも想定しておくと、より良いシステムを選びやすくなります。
▼ コンタクトチャネルの例
・電話 |
10-2.ステップ2:コンタクトセンター(コールセンター)システムを選定する
2つめのステップは「コンタクトセンターシステムを選定する」です。
先にも触れたとおり、コンタクトセンターシステムの価格やリードタイムは、ベンダーによってさまざまです。
特にシステムだけでなく、運営人材や場所も委託するかどうかにより、システムベンダーかコンタクトセンターベンダーか分かれます。
まずは信頼できるベンダーに問い合わせて打ち合わせし、自社の状況を詳しくヒアリングしてもらったうえで、相談をすることが最もよいでしょう。
もし、信頼できる既存の会社がない場合、複数のベンダーに提案書と見積もりを出してもらうことが一般的です。
声をかけるベンダーの選び方としては、コンタクトセンターのアウトトソーサー、システムベンダーという具合に、バラエティを持たせると広く情報収集するのに役立ちます。
10-3.ステップ3:要件を定義しシステムを構築・実装する
3つめのステップは「要件を定義しシステムを構築・実装する」です。
導入するコンタクトセンターシステムが決定したら、具体的な要件定義を行い、システムの構築・実装へと移っていきます。
このプロセスを実際に行うのはベンダー側となりますが、発注側企業として重要なのは、必要な情報を抜け漏れなくすべて渡すことです。
なぜかというと、システムの構築に着手してから「●●の機能も必要だった」「社内システムとの連携上、●●の制限があった」などの情報を後出しすると、システム構築をやり直す必要が出るためです。
結果、導入までの期間が延びるだけでなく、場合によっては高額の追加費用が発生します。
発注側企業・ベンダーの両者にとって非効率となりますので、あらかじめ必要な機能や条件、制限事項などを明示しましょう。
10-4.ステップ4:導入前のトレーニングを行う
4つめのステップは「導入前のトレーニングを行う」です。
システムが実装されたら、導入前の社内トレーニングを行います。
新システムになったときの業務フローを作成し、フロー通りに業務を実践するテストを、コンタクトセンター管理者が主体となって行います。
さらに、オペレーター向け・スーパーバイザーなどの管理者向けのマニュアルなどを作成して、操作方法を習得するトレーニングを行っていきます。
コンタクトセンターシステムのスムーズな導入を成功させるためには、導入前のトレーニング設計が重要なカギとなります。
具体的なやり方は、ベンダーの担当者がオペレーター全体へ研修を行うケースもあれば、コンタクトセンター管理者がベンダー担当者からレクチャーを受けて、ほかのオペレーターに研修を行うケースもあります。
どのような方法が良いかは状況によって異なりますので、事前に確認をしておきましょう。
10-5.ステップ5:運用開始する
5つめのステップは「運用開始する」です。
コンタクトセンターシステムが完成し、トレーニングまで実施したら、いよいよ運用開始です。
運用初期は、大量に電話が入るようなスケジュールは組まず、試験運用的にスモールスタートできるようにしましょう。
操作に慣れながら、実際に運用して発見された問題点があれば改善し、コンタクトセンターシステムの運用を軌道に乗せていきましょう。
11.コンタクトセンター(コールセンター)システム導入上の注意点
最後に、コンタクトセンター(コールセンター)システムを導入するうえであらかじめ把握しておきたい注意点をお伝えします。
1.余裕を持ったスケジュールで進行する |
11-1.余裕を持ったスケジュールで進行する
1つめの注意点は「余裕を持ったスケジュールで進行する」ことです。
システム選びのポイントとして“スピーディな導入が可能か”という視点をご紹介しましたが、一方で、物理的に無理のあるスケジュールでの進行は、失敗の原因となります。
なぜなら、ベンダーに無理を押し通して納期を縮めた場合、犠牲になりやすいのはテスト工程だからです。
十分なテスト工程を経ていないシステムは不具合が多く、結局のところ軌道に乗るまでに時間がかかります。
コンタクトセンターシステムの導入を考え始めたらできるだけ早く行動をスタートし、スケジュールにできる限り余裕を持たせましょう。
11-2.現場の意見を軽視しない
2つめの注意点は「現場の意見を軽視しない」ことです。
システムを導入してから気付くシステムへの不満や重大なトラブルの多くは、導入までの間に、社内の誰かがそのリスクを察知しているものです。
しかし、
「今さら意見を言える雰囲気ではない」
「懸念を伝えたけれど問題ないと言われた」
といった積み重ねで、せっかく察知されたリスクがスルーされます。
コンタクトセンターシステムの導入にあたっては、現場のコンタクトセンター管理者、オペレーター、システム担当者など、現場の意見を丁寧にくみ上げて、リスクヘッジすることが大切です。
11-3.信頼性の高いシステム・会社を選ぶ
3つめの注意点は「信頼性の高いシステム・会社を選ぶ」ことです。
コンタクトセンターシステムは、企業が利用するさまざまなシステムのなかでも、重要性が高いシステムです。
なぜなら、顧客満足度に直結するからです。
大切な顧客に質の高いサービスを提供する企業としての姿勢や、顧客ロイヤルティ向上による中長期的な経営の安定につながるのが、コンタクトセンターシステムです。
会社の命ともいえる重要なシステムですから、それを任せるに値する信頼性の高いシステム・会社を選ぶようにしましょう。
12.汎用性の高いコンタクトセンター(コールセンター)システム「Contact-Link」
トランスコスモスで提供しているコンタクトセンター(コールセンター)システム「Contact-Link」は長年の現場運営経験を基に改良を重ねた汎用性の高いコンタクトセンターシステムとなっております。
上場企業から中小企業まで、さまざまな規模の企業に導入実績がございます。
従来のコンタクトセンターの基本機能に加え、様々なチャネルとの連携や音声認識やボットなどの最新技術とも連携が可能です。
システムだけでなく、運用とセットで提供させていただいておりますので、興味がございましたら、一度下記よりご確認ください。
まとめ
コンタクトセンター(コールセンター)システムとは、コンタクトセンターを運用するうえで必要な機能を備えたシステムの総称で、コンタクトセンターの運用に不可欠なものです。
近年では、最新のデジタル技術を活用した次世代のシステムも登場しています。
●コンタクトセンターシステムの基本機能
・CTI |
●コンタクトセンターシステム導入のメリット・効果
1.質の高い応対で顧客満足度が高まる |
●コンタクトセンターシステム導入のデメリット・課題
1.導入コスト・運用コストがかかる |
●コンタクトセンターシステムの選び方のポイント
1.必要な機能がそろっているか |
●コンタクトセンターシステム導入の流れ
ステップ1:導入目的と要件を明確にする |
●コンタクトセンターシステム導入上の注意点
1.余裕を持ったスケジュールで進行する |
この記事が、あなたのコンタクトセンターのシステムを改善し、より良い運営を行うための手助けになれば幸いです。