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コールセンターシステムとは?必要な機能と選び方を分かりやすく解説

「コールセンターを立ち上げたいけれど、必要になるシステムの内容がよく分からない」
「自社に適したコールセンターシステムを選びたいけれど、どれがいいのか判断がつかない」

このようなお考えではありませんか?
コンタクトセンターシステムとは、コンタクトセンターを運用する上で必要な機能を備えたシステムの総称で、以下のような構造になっています。

コンタクトセンターシステムの構造

このうち以下の3つは必須ともいえる基本的なシステムで、その他はあると便利なシステムです。

・PBX(Private Branch eXchange)
・CTI(Computer Telephony Integration) 
・CRM(Customer Relationship Management)

コンタクトセンターシステムを導入する際は、以下のように決めていきましょう。

①PBX・CTI・CRMを導入 ※特別の事情がない限り導入する
②FAQ・オムニチャネル対応システムが必要かどうか検討

また、コンタクトセンターシステムには数多くの製品が存在し、どれを選ぶかによって応対品質やコスト管理の方法が大きく変わる可能性があります。

つまり、最適なコンタクトセンターシステムを導入し、うまく活用することで、最小限のコストで売上を大幅に伸ばすことも可能です。

そのため、正しい知識を持ち、自社に適したコンタクトセンターシステムを慎重に選ぶことが重要です。

そこでこの記事では、以下の内容について詳しく解説します。

この記事を読んで分かること

▼コンタクトセンター(コールセンター)に必要なシステムとその機能
▼コンタクトセンターシステムの選び方
▼コンタクトセンターシステムを導入するメリット・デメリット
▼コンタクトセンターシステムを導入する手順
▼コンタクトセンターシステムを導入する上での注意点

この記事を読むことで、コンタクトセンターシステムがどのようなものなのかがよく分かります。
さらに、自社が選ぶべきコンタクトセンターシステムの要件も明確になるはずです。

コンタクトセンターの構築と効果的な運用は、売上に貢献する重要な要素です。この記事は、そのための役立つ情報を提供していますので、ぜひ最後までお読みください。

目次 [非表示]

1.コンタクトセンター(コールセンター)を構築する際に必要になるシステム一覧

コンタクトセンター(コールセンター)システムとは、コンタクトセンターを運用する上で必要な機能を備えたシステムの総称です。

コンタクトセンターシステムの構造

そのうち、必須ともいえる基本的なシステムは以下の3つです。

・PBX(Private Branch eXchange)
・CTI(Computer Telephony Integration)
・CRM(Customer Relationship Management)

また、あると便利なシステムとしては、以下の2つが挙げられます。

・FAQ(Frequently Asked Questions)
・オムニチャネル対応システム

コンタクトセンターシステムを導入する際は、以下のように決めていきましょう。

①PBX・CTI・CRMを導入 ※特別の事情がない限り導入する
②FAQ・オムニチャネル対応システムが必要かどうか検討

この章では、それぞれのシステムがどのようなものなのかについて解説します。

1-1.コンタクトセンター(コールセンター)で必須となる3つのシステム

コンタクトセンター(コールセンター)に「PBX」「CTI」「CRM」の3つのシステムを導入することで、電話対応の基盤が整います。

具体的には、社内の電話回線をまとめて管理し、コンピュータと連携させて、顧客情報を始めとする各種データに基づいて顧客対応を行うことが可能になるのです。

PBX(Private Branch eXchange)

PBX(Private Branch eXchange)とは日本語で「構内電話交換機」と呼ばれ、複数の外線・内線電話の接続を管理するシステムです。

主な機能は、顧客向けのフリーダイヤルにかかってきた電話を各オペレーターの電話へ着信させることです。

PBXの機能イメージ

さらに、代表番号にかかってきた電話をどこに着信させるか自由に設定したり、複数拠点の電話を内線化して料金をかけずに通話したりすることも可能です。

PBXを導入することで、複雑な電話回線を統合し、社内の電話を効率的に管理することができます。

コンタクトセンターにPBXがなければ、入電を空いているオペレーターに転送することができず、待ち呼や放棄呼が多発してしまうでしょう。

コンタクトセンターにとってPBXは、電話を効率的に管理するために欠かせないシステムなのです。

PBXについては、以下の記事で詳しく解説しています、ぜひ併せてご覧ください。

CTI(Computer Telephony Integration)

CTI(Computer Telephony Integration)は、電話回線とコンピュータを連携させるシステムです。

CTIの概要

CTIを導入することで、電話とデジタルデータ間の連携が可能になります。

例えば、入電時に顧客データベースに登録されている発信者情報をパソコンモニターに自動的に表示したり、パソコン上で表示されている電話番号をクリックするだけで電話をかけることができます。

もしCTIが導入されていない場合、通話のたびに顧客情報を確認するために手作業でデータベースを検索したり、多くの電話をプッシュ操作で行ったりする必要があり、手間がかかってしまいます。

次章で詳しく解説しますが、CTIを活用するとさまざまな作業を自動化することができるだけでなく、データ活用の質も向上します。

コンタクトセンターにとってCTIは、業務効率と応対品質の向上に非常に重要なシステムなのです。

CTIについては、以下の記事で詳しく解説しています、ぜひ併せてご覧ください。

CRM(Customer Relationship Management)

CRM(Customer Relationship Management)は、顧客情報や対応履歴などのデータを管理するシステムです。

顧客の名前や購買履歴・過去の問い合わせの有無や内容などを一括して保存し、いつでもアクセスできるようにします。また、保存しているデータを分析して、顧客のニーズや問い合わせの傾向などを把握することもできます。

前述のCTIによってCRMを電話と連携させることにより、入電と同時に相手の情報を参照し、購買内容や問い合わせ履歴に応じた対応をすることが可能になります。

このようにCRMは、パーソナライズされた顧客対応を迅速かつ継続的に行う上で欠かせないシステムなのです。

CRMについては、以下の記事で詳しく解説しています、ぜひ併せてご覧ください。

1-2.コンタクトセンター(コールセンター)にあると便利な2つのシステム

上記3つのシステムにより、コンタクトセンター(コールセンター)の基盤は整いますが、「FAQシステム」や「オムニチャネル対応システム」を導入すると、さらに効率的で高品質な顧客対応が可能になります。

FAQ(Frequently Asked Questions)

FAQ(Frequently Asked Questions)は、頻繁に尋ねられる質問と回答をまとめた問答集を作成・公開するシステムです。

企業の公式サイトなどで見かける「よくあるお問い合わせ」がこれにあたり、FAQを見れば疑問が解決できるようになっています。

FAQの使い道には、以下2通りのパターンがあります。

・顧客向けに公開して自己解決を促す
・従業員用を作成してナレッジを共有する

FAQによって顧客が疑問や問題を自己解決できれば、コンタクトセンター(コールセンター)への入電が減少します。また、24時間いつでも手軽にアクセスすることが可能で、速やかに問題解決に至るため、顧客満足度も高まります。

従業員用のFAQを活用すれば、製品情報や適切な対応方法をすぐに検索できることから、経験の浅いオペレーターでも質の高い応対が可能になるのです。

このようにFAQは、コンタクトセンターにおいて顧客と従業員双方の問題解決を助ける有益なシステムなのです。

【FAQの導入がおすすめなケース】

・類似の問い合わせが多い
・文章や動画で回答できる問い合わせが多い
・顧客の自己解決率を上げたい
・社内の業務プロセスや手続きに関する疑問が多い
・オペレーターの応対支援策を拡充したい

FAQについては、以下の記事で詳しく解説しています、ぜひ併せてご覧ください。

オムニチャネル対応システム

オムニチャネル対応システムは、顧客とコンタクトセンター(コールセンター)が複数のチャネル(接点)を通じてシームレスにやり取りできるようにするシステムです。

具体的には、電話だけでなくチャットやSNS、モバイルアプリなど、オンライン・オフラインを問わず多様な接点を設けることで、顧客と関わりを拡大します。

オムニチャネル対応システムのイメージ

多様なチャネルによるやり取りが可能になるだけではなく、それぞれのチャネルで収集したデータを一元管理し、分析して役立てることもできます。

現代ではほとんどの人がスマートフォンを活用しているため、電話だけを利用するコンタクトセンターは顧客にとって利便性が低いと言えます。

オムニチャネル化によって顧客が自由な方法で気軽に問い合わせできる環境を整えることは、CX(顧客体験価値)を向上させるとともに、効率的な運営にもつながります。

【オムニチャネル対応システムの導入がおすすめなケース】

・複数のチャネルを持っているまたは活用したい
・CXを向上させたい
・データ活用に注力したい

オムニチャネルについては、以下の記事で詳しく解説しています、ぜひ併せてご覧ください。

2.CTI(電話回線とコンピュータを連携させるシステム)の主な機能

コンタクトセンター(コールセンター)に必須と言える3つのシステムのうち、CTI(電話回線とコンピュータを連携させるシステム)には多くの機能があります。

CTIの主な機能

このうち、自社にとってどの機能が必要なのかを見極めることは、適切な製品選びにつながります。

2-1.ポップアップ

CTIの主な機能1つ目はポップアップです。

顧客から電話がかかってきた際に、相手の名前・年齢・取引や問い合わせ履歴などの情報をパソコンモニターに表示する機能です。

ポップアップを活用すると、顧客が誰であるかをすぐに把握し、それに応じた対応をすることができます。

例えば、顧客が名乗る前に「〇〇様、お世話になっております」と応答したり、顧客に何度も説明してもらわなくても「〇〇の件でしょうか?」と確認したりできるのです。

これによって、情報確認の手間やミスを減らせるだけでなく、相手に安心感を与えることもできます。

特に同じ顧客と複数回やりとりすることが多い場合や、個別的な応対をしたい場合には、ポップアップ機能は特に役立ちます。

【ポップアップの活用が効果的なケース】

・継続的、個別的な応対が必要
・使用しているデータベースやオペレーターの数が多い
・オペレーターのスキルにばらつきがある

2-2.クリックトゥコール・オートコール

CTIの主な機能2つ目は、クリックトゥコールとオートコールです。

クリックトゥコールとは、パソコンモニター上に表示されている顧客情報や架電リストの電話番号部分をクリックするだけで、自動的に架電する機能です。

オートコールとは、あらかじめ登録した顧客リストの電話番号に自動で架電する機能です。

従来の架電業務では、顧客情報や架電リストを目視しながら、電話番号を手動でプッシュする必要がありました。

クリックトゥコール・オートコールを活用すると、その手間と時間を節約できる上に、電話番号の押し間違いなどのミスを予防することができます。

営業やアンケートのために大量の架電をするなどに特に役立ちます。

【クリックトゥコール・オートコールの活用が効果的なケース】

・架電業務が多い
・オペレーターの数が少ない
・架電中の待ち時間が長い

2-3.通話録音

CTIの主な機能3つ目は、通話録音です。通話録音は顧客との会話の内容を録音する機能です。

通話録音によって、顧客とオペレーターの会話内容をデータとして保存することが可能になり、以下のように活用できます。

・応対中の聞き洩らしを確認する
・対応の有無や内容を事実として残し、トラブルを防ぐ
・通話内容を教材化して、オペレーターのスキルアップにつなげる
・顧客とのやりとりからニーズや課題を把握する

応対品質を向上させたい、苦情やトラブルに困っている、などにで特に役立ちます。

【通話録音の活用が効果的なケース】

・応対品質評価を充実させたい
・苦情や通話中のトラブルが多い
・契約などの重要な会話をすることが多い
・顧客の声を活用したい

2-4.着信呼自動分配装置(ACD)

CTIの主な機能4つ目は、着信呼自動分配装置(ACD)です。

ACD(Automatic Call Distribution)とは、顧客からかかってきた電話を事前の設定に応じて自動的に分配する機能です。

例えば、オペレーターのスキルに合わせて着信を振り分けたり、顧客情報を判断して着信に優先順位をつけたりすることができます。

ACDを活用すると、応対の数や難易度が最適化されるため、オペレーターの負担が軽減します。
また、顧客にとっても、短い待ち時間で満足のいく対応が得られる確率が高まるため、CXが向上します。

入電の量が多い、オペレーターのスキルにばらつきがある場合などに特に役立ちます。

【ACDの活用が効果的なケース】

・入電を効率的に管理したい
・オペレーターのスキルにばらつきがある
・CXを向上させたい

2-5.自動音声応答(IVR)

CTIの主な機能5つ目は、自動音声応答(IVR)です。

IVR(Interactive Voice Response)とは、顧客からの電話に対して音声ガイダンスで自動応答を行う機能です。

顧客にプッシュ操作を促し、その結果に応じて適切な窓口に接続したり、予約や再配達などを自動で受け付けたりすることが可能です。

オペレーターは自動応答で完結する問い合わせに対応する必要がなくなり、顧客もスムーズに適切な対応を受けられるため、お互いにとっての最適な状況が実現できます。

簡単な問い合わせが頻繁に発生する場合や、時間外の問い合わせが多い場合などに特に役立ちます。

【IVRの活用が効果的なケース】

・自動応答で解決できる問い合わせが多い
・24時間対応を実現したい
・入電を効率的に管理したい
・顧客の自己解決率を上げたい
・複数のチャネルを持っている

2-6.モニタリング・レポーティング

CTIの主な機能6つ目はモニタリング・レポーティングです。

この機能により、顧客とのやり取りをリアルタイムでモニタリングしたり、内容をレポートにまとめたりすることができます。

モニタリング・レポーティングを活用すると、管理者は個々のオペレーターの状況をより把握しやすくなり、適切かつ迅速なフィードバックが可能となります。

また、レポートされたデータを収集し、顧客のニーズや応対品質を分析することもできます。
応対品質を向上させたい場合や、複雑な問い合わせや苦情が多い場合などに特に役立ちます。

【モニタリング・レポーティングの活用が効果的なケース】

・応対品質評価を充実させたい
・業務改善を行いたい
・難しい問い合わせが多い
・データ活用に注力したい

CTIについては、以下の記事でも解説しています、もっと詳しく知りたい方は、併せてご覧ください。

3.コンタクトセンター(コールセンター)システムを選ぶときに注目すべき6つのポイント

ここまで解説したように、主なコンタクトセンター(コールセンター)システムは5種類ですが、製品は機能や特徴によってさまざまあります。

自社の状況に適したものを選ぶことが成果の最大化する、以下のポイントをチェックしてよく検討しましょう。

コンタクトセンターシステムを選ぶときに注目すべきポイント

それぞれの内容について、解説していきます。

3-1.必要な機能が揃っているか

1つ目のポイントは、必要な機能が揃っているかということです。

必要な機能が不足していた場合、コンタクトセンター(コールセンター)システムを導入する目的が達成できなくなる可能性があります。この際に押さえておきたいのは、業務がインバウンドなのかアウトバウンドなのかによって、必要な機能が異なってくるということです。

インバウンド業務向けのコンタクトセンターシステムでは、「顧客からの入電に効率的に対応する」ための機能が重要です。

・着信を適切なオペレーターに自動振り分けするACD機能
・オペレーターの応対を支援するポップアップ機能
・自動音声のアナウンスに従って注文や申込みできるようにするIVR機能 など

一方、アウトバウンド業務向けのコンタクトセンターシステムでは、「効率的に発信する」ための機能が重要です。

・パソコン画面をクリックして発信できるクリックトゥコール
・自動的に電話をかけるオートコール など

自社の業務の特徴や、コンタクトセンターシステムの導入によって達成したいことに照らして、どのような機能が必要になるのかを検討することが重要です。

3-2.導入形態が自社のニーズに合っているか

2つ目のポイントは、導入形態が自社のニーズに合っているかということです。

コンタクトセンター(コールセンター)システムの導入形態には、「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類があります。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、選択する前によく理解しておくことが重要です

オンプレミス型

クラウド型

特徴

自社内にシステムを設置する

クラウドサービス上のシステムを利用する

メリット

・カスタマイズの自由度が高い
・セキュリティ面は外部漏洩のリスクが低い
・他システムと連携しやすい

・初期費用を抑えやすい
・導入にかかる期間が短い
・インターネットさえあれば場所を問わず利用できる
・障害サポートをサービス提供者が行ってくれる

デメリット

・初期費用が大きくなりやすく、メンテナンス・保守費用も発生する
・障害サポートを自社で手配する必要がある
・導入までのリードタイムが長い

・カスタマイズできる範囲や他システムとの連携に制限がある
・利用人数が多くなるとオンプレミス型より高額になる可能性がある

社内システムとの連携やカスタマイズの必要性、予算の範囲などを考慮し、どの導入形態が適しているのかを検討しましょう

3-3.操作性に優れているか

3つ目のポイントは、操作性に優れているかということです。

どんなに高度な機能を持っていても、使いづらいシステムではうまく活用することができません。
実際に、現場で使いづらいという理由でシステムの入れ替える企業もあります。

そのため、シミュレーション資料やデモ運用を活用して、使いやすいシステムかどうかを確認することが重要です。

またその際には、現場のメンバーにも同席してもらい、意見を聞くことをおすすめします。

3-4.セキュリティ対策は厳重か

4つ目のポイントは、セキュリティ対策は厳重であるかどうかです。

コンタクトセンター(コールセンター)システムでは、セキュリティ対策が不十分であると、顧客データなどの重要な情報が漏洩する危険性があります。

システム自体が持つセキュリティ機能だけでなく、提供元のベンダーが情報セキュリティに対して十分な対策を行っているかも重要です

そのためには情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格ISO/IEC 27001を取得しているかどうかを確認することが客観的な指標となります。取得状況は企業のWebサイトなどで情報を確認することができます。

例えばトランスコスモスは、情報セキュリティへの取り組みをコーポレートサイトで公開しており、ISO/IEC 27001を取得していることが確認できます。 

3-5.導入実績が豊富か

5つ目のポイントは、導入実績が豊富かということです。

システムは、運用して初めて発見される不具合を抱えていることがあります。不具合の発見と改善を繰り返すことで、システムの品質は向上していきます。

導入実績が豊富なシステムであれば、既に不具合の改善が行われているため、優れた機能を発揮する可能性が高いのです。

逆に、導入実績がまだ少ないコンタクトセンターシステムを選ぶ場合は、不具合が起きるリスクを上回る利益が見込まれる場合に限定しましょう。

例えば、競合他社に先駆けて最先端のテクノロジーを搭載したシステムを導入する場合は、実績が少ない段階から導入する価値があるといえます。

3-6.サポート体制が充実しているか

6つ目のポイントは、サポート体制が充実しているかということです。

コンタクトセンター(コールセンター)システムを導入した後も、サポートが重要な役割を果たします。導入後に生じた疑問・質問への対応、運用中にはっせした問題の解決など、ベンダーのサポートが無ければシステムを効果的に稼働させることは難しいです。

システムの導入・運用において、具体的にどのようなサポートが提供されるかを事前に確認するようにしましょう。

4.コンタクトセンター(コールセンター) システム導入で得られる3つのメリット

コンタクトセンター(コールセンター)システムの導入によって、さまざまな業務が効率化されるということがお分かりいただけたと思います。

ここで、コンタクトセンターシステムを導入することで期待できるメリットについて、まとめて確認しておきましょう。

コンタクトセンターシステム導入のメリット

4-1.応対品質と顧客満足度が高まる

1つ目のメリットは、応対品質と顧客満足度が高まることです。
コンタクトセンター(コールセンター)システムを活用することで、より高度な顧客対応が可能になります。

例えば、どのような問い合わせにも正しい知識で解答するためのオペレーター支援、データベースを活用した顧客の状況の素早い把握、顧客感情の解析によるトラブル防止策などによって、応対品質は格段に向上するでしょう。結果として、顧客満足度も高まっていくのです。

このようにコンタクトセンターシステムは応対品質を向上させ、より良い顧客体験を提供することに貢献します。

4-2. 現場の負担が軽減し業務が効率化する

2つ目のメリットは、現場の負担が軽減され、業務が効率化することです。
コンタクトセンター(コールセンター)システムの大きな利点として、デジタル技術の活用によって業務を大幅に効率化できる点が挙げられます。

例えばトランスコスモスのシステムでは、応対履歴の入力や応対品質評価など、多くの作業を自動化できます。結果として、処理時間が短縮され、生産性が向上します。

このようにコンタクトセンターシステムは、現場で問題になりがちなオペレーター・管理者の負担を軽減することで、効率的な運用を実現します。

4-3. 顧客データをマーケティングや商品改善に活用しやすくなる

3つ目のメリットは、顧客データをマーケティングや商品改善に活用しやすくなることです。

コンタクトセンター(コールセンター)システムによって収集した顧客情報や応対履歴、通話内容などのデータから、まだ発見されていないニーズや顧客の本音などを発見できるからです。

コンタクトセンターシステムを通して蓄積されるデータには、新たな製品やサービスの開発、既存商品の改善などに直結するヒントが多く隠れており、まさに宝の山ともいえます。

このようにコンタクトセンターシステムは、データ活用に大きく寄与し、コンタクトセンター自体のみならずその企業の事業成長に好影響を与えます

5.コンタクトセンター(コールセンター)システム導入のデメリット

コンタクトセンター(コールセンター) システムには多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。デメリットも把握した上で導入することが、トラブル防止につながっていくため、確認しておきましょう。

コンタクトセンターシステム導入のデメリット

5-1.導入・運用コストがかかる

1つ目のデメリットは、導入・運用コストがかかることです。

コンタクトセンター(コールセンター)システム導入する際には、導入時の初期投資コスト(イニシャルコスト)と保守運用コスト(ランニングコスト)が発生します。

導入するシステムによって必要な費用は異なりますが、多くの付加機能を求めるほどコストも増加していく点に注意しましょう。

コンタクトセンターシステムを導入する際には、期待できる成果とシステム費用のバランスを考慮しながら、最適な選択を行うことが重要です

5-2.システムを利用するための教育が必要になる

2つ目のデメリットは、システムを利用するための教育が必要になることです。
新しいコンタクトセンターシステムを導入する際には、それを使いこなすためのトレーニングが不可欠です。

例えば、オペレーターが操作を覚えるのが難しいシステムや、直感的な操作ではミスが起きやすいシステム、使い勝手が悪いシステムなどは、より教育コストがかかる可能性があります。

また、前のシステムの方が生産性が高かったといった失敗にもつながる可能性もあるため、注意が必要です。

6.コンタクトセンター(コールセンター)システム導入の 5ステップ

コンタクトセンター(コールセンター)の導入を検討する際には、“導入の流れ”を把握しておくとスムーズに進めることができます。
5つのステップでご紹介しましょう。

ステップ1:導入目的と要件を明確にする
ステップ2:コンタクトセンター(コールセンター)システムを選定する
ステップ3:要件を定義しシステムを構築・実装する
ステップ4:導入前のトレーニングを行う
ステップ5:運用開始する

6-1.ステップ1:導入目的と要件を明確にする

1つ目のステップは「導入目的と要件を明確にする」です。
実は、コンタクトセンター(コールセンター)システムの導入が成功するか失敗するかの分かれ道となるのが、“最初に目的と要件を社内でどれだけ明確化できたか”になります。

ここを軽視してベンダー任せにしたり、一部の担当社員だけで決めたりすると、後で必ず問題が生じます。

コンタクトセンターの目的と目標明確にし、必要な要件を整理し、それに適したシステムを選ぶことが重要です。

その際、電話だけでなく、顧客との接点(コンタクトチャネル)をどこまで拡大するかも考慮に入れておくと、より適切なシステムを選択しやすくなります。

▼電話以外のチャネルの例

・Eメール
・問い合わせフォーム
・チャット
・SMS
・SNS

6-2.ステップ2:コンタクトセンター(コールセンター)システムを選定する

2つ目のステップは「コンタクトセンター(コールセンター)システムを選定する」です。
コンタクトセンターシステムの価格やリードタイムは、ベンダーによって異なります。

また、システムだけでなく、運営人材や場所も委託するかどうかによって、システムベンダーとコンタクトセンターベンダーとで選択が分かれます。

信頼できるベンダーに問い合わせて、自社の状況を詳しくヒアリングしてもらい、適切な相談をすることが重要です。もし、信頼できる既存の会社がない場合、複数のベンダーに提案書と見積もりを出してもらうことが一般的です。

ベンダーを選ぶ際には、コンタクトセンターのアウトトソーサー、システムベンダーなど、バラエティを持たせることで幅広い情報収集が可能となります。

6-3.ステップ3:要件を定義しシステムを構築・実装する

3つ目のステップは「要件を定義しシステムを構築・実装する」です。
コンタクトセンター(コールセンター)システムの導入が決定したら、具体的な要件を定義し、システムの構築・実装に移ることになります。

このプロセスは主にベンダーが担当しますが、発注企業として重要なのは、必要な情報を抜け漏れなく提供することです。

なぜなら、システムの構築に着手してから「●●の機能も必要だった」「社内システムとの連携上、●●の制限がある」などの情報が出てきた場合、システムを再構築する必要が生じるからです。その結果、導入期間が延びるだけでなく、追加費用が発生する可能性があります。

発注企業とベンダーの両者にとって非効率であり、事前に必要な機能や条件、制限事項などは明示しましょう。

6-4.ステップ4:導入前のトレーニングを行う

4つ目のステップは「導入前のトレーニングを行う」です。

新しいシステム導入時には、業務フローを作成し、そのフローに基づいて業務をテストすることが重要です。このテストはコンタクトセンター(コールセンター)の管理者が主体となって行います。

さらに、オペレーター向けや管理者向けのマニュアルを作成し、操作方法を習得するためのトレーニングを実施します。

コンタクトセンターシステムのスムーズな導入を成功させるためには、導入前のトレーニング設計が重要なカギとなります。

具体的な方法として方は、ベンダーの担当者がオペレーターにトレーニングを行う場合もあれば、コンタクトセンター管理者がベンダー担当者から指導を受けて、他のオペレーターにトレーニングを行う場合もあります。

最適な方法は状況によって異なるため、事前に検討をしておきましょう。

6-5.ステップ5:運用開始する

5つ目のステップは「運用開始する」です。
コンタクトセンター(コールセンター)システムが完成し、トレーニングも実施されたら、いよいよ運用開始します。

運用初期では、大量の電話が入るようなスケジュールを組むのではなく、試験運用的にスモールスタートできるようにしましょう。

おオペレーターが操作に慣れつつ、実際に運用する中で問題点が発見された場合は改善を行い、コンタクトセンターシステムの運用を安定させましょう。

7.コンタクトセンター(コールセンター)システム導入上の注意点

最後に、コンタクトセンター(コールセンター)システムを導入する際に把握しておくべき注意点をお伝えします。導入したシステムを効果的に活用できない状況を避けるために、以下の点に注意してください。

コンタクトセンターシステム導入上の注意点

7-1.余裕を持ったスケジュールで進行する

1つ目の注意点は、余裕を持ったスケジュールで進行することです。

物理的に無理のあるスケジュールでの進行は、失敗の原因となるからです。ベンダーに無理を押し通して納期を縮めた場合、犠牲になりやすいのはテスト工程です。

十分なテスト工程を経ていないシステムは不具合が多く、結局のところ軌道に乗るまでに時間がかかってしまいます。

コンタクトセンターシステムの導入を考え始めたら速やかに行動をスタートし、スケジュールにできる限り余裕を持たせましょう。

7-2.現場の意見を軽視しない

2つ目の注意点は、現場の意見を軽視しないことです。
導入してから気付くシステムへの不満や重大なトラブルの多くは、導入までの間に社内の誰かがそのリスクを察知しているものです。

しかし、「今さら意見を言える雰囲気ではない」「懸念を伝えたけれど問題ないと言われた」といった積み重ねで、せっかく察知されたリスクがスルーされてしまいます。

コンタクトセンター(コールセンター)システムの導入にあたっては、現場のコンタクトセンター管理者、オペレーター、システム担当者など、現場の意見を丁寧にくみ上げて、リスクヘへヘッジすることが重要です。

7-3.継続的に評価と改善を行う

3つ目の注意点は、継続的に評価と改善を行うことです。

システムのパフォーマンスや活用方法を評価し、改善を重ねていくことが、システムの最適化につながるからです。

システムにはアップデートが必要なものもありますし、顧客のニーズは時間とともに変化します。

常に現状を把握し、都度速やかに対策できれば、その時々で最も成果を上げやすいシステム活用が可能になるわけです。

KPIや顧客・スタッフからのフィードバックなどを定期的にモニタリングし、課題の発見・解決とより効果的な施策の検討を欠かさないようにしましょう。

7-4.信頼性の高いシステム・会社を選ぶ

4つ目の注意点は、信頼性の高いシステム・会社を選ぶことです。
コンタクトセンター(コールセンター)システムは、企業が利用するさまざまなシステムの中でも重要性が高く、顧客満足度に直結するからです。

たとえば不具合が多く、顧客に「問い合わせたいのにいつもつながらない」と思われるようなシステムでは、信頼を損なってしまうことが明白でしょう。

大切な顧客に質の高いサービスを提供する姿勢を示し、顧客ロイヤルティ向上による中長期的な経営の安定につなげるために、安心して任せられるシステム・会社を選びましょう。

コンタクトセンターシステムならトランスコスモスへ

コンタクトセンター(コールセンター)システムをお探しの方は、まずトランスコスモスにご相談ください。

トランスコスモスでご提供しているコンタクトセンターシステム「Contact-Link」は、長年の現場運営経験を基に改良を重ねた汎用性の高いシステムとなっております。

上場企業から中小企業まで、さまざまな規模の企業に数多くの導入実績がございます。
従来のコンタクトセンターの基本機能に加え、様々なチャネルとの連携やボットなどの最新技術の活用も可能です。

もちろん、システムだけでなく運用もサポートいたしますので、是非お気軽にお問い合わせください。

まとめ

コンタクトセンター(コールセンター)システムとは、コンタクトセンターを運用する上で必要な機能を備えたシステムの総称で、以下のような構造になっています。

コンタクトセンターシステムの構造

コンタクトセンターシステムを導入する際は、以下のように決めていきましょう。

①PBX・CTI・CRMを導入 ※特別の事情がない限り導入する
②FAQ・オムニチャネル対応システムが必要かどうか検討

コンタクトセンターに必須といえる3つのシステムのうち、CTI(電話回線とコンピュータを連携させるシステム)には以下のような機能があります。

・ポップアップ
・クリックトゥコール・オートコール
・通話録音
・着信呼自動分配装置(ACD)
・自動音声応答(IVR)
・モニタリング・レポーティング

コンタクトセンターシステムを選ぶときには、以下のポイントをチェックしましょう。

・必要な機能が揃っているか
・導入形態が自社のニーズに合っているか
・操作性に優れているか
・セキュリティ対策は厳重か
・導入実績は豊富か
・サポート体制が充実しているか

また、コンタクトセンターシステム導入上の注意点としては、以下が挙げられます。

・余裕を持ったスケジュールで進行する
・現場の意見を軽視しない
・継続的に評価と改善を行う
・信頼性の高いシステム・会社を選ぶ

コンタクトセンターシステムは、業務効率とCXの向上に寄与する非常に有用なシステムです。
自社に最適なシステムを選び、大いに活用することをおすすめします。

トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションの
ノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。
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