
顧客接点を強化するには、「顧客接点を増やす」と「既存の顧客接点の質を向上させる」という2つの方向性があります。自社に合う施策を検討して実行し、認知拡大や売上アップにつなげていきましょう。
- 顧客接点を強化する手法:公式サイト・ブログ・ECサイト・SNS・既存の顧客接点の強化、SNS・リモート接客・店舗・イベントの活用、オムニチャネル戦略で顧客接点ごとの連携、コンタクトセンターの活用する手法があります。
- 顧客接点を強化するステップ:顧客のステージの明確化、ターゲット顧客の行動・ニーズの分析、現状の顧客接点の把握、優先順位付け、スモールスタートしPDCAサイクルを回す手順で進めましょう。
「顧客接点を強化したいが、具体的にどこから手をつければよいかわからない」
こうした悩みを持つ企業は多いです。
顧客接点(タッチポイント)とは、店舗での接客やイベントなどのオフラインの接点だけでなく、SNS、オウンドメディア、アプリ、広告などのオンライン接点も含みます。接点の種類が多岐にわたるため、どこを優先して改善すべきか判断に迷うケースが多く見られます。
この記事では、「顧客接点を増やす」と「既存の顧客接点の質を向上させる」という2つの方向性に分けて、実行しやすい8つの施策を具体的に解説します。

顧客接点の強化を検討中の方はぜひ最後までお読みいただき、実行可能な施策を実行してみてください。
顧客接点について基礎知識を先に知りたい方は、こちらの記事もぜひお読みください。
1.顧客接点の強化の2つの方向性

企業が顧客接点を強化する方向性は2つに分かれます。「顧客接点を増やす」か「既にある顧客接点の質を向上させる」のどちらを目指すのかで、必要な施策も大きく異なります。

1-1.顧客接点を増やす(量的な拡大)
顧客接点の「数」を増やす方向性は、新規顧客接触機会を拡大して認知・獲得を加速する施策です。
接点が増えるほど企業情報に触れる機会が増え、購入検討のきっかけや導線が多様化するため、売上拡大やブランド認知向上に直結します。
顧客接点の数が増えるほど、企業の情報が顧客の目に触れる機会が増え、興味・関心を持ってもらいやすくなります。また、顧客接点が多いと顧客の利便性が高まり、新規顧客の獲得や既存顧客のロイヤルティ向上にもつながります。
具体的な施策例 |
たとえば、ECサイトを運営する企業が、既存のWebサイトだけでなく、SNSやLINE公式アカウント、実店舗でのタッチポイントを増やすことで、異なる層の顧客にアプローチできるようになります。
さらに、チャットボットやコンタクトセンター(コールセンター)を新設することで問い合わせ手段が増え、購入を迷っている顧客の意思決定を後押しできます。
1-2.既存の顧客接点の質を向上させる(質的な強化)
既存の顧客接点の質を向上させる方向性は、顧客満足度やリピート率、口コミの向上につながる施策です。
それぞれの質をさらに向上させることで顧客満足度が向上し、リピート率や口コミ効果を高めることができます。接点をただ増やすだけではなく、一つひとつの顧客体験の品質を高めなければ、逆にブランド不信を招く可能性があります。
具体的な施策例 |
たとえば、コンタクトセンターの応対品質を向上させるためにFAQの充実やオペレーターの研修を強化することで、顧客満足度を向上させることができます。また、店舗での接客レベルを向上させることができれば、リピート来店や口コミの増加や新規顧客の獲得にもつながります。
既存の顧客接点の質を向上させることで、顧客満足度と企業の信頼度を高め、長期的な成長につなげることができます。
2.顧客接点を強化する具体的な8つの手法

1章で解説したとおり、顧客接点の強化には「接点を増やす」「質を向上させる」の2つの視点があります。
そのことを念頭においたうえで、ここからは具体的に、顧客接点を強化することができる8つの手法を解説していきます。
顧客接点を強化する具体的な8つの手法 |
・公式サイト・ブログ・ECサイトを強化する |
2-1.公式サイト・ブログ・ECサイトを強化する
公式サイト、オウンドメディア、ブログ、ECサイトは主要な顧客接点です。
施策は大きく「新規チャネルの立ち上げ」と「既存チャネルの品質向上」の2軸に分かれます。
(1)企業が公式に展開するサイト・メディアなどを増やす
公式サイトは存在していても「オウンドメディアはない」というケースでは、新しくオウンドメディアをオープンするという方法があります。
オウンドメディアとは、企業が自社で運用するメディアのことをいい、企業の考え方やユーザーのためになる情報などを発信することができます。
(2)既にサイトやメディアがある場合は質を向上させる
また、既に公式サイト・オウンドメディア・ブログ・ECサイトなどがある場合には、それぞれの質を高めるという方向性も有効です。
具体的には、UI/UXを向上させて購買意欲やブランドロイヤルティを高めたり、サイトのデザインをユーザーフレンドリーにして使いやすさを追求したり、ページの読み込み速度を最適化することでユーザーの離脱を防いだりという手法が効果的です。
また、ユーザーを巻き込んだコンテンツ展開を考えたり、交流できる仕組みを整えたりという手法も有効でしょう。
2-2.SNSでの発信を強化する
顧客接点を強化する手段として、SNS(X、LINE、Instagram、YouTube、TikTok、Facebookなど)の活用は有効です。
【SNSごとの主な活用例】
SNSの種類 | 活用例 |
X(旧Twitter) | 最新情報の発信、トレンド活用、カスタマーサポート |
LINE | クーポン配布、キャンペーン告知、カスタマーサポート |
ブランドイメージの向上、ストーリーズやリールを活用したPR、ECとの連携 | |
YouTube | 商品レビュー、チュートリアル動画、ブランドストーリーの発信 |
TikTok | バズマーケティング、チャレンジ企画、インフルエンサーとのコラボ |
最新情報の発信、イベント告知、ターゲット広告 |
(1)未活用のSNSがあればアカウントを新設する
SNSを活用して顧客接点を強化するために、まずはチャネルを増やす方向性があります。
SNSにはそれぞれ特徴があるため、顧客層(年齢・性別など)や目的(認知拡大なのかファンを増やしたいのかなど)に応じて、どのSNSを活用するかを決めていきましょう。
SNS運用については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
(2)アカウントが既にある場合は運用を強化する
既にSNSアカウントを運用している場合には、さらにそれぞれの質を高める施策を講じましょう。
具体的には、SNS運用のチームを編成し、ユーザーの温度感やトレンド、各SNS独自の世界観、トーン&マナーに合わせて発信を最適化することが重要です。
一方通行にならないようエンゲージメントを重視し、ユーザーの共感を得られるような情報発信を行い、アカウント自体に好感を抱いてもらえることを目指しましょう。
2-3.SNSで顧客と個別にコミュニケーションを取る
先ほどはSNSアカウントを顧客接点として活用する方法を紹介しましたが、SNSは単なる発信ツールではなく、顧客と個別にコミュニケーションを行うための重要なツールです。
自動対応と有人対応を組み合わせ、丁寧な個別対応を行うことで 顧客満足度を向上させ、ロイヤルティを高めることが可能です。各SNSの特徴を活かし、適切なチャネルで顧客との関係を築いていくことが求められます。
ただし、全件対応を目指すと工数が膨大になるため、事前に対応ルールを定めて顧客に明示することが必須です。
対応ルール |
SNS上の全てのコメントや問い合わせに対応しようとすると工数が膨大になり運用負荷が高まるという課題があります。そのため、対応ルールを事前に定めて顧客に提示することをおすすめします。
(1)コミュニケーションツールとしての運用を開始する
未活用のSNSがあれば、ターゲットの属性と目的に応じて新たに導入を検討しましょう。
各チャネルの役割を明確にし、顧客対応に活用することで問い合わせの入口を増やせます。
【SNSの種類と想定される対応例】
SNSの種類 | 想定される対応例 |
LINE公式アカウント | ・顧客が送信した問い合わせに対して、担当者が個別に返信する |
X(旧Twitter) | ・顧客からのリプライで状況確認し、具体的な解決策を返信する |
・顧客からのコメントに対して丁寧に質問に答えながら、追加情報を提供する | |
・顧客からの質問に詳細に回答する | |
YouTube | ・動画のコメント欄に書かれた顧客からの技術的な質問に詳細に回答する |
TikTok | ・顧客がコメント欄で質問した内容に対して、個別に回答する |
LINE公式アカウントやX(旧Twitter)では、チャットボットや自動応答機能を組み合わせることで24時間対応が可能です。自動対応で一次対応の負担を軽減し、必要時は有人で詳細対応するハイブリッド運用が有効です。
(2)SNS運用方針を見直す
既にSNSを運用している場合は、現状の役割と品質を見直しましょう。
たとえば、公式情報の発信用のみのアカウントがある場合、ユーザー交流用アカウントを別途用意するか、運用方針を「発信+双方向コミュニケーション」へ変更することを検討します。
見直し時のポイント |
SNSを活用する際には、自動対応だけでなく、個別対応を丁寧に行うことで 顧客満足度を向上させ、ロイヤルティを高めることが重要です。各SNSの特徴に合わせ、適切なチャネル設計を行い顧客との関係を築いていきましょう。
2-4.リモート接客でオンラインでも「リアルに近い接客」を行う
オンラインショッピングやリモートでの商談が増える中、オンラインでも丁寧な接客や専門的なアドバイスなど「リアルに近い接客」を提供することが顧客接点の質を高めます。
(1)リモート接客を導入できていない場合は試行導入してみる
リモート接客には以下のようなものがあります。まだ導入していないサービスがあれば、導入を検討してみましょう。
【リモート接客の例】
SNSの種類 | コミュニケーションの例 |
購入前のオンライン相談 | チャットやビデオ通話で商材の説明や要件確認、相談を行う |
オンラインカウンセリング | Zoom、Google Meet、LINEビデオ通話などで個別診断を実施 |
サイト内のリモート相談 | ECサイトやアプリにワンクリックで接続できる相談窓口を設置 |
ライブ配信でのQ&A | InstagramやYouTubeでライブ配信 |
このようなリアルな接客に近いリモート接客は、高額商品や専門的な知識を要する商材(保険、不動産、家電など)で有効です。丁寧なカウンセリングを行うことで購買意欲の向上につながります。
「新たな顧客体験を提供できるリモート接客とは?メリットや事例を紹介」の記事もぜひご覧ください。
(2)既にオンライン接客を行っている場合は質を高める
既存のリモート接客を改善することで、顧客満足度と業務効率を同時に高められます。
【オンライン接客の質を向上させる方法】
施策例 | 内容 |
オンライン接客特有のスキル研修を実施する | ・画面越しで伝わる話し方 |
ケース別応対マニュアルを整備する | ・音声・映像トラブル |
チャットボットと有人対応のハイブリッド化 | ・FAQや一次対応はチャットボットで対応 |
AR・VRによる体験価値の向上 | ・製品のスケール確認や設置イメージを提示。 |
画面共有・遠隔操作の活用 | ・操作が苦手な顧客には画面共有で手順を案内 |
顧客データの活用とパーソナライズ化 | ・購買履歴・行動データを基に提案内容の最適化 |
2-5.顧客の技術サポートの受付窓口を充実させる
技術サポートの受付窓口は重要な顧客接点です。迅速かつ確実な対応は、顧客満足度やロイヤルティの向上につなげることができます。
顧客が製品やサービスの利用中に問題に直面した際、スムーズに解決できるかどうかは、顧客満足度に大きな影響を与えます。サポート体制が不十分だと不満が蓄積し、他社製品への乗り換えや悪い口コミにつながる可能性があります。
一方で、充実したサポート窓口を提供することで、顧客は安心して製品・サービスを利用できるようになり、企業への信頼が強まります。また、問い合わせを通じて顧客の課題を理解し、製品改善やマーケティング施策に活かすことも可能です。
(1)技術サポートの窓口をマルチチャネルにする
顧客が問題に直面した際に迅速・適切に対応できるよう、複数のチャネルを整備します。各チャネルの役割を明確にし、問い合わせの一元管理とSLA設定を行うことが重要です。
具体的には、以下のようにさまざまな手段で顧客からの問い合わせに対応できるよう、マルチチャネル化を進めることをおすすめします。
【技術サポートを受け付けるチャネルの例】
チャネルの種類 | 概要 |
電話 | フリーダイヤルやナビダイヤルを用意して、顧客からの質問・相談に対応する |
リモート/遠隔サポート | 画面共有やリモート操作、ビデオ通話でのサポートを行う |
お問い合わせフォーム・メール | 公式サイトに設置したお問い合わせフォームから相談を受け付けて、メールで回答する |
FAQ・動画マニュアル | 顧客が自己解決できるよう、Webサイト上に用意する |
チャットボット | 簡単な問い合わせにはチャットボットを活用し、24時間対応を可能にする |
SNS | LINE公式アカウントやX(旧Twitter)などでも相談を受け付ける |
複数のチャネルを用意することで、顧客が最も利用しやすいチャネルを選択することができます。
(2)技術サポートの質を向上させる
既にマルチチャネルでの対応を行っている場合には、画面共有やAIチャットボットなどを活用することで、さらに顧客体験を改善して満足度を上げることができるでしょう。
【技術サポートの質を向上させる方法】
施策例 | 内容 |
FAQ/セルフサポート | 高頻度の問い合わせをFAQや動画マニュアルに集約し、自己解決率を高める |
チャットボットの導入・最適化 | 簡単な質問やよくある質問についてはチャットボットが一次対応を行い、必要に応じて有人サポートに引き継ぐ |
画面共有・遠隔操作の活用 | PCやスマホの操作が苦手な顧客向けに、操作支援や設定のリモートサポートで解決時間を短縮 |
顧客データによるパーソナライズ化 | 購買履歴・利用状況を参照して、一人ひとりに最適な提案を行う |
サポート履歴のデータを活用する | 問い合わせデータを分類・分析し、FAQ更新、製品改善、対応研修に反映する |
2-6.店舗・イベントなど接客できる拠点を強化する
オンライン施策と併せて店舗やイベントといったリアル接点を増やすことで、顧客のニーズを深く理解し、信頼構築を築くことができます。
(1)顧客とリアルで接することができる機会・場所を増やす
まず、「拠点を増やす」方向性としては、新規出店やポップアップストアの展開、イベントの開催などが効果的です。
たとえば、ECサイト運営企業が期間限定のポップアップストアを開設することで、オンラインでは伝えきれない商品の魅力を実際に体験してもらい、新たなファンを獲得することができます。
また、展示会やフェアに出展することで、ブランドの認知度向上や新規顧客との接点を増やすことが可能です。
店前通行量が高い駅・路面店・ショッピングモールの出入り口に近いような場所にある貸しスペースを狙って出店すれば、自社商品・サービスを知らなかった人にもアプローチでき、認知拡大にもつながります。
(2)既にある拠点での接客品質を向上させる
既存の店舗・イベント拠点では、接客品質と顧客体験(CX)を高め、LTV向上とリピート促進を目指します。
たとえば、店頭でのパーソナライズ接客を強化し、顧客の購買履歴や好みに応じた商品提案を行うことで、顧客満足度を高めることができます。また、イベントでは、ただのプロモーションではなく、ワークショップや体験型コンテンツを導入し、ブランド理解を深めることが可能です。
2-7.オムニチャネル戦略で顧客接点ごとの連携を強化する
オムニチャネル戦略を取り入れて顧客接点ごとの連携を強化する方法も有効です。

オムニチャネル戦略とは、複数の顧客接点(チャネル)を統合して、一貫した購買・サポート体験を提供する戦略をいいます。顧客は自分が使いやすいチャネルを選んで利用でき、どのチャネルを利用しても安定したサービスを受けられることで顧客と企業との関係性を深めることができます。
施策例 | 内容 |
ECと店舗の連携 | ・在庫情報をリアルタイムで同期し、EC注文の店舗受取(BOPIS)を実装 |
カスタマーサポートの統合 | ・LINE公式アカウントやメール、チャットボット、有人チャット、電話をシームレスにつなぎ、問い合わせ履歴を一元化 |
営業・サポート部門の連携 | ・営業・カスタマーサクセス・サポートが同一CRMで顧客情報を共有し、対応履歴を横断利用 |
オムニチャネル戦略を成功させるポイントは、以下の4つです。
(1)チャネル間のデータを統合すること(購買履歴、問い合わせ履歴など) |
オムニチャネル戦略の具体的な進め方を「顧客接点の種類には何がある?顧客接点を強化する4つのステップ」で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
2-8.コンタクトセンター(コールセンター)を活用する
多チャネルの問い合わせを一元化するには、コンタクトセンターの活用が有効です。
コンタクトセンターは電話・メール・SNS・チャットなど複数チャネルで顧客対応を行う拠点で、従来の「コールセンター」と同義で使われることもあります。

実際にどのチャネルを設けるかはセンターごとに異なりますが、主に以下のようなものがあります。
コンタクトセンターを構成するチャネルの例 ・電話 ・FAX ・郵便 ・Eメール ・問い合わせフォーム ・有人チャット、チャットボット ・SNS ・FAQなど |
チャットボットやFAQで自己解決をサポートできるチャネルを24時間提供し、複雑な問い合わせは有人対応へシームレスに引き継ぐことで、顧客は利便性を得られ、オペレーターの負担は軽減されます。
コンタクトセンターを活用することで、顧客接点の数を増やしてより豊かな顧客体験を提供しつつ、オペレーションの効率化ができる効果が期待できます。
さらに詳しく知りたい方は「コンタクトセンターとは?コールセンターとの違いや役割を解説」の記事もお読みください。
3.顧客接点の強化の参考になる企業事例

ここまで顧客接点を強化する方向性や具体的な方法を解説してきましたが、本章では実際に企業が行った事例をいくつか紹介していきます。
3-1.SNSで顧客とのコミュニケーションを活性化させたキリングループ
キリングループは、公式noteやX(旧Twitter)、Instagramなど複数のSNSを活用して、企業の「人」や「温かさ」を伝えるコミュニケーション戦略を展開しています。
共感を重視する方針で、ブランドらしさを一貫して発信することで顧客接点を強化しました。
たとえば、工場見学に関するInstagram投稿では、多くの顧客から「次はこの工場に行きたい」といった熱意あるコメントが寄せられました。
また、X(旧Twitter)では「SPRING VALLEY シルクエール<白>」の発売時に、ビールの絵文字の色に関するつぶやきを投稿し、顧客から大きな反響を得ることができました。
こうした顧客接点で世界観を大切に運用することで、単なる商品宣伝に留まらず、顧客との双方向のコミュニケーションを実現できます。さらに、SNSを通じて企業のビジョンやミッションを伝えることが、採用活動にも好影響を与える結果にもつながったそうです。
キリンのSNS担当者は、「手段から入らず、誠心誠意伝え続けることが大切」と述べており、これが顧客接点強化の鍵となっています。
参考:KIRIN公式note「【2023年版】キリンが考える企業SNSの役割と理想の姿」
なお、キリングループの「淡麗グリーンラベル」のSNSキャンペーンをトランスコスモスがサポートしたことがあり、リアルタイムにユーザーと一体となって楽しめる「ツイッターおにごっこ」ゲームを企画した事例があります。
この企画では、7日間で延べ応募総数3万件超 1.6万人のフォロワーを獲得する成果を挙げることができました。

この事例ついては、下記の記事で詳しく解説しています。
3-2.オウンドメディアを活用して顧客との信頼関係を築いたトランスコスモス
トランスコスモスは2021年6月にコンタクトセンター関係者向けオウンドメディア「Cotra」を立ち上げ、コンテンツを通じて新規顧客の獲得と潜在顧客の創出に成功しました。

Cotraでは、業界の最新動向や課題解決のためのノウハウ、具体的な事例など、多岐にわたるコンテンツを発信しています。
開設1年でコンテンツ約100本配信、月間UU約1万、月間PV約2万、自然流入約80%のメディアに成長し、CVRもUU対比0.1%と現在も成長し続けているオウンドメディアです。
さらに、2023年3月には、法人向けメタバース活用を支援する「メタバースWebコンテンツ」を「Cotra」内に公開しました。このコンテンツでは、メタバースの基礎知識からビジネス活用における課題解決策まで、幅広い情報を提供しています。
顧客のニーズに応じた有益な情報を提供する顧客接点を用意することで、新たにトランスコスモスを知ってもらったり、既に知っているユーザーをファン化させたりということが可能になります。オウンドメディアの活用は、顧客との継続的な関係構築において効果的な手法です。
3-3.アプリで顧客と店舗をつなぐ顧客接点を創出したサントリー
「Gotcha!mall(ガッチャモール)」は、コンビニやスーパー、ドラッグストアなどの参画店舗のガッチャを回すことで取得し、楽しくオトクに買い物ができる顧客体験ができるアプリです。エンターテインメント性が顧客の興味を引き、ブランドへの親近感やエンゲージメントを高める効果があります。
このアプリを通じて、企業が顧客との新たな接点を創出したサントリー酒類株式会社の事例です。

Gotcha!mallを活用してプレモルのキャンペーンを行ったサントリー酒類株式会社では、プレモル総売上に占めるプレモルクーポン売上率が全店平均(64店舗)6.9%を占める結果になり、プレモルクーポン利用におけるプレモル購入者のバスケット単価(顧客単価)も25%アップしました。
購買意欲促進で新規顧客の掘り起こしをできた他、休眠顧客の購買も促進することができました。
この事例ついては、下記の記事で詳しく解説しています。
3-4.CX強化で既存の顧客接点を強化したブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社は、次世代加熱式たばこ専用機器「glo™(グロー)」のユーザー向けに、カスタマーエクスペリエンス(CX)の強化を図り、顧客接点の強化に成功しました。
各種販促キャンペーンにおいて、Webサイトからの離脱率が高く、期待以上のコンバージョンが得られない課題がありました。そこで、トランスコスモスではデジタルマーケティング、カスタマーケア、データアナリティクスをワンストップで提供させていただきました。

カスタマーセンターに寄せられた顧客の声(VOC)とWebサイトの行動履歴をID連携させて分析し、ユーザー属性に合わせたWeb接客やサイト導線、FAQ、コールスクリプトなどを網羅的に改善しました。
その結果、キャンペーンにおけるコンバージョン率が4.5ポイント向上しました。
さらに、カスタマーセンターへのお問い合わせ件数が、約1/4に減少しました。
これは、複雑で類似した応募方法のキャンペーンが多かったことからFAQにたどり着けないユーザーが多く、カスタマーセンターへの問い合わせが集中していたことが原因でした。CXを最適化することで顧客が自分で疑問を解決できるようになり、問い合わせが減少する効果につながりました。
このようにCXの強化を通じて顧客接点の最適化を実現できれば、コンバージョン率の向上や問い合わせ件数の削減といった成果を得ることが可能です。顧客満足度の向上と企業の業績向上にも直結する重要な施策といえます。
この事例ついては、下記の記事で詳しく解説しています。
4.自社に合う顧客接点の強化施策を進める5ステップ

顧客接点を強化する方法や事例を解説したところで、ここからは企業が自社に合う形で顧客接点の強化を進めるためのステップを5段階に分けて解説していきます。
4-1.どのステージの顧客を狙うか明確にする
顧客接点を強化するには、まずターゲットとする顧客のステージを明確にすることが不可欠です。
顧客は認知→リサーチ→比較→会員登録→購入→リピーターといった段階を移行するため、どの段階に働きかけるかで最適な施策が変わります。
▼顧客のステージの例

たとえば、新規顧客の獲得を狙う場合は、SNS広告やSEO対策などの「認知獲得施策」を強化する必要があります。一方、リピーターの定着を図る場合は、ロイヤルティプログラムやパーソナライズされたデータの活用などが有効です。
顧客ステージごとに適切なアプローチをして効率的に顧客接点を強化するため、まずはどの層にアプローチすべきかを考えていきましょう。
4-2.ターゲット顧客の行動・ニーズを分析する
接点を強化したい顧客の層が決まったら、ターゲット顧客の行動やニーズを分析していきます。
顧客がどのチャネルを利用しているのか、どのタイミングで接触したいのかを理解することで、無駄なく的確なアプローチが可能になります。
ターゲット顧客の行動・ニーズを分析するときのポイント
・顧客はどこで情報を得ているか?(オンライン・オフライン、SNS、口コミなど)
・どのポイントが重要視されているか?(価格、利便性、ブランドストーリー、対応品質など)
・既存の接点で満足しているか?不満や課題は?
たとえば、若年層の顧客はSNSを活用する傾向が強いため、InstagramやTikTokでの発信を強化すると効果的です。一方、ビジネスパーソン向けのBtoB商材であれば、メールマーケティングやウェビナーが有効です。
また、オンラインではなく対面での接点を希望する顧客が多ければ、店舗やポップアップストア、リアルで行うセミナー・イベントを増やす施策が必要でしょう。
できれば以下のようなカスタマージャーニーマップを作成して、どのような顧客接点が必要かを検討していきましょう。

カスタマージャーニーマップについては、以下の記事も参考にしてください。
4-3.現在の顧客接点の状況を把握する
現状の顧客接点を可視化すると、改善すべきポイントが明確になります。
まずは、自社が現在どのチャネルを活用しており、どの程度顧客と接触できているのかを把握することで、「どこが足りないのか」「どの程度伸ばしていく必要があるか」を判断していきましょう。
たとえば、企業が運営するSNSのフォロワー数やエンゲージメント率、コンタクトセンターの問い合わせ件数、ECサイトの訪問数などを分析することで、現在どのチャネルが機能しているのかを把握できます。
【現在の顧客接点の状況を把握するときのポイント】
・どの顧客接点が強いか?(流入数・コンバージョン率・リピート率を分析) |
データをもとに現状の顧客接点の強さを把握することで、より効果的な改善施策を計画できます。
4-4.強化すべきポイントをピックアップして優先順位を決める
強化したい顧客ステージや現状把握ができたら、強化すべきポイントをピックアップして優先順位を決めていきましょう。
リソースには限りがあるため、影響度の高い接点から着手して早期に成果を出すのが基本です。
優先順位をつけるのが難しい場合には、「影響が大きい」「改善効果が高い」「実施しやすい」施策を優先して決めていくのがおすすめです。リソースを考慮して、短期施策と中長期施策に分けて計画を立てましょう。
4-5.実行しやすい形で小さく始める
大規模な施策を最初から行うのではなく、小規模で仮説を検証しながら拡大する「スモールスタート」が有効です。
すべての施策が成功するとは限らないため、小さく始めて効果検証を行いながら改善を重ねることで、リスクを抑えながら成果を最大化できます。
たとえば、新たなSNS施策を導入する場合、まずは1つのプラットフォームに限定し、コンテンツの反応を見ながら改善を行うのが良いでしょう。また、新しいサポートチャネルを追加する場合は、一部の顧客グループに限定して試験運用し、問題点を洗い出してから本格導入するのが効果的です。
スモールスタートでPDCAを回すことで、無駄なコストを抑えつつ、効果的な顧客接点の強化を実現できます。
5.コンタクトセンター(コールセンター)を活用した顧客接点の強化ならトランスコスモスにお任せください

顧客接点としてのコンタクトセンター(コールセンター)の質を向上させて、顧客接点をさらに強化したい企業は、ぜひトランスコスモスの「DCCP(Digital Customer Communication Platform)」というプラットフォームをご活用ください。

トランスコスモスの調査によると、カスタマーサポートの体験において感動体験を受けた顧客の84%は、サービス継続意向を持っているという結果があります。また、カスタマーサポートの感動体験により、その企業の他の商品も買いたいと思った人の割合は、82%にのぼりました。
このようにコンタクトセンターは、良質な顧客体験を提供できる顧客接点の重要な拠点と考えることができます。大事な顧客接点をより魅力的なものに強化できれば、顧客満足度の向上や会社に対するエンゲージメントの向上、さらには売上拡大に直結します。
DCCPについてご興味がある方は詳しくはトランスコスモスにお問合せください |
「DCCP」は、顧客コミュニケーションの現場を知り尽くしたトランスコスモスだから蓄積できるノウハウを結集し、顧客が企業に期待する体験に合わせてサービス提供していくためのプラットフォームです。 トランスコスモスでは、単なる発着信業務のアウトソーシングではなく、各種のコンタクトポイントをつないだ問い合わせ対応やAIを活用したパフォーマンス向上・品質管理など、最新技術を取り入れたコンタクトセンターの構築が可能です。 取引社数1,700社以上、センター・在宅での提供席数18,000席以上、提供機能25機能以上という実績を持つ「Digital Customer Communication Platform」について、気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。 |
まとめ
本記事では「顧客接点の強化」について、その方向性や手法について詳しく解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。
◎顧客接点の強化の2つの方向性
企業が顧客接点を強化する場合の方向性は2つあり、「顧客接点を増やす(量的な拡大)」か「既存の顧客接点の質を向上させる(質的な強化)」のどちらを目指すのかで施策が大きく変わってきます。
◎顧客接点を強化する具体的な8つの手法
・公式サイト・ブログ・ECサイトを強化する |
◎顧客接点の強化の参考になる企業事例5つ
企業事例として参考になるのは、SNSでコミュニケーションを活性させた事例やオウンドメディアで顧客との信頼関係を築いた事例、CX強化ですでにある顧客接点をさらに強化した事例などがあります。
◎自社に合う顧客接点の強化施策を進める6ステップ
顧客接点の強化を進める具体的なステップとしては、どのステージの顧客を狙うか明確にする→ターゲット顧客の行動・ニーズを分析する→現在の顧客接点の状況を把握する→強化すべきポイントをピックアップして優先順位を決める→実行しやすい形で小さく始めるという流れとなります。
顧客接点の強化といっても、さまざまなアプローチ方法があります。本記事を参考に、ぜひ自社に合う施策を検討して実行し、認知拡大や売上アップにつなげてください。
