SNS運用とは、企業が「情報発信、集客、認知拡大、イメージ向上」などのビジネス上の目的でSNS (Social Networking Service)のアカウントを運用することを指します。
現在はSNSの利用率が非常に高くなっているため、上手にSNSを運用することでユーザーを開拓したり、結びつきを強めたりすることは、企業にとって重要なテーマだといえるでしょう。
しかし、SNS運用についての理解が曖昧なまま「とりあえずアカウントを取得して発信すればいい」と軽い気持ちで始めてはいけません。
自社に適したSNSの選び方や、成功のポイント、失敗を防ぐ方法などを知らずに取り組んでしまうと、成果が出ないばかりか、アカウントが炎上してしまいユーザー離れを引き起こすなどのリスクもあるからです。
そのためこの記事では「自社のビジネスにSNSをうまく活用したい」と考えている方に向けて以下の内容を解説していきます。
この記事でわかること |
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・SNS運用に取り組む重要性 |
最後までお読みいただくと、企業がSNS運用を開始する上で知っておくべきことが一通りわかり、さらにどのように運用すれば失敗を防ぎつつ他社に負けない成果を出すことができるのか、具体的に知ることができます。
自社に合ったSNSの運用方法を知り、ビジネスを成功に導いていきましょう。
1.SNS運用とは
SNS運用とは、企業が以下のようなビジネス上の目的でSNSのアカウントを運用することを指します。
SNS運用とは |
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企業が「情報発信、集客、認知拡大、イメージ向上」などのビジネス上の目的でSNSのアカウントを運用すること |
「運用」とは、具体的な作業内容としては以下のようなものが挙げられます。
・テキストや画像、動画などの投稿 |
どのような目的であれ、まずは自社のアカウントを認知してもらわなければ始まりませんので、最初にポイントになるのは「投稿」です。
その後、投稿に対してリアクションがあったら対応をしたり、他のアカウントとの交流も進めていく中で、目標に沿ったアクセスを集めることができているのかを確認し、PDCAを回していきます。
さらに、各種SNSでは広告を出すこともできるので、より集客を積極的に行っていきたいという場合は広告配信にも取り組むことができます。
2.SNS運用に取り組む重要性
次はSNS運用の重要性やメリットについて解説していきます。
重要性を知らないまま運用を開始してしまうと、どのような目的でSNSを運用しているのかわからなくなり、成果の出る投稿や対応ができなくなってしまう恐れもあります。
SNS運用に取り組む重要性は、以下の3つに分けられます。
SNS運用に取り組む重要性 |
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・利用率が8割を超えている |
2-1.利用率が8割を超えている
1つ目の理由は「SNSの利用率が8割超と非常に高い」からです。
かつては企業の広告宣伝の手段としてはTVCMなどが効果的でしたが、現在ではTVを見ない人も増えており、インターネットでPRすることが必要な時代になっています。
実際に総務省の通信利用動向調査「令和4年調査」によると、以下のグラフのように、全体の8割以上がSNSを使っており、特に13~49歳では8割以上とほとんどの人が何らかのSNSを利用しているということがわかります。
またSNSを利用する人の割合は年々増加しており、この傾向はまだまだ続いていくと予想されています。
そのため、これからの時代に企業がユーザーに対して効果的な発信をしたいと考えるならば、SNSを活用することは必須だといえるでしょう。
2-2.検索ツールとして使う人が増えている
SNSの利用率が高く今後も増える傾向にあることはご理解いただけたと思いますが、利用者が多いというだけでなく、その利用方法の変化についても知っておく必要があります。
かつてのSNSは、mixiやFacebookのように自分と友達がつながるという閉鎖的な使い方をする人が多かったのですが、最近では「商品やサービスの検索ツール」として使う人が増えています。
ユーザーの検索行動の変化 |
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以前:検索エンジンで知りたい情報や欲しい商品を検索するのが主流だった |
こういった背景があるため、多くの企業がGoogleやYahooなどの検索エンジンだけでなく、SNSの検索からも人を集められるようにSNS運用を始めているのです。
このクロスメディア化(テレビや新聞、ネットなど様々な媒体を横断して広告・宣伝・販促活動を行うこと)によって、企業はコーポレートサイトやオウンドメディア、サービスサイトへの集客を効率よく進めることができるようになります。
そのため、サイトと連動してSNSを運用するケースが多くなっています。
SNS検索による流入を取りこぼさないようにするためには、そのSNSで受け皿となるアカウントを持つことで、自社の購入ページへスムーズにつなげることができたり、正しいメッセージを伝えることができたりします。
このように、ユーザーがSNSで検索をするように変化した結果、企業がSNSで自社アカウントを運用することの重要性がより高まっているのです。
2-3.細かい条件で広告配信先をターゲティングできる
最後はSNS運用の中でも広告を配信するときのメリットとなります。
SNSの広告は、ターゲットの年齢や性別、興味関心などの条件を細かく指定して配信することができるため、非常に効率よくユーザーへリーチできるというメリットがあります。
一般的なインターネット広告の場合、過去の検索履歴やサイトの閲覧履歴などをもとに性別や年代などを推測していますが、あくまでも推測であるため、企業の望んだユーザーに広告が配信されていない可能性もあります。
しかしSNS広告なら、ユーザーが登録している情報(性別、年齢、居住地、興味関心など)や「いいね」をしているコンテンツなどを元にして、広告配信先を決めることが可能です。
SNSの種類にもよりますが、例えば以下のような詳しい条件でターゲティングすることができます。
ターゲティングできる情報の例 |
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・年齢 |
そのため、「既婚者向けの保険商品を宣伝したい」「サッカーに関心のある関東在住の人にリーチしたい」というように条件を細かく設定して自社の広告を表示させることが可能になるのです。
このようにSNS広告を活用すると、自社サービスに関心を持ってくれそうな人を高い精度で絞り込んで効果的にアプローチすることができます。
3.主要なSNSの種類と特徴
ここまでSNS運用に取り組む重要性についてお伝えしてきました。
しかし、SNSというくくりの中にも様々な種類があるので、どこでどのようなアカウントを作り運用していくべきなのかわからないという方もいるのではないでしょうか。
そこでこの章では、以下のSNSについて、種類と特徴を詳しくお伝えしていきます。
主要なSNSの種類と特徴 | |
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X(旧Twitter) | 全年代で利用率が高いSNS。拡散力が高く、140文字の短文テキストや画像、動画を投稿が可能 |
30〜40代のビジネス層の利用率が高い、実名登録制のSNS。長文テキストや画像、動画など自由度の高い投稿が可能 | |
LINE | 全年代の利用率が94.0%と、最も多くの人に使用されているSNS。知人や家族との手軽な連絡手段として活用するユーザーが多い |
ビジュアルが映える写真の投稿がメインで、トレンドに敏感な若年層・女性層にリーチしやすいSNS | |
YouTube | 動画投稿やライブ配信などを行うことができる動画プラットフォーム。拡散力の高さと発信できる情報量の多さが強み |
TikTok | ショートムービーを配信できるSNS。ユーザー数の伸び率が最も高く、現時点では主に「若年層」「女性層」へリーチしやすい |
SNSは種類によって特性が大きく異なるため、目的に合ったSNSを選び運用することが大切です。
そのためまずはどんなSNSが存在し、それぞれどのような特徴を持っているのか、概略を把握していきましょう。
3-1.X(旧Twitter)
総務省情報通信政策研究所の「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、X(旧Twitter)の利用率は全年代で45.3%と高く、特に20代では8割近くの人が利用している人気のSNSです。
X(旧:Twitter)の特徴 | |
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概要 | 「ツイート」と呼ばれる140文字の短文テキストや画像、動画を投稿できるSNS。リアルタイム性が高いためニュースやキャンペーンなどと相性が良い |
月間利用者数 | 全世界:5億4000万 ※2023年7月時点 |
メリット | 投稿の拡散力とリアルタイム性が高い点 |
デメリット | 拡散力が高いことと匿名のユーザーが多いことから、炎上しやすいという側面もある |
活用方法 | 自社アカウントで情報発信を行って他のユーザーとコミュニケーションをとったり、リツイートすることでプレゼントがもらえるキャンペーンなどを行ったりして認知度向上を狙う |
向いている企業 | ユーザーの生の声をリアルタイムに収集して、マーケティングやサービス向上に活かしたい企業、拡散力の高さを活かしたフォロー&リツイートキャンペーンなどで、販売促進を積極的に行いたい企業 |
X(旧Twitter)はリアルタイム性が高いという特徴があるため、季節性のあるイベントに絡めた投稿で、他のアカウントとのコミュニケーションをとり認知度を高めるのに役立てている企業も多いです。
また、企業アカウントをフォローしてリツイートすると景品が当たるというようなキャンペーンを実施することで、フォロワーを増やし露出を高めるという活用方法も一般的です。
注意したい点としては、炎上が生じやすいSNSであるということです。X(旧Twitter)に限ったことではありませんが、企業の公式アカウントで偏った考え方や差別的なニュアンスを含むような発信をするのは避けるべきでしょう。
3-2.Facebook
30〜40代のビジネス層の利用率が高い、実名登録制のSNSです。
社内の上司や同僚・部下、仕事上の顧客などともつながるため、フォーマルな場として活用する人も多いという特徴があります。
Facebookの特徴 | |
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概要 | 実名登録が基本となっており、友人や仕事関係の知り合いなど主にリアルで面識のある人とつながる場として利用されている。長文テキストや画像、動画など自由度の高い投稿が可能 |
月間利用者数 | 全世界:30億3000万 ※2023年10月時点 |
メリット | 質の高い情報が多い、炎上しにくい、グループを作成してファンコミニティを形成できる |
デメリット | 拡散力は高くない |
活用方法 | 自社アカウントで有益な情報を発信することで認知度を高め、ファンを増やす |
向いている企業 | 豊富なテキストや画像を使った質の高い情報をしっかりとユーザーに届けたい企業、自社のファンと強固につながりたい企業 |
Facebookは実名で登録することが基本となっており、わざと嘘や他者を傷つけるような内容の書き込みをする人は少ないことから、炎上しにくく情報の質が高いのが特徴です。
また、Facebook内でグループを作成してユーザーに参加してもらうこともできるため、自社プロダクトのファンページを作り、ユーザーの役に立つ情報の発信やキャンペーン等を通じてロイヤリティを向上させるのにも有効です。
X(旧Twitter)やInstagramのように端的に情報を発信するのではなく、丁寧に企業の取り組みやメッセージを伝えたい、ファンと濃密につながりたい、という場合に役立つSNSだといえるでしょう。
3-3.LINE
LINEは「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると全年代の利用率が94.0%と、最も多くの人に使用されているSNSです。基本のインフラとして多くのユーザーの生活の中に自然と定着しているため、情報を見てもらいやすいというメリットがあります。
LINEの特徴 | |
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概要 | 知人や家族との手軽な連絡手段として活用するユーザーが多い。全世代の利用率が高く生活インフラとして定着している |
月間利用者数 | 全世界:1億9,400万 ※2022年11月時点 |
メリット | 質の高い情報が多い、炎上しにくい、グループを作成してファンコミニティを形成できる |
デメリット | 拡散力は高くない |
活用方法 | 自社アカウントで有益な情報を発信することで認知度を高め、ファンを増やす |
向いている企業 | 豊富なテキストや画像を使った質の高い情報をしっかりとユーザーに届けたい企業、自社のファンと強固につながりたい企業 |
上記のように、利用者数が多くかつ配信内容を目にしてもらいやすいというのがLINEの最大の強みです。
また、LINEが公開しているAPIを利用すると以下のようにパーソナライズされた情報配信を行うことも可能です。
・20歳以上の男性だけにメッセージを送る |
この機能を活用すると、よりユーザーに合った内容のメッセージやクーポンを届けることができるため、反応率が高くなります。
そのため、情報を拡散させて友達登録してくれるユーザーを増やすというよりは、自力で増やしたユーザーに対して濃度の高いコミュニケーションをとるのに有効なSNSだということになります。
3-4.Instagram
10〜20代の7割以上が利用しているため、若年層へリーチしやすいSNSです。全世代の利用率も50 .1%とX(旧Twitter)を抜く利用率です。X(旧Twitter)やFacebookと比較すると女性の利用率が高いという特徴もあります。
Instagramの特徴 | |
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概要 | ビジュアルが映える写真の投稿がメインで、トレンドに敏感な若年層・女性層にリーチしやすい。公開期間が限られているストーリーズ機能やライブ配信できる機能など、様々な方法を活用して情報発信することが可能 |
月間利用者数 | 全世界:12 億 1000 万 ※2022年5月時点 |
メリット | 投稿をしたり見たりするだけでなく、情報収集や買い物目的で使うユーザーが増えている、ハッシュタグを活用することで自社の投稿を見てほしいターゲットを選定できる |
デメリット | シェア機能がないため拡散力は高くない |
活用方法 | ユーザーへの訴求力の高い画像や動画を配信することで認知度を向上させる、ファンを増やす |
向いている企業 | ファッションやコスメ、スイーツなどビジュアル映えする商品のPRをしたい企業、トレンドに敏感な層のファンを増やしたい企業 |
写真や短い動画のようなビジュアル面における訴求力が高いため、自社のブランドイメージや商品の良さを視覚的に伝えられるというのがInstagramの強みです。
24時間限定の表示ができるストーリーズ機能で、期間限定キャンペーンなどの訴求も可能です。
また、拡散性の低さから炎上しにくいというのもポイントのひとつとなります。
3-5.YouTube
利用率がLINEに次いで2番目に多い(87.1%)動画共有サービスです。一般人や企業、芸能人など様々な人がチャンネルを作成し、幅広いコンテンツを提供しています。
YouTubeの特徴 | |
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概要 | 動画投稿やライブ配信などを行うことができる動画プラットフォーム |
月間利用者数 | 全世界:20億 ※2021年3月時点 |
メリット | 拡散力が高い、動画のため多くの情報を届けることができる |
デメリット | 動画の作成に手間がかかる、拡散力の高さゆえに炎上しやすい |
活用方法 | 商品やサービス内容を紹介する、魅力的なコンテンツの配信でファンを増やす |
向いている企業 | 丁寧な説明が必要な商品・サービスを取り扱っている企業、ユーザーの役に立つ情報を配信してファンを増やしたい企業 |
YouTubeでは動画という情報量の多いコンテンツを配信することができるため、ユーザーに企業のサービスの価値を丁寧に伝えたい場合や、見込み客の欲しがる情報を提供することでファンを増やしたい場合に非常に役に立ちます。
また、似たようなコンテンツを見ているユーザーに自社の動画が自動的にレコメンド表示されるため、チャンネル登録をしていないユーザーに観てもらえるチャンスがあるのも嬉しいポイントです。
3-6.TikTok
全年代における利用率は他のSNSより低め(28.4%)ですが、ユーザー数の伸び率が最も高い成長期のSNSです。主に「若年層」「女性層」の利用が多いという特徴があります。
TikTokの特徴 | |
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概要 | 3分までの長さのショートムービーを配信することができる動画SNS。若年層を中心にユーザー数を伸ばしている |
月間利用者数 | 全世界:10億 ※2021年9月時点 |
メリット | 拡散力が高い、フォロワーが少ない初期の段階でも動画の視聴回数を伸ばせる、アプリ上で簡単に動画作成を行えるため高度な専門知識が不要 |
デメリット | TikTokの世界観に合わないコンテンツの場合受け入れられにくい |
活用方法 | 商品やサービス内容を紹介する、魅力的なコンテンツの配信でファンを増やす |
向いている企業 | 学生や20代などの若年層や女性層をターゲットとした商品を取り扱っている企業、若年層を中心に採用に役立てたい企業 |
上記のようにTikTokは情報量の多い動画形式で発信ができるため、商品やサービスの魅力をアピールしやすいという特徴があります。
現時点では利用者は若年層や女性層が中心ですが、利用者数と利用層は年々拡大しているため、自社のターゲットと合致する場合には積極的に活用すると良いでしょう。
4.SNS運用の成功事例4つ
各SNSの特徴をお伝えしてきましたが、実際に自分が企業アカウントとして運用する場合、どのように活用すればいいのかイメージが沸かないという人もいると思います。
そこでこの章では、具体的なイメージがつきやすくなるよう実際の成功事例を紹介していきます。
他社の事例から、自社のSNS運用を成功させるためのポイントを学んでいきましょう。
4-1.キリン株式会社
1つ目の事例は、キリン株式会社(以下、キリン様)のTwitterを活用した事例です。
キリン様は、FacebookやTwitter、Instagramなど40を超えるソーシャルメディアの公式アカウントを運用されている中で主力ブランドのひとつである「淡麗グリーンラベル」のTwitterキャンペーンを企画され、トランスコスモスに運用を任せていただきました。
企画内容はリアルタイムにユーザーと一体となって楽しめるTwitterメディアの特性を活かした「ツイッターおにごっこ」ゲームです。
大盛況でキャンペーンを実施することができ、7日間で延べ3万件以上のキャンペーン応募がありました。独創的な仕掛けが話題性を喚起し、Twitter上でも話題となりました。また、多くのメディアでも取り上げられるなど注目を集め、1.6万人のフォロワー獲得にも成功しています。
課題 | 主力ブランドのひとつである「淡麗グリーンラベル」のTwitterキャンペーンを企画 |
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成果 | ■ Twitterでユーザー参加型大規模キャンペーン実施 |
取り組み内容について詳しくはこちらをご覧ください。
参考記事:キリン株式会社 導入事例
4-2.日本マイクロソフト株式会社
2つ目の事例は、日本マイクロソフト株式会社様(以下、日本マイクロソフト様)のTwitterとLINE@を連携した事例です。
日本マイクロソフト様は、ノートPCやタブレットなど一台で何役もこなす Surface シリーズにおいて、製品を使用・体験しているお客様の声やレビュー記事を紹介したり、購入後のお客様の満足度を向上させると共に、来店前また来店後の、“購入前のお客様の疑問やお悩みをソーシャルアカウントで解決できるか?”という点を課題解決の手段として、次のソーシャルメディアの活用を模索されていました。
トランスコスモスにTwitterとLINE@のアカウント運用を任せていただき、LINE@の友だち数(ファン)は1年間で約6倍に増加。Surface の購入検討者数においては、Twitterで2倍以上、LINE@では2.5倍以上に増加しました。
課題 | 顧客満足度の向上、購入検討段階のお客様の疑問やお悩みの払拭 |
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成果 | ■ TwitterとLINE@ ユーザーの状況に合わせて連携運用 |
取り組み内容について詳しくはこちらをご覧ください。
参考記事:日本マイクロソフト株式会社 導入事例
4-3.ネスレ日本株式会社
3つ目の事例はインスタントコーヒーの国内販売シェアNo.1を誇り、食品・飲料の製造販売を幅広く展開する「ネスレ日本株式会社様(以下、ネスレ日本様)」のFacebookを活用された事例です。
ネスレ日本様は、人気のコーヒーマシン「ネスカフェゴールドブレンドバリスタ」をオフィスにて無料で使用できる「ネスカフェ アンバサダー」の大規模な募集キャンペーンを企画していました。
24時間体制で問い合わせに対応するキャンペーン事務局を必要とされており、キャンペーンの募集告知・応募受付を行うWebサイトと、口コミによる拡散が期待できるFacebookを活用したコミュニティサイトの構築を希望されていました。
Webサイト構築では、募集告知・応募受付機能を担う「キャンペーンサイト」とFacebook上でネスレ日本様、ネスカフェ アンバサダー、サイト来訪者に交流の場を提供する「コミュニティサイト」の2つのサイトを企画。豊富なサービス提供実績の中で培った制作ノウハウを活用することで、各種コンテンツの企画・構築作業をスピーディーに仕上げました。
「ネスカフェ アンバサダー」募集キャンペーンには、直近の3ヵ月間で、予測を大幅に上回る約5万名の応募が殺到し、Facebook上のコミュニティサイトにおいても、「いいね!」の数が8万件を超えており、反響の大きさが数値として明確に現れました。
課題 | ■ 「ネスカフェ アンバサダー」の大規模な募集 |
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成果 | ■ ネスカフェ アンバサダー大規模キャンペーン トータルにサポート |
取り組み内容について詳しくはこちらをご覧ください。
参考記事:ネスレ日本株式会社 導入事例
4-4.富山県射水市
最期に富山県射水市の市政情報配信や道路の不具合通報等におけるLINE公式アカウント活用の支援についての事例をご紹介します。
2021年4月28日より富山県射水市(市長:夏野元志)にLINEを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)ツール「KANAMETO(カナメト)」を提供し、射水市におけるLINE公式アカウントを活用したDXの支援を開始しました。
市LINE公式アカウントにおいては安全・安心なまちづくりを支援する機能が充実しており、その一つが、KANAMETOの「自治体向け通報ソリューション」を活用した「市民レポート」です。
射水市の「市民レポート」では、市民から道路や公園、街灯、河川の危険箇所や破損個所などに関する通報をLINEで受け付けます。市民は、チャットボット形式の通報シナリオに沿って、不具合箇所の発見日時、位置情報、画像などをLINEで送信できるので、通報の精度が向上します。
更に、「自治体向け通報ソリューション」の「ステータス管理機能」により、KANAMETOの管理画面上で通報の対応状況を一元管理することができます。
市民から受け付けた通報の画像や地図などのデータを一覧で確認できるほか、対応ステータス・優先度などの情報を設定可能です。通報情報の管理を効率化することで、迅速な補修対応につなげることができます。
取り組み内容について詳しくはこちらをご覧ください。
5.SNS運用を成功させるためのポイント5つ
SNS運用に成功している企業の事例を紹介してきましたので、「自社の場合はこの会社に近い使い方をしたい」というイメージが沸いてきたのではないかと思います。
SNSのアカウント作成は無料でできるのでハードルが低く感じますが、やみくもに実施しては成果を出すことは難しいのが実情です。
そのためこの章では、SNS運用を成功させるためのポイントとして以下の5つを解説していきます。
SNS運用を成功させるためのポイント5つ |
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・目的を定める |
成功のポイントをあらかじめ知っておくことで、効率よく運用計画を立てて実行していくことができるようになります。
5-1.目的を定める
最初に決めなければならないのが、SNS運用の目的です。
SNSをビジネスに活用するためには色々なやり方があるため「どのSNSを何のために運用するのか」「どの層をターゲットにして何を目指すのか」をきちんと決めてから始めなければ、成功の指標がそもそも曖昧になってしまいます。
企業がビジネスでSNS運用を行う目的の例としては以下のようなものがあります。
ビジネスでSNS運用を行う場合の目的の例 |
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・認知拡大させる ユーザーとの接点を作ることで自社商品やサービスの認知度を高める ・ファンを増やす コミュニケーションやコミュニティ作りを行うことで自社のブランドや商品を好意的に感じる人を増やしファン化する ・購買につなげる 商品紹介やキャンペーン、クーポン提供などを行い購買につなげる ・想起率を高める この商品といったらこのブランド、というように想起される率を高める ・ユーザーのサポートをする 問い合わせ対応や商品理解促進の場とする ・ユーザーの生の声を取得する リアルタイムの反応をサービス改善に活かす ・採用につなげる 企業の社風や中で働いている人の声をリアルに発信することで採用につなげる |
例えば、立ち上げたばかりのブランドであればまずは「認知拡大」や「購買」「想起率向上」などを目的とするのが良いでしょう。
逆に既に認知度が十分にあるブランドや商品の場合は、「ファンを増やす」「ユーザーの生の声を取得する」などを目的とすることが多くなります。
また最近ではユーザーサポートのツールとしてSNSが使われることも多くなっています。「フリーダイヤルに電話をしたけれどつながらない」「営業時間内に電話をかけられない」ということに不満を感じていたユーザーの利便性を高めることで、満足度向上に役立ちます。
このように、自社の企業自体のイメージを高めたいのか、特定の商品のブランディングを行いたいのか、などの目的を定めるようにしていきましょう。
5-2.目的に合ったSNSを選ぶ
SNS運用の目的が決まったら、次はそれを達成するために役立つSNSを選びましょう。
既にご紹介した通りSNSにはそれぞれ特徴があるため、ここで選び方を間違えるとどれだけ頑張っても成果につながらないという事態に陥ってしまいます。
以下に、目的別におすすめするSNSを記載します。
目的 | おすすめするSNS |
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認知拡大・想起率向上 | 拡散力の高いTwitterやYouTubeが向いている。若年層がターゲットの場合はTikTok、10~50代の女性がターゲット層の場合はInstagramなどが有効。 |
ファンを増やしたい | テキストを中心にユーザーとコミュニケーションをとりたい場合はTwitter、コミュニティを作り運営したい場合はFacebook、画像でビジュアルを訴求したい場合はInstagram、動画コンテンツを軸に発信したい場合はYouTubeやTikTokなど。 |
購買につなげたい | 投稿から直接ECサイトへのリンクを貼ることができる「ショッピング機能」がついているInstagramやFacebookが有効。 |
顧客のサポートをしたい | 最も利用率の高いLINEは全年代のカバーが可能。TwitterやInstagramのダイレクトメッセージ機能を活用するケースもある。 |
ユーザーの生の声を得たい | リアルタイム性の高いTwitterやInstagram、コメント欄が活発なYouTubeなどが有効。 |
採用につなげたい | 情報量の多い動画での発信ができるYouTubeやTikTokが有効。 |
例えば、自社商品のターゲットが40代男性なのに、若年層や女性が中心のTikTokでアカウントを開設しても、理想の顧客へリーチするのは難しくなります。
また、商品の使い方や企業の想いなどを丁寧に説明したい場合は、Twitterのような短文によるコミュニケーションのSNSでは真意が伝えきれないことがあるため、濃い内容の情報発信を行いやすいFacebookやYouTubeなどを選ぶと良いでしょう。
上記のように、自社の目的や主要顧客の年齢・性別、アピールしたいものの特徴(テキストで魅力を訴求できるのか、画像もしくは動画が良いのか)などに応じて、適したSNSを選びましょう。
5-3.SNS運用のチームを作る
目的が決まり、どのSNSでアカウントを運用していくのか決まったら、次はSNS運用に適したチームを作ります。
SNS運用の際は、ユーザーの温度感やその時のトレンド、そのSNS独自の世界観、トーン&マナーを大切にして取り組むことが重要です。これを守れていないと、投稿を見てもらえないばかりかユーザーの反感を買ってしまうことも考えられます。
そのため、担当者がきちんとSNSに向き合うことができて、チームとして成果を出せる環境を構築することが大切となっていきます。
SNS運用チームを作る際の具体的な留意点は以下の通りです。
SNS運用チームを作る際の留意点 |
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・多少なりともSNSを使った経験があり、SNSに対する関心がある人材を担当者にする |
上記のようにSNSを勉強する意識のある人材を担当者にしたり、社内の承認に時間がかかってトレンドに乗り遅れたりすることがないようにチームを構成すると良いでしょう。
ただし企業によるSNSの運用は近年広まってきた手法であるため、社内に十分なスキル・経験を持った人材がいるということは稀だと思います。
そんなときは外部のコンサルティングを入れることで失敗しない運用を進めるようにしていきましょう。
外部のサポートを活用する方法については、次の「6.SNS運用の際の注意点」で解説します。
5-4.運用ルールを決める
運用チームを作ることができたら、次は具体的なルールを決めていきましょう。
ルールを明確にしないまま運用を開始してしまうと、担当者が業務時間外でもSNSのチェックを行い続けて疲弊してしまったり、投稿内容の質がばらついてしまったりする恐れがあります。
また、モラルに欠けた投稿が炎上を招いてしまったり、それだけでなく事後対応が不十分でさらに事態を悪化させてしまったりすることも考えられます。
SNS運用ルールの例 |
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・投稿頻度(曜日・時間などを固定にするのかしないのか) |
投稿頻度や投稿内容は、担当者任せにせずにある程度事前に決めておいたほうが日々継続しやすいでしょう。
また、炎上が発生した場合の報告ルートや対応方法を検討するフローなどもルールにしておくと、いざそういった事態が発生したときに慌てなくてすみます。
上記のような項目が明確になっていれば、複数の担当者で運用する場合でもクオリティを担保することができます。
5-5.共感を得られる投稿をする
ルールが決まったら早速投稿を始めていきますが、ここで重要なのは「商品やサービス内容を一方的に伝えるだけになってはいけない」ということです。
SNSを利用するユーザーのニーズは様々ですが、多くの人は一方的に売り込まれるのを好みません。
そのため、「自社の商品を買ってほしい」という意識が強くあらわれている投稿ばかりのアカウントでは、興味・好感を持ってもらうことはできないでしょう。
その際に最重要となるキーワードは「共感」です。SNSを活用するメリットのひとつに「拡散力の高さ」がありますが、人が拡散したくなるのは「共感した時」だからです。
また、共感を得られるとアカウント自体に好感を抱いてもらえるようになり、ファンを増やすことにもつながっていきます。
SNS運用で共感を得るためのポイント |
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・無機質さを減らして人間らしさを表現する |
ただし、ブランドの世界観と合わない投稿を頻発すると、ユーザーが混乱してしまったりブランド価値を下げてしまったりする恐れがあります。
そのため、先ほど決めた運用ルールにのっとって自社の場合は「ここまではやる」「ここからはやらない」という線引きを作ることが重要です。
6.SNS運用の際の注意点
SNS運用を成功させるためのポイントを詳しくお伝えしてきましたので、運用方法のイメージが具体的になってきたのではないでしょうか。
ただし、実際に運用を進めていく中では注意点もあります。
それは、社内にSNSマーケティングに詳しいチームや人材が存在しない場合は、無理に自分たちだけで進めないようにするということです。
自社の人材のみで無理やりチームを構成してプロジェクトを推進しようとした場合、以下のような問題が発生しやすくなります。
人材不足のままSNS運用を行う際に生じうる問題 |
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・既存業務との兼ね合いでSNS投稿に工数を割く余裕がない |
SNS運用は、お伝えしてきたようにそれぞれのSNSの特徴や世界観を意識しながら、トレンドやユーザーの温度感に合った投稿をしていくことが重要です。
しかしこれらを行うのには一定のスキルや素質が必要となるため、都合よく社内に適した人材がいるとは限りません。ノウハウがない状態でとりあえず始めてしまうと、思いもよらぬ炎上を招いてしまうリスクもあります。
そのため、自社社員でチームを作る場合でも外部のプロのサポートで安全に運用を進めていくのがおすすめです。
そこで役に立つのがトランスコスモスのソーシャルメディアサービスです。
コンサルティング、企画・制作、マーケティング・プロモーション、運用・監視、調査・分析までの各領域を専門のプロフェッショナルが一体となって提供し、お客様企業のソーシャルメディア活用を成功へと導きます。
詳しく知りたい方は以下のページをご覧下さい。
まとめ
SNS運用とは、企業が「情報発信、集客、認知拡大、イメージ向上」などのビジネス上の目的でSNSのアカウントを運用することです。
この記事では、「自社のビジネスにSNSをうまく活用したい」という人に向けて以下の内容を解説しました。
SNS運用に取り組む重要性 |
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・利用率が8割を超えている |
さらに具体的なSNSの種類と特徴は下記の通りでした。
主要なSNSの種類と特徴 | |
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X(旧Twitter) | 全年代で利用率が高いSNS。拡散力が高く、140文字の短文テキストや画像、動画を投稿が可能。 |
30〜40代のビジネス層の利用率が高い、実名登録制のSNS。長文テキストや画像、動画など自由度の高い投稿が可能。 | |
LINE | 全年代の利用率が94.0%と、最も多くの人に使用されているSNS。知人や家族との手軽な連絡手段として活用するユーザーが多い。 |
ビジュアルが映える写真の投稿がメインで、トレンドに敏感な若年層・女性層にリーチしやすいSNS。 | |
YouTube | 動画投稿やライブ配信などを行うことができる動画プラットフォーム。拡散力の高さと発信できる情報量の多さ(動画のため)が強み。 |
TikTok | ショートムービーを配信できるSNS。ユーザー数の伸び率が最も高く、現時点では主に「若年層」「女性層」へリーチしやすい。 |
そして他社の成功事例をご紹介した後、SNS運用を成功させるためのポイントとして以下の5つを解説しました。
SNS運用を成功させるためのポイント5つ |
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・目的を定める |
最後にはSNS運用の際の注意点までお伝えしましたので、失敗なく運用を始めるイメージを持って頂けたのではないかと思います。
自社の目的に適したSNSを選んで効果的な運用を行うことで、成果を出していきましょう。