コールリーズンとは、顧客がコンタクトセンター(電話やメールに加え、SNS、チャットなど幅広いコミュニケーションチャネルを利用して、顧客と企業を結ぶ部署を指す。以前は電話コミュニケーションのみだったので、コールセンターと呼ばれており、現在でもコールセンターで表現されている所も多い。)に問い合わせる理由のことです。
たとえば、
- 「サービスの操作方法を知りたい」
- 「サービスの解約方法が知りたい」
などが当てはまります。
コールリーズンを収集・分析をすれば、自社にはどのような問い合わせが多いのかが明らかになるため、課題が把握でき、改善施策が考えやすくなります。
ただしコールリーズンを分析し、活用する方法を知らなければ、せっかくコールリーズンを収集しても意味がありません。正しく分析し、効果のある場面で活用してこそ、自社の課題を改善できる有益な施策となるのです。
そこでこの記事では、コールリーズンの基礎知識だけでなく、
- コールリーズンの分析方法
- コールリーズン分析の活用方法
もあわせてお伝えします。
またこの記事の内容は以下のとおりです。
▼この記事の内容 |
この記事を読むことで、コールリーズンとは何かわかるだけでなく、自社にとってコールリーズンを取り入れるべきか判断できます。
またそれだけでなく、コールリーズンの分析方法や活用方法までわかるようになります。
ぜひ最後までお読みください。
1.コールリーズンとは
まずはコールリーズンとはどのようなものなのかを詳しく解説していきます。
1-1.コールリーズンとは、顧客が問い合わせる理由のこと
コールリーズンとは、「顧客がなぜコンタクトセンター(コールセンター)に問い合わせたか」の理由のことです。
たとえば、
・「商品の使い方を知りたい」
・「資料請求をしたい」
・「商品の注文内容を変更したい」
・「サービスに加入したい」
など、さまざまな理由で、顧客はコンタクトセンターへ問い合わせを行います。
このようなコールリーズンを収集・分析を行うことで、どのような理由での問い合わせ傾向が多いのかを掴めます。
そうすれば「コンタクトセンターとしてどのような回答を事前に用意しておけばいいのか」などが明らかになり、顧客の求めている対応を行うことができるので、効率よく応対品質を向上させられます。
コンタクトセンターにおいて、顧客の問い合わせ理由のことを「コールリーズン」ということを、まずは覚えておきましょう。
1-2.コールリーズンとVOCとの違い
コールリーズン | 顧客が問い合わせる理由のことで、「顧客のお困りごと」です。 |
VOC | 電話やメールなどの問い合わせの中で聞いた顧客の要望、苦情、評価のことで、「顧客の顕在化したニーズ」です。 |
コールリーズンと混同されがちなのが「VOC(顧客の声)」です。
VOCとは、企業に寄せられる顧客からの評価や苦情、要望、意見など、幅広い顧客からの声のことをいいます。
一方で、コールリーズンは顧客が問い合わせてきた理由を指すため、VOCと同じ意味ではありません。むしろ、問い合わせ理由から顧客の意見や要望(VOC)などを推測できるため、VOCの前段階として捉えるのが正しいでしょう。
たとえば、「ECサイトで、ある商品を検索したいが、検索機能はどこにあるのか知りたい」というような問い合わせが顧客からあった場合は、コールリーズンは「検索機能の場所を教えて欲しい」となります。
そしてこのコールリーズンから、「ECサイトで、欲しい商品がある場合に、検索機能がどこにあるのかわかりづらいので、改善して欲しい。」というVOCが推測できます。
このように、コールリーズンとVOCには「段階の違い」があり、コールリーズンはVOCの「前段階」なのです。
VOCの具体的な活用方法については、こちらの記事もご参考ください。
2.コールリーズンを分析することが重要な5つの理由
コールリーズンを分析することは、コンタクトセンター(コールセンター)の業務を改善させる上で重要です。
具体的には、コンタクトセンターにどのようなメリットをもたらすのでしょうか。
2章では、コールリーズンを分析することが重要な理由を5つご紹介します。
▼コールリーズンの分析が重要な5つの理由 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1.商品・サービスの開発や改善に活かせる
コールリーズンの分析が重要な理由の1つめは「商品・サービスの開発や改善に活かせる」からです。
コールリーズンを分析することで、商品・サービスについて顧客が感じる課題を見つけられるため、新たに商品開発する際や、サービス改善を行うときに活かすことができます。
たとえば「ECサイトの『購入ボタン』がどこにあるかわからないので教えて欲しい」というコールリーズンが多い場合、「購入ボタンの位置がわかりづらく、顧客が手間取ってしまう」という問題が浮き彫りになります。
そこで、ECサイトの購入ボタンの位置をわかりやすくし、視認性を上げることで、サービスの改善を行うことができ、顧客の満足度も向上するでしょう。
顧客に寄り添った商品・サービスの開発や改善を行うためにも、コールリーズンは重要なのです。
2-2.IVRの最適化ができる
2つめの理由は「IVRの最適化ができる」からです。
そもそもIVR(自動音声応答システム)とは、顧客からの入電の際に、自動音声による案内で、入電理由に応じた番号入力を顧客にしてもらい、担当オペレーターへの振り分けを行うシステムのことです。
たとえば「〇〇に関するお問い合わせは1番を、〇△に関するお問い合わせは2番を押してください」というように、ガイダンスが流れます。
IVRでの振り分け項目の分岐が多い場合、顧客はどの番号をプッシュすれば良いのかわからなかったり、それぞれの項目のガイダンスを聞くのに時間がかかってしまったり、顧客にストレスを与えてしまいます。
そうした際にコールリーズンの分析を行えば、問い合わせの多い質問順に、1番2番3番と番号を割り振ることで、顧客が自身の問い合わせ内容を選択しやすくなります。
さらには、問い合わせの少ない、不要なコールリーズンへの分岐を削除して振り分け項目数を絞れるため、すべての選択肢を聞き終わるのに時間がかからなくなるのです。
このようにIVRが最適化されれば、顧客がIVRを利用する際のストレスを軽減でき、顧客満足度の向上が見込めます。
したがって、IVRを利用している場合にはコールリーズンの分析結果を利用することで、IVRの最適化ができるという点はメリットといえるでしょう。
IVRの基礎知識や導入の必要性については、こちらの記事もご参考ください。
2-3.FAQの作成に活かせる
3つめの理由は「FAQの作成に活かせる」からです。
コールリーズンを分析して、問い合わせの多いコールリーズンを抽出し、それをよくある質問として「FAQ」に反映できるのです。
たとえば、コンタクトセンター(コールセンター)への問い合わせで、以下のようなコールリーズンが多い場合です。
- 「どうすれば注文した商品をキャンセルできるのか知りたい」
- 「商品の注文内容を変更する方法が知りたい」
このような場合、FAQとして
- 「注文した商品をキャンセルする方法」
- 「商品の注文内容を変更する方法」
を記載すれば、顧客はわざわざコンタクトセンターへ問い合わせなくても、自己解決ができます。
そうすることで、コンタクトセンターへの入電数を減らせ、オペレーターはより高度な問題の解決に時間を使えるようになります。
また顧客自身が自己解決できるようになれば、コンタクトセンターへ問い合わせるストレスを減らせるので、顧客満足度向上にもつながります。
顧客満足度を向上させるFAQの作成方法については、こちらの記事もご参考ください。
2-4.トークスクリプトの見直しに活かせる
4つめの理由は「トークスクリプトの見直しに活かせる」からです。
トークスクリプトは、オペレーターが顧客対応する際の台本です。
そのため顧客が知りたい解決方法・回答が反映されていなければ、いくら丁寧な言い回しでトークスクリプトが作成されていても、実践では役に立ちません。
そこでコールリーズンを分析することで、どのような問い合わせが多いのか明確にでき、多くの顧客が知りたいことは何なのか、どのように解決方法や回答を提示すると良いのかがわかります。そうした内容をトークスクリプトに反映できるため、見直しに活かせるのです。
トークスクリプトが顧客の知りたいことに沿った内容になれば、オペレーターはスムーズに問い合わせに応対できるようになり、効率良く業務を進められます。
またトークスクリプトの質が高くなれば、オペレーターの対応に差が生まれにくくなり、安定して質の高い応対ができるようになるので、離職防止にもつながります。
コールリーズンの分析は、トークスクリプトを見直して、応対品質を高くできるため、重要なのです。
トークスクリプト作成の注意点や文例については、こちらの記事もご参考ください。
2-5.オペレーターの教育研修の見直しができる
5つめは「オペレーターの教育研修の見直しができる」からです。
コールリーズン分析によって問い合わせ件数の多い質問を把握できます。
そのため、多く寄せられる問い合わせに関しては学習内容に厚みを持たせて研修を行い、問い合わせが少ないものは少しずつ学んでいく、といったように、より実践に沿った教育研修カリキュラムを組むことが可能になります。
見直しを行った研修によって、オペレーター全員が問い合わせ件数の多い質問に対応できるようになれば、
- 対応の方法や解決方法・回答を調べる
- 対応方法がわからないので上司に代わる
という時間がなくなるため、対応処理時間が削減でき、1日の対応件数を増やせます。
また、オペレーターも自信を持ってスムーズに対応できるようになるので、顧客満足度向上につながります。
オペレーターの教育研修を実践でも役に立つカリキュラムに見直しができるため、コールリーズンは活用するメリットが大きいといえるでしょう。
オペレーター教育のポイントについては、こちらの記事もご参考ください。
3.コールリーズンを分析する際の問題点
コールリーズンには、取りこぼしが発生する可能性があるという問題点があります。
コールリーズンは、顧客ごとにどのような理由で電話をかけてきたのかを簡単に入力しておくことで、集計・分析します。
しかしオペレーターは電話応対後、応対内容を文字で入力して記録したり、次の問い合わせに急いで対応しなくてはならなかったりするなど多忙を極めるため、コールリーズンの入力を忘れてしまう可能性があるのです。
コールリーズンの収集をする際に抜け漏れが多く発生すると、正しく分析することが難しくなります。そのため、対応後にコールリーズンを入力したかどうか、チェックリストを用意して漏れがないように対策を講じることで、コールリーズンの入力漏れを防ぐと良いでしょう。
4.コールリーズンの2つの収集方法
コールリーズンには2つの収集方法があります。
▼コールリーズンの2つの収集方法 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
4-1.CWC(コールワークコード)
まずはCWC(コールワークコード)という収集方法です。
これは通話中や応対後に、どんなコールリーズンだったのかを、電話機のボタンから入力し、「コールワークコードレポート」として集計できる、というもので、CMS(Call Management System:コールマネジメントシステム)の機能に標準で搭載されている事が多い機能です。例として、AVAYA社のCMSでは16桁までのコードを最大1999コード(設定による)まで使うことができます。
たとえば、16桁中4桁だけを利用し、頭一桁は部署コード、下3桁はコールリーズンのコードにするなどを行えば、部署や部門、担当する領域ごとに集計を行うことができます。
引用:AVAYA「コールリーズン」を取ろう
▼4桁の数字を活用する場合
2111(2は部署コード、111はコールリーズンコード)
各桁の役割は自由に決められるため、自社が使いやすいように割り当てられます。
CWCを利用するメリット・デメリットは以下のとおりです。
▼CWCを利用するメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・ボタンをプッシュするだけなので操作が簡単、わかりやすい | ・入力をうっかり忘れてしまうことがある |
4-2.CRMシステム
次にCRMシステムをご紹介します。
CRMシステムとは、顧客の基本情報や購買履歴、問い合わせ履歴などをデータとして蓄積・管理するシステムです。
コンタクトセンター(コールセンター)では、CRMシステムに問い合わせ内容をその都度入力しますが、その画面にコールリーズンのカテゴリや分類分けができる構成にしておけば、データとしてコールリーズンを残すことが可能です。
そして、そうして収集したコールリーズンをCSVなどで出力できる仕様があれば、Excelを使ってグラフや表を用いた分析がしやすくなります。
CRMシステムを利用してコールリーズンを収集するメリット・デメリットは以下のとおりです。
▼CRMシステムを利用するメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・コールリーズンのカテゴリを選択しないと、顧客対応画面をクローズできないようにして、入力漏れを防げる | ・操作方法を覚える必要がある |
CRMシステムの詳しい機能や選び方のポイントについては、こちらの記事もご参考ください。
トランスコスモスでは、CRMシステムの機能が含まれる「Contact-Link」をご提供しています。
「Contact-Link」では、電話機でのコールリーズン収集ではなく、応対履歴を入力する際にコールリーズンも登録できるようになっています。
またPBX環境とのCTI連携も可能なため、応対時間と連動させた分析も可能になります。
画面設計はシンプルなユーザーインターフェースで、可視性が高く、直感的な操作ができるため、オペレーターの操作を覚える負担を軽減します。
ぜひトランスコスモスの「Contact-Link」をご検討ください。
5.有益な情報を得られるコールリーズンの分析は「パレート図」を活用する
コールリーズンを集計したら、自社にとって有益な情報を得られるように分析を行います。
その分析の際に活用するのが「パレート図」。
6章では「パレート図」を活用してどのように、コールリーズンの分析を行えば良いのか、具体的にご紹介していきます。
5-1.パレート図とは
パレート図とは、発生している問題の中でも大きな割合を占めているものを特定するための方法です。イタリアの経済学者ヴィルフレート・パレートが提唱した「パレートの法則(※)」が名前の由来であり、棒グラフと折れ線グラフを組みあわせて図式化します。
【コールリーズンのパレート図例】
青グラフは左の問い合わせ件数を表しており、オレンジ折れ線は右の累積比率で全体の問い合わせに占める割合を表しています。
コールリーズン分析においてパレート図を利用すれば、
- 複数のコールリーズンから自社にとって影響の大きいもの
- 各コールリーズンが全体で占める割合
- 改善前後にパレート図を作ることで、改善効果が合ったのかどうか
がわかります。
それでは、具体的には上記で示した表はどのように作成し、活用していくのでしょうか。
作成方法は「5-2.パレート図を利用した分析方法5ステップ」、活用方法は「6.コールリーズン分析の4つの活用方法」で詳しく解説していきます。
※「パレートの法則」:「全体のたった2割の要素によって全体の8割が構成されている」という法則
5-2.パレート図を利用した分析方法5ステップ
パレート図を活用して実際に分析をする方法を、以下のステップで解説していきます。
▼パレート図を利用した分析方法5ステップ |
ちなみに、今回は多くの企業で利用されているExcelを使って、パレート図を作っていきます。
5-2-1.【ステップ①】コールリーズンとその件数を書き出す
ステップ①は「コールリーズンとその件数を書き出す」ことです。
まずは集計したコールリーズンとその件数を以下のように書き出しましょう。
5-2-2.【ステップ②】件数が多いコールリーズンの順番に並び替える
ステップ②は「件数が多いコールリーズンの順番に並び替える」ことです。
Excelの機能で「範囲を選択する>データ>並び替え>降順」を行えば、並び替えができます。
並び替えを行うことで、どのコールリーズンが最も多いのか明確になります。
5-2-3.【ステップ③】累計件数と累計比率を計算する
ステップ③は「累計件数と累計比率を計算する」です。
コールリーズン件数が一番多い「サービスの操作方法」を基準として、まずは累計件数(※1)を足し算していきます。
次に、累積比率(※)を計算します。
累積比率を計算することで、各項目のデータ数が全体のどのぐらいの割合になっているのかがわかります。
累積比率=該当件数÷累積件数の一番多い件数
その結果、以下のような表が出来上がりました。
これでパレート図を作るための素材は完成です。
※1「累積件数」:各項目のデータ数を足していった数のこと。
※2「累積比率」:各項目のデータを累積件数の合計で割った数値のこと。
5-2-4.【ステップ④】グラフ化する
ステップ④は「グラフ化する」ことです。
ステップ③で完成した素材をもとにして、グラフを作りましょう。
グラフに「累積件数」は使わないため、非表示にしておきましょう。
「コールリーズン、件数、累積比率を範囲選択>メニューバーで『挿入』を選択>『おすすめグラフ』を選択」を行います。
すると、以下のようにパレート図が作成されます。
5-2-5.【ステップ⑤】グラフを見て分析をする
ステップ⑤は「グラフを見て分析をする」です。
グラフの体裁を整えて、見やすくし、実際に分析を行います。
この分析から、
- 「サービスの操作方法」が最もコールリーズンとして件数が多いこと
- すべてのコールリーズンのうち、80%を「サービスの操作方法」「サービスの加入方法」「サービス内容について」が占めていること
がわかります。
この分析結果より、「サービスの操作方法」「サービスの加入方法」が顧客のコールリーズンの大部分を占めているため、それらに対する施策を最優先して考えるべきだということが考えられます。
このようにして、パレート図を利用してコールリーズンの分析を行うことで、自社の課題が明確になり、改善施策を考えやすくなります。
6.コールリーズン分析の4つの活用方法
コールリーズン分析は、その結果を活用することで自社に有益な情報や気づきを与えてくれますが、具体的には以下のような活用方法があります。
▼コールリーズン分析の4つの活用方法 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
6-1.商品・サービス改善
活用方法の1つめは「商品・サービスの改善」です。
コールリーズンを分析することで、顧客が感じる商品・サービスの問題が明確になるため、商品開発やサービスの改善に役立てられます。
商品・サービスの改善を行うためには、コールリーズンから問題を明確化し、それを解決するための改善策を用意しましょう。
たとえば以下のようなコールリーズンが多い場合を考えてみましょう。
- 「サービス・商品の操作方法がわからない」
すると、上記のコールリーズンから「サービス・商品が顧客にとって使いにくい」「説明書が分かりにくい」などの問題が見えてきます。
そして、次のように改善策を考えます。
- 直感的でわかりやすい導線に変更する
- 説明書に写真付き説明書にして分かりやすくする
このようにして、コールリーズンから問題を明らかにし、改善策を考えていくと良いでしょう。
コールリーズンから商品・サービスの問題を把握して、改善策を考える際には、以下のポイントを参考にしましょう。
▼コールリーズンから商品・サービスの問題を把握、改善策を考える際のポイント 【明らかになった問題から商品・サービスの改善策を考える際のポイント】 |
6-2.セルフサービスの充実
2つめの活用方法は「セルフサービスの充実」です。
もしコールリーズン分析の結果、顧客が自分自身で解決可能な問い合わせが多い場合は、セルフサービスの充実に活用するのも一つの手です。
そうした際には、以下のような施策が効果的です。
・AIによるチャット対応の導入
・よくある質問「FAQ」の改善
たとえば「サービスの入会方法がわからない」というコールリーズンが多い場合です。
顧客自身で解決できる問い合わせであるため、AIによるチャット対応でボットに回答させたり、FAQなどに「入会方法の手順」を掲載すれば、自己解決が可能になります。
コールリーズン分析からセルフサービスの充実につなげるためには、以下のポイントを参考にして実行しましょう。
▼コールリーズン分析結果をセルフサービスの充実につなげる際のポイント |
6-3.トークスクリプトの見直し
3つめの活用方法は「トークスクリプトの見直し」です。
現在利用しているトークスクリプトと、収集したコールリーズンとを照らし合わせて、問い合わせの多い質問に対するトークスクリプトが不足していないか確認し、不足していれば加筆するようにしましょう。
そうすることで、多くの顧客が知りたい内容を網羅し、適切な回答や解決方法を提示できるトークスクリプトへと進化させることができます。
6-4.オペレーターの教育研修内容への反映
4つめの活用方法は「オペレーターの教育研修内容への反映」です。
コールリーズン分析結果から研修内容へ反映するためには、
・問い合わせ件数の多い質問を分析結果から抽出する
・各質問に対する正しい対応の仕方をトークスクリプトにし、活用する
・ロールプレイングを行って、実践形式で対応できるようにする
などを行うと良いでしょう。
オペレーターの教育研修の内容へ反映できれば、問い合わせが多いものに関しては特に充実した内容の研修を受けてもらえ、実践に沿った教育研修カリキュラムを組むことが可能になります。
新人オペレーターが実践の現場に出るとなかなかうまく対応ができない…というケースが起こっている場合には、コールリーズン分析の結果から研修内容を見直し、より実践向けの研修内容にブラッシュアップしましょう。
まとめ
この記事では、コールリーズンの基礎知識や重要な理由、課題点、コールリーズン分析をしたほうがいいケース、分析方法などをご紹介しました。
ここで改めて、この記事の内容をおさらいしていきましょう。
◆コールリーズンとは顧客がコンタクトセンター(コールセンター)に問い合わせる理由のこと
◆コールリーズンを分析することが重要な5つの理由
・商品・サービス改善に活かせる |
◆コールリーズンを分析する際の問題点
・取りこぼす可能性がある |
◆コールリーズン分析したほうがいい5つのケース
・商品・サービスの問題点を発見したい場合 |
◆コールリーズンの2つの収集方法
・CWC(コールワークコード) |
◆有益な情報を得られるコールリーズンの分析は「パレート図」を活用する
◆コールリーズン分析の4つの活用方法
・商品・サービス改善 |
この記事があなたのコンタクトセンターにおいて参考になれば幸いです。