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コンタクトセンターが抱える5つの課題|それぞれの解決策も解説

「コンタクトセンターの運営にはどのような課題がある?」
「コンタクトセンターの課題に対策を講じたいけれど、何をすればよい?」

コンタクトセンター(電話やメールに加え、SNS、チャットなど幅広いコミュニケーションチャネルを利用して、顧客と企業を結ぶ部署を指す。以前は電話コミュニケーションのみだったので、コールセンターと呼ばれており、現在でもコールセンターで表現されている所も多い。)について、このような疑問をお持ちではありませんか?     

コンタクトセンター(コールセンター)が抱える代表的な課題には、以下の5つがあります。

コンタクトセンターが抱える5つの課題の図

上記のように、コンタクトセンターの運営においては、さまざまな課題が発生する可能性があります。企業の顔ともいえるコンタクトセンターを効果的に機能させるためには、これらの課題に確実な対策を講じていくことが必要なのです。

そこでこの記事では、コンタクトセンターによくある5つの課題と解決策について、詳しく解説します。

◎コンタクトセンターの抱える5つの課題
◎コンタクトセンターの抱える5つの課題に対応する解決策
◎コンタクトセンターの複数の課題を解決し得る基本的な対応策

この記事を読むことで、コンタクトセンターを運営するうえではどのようなことに注意すべきかがよくわかります。さらに、課題解決のためにどう行動すべきかということも明らかになるでしょう。

戦略的にコンタクトセンターを活用し、事業を成長させていくための第一歩として、ぜひ最後までお読みください。

目次

1.コンタクトセンターが抱える5つの課題

まずは、コンタクトセンターにおける課題の全体像を把握しておきましょう。

コンタクトセンターが抱える代表的な課題には、以下の5つがあります。

コンタクトセンターが抱える5つの課題の図

1-1.優秀な人材の確保・育成

優秀な人材の確保・育成は、コンタクトセンターで最もよくみられる課題だといっても過言ではありません。

労働人口減少や時給の高騰などの影響で新規採用が難しく、せっかく採用した人材の離職率も高いというコンタクトセンターは少なくないからです。人材が定着しないために十分に育成することができない、という悪循環も起こりがちです。

そのため、いかに必要人数を確保し、質の高い対応ができる人材の割合を増やしていくかということが、大きな課題になるのです。

1-2.CX(顧客体験価値)の向上

顧客に対して恒常的に質の高い対応を提供し、CX(顧客体験価値)の向上に寄与していかなければならないという難しさもあります。

現代では、顧客と企業の接点がマルチチャネル化しています。そのためコンタクトセンターには、電話だけではなくチャットやSNSなど、あらゆる手段で対応することが求められます。

さらにはそれを、優秀な人材の確保が難しいという状況の中で実践していかなくてはならないのです。

コンタクトセンターとして、顧客の多種多様なニーズに応えられるスキルを担保するということが課題になります。

1-3.コスト削減

適正コストの把握と余分なコストの削減という課題もあります。

なぜなら、経験の浅いオペレーターによる対応や難易度の高い問い合わせの対応はどうしても一定数発生するものであり、対応時間が長くなるために業務効率が落ちると、通信費や人件費などのコストがかさむからです。

また、適正コストの把握にはコンタクトセンター運営における知識やノウハウが必要であり、誰でも簡単に行うのは難しいのが現状です。

そのため、コスト削減に取り組みたい気持ちはあるものの効果的な対策を講じられないというケースは少なくありません。

1-4.テレワークの推進

テレワーク推進が課題となっているコンタクトセンターも多くあります。

テレワークを実現するためには、セキュアなネットワーク環境や在宅勤務における就業規則など、さまざまなシステム整備が必要であり、それが大変でスムーズに進められないというケースが少なくないからです。

コロナ禍やオペレーターの労働環境改善という観点から、テレワークを推進したいと考えるコンタクトセンターは増えていますが、一様に成功しているとは言い難いのが現状です。

1-5.最新技術の活用(DX化)

多くの企業と同様に、コンタクトセンターにとってもDX化は重要な課題です。

マルチチャネルからアクセスしてくる顧客に対して、利便性と質の高い回答を提供するには、デジタルツールの活用が欠かせないからです。

その一方で、明確なビジョンの元にデジタルツールを適切に配備しなければ期待する成果を得られないため、対応に苦慮するコンタクトセンターも少なくありません。

次の章からは、コンタクトセンターにおける5つの課題について、具体的な内容と対策をご紹介していきます。

2.優秀な人材の確保・育成

コンタクトセンターが抱える5つの課題のうち、おそらく無縁なセンターはないのではないかと思えるほど一般的なものは、「優秀な人材の確保・育成」です。

「優秀な人材の確保・育成」が難しい理由には、以下のようなものがあります。

・人材の採用が難しい
・ オペレーターの離職率が高い
・ 効果的な育成ができない

2-1.人材の採用が難しい

まず挙げられるのは、人材の採用が難しくなっているということです。これには、労働人口の減少や時給の高騰が関連しています。

日本は他の国と比較しても急速に少子高齢化が進行していて、生産年齢人口は1995年をピークに減少に転じています。これはコンタクトセンター業界に限ったことではありませんが、そもそも働き手が減っているという事実は無視できません。

総務省による「情報通信白書平成29年 図表3-5-2-14 我が国の人口の推移」の調査グラフ

出典:総務省 情報通信白書平成29年 図表3-5-2-14 我が国の人口の推移

また、オペレーターの時給が高騰し続けているという影響もあります。

これは、チャットbotなどの導入によって簡単な問い合わせは自己解決されるようになり、難しい案件のみ電話で対応するようになっていることで業務難易度が上がっているのが原因だといわれています。

「月刊コールセンタージャパン」2020年7月号(株式会社リックテレコム刊行)によると、2020年の全国のコールセンター採用時時給の平均額は前年と比べて31円上昇の1,285円でした。また、2016年からの推移グラフを見ると、時給が年々上昇傾向であることがわかります。

2020年7月号 <特集> 全国時給/月給調査2020「全国の採用時時給の過去5年間の推移(エリア別)」の調査グラフ

参照:2020年7月号 <特集> 全国時給/月給調査2020「全国の採用時時給の過去5年間の推移(エリア別)」

このように、働き手の母数が少ない・採用するにも大きなコストがかかるという状況が、コンタクトセンターの人材確保を難しくしています。

社内に自前でコンタクトセンターを設けている場合は、人事部の採用工数やコストが増大し、常に人員不足のまま運営しているケースもあるといわれているほどです。

2-2.オペレーターの離職率が高い

また、コンタクトセンター業界の離職率の高さも、優秀な人材の確保・育成を阻む大きな原因になっています。

「コールセンター白書2020」(株式会社リックテレコム刊行)によると、コールセンターのうち離職率が30%を超える企業は28.8%という結果が出ています。

つまり、約3割のコンタクトセンターで、10人オペレーターがいたら1年後には3人以上辞めているという現状があり、苦労して採用しても、優秀な人材に育つ前に辞めてしまうという構図ができてしまっています。

オペレーターの離職率が高い理由にはさまざまなものがあり、代表的な事例は以下です。

コンタクトセンターの離職率が高い10の理由

❶休みが取りづらい(労働環境)
❷座りっぱなしがつらい(労働環境)
❸研修のサポートが不十分(研修・教育)
❹覚えることが多すぎる(研修・教育)
❺専門的なスキルが身に付きづらい(研修・教育)
❻ 苦情対応で心が折れる(モチベーション)
❼管理されていることがストレス(モチベーション)
❽業務内容が複雑なのに給与が低い・なかなか正社員になれない(モチベーション)
❾上司によって言うことがバラバラ(コミュニケーション)
❿人間関係がこじれた(コミュニケーション)

また、オペレーターが一人辞めると残された人員の業務負担が大きくなり、さらにストレスが高じて離職希望者が増えるという負のスパイラルが発生してしまいがちです。

コンタクトセンターの離職率についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事も、ぜひご参考ください。

2-3.効果的な育成ができない

人材の効果的な育成ができないという問題もあります。

十分な知識とスキルをもとに顧客満足度の高い対応ができる優秀なオペレーターを育成するためには、研修プログラムやロールモデルを充実させることが必要になります。

しかしそれを、人材不足の状態で日常業務をこなすだけで精一杯、という中で行うのは、並大抵の努力では不可能でしょう。そもそも人材不足の状態では、育成すべき相手を確保することも難しいのです。

また、本来人材育成の主軸を担うのはスーパーバイザーですが、その役割はコンタクトセンターの複雑化によって拡大しています。

センター全体のパフォーマンスをチェックしながら、オペレーターそれぞれの応対品質を把握してフォローすることが求められる中で、さらに育成の責任も負うというのはかなりの負担になります。

「優秀な人材の確保・育成」という課題に対応する解決策

・雇用形態を明確にし、それに応じた待遇を整える
・自社雇用だけではなく、派遣の依頼やセンターの外注も検討する
・新規採用者では「基礎スキル→業務習得における座学→ロールプレイング→デビュー」の手順を踏む
・採用条件をわかりやすくし提示し、入職者の認識とのギャップを生まないようにする
・個別サポートや段階的なデビューなど、オペレーターのスキルに応じたサポートを行う
・満足度調査や感情解析などによって従業員のコンディションを把握し、労働環境改善に努める
・オペレーターやスーパーバイザーの工数を減らすツールを導入する
・テレワークを推進する

3.CX(顧客体験価値)の向上

コンタクトセンターが抱える課題の2つめは、「CX(顧客体験価値)の向上」です。

「CX(顧客体験価値)の向上」を実現する上で問題になるのは、以下のようなことです。

・チャネルの多様化に対応しなくてはならない
・ 応対品質の均一化が難しい

3-1.チャネルの多様化に対応しなくてはならない

コンタクトセンターでCX向上を図るためには、多様なチャネルからアクセスしてくる顧客それぞれに対応しなければなりません。

自分にとって都合のよい時間に、最もやりやすい方法で問い合わせできるという利便性が、顧客に安心感を与えるからです。

そのため、電話のみならずチャットやSNSにも対応する、祝日や夜間も窓口を開放するなど、チャネルの種類や対応時間を広げていくことが求められます。

しかし、それには一定の手間とコストがかかります。自社にとっての最適解を見極めてリソースを準備する必要があることから、気軽には踏み出せないという難しさがあります。

3-2.応対品質の均一化が難しい

顧客への応対品質の均一化が難しいということも、CXに影響します。

CX向上のためには、顧客にとって「いつ誰に問い合わせても満足いく回答が得られる」という状況であることが求められます。

しかし前述したように、多くのコンタクトセンターは人材不足と育成困難という課題を抱えています。そのような中で、どの問い合わせにも優秀なベテランオペレーターを配置するというのはあまり現実的ではないでしょう。

マルチチャネルに不慣れなオペレーターや新人オペレーターであっても、もれなく質の高い対応を提供できるようにするというのは、膨大な労力が必要な取り組みになるのです。

「CX(顧客体験価値)の向上」という課題に対応する解決策

・顧客層に適したコンタクトチャネルはどれか検討し、それに応じた窓口を用意する
・顧客の利用情報や問い合わせ履歴・サイトの閲覧状況などを把握し、パーソナライズなインフォメーションを実施する
NPS(ネットプロモータースコア)と顧客満足度調査によって、CXの状況を把握する
・トークスクリプトを充実させる
・オペレーターの対応をモニタリングし、改善点をフィードバックする

トランスコスモスでは、CX向上を実現するための情報とソリューションをご用意しております。CX向上に関心のある方は、ぜひ以下のリンクをご覧ください。

 

4.コスト削減

コンタクトセンターが抱える課題の3つめは、「コスト削減」です。

「コスト削減」が課題となる背景は、以下になります。

・業務効率が悪い
・適正コストの把握ができない

4-1.業務効率が悪い

業務効率が悪いことで、必要以上にコストがかかる可能性があります。

近年チャネルの多様化により、電話窓口にはそれ以外の方法で解決できなかった問い合わせが集まるようになり、対応の難易度が高くなる傾向にあることで、時間がかかりがちになります。優秀な人材の確保が難しいセンターであれば、なおさらです。

つまり、顧客を満足させるための対応に追われてなかなか業務効率を上げられないために、通信費や人件費がかさみ、コスト高な運営を余儀なくされているケースは珍しくないのです。

4-2.適正コストの把握ができない

コンタクトセンター運営における適正コストの把握ができないという企業も少なくありません。

適正コストの把握には多くの情報を多角的に分析しなくてはならず、自社のリソースのみで対応するのは簡単ではないからです。

具体的には、以下のような状況把握が必要になります。

・要員充足の採用負担
・業務品質のための教育・育成の負担
・属人化による品質の偏り
・マネジメントリソースの確保など

また、上記から導き出した課題に加えて、BCPリスクやチャネルの適否・業務量の増減に対するファシリティ拡張性の要否など、あるべき姿を計測して適正なコストターゲットを定めなくてはなりません。

このような手順を踏むことができなければ、適正コストが把握できないためにコスト削減が進まないという難しさがあります。

「コスト削減」という課題に対応する解決策

・ATT(平均通話時間)やACW(後処理時間)などを計測し、生産性を可視化する
・生産性が低いオペレーターを特定し、原因と対策をフィードバックする
・欠勤率や離職率を予測し、人員配置を見直す
・FAQの改修や自動回答の活用によって、有人で行う業務量を減らす
・センター業務の外注を検討する
・AIを活用したデジタルツールによって着信予測モデルを構築し、コストを試算する
・コストの把握や改善策をサポートしてくれるパートナー企業を探す

5.テレワークの推進

コンタクトセンターが抱える課題の4つめは、「テレワークの推進」です。

新型コロナウイルス感染症の予防や従業員の労働環境改善という観点から、コンタクトセンターでもテレワークの推進が求められる中で、以下のようなことがネックになりがちです。

・在宅勤務体系を整えるのが難しい
・セキュリティへの不安がある

5-1.在宅勤務体系を整えるのが難しい

まずは、在宅勤務に必要な体系を整えるのが難しいという問題があります

コンタクトセンターのテレワーク化にあたっては、オペレーターが自宅でもセンター内と同様のパフォーマンスができる環境を作ることが必要です。

具体的には、以下のようなものを整備しなくてはなりません。

・業務ネットワーク環境
・エスカレーション対応のためのコミュニケーションツール
・在宅勤務におけるルール・マニュアル
・労務管理方法
・オペレーターのサポート体制

そのための手間やコスト負担は決して小さくないため、なかなか踏み切れないというコンタクトセンターもあります。

5-2.セキュリティへの不安がある

また、セキュリティに不安があるためにテレワークを導入できないという企業やコンタクトセンターも多いです。

在宅では、オフィスのように防音壁やセキュリティシステムが整っていたり、スマートフォンなどの私物持ち込み不可エリアがあったりするわけではありません。

そのため、「通話内容を誰かに聞かれる」「通話データや個人情報が漏えいする」といったセキュリティリスクが高まってしまうのです。

一度でも情報漏洩が起こってしまうと、企業への信頼は大きく損なわれ、回復するためには長い時間と相当な努力が必要になるため、慎重にならざるを得ないのは当然のことだといえるでしょう。

「テレワークの推進」という課題に対応する解決策

・まずはノンボイス(チャット)オペレーションから在宅化を進めてみる
・全てをテレワーク化するのではなく、センターとのハイブリッド稼働も検討する
・生活音が顧客に聞こえてしまった場合など、アクシデント時のスクリプトも整備しておく
・ビデオチャットを活用し「顔を見てコミュニケーションする」機会を担保する
・勤怠打刻システムやWebカメラなどによって、従業員の出勤・勤務状況をチェックする
・通話内容をリアルタイムに把握することで、管理者が積極的にサポートできるようにする
・仮想デスクトップ環境を整え、従業員のPCにデータが保存されないようにする
・セキュリティに関するルールを設けて周知する
・従業員のセキュリティリテラシーを高めるための研修を行う

コンタクトセンターにおけるテレワーク推進についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事も、ぜひご参考ください。

6.最新技術の活用(DX化)

コンタクトセンターが抱える課題の5つめは、「最新技術の活用(DX化)」です。

「最新技術の活用(DX化)」においては、以下のような点が問題になるケースが多いです

・どのようなツールを導入すべきかわからない
・DX化のビジョンが不明確になりやすい

6-1.どのようなツールを導入すべきかわからない

コンタクトセンターにおけるDX化では、サービスの質やCXを高めるためのデジタルツール導入が必要ですが、どのようなツールを選ぶべきかわからないという企業も少なくありません

コンタクトセンターにおけるDX化に活用できるデジタルツールには非常に多くの種類があるうえに、商品や顧客の特性に応じたものを選ばないと意味がないため、その判断が難しいのです。

トランスコスモスにも、「このようなことを実現したいが、どんなツールが必要か」というお問い合わせが多く寄せられています。

この点については、ツール活用のプロであるサポート企業の力を借りなければ、解決がなかなか難しいところでしょう。

6-2.DX化のビジョンが不明確になりやすい

多くの一般企業と同様に、DX化のビジョンが不明確になりやすいという点にも注意が必要です。

DX化によって何を成し遂げたいのかが不明確だと、ツールを導入したはいいけれどうまく活用できないという事態に陥る可能性があるからです。

たとえば、ノンボイス化を推進する場合なら、顧客接点に携わる部署の垣根を超えたプロジェクトチームを立ち上げ、現状と期待できる効果を把握して、各チャネルの対応方法を決める必要があります。

このようなプロセスの必要性と方法が浸透していないと、なかなかDX化の成果が得られないということになってしまいます。

「顧客接点のあり方診断サービス」について詳しく知りたい方は、下記もご覧ください。

「最新技術の活用(DX化)」という課題に対応する解決策

・顧客が何に困っているのか・不満を抱えているかという現状を把握し、有効的な施策を見極める
・顧客がどのように活用するのか・使いやすいかなどを捉えて、システム設計する
・各チャネルの対応範囲について、どのような役割をもたせるのかを検討する
・「チャットで回答が難しい場合は電話誘導」など、デジタルとアナログを融合させて対応する
・サポート企業に相談し、適切なツールについてアドバイスしてもらう

コンタクトセンターにおけるDX化についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事も、ぜひご参考ください。

トランスコスモスでは、ここまでに解説した課題について多くのご質問・ご要望をお受けしております。詳細を知りたい方は、以下のボタンからご覧ください。

7.コンタクトセンターの課題を解決する4つの対応策

ここまでは、コンタクトセンターの課題ごとに解決策も一部ご紹介してきました。この章ではそれらをまとめて、複数の課題を解決し得る基本的な対応策としてお示しします。

コンタクトセンターの課題を解決する対応策は、大きく分けると以下の4つになります。

コンタクトセンターの課題を解決する4つの対応策の図

それぞれの内容について、解説していきます。

7-1.オペレーターが働きやすい環境を整える

まずは、従業員、とくにオペレーターが働きやすい環境を整えることが効果的です。

働きやすい環境ができるとオペレーターの定着率が上がり、優秀な人材の確保やそれによるCXの向上にも大きく寄与するからです。結果的に、新しい人材を採用するためのコストを抑えることもできます。

そのため、コンタクトセンターの課題解決にあたるには、まずは従業員の待遇の改善や安心して働けるようなサポート体制の充実、テレワークの推進による柔軟な働き方の実現など、オペレーターのニーズに応じた対策を講じることをおすすめします。

7-2.研修やマニュアルを充実させる

従業員の研修やマニュアルを充実させることも重要です。

それによって顧客対応のスキルが上がれば、「業務内容が難しい」という理由で離職する人を減らすことができます。また、誰でも一定レベルの対応を提供することが可能になり、CXの向上にもつながります。

さらには、スムーズに顧客対応ができると業務効率が改善されて、コストを削減できます。オペレーターのスキルやマニュアルが担保されていれば、テレワークの推進もスムーズに進むでしょう。

このように、研修やマニュアルの充実は、コンタクトセンターにおける課題を網羅的に解決できる非常に効果的な対策なのです。

7-3.業務補助ツールを導入する

オペレーターや管理職が行う業務を補助してくれるツールを導入するのもおすすめです。

ツールをうまく活用すると、業務負担が大きいことを理由に離職する人を減らすことができるからです。同時に、ツールの持つ機能によりCXの向上やコスト削減も可能になります。

たとえば、音声認識技術を用いたレコメンド機能を活用すると、AIが顧客の問い合わせを理解し、オペレーターに回答案を表示させることで、知識が不足していたとしても保留せずに回答することができます。

また、音声認識で応対をリアルタイムにテキスト化するツールを使用すれば、後処理作業を簡略化したり、管理者によるモニタリングの工数を減らすことが可能になるのです。

このように、業務補助ツールの活用は、従業員の負担軽減や応対品質の維持、生産性の向上などに役立ちます。

業務補助ツールの活用イメージを知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

 

7-4.業務をアウトソーシングする

コンタクトセンターの業務をアウトソーシングすると、全ての課題を解決しやすくなる可能性があります。

コンタクトセンター業務に必要な人材・設備・ノウハウを保有している専門会社に運営の全部または一部を委託することで、自社にリソースがなくても効果的な対策を代行してもらえるからです。

具体的には、以下のようなことを依頼できます。

・自社で採用することなく人材を確保してもらう
・効果的な研修やマニュアルを作成してもらう
・チャネルの状況を分析し、最適化のためのプランを提示してもらう
・適正コストを査定し、改善策を提案してもらう
・テレワークに必要なシステムを構築してもらう
・どのようなソリューションを導入すべきか判断し、設計してもらう

一方で、「長期的な契約が必要でコストがかかる」「自社組織との連携が難しい場合がある」などのデメリットも存在します。

そのため、アウトソーシングの利用を検討するうえでは、信頼できるサポート企業を選び、最適な委託範囲を見極めることが大切になります。

8.課題と対策を明確化するトランスコスモスのコンタクトセンター支援サービスとは

コンタクトセンターの組織変革に寄与していくアセスメントサービスのイメージ

トランスコスモスでは、独自の評価指標によってコンタクトセンターの現状を把握し、課題解決法をご提案する「アセスメントサービス」をご提供しています。

お客様企業から多くの喜びの声を頂戴している「アセメントサービス」について、その内容をご紹介します。

8-1.提案は実際のアクションにつながらなければ意味がない

トランスコスモスは、「ご提案は実際のアクションにつながらなければ意味がない」と考えています。

このモットーに則り、ご依頼のコンタクトセンターにおける明確な課題と実現可能な改善策をお伝えしています。

実際にお客様企業からは、「改善策が具体的で、わかりやすく、すぐに実行できそうなものだった」というお言葉をよく頂戴します。

コンサルティングを依頼したいけれど本当に成果が出るのか、というご心配は無用です。

8-2.トランスコスモス「アセスメントサービス」2つの特徴

トランスコスモスの「アセスメントサービス」には、以下2つの特徴があります。

1. センターのパフォーマンスを客観的に評価できるアセスメント指標を使用
2. 課題の解決をトータルサポートできる体制

センターのパフォーマンスを客観的に評価できるアセスメント指標を使用

ひとつ目の特徴は、センターのパフォーマンスを客観的に評価できるアセスメント指標があるということです。

このアセスメント指標はトランスコスモス独自のもので、「バランススコアカード」といいます。コンタクトセンターの現状を全26項目で診断し、それぞれを5段階で評価する仕組みです。

このバランススコアカードを活用することによって、センターの課題が可視化され、そこから具体的な解決策を見出すことが可能になります。

課題の解決をトータルサポートできる体制

ふたつ目の特徴は、課題の解決をトータルにお手伝いできる体制があることです。

具体的には、以下のようなサービスをご提供することが可能です。

・センター業務の委託
・FAQやチャットの導入
・各種ツールやソリューションの提供と導入支援
・ツールの運用支援など

お客様企業のコンタクトセンター業務を「オールトランス」によってご支援できることも、私たちの大きな強みです。

8-3.業種を問わずあらゆる企業に役立つ

トランスコスモスのコンタクトセンター支援サービスは、業界や業種を問わず、コンタクトセンターをつあらゆる企業に役立てていただけます。

具体例としてほんの一部をご紹介すると、以下のようなお客様企業において成果を挙げております。

運輸業界

スマートフォンアプリを活用した新しいペイメントサービス専用のコンタクトセンターを開設

旅行代理店

コンタクトセンターの機能を見直し、「あるべき姿」を明確化

具体的なサービス設計・オペレーション設計・費用の試算なども支援

金融系

コンタクトセンターに存在する複数のチームについて、それぞれの業務内容を最適化

流通系

系列に入った複数社のコンタクトセンターを一本化

共通のCRM基盤やFAQ、チャットの仕組みなどの導入も支援

不動産業界

CPH(Call Per Hour=1人のオペレーターが1時間当たりで対応したコール件数)の数値目標が達成されないことに対して、具体的な改善策とそれを実現するステップ・詳細なスケジュール案を提案

これらの事例の詳細など、トランスコスモスのアセスメントサービスについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

コンタクトセンターの課題と対策の明確化はトランスコスモスにお任せください

トランスコスモスでは、現状診断からアウトソーシングまで、コンサルティング全般に対応いたします。

まずはぜひ、「コンタクトセンターアセスメントサービス」のご利用をご検討ください。

さまざまな業界のお客様企業にコンタクトセンターサービスを提供する中で蓄積したノウハウを活用し、コンタクトセンターの現状調査および分析・課題抽出から課題解決の提案・改善策の実行までトータルにサポートいたします。

まとめ

コンタクトセンターが抱える代表的な課題には、以下の5つがあります。

この記事では、これら5つの課題の詳しい内容と解決策について解説しました。

「優秀な人材の確保・育成」という課題における問題点

・人材の採用が難しい
・オペレーターの離職率が高い
・効果的な育成ができない

「CX(顧客体験価値)の向上」という課題における問題点

・チャネルの多様化に対応しなくてはならない
・応対品質の均一化が難しい

「コスト削減」という課題における問題点

業務効率が悪い
・適正コストの把握ができない

「テレワークの推進」という課題における問題点

在宅勤務体系を整えるのが難しい
・セキュリティへの不安がある

「最新技術の活用(DX化)」という課題における問題点

・どのようなツールを導入すべきかわからない
・ DX化のビジョンが不明確になりやすい

これらの問題点を解決し、課題を達成するための方法は、以下の4つになります。

コンタクトセンターの課題を解決する4つの対応策の図

コンタクトセンターにおける課題は、応対品質や顧客ロイヤルティの低下に直結します。そのため、できるだけ早めに対策を講じ、改善していくことをおすすめします。

トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションの
ノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。
トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションのノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。