3.236.51.151

コールセンターの5つの課題とは?対応する解決策も分かりやすく解説

コンタクトセンター(コールセンター)の課題には、スタッフに関わる問題点からシステムや運営プロセスの懸念点まで、さまざまなものがあります。その中でも、コンタクトセンターの現場で働くオペレーターやスーパーバイザーの採用や教育など「人にまつわる課題」は、すぐにでも改善に着手しなければならない最重要事項といえるでしょう。

なぜならば、企業の顧客窓口といっても過言ではないコンタクトセンターの応対が悪ければ、企業に対するイメージを損ない、顧客を失ってしまいかねないからです。

そこで今回は、コンタクトセンターを運営する上でよくある人材面を中心に詳しく解説していきます。なお、コンタクトセンターでは人材面の課題以外にも、最近では以下のような課題や要望が多く聞かれます。

・CXを向上したい
・コスト削減をしたい
・デジタル化を推進したい
・テレワークを推進したい

当サイトでは『よくある課題と解決方法について』で詳しくまとめておりますので、ご興味のある方はそちらもご確認ください。

人材面の課題

❶採用が難しい
❷オペレーターの離職率が高い
❸オペレーター時給が年々上昇傾向
❹SVの育成スキルがない
❺オペレーターの育成が困難

コンタクトセンターの人材面の課題は、従来からありますが、本記事では従来からある課題に最近のトレンドを混ぜて解決策を説明しています。

後半で解説する6つの解決策をよくお読みいただき、自社のコンタクトセンターで実践できるものから取り組んでみてください

1.コンタクトセンター(コールセンター)における5つの課題

コンタクトセンター(コールセンター)を運営する上での課題はたくさんあります。その中でも特に運営の中心となるオペレーター関連の悩みはつきものです。ここでは、コンタクトセンターが抱えがちなよくある5つの課題についてそれぞれ解説していきます。

1-1.採用が難しい

採用市場における労働人口の減少により、採用が難しい状況が続いています。

日本は他の国と比較しても急速に少子高齢化が進行していて、生産年齢人口は1995年をピークに、総人口も2008年をピークにそれぞれ減少に転じています。下図にあるとおり、2020年から5年ごとに300万人の労働人口が市場から減っていきます。

これはコンタクトセンター業界に限ったことではありませんが、有人によるコミュニケーションを実施するコンタクトセンターには大きな課題となっています。新型コロナウイルスの影響により、他産業の求人数が落ち込んだことにより、現在は若干回復していますが、依然として潤沢でないことは確かです。

採用が難しい
出展:総務省 情報通信白書平成29年 図表3-5-2-14 我が国の人口の推移

直接的な影響としては、人員不足となりシフトが埋められなくなります。特に、土日・夜間や、24時間受付などの営業時間を広げてシフト対応する窓口の運営が難しくなります。

たとえば、土日祝日が休みになっている会社では、コンタクトセンターも同様に平日のみの受付ということが多いでしょう。しかし顧客の立場からするとどうしても、「平日の日中は問い合わせができない」「夜間や土日に問い合わせたい」というニーズが少なからずあります。

社内に自前でコンタクトセンターを設けている場合は、人事部の採用工数や採用コストが増大し、常に人員不足のまま運営しているケースもあると言われています。

また、コストをかけて24時間対応したとしても、コンタクトセンターの問い合わせは時間や曜日によってばらつきがあるため、その投資に見合うだけの価値や効果を出しにくいという課題も増えます。

1-2.オペレーターの離職率が高い

コンタクトセンター(コールセンター)業界の離職率の高さは、大きな課題のひとつです。「コールセンター白書2020」(株式会社リックテレコム刊行)によると、離職率が30%を超える企業が28.8%という結果が出ています。つまり、約3割のコンタクトセンターで、10人オペレーターがいたら1年後には3人以上辞めているというデータがあります。

オペレーターの離職率が高い原因としては、休みが取りづらい、対応に心が折れる、覚えることが多すぎるなどさまざまなものがあります。代表的な事例は以下です。

コンタクトセンター(コールセンター)の離職率が高い10の理由

❶休みが取りづらい(労働環境)
❷座りっぱなしがつらい(労働環境)
❸研修のサポートが不十分(研修・教育)
❹覚えることが多すぎる(研修・教育)
❺専門的なスキルが身に付きづらい(研修・教育)
❻ 苦情対応で心が折れる(モチベーション)
❼管理されていることがストレス(モチベーション)
❽業務内容が複雑なのに給与が低い・なかなか正社員になれない(モチベーション)
❾上司によって言うことがバラバラ(コミュニケーション)
❿人間関係がこじれた(コミュニケーション)

また、オペレーターが一人辞めると残された人員の業務負担が増え、さらにストレスが増えるという負のスパイラルが発生してしまいがちです。離職率について詳細を確認されたい方は、以下記事をご確認ください。

1-3.オペレーター時給が年々上昇傾向

コンタクトセンター(コールセンター)業界全体の人材不足が続く中、現場で働くオペレーターの時給は高騰し続けています。理由はWEBチャットやチャットbotなどの導入により、簡単な問い合わせは自己解決されるようになり、難しい案件のみ電話のニーズとなっているため業務難易度があがっていることが理由と言われています。

さらにコロナ禍において、非接触で顧客にタッチできるコンタクトセンターの重要性が高まっています。賃金上昇の傾向はしばらく続くと考えられています。

「月刊コールセンタージャパン」2020年7月号(株式会社リックテレコム刊行)によると、2020年の全国のコールセンター採用時時給の平均額は前年と比べて31円上昇の1,285円でした。また、2016年からの時給の推移グラフを見ると、時給が年々上昇傾向であることが分かります。

オペレーター時給が年々上昇傾向

参照:全国時給/月給調査2020

なお、「同一労働同一賃金制度」の導入により正規社員と非正規社員の待遇差是正が必要となりました。

非正規雇用による人材確保にはパートタイム・有期雇用労働法、労働者派遣法に沿った制度整備が必要です。一方、業務委託を依頼する場合は相手のメンバーとは雇用関係にないため、直接指示をすることができない等、運営の方法変更が必要となるなどの課題が出てきています。

1-4.スーパーバイザーの採用・育成が難しい

オペレーターと同様に、スーパーバイザーの採用や育成が難しい点もコンタクトセンター(コールセンター)の課題のひとつです。スーパーバイザーは、コンタクトセンター全体の応対品質や生産性を向上するうえで非常に重要な役割を担っています。

スーパーバイザーの役割はコンタクトセンターの複雑化にあわせて広がっています。センター全体、及び担当チームのパフォーマンスをチェックしながら、オペレーターそれぞれの応対品質をケアしつつ改善へと導くことが求められます。オペレーターが処理しきれない難しい苦情なども柔軟に対応する能力が必要です。更には職場環境にも目を向けてオペレーターの環境改善に注意を払う努力も必要となります。

責任が重くのしかかってくる役割でもあるため、優秀なスーパーバイザーの確保や育成は大きな課題となります。自社(インハウス)で運営しているコンタクトセンターでは、スーパーバイザーの育成環境が整わず、重い課題になるでしょう。

1-5.オペレーターの育成が難しい

人による問い合わせ対応となるため当たり前のことですが、コンタクトセンター(コールセンター)ではオペレーターごとに応対品質レベルにばらつきが生じます「言葉づかい」や「話速」など、必ず個人差が発生します。

短い応答時間の中で満足度の高い対応ができるオペレーターもいれば、知識不足から対応に時間がかかったり、早口で説明がわかりにくかったり、顧客の不満につながりやすいオペレーターもいるでしょう。

知識が豊富かつ柔軟に対応できる優秀なオペレーターを確保できれば良いのですが、オペレーターの人材不足が続く現在では確保そのものが難しいため、セレクションできる幅がせまい状況となっています。また、新人オペレーターをそのレベルまで引き上げようにも、離職率が高い職場ではこれまた難しい現状があります。

2.コンタクトセンター(コールセンター)の課題を解決する6つの対応策

2章では、1章で解説したさまざまなコールセンターの課題を解決する対応策を6つご紹介します。

2-1.採用方法を見直す

人材の課題を解決するためには、最初の入り口からチェックすることをお勧めします。まず、最初に採用方法、募集条項や、働く人と人材育成方法を見直すことが改善策となります。

採用面接時にミスマッチを無くしておく

オペレーターがすぐに辞めてしまう原因のひとつには、そもそも職場環境や適性が合っていなかったということが考えられます。面接時にはしっかり応募者の性格や適性を見極めて採用するようにしましょう。

コンタクトセンターの良い面だけをアピールするのではなく、大変な面も共有しつつ、やりがいのある仕事だと伝えると良いでしょう。できれば面接には現場を知るマネージャーやスーパーバイザーも同席し、ミスマッチを無くしておくのが理想です。

採用方法を見直すことで、1章で説明した以下の課題を解決することができるでしょう。

▼解消される課題
◎採用が難しい
◎オペレーターの離職率が高い

2-2.研修制度を充実させる

次に研修制度の充実です。これはオペレーターの初期研修だけではなく、途中で発生する悩みに対するフォローアップ研修や管理者研修も含みます。

研修制度を充実させる

研修が不十分のまま現場に出てしまうと、顧客の質問や要望にしっかり答えることができず、モチベーションの低下やクレームを発生させる原因となります。オペレーターが自信を持って対応できる環境を作るためにも、しっかりとした研修を行うことが大切です。

また、新商品や新しい機能が出たときに情報をアップデートする、最新化した周知を更新するなど、オペレーターが困らない環境づくりも必要です。フォローアップ研修、ステップアップ研修等のキャリアパスと紐づけたトレーニングプランを準備すると、オペレーターがスーパーバイザーに上がっていく土壌となるため、スーパーバイザー育成やキャリアパスの課題も解決されやすくなります。

キャリアパスにあわせ、必要な研修を洗い出し、学ぶ環境を用意しましょう。

▼解消される課題
◎SVの育成スキルがない
◎オペレーターの離職率が高い

2-3.人事評価制度や待遇・給料を見直す

コンタクトセンター(コールセンター)の離職率の高さを改善するもう一つの方法として、人事評価制度や待遇・給料を見直す方法があります。オペレーターの中には、「社員と同じような仕事をしているのに給料が低い」「長く働いているのになかなか社員になれない」など、待遇面での不満をきっかけに離職してしまう人も多く存在します。

納得できる評価制度を作成する

給与体系が固定の場合、従業員のやる気が欠如し、不満が貯まりやすくなります。そこで頑張りを評価できる制度や、「この業務ができるようになったら基本給がベースアップする」など明確な基準を作り、誰もが納得できる給与体系や評価制度を導入しましょう。

正社員登用のキャリアパスを用意する

パートやアルバイト、派遣社員、契約社員などの非正規社員が活躍しているコンタクトセンターは多く存在します。しかし「正社員になれない」ことが辞めるきっかけになることも多いと言われています。

全ての非正規社員を正社員にする必要はもちろんありませんが、定期的に正社員登用試験を開催するなど、正社員登用のキャリアパスが用意されていることを周知させて、離職率の低下を促しましょう。

▼解消される課題
◎オペレーター時給が年々上昇傾向
◎スーパーバイザーの採用・育成が難しい
◎オペレーターの育成が困難

2-4.チャット、チャットbotソリューションの活用を検討する

チャットbotとは、AI(人工知能)などが搭載されたシステムが顧客からの質問に自動返答してくれる仕組みのことです。

コンタクトセンター(コールセンター)の初期対応にチャットbotを導入し、自己解決率の向上をはかる施策が良くとられています。簡単な質問にはチャットボットが回答し、複雑な要件のみオペレーターへ繋いで対応します。チャットボットの対応は、365日24時間の顧客対応が可能となるので、電話ではなくテキストコミュニケーションを求める顧客層には、利便性が向上するため顧客満足度の向上も期待できます。

オペレーターにつながる受電数を減らすことが可能となり、繁忙が集中するようなコンタクトセンターでは入電分散をすることで、離職率の一要因である座りっぱなしにより休憩が取りづらいなどの効果も期待できます。

▼解消される課題
◎採用が難しい
◎オペレーターの離職率が高い

2-5.オペレーターの対応補助ツールを利用する

コンタクトセンター(コールセンター)のオペレーターに求められるミッションは、年々難しくなってきています。対象サービス/製品の種類が増加し、機能が複雑になってきていることやサポートチャネルが増えていることなどがあげられます。そこで、対応しているオペレーターの補助をするツールも増えてきています。

たとえば、顧客対応時に音声認識技術を活用したレコメンド機能を活用し、AIが顧客の問い合わせを理解し、オペレーターに回答案を表示させることで、知識が不足していたとしても、保留せずに回答することが可能となります。併せてスーパーバイザーのエスカレーション工数も削減できます。

また後処理においては、対応結果を纏めるのが苦手な場合は、音声認識技術と要約技術を活用し、オペレーターの作業を省略化することも可能になっています。実際の活用事例イメージは以下を参照ください。

▼解消される課題
◎スーパーバイザーの採用・育成が難しい
◎オペレーターの育成が困難

2-6.テレワーク向けソリューションを利用する

テレワークはコロナの流行がきっかけとなり、日本でも一気に浸透しました。コンタクトセンター(コールセンター)でもテレワークを導入することで以下のメリットが得られます。

・非常時にもコンタクトセンター(コールセンター)を継続できる
・柔軟な働き方により優秀な人材を確保しやすくなる
・オフィスの賃料や交通費などコスト削減になる

実際にコンタクトセンターを在宅化した弊社トランスコスモスでは、採用がしやすくなった、離職率が大幅に改善されたといった結果が報告されています。

但し、テレワークを導入するにあたり、新しい運営ルールやシステムを定める必要があり、実現できていないところも多くあります。

テレワークの導入はセキュリティや遠隔通話などのシステム的な知見も必要ですが、コミュニケーション方法や共有、研修など運用的な視点も重要になるので、以下弊社事例記事を参考にしながら導入を検討してみてください。

▼解消される課題
◎採用が難しい
◎オペレーターの離職率が高い

3.コンタクトセンター(コールセンター)の課題解決にはアウトソーシングも検討

ここまで、コンタクトセンター(コールセンター)の課題と対応策を解説してきました。自社のコンタクトセンターで取り入れられそうな対応策は見つかったでしょうか。

可能ならば、これらの対応策は複数組み合わせて取り入れるのがおすすめですが、自社だけでは取り組むのが困難な場合があります。その場合の手段の一つとして、アウトソーシング化を検討することがあります。

コンタクトセンター業務に必要な人材・設備・ノウハウを保有している専門会社に運営の全部又は一部を委託します。

アウトソーシングを活用してコンタクトセンター業務を運営してもらえば、アウトソーシング先が準備する人材に頼ることが可能になるだけでなく、 2-4. チャット、チャットbotソリューションの活用を検討する2-5. オペレーターの対応補助ツールを利用する、2-6.テレワーク向けソリューションを利用するの対策で紹介した内容まで対応してもらうことも可能です。

人材に関するコストだけでなく、設備投資コストなど全体的な運営コストの最適化も期待できます。

アウトソーシングを活用することで、人材起因の課題だけでなく、コンタクトセンター運営にあたって発生するそれ以外の課題についても解決していける可能性があります。

弊社トランスコスモスでは、今回解説した対応策となる各種サービスやツールをご用意しております。また現状課題が自社だけでは把握しきれず、何から手をつけたらいいかがわからないといった企業様向けにコンタクトセンターアセスメントサービスを準備しております。

コンタクトセンターアセスメントサービス概要

顧客満足向上品質向上適正なセンター運営実現するために現在運用状況、サビス品質調査し、一般的なルセンタ比較して課題抽出

最適化実現する必要運用体制、システム、場所・設備教育体制必要なツルなど解決策として提案していくサービス

コンタクトセンターの人材や運営に課題を抱えている方は一度以下よりお問い合わせください。

まとめ

この記事では、コンタクトセンター(コールセンター)が抱える人材面での課題に関して5つ紹介しました。また、それぞれの解決策について6つ解説しました。

コンタクトセンターでは、人材がサービス提供に不可欠なため、今回紹介した課題は、応対品質や顧客ロイヤルティの低下に直結します。できるだけ早めに対策を打ち、改善していくことをおすすめいたします。