「FAQとQ&Aは何が違う?」
「自社でもFAQを導入すべき?」
FAQについて、このような疑問をお持ちではありませんか?
FAQとは「よくある質問とそれに対する答え」のことです。Q&Aと明確な使い分けがされないケースもありますが、質問と回答全般を表すQ&Aよりも限定的な意味合いをもつという違いがあります。
FAQを導入すると以下のような効果が得られるため、まだ導入していないという企業には前向きな検討をおすすめします。
・顧客満足度が向上する |
ただし作成方法を誤ると、FAQを導入したものの十分な効果が得られない可能性があります。そのため、FAQとはどのようなものかということをよく理解した上で導入の是非を判断することが欠かせないのです。
そこでこの記事では、以下について詳しく解説します。
▼FAQとは何か・Q&Aとの違い |
この記事を読むことで、FAQについての基礎知識がしっかりと得られます。また、FAQの向き不向きや作成方法もわかるため、自社に導入すべきかどうかの判断に役立つはずです。
問い合わせ対応の質を上げ、顧客から選ばれる企業へと成長していくための第一歩として、ぜひ最後までお読みください。
1.FAQとは
最初に、FAQとは何かについて確認しましょう。この章では、FAQを理解するために必要な以下の内容について解説します。
・FAQの語源と読み方 |
1-1.「Frequently Asked Questions」の略で「エフ・エー・キュー」と読む
FAQとは英語の「Frequently Asked Questions」の略で、一般的には「エフ・エー・キュー」と読みます。
直訳すると「頻繁に尋ねられる質問」となりますが、実際には質問だけではなく、質問に対する回答も含んだ意味合いとして使われています。
1-2.よくある質問とそれに対する答えのこと
FAQとは「よくある質問とそれに対する答え」のことを意味します。
企業の公式サイトや問い合わせサイトなどで見かける「よくあるご質問」「よくあるお問い合わせ」などがFAQにあたります。
企業サイトやショッピングサイト・問い合わせフォームなどに多く寄せられる質問がまとめられており、質問をクリックするとわかりやすく簡潔な回答が表示されるようになっています。
動画や関連サイトのURLを併記することもあり、FAQを見ればユーザーが問題を解決できるという状態を目指して設置します。
1-3.FAQには3つの種類がある
FAQには、以下3つの種類があります。
・顧客向けFAQ |
顧客向けFAQ
商品やサービスを利用した人や利用する前の検討されている人から寄せられた質問をもとに作られたFAQのことです。
顧客に対してスムーズな問題解決を提供する目的で使われます。
参考事例:みずほ信託銀行株式会社
社内向けFAQ
企業が自社社員に向けて提供するFAQです。業務中に疑問や問題が発生した場合に、従業員が自分でそれらを解決できるようにする目的で使われます。
参考事例:ローソン株式会社
コンタクトセンター向けFAQ
コンタクトセンターで業務を行うオペレーターや管理者に向けたFAQです。顧客からの問い合わせに適切かつ素早く対応するため、関連情報や過去の周知事項などを検索しやすくする目的で使われます。
2.FAQとQ&Aとの違い
FAQの概要について理解できたところで気になるのは、Q&Aとは何が違うのか?ということではないでしょうか。
FAQとQ&Aは同じ意味で使われることも少なくありませんが、厳密には対象とする質問の範囲が異なります。
2-1.FAQは狭い範囲を指す
同じ意味で使われることも多いFAQとQ&Aですが、その違いは対象とする質問と回答の範囲にあります。
Q&Aが頻度を限定しない質問と回答であるのに対して、FAQは「よくある」質問と回答なので、より狭い範囲での質問と回答を指すのです。
つまりQ&Aは広義の質問と回答で、FAQはその中でもよくある質問を厳選したものだといえるでしょう。
Q&A | FAQ |
広義での質問と回答 | 質問と回答の中でもよくある質問を厳選したもの |
FAQとQ&Aの違いについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
2-2.明確な使い分けがされていない場合も多い
FAQとQ&Aは、明確な使い分けがされていない場合も多いです。
Q&Aは「Question and Answer」の略で、直訳すると「質問と回答」となります。FAQも「よくある質問とそれに対する答え」なので、意味合いとしては大きな違いがありません。
実際に企業サイトやショッピングサイトを見ても、「FAQ」と「Q&A」が両方存在しており、顧客からのすべての質問と回答を掲載することは難しいことから、自然と「Q&A」の中でもよくある質問「FAQ」に厳選され、まとめられています。
3.FAQの導入で得られる3つの効果
公式サイトなどでよく目にするFAQですが、なぜ多くの企業が設置しているのでしょうか。それは、FAQを導入すると以下のような効果が得られるからです。
それぞれの内容について、解説していきます。
3-1.顧客満足度が向上する
FAQを導入すると得られる効果の1つめは、顧客満足度が向上することです。
FAQがあれば、顧客が疑問を感じたときに自分で調べて解決することができ、オペレーターとやりとりする必要がありません。また24時間いつでも、都合のよいタイミングで利用することができます。
電話やメールといった問い合わせ方法よりも気軽に利用でき、待ち時間が発生したり問い合わせをするタイミングを調整する必要もないため、問い合わせプロセスの手間や負担が大幅に削減されるのです。
これが顧客満足度の向上につながり、実際にトランスコスモスでは顧客満足度が23%向上したというFAQ事例もあります。
トランスコスモスが実施した「消費者と企業のコミュニケーション実態調査2020」では、問い合わせプロセスにかかる手間や負担感が解消できるとブランドイメージがよくなり、購買行動率やリピート行動率などの顧客ロイヤルティが向上することがわかっています。
3-2.顧客対応業務の負担が軽減する
FAQを導入すると得られる効果の2つめは、顧客対応業務の負担が軽減することです。顧客がFAQを利用することで、自己解決促進につながり問い合わせ件数を削減できるからです。
FAQが無く問い合わせ先が電話しかない場合には、顧客はどれだけ簡単な質問であっても電話するしかありません。その結果、コンタクトセンター(コールセンター)に問い合わせが集中し、常に混み合ってしまいます。
FAQがあれば顧客が自己解決できるケースが増え、本当にオペレーターの対応が必要な問い合わせだけを受ける流れになるため、入電が減ることが期待できるでしょう。
トランスコスモスのFAQ最適化事例でも、メールの問い合わせを24%削減・オペレーターの生産性が60%増加などの成果が得られています。
このようにFAQは、顧客対応業務の一部を担うことでオペレーターの負担を軽減してくれます。
3-3.サイト評価が向上しSEO対策につながる
FAQを導入すると得られる効果の3つめは、サイト評価が向上しSEO対策につながることです。
FAQには検索エンジンに「よいサイト」だと認識されるための要素が多いからです。
Googleは、検索順位を高める上で最も重要なのはユーザーが探している情報を提供することだとしています。これが、FAQの「ユーザーの疑問や悩みを解決するための情報を提供する」という目的と一致するため、検索エンジンとの親和性が高いのです。
また、FAQへのアクセスが増えればサイト全体の表示回数や回遊性・滞在時間といった、よいサイトの指標となる数値も向上します。
このようにFAQによって自社サイトが検索上位表示されるようになれば、商品やサービスに関心をもってもらえるチャンスが増えるでしょう。
FAQにおけるSEO対策について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
4.FAQの導入が向いている企業の特徴
FAQの効果を知って、導入を検討してみたいという気持ちになった方も多いのではないでしょうか。そこで気になるのは、自社の場合もしっかりと効果を得られるのかどうかという事だと思います。
そこでこの章では、FAQの導入に向いている企業の特徴として、以下の内容を解説します。
・類似の問い合わせが多い |
4-1.類似の問い合わせが多い
類似の問い合わせが多い企業は、FAQの導入に向いています。
FAQの導入によってユーザーの自己解決率が上がると、オペレーターの対応が必要な問い合わせ件数が減少するからです。
トランスコスモスの例でいうと、“会社の設立”といっても前身の丸栄計算センターの設立を知りたい顧客もいれば、トランスコスモスの設立を知りたい顧客もいるのですが、FAQでまとめて記載することにより“会社の設立”に対する問い合わせは減少させることができるでしょう。
また、FAQはシステム上に蓄積されるため、どれだけ量が増えても一括管理ができます。適宜構造を見直すことで類似の問い合わせを整理し、より使いやすい形で活用することが可能です。
このように、類似の問い合わせが多い企業では、問い合わせ対応の効率化を実感できるでしょう。
4-2.文章や動画で回答できる問い合わせが多い
文章や動画で回答できる問い合わせが多い企業も、FAQの導入に向いています。
簡潔な文章や動画へのリンクで質問への回答を用意できるため、効果的なFAQを作成しやすいからです。
以下のような質問に対する回答は、簡潔な文章でまとめられます。
・定休日や店舗案内などの基本情報 |
商品の使い方などは、実際に使用している様子を映した動画を掲載することで、顧客が素早く確実に理解するのを助けるでしょう。
このように、文章や動画で回答できる問い合わせが多い企業では、顧客がFAQを見ただけで問題解決できるという状況を作れる可能性が高いです。その結果、顧客満足度の向上や問い合わせ対応業務の負担軽減といったFAQ導入の効果を最大化しやすいといえます。
5.FAQの導入だけでは問い合わせが減少しにくい企業の特徴
一方、以下のような企業はFAQの導入だけでは問い合わせを減少させることが難しい可能性があります。
・問い合わせ内容が複雑 |
5-1.問い合わせ内容が複雑
顧客からの問い合わせ内容が複雑だという企業は、FAQの導入だけでは問い合わせ件数を減少させることが難しい場合があります。
FAQは、一問一答形式で簡単に回答を得られるところが大きな魅力です。
回答が複雑で長文になったり、文章で説明できなかったりすると、使い勝手が悪く利用されない・そもそも作成するのが困難といった事態に陥るかもしれません。
以下のように、質問や回答の内容が複雑になる場合には、FAQでの問題解決が難しくなります。
・いくつもの手順を説明しなければならない場合 |
顧客がFAQを利用しても肝心な問題解決ができなければ、手間と労力が増えるだけです。簡潔でわかりやすい回答を用意できない場合は、FAQ以外のチャネルも検討した方がよいでしょう。
5-2.感情を伴うコミュニケーションが必要
感情を伴うコミュニケーションが必要だという企業も、FAQの導入だけでは顧客満足度の低下を招いてしまう可能性があります。FAQは固定された一問一答形式なので、オーダーメイドのやりとりには対応できないからです。
以下のように、顧客の感情を理解した上で対応しなければならないという場合には、FAQでの問題解決が難しくなります。
・クレーム対応をする場合 |
問い合わせ対応への満足度は、企業への信頼度に直結します。顧客の感情を汲み取らなければならないケースが多い企業は、まずオペレーター対応を充実させましょう。
6.効果的なFAQを作成するための方法
最後に、自社にもFAQを導入したいという方へ向けて、効果的なFAQを作成するための方法をご説明しておきます。詳細な内容は以下の記事で解説していますので、ここでは概要をお伝えします。
効果的なFAQは、以下5つのステップで作成します。
それぞれの内容について、解説していきます。
6-1.質問と回答を集める
まずは、よくある質問を集めます。
集める方法はいくつかありますので、自社にあった方法を選択するとよいでしょう。
・コンタクトセンター(コールセンター)などへの過去の問合せ内容から抽出する |
質問が集まったら、回答を作成しましょう。
初めて利用する顧客でも理解ができるよう正確かつわかりやすい内容にすることが大切です。
6-2.収集した情報を整理する
十分なボリュームの質問と回答を集めたら、それらを取捨選択して整理します。
具体的には、以下の2点を行います。
1)FAQに掲載するかどうか判断する | 問い合わせ頻度が高く、FAQで問題解決できるもの・掲載しても問題がないものを選ぶ |
2)カテゴリー化する | 類似の内容をまとめて分類する |
よくある問い合わせをなるべく網羅し、ユーザーにとって見やすく探しやすい構成を検討しましょう。
6-3.整理した情報を確認する
情報が整理できたら、その内容を確認します。具体的には、抜け漏れや誤りがないか・ユーザーにとってわかりやすい内容になっているか・探しやすい構成になっているかなどをもう一度チェックしましょう。
回答に関わる全ての部署を通して確認し、状況に応じて情報のブラッシュアップを行います。
6-4.FAQを構築する
情報の確認が済んだら、FAQを構築します。
FAQを構築する際には、専用の導入システムやサービスを利用すると便利です。これらを利用すると、専門的な知識がなくても効果的なFAQを作成できるためです。
実績が豊富でアフターフォローが充実している業者をいくつかピックアップして比較検討しましょう。
6-5.継続的に改善を行う
FAQを構築したら、継続的に改善を行います。具体的には、アクセス数や問い合わせ件数の変化などのデータを分析し、改善点を見出して対応します。
このプロセスを繰り返すことで、より顧客のニーズに即したFAQを作り上げていけるのです。
FAQは作成して終わりではなく、育てていくものだという認識で取り組むことをおすすめします。
FAQの作成方法をもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
FAQコンテンツの充実&SEO対策ならトランスコスモスにご相談ください | |
効果的なFAQを作成したい方は、まずトランスコスモスにご相談ください。 トランスコスモスがご提供する「サポートコンテンツトータルソリューション」では、以下の点を網羅することでFAQの効果を最大化します。
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まとめ
この記事では、FAQの基礎知識について解説しました。以下に要点をまとめます。
FAQとは「Frequently Asked Questions」の略で、「よくある質問とそれに対する答え」のことを意味します。
FAQとQ&Aは同じ意味で使われることも少なくありませんが、Q&Aは広義の質問と回答で、FAQはその中でもよくある質問を厳選したものです。
FAQを導入すると、以下の効果が得られます。
・顧客満足度が向上する |
FAQの導入には向いている企業の特徴は以下のようになります。
・類似の問い合わせが多い |
.FAQの導入だけでは問い合わせが減少しにくい企業の特徴は以下のようになります。
・問い合わせ内容が複雑 |
効果的なFAQは、以下5つのステップで作成します。
1)質問と回答を集める |
この記事を参考にFAQの効果や作成方法が把握でき、自社にとって価値のあるFAQが導入できるようになることを願っています。