
「コンタクトセンターの最新トレンドは?コンタクトセンター運営に活用したい」
「コンタクトセンターのトレンドとなっているサービスは?」
時代の流れやニーズに応じて変化し続けるコンタクトセンター(コールセンター)。2023年にはどのような機能やサービスが注目を集めているのか気になりますよね。
トランスコスモスが実施した「コンタクトセンタートレンド調査」によると、2023年のコンタクトセンター最新トレンドは「AI活用」となっています。
AIチャットボットやAIを応対品質の自動判定などに有効性を見出しています。
ただし、コンタクトセンターのトレンドをただ押さえておくだけでなく、自社の課題を押さえたうえで、コンタクトセンター構築の際にどのトレンドを導入すると効果的なのか、注意して判断する必要があります。
なぜなら、「自社課題の解決」に対してずれたトレンドを導入しても、効果が現れない可能性があるからです。
そこで、この記事では以下の内容を解説していきます。特に、コンタクトセンターの3つのトレンドは詳しく解説しているので必見です。
▼本記事の内容 ・【2023年最新】コンタクトセンター(コールセンター)のトレンド調査結果 |
この記事を読むことで、コンタクトセンターの最新トレンドが押さえられるだけでなく、トレンド導入に向けて動き出すことができます。ぜひ最後までお読みください。
1.【2023年最新】コンタクトセンター(コールセンター)のトレンド調査結果
2023年に入り、コンタクトセンター(コールセンター)を取り巻く環境やコンタクトセンターに求められる役割が変化していきています。
まずはトランスコスモスが実施した独自調査をもとに、コンタクトセンターの最新トレンドをご紹介します。
【コンタクトセンタートレンド調査の概要】 調査名:コンタクトセンタートレンド調査 ※Cotra調査レポートページはこちら |
1-1.コールセンターのAI活用とは?メリット・デメリットや導入例を解説
コンタクトセンターの2023年のトレンドは「AI活用」が1位となりました。
次いで、データ分析やセルフサービスなど、コンタクトセンターの品質・サービス向上に関わるキーワードが並んでいます。
2023年のコンタクトセンターのトレンドは? | |
1位 | AI活用:応対品質自動判定やAIチャットボットなどAIを活用し品質の担保・向上に活用 |
2位 | データ分析:コンタクトセンターに集まるデータを有効活用し顧客行動分析を行う |
3位 | セルフサービス:チャットボットやFAQ動画など顧客の自己解決率を向上 |
4位 | メタバース:メタバースを活用したバーチャルコンタクトセンターや顧客接点の拡大 |
5位 | クラウド化:コンタクトセンターで活用されているシステムのクラウド化 |
6位 | 多言語化:日本語だけでなく多言語に対応したサービスの提供 |
7位 | パーソナライズ:問題解決だけでなくパーソナライズされた対応の提供 |
8位 | コミュニティサイト:顧客と相互コミュニケーションが取る |
9位 | オムニチャネル:オンライン・オフライン問わずシームレスな接点構築 |
2023年のトレンド1位となった「AI活用」についてより詳しく見てみると、応対品質の自動判定やAIチャットボットにAIの有効性を感じていることが分かります。
マネジメント層は応対品質の自動判定や顧客傾向の把握、音声認識など業務効率化や品質向上につながるAI活用に期待しているようです。
コンタクトセンターのAI活用については下記の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。
1-2.セルフサービスは「チャットボット」導入が進んでいる
コンタクトセンターに導入されているセルフサービスを調査すると、チャットボットの導入状況は43.1%で導入予定も合わせると60%以上になりました。
以前は電話中心の問い合わせ窓口だったコンタクトセンターが、メールやチャットボットなど多様なチャネルの導入を進めていることが分かります。
今トレンドだと思うコンタクトセンターツールでもチャットボットは1位となっており、コンタクトセンターに欠かせないツールとなりつつあります。
今トレンドだと思うコンタクトセンターツールは? | |
1位 | チャットボット:リアルタイムで使用できる自動会話プログラム |
2位 | チャット:オペレーターと顧客がテキストでコミュニケーションを取る方法 |
3位 | 顧客行動分析:コンタクトセンターで収集したデータを活用し顧客の行動や心理を分析する |
FAQ動画やビジュアルIVRは現在導入しているところは30%前後ですが今後導入予定のコンタクトセンターが20%前後と高く、今後は50%程度まで増加していく見込みです。
チャットボットも機能やメリット、デメリットは下記の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
1-3.コンタクトセンター(コールセンター)の役割は「問題解決手段」から「パーソナライズされた対応」へ
コンタクトセンターのチャネルや役割が多様化する中で、コンタクトセンターに求められる役割も変化してきています。
今後、コンタクトセンターがどのように変化していくのか調査したところ、パーソナライズされた対応と多チャンネルとの連携という2つのキーワードが見えてきました。
以前のコンタクトセンターは「問題解決手段の提供」や「顧客からの問い合わせ拠点」としての機能を果たしていましたが今後は一歩進み、問題解決だけではなく個別対応でのサポートに変化していくと考える人が多いようです。
このように、2023年の最新トレンドでは以下のような新たな傾向が見えてきています。
・AI活用がトレンド1位となっている |
2.コンタクトセンター(コールセンター)の大きなトレンド3つ
続いて、20232年だけでなくここ数年のコンタクトセンター(コールセンター)のトレンドを大きく3つご紹介します。
2-1.CX(顧客体験)の向上
1つめのトレンドは「CX(顧客体験)の向上」です。
CXとは
CX(顧客体験)とは、顧客が「商品・サービスを購入するまでの過程」「使用する過程」「購入後のフォローアップなどの過程」を辿る一連の体験のことです。
顧客AがWeb広告で化粧品を見つけ、通販サイトで購入した場合を考えてみましょう。
このとき、以下の一連の流れが顧客AのCX(顧客体験)となります。
・広告を見て興味を持つ |
CXの向上では、上記の一連の顧客体験から、以下のようなデータを洗い出して、顧客一人ひとりの体験をさらに向上させるアプローチをします。
・通販サイトでの購入までの手軽さ(購入検討に至るまでの疑問解決・入力項目の少なさ) |
従って、CXとは顧客が購入前・購入後・使用中などの体験であり、企業は顧客体験をより良いものにするため、CX向上に取り組んでいます。
CXについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
CX向上が重要な理由
コンタクトセンターにおいてCX向上がトレンドになっている理由を語る前に、そもそもCX向上が重要な理由について理解しておきましょう。
CX向上が重要な理由は、企業が提供する「機能・性能・価格」などの「合理的な価値」だけで他社と差別化を図るのが、近年では難しい状況になっているからです。
どの企業も似たような機能、性能、価格で商品・サービスを売り出していることが多く、差別化の余地はほとんどなくなってきています。
そこでCX(顧客体験)を向上すれば、「合理的な価値」に加えて「感情的な価値」を提供することができ、差別化を図れるようになります。
「感情的な価値」とは例えば、「購入をしてから商品到着までがスピーディで嬉しい」、「わからないことを質問したら、丁寧に説明してもらえ、疑問が解決して安心した」などです。
顧客の購入前後の体験をより良いものにすることで、顧客の感情もポジティブなものとなり、リピーターの獲得やSNSによる良い口コミの増加・シェアによる集客などができるようになります。
従って、CX向上は企業の利益拡大にとって重要な施策のひとつなのです。
コンタクトセンター(コールセンター)においてCX向上がトレンドになっている理由
CX向上は先にもお伝えしたとおり企業が利益を拡大するために重要な施策であり、多くの企業がCX向上に取り組んでいます。
こうした中、最近ではコンタクトセンターにおいてもCX向上がトレンドになっています。
その理由は、コンタクトセンターが「顧客と直接コミュニケーションを取れる場」であり、問い合わせ時の対応次第で顧客の「感情的な価値」を高め、CXを向上しやすいからです。
例えば、「チャットボット」をコンタクトセンターに導入することで、「自分の都合の良い時間帯に問い合わせをしても、すぐに対応してもらえる」「電話よりも解決スピードが速い」など、顧客の疑問にすぐ応えられる状況をつくることで、顧客の体験を向上させられます。
このように、「コンタクトセンターに対する問い合わせ」という体験を通してポジティブな感情を持ってもらえるよう、コンタクトセンターの体制・システム、ツール、オペレーターの応対品質などを改善すれば、CX向上できます。
そして、リピーターの獲得やSNSによる良い口コミの増加・シェアによる集客など、企業の利益拡大につながっていくのです。
2-2.AIを用いた業務効率化
2つめのトレンドは「AIを用いた業務効率化」です。
コンタクトセンターでは、人が行っていた業務をAIに一部対応させることで、「業務量」や「業務にかかる時間」を減らすことができ、効率化が図れます。
ここ最近ではAIが飛躍的な技術的発展を遂げたことはもちろん、「コンタクトセンター特有の業務効率に関する課題」の解決手段として、「AIの活用」は非常に相性が良いことが分かりました。
AIが搭載されたコンタクトセンターの業務を効率化するツール・システムには以下のようなものがあります。
◆AIが搭載された予測システム ◆音声AI認識システム ◆AIが搭載されたFAQシステム |
そのほかにも、AIが搭載されたトレンドツールはいくつかあります。トレンドツールに関しては、「4.【トレンド②】AIを用いた業務効率化」で詳しく解説をしています。
コンタクトセンターが抱える業務効率の課題に対して、AIを搭載したツール・システムを活用する対策が非常に有効であると認知されてきたため、トレンドとなっているのです。
2-3.オムニチャネル対応
3つめのトレンドは「オムニチャネル対応」です。
オムニチャネル対応とは
オムニチャネル対応とは顧客との接点(チャネル)を複数持ち、それぞれの接点を連携させてすべての問い合わせ履歴や行動履歴を一元管理することです。
「電話」「メール」「チャット」「SNS」など複数のチャネルを用意しているコンタクトセンターがあるとします。
一般的にはメールで問い合わせをした顧客が、電話でも問い合わせをした場合「メール対応をしたオペレーター」とは違うオペレーターが電話で対応することになります。
オムニチャネルに対応できていないとメールでやり取りした内容を電話対応のオペレーターは把握していないため、以下の内容を再度聞き出さなければなりません。
・問い合わせ内容は何か |
一方で、オムニチャネル対応できていれば対応するオペレーターは「過去のメール対応履歴」が参照でき、顧客から過去の流れを聞き出さなくてもスムーズに本題に入ることができるのです。
このようにオムニチャネル対応は、顧客とのチャネルを複数持ち、それぞれのチャネルの「問い合わせ履歴」や「行動履歴」を一元管理するもので、スムーズにストレスなくやり取りができるようになっています。
現代において、メールやチャット、LINEなどのテキストコミュニケーションは、顧客にとって電話よりも気軽な問い合わせチャネルです。
電話以外にも、そうしたチャネルを用意すれば、「聞きたいことはあるけれど、営業時間に電話をかけるのは難しい…」といった顧客のニーズに応えることができ、問い合わせの自由度を高くできます。
さらには、オムニチャネル対応されていれば、顧客がどのチャネルに問い合わせても、オペレーターがこれまでのやり取りを理解した上で対応してくれるので、スムーズにストレスなくやりとりできます。
このようにオムニチャネル対応は、現代の顧客ニーズに合った対応であるために、トレンドとなっているのです。
オムニチャネルについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
3.【トレンド①】CX(顧客体験)向上
それでは、具体的にそれぞれのトレンドについて詳しく見ていきましょう。まずは「CX(顧客体験)向上」について、その具体的な2つの施策を解説していきます。
3-1.オペレーターの業務支援
コンタクトセンター(コールセンター)のトレンドであるCX向上において、行われている施策の1つめは「オペレーターの業務支援」です。
オペレーターの業務支援を行うことでオペレーターの応対品質を向上でき、その結果、CXの向上が期待できます。
たとえば、以下のようなオペレーターの業務支援です。
◆AIナレッジ支援による回答支援情報のポップアップ 顧客の問い合わせ内容に合わせて、その回答支援情報をオペレーターの画面に表示することで、顧客が欲しい情報を、オペレーターがわかりやすく、簡潔に伝えられます。 またその顧客に合わせた案内も過去の接客データから表示させられることで、スムーズなやり取りだけでなく顧客に寄り添った対応が出来るようになり、顧客のCX向上ができます。 支援ツールを使うことで、オペレーターの応対品質を高い水準で一定に保つことができ、問い合わせを行った顧客のコンタクトセンターにおける体験はより良いものになります。 「ほしい回答を丁寧に応えてくれて助かった」「わかりやすく説明してもらえて、自分に合った情報も提供してくれた」などと感じてもらうことができます。 |
このようにコンタクトセンターでは、オペレーターの応対品質のサポートツールを導入することで、CX向上を狙う施策がトレンドとなっています。
実際に、オペレーターの応対品質のサポートツール「transpeech2.0」を使用した業務支援については、こちらの記事で詳しく解説しています。
3-2.データ分析・活用
トレンドであるCX向上において、コンタクトセンター行われている施策の2つめは「データ分析・活用」です。
顧客との通話から得たデータを分析・活用することで、顧客のニーズを把握し、ニーズに沿った対応を取り入れることで、CXの向上を目指します。
例えば、以下のようなツールがあります。
◆音声感情分析 【音声感情分析とは】 人間の感情表現は、言葉だけでは判定しづらく、非言語コミュニケーションによって表現される部分が大きい傾向にあります。 そこでAIが話し手の話す音声の周波数を分析し、発せられたテキスト(言葉)と組みあわせて、「満足」「楽しさ」「喜び」「怒り」「悲しみ」「不満」「平常」などの感情を分析します。 【できること】 【CX向上に貢献するポイント】 たとえば、「さようでございますか」というクッションワードが不満感情を増加させやすいとデータ分析からわかった場合は、別の言葉に置き換えたりするなどの対応が検討できます。 ▼「音声感情分析」ツールについて、さらに詳しく知りたい方はこちら |
データ分析・活用はこのように、顧客との通話で得たデータから、顧客ニーズ・傾向を抽出でき、ニーズに沿った対応策を実行できるため、CX向上施策としてトレンドになっているのです。
4.【トレンド②】AIを用いた業務効率化
トレンドの2つめは「AIを用いた業務効率化」です。
「テクノロジーを用いた業務効率化」の具体的な施策は、主に以下3つがあります。
4-1.音声認識システム
コンタクトセンター(コールセンター)のトレンド「AIによる業務効率化」において、行われている施策の1つめはAIが搭載された「音声認識システム」の導入です。
音声認識システムとは、顧客とオペレーターの通話内容を、AIが認識して文字起こしするシステムのことです。通話内容をAIに自動で文字起こしさせることで、オペレーターやスーパーバイザーの業務効率を格段に向上させることができます。
具体的に音声認識システムで効率化できる業務は以下のとおりです。
▼音声認識システムによって自動化できるコンタクトセンター(コールセンター)の業務 ◆スーパーバイザーの応対品質向上のための通話内容チェック スーパーバイザーは一人ひとりのオペレーターの通話を分析するために、複数の会話記録を聞かなければいけないため、時間がかかってしまいます。 そのような場合に、音声認識システムを利用すれば、オペレーターと顧客の会話内容がすべてテキスト化されているので、録音を聞く手間を省け、テキストから効率よく通話内容の分析が可能です。 ◆顧客ニーズの発見 そこで会話内容が文字起こしされていれば、テキストベースで確認ができるので、顧客のニーズを効率的に発見しやすくなります。 |
音声認識システムを利用して、通話内容を文字起こししておけば、コンタクトセンターのさまざまな業務が効率化できるため、AIを用いた業務効率化の施策の1つとして導入される傾向にあります。
音声認識についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
4-2.ナレッジシステム
コンタクトセンターのトレンド「AIによる業務効率化」において、行われている施策の2つめはAIが搭載された「ナレッジシステム」の導入です。
AI搭載のナレッジシステムを活用することで、顧客が通話中に発した言葉をAIが認識し、回答となりそうな情報をオペレーターの画面上に自動で一覧にしてくれます。
オペレーターが問い合わせ内容を聞き出してから、マニュアルを探す時間を短縮できるため、結果的に通話時間を短くでき、業務効率化につながるのです。
例えば、顧客が「結婚」という言葉を発した場合、FAQシステムに搭載されたAIが「結婚」に関する質問の回答候補を推論し、
・「口座変更の方法」 |
など、結婚に伴う手続き方法の回答マニュアルを、オペレーターの画面に一覧表示してくれるのです。
このように、AIが搭載されたオペレーター向けのナレッジシステムを導入すれば、1件あたりの通話時間を短縮して業務効率化を図れるため、トレンドツールとなっています。
4-3.チャットボット
コンタクトセンターのトレンド「AIによる業務効率化」において、行われている施策の3つめはAIが搭載された「チャットボット」の導入です。
チャットボットを導入することで、これまで有人で行っていた問い合わせ対応の業務を一部自動化でき、オペレーターによる対応業務が減るため、大幅な業務効率化が期待できます。
とくに、企業サイトのFAQページに掲載されているようなパターン化した問い合わせに関しては、チャットボットで対応を完結できるようになります。
オペレーターの代わりに一部の問い合わせをチャットボットが対応することで、オペレーターによる対応業務を一部自動化でき、業務効率化ができるため、チャットボットの導入はトレンドとなっています。
チャットボットについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
5.【トレンド③】オムニチャネル対応
コンタクトセンター(コールセンター)のトレンド3つめは「オムニチャネル対応」です。
先にもお伝えしたとおり、オムニチャネル対応がコンタクトセンターにおいてトレンドとなっている大きな理由は、人々の日常的なコミュニケーションのチャネルが、「電話」から「メール」「チャット」「SNS」へと移り変わっており、そうしたニーズに応えることで顧客の満足度を上げることができるからです。
その中でもとくに、コンタクトセンターにおいて重要な施策は、「チャット」の導入です。
日常的に多くの人がLINEなどのメッセージアプリを利用しチャット感覚でメッセージをやり取りしているので、「メッセージアプリのようにチャット感覚で問い合わせしたい」ニーズがあります。
こうした中でコンタクトセンターではオムニチャネルのひとつとして、顧客対応窓口にチャットを設置し「メッセージアプリのように気軽に問い合わせができる環境」を提供し、顧客のニーズを満たして、満足度を向上することができるのです。
以下のようにチャット内でやりとりした例を見てみましょう。
電気代の支払い方法をクレジットカードに変更したい場合です。
▼支払い方法をクレジットカードに変更したい場合にチャットに問い合わせた例 ・チャットに「支払い方法を変更したい」と入力 電話をかけたり、メールで問い合わせ内内容や自分の連絡先を入力しなくても、「要件だけ」をチャットに打ち込めば回答がもらえるので、「気軽に簡単に相談できて便利だ」と、満足度が高まります。 |
またそれ以外にも、「メッセージアプリのようにチャット感覚で問い合わせができる環境」は、以下のようなメリットを顧客に感じてもらうことができ、チャット窓口の設置は顧客満足度向上に貢献してくれます。
・(チャットボットが導入されている場合)時間を気にしないで問い合わせできる |
したがってオムニチャネル対応において、チャットの導入がトレンドとなっているのです。
オムニチャネルについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
6.【Cotra編集部考察】コンタクトセンター(コールセンター)の今後は?
これまで2023年のトレンドに関して紹介してきましたが、本章では、トランスコスモスのCotra編集部でまとめたコンタクトセンター(コールセンター)の今後の方向性はどうなっていくのか?について、紹介します。
6-1.CX向上には「応答率」へ傾倒せず「顧客ロイヤルティ」も重要
今後は、これまで以上にCXを向上させるために、「顧客ロイヤルティ」を意識した施策を考えることが重要になっていくことでしょう。
実際に、日本企業、海外企業それぞれの、CX向上のために重視する指標(KPI)を見ると、日本企業は応答率(※)を重視しているのに対して、海外企業は既に顧客ロイヤルティ指標を重視しています。
日本企業においても、トランスコスモスで実施している企業向け調査の中で、2020年に比べて2021年は、CX強化に関連する内容を強化していく意向が強いということがわかっています。
またコンタクトセンターにて心地よい体験(高いCX)をしたことがある消費者は、ロイヤルティが高まる傾向にあるということも調査の中で明らかになっており、今後コンタクトセンターの位置づけを見直していく企業が増えていくと想定されます。
こうしたことから、顧客ロイヤルティを意識したCX向上施策の実行で、顧客にとっての企業価値が高まるため、顧客ロイヤルティを意識したCXの向上施策が重要なのです。
6-2.コミュニケーションチャネルを充実させることが効果的
コンタクトセンターのCXを向上するためには、コミュニケーションチャネルを充実させることをおすすめします。
CX向上において重要な顧客ロイヤルティを高めるためには、手間・負担感の改善が必要であり、それを改善するのは、コミュニケーションチャネルを充実化することなのです。
手間・負担感が改善されるとロイヤルティが向上するという結果が、トランスコスモスの調査で、以下のように出ており、年代に合わせたチャネルで接客機会を提供することが重要だと考えています。
但し、闇雲にチャネルを充実させても利用されない、対応から不満を感じさせてしまい、結果として手間や負担を与えてしまうということも良く聞きます。
そうならないためにもトランスコスモスでは、DX簡易診断を準備しています。顧客行動に合わせてどのようなチャネルを設置して対応するべきかを診断結果からご提案します。
興味がある方は一度ご相談ください。
7.トレンドを踏まえたコンタクトセンター(コールセンター)を構築したい場合はご相談ください
トレンドを取り入れたコンタクトセンター(コールセンター)を構築する場合にも、まずは自社課題や顧客ニーズを把握した上で、何を取り入れるか決める必要があります。
自社の課題をはっきりと認識しないままコンタクトセンターにトレンドを取り入れたとしても、意味がありません。コストばかりがかかって、課題が解決したり、利益向上、顧客満足度向上などの効果が現れなかったりするのです。
ただし、コンタクトセンターの課題や取り入れるべきツール・システムを判断するのは、簡単なことではありません。
トレンドツールやシステムのうち、どれが自社にとって本当に効果的なのか判断するためには、コンタクトセンターについてのノウハウや、各トレンドツールについての知識が必要なのです。
そこで、現状の課題を明らかにしつつ、トレンドを取り入れたコンタクトセンターの構築はぜひ、トランスコスモスにご相談ください。
トランスコスモスでは、コンタクトセンターの運営ノウハウはもちろん、トレンドツールを開発・提供をしているため、各企業のコンタクトセンターにおける課題の発見から、最適なトレンドツール・システムのご提案までサポートできます。
トランスコスモスでご提案できるトレンドシステムを、3つ紹介します。
トランスコスモスの | 概要 |
Genesys Cloud CX | 新時代のクラウド・コンタクトセンター・ソリューション |
transpeech | コンタクトセンターの課題解決を支援することをコンセプトとした音声認識ソリューション |
DEC Support | チャットサポートソリューション |
7-1.Genesys Cloud CX
「Genesys Cloud CX」は、企業の要望や課題に沿って最適なソリューションを選択できる新時代のクラウド・コンタクトセンター・ソリューションです。
「Genesys Cloud CX」には次の3つの特徴があり、複雑になりがちなマルチチャネル管理を最適化できます。
①マルチチャネルインタラクション
1画面で複数チャネルの操作ができ、シームレスな連携をベースとした顧客対応が可能です。同一顧客の別チャネルでのコミュニケーションも1つの画面内で確認できます。
②業務効率化
Webサイトを訪問した顧客がどのページにアクセスしているかGenesyに連携でき、カスタマージャーニーマップで導線を確認できます。チャットで問い合わせがあった際にはマップを確認し、細かくヒアリングをしなくても顧客ニーズを事前に把握しておくことが可能です。顧客の個別応対にかかる時間も削減でき、オペレーターの負担を減らせます。
③安全性が高い
「Genesys Cloud CX」は、Amazon Web Services(AWS)基盤上で稼働しています。AWSのセキュリティ機能に加え、Genesys Cloudプラットフォーム自体も最新のセキュリティ基準を満たしています。
多様なチャネルの品質管理が1つのプラットフォームで実現できる「Genesys Cloud CX」については下記で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
7-2.transpeech
transpeechとは、コンタクトセンターの課題解決を支援することをコンセプトとした音声認識ソリューションです。
多数の事例で認識率90%を超える高精度な音声認識を実現し、コンタクトセンターでの通話をリアルタイムかつ自動で文字に起こすことが可能であるため、オペレーターによる通話後の応対記録入力時間の削減によって業務効率化が図れます。
また、注意すべきキーワードに従って関連サイトやスクリプトを自動でポップアップすることで、正確で迅速なオペレーションをサポートし、CXの向上につなげることができます。
具体的にtranspeechには、以下の機能が搭載されています。
transpeechの音声認識機能 | |
応対支援 | 注意すべきワードに従って関連サイトやスクリプトを自動でポップアップすることで、正確で迅速なオペレーションをサポート |
品質管理 | テキスト化された通話をシートマップで確認し、複数の通話をリアルタイムでモニタリングできるため管理者の負担を軽減できる |
データ活用 | キーワード等で通話テキストを検索でき、過去データの抽出や顧客とのやり取りが瞬時に確認できるため管理しやすくなる |
テキストデータのログ入力活用 | 通話テキストをそのまま残すことができ、オペレーターによる要約や後処理が不要で、後処理時間の短縮につながる |
応対品を視覚的に把握 | 通話をテキスト化できるためどのようなやり取りをしたのか可視化でき、応対品質の課題や現状を把握できる |
トレンドである「CX向上」や「AIによる業務効率化」に興味のある方は、ぜひ一度トランスコスモスにご相談ください。
7-3.DEC Support
DEC Supportとは、優良顧客と直接接点を持ち、囲い込み、そして会話を通して理解して、マーケティングデータを取得できるチャットサポートソリューションです。
DEC Supportを導入すれば、これまで有人で行っていた問い合わせ対応の業務を一部無人化でき、オペレーターによる対応業務を削減できます。トレンドとなっているAIによる業務効率化ができるのです。
DEC Supportではシナリオ型だけでなく、FAQ型や自然言語型での対応を複合させ、顧客の質問に応じた解決策を誘導、それでも解決出来ない場合にはオペレーターへの切り替えが出来る導線を容易に構築することが可能です。
さらに、LINEやwebブラウザ、Facebookなど多彩なチャネルに対応しているため、カスタマイズ性が高く、自社に合ったシナリオを作り上げることができます。
オペレーター業務の一部を自動化して業務効率化をしたいと検討している場合は、トランスコスモスにご相談ください。
まとめ
この記事では、コンタクトセンター(コールセンター)の最新トレンドをご紹介しました。
ここで改めて、この記事の内容をおさらいしましょう。
◆2023年の最新調査から分かるコンタクトセンタートレンドは下記のとおり
・コンタクトセンター業界のトレンド1位は「AI活用」 |
◆コンタクトセンターの大きなトレンド3つ
・CX(顧客体験)の向上 |
◆【トレンド①】CX(顧客体験)向上
・オペレーターの業務支援 |
◆【トレンド②】AIを用いた業務効率化
・音声認識システム |
◆【トレンド③】オムニチャネル対応
・チャットの導入 |
◆【トレンド④】アフターコロナの対応
・リモートワークの導入 |
◆コンタクトセンター(コールセンター)の今後は?
・CX向上には「応答率」へ傾倒せず「顧客ロイヤルティ」 も重要 |