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顧客体験(CX)とは?基礎知識とコンタクトセンターのCX評価手法

顧客体験(カスタマーエクスペリエンス、CX)とは、顧客と企業やブランドが接触するあらゆる接点での顧客の体験のことです。顧客体験が指す範囲は、商品・サービスの利用時だけではありません。購入前から購入後に至るまで、すべての体験を含んでいます。

顧客体験で重要なのは、顧客の心の動きです。顧客が抱く感情や心境の変化などの心理的な体験も含んだ概念が顧客体験となります。顧客体験は、あらゆる企業の収益にダイレクトに影響を与えています。顧客維持率に直結するためです。

しかしながら、顧客体験とは何なのか、いまひとつスッキリ理解できていないという声をよく聞きます。

そこで本記事では、現代のマーケティングのカギを握るといっても過言ではない「顧客体験」について、初心者にもわかりやすく解説します。

▼  本記事のポイント

・顧客体験の基礎知識が身につく
・顧客体験を向上させるために何をすれば良いかわかる
・コンタクトセンター(コールセンター)の評価手法も解説

「顧客体験とは何か知りたい」
「顧客体験を活用して成果をあげたい」

…という方におすすめの内容となっています。

この解説を最後までお読みいただくことで、「顧客体験とは何か?」はもちろん、具体的な高め方や指標まで理解いただければと思います。結果として、顧客体験を重視したマーケティング活動を実現できるはずです。

では、さっそく解説を始めましょう。

1.顧客体験(CX)とは?

まずは顧客体験の基礎知識から見ていきましょう。

1-1.顧客体験(CX)とは「あらゆる接点」における顧客の体験のこと

顧客体験(カスタマーエクスペリエンス、CX)とは、商品・サービスの購入前から購入後に至るまで、顧客と企業・ブランドが接触するあらゆる接点での顧客の体験のことです。

顧客体験の概念では、商品・サービスの直接的な利用体験だけでなく、商品・サービスを初めて知った時点から購入して利用し続けるまで、企業やブランドと顧客とのあらゆる接点における体験をすべて含んでいる点がポイントとなります。

たとえば、YouTubeやTwitterを経由して商品を認知すること、Googleで検索してその商品を調べること、企業のカスタマーサポートに問い合わせることなど、これらはすべて顧客体験です。

1-2.顧客体験を通じて得られる「心理的価値」が重要

「あらゆる接点」に加えてもうひとつ、顧客体験を理解するうえで重要なのは、単に“何かを体験した”という事実だけでなく、その体験を通じて顧客が感じる感情や心境の変化など、“心理的な体験”を含有した概念が顧客体験であるということです。

たとえば、「カスタマーサポートに問い合わせて、すばらしい対応をしてもらい、感動した」といった具合に、“感動した”という心理的体験も含んで顧客体験と呼びます。この顧客体験を通じて得られる「心理的価値」こそが、顧客体験のカギを握ります。

心理的価値の5分類

顧客体験の概念の提唱ともいわれるバーンド・H.シュミットは、顧客体験によって得られる心理的価値を以下の5つに分類しています。

▼ 5つの心理的価値

SENSE
(感覚的経験価値)

視覚、聴覚、触感、味覚、嗅覚を通じて感覚に訴える

FEEL
(情緒的経験価値)

顧客の内面にあるフィーリングや感情へ訴求し、ポジティブな気分から喜びや誇りといった強い感情を生み出す

THINK
(創造的・認知的経験価値)

顧客の知性や驚き・好奇心・挑発といった感覚を利用して顧客に思考させるようアプローチする

ACT
(肉体的経験価値とライフスタイル全般)

身体的な経験、ライフスタイル、他の人との相互作用に訴えて行動変容をもたらす

RELATE
(準拠集団や文化との関連づけ)

自分の理想像の実現や、特定の文化・集団に所属しているという感覚を持ってもらう

参考:バーンド・H.シュミット「経験価値マーケティング―消費者が「何か」を感じるプラスαの魅力」

ここで押さえておきたいのは、顧客体験では「顧客体験を通じてどういった心理的価値を提供するか」が重要という視点です。

顧客体験を重視するとはすなわち、「商品・サービスの購入前後におけるあらゆる接点で、顧客にどんな体験を提供し、どんな心理的価値を感じてもらうか」ということになります。

1-3.補足:顧客体験=カスタマーエクスペリエンス=CXは同じ意味

なお、顧客体験は「カスタマーエクスペリエンス(CX:Customer Experience)」の日本語訳です。以下はすべて同じ意味となります。

・顧客体験
・カスタマーエクスペリエンス
・CX

2.顧客体験の向上が不可欠なのは顧客維持率(CRR)に直結するため

顧客体験の向上は、すべての企業にとって不可欠です。

その理由は、顧客体験は顧客維持率(CRR:Customer Retention Rate)に直結するからです。

顧客維持率とは、商品・サービスを継続的に利用している既存顧客の割合を示す指標です。企業によっては解約率(チャーンレート)や顧客離反率をKPIにしているケースもあります。

どれも「顧客から離反されずに、いかに継続利用してもらえるか」を測る指標であり、企業の収益にダイレクトに影響する重要な要素です。

顧客維持率が高まれば、LTV(ライフタイムバリュー、顧客生涯価値)が高まり、中長期的に安定した収益性が確保が見込めます。従来は、顧客維持率を高めるために、製品の機能性向上や商品・サービス利用の満足度向上などの施策が取られてきました。

しかし、現代のビジネスシーンでは、あらゆる接点における顧客体験を向上させないと、顧客維持率を高めることが難しくなっています。その背景は、次章で詳しく解説しましょう。

3.顧客体験向上の必要性が増している3つの背景

顧客体験向上の必要性が増している背景として、以下の3つのポイントがあります。

・タッチポイント(顧客接点)が増加している
商品・サービスの機能性だけでは差別化ができない
・消費形態がモノ→コト→トキ消費へと変遷している

    3-1.タッチポイント(顧客接点)が増加している

    1つめのポイントは「タッチポイント(顧客接点)が増加している」ことです。顧客と企業やブランドが接触するポイントをタッチポイント(顧客接点)と呼びますが、現代では、多種多様なタッチポイントが増え続けています。

    たとえば、化粧品を例にとってみましょう。かつては、顧客が化粧品専門店を訪れ、販売員の接客を受けて購入するケースが一般的でした。タッチポイントは「化粧品専門店のみ」になります。

    一方、現代では、美容系ユーチューバーのおすすめコスメ、インスタグラマーの投稿、体験ブログや比較サイト、大手ECモールの購入者レビュー……など、さまざまなポイントで企業やブランドと顧客が接触しています。

    タッチポイントが限られていた時代では、特定のタッチポイントだけを最適化すれば、望む成果をあげることができました。しかし、タッチポイントが増加している現代では、あらゆるタッチポイントを包括的に管理し、タッチポイント同士の連なりも考慮しながら、一貫して良質な顧客体験を提供することが求められているのです。

    3-2.商品・サービスの機能性だけでは差別化ができない

    2つめのポイントは「商品・サービスの機能性だけでは差別化ができない」ことです。というのは、市場が成熟するほど、商品・サービスが持つ性能やスペックなどの機能性では、差が付きにくくなるためです。

    技術の進歩によって、どの企業でも顧客ニーズを満たす一定水準以上の機能性を提供できる状況になったとき、どこで差が付くのか?といえば「顧客体験」です。仮にまったく同じ機能を持つ製品だとしても、“どんな顧客体験を提供するか”によって、購入率やリピート率は大きく変わります。

    多くの国内市場が成熟していくなか、競争優位性を保つために必要なのは、顧客体験による差別化と言えます。

    3-3.顧客のニーズがモノ消費→コト消費→トキ消費へと変遷している

    3つめのポイントは「顧客のニーズがモノ消費→コト消費→トキ消費へと変遷している」ことです。

    ▼ モノ消費・コト消費・トキ消費

    モノ消費

    「物品の所有」にお金を使う消費行動

    コト消費

    「心に残る体験」にお金を使う消費行動

    トキ消費

    「その時・その場でしかできない体験」にお金を使う消費行動

    たとえば、1950年代には「テレビ・洗濯機・冷蔵庫」が三種の神器と呼ばれ、これらの「モノを所有したい」というニーズが強い時代でした。

    やがて人々の生活や豊かになり、モノが行き渡るようになると、1990年代後半からは「心に残るコト(=体験)をしたい」というニーズが強くなっていきます。

    そして2020年代の現在は、「今そこにしか生まれないトキを楽しみたい」という新たなニーズが注目されています。

    コト消費もトキ消費も、キーワードは「体験」であることに注目してください。顧客は「どんなモノを買うか?」ではなく、「どんな体験ができるか?」を重視していると言えます。この顧客ニーズに応えるためには、顧客体験を高めていくことが必要なのです。

    4.顧客体験を向上させる3ステップ

    では具体的に、どのようにして顧客体験を向上させれば良いのでしょうか。
    3つのステップでご紹介しましょう。

    ステップ1:現状のカスタマージャーニーマップを作成する
    ステップ2:タッチポイントごとに改善施策を検討する
    ステップ3:改善施策を実行する

    4-1.ステップ1:現状のカスタマージャーニーマップを作成する

    1つめのステップは「現状のカスタマージャーニーマップを作成する」です。カスタマージャーニーマップとは、顧客体験を「旅」になぞらえて、時系列で視覚化するツールです。まずはカスタマージャーニーマップを使って、現状を把握していきます。

    ▼ カスタマージャーニーマップのイメージ

    カスタマージャーニーマップのイメージ

    カスタマージャーニーマップを作成する際には、最初に旅の主人公となるペルソナ(自社の商品・サービスを最も利用してほしい象徴的な顧客像)を設定します。

    次に、ペルソナの視点で思考しながら、顧客行動を洗い出し、洗い出した行動をもとにタッチポイントを明確にしていきます。タッチポイントが明らかになったら、タッチポイントごとの顧客の感情を想像します。

    ▼ カスタマージャーニーマップを作る流れ

    (1)ペルソナを設定する
    (2)ペルソナの視点で顧客の行動を洗い出す
    (3)洗い出した行動からタッチポイントを明確にする
    (4)タッチポイントごとの顧客の感情を想像する

    4-2.ステップ2:タッチポイントごとに改善施策を検討する

    2つめのステップは「タッチポイントごとに改善施策を検討する」です。

    カスタマージャーニーマップが完成したら、タッチポイントごとに、どんな改善施策を実施したら良いか検討していきましょう。特に、顧客の感情がネガティブになるタッチポイントは、早急に対策が必要です。

    タッチポイントごとに改善施策を検討する

    どんな施策を打てば、顧客の感情をポジティブに変換できるでしょうか。できるだけ具体的なアクションプランに落とし込んでいきましょう。

    4-3.ステップ3:改善施策を実行する

    3つめのステップは「改善施策を実行する」です。ステップ2で検討した改善施策をスピーディに実現していくことで、顧客体験の向上が実現します。

    改善施策の実行は、タッチポイントごとに担当部署を横断することになりますが、作成したカスタマージャーニーマップを社内に共有することが大切です。

    カスタマージャーニーマップという共通言語を持っていれば、全社員が顧客体験の向上という同じ目的地に向かって行動できるようになります。

    5.コンタクトセンター(コールセンター)の顧客体験を評価する手法

    近年、顧客体験の重要なタッチポイントとして注目されているのが、コンタクトセンター(電話やメールに加え、SNS、チャットなど幅広いコミュニケーションチャネルを利用して、顧客と企業を結ぶ部署を指す。以前は電話コミュニケーションのみだったので、コールセンターと呼ばれており、現在でもコールセンターで表現されている所も多い。)です。

    これまでのコールセンターといえば、顧客からの問い合わせに対して正確かつ迅速に回答することが求められており、効率性とスピードが優先され、「顧客の待ち時間を少なくするにはどうすればいいか」が重要視されてきました。

    しかし、これからのコンタクトセンターでは、「問い合わせをしてきた顧客のロイヤルティをいかに上げていけるか」が重要視されるようになると考えられます。

    現代においては、Webやスマートフォンがあるため、ほぼ全ての顧客はあらかじめFAQなどを見たうえでコンタクトセンターに問い合わせをします。つまり、Webを見てもわからないこと、あるいは自分が知りたいことを「より深く」聞きたい、相談したいという顧客が問い合わせをしてくるのです。

    そのため、コンタクトセンターでは一人一人を意識したパーソナライズな対応が求められます。問い合わせをしてきた顧客の要望に理解し、顧客に合わせた解決策の提示や役に立つ提案をしていくことで、ロイヤルティを上げていくことが可能になります。その接客体験が顧客にとって、良い体験になり、体験をSNSなどで拡散することで、企業価値も向上していくでしょう。

    このようなことから、企業価値向上に貢献することが出来るコンタクトセンターの役割は益々重要になってきています。

    ここでは、コンタクトセンターにおいて、良い顧客体験が提供できているかを評価するための手法をご紹介しましょう。

    5-1.顧客体験を評価する代表的な2つの指標

    顧客体験を評価する代表的な指標としては、「NPS」と「CES」の2つがあります。

    NPS(ネットプロモータースコア)

    NPSは、ネットプロモータースコア(Net Promoter Score)の略で、顧客に「あなたは、この商品(サービス)を友人に勧めたいと思いますか?」と質問してスコアを算出します。

    顧客体験を評価する代表的な2つの指標

    NPSは、ロイヤルティマーケティング研究の第一人者であるフレッド・ライクヘルドが提唱した概念で、顧客ロイヤルティ(顧客が企業やブランドに対して持つ信頼や愛着)の指標として多く採用されています。

    顧客ロイヤルティは、優れた顧客体験の成果物として醸成されるものですから、NPSを通じて顧客ロイヤルティを測ることは、すなわち顧客体験を評価することにつながります。

    NPSのスコアは、9〜10点と回答した顧客(=推奨者)の割合から、0〜6点と回答した顧客(=批判者)の割合を差し引いて計算します。

    ▼ 計算例

    ・9〜10点と回答した顧客の割合:50%
    ・0〜6点と回答した顧客の割合:20%
     の場合、NPS:50−20=【30】

     

    CES(カスタマーエフォートスコア)

    CESはカスタマーエフォートスコア(Customer Effort Score)の略で「顧客努力指標」と訳されます。CESにおけるエフォート(Effort、努力)とは、顧客がコンタクトセンター(コールセンター)を利用したときに、自身の問題を解決するために要した労力・手間・不便・ストレスなどを指しています。

    タッチポイントごとに改善施策を検討する

    CESでは、コンタクトセンター(コールセンター)の利用体験が、どれだけエフォートレス(努力不要)だったかを測ることができます。CESのスコアは、6〜7点と回答した顧客の割合から、1〜3点と回答した顧客の割合を差し引いて計算します。

    ▼ 計算例

    ・6〜7点と回答した顧客の割合:40%
    ・1〜3点と回答した顧客の割合:30%
     の場合、CES:40-30=【10】

    5-2.CXの新しい考え方“5A”カスタマー・ジャーニー

    より詳しく自社顧客のCX浸透度がどういう状態にあるか、現状分析をしたい場合には、トランスコスモスの提供する“5A Loyalty 診断”がおすすめです。

    5A(ファイブエー)とは、コトラーの『マーケティング4.0』で紹介された最新のマーケティング指標です。5Aと、今回のテーマであるCXとのかかわりについて簡単に説明しましょう。

    「近代マーケティングの父」といわれるフィリップ・コトラーが、デジタル時代のマーケティングに関して2017年より3冊の書籍を著しています。その中の「マーケティング4.0」の中でCXにとって重要な“5Aカスタマージャーニー”という概念と方法論を提示しています。

    ポイントとしては、

    (1)マーケティング目標は、購買を起こすことでは終わらず、顧客を認知から奨励に進ませる
       ことである
    (2)“5Aカスタマージャーニー“こそがDX時代のマーケティングの枠組みとなる
    (3)「認知(Aware)」→「訴求(Appeal)」→「調査(Ask)」→「行動(Act)」→
       「推奨(Advocate)」
    DX時代の生活者は、このジャーニーを左から右に順番に進む
       (ファネル型=一方通行)わけではなく、飛び越えたり
    戻ったりする。

      CX(顧客体験)の最適化とは、お客様と企業/商品をつなぐ重要な概念であり、これからのマーケティングの中核的なものになるでしょう。コンタクトセンターの考え方も、CX活動の重要な一部分となり、コストではなくお客様のロイヤルティを作るための重要な要素と変わるでしょう。

      いかにして推奨者(Advocator)を増やすことができるか、これを重要なテーマと認識しましょう。

      CXの新しい考え方“5A”カスタマー・ジャーニー

      トランスコスモスは、『マーケティング4.0』の共著者であるヘルマワン・カルタジャヤ氏が創業したMarkPlus社との業務提携により、日本で独占的に5A測定手法となる、“5A Loyalty 診断”を提供しています。

      自社や競合各社のロイヤルティの構造を可視化し、11つの指標からボトルネックを明確化し、推奨者(Advocator)を増やす為のサポートをします。

      詳しい情報は、以下の資料よりご確認ください。

      5Aに関して更に詳しい内容を知りたい場合は、以下のサイトでもご紹介していますので、是非ご覧ください。

      6.顧客体験のさらなる向上を目指すためのエッセンス

      最後に、顧客体験をさらに高め続けていくためのエッセンスを2つ、ご紹介しましょう。

      ・忘れられない感動体験を創出する
      ・失望体験を限りなくゼロに近づける

      6-1.忘れられない感動体験を創出する

      1つめは「忘れられない感動体験を創出する」ことです。

      顧客体験によって差別化し、自社のブランドや商品のファンを増やし、ロイヤル顧客を育成したいのであれば、特別な顧客体験を提供しなければなりません。特別な顧客体験とは何かといえば、顧客が驚くほど感動し、心にずっと残って忘れられないような顧客体験です。

      コトラーは『コトラーのマーケティング4.0』で、“「ワオ!」を生み出すブランドになろう”と呼びかけています。ワオ!とは、“顧客が言葉にできないほどの喜びを経験しているときに発せられる表現”であり、予期せぬ驚きがあったとき、隠れた欲求が満たされたときに生まれます。

      さらに、“ワオ!には伝染力がある”とコトラーは述べています。ワオ!を体験した顧客は、他者に自分の素晴らしい体験を伝え広めるという特性があるのです。顧客が驚くほどの感動体験を創出し、顧客と強いつながりを作っていきましょう。

      なお、コンタクトセンター(コールセンター)で感動体験を創出するためには、パーソナルな対応が重要だといわれておりますが、実現するための手段として有効なものに「SNSアクティブコミュニケーションサービス」があります。

      企業から能動的に顧客をフォローし、いつもとは違う体験を創出することで、顧客の心を動かします。顧客の心を動かした体験を顧客が拡散し、SNS上での伝染力を加速させることも可能です。

      SNSでのコミュニケーション設計から実施まで相談したい方は、下記よりお問い合わせください。

      6-2.失望体験を限りなくゼロに近づける

      2つめは「失望体験を限りなくゼロに近づける」ことです。感動体験を創出する一方で、顧客が失望するような体験をなくしていくことも重要です。

      たとえば、「腹が立った」「がっかりした」「悲しかった」「うんざりした」といった体験は、顧客のリピート意向に大きな影響を与えます。失望体験があると、その顧客のリピート意向が下がり、結果として顧客維持率(CRR)の低下を招きます。

      本記事でご紹介したカスタマージャーニーマップの作成や、顧客満足度の調査を通じて、失望体験を発生させていないかチェックし、失望体験をなくすための対策を実践していきましょう。

      なお、コンタクトセンターで失望体験である「うんざりした」をなくすためには、顧客の問題解決に至るまでの導線を整備することも重要です。

      弊社トランスコスモスの調査によれば、「情報の質(明快さ・詳しさ・公平さ)」と「手間・負担感の低さ(情報収集のしやすさ・速さ)」に関わる顧客体験の提供が、購入・リピートの決め手やファン化の要因になるとされています。

      顧客に合わせた自己解決型デジタルチャネルの準備、複雑な問題は電話などの対話を通じて確実に解決する導線を設置するなど、問い合わせのプロセス全体でエフォートレスな顧客体験を提供するという視点が重要となります。

      トランスコスモスでは、一連の問い合わせ導線を分析・改善する仕組みを有しております。導線改善に興味をお持ちの方は、以下よりお問い合わせください。

      まとめ

      顧客体験とは、企業やブランドと顧客が接触するあらゆるタッチポイントにおける顧客の体験を指す言葉です。

      顧客体験は、その体験を通じた感情や心理的な変化なども含むのが重要なポイントで、“どんな心理的価値を提供するか”が、顧客との良い関係性を構築するためのカギとなります。顧客体験の向上は顧客維持率(CRR)に直結するため、あらゆる企業において不可欠といえます。

      顧客体験向上の必要性が増している3つの背景は以下のとおりです。

      ・タッチポイント(顧客接点)が増加している
      ・商品・サービスの機能性だけでは差別化ができない
      ・顧客のニーズがモノ消費→コト消費→トキ消費へと変遷している

      顧客体験を向上させる方法を3ステップでご紹介しました。

      ステップ1:現状のカスタマージャーニーマップを作成する
      ステップ2:タッチポイントごとに改善施策を検討する
      ステップ3:改善施策を実行する

      コンタクトセンター(コールセンター)の顧客体験を評価する手法としては、NPS(ネットプロモータースコア)やCES(カスタマーエフォートスコア)があります。

      顧客体験のさらなる向上を目指すためのエッセンスはこちらです。

      ・忘れられない感動体験を創出する
      ・失望体験を限りなくゼロに近づける

      顧客にとって価値のある顧客体験を提供することは、顧客ロイヤルティを醸成し、企業の収益を生みます。顧客体験の向上に取り組んでいきましょう。