216.73.216.183

【最新】コールセンターにおけるAI活用:導入シーンと成果事例

この記事で学べること
    • コンタクトセンター(コールセンター)におけるAI活用の現状:チャットボットや音声認識などの技術進化により、業務効率化とCX向上を目的とした導入が加速。
    • 具体的なAI活用シーン:回答精度向上、音声認識、ナレッジ管理、コールルーティング、品質判定、入電予測、教育支援など、7つの主要領域で活用が進む。
    • AI導入のメリットと注意点:応対品質の向上、省力化、教育の充実が期待できる一方、精度不足や人との連携が課題となる場合も。
    • AI導入に適したコンタクトセンターの特徴:CX改善、DX推進、人材育成、テレワーク対応などの課題を抱えるセンターに最適。
    • AI導入を成功させるためのポイント:導入目的の明確化、学習データの準備、人的リソースの確保、専門家の支援が成功の鍵。

「コンタクトセンター(コールセンター)でAIを活用できるの?」
「AI活用を成功させるためにはどうすれば良いの?」

こうした疑問を持つ方に向けて、AI活用の現状や導入ポイントをわかりやすく解説します。

コンタクトセンターにおけるAI活用シーンの一覧

AIの導入は、コンタクトセンターの応対品質の向上や業務効率化、顧客満足度の改善に貢献する一方、導入には適切な準備と運用体制が不可欠です。

この記事を読むことで、コンタクトセンターにおけるAI活用の基礎知識を得られ、自社に導入すべきかの判断材料が得られます。AI活用によるコンタクトセンターの変革を目指す第一歩として、ぜひご一読ください。

目次 [非表示]

1.コンタクトセンター(コールセンター)におけるAI活用の現状

コンタクトセンター(コールセンター)におけるAI活用が進んでいる現状を確認しましょう。この章では、次の内容について解説します。

・AI活用が進む背景
・AI活用の実態
・AIが担う役割

1-1.AI活用が進む背景

コンタクトセンターでAI活用が進む背景には、AI技術の発展とコンタクトセンター運営との高い親和性があります。特に「機械学習」や「深層学習(ディープラーニング)」の進化により、AIがパターンやルールを自動で発見し、学習する能力が向上しました。

これにより、AIチャットボットの自動応答精度が向上し、高度なデータ分析や数値予測が可能になりました。

また、コンタクトセンターに不可欠な「自然言語処理(NLP)」技術も進化しています。
言葉の意味や文脈の解析精度が向上し、会話要約やスクリプト自動校正、ロールプレイングの自動化を通じて応対品質が向上し、AIチャットボットの活用が容易になっています。

1-2.コンタクトセンターにおけるAI活用の実態

AI技術の発展に伴い、コンタクトセンターでのAI活用が注目され、導入企業が増加しています。

Cotra編集部が実施した【音声AI(ボイスボット)利用実態調査2023】によると、対象者の約半数が音声AIサービス(ボイスボット)を利用した経験があり、前年の調査よりも3.3ポイント増加しています。

2022年と2023年のAIオペレーターによる案内の体験の有無のアンケート結果

また、【コンタクトセンタートレンド調査2024】によると、コンタクトセンター従事者に「業界のトレンドは何か」と尋ねたところ、最も多かった回答は「AI活用」でした。

2024年のコンタクトセンター従事者が回答した業界のトレンドのランキング

2023年の調査でもAI活用をトレンドとして挙げる企業が多く、2年連続で1位となっており、その注目度の高さがうかがえます。AI活用はコンタクトセンター従事者にとって身近で重要なトピックであり、多くの消費者がAIサービスを体験するレベルにまで広がっていることが分かります。

1-3.コンタクトセンターでAIが担う役割

AIをコンタクトセンターに導入することで、顧客への回答スピードを向上させ、CX(顧客体験)を改善することが可能になります。

コンタクトセンターにAIチャットボットを導入する前と後のイメージ

CXとは、商品やサービスの購入前から後まで、顧客が接する一連の体験を指し、企業にとって非常に重要な施策の一つです。AI活用によって、「嬉しい」や「安心」といった感情的な価値を顧客に提供し、競合他社と差別化することができます。

特にコンタクトセンターでは問い合わせ時の対応が顧客の感情的体験を高めるポイントになります。AIチャットボットの導入により、自動応答の精度が向上し、「すぐに対応してもらえた」「電話より解決スピードが速い」といった顧客のポジティブな体験を促進します。

このように、AIは顧客がコンタクトセンターに問い合わせた際に、より良い体験を提供するサポートを行います。

2.コンタクトセンターにおける7つのAI活用シーン

次に、コンタクトセンター(コールセンター)でAIを活用する具体的な方法を見ていきましょう。AIは主に以下の7つのシーンで効果的に活用できます。

コンタクトセンターにおけるAI活用シーンの一覧

2-1.チャットボット・ボイスボットの回答精度の向上

AIは、コンタクトセンターのチャットボットやボイスボットの回答精度向上に大きく寄与します。チャットボットは「チャット+ロボット」の造語で、WebサイトやLINEなどで自動応答するシステムです。

AIを搭載したチャットボットでは、顧客がテキストで入力した質問の意図をAIが解析し、正解の可能性が高い回答を提供します。ボイスボットは、この回答を音声で読み上げるシステムです。

従来のAI非搭載のチャットボットやボイスボットは、人が設定したシナリオ(ルール)に基づいて応対するため、限られた範囲でしか機能しません。しかし、AIチャットボットやボイスボットは、AIが学習したデータをもとに自ら判断し、より広範な自動化を実現できます。

AIチャットボットやボイスボットは、多くの応答を繰り返すことで教師データを蓄積し、回答精度が向上します。「回答するたびに学習して賢くなる」という特性を持つため、非常に有望なツールと言えるでしょう。

チャットボットやボイスボットについてさらに詳しく知りたい方は、以下の参考記事をご覧ください。

2-2.音声認識の精度向上

AIは音声認識の精度向上にも活用されています。音声認識とは、人間の音声を解析し、話し言葉をテキストに変換したり、発声者を識別したりする技術です。

AIを導入した音声認識では、人間の脳を模した「ニューラルネットワーク」を基盤とする「ディープラーニング(深層学習)」を使用し、音声認識の精度を大幅に向上させることが可能です。

音声認識の仕組み

音声認識を活用することで、顧客やオペレーターの電話音声を文字に起こすことができ、要約やVOC(顧客の声)の収集に役立ちます。単なるテキスト化にとどまらず、感情分析や注意すべきワードの抽出も可能です。

これにより、オペレーターは顧客の感情の変化をリアルタイムで把握し、トラブルを未然に防ぐことができます。

音声認識について詳しく知りたい方は、以下を参照してください。

2-3.ナレッジマネジメントの効率化

ナレッジマネジメントの効率化にもAIを活用できます。ナレッジマネジメントとは、コンタクトセンター内の有益な知識やノウハウを組織全体で共有し、業務に活用することを指します。

AIを活用することで、ナレッジの一元管理が可能になり、必要な情報へのアクセスが容易になります。

オペレーターの情報検索に応じて迅速に結果を表示するだけでなく、音声認識システムと連携し、会話内容から注意すべきキーワードをリアルタイムで検知できます。その結果、オペレーターのパソコン画面にスクリプト(トークの台本)を表示するなど、応対支援が実現します。

ナレッジマネジメントについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

2-4.コールルーティングの最適化

AIはコールルーティングの最適化にも活用可能です。コールルーティングとは、入電を各オペレーターに自動で振り分ける仕組みのことを指します。

従来の単純なコールルーティングでは、待機時間が長いオペレーターや対応履歴のあるオペレーターに振り分けられます。しかし、AIを活用すると、電話をかけてきた顧客に対して最適なスキルを持つオペレーターにルーティングできるようになります。

AIは過去の成功事例を学習し、特定の顧客属性とオペレーター属性のペアリングを分析します。これにより、成約率や解決率が向上するという仮説を基に、膨大なデータから最適なペアリングを見つけ出します。その結果、顧客満足度の向上やオペレーター業務の円滑化に寄与します。

2-5.応対品質判定の自動化

AIは応対品質判定の自動化にも貢献します。従来、応対品質判定は管理者が顧客とオペレーターの対話内容を確認して行うことが多いですが、AIを活用することでこのプロセスを自動化することが可能です。

AIを導入することで、コンタクトセンター管理者の品質チェック業務にかかる負担を軽減し、効率的な運営が実現します。

2-6.入電予測の高精度化

AIは、入電予測の高精度化にも活用されています。コンタクトセンターでは、入電数や問い合わせ数を正確に予測し、オペレーターの適正な稼働人数を管理することが重要です(Forecast予測)。

精度の高い予測を実現するために、AIが活用されています。

【AIを活用した予測の例】

AIを活用した予測の例

AIの予測技術を使用すると、年間・月別といった大まかな予測だけでなく、曜日別・日別・時間帯別といった詳細な予測も高精度で行うことができ、効率的なオペレーター配置が可能になります。

入電予測について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

2-7.ロールプレイングのアシスト

最後に紹介するAI活用シーンは、ロールプレイングのアシストです。コンタクトセンターにおける新人オペレーターの教育には多くの時間がかかり、教育を担当する管理者の負担も大きくなっています。

そのため、十分なロールプレイングが行われていない現状があります。AIを活用することで、管理者とオペレーターの双方にとってプラスの効果が期待できるでしょう。

ロールプレイングでは、最初にシナリオを作成し、シナリオに基づいて回答ができるかを判定します。もし回答が間違っている場合には、AIがその点を指摘する仕組みとなっています。

ただし、現段階ではAIに全てを任せることは難しいため、AIと人間のハイブリッドな組み合わせで研修を行う仕組みを整えることが推奨されます。

3.コンタクトセンターのAI導入事例

コンタクトセンター(コールセンター)におけるAI導入は、多くの課題を解決する実績を上げています。以下は、トランスコスモスとそのサポートを受けた2社の事例です。

【コンタクトセンターのAI導入事例】
1.オペレーターの応対サポート(トランスコスモス株式会社)

課題

施策

成果

顧客への回答時間を短縮したい

生成AIが社内ドキュメントを参照し、顧客へ迅速に回答

エスカレーションを6割削減できる見込み

トランスコスモスは、顧客への回答時間を短縮するため、手持ち情報で回答が難しい際に生成AIに質問し、AIが社内ドキュメントを参照して答えを提供しています。これにより、顧客を待たせることなくオペレーターが迅速に応対でき、エスカレーションを6割削減できる見込みです。

2.コールルーティングの最適化(家電メーカーA社)

課題

施策

成果

・入電フォーキャスト作成に毎月20時間以上かけていた
・予測誤差によるオペレーターの過剰配置

AIに入電量を予測させ、必要なオペレーター席数を自動算出

フォーキャスト作成工数が20分の1まで削減、オペレーター配置の最適化に成功

続いて、トランスコスモスがサポートした家電メーカーA社では、AIに入電量を予測させ、その結果を基に必要なオペレーター数を自動算出しています。この結果、フォーキャスト作成にかかる工数を20分の1に削減し、オペレーター配置の最適化に成功しました。

3.応対品質評価の効率化(製造業B社)

課題

施策

成果

通話全件チェックとフィードバックの強化ができていなかった

AIで応対品質を自動評価

品質チェック工数を80%削減、フィードバック頻度が4倍増加

製造業B社は、通話全件チェックとフィードバックの強化ができていなかったため、AIによる応対品質自動評価を導入しました。これにより、品質チェックにかかる工数を80%削減し、削減された工数をフィードバックに充てることで、その頻度を4倍に増やすことに成功しています。

このように、AIはコンタクトセンターにおける様々な課題を効果的に解決しています。コンタクトセンターのAI活用事例についてさらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

4.コンタクトセンターにAIを導入する3つのメリット

これまでコンタクトセンター(コールセンター)におけるAI活用の基礎知識について解説してきましたが、「自社に導入する必要性や価値はあるのか?」という疑問が残る方も多いでしょう。そこで、コンタクトセンターにAIを導入するメリットを確認していきます。

コンタクトセンターにAIを導入するメリットは、主に以下の3つです。

コンタクトセンターにAIを導入するメリットの一覧

それぞれの内容について解説します。

4-1.応対品質を向上させることができる

コンタクトセンターでAIを活用する最大のメリットは、応対品質の向上です。AIを活用することで、顧客は問い合わせ時に高い利便性を享受し、適切なサポートを受けられるようになります。

トランスコスモスの調査によると、消費者の真のニーズは「ストレスフリーな体験」であり、90%以上の消費者がまず自己解決を目指す傾向があります。つまり、顧客がいつでも気軽に問い合わせできる体制を整え、自己解決率を向上させることが、応対品質への評価につながります。

AIチャットボットを導入することで、「24時間いつでも問い合わせができ、瞬時に回答が得られる」という利便性を提供できます。また、従来のチャットボットよりも精度の高い回答が可能となることで、解決率を向上させることができます。

このように、AIの活用は応対品質の向上に寄与し、結果的に顧客満足度を高めることにつながります。

4-2.非属人化や省力化により業務を効率化できる

AIを導入することで、非属人化や省力化が実現し、業務を効率化できるというメリットがあります。ベテランの管理者や長時間オペレーターが従事する処理作業をAIに任せることで、大幅な業務効率化が可能になります。

例えば、応対品質のチェックや応対後の記録を自動化することで、業務時間が大幅に短縮されるでしょう。また、アウトバウンド業務においてAIが架電リストを高精度で分析することで、無駄なリストを省き、余計な業務の発生を防ぐことができます。

このように、AIの活用によってコンタクトセンター従事者の負担を軽減し、業務の効率化が図れます。

4-3.オペレーター教育の充実につながる

コンタクトセンターにおけるAIの活用は、オペレーター教育の充実にも寄与します。AIを活用することで、オペレーターへのフィードバックが適切かつ迅速に行えるようになります。

管理者がオペレーターの応対をモニタリングし、品質を評価してフィードバック行うには、時間と労力がかかります。しかし、AIによる応対品質チェックを導入することで、従来の週1回や月1回に限られていたフィードバックを、毎日・全件数に対応できるようになります。

これにより、オペレーターは自分の応対品質をタイムリーに把握でき、改善のスピードも向上します。さらに、主観が入りやすい人間による評価とは異なり、AIの評価はデータに基づいた客観的なものであるため、オペレーターにとっても心情的に納得しやすいという点が大きな利点です。

5.コンタクトセンターにAIを導入する2つの注意点

AIはコンタクトセンター(コールセンター)に多くのメリットをもたらしますが、注意点も存在します。導入に失敗しないために、以下のポイントを押さえておきましょう。

コンタクトセンターにAIを導入する注意点には、主に以下の2つがあります。

コンタクトセンターにAIを導入する注意点の一覧

5-1.AIの精度が低いと顧客満足度が低下する恐れがある

1つ目の注意点は、AIの精度が低い場合、AIの精度が低いと顧客満足度が低下する恐れがあることです。AIは万能ではなく、導入するだけで効果が出るわけではありません。十分なチューニングやメンテナンスを行わないと、精度が低く使い物にならない状況に陥ることもあります。

AIチャットボットを導入しても、十分なデータや学習機会を提供しなければ、顧客に適切な回答を返すことができません。その結果、「思ったような答えが返ってこない」と顧客に感じさせてしまうと、顧客満足度が低下する恐れがあります。

AIもオペレーターと同様に教育や知識のアップデートが必要であることを認識し、適切に活用することが重要です。

5-2.全てをAI任せにできるわけではない

2つ目の注意点は、全てをAI任せにできないということです。現実のAI技術は、どんな種類のものであっても必ず人間の手でサポートが必要な部分があります。

例えば、応対品質を自動判定するAIは、管理者に代わってオペレーターの応対を評価しますが、弱点があります。

AIは「単語ベース」での評価は得意でも、「複雑な会話」の良し悪しを評価することは難しいのです。そのため、専門知識が必要な会話については、管理者がチェックする必要があります。

AIチャットボットも、どんなに精度が高まっても、回答が難しい複雑な質問が発生します。このような場合には、有人でサポートできるフローを設計することが重要です。

このように、AIと人間が協力して機能する体制を整えながら、活用することが欠かせません。

6.AIを導入すべきコンタクトセンターの特徴

AIを導入すべきコンタクトセンター(コールセンター)は、以下のような課題を抱えている場合です。

【AIを導入すべきコンタクトセンターの特徴

・CX(顧客体験)を向上したい
・コスト削減を実現したい
・最新技術を活用したい
・優秀な人材を確保・育成したい
・テレワークを推進したい

AIの活用により、応対品質が向上すればCX(顧客体験)が改善され、業務の効率化を通じてコスト削減が実現します。また、AI自体が最新のデジタル技術であるため、DX(デジタルトランスフォーメーション)への貢献は明らかです。

さらに、AIを活用することで業務の自動化やマネジメントの簡易化が進み、テレワークの障壁が低くなります。働きやすい環境が整えば、優秀な人材の確保も容易になるでしょう。

このように、AIの活用はコンタクトセンターの課題を解決し、より効果的な運営を実現するための鍵となります。

7.コンタクトセンターへのAI導入を成功させるための4つのポイント

最後に、コンタクトセンター(コールセンター)へのAI導入を成功させるためのポイントをお伝えします。
コンタクトセンターへのAI導入を成功させるためには、以下の4つのポイントがあります。

コンタクトセンターへのAI導入を成功させるためのポイントの一覧

7-1.導入の目的を明確にしてからシステムを検討する

1つ目のポイントは、AI導入の目的を明確にしてからシステムを検討することです。どのような課題を解決したいのか、成果として何を期待するのかを不明確なまま導入しても、効果的な運用は難しくなります。

コンタクトセンターへのAI導入において、そもそもの目的を事前にしっかりと検討し、明確に言語化しておくことが重要です。もし自社のリソースでその点が難しい場合は、コンタクトセンターにおけるAI活用の専門家にサポートを依頼することも一つの方法です。

7-2.AIに学習させるためのインプットや準備期間を考慮する

2つ目のポイントは、AIに学習させるためのインプットや準備期間を考慮することです。AIを教育するのは人間の役割であり、AIがしっかりと機能する状態を作るためには、そのための準備期間も含めて計画を立てることが重要です。

たとえば、AIチャットボットを導入する際の概算スケジュールを考慮することが必要です。

しっかりと準備するためには、約3ヶ月程度の期間が必要になることを想定しておきましょう。実現したい内容によって準備期間が異なるため、進行状況を確認しながら柔軟に対応することが求められます。

AIシステムの導入自体は迅速に行える場合でも、そのAIが実際に機能するかどうかは別の問題であることを念頭に置いて取り組むことをおすすめします。

7-3.運用のための人的リソースを確保する

3つ目のポイントは、運用のための人的リソースを確保することです。コンタクトセンターでAIを効果的に活用するためには、人間のサポートが不可欠です。

形だけのAI導入ではなく、実際に顧客の利便性に貢献し、現場の負担を軽減し、生産性を向上させるためには、それなりの人的リソースが必要になります。

「AIを導入すれば自動化・省力化・効率化ができる」という印象が強くなりすぎて、AI導入自体が目的となってしまうと、必要な人的リソースの見積もりを誤り、結局はメリットが得られなかったという結果につながる可能性があるため、注意が必要です。

7-4.コンタクトセンターAI専門家のサポートを受ける

4つ目のポイントは、コンタクトセンターAI専門家のサポートを受けることです。AI導入の失敗例として多く見られるのが、「AIの技術力は高いが、コンタクトセンターの現場に精通していないベンダーを選んでしまい、実動面で役に立たない」というケースです。

コンタクトセンターのAI化は、特有の課題を理解している専門家と一緒に進めることで、スムーズに成功する可能性が高まります。トランスコスモスは国内最大級の規模でコンタクトセンターのサービスを展開しており、数多くのAIテクノロジーを開発しています。

コンタクトセンターへのAI導入を検討中の方は、ぜひご相談ください。また、コンタクトセンターにおけるAI活用に興味がある方は、トランスコスモスにお問い合わせいただければと思います。

トランスコスモスでは、企業と顧客接点のCX最適化を実現するDXプラットフォームに、生成AIチャットボット「trans-AI Chat」を独自開発し、「trans-DX For Support」へ搭載しました。

「trans-AI Chat」を搭載したハイブリッドチャットでは、エンドユーザーは自然な文章で問い合わせを行うことができ、チャットボット対応と有人チャット対応のシームレスな連携により、高品質な顧客体験を提供します。

▼生成AIチャットボット「trans-AI Chat」を搭載したハイブリッドチャットイメージ

生成AIチャットボット「trans-AI Chat」を搭載したハイブリッドチャットイメージ

出典:トランスコスモス株式会社「トランスコスモス、企業と顧客接点のCX最適化を実現するDXプラットフォームに生成AIチャットボット「T-GPT」を追加」

従来のチャットボットでは、シナリオ選択による操作負担や問い合わせ中の途中離脱が課題でしたが、「trans-AI Chat」を利用することで、自然文による質問に対して迅速に適切な回答を提示できるようになります。

また、複数の業務ナレッジ(FAQなど)の確認が必要な問い合わせに対しても、「trans-AI Chat」は複数の業務ナレッジを要約して回答できるため、エンドユーザーの解決時間短縮と満足度向上に貢献します。

詳しくは以下のリンクからお気軽にお問い合わせください。

まとめ

この記事では、コンタクトセンター(コールセンター)におけるAIの活用について詳しく解説しました。以下に要点をまとめます。

AIはコンタクトセンターにおける一般的な課題の解決につながる有望なツールとして、従事者たちの注目を集めており、導入する企業が増加しています。

コンタクトセンターにおけるAI活用シーンには、以下の7つがあります。

・チャットボット・ボイスボットの回答精度の向上
・ 音声認識の精度向上
・ナレッジマネジメントの効率化
・ コールルーティングの最適化
・ 応対品質判定の自動化
・ 入電予測の高精度化
・ロールプレイングのアシスト

AIを導入するメリットには、以下のようなものがあります。

・応対品質の向上
・非属人化や省力化による業務の効率化
・オペレーター教育の充実

一方で、AI導入には以下の注意点も存在します。

・AIの精度が低いと顧客満足度が低下する恐れがある
・全てをAI任せにできない

コンタクトセンターへのAI導入を成功させるためには、以下のポイントを押さえましょう。

・導入の目的を明確にしてからシステムを検討する
・AIに学習させるためのインプットや準備期間を考慮する
・運用のための人的リソースを確保する
・コンタクトセンターAI専門家のサポートを受ける

AIは、適切に活用すればコンタクトセンター運営を強力にサポートしてくれるツールです。この記事を読んで関心を持った方は、導入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

トランスコスモスの音声認識ソリューション transpeech は、音声認識だけでなく
トークの自動応対チェック・Chat GPTを活用した対話要約AIなど自社開発機能を追加し、7つの機能へ進化
トランスコスモスの音声認識ソリューション transpeech は、音声認識だけでなく
トークの自動応対チェック・Chat GPTを活用した対話要約AIなど自社開発機能を追加し、7つの機能へ進化