18.97.14.82

音声感情分析とは?コールセンター導入のメリット・デメリットを解説

音声感情分析とは、AIが人間の発する声から感情を読み取る技術のことです。
話し手がどのような感情で言葉を発しているのか、音声の周波数を分析して、感情を判断します。

音声感情分析によりできること

機能

概要

できること

感情の可視化

通話中の顧客とオペレーターの感情をリアルタイムで分析、数値やグラフなどで見える化

応対品質の向上
会話の中で顧客がネガティブな感情になった部分の対応を改善したり、ポジティブな感情になった対応を増やしたりすることで、応対品質が向上する
また、オペレーターの感情を分析することで、過度なストレスを予防したり、業務の適不適を判断することも可能

満足度分析

通話ごとの顧客の満足度を分析、数値化

顧客満足度の向上
満足度の高い応対内容にあわせてトークスクリプトを改善したり、オペレーターの研修に利用したりすることで、顧客満足度の向上につながる

信頼度の
スコアリング

同じく顧客の信頼度を分析、スコアリング

顧客ロイヤルティの向上
同じく信頼度の高い応対内容を分析、トークスクリプトやオペレーターのスキルを改善することで、自社のファンを増やすことができる

アラート通知

顧客の「怒り」などネガティブな感情が高まった際や、特定のNGワードが発せられた際など、通話中の危険を感知し、管理者にアラートを発信

トラブルの防止
アラートを受けた管理者は、オペレーターにリアルタイムで指示を出したり、通話をかわって対応したりすることが可能になる

VOC分析

通話の音声を、言葉の内容だけでなく感情分析を加えて解析することで、より正確なVOC=顧客の声を知ることができる

商品・サービスの改善、開発
VOCを正確に分析することで、顧客が自社の商品やサービスに対して抱いているニーズやインサイトを把握することができるため、それに沿って改善したり、新商品・新サービスを開発したりすることができる

発する言葉だけではわからない、話し手の感情を可視化できるため、コンタクトセンター(コールセンター)において通話中の顧客の感情を読み取って応対に活かす企業も多い傾向にあります。

ただし、音声感情分析を導入するためには、メリット・デメリットをしっかりと理解して、活用イメージを持って導入しなければ効果を最大限に発揮することは出来ません。

そこでこの記事では、以下の内容を解説します。

・感情分析のメリット・デメリット
・音声感情分析の活用イメージ
・音声感情分析の導入に向いている企業

内容は以下のとおりです。

▼本記事の内容
・音声感情分析とは
・コンタクトセンター(コールセンター)において音声感情分析が役立つシーン
・コンタクトセンターにおける音声感情分析の3つのメリット
・コンタクトセンターにおける音声感情分析のデメリット・課題
・音声感情分析の導入に向いている企業

「音声感情分析を検討していて、詳しく内容について知りたい。」
「音声感情分析でコンタクトセンターの課題を解決したい。」

と考えている人にピッタリの内容です。

この記事を読むことで、音声感情分析とはどのようなものか理解できるだけでなく、自社にとって音声感情分析の導入をするべきかどうか判断できるようになります。
ぜひ最後までお読みください。

1.音声感情分析とは

まずは音声感情分析の基礎知識について以下の内容を解説していきます。

▼音声感情分析とは
・音声感情分析とは、人の話し声から感情を読み取る技術のこと
・注目される背景
・音声感情分析の仕組み
・音声感情分析の精度

1-1.音声感情分析とは、人の話し声から感情を読み取る技術のこと

音声感情分析とは、AIが人間の発する声から感情を読み取る技術のことです。

AIが音声の周波数を解析し、発話のスピードやテンポ、間のあき方、抑揚などから「満足」「楽しさ」「喜び」「怒り」「悲しみ」「不満」「平常」などそのときの感情を分析します。

人間の感情表現は、言葉だけでは判定しづらく、非言語コミュニケーションによって表現される部分が大きい傾向にあります。

例えば、こちらが何かを説明した際に、相手が同じ「わかりました」という言葉を発したとしても、心から納得している場合もあれば、表面上は納得したようで実は内心納得できない部分があったり不満に思っていたりする場合もあるでしょう。

音声感情分析は、その感情の違いをAIによって検知する仕組みなのです。

これにより、より話し手の感情を理解することができるため、顧客との電話によるコミュニケーションが活発な「コンタクトセンター(コールセンター)」で活用されることが多い傾向にあります。

1-2.音声感情分析の仕組み

音声感情分析は、音声の周波数を分析することによって行います。

具体的には、

・音声の周波数成分をスペクトル解析
・音声の特徴を抽出
・抽出した結果を各感情へと分類

することによって、「このような声のときはどんな感情なのか」を判断します。

【感情を分析・見える化する例】

感情を分析・見える化する例

※トランスコスモスの音声認識ソリューション「transpeech」の感情分析

音声の特徴を分析するため、相手の性別や年齢、話す言語などに左右されることなく感情を読み取ることができるわけです。

実際に会話をする場面では、発する言葉の内容とこの感情分析とを組み合わせることで、より話し手の感情を判定できるようになります。

2.音声感情分析ツールの機能一覧と活用事例

この音声感情分析を行うためには、各社から提供されている音声感情分析ツールを導入、活用するのが一般的です。

では、この音声感情分析ツールでは具体的に何ができるのでしょうか?

2-1.音声感情分析ツールの機能一覧

コンタクトセンター(コールセンター)で活用されているツールの主な機能を一覧表にまとめました。

機能

概要

できること

感情の可視化

通話中の顧客とオペレーターの感情をリアルタイムで分析、数値やグラフなどで見える化

応対品質の向上
会話の中で顧客がネガティブな感情になった部分の対応を改善したり、ポジティブな感情になった対応を増やしたりすることで、応対品質が向上する
また、オペレーターの感情を分析することで、過度なストレスを予防したり、業務の適不適を判断することも可能

満足度分析

通話ごとの顧客の満足度を分析、数値化

顧客満足度の向上
満足度の高い応対内容にあわせてトークスクリプトを改善したり、オペレーターの研修に利用したりすることで、顧客満足度の向上につながる

信頼度の
スコアリング

同じく顧客の信頼度を分析、スコアリング

顧客ロイヤルティの向上
信頼度の高い応対内容を分析、トークスクリプトやオペレーターのスキルを改善することで、自社のファンを増やすことができる

アラート通知

顧客の「怒り」などネガティブな感情が高まった際や、特定のNGワードが発せられた際など、通話中の危険を感知し、管理者にアラートを発信

トラブルの防止
アラートを受けた管理者は、オペレーターにリアルタイムで指示を出したり、通話をかわって対応したりすることが可能になる

VOC分析

通話の音声を、言葉の内容だけでなく感情分析を加えて解析することで、より正確なVOC=顧客の声を知ることができる

商品・サービスの改善、開発
VOCを正確に分析することで、顧客が自社の商品やサービスに対して抱いているニーズやインサイトを把握することができるため、それに沿って改善したり、新商品・新サービスを開発したりすることができる

2-2.音声感情分析ツールの活用事例

また、「実際に音声感情分析ツールはどう活用されていて、どんな成果が上がっているのか?」を知りたい人も多いでしょう。

そこで、トランスコスモスの音声認識ソリューション「transpeech」の「感情分析」機能の活用事例をひとつご紹介しておきます。

導入したのは、採用サービス全般を提供する企業・A社です。

A社では、採用媒体への掲載に向けて中小企業を中心に営業訪問のアポイントを獲得するアウトバウンドのコンタクトセンターを運営していますが、以下のような2つの課題を抱えていました。

・オペレーターごとのアポイント獲得率の格差
・きめ細かいトーク改善に対する従来の指導方法の限界

同じトークスクリプトを使って同じような属性の顧客に架電した場合、本来ならオペレーターごとのアポイント獲得率は同じくらいになるはずですが、A社のセンターではオペレーターによって差が大きかったのです。

そこで、その差を埋めるために、オペレーターそれぞれに個別のフィードバックを行いましたが、それでは十分に改善されませんでした。

何故なら、評価のポイントや改善点などが指導する管理者によって異なるなど、どうしても個人個人の価値観の違いが出てしまったためです。

これではオペレーターの応対品質の均質化、底上げはできません。
そこで、音声認識ソリューション「transpeech」を導入し、「感情分析」機能を活用することにしました。

これにより、以下のことが可能になりました。

・お客様の感情の動きをリアルタイムで把握する
・オペレーター自身の感情の動きも目に見える

感情を分析・見える化する例

どんなトークが顧客にポジティブ(あるいはネガティブ)な感情を引き起こすのかが客観的にわかるため、トークスクリプトの改善に役立ちます。

また、「オペレーターがどのような話し方をした際に相手がどう感じるか」もデータとして目に見えるようになり、指導に個人差が出にくくなる効果も期待できるでしょう。

A社では、transpeechの感情を分析し解析する機能に加えてトークスクリプトの傾向を分析する「セールストーク解析」などの機能も活用することで、課題を以下のように解決しました。

・オペレーターごとのアポイント獲得率の格差
 → アポイント獲得率が導入前の2.3倍にアップ
・きめ細かいトーク改善に対する従来の指導方法の限界
 → オペレーターへの指導を効率化

この事例についてさらに詳しく知りたい人は、以下の記事をぜひ読んでください。

音声感情分析はトランスコスモスにおまかせください!

トランスコスモスでは、コンタクトセンター向けに音声感情分析ができる「transpeech」をご提供しています。

「transpeech」では、無意識に起こる音声の特徴の変化を検出、解析することで顧客がどのような感情にあるのか、オペレーターにポップアップ表示で知らせます。

更には、スーパーバイザーなどの管理者がオペレーターを長時間監視しなくても、常にリアルタイムで音声感情分析を行い、必要なタイミングでアラート通知を受け取ることができます。

例えば、「◯秒以上怒っている」「◯回以上怒りの感情が出た」など、設定に該当する顧客の怒りを察知した場合は、管理者にアラートを表示するのです。

顧客の感情を瞬時に察知しすぐにフォローをすることで、トラブル防止や応対品質の向上へとつながります。

また、限られた監理者で手厚いフォロー体制を実現可能で、ブラウザ上で音声確認ができ、すぐにフォローに回れるので利便性が向上します。
初心者のオペレーターの場合など、監理者がすぐにフォローしてくれるので安心です。

音声感情分析によって隠された感情を察知し先回りしてのサポート

ぜひトランスコスモスの音声感情分析ができる「transpeech」の導入をご検討ください。

3.コンタクトセンター(コールセンター)において音声感情分析が役立つシーン

先にも述べたとおり、音声感情分析はコンタクトセンター(コールセンター)において活用が進んでいますが、具体的に、コンタクトセンターにおいて音声感情分析はどのようなシーンで役立つのでしょうか。

そこで3章では、コンタクトセンターにおいて音声感情分析が役立つシーンをご紹介します。

コンタクトセンターにおいて音声感情分析が役立つシーン

具体的な活用シーンを知ることで、より音声感情分析のイメージが具体的になるでしょう。
それではそれぞれ見ていきましょう。

3-1.顧客との通話場面

1つめは「顧客との通話場面」です。

通話中に顧客の音声感情分析を行うことで、スーパーバイザーによるフォローが必要な応対を発見するために活用ができます。

例えば、オペレーターとの会話中に、顧客の感情が高ぶっていると音声感情分析によって判定された場合には、スーパーバイザーの管理画面にアラートを表示できるものがあります。

トラブルが発生する前に顧客のネガティブ感情を検知できるため、大きな苦情に発展する前にオペレーターを支援でき、未然に大きなトラブルを防ぐことができるのです。
従ってオペレーターが顧客と通話するシーンにおいて、感情分析は役立つのです。

3-2.VOCを収集する場面

2つめは「VOCを収集する場面」です。

コンタクトセンター(コールセンター)では、録音した過去の会話内容をチェックし、VOCを収集することがあります。

そうした場面で音声感情分析を活用することにより、顧客の通話時の感情をよりリアルに知ることができ、深いレベルでのVOCの収集が可能になるのです。

例えば「契約外のサービスに関するセールスのDMが多すぎる」という顧客のVOCがあった場合、そこに「怒り」の感情があれば、「セールスのDMが多すぎる」だけでなく、顧客がセールスのDMが多すぎることでストレスを感じていることがわかります。

つまり、テキストだけの「セールスのDMが多すぎる」というVOCよりも、「セールスのDMが多すぎる」「怒り」という、「事実」と「感情」を両方理解することで、深いレベルで顧客のVOCを理解することができるのです。

こうしたことから、コンタクトセンターで過去の会話内容をチェックしVOCを収集する際に、音声感情分析の活用が有効です。

3-3.応対ノウハウを収集する場面

3つめは「応対ノウハウを収集する場面」です。

過去の会話内容を音声感情分析することで、「顧客の感情をポジティブにできる応対スキル」のあるオペレーターを見つけることができます。

そして、そのオペレーターがどのような会話をしているのかを解析することで、顧客に好印象を与える応対のポイントを明らかにできるのです。

例えば、過去の応対履歴を音声感情分析した結果、「オペレーターのAさんが応対した際に、顧客の感情が『喜び』『楽しい』など、ポジティブになるケースが多い」ということが分かったとしましょう。

そうした場合、Aさんが普段、どのような会話をしているのか解析することで、「顧客感情を良好にする応対方法」を明らかにでき、ほかのオペレーターにも活かせるようにマニュアル化することが可能です。

そのため、応対ノウハウを収集する場面で音声感情分析は活用が可能です。

4.コンタクトセンター(コールセンター)における音声感情分析の3つのメリット

コンタクトセンター(コールセンター)における音声感情分析のメリットは以下の3つです。

コンタクトセンターにおける音声感情分析の3つのメリット

それぞれ詳しく見ていきましょう。

4-1.成約率の向上

1つめは「成約率の向上」です。

感情分析を行うことで、オペレーターが通話中に顧客の感情を理解しながらセールスをかけることができます。また、スーパーバイザーにも感情分析結果を表示することで、クロージングに向けて的確な指示をオペレーターに向けて送ることもできるのです。

例えば、通話中に音声感情分析を行うアウトバウンドコンタクトセンターのオペレーターAさんが、顧客に対してセールスを行っている場面を考えてみましょう。

音声感情分析によって、顧客の感情が「興味」「期待」というようなポジティブな結果を示した際には、Aさんは積極的に商品の良い点を伝えて、セールスをかけます。

スーパーバイザーがAさんに対して、「クロージングに向けて〇〇をしてください」とアドバイスすることもできます。一方で、音声感情分析の結果が「怒り」「不安」などのネガティブなものを示す場合には、Aさんは積極的なセールスを控えるようにします。

そうすることで、企業イメージが下がるのを避けたり、次回以降のセールスのチャンスを失わないようにしたりでき、別の機会でのセールスのチャンスを逃さないようにできます。

このように、通話中にリアルタイムで音声感情分析を行い顧客の感情に合わせて臨機応変に対応をすることで、成約率の向上に貢献することが可能なのです。

4-2.顧客満足度の維持・向上

2つめのメリットは「顧客満足度の向上」です。

先にも述べたとおり、通話中の感情分析を行うことで、顧客のネガティブな感情をその場で検知して、スーパーバイザーにアラート表示をしてくれるため、顧客の不満が大きくなる前に対処ができるため、顧客満足度を下げることなく、維持することができます。

例えば、オペレーターと顧客の通話中に感情分析を行っているコンタクトセンターで、顧客の「怒り80%」「悲しみ20%」という感情を検知した場合を考えてみましょう。

そうしたネガティブな感情を検知したタイミングで、スーパーバイザーにアラートを表示し、スーパーバイザーが担当オペレーターに具体的な応対の指示を出したり、オペレーターに替わって応対をしたりすることができます。

顧客がネガティブな感情を感じたあと迅速にフォローを入れることができるため、顧客満足度を下げず、維持することが可能になるのです。

また先述のとおり、過去の応対履歴を音声感情分析すれば、「顧客の感情をポジティブなものにする応対スキル」を持ったオペレーターを見つけることができます。

そして、そのオペレーターの応対スキルをマニュアル化でき、ほかのオペレーターの応対に活かせるため、オペレーター全体の応対品質の向上が期待でき、結果的に顧客満足度の向上へとつなげることが可能です。

このようにして、コンタクトセンターにおいて音声感情分析を利用すると、顧客満足度を維持・向上することが可能になります。

4-3.オペレーターのストレス軽減

3つめは「オペレーターのストレス軽減」ができるという点です。

通話中に各オペレーターに対して音声感情分析を行うことで、スーパーバイザーがリアルタイムでオペレーターの精神状態を把握し、ネガティブな感情が強い場合はフォローをするなど、オペレーターに負担がかかりすぎないように支援を行うことが可能になります。

例えば、オペレーターが通話中に音声感情分析で「不安」「悲しみ」などの感情が強いと分析された場合は、スーパーバイザーが応対を交代したり、応対終了後にメンタルケアを行うなどのフォローを行うことができます。

そうすることで、オペレーターが一人で抱え込み、ストレスを溜めてしまうことを避けられます。そして、ひいては生産性の低下や離職を防げる可能性もあります。

したがって、安定した生産性を維持したり、オペレーターにとって働きやすい環境を作りたいと考えている場合にも、音声感情分析を導入するのはおすすめです。

5.コンタクトセンター(コールセンター)における音声感情分析のデメリット(課題)

コンタクトセンターにおける音声感情分析のデメリット(課題)

コンタクトセンター(コールセンター)における音声感情分析のデメリット(課題)は、「100%正確な感情を読み取れるわけではない」という点です。

音声感情分析では「音声の周波数成分毎の変化を検出・分析」しています。
しかし、人間の声による感情表現は多種多様あり、100%正確に読み取ることは難しいでしょう。

そのため、音声感情分析で話し手の感情を解析しつつ、感情の判断が音声感情分析で難しそうな場合は、人間による感情分析が必要になるシーンもあるといえるでしょう。

6.音声感情分析の導入に向いている企業

音声感情分析の導入に向いている企業は以下の3つの特徴があります。

音声感情分析の導入に向いている企業

それぞれ詳しく見ていきましょう。

6-1.スーパーバイザーによるオペレーターへの支援の負担を軽くしたい企業

1つめは「スーパーバイザーによるオペレーターへの支援の負担を軽くしたい企業」です。

音声感情分析を行うことで、通話中にネガティブな感情を抱いている顧客をアラート表示によって発見できるため、スーパーバイザーが各オペレーターの応対を常にモニタリングし続ける必要がなくなるのです。

音声感情分析を利用しないで、スーパーバイザーがオペレーターのトラブルになりそうな応対を発見するためには、

・各オペレーターの応対を常に、リアルタイムで聞く
・オペレーターと顧客の会話がリアルタイムで文字起こしされたテキストを読み取る

といった行動が必要になります。

しかし上記のような行動をしていては、スーパーバイザーへの負担が重たくなってしまいます。

そこで音声感情分析を利用すれば、顧客が通話中にネガティブな感情を持っていることを、スーパーバイザーの管理画面にアラート表示できるため、スーパーバイザーが少ない人数でも、オペレーターのフォローができ、負担を軽くすることができるのです。

スーパーバイザーによる、オペレーターへの支援の負担を軽くしたいと考えている場合は、音声感情分析を導入することをおすすめします。

6-2.VOC分析に力を入れたいと考えている企業

音声感情分析の導入に向いている企業2つめの特徴は「VOC分析に力を入れたいと考えている企業」です。

音声感情分析を取り入れることで、顧客の感情までわかり、深いレベルで顧客理解ができるのです。

例えば、「購入した商品の使い方が分かりづらい」という顧客のVOCがあった場合、そこに「怒り」の感情があれば、その商品は「使い方が分かりづらい」だけでなく、商品が使いづらいことで大きなストレスを与えてしまっているということがわかります。

そして「使い方が分かりづらい」ことが、いかに致命的で、改善を優先すべき項目であるかがわかるのです。

テキストだけの「使い方が分かりづらい」というVOCよりも、「使い方が分かりづらい」「怒り」という「事実」と「感情」を両方理解できれば、深いレベルで顧客のVOCを理解することができます。

VOC分析に力を入れて、応対品質や商品改善に取り組みたいと感じている企業は、導入を検討すると良いでしょう。

6-3.オペレーターのストレス軽減に力を入れて取り組みたい企業

音声感情分析の導入に向いている企業の3つめの特徴は「オペレーターのストレス軽減に取り組みたい企業」です。

通話中のオペレーターに対して音声感情分析を行えば、オペレーターがネガティブな精神状態の際には、スーパーバイザーなどの管理者がフォローを行うことができ、オペレーターに精神的な負荷がかかりすぎないようにできます。

そのため、オペレーターのストレス軽減に取り組みたいコンタクトセンター(コールセンター)に向いているのです。

例えばオペレーターが通話中に、音声感情分析によって「怒り」「不安」「悲しみ」「不満」などのネガティブな感情が強いと示された場合には、

・スーパーバイザーが応対を交代する
・応対終了後にスーパーバイザーがメンタルケアを行う

などのフォローを行うことができます。

このように音声感情分析を導入すれば、手厚くオペレーターへのフォローを入れていくことができ、オペレーターのストレスが軽減して働きやすい環境へと改善することができるでしょう。

まとめ

この記事では音声感情分析とはどのようなものなのか、そしてそのメリット・デメリット・向いている企業についてお伝えしました。
ここで改めてこの記事の内容をおさらいしましょう。

◆音声感情分析とは

・AIが人間の発する声から感情を読み取る技術のこと

◆コンタクトセンター(コールセンター)において音声感情分析が役立つシーン

・顧客との通話場面
・VOCを収集する場面
・応対ノウハウを収集する場面

◆コンタクトセンター(コールセンター)における音声感情分析の3つのメリット

・成約率の向上
・顧客満足度の維持・向上
・オペレーターのストレス軽減

◆コンタクトセンター(コールセンター)における音声感情分析のデメリット(課題)

・100%正確な感情を読み取れるわけではない

◆音声感情分析の導入に向いている企業

・スーパーバイザーによるオペレーターへの支援を強化したい企業
・VOC分析に力を入れたい企業
・オペレーターのストレス軽減に力を入れて取り組みたい企業

トランスコスモスの音声認識ソリューション transpeech は、音声認識だけでなく
トークの自動応対チェック・Chat GPTを活用した対話要約AIなど自社開発機能を追加し、7つの機能へ進化
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