216.73.216.218

CCaaSとは?コンタクトセンター運営を支える機能とメリット4つ

「いまのコンタクトセンターシステムでは、機能の追加や在宅勤務の対応が難しくて困っている……今後を見据えてシステムを一新したい」
「顧客体験の向上が実現できるコンタクトセンターを目指したい。そのなかで”CCaaS”というキーワードを見つけたけど、どういう意味だろう」

昨今、コンタクトセンター(コールセンター)では、顧客体験の向上や、マルチチャネルの活用など新たな役割を担うようになりました。この流れに対応するために体制やシステムを見直すなかで「CCaaS」というキーワードに出会ったかと思います。

CCaaS(Contact Center as a Service)とは、クラウド経由で利用できるコンタクトセンター運営に必要な複数の機能が搭載されているサービスのことです。

IVR(自動応答システム)やACD(着信呼自動分配装置)、コンタクトセンター分析などの機能が集約されているので、複数のサービスを契約して連携する負担がなくなります。

コンタクトセンターの運営最適化や顧客体験向上に特化した機能が揃っているため、いま求められているコンタクトセンターを目指しやすくなるでしょう。

しかし、CCaaSはあくまでもコンタクトセンター運営を支援する手段なので、導入すれば現状が変わるわけではありません。

CCaaSとはどのようなサービスなのか理解したうえで、導入するべきか判断することが大切です。

そこで本記事では、CCaaSの概要や主な機能、導入メリットなどの基礎知識をまとめて解説しています。

最後まで読めばCCaaSとはどのようなサービスなのかしっかりと理解したうえで、導入するべきか判断できます。

コンタクトセンター運営の課題を改善するには、どのようなシステムを軸に運営していくのかが鍵になります。コンタクトセンター運営を最適化するためにも、ぜひ参考にしてください。

1.CCaaS(Contact Center as a Service)とは

冒頭でも触れたように、CCaaS(シーカス:Contact Center as a Service)とは、クラウド経由で利用できるコンタクトセンター(コールセンター)運営に必要な複数の機能が搭載されているサービスのことです。

CCaaSの概要

IVR(自動応答システム)やACD(着信呼自動分配装置)、コンタクトセンター分析などの機能が1つのサービスに集約されており、従来の課題だったコストや運用、管理のしやすさを改善できます。

従来のコンタクトセンター運営とCCaaSを導入したコンタクトセンター運営の違い

とくに、昨今のコンタクトセンターには、4つの大きな課題があります。

【コンタクトセンターの大きな課題】

・顧客との重要な接点としての役割を果たす顧客体験の向上
・オペレーター不足をカバーするための業務効率化
・管理者の負担軽減
・在宅勤務を含む柔軟な働き方ができる体制の構築

いまやコンタクトセンターはただ電話を受けて顧客の課題を解決するのではなく、顧客との重要な接点として顧客体験の向上やオムニチャネル化が求められるようになりました。

これを実現するにはさまざまなデジタルツールの活用、コンタクトセンター運用体制の抜本的な見直しが必要になってきています。

また、コンタクトセンター運営への要望が増えるほど、管理者やオペレーターの負担が大きくなります。そのため、業務効率化をしながら、求められる役割を果たす必要があるのです。

この2つの課題をバランスよく改善できるのが「CCaaS」です。CCaaSを導入すると情報の連携や適切なオペレーターの割り振りなどにより、顧客体験が向上する体制を整えられます。

また、一部業務の自動化や簡略化ができ、オペレーター、管理者の負担軽減も実現できるのです。

このように、CCaaSは、コンタクトセンターの課題を改善してデジタル化を促進する次世代のコンタクトセンターを構築するサービスとして注目されています。

2.UCaaS・CPaaSとの違い

UCaaS・CPaaSとの違い

CCaaSの意味が分かったところで、似た言葉であるUCaaS・CPaaSとの違いが気になるところでしょう。

この3つはどれもクラウド経由で提供されておりコンタクトセンター(コールセンター)運営に関連していますが、搭載されている機能や連携方法に違いがあります。

サービス名

CCaaS
(Contact Center as a Service)

UCaaS
(Unified Communications as a Service)

CPaaS
(Communications Platform as a Service)

概要

コンタクトセンター運営に必要な機能をまとめたサービス

コミュニケーションツールをまとめたサービス

通信機能をAPI連携で接続するサービス

機能例

・IVR
・ACD
・CTI
・コンタクトセンター分析
・WFM
※複数機能をパッケージ化

・音声通話
・メール
・チャット
・チャットボット
・ビデオ通話
※複数機能をパッケージ化

・音声通話
・メール
・チャット
・チャットボット
・ビデオ通話
※機能単位でAPI連携する

活用シーン

・顧客と企業の接点

・社内

・顧客と企業の接点
・社内

利用開始までの時間

・短い

・短い

・構築が必要

機能の柔軟性

・パッケージ化されている

・パッケージ化されている

・機能単位で連携する

サービス例

・Amazon Connect

・Microsoft Teams

・Twilio

向いているケース

・コンタクトセンター運営に必要な機能を導入したい

・社内のコミュニケーション体制を整えたい

・必要な機能だけを選択して環境を整えたい

UCaaSは、コミュニケーションツールをまとめたサービスです。CCaaSと同様にクラウド経由で利用します。

たとえば、Microsoft Teamsのように、音声通話やビデオ通話、チャットなど複数の社内コミュニケーションツールがセットになっているサービスが該当します。

コンタクトセンターに導入する場合は、社内向けのコミュニケーションツールとして活用するケースが多いです。

CPaaSは、API連携(一定のルールに沿ってシステム間でデータや処理を連動する仕組み)により通信機能を接続するクラウドサービスです。

機能単位で連携できるため、必要な通信機能のみを連携できる点が特徴です。カスタマイズ性が高く、現在の環境を活かしながら特定の通信機能をクラウド化したい場合に向いています。

このように、どのサービスもコンタクトセンター運営で活用できますが、目的や必要な機能によって使い分ける必要があるでしょう。

【複数のサービスを併用することも可能】

コンタクトセンター運営では、CCaaSとUCaaSなど複数のサービスを併用してより理想の環境を構築することも可能です。

たとえば、CCaaSでコンタクトセンター運営を最適化して、UCaaSで社内連携を強化することでより質の高いサービス提供を目指せます。

3.CCaaSの主な機能一覧

CCaaSの主な機能一覧

CCaaSでは、通常のコンタクトセンター(コールセンター)運用に必要な機能に加えて、下記のようにオペレーター支援、コンタクトセンターの最適化を図る機能が備わっています。

機能名

概要/例

オペレーター支援

IVR
(自動応答システム)

着信時に顧客のプッシュ操作や音声認識に応じて、録音してある音声を自動再生するシステム
<例>
顧客から電話があったときに「ご用件に応じてボタンを押してください。返品は「1」、再購入は「2」などと案内を自動で流す

ACD
(着信呼自動分配装置)

着信後にオペレーターに割り振りをしてつなぐ、適切なガイダンスを自動的に流すなどの制御をする
<例>
IVRで顧客が選択した内容に応じて、ACDがオペレーターのスキルや稼働状況を判断して自動的に振り分ける。混雑状況などに応じて、チャットやメールなど他のチャネルへ誘導する

CTI

電話やFAXとコンピューターを連携させて、電話番号に紐づく顧客情報を活用できるようにする
<例>
引き継いだ顧客の情報を電話番号から瞬時に参照して応対に活用する

コンタクトセンター
運営最適化

コンタクトセンター分析

応対データなどを収集してパフォーマンスや応対品質を分析する
<例>
コンタクトセンターのKPIに対してどの程度達成できているのかを分析する

WFM
(人材管理)

コンタクトセンターの稼働データを踏まえて入電予想やシフト作成を自動化して運営を最適化する
<例>
入電予測やシフト作成を自動化して管理者の業務を軽減する。空いた時間でオペレーター教育に注力する

※サービスにより付帯している機能が異なります

各機能の活用イメージは、下記のとおりです。

CCaaSの機能例

顧客が電話をすると、まずIVRによる自動音声が流れます。すべての電話にオペレーターが応対するのではなく、まずは自動音声で振り分けることで負担を軽減できます。

続いて、ACDがオペレーターの稼働状況やスキルに応じた割り当てをします。

修理の案内を希望している顧客であれば、修理対応のスキルを持っているオペレーターのなかから待機時間が一番長いオペレーターに優先的につなぐことが可能です。

オペレーターが混雑しているときは、チャットやメールなど他のチャネルへの誘導もできるのでマルチチャネル対応がしやすくなります。

このときにCTIを活用すれば、電話番号に紐づく顧客情報をすぐにオペレーターに共有できて、購入、問い合わせ履歴などをもとに応対ができます。

また、コンタクトセンターの応対品質やパフォーマンスを可視化して分析できるため、現状の把握や課題の発見をすることも可能です。

分析結果を踏まえた入電予測やシフト作成もできて、コンタクトセンター運営全体を最適化できます。

このように、CCaaSの主な機能を活用すれば、顧客体験の向上、コンタクトセンター運営の最適化を目指す環境が構築できます。

▼IVRやACD、CTIについては、下記の記事で詳しく解説しています。

4.CCaaSを導入する4つのメリット

CCaaSを導入する4つのメリット

CCaaSの主な機能が分かったところで、CCaaSを導入するメリットをご紹介します。

CCaaSにはコスト削減やコンタクトセンター(コールセンター)運営の最適化など、コンタクトセンターの抱える課題解決が目指せるメリットがあります。

どのように活用できそうかイメージが持てるので、参考にしてみてください。

CCaaSを導入する4つのメリット

・オムニチャネル化が実現できる
・コンタクトセンター(コールセンター)の運営コストを抑えられる
・在宅コンタクトセンター(コールセンター)が実現できる
・コンタクトセンター(コールセンター)の運営の改善がしやすくなる

4-1.オムニチャネル化が実現できる

1つ目は、オムニチャネル化が実現できることです。昨今、コンタクトセンターでは、顧客体験を向上させるオムニチャネル戦略が重要視されています。

【オムニチャネル戦略とは】

企業と顧客をつなぐ幅広い接点を融合させて顧客体験、満足度の向上を狙う戦略のこと

例:チャットやメール、チャットボットなど複数のチャネルがあるのではなく、それぞれの接点を連携させて迅速な問題解決を実現する

オムニチャネル戦略を実現したくても、電話やチャット、チャットボットなどのチャネルが分断されていると「顧客に他のチャネルを案内しにくい」「他のチャネルで1から情報を確認する負担がかかる」などの課題がありました。

CCaaSにはACDやIVRなどオムニチャネル戦略を支える機能が含まれているため、円滑な連携が実現できます。

たとえば、顧客が電話で問い合わせをしたものの、混み合っておりなかなかつながらない状態だったとしましょう。

このままでは待機時間が長くなる可能性があるので、SMSやチャットなどの他のチャネルを案内して迅速な問題解決を図ります。

チャネル連携の例

CCaaSを導入していれば、チャネルをまたぐ顧客情報、問い合わせ履歴の共有が可能です。顧客がどのチャネルから問い合わせを開始しても、円滑に情報を引き継ぎ最短での問題解決が目指せます。

また、顧客が他のチャネルがあることを知らなくても、自動で他のチャネルを案内できるので、顧客が利用したいチャネルを選択しやすくなるでしょう。

その結果、顧客満足度の向上やコンタクトセンター運営の最適化につながるのです。

このように、CCaaSでは、コンタクトセンターのチャネルを最大限に活用できる環境が整い、コンタクトセンターのオムニチャネル化を後押しできます。

▼コンタクトセンターのオムニチャネルについては、下記の記事で詳しく解説しています。

4-2.コンタクトセンター(コールセンター)の運営コストを抑えられる

2つ目は、コンタクトセンターの運営コストを抑えられることです。コンタクトセンター運営には、下記のようにさまざまな費用がかかります。

【コンタクトセンター運営に必要な費用】

・施設管理費
・設備投資費
・オペレーターの人件費
・光熱費・通信費

とくに、現在のコンタクトセンター運営に必要な機能を備えた設備を導入するには、高額な初期投資、維持管理費がかかる点が大きな課題になっていました。

なかでも、コンタクトセンターに必要な機能を増やせば増やすほど、個別に費用がかかる傾向があり、機能を追加できない状態に陥りやすいです。

CCaaSはオンプレミス(自社内に設備を構築して運営管理する)のように高額な初期投資がかからず、クラウド経由で簡単に導入できます。

複数の機能がパッケージ化されているので、機能ごとに費用が追加されることがありません。

また、設備費以外にも、下記のようにコスト削減につながる点があり、コンタクトセンター運営にかかる負担を軽減できます。

比較項目

CCaaS導入前

CCaaS導入後

施設管理費

毎月一定の費用がかかる

在宅勤務ができるためセンターの規模を縮小できる

設備投資費

オンプレミスの場合は高額になりやすい

初期投資費、ランニングコストを抑えられる

オペレーターの人件費

毎月一定の費用がかかる

業務効率化ができるのでオペレーターの削減、残業時間短縮

光熱費・通信費

毎月一定の費用がかかる

毎月一定の費用がかかる

※あくまでも一例です

このように、コンタクトセンターの質を維持しながらも、コストの削減を目指せるのはCCaaSならではのメリットだといえるでしょう。

4-3.在宅コンタクトセンター(コールセンター)が実現できる

3つ目は、在宅コンタクトセンターが実現できることです。

トランスコスモスが実施した「在宅勤務への関心度実態調査2023」では、在宅勤務未実施の企業に勤務している従業員の41.1%が在宅勤務可能な企業に勤めたいと回答しています。

在宅勤務が可能な企業に勤めたいかどうかについてのアンケート結果

また、トランスコスモスが実施した調査では、オペレーターの採用時に「在宅勤務」条件を加えることで、応募者数は3~6倍に増加した事例もあります。

つまり、コンタクトセンターの在宅勤務が実現できれば、オペレーターの希望に寄り添う、人材不足を解消するなどの効果が期待できるのです。

CCaaSを導入すると、クラウドが利用できる環境であれば、場所に囚われることなくコンタクトセンター運営に必要な機能を提供できます。

たとえば、クラウドPBX(インターネット環境を利用して電話機能が使えるサービス)とCCaaSを組み合わせて導入すれば、在宅で電話を受けるだけでなく、オペレーターの割り振りや品質管理などコンタクトセンター運営に必要な機能も使えます。

8.CCaaSの導入で業務改善に成功した事例」でも触れますが、実際にCCaaSを導入して在宅勤務とセンター勤務の双方で運営をして、品質や運営に問題がなかったという声も出ているのです。

コンタクトセンター運営の在宅勤務移行は「設備移行が大変そう」「品質に課題が出そう」などハードルが高いと感じますが、CCaaSを活用することでスムーズに移行しやすくなります。

▼在宅コールセンターのメリットは、下記の記事で詳しく解説しています。

4-4.コンタクトセンター(コールセンター)の運営の改善がしやすくなる

4つ目は、コンタクトセンター運営の改善がしやすくなることです。

コンタクトセンター運営では品質や体制管理などに課題が生まれやすいものの、日頃からデータを収集しておかないとどこに課題があるのか分からず改善しにくい側面があります。

たとえば、1日に応対できる顧客数が減っているときに、オペレーターの品質に課題があるのか、応対時間が長くなっているのかなど、なかなか判断できません。

CCaaSには、下記のようにコンタクトセンター運営を支援する機能があるので、現状を分析したうえで入電予測、シフト作成などに落とし込むことができます。

CCaaSの機能

概要

コンタクトセンター分析

応対データなどを収集してパフォーマンスや応対品質を分析する

WFM(人材管理)

コンタクトセンターの稼働データを踏まえて入電予想やシフト作成を自動化して運営を最適化する

たとえば、コンタクトセンター分析で特定曜日の入電が多いことが分かれば、その曜日だけオペレーターを増やすなどの改善が可能です。

また、応対品質を分析して、応対時間が長い課題を発見できれば、研修を実施するなどの施策を検討できます。

このように、CCaaSを導入すると管理者の負担を増やさずに、課題を見つけて改善する仕組みが構築でき、コンタクトセンター運営の最適化を目指せます。

5.CCaaSを導入するときの注意点

CCaaSを導入するときの注意点

CCaaSを導入するメリットが分かったところで、導入時に注意したい点も見てみましょう。CCaaSはクラウドサービスになるので、オンプレミス環境とは違ったトラブルを理解して対策する必要があります。

導入後に想定外のトラブルで慌てないためにも、事前に把握して対策を立てられるようにしておきましょう。

CCaaSを導入するときの注意点

・インターネット環境やサービス提供側のトラブルで障害が起こるリスクがある
・CCaaSを活用する体制づくりを意識する
・セキュリティ対策を強化する必要がある

5-1.インターネット環境やサービス提供側のトラブルで障害が起こるリスクがある

CCaaSは、インターネットを介してクラウド上の機能を利用するサービスです。そのため、下記のようなトラブルで、急に業務に支障が出るリスクがあります。

起こりやすいトラブル

トラブルの例

インターネット環境のトラブル

・通信障害で通信が不安定になる
・インターネットが遮断されるとオペレーターがログインできない、業務が継続できない

サービス提供側のトラブル

・設備トラブル、メンテナンス作業トラブルなどが発生すると一時的に利用できなくなる可能性がある

たとえば、CCaaS利用に使っているインターネット回線に不具合が起きると、顧客との通信が不安定になるといったトラブルが考えられるでしょう。

また、CCaaS提供側の設備などに異常が起きると、一部機能が使用できなくなることもあります。

このようなリスクを事前に把握して、リスク対策を策定してから運用を開始することが大切でしょう。

【リスク対策の例】

・予備のインターネット回線を用意しておく
・CCaaSが使えないときの業務フローを決めて共有しておく

とくに、インターネット回線はいつ何時トラブルが起きるか予測できません。迅速な切り替えができるように、予備の回線を準備しておくなどの工夫が求められます。

このように、CCaaSの導入時にはクラウドサービスの特性を把握して、脆弱性となり得る部分をカバーしていくことが大切です。

5-2.CCaaSを活用する体制づくりを意識する

CCaaSの導入時には、ツールの導入と同時に有効活用できる体制づくりを意識しましょう。

CCaaSはあくまでも目的を達成する手段なので、導入すれば「KPIを達成できる」「在宅コンタクトセンターが運営できる」というものでないからです。

CCaaSを導入するだけでは現場に定着せず思ったような活用ができない可能性があるので、下記のような体制づくりも同時に進めましょう。

【CCaaSを活用する体制づくりの例】

・CCaaSを活用するときの業務フローを作成する
・CCaaS導入前に研修を実施して機能を共有する
・CCaaS向けのマニュアルを作成する

たとえば、CCaaSの導入で業務フローが変更になる場合は、CCaaS活用時の新しいフローを作ってオペレーターと共有する必要があります。

とくに、エスカレーションやチャネル連携の方法など細かなフローが変わることが多いため、CCaaSを導入するとどうなるのかイメージしながら変更することが大切です。

また、CCaaSの使い方に戸惑うオペレーターは多いので、導入前に研修を実施して活用できる体制を整えておくことも1つの方法でしょう。

このように、CCaaSを導入して現場に任せるのではなく、CCaaSを活用できるコンタクトセンターに育てていく意識を持つことが重要になります。

5-3.セキュリティ対策を強化する必要がある

CCaaSを導入するとインターネット環境で情報のやり取り、管理をするようになります。

下記のような脅威から情報を守るために、いままで以上にセキュリティ対策を意識する必要があるでしょう。

【クラウドサービス利用時のセキュリティリスクの例】

・第三者による不正アクセス
・サイバー攻撃
・情報管理不足による情報漏えい

たとえば、クラウドサービス利用時のパスワード、ID管理ができていないと、第三者に盗まれて悪用されるリスクがあります。

また、クラウドサービス向けのセキュリティ対策ツールを導入していない場合は、ウイルス感染やサイバー攻撃などの被害を受けるかもしれません。

とくに、初めてクラウドサービスを利用する場合は、いままでにない脅威と対峙すると認識して、下記の3つの観点からセキュリティ対策を強化しましょう。

セキュリティ対策の観点

概要/例

技術

コンタクトセンターの環境に適したセキュリティ対策ツールを導入する
<例>
・クラウドサービス向けのセキュリティ強化ツールを導入する

オペレーター、管理者のセキュリティ意識を高める
<例>
・クラウドサービス利用時のセキュリティ研修を実施する

ルール

セキュリティを強化するルールを設ける
<例>
・パスワードの扱い方、情報管理方法などにルールを設けて運営する

クラウドサービスを活用していない場合は、オペレーターや管理者がセキュリティを強化する意識を持てていない可能性があります。

「リスクを避けるためにも正しく扱う必要がある」という点から、コールセンター全体で足並みを揃える必要があるでしょう。

また、コンタクトセンターによっては、CCaaS導入を機に、セキュリティ対策を見直すことも検討できます。いままでと同様のセキュリティ対策では安全に運用できない可能性もあるので、セキュリティ対策を強化する意識も持っておきましょう。

6.CCaaSの導入が向いているケース

CCaaSの導入が向いているケース

ここまで、CCaaSの概要や導入するメリット、デメリットを解説してきました。

CCaaSはコンタクトセンター(コールセンター)運営の効率化、最適化に活用できるサービスです。そのため、どのようなコンタクトセンターでも、活用する価値があるといえるでしょう。

なかでも、CCaaSの導入が向いているのは、下記のような課題を抱えているケースです。

【CCaaSの導入で解決できる課題】

・現状の課題を改善して顧客満足度や顧客体験を向上させたい
・オムニチャネル戦略を推進したい
・無駄なコスト、設備などを見直してコンタクトセンター運営を最適化したい
・管理者、オペレーターの業務負担を軽減できる体制を整えたい
・オンプレミス型の設備から脱却して柔軟な働き方を実現したい

CCaaSを導入するとコンタクトセンター運営を最適化する改善ができるので、顧客満足度や顧客体験などサービスの質に課題を抱えているケースは有効活用できます。

また、コンタクトセンター運営に必要な機能を集約できるため、設備の見直しや無駄なコスト削減にも大きく貢献します。

では、あなたのコンタクトセンターで検討できるCCaaSには、どのようなサービスがあるのか次の章で簡単に解説します。

7.CCaaSを実現できるサービス一覧

CCaaSを実現できるサービス一覧

CCaaSの代表的なサービスには、下記の2つがあります。どちらも「3.CCaaSの主な機能一覧」で触れた基本的な機能と併せて、独自の機能、強みを持っています。

サービス名

特徴/機能例

Amazon Connect

・AWS(Amazon Web Service)が提供するサービス
・電話番号の取得からコンタクトセンター運営管理までの一連の機能を提供している
<機能例>
・ソフトフォン(インターネット経由で電話を発信する仕組み)
・チャット
・CTI
・ACD
・IVR
・通話録音などのコンタクトセンター分析
・コンタクトフロー設定(コンタクトセンター業務のフローを最適化する機能)
・外部連携

Genesys Cloud CX

・Genesysが提供するサービス
・顧客体験、顧客満足度の向上に焦点を充てた機能が充実している
<機能例>
・ACD
・IVR
・コンタクトセンター分析
・外部連携

「Amazon Connect」は、AWSが提供しているサービスです。電話番号の取得からパフォーマンスの確認、分析までをまとめて提供している点が特徴です。

コンタクトセンターの立ち上げにかかる時間、コストを削減できるため、新規立ち上げや増席、緊急コンタクトセンターの準備などにも活用できます。

「Genesys Cloud CX」は、コンタクトセンター向けのソリューションを提供しているGenesysが提供しているサービスです。

コミュニケーション最適化や顧客体験の向上を目指す機能が揃っており、単にツールを導入するのではなく顧客満足度の向上を目指せます。

自社にはどのCCaaSが向いているのかは、現状の課題や投資できるコスト、コンタクトセンターの規模などにより異なります。

CCaaSサービスを熟知していないと判断が難しい部分があるので、まずはトランスコスモスにお気軽にご相談ください。

▼Amazon Connectの機能は、下記の記事でも詳しく解説しています。

8.CCaaSの導入で業務改善に成功した事例

CCaaSの導入で業務改善に成功した事例

ここでは、CCaaSを導入してコンタクトセンター(コールセンター)の業務改善に成功した事例をご紹介します。

コンタクトセンターの課題に応じてどのような成果が期待できるのか分かるので、参考にしてみてください。

事例企業

利用サービス名

CCaaS導入の成果

株式会社リクルート

Amazon Connect

・ビューティー領域で従来と比較して担当者への接続時間を約5割短縮、コストを3~5割ほど削減できる試算となった
・稼働状況のモニタリングや業務効率の改善につながった

ネクシオ株式会社

Genesys Cloud CX

・在宅勤務で問題なく業務ができる体制が構築できた
・受電状況やオペレーターのステータスをリアルタイムで把握できるようになり管理者の負担を軽減できた

株式会社カインズ

Amazon Connect

緊急コールセンターサービスリスク対策パック

・緊急増席対応時に1日半でコンタクトセンターを開設できる状態ができた
・事前に訓練してスピードだけでなく質の担保も目指せるようになった

8-1.株式会社リクルート:応答時間短縮と約5割のコスト削減を実現

株式会社リクルート

Amazon Connect導入前

・クラウドPBX導入を推進したものの、担当者に引き継ぎするまでに顧客の待機時間が発生していた

Amazon Connect導入後

・ビューティー領域では従来と比較して担当者への接続時間を約5割短縮、コストを3~5割ほど削減できる試算となった
・稼働状況のモニタリングや業務効率の改善につながった

ユーザーと企業が出会うさまざまな場を創出する株式会社リクルートでは、アナログで非効率なコンタクトセンター運営に課題がありました。

そこで、部署横断でのコールセンター高度化プロジェクトを立ち上げて、クラウドPBX導入を推進したそうです。結果的に業務効率化が進んだ一方で、新たに課題が見つかりました。

顧客からの電話は、情報確認をしてから担当者につなぐ仕組みなので、どうしても待機時間が発生してしまったのです。この課題を解決するために、運用体制から見直せるシステムが必要になりました。

そこで、Amazon Connectを中心に、必要なシステムをAPI連携しながら課題を解決できる柔軟なシステムを構築しました。

このシステムは、段階的に各領域のコンタクトセンターへと適用していきました。ビューティー領域では運用フローを改善したことで、担当者への接続時間を約5割短縮できたそうです。

また、クラウドPBXの使用時と比較して、システムのコストが3~5割ほど下がる試算となりました。

CCaaSを導入してコンタクトセンター運営の課題を改善して、業務とコストを最適化できた事例だといえるでしょう。

参考:Amazon Web Services「リクルート、Amazon Connect によって事業特性に合わせたコールセンターを構築。応答時間の短縮と約5割のコスト削減を実現」

8-2.ネクシオ株式会社|在宅コンタクトセンター(コールセンター)の環境を整備

ネクシオ株式会社

Genesys Cloud CX導入前

・機能や設定変更の度にコストがかかるシステムに課題があった
・在宅勤務を実現したくてもコストがかかる状態でプラットフォームの刷新が必要だった

Genesys Cloud CX導入後

・在宅勤務で問題なく業務ができる体制が構築できた
・受電状況やオペレーターのステータスをリアルタイムで把握できるようになり管理者の負担を軽減できた

社用携帯電話の管理運用業務代行をしているネクシオ株式会社では、故障紛失や各種問い合わせに対応する問い合わせ窓口としてカスタマーリレーションセンターを設置しています。

カスタマーリレーションセンターで導入していたコンタクトセンターシステムには、機能の追加や設定の変更、他システムとの連携などに費用が発生する仕組みでした。

また、新型コロナウイルス拡大下で在宅勤務を検討したものの、コストがかかることが判明しました。そこで、理想的なコンタクトセンター運営を実現するためにも、プラットフォームの刷新を決断したそうです。

柔軟性の高さからGenesys Cloud CXを採用しました。在宅運用では、課題を見つけながら運用をするトライアルから実施しました。

在宅勤務のオペレーターはローテーション制にして、在宅勤務時は携帯電話、出社時はビジネスフォンを使う仕組みにしています。電話機の切り替え設定などにも支障は出ておらず、円滑な運用ができているそうです。

また、Genesys Cloud CXの導入後では下記のような変化もあり、管理者業務の効率化を実現できました。

【Genesys Cloud CX導入後の変化】

・グループチャットや内線機能を使い在宅勤務でもスムーズにエスカレーションができた
・顧客企業ごとの受電状況やオペレーターのステータスをダッシュボードでリアルタイムに把握して、適切な判断ができるようになった

今後はモバイルを切り口としたお客様のコミュニケーション環境の運用サービスにシフトすることを目指して、Genesys Cloud CXの活用の幅を広げていきたいとのことです。

参考:Genesys「顧客事例:コネクシオ株式会社」

8-3.株式会社カインズ|緊急時のコンタクトセンター(コールセンター)を1日半で開設

株式会社カインズ

サービス導入前

・緊急を要する問い合わせ対応時などにコンタクトセンターの準備に数日程度かかっていた

サービス導入後

・緊急増席対応時に1日半でコンタクトセンターを開設できる状態になった
・事前に訓練することでスピードだけでなく質の担保も目指せるようになった

ホームセンターを展開する株式会社カインズでは、オリジナル商品の取り扱い比率が増えて品質管理体制や、顧客対応窓口の対応強化を図ってきました。

総合業態ならではのコンタクトセンター業務の煩雑さや顧客対応の難しさがあり、緊急を要する問い合わせ対応時などには、コンタクトセンターの準備に数日程度かかってしまう課題があったそうです。

そこで、トランスコスモスが提供する「緊急コールセンターサービスリスク対策パック」と「Amazon Connect」を導入して、緊急増席対応時にコンタクトセンターを1日半で開設できる状態を整えました。

このサービスを活用することで、物理的に離れた複数拠点のコンタクトセンターを同一番号でつなぎ、緊急増席対応時における大幅な時間短縮を実現しています。

また、事前に事故発生を想定した訓練を実施して、迅速性と顧客ニーズに対応できる品質の両立も可能となっています。

トランスコスモスのサービスと「Amazon Connect」などのクラウドサービスと連携させて要望に応じた環境構築を実現した事例だといえるでしょう。

CCaaSの導入はトランスコスモスにご相談ください

トランスコスモスでは、CCaaSソリューションを活用しながらコンタクトセンター運営の課題を改善できる支援をしています。

豊富な実績で培われたセンター設計・構築のノウハウをもとに、コストの最適化や体制整備などCCaaSの導入成果を最大化できるようにサポートさせていただきます。

「CCaaSの導入を進めたいけれど、何から取り組めばいいのか分からない」「CCaaSの体制構築に不安がある」という場合は、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

本記事では、CCaaSの概要や導入のメリット、成功事例など、CCaaSを導入する前に知っておきたい基礎知識をまとめて解説しました。

最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。

〇CCaaS(Contact Center as a Service)とは、クラウド経由で利用するコンタクトセンター(コールセンター)運営に必要な複数の機能が搭載されているサービスのこと

〇UCaaS・CPaaSとの違いは下記のとおり

・UCaaS(Unified Communications as a Service):コミュニケーションツールをまとめた主に社内向けサービス
・CPaaS(Communications Platform as a Service):通信機能をAPI連携で接続するサービス

〇CCaaSを導入するメリットは下記のとおり

・オムニチャネル化が実現できる
・コンタクトセンターの運営コストを抑えられる
・在宅コンタクトセンターが実現できる
・コンタクトセンターの運営の改善がしやすくなる

〇CCaaSを導入する注意点は下記のとおり

・インターネット環境やサービス提供側のトラブルで障害が起こるリスクがある
・CCaaSを活用する体制づくりを意識する
・セキュリティ対策を強化する必要がある

〇CCaaSの導入が向いているケースは下記のとおり

・現状の課題を改善して顧客満足度や顧客体験を向上させたい
・オムニチャネル戦略を推進したい
・無駄なコスト、設備などを見直してコンタクトセンター運営を最適化したい
・管理者、オペレーターの業務負担を軽減できる体制を整えたい
・オンプレミス型の設備から脱却して柔軟な働き方を実現したい

CCaaSは、次世代コンタクトセンターを目指すうえで、有効活用できるサービスです。CCaaSの導入を検討している場合は、お気軽にトランスコスモスにお問い合わせください。

トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションの
ノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。
トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションのノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。