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コールセンターのACDとは?着信振り分けのメリット・導入法を解説

「ACD」とは、顧客から着信があった時に、通話先をルールに応じてコントロールできるシステムのことです。

例えば、待ち時間が長いオペレーターに優先的につないだり、空き状況やスキルに合わせて最適なオペレーターに通話を振り分けたりといったことが可能になります。

「ACD」とは、顧客から着信があった時に、通話先をルールに応じてコントロールできるシステムのことです。

戦略的にコンタクトセンター(電話やメールに加え、SNS、チャットなど幅広いコミュニケーションチャネルを利用して、顧客と企業を結ぶ部署を指す。以前は電話コミュニケーションのみだったので、コールセンターと呼ばれており、現在でもコールセンターで表現されている所も多い。)を運営していきたい企業にとっては欠かせないシステムとなっています。

この記事では、「ACDって具体的に何ができるの?」という機能面、コンタクトセンター(コールセンター)にACDを導入するとどんなメリットがあるのかを詳しく解説した後、実際にコンタクトセンターにACDを導入する方法まで説明していきます。

ACDを導入すれば、顧客の問い合わせを回答するのに適切なオペレーターにつながるので、コンタクトセンターの生産性が上がり、顧客満足度も上がります。逆に言うと、ACDを導入しなければ、顧客の問い合わせを回答することが難しいオペレーターなどにつながってしまい、回答に際して、エスカレーションや転送などで保留時間が多くなり、顧客を待たせることで、コンタクトセンターの生産性は下がり、顧客満足度は下がります

初めてACDという言葉を耳にした方でも内容を理解できるよう、簡単な言葉で解説していくので、ぜひ最後までお読みください。ACDの便利な機能を知れば、「ぜひとも自社にも導入・設定したい!」「ACDで業務効率化を図りたい」と感じることでしょう。

1.コンタクトセンター(コールセンター)のACDとは?

コンタクトセンター(コールセンター)用語で使われる「ACD」とは「Automatic Call Distributor」の略称であり、日本語では「着信呼自動分配装置」といいます。

簡単に説明すると、顧客からの問い合わせ電話を待ち時間が長いオペレーターに優先的につないだり、空き状況やスキルに合わせてバランスよく配分したりと、通話先をルールに応じてコントロールできるシステムです。

「ACD」とは、顧客から着信があった時に、通話先をルールに応じてコントロールできるシステムのことです。

通常のビジネスフォンの場合は、かかってきた電話を決められた順番でつなぐことが一般的ですが、ACDを使えば、空き時間やスキルに応じて効率化できるメリットがあります。顧客からの問い合わせにスムーズに対応するためには無くてはならない機器といっても過言ではないでしょう。

なお、ACD機能はPBX(構内電話交換機)で提供することが一般的です。PBXについて詳しく知りたい方は以下記事をご参照ください。

2.ACDで何ができる?ACDの主な3つの機能

ここからは具体的に、コンタクトセンター(コールセンター)にACDを導入することでどんなことが実現できるかを解説していきます。ACDには、主に以下のような3つの機能が備えられています。

2-1.顧客からの着信を振り分ける機能

ACDには、以下のようなルールに沿って顧客からの着信を振り分ける機能があります。

2-1-1.オペレーターの状況に合わせて着信を振り分ける

オペレーターの状況(通話中・待機中・離席中など)に応じて、最適なオペレーターに着信を振り分けることができる機能です。例えば、

・待ち時間が長いオペレーターに通話を優先的に割り振る
・着信回数が少ないオペレーターに通話を優先的に割り振る
・待機中ステータスのオペレーターに通話を優先的に割り振る

などのルールを設定できます。特定のオペレーターに電話が集中してしまうことを防ぎ、全オペレーターに均等に割り振りできるため、オペレーターの不満を回避できます。また、通話後の後処理を落ち着いて行えるようになるメリットもあります。

2-1-2.スキルに合わせて振り分ける

顧客の問い合わせのニーズに応じて、対応できるオペレーターに優先的に割り振る機能です。経験が無いと回答できない問い合わせがオペレーターにまわるのを防ぐことができたりします。

その他にも、外国語対応が必要な場合にも有効です。事前に顧客の問い合わせのニーズを把握するために、電話窓口の電話番号を分けたり、IVRによって問い合わせ内容を振り分けするなどの準備が必要になります。

問い合わせのニーズ以外にも顧客の情報に応じて、着信を振り分けることも可能です。
例えば、

・発信者番号(地域や顧客登録の有無など)に応じて、担当のオペレーターに割り振る
・地域や問い合わせ内容ごとに電話番号が複数ある場合、その番号に応じて担当のオペレーターに割り振る

などのルールを設定できます。

2-2.混雑時に自動アナウンスを流す

コンタクトセンター(コールセンター)では、オペレーターが全て埋まっていて対応できない状態(いわゆる「待ち呼」)の時に、顧客に自動音声のガイダンスを流すことができます。

例えば、「ただいま、お電話が大変込み合っています。順番におつなぎいたしますので、もうしばらくお待ちください」などという音声を設定できます。流す音声は変更可能で、電話のかけ直しを依頼したり、Webサイトからの手続きを案内したりすることも可能です。

このアナウンスはACDがIVRというシステムと連動して実施します。自動音声アナウンスの後に切電する、留守番電話や他の番号に転送するなどの設定を行うこともできます。

2-3.時間外のガイダンスを顧客に伝える

コンタクトセンター(コールセンター)の営業時間以外にかかってきた電話に対して、受付時間外である旨をアナウンスすることができます。改めてコンタクトセンターの営業時間を自動音声でお知らせして、営業時間内にかけ直してもらえるように促すことが可能です。

また、最近の仕組みでは「営業時間外の着信」かつ、「携帯電話からの問い合わせ」の場合、ショートメールを送信してチャットbotによる自動解決方法を紹介する事例もあります。

2-4.優先順位を変更できる

顧客属性を判断して、着信の優先順位をつけることができます。2-1-2.スキルに合わせて振り分けるで説明した顧客の情報に応じて着信を振り分けるに関連しますが、スキルに応じてオペレーターに着信を振り分けるだけでなく、優先的に対応できるように調整ができます。

例えば、常に待ち呼が発生するような電話窓口において活用できます。複数の待ち呼が常に発生している状態において、優先順位が高い顧客が電話をしてきた場合、待ち行列の1番前に並ばせることが可能です。ただし、極端に優先順位づけしすぎると、優先順位を低くした顧客の対応ができなくなったりするので、スキルと合わせて設定することが必要です。

3.コンタクトセンター(コールセンター)にACDを導入するメリット

ACDの機能を踏まえた上で、改めてコンタクトセンター(コールセンター)にACDを導入すると何がいいのか、具体的なメリットを解説していきます。ACD導入には、コンタクトセンター側のメリットだけでなく、顧客側にも大きなメリットがあります。

3-1.コンタクトセンター(コールセンター)側のメリット

コンタクトセンター(コールセンター)側のメリットとしては、以下のようなものがあります。

【メリット①】オペレーターの労働生産性を均等化できる

もし、ランダムで通話が割り振られたり、電話機によって優先着信の順番が割り振られたりしてしまうと、切電のタイミングによって特定のオペレーターばかり対応している状態が続いてしまう可能性があります。

2-1-1.オペレーターの状況に合わせて着信を振り分けるで説明しましたが、ACDを導入すれば、待ち時間が長いオペレーターや着信回数が少ないオペレーターに通話を優先的に割り振ることが可能となります。そのため、特定のオペレーターのみに通話が集中してしまう事態を避け、労働生産性を均等化でき、オペレーター間の不公平感を防ぐことが可能です。

【メリット②】コンタクトセンターの生産性を上げることができる

2-1-2.スキルに合わせて振り分けるで説明したように、顧客の問い合わせニーズに応じて、最適なオペレーターに電話をつなぐことにより、対応の途中で詳しい部署やオペレーターに転送するなどの時間ロスが防げるため、通話時間を短縮することが可能です。

通話時間を短縮できれば、コンタクトセンター(コールセンター)の生産性を示すAHT(平均処理時間)を最適化することができ、コスト削減につながります。

【メリット③】従業員満足度向上につながる

メリット①と②で解説した「労働生産性の均等化」や「コンタクトセンターの生産性を上げることができる」が可能になることで、オペレーターの従業員満足度向上につながるメリットがあります。

「気付けばいつも自分ばかり対応している」「新人なのに難しい質問が続いて辛い」などの不満や悩みを防ぐことができます。そうした不公平感や不安を取り除くことで、大切な人材が離職してしまうリスクも低減できるでしょう。

【メリット④】適切な対応によりCXが高まりやすい

顧客の問い合わせ内容に応じて最適なオペレーターが対応できるため、CXが高まりやすいということもあります。弊社トランスコスモスが昨年度実施した消費者と企業のコミュニケーション実態調査2020の中で、以下の調査結果があります。

適切な対応によりCXが高まりやすい

こちらは、問い合わせプロセス全体に対してのアンケートとなりますが、「解決までに時間がかかったから」、「最初に選んだ手段で解決できなかったから」「何度も同じ説明をしたり、同じ情報を再確認しなければならなかったから」という部分は電話窓口でも同じことがいえ、最初に電話に出たオペレーターがスキル不足で対応できない場合、顧客は手間・負担感を感じてしまい、満足度は低下します。

ただし、手間・負担感が改善されると、CX向上の可能性が高まるというデータもあるので、適切な対応が出来るようにACDを活用するのが良いでしょう。

手間・負担感が改善されると、CX向上の可能性が高まる

 消費者と企業のコミュニケーション実態調査2020の詳細が知りたい方は以下を参照ください。

3-2.顧客側のメリット

コンタクトセンター(コールセンター)がACDを導入することで得られる顧客側のメリットは、以下のような3つが挙げられます。

【メリット①】待ち時間が短くなる

ACDに振り分けのルールを上手く設定することで、対応可能なオペレーターの中から最適なオペレーターにスムーズにつながるようになります。そのため、顧客の待ち時間を短縮できます。コンタクトセンターへのつながりやすさも改善され、「待ち呼」を減少させることが可能です。

【メリット②】応対品質や信頼性が高いオペレーターにつながる

IVR(自動音声応答システム)と連動してスキルに応じた対応が可能になれば、「聞きたい内容について詳しい担当者につないでもらえた」「専門オペレーターにすぐつながった」など顧客にとっても大きなメリットになります。

担当ではない部署につながって「たらい回し」にされることも防げるため、短い通話時間の中で大きな満足度を得ることができるようになります。

【メリット③】満足度の高い対応をしてもらえる

メリット①と②で解説した「待ち時間の短縮」「応対品質や信頼性が高いオペレーターにつながる」が得られれば、コンタクトセンター(コールセンター)を利用した際に満足できる対応をしてもらえる可能性が高まります。

つながりやすく、的確な回答をすぐにもたらしてくれるコンタクトセンターがあれば、商品やサービスへの愛着や信頼感もアップするでしょう。

4.コンタクトセンター(コールセンター)にACDを導入する方法

ここまで解説したようにACDには多くのメリットがあり、コンタクトセンター(コールセンター)の生産性を上げるためには無くてはならない装置ともいえます。そのため、「自社の問い合わせ対応にもACDの機能を導入したい!」と考える担当者も多いのではないでしょうか。

そこでここからは、コンタクトセンターがACDを導入する2つの方法について解説していきます。

まず前提として、ACD機能はPBX(構内電話交換機)で提供するのが一般的です。そのため、ACDを導入する方法としては、以下の2つの方法があります。

①自社コンタクトセンターに、ACD機能が付いているPBXを導入する
②アウトソーサーに問い合わせ対応を委託する

4-1.自社にPBXを導入する

一つ目の方法は、自社内に設置しているコンタクトセンター(コールセンター)に、ACD機能を備えたPBX(構内電話交換機)を導入する方法です。

PBXには大きく分けて「オンプレミス型(自社にハードやソフトを用意するタイプ)」と「クラウド型(専用設備が不要なタイプ)」があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

レガシーPBX

IP-PBX

クラウドPBX

タイプ

オンプレミス

オンプレミス

クラウド

初期費用

×高い

×高い

〇安い

機器のメンテナンス

  ×必要

×必要

〇不要

導入スピード

×遅い

×遅い

〇早い

品質

〇良い

〇良い

△回線、PCなどに依存

メリット・デメリット・費用などを総合的に検討した上で、自社に合うPBXを選んで導入しましょう。なお、PBXの選び方や仕組みをより詳しく知りたい方は、以下の記事をぜひ参考にしてください。

また、導入する際の注意点として、「他のシステムやソリューションとの連携が可能か(親和性があるか)」という点にも気を付けましょう。例えば、CTIシステム(電話・FAX・コンピューターシステムを統合するソリューション)、CRMシステム(顧客管理システム)、IVR(自動応答電話システム)と上手く連携できるPBXを選べば安心です。

4-2.PBXを保有している会社にコンタクトセンター(コールセンター)を委託する

ACDを活用して、問い合わせ対応の効率化を図りながら応対品質も向上させたいという場合には、コンタクトセンター(コールセンター)をアウトソーシングする方法もあります。

実際にPBXを自社で購入するには、非常に高い上に保守の問題が発生します。クラウドで用意するにも知見がないと、正しい着信フロー設計ができないでしょう。

知識も経験も豊富に持っているプロの外部業者にアウトソーシングしてしまえば、自社内で機器や人材などのリソースを用意する必要がなく、複雑なACDの設定も一切必要ありません。顧客満足度向上やコスト削減にもつながる選択肢をぜひご検討ください。

なお、トランスコスモスでもACDを兼ね備えたPBXとして、以下のサービスを用意しています。

・Amazon Connect
Amazon Connect機能の概要

・Contact-Link for Voice Cloud
Contact-Link for Voice Cloudの機能一覧

今回解説したACD機能はもちろん、問い合わせ対応の品質を保持しながら業務効率を最大化させる仕組みや手法を熟知しています。そのため、多くのパートナー企業から顧客サポートの依頼を頂いています。

コンタクトセンター運営の効率化、生産性の向上、そして顧客満足度向上を目指すならば、コンタクトセンターをアウトソーシングする選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

この記事では、コンタクトセンター(コールセンター)において、

・ACDとは何か
・ACDの主な機能3つ
・ACDを導入するメリット
・ACDを導入する方法

について詳しく解説しました。

顧客からの入電を最適なオペレーターに振り分けることができれば、業務効率化だけでなく顧客満足度向上にもつながります。ある程度の規模のコンタクトセンターならば、できれば導入したい機能ではないでしょうか。

もちろんコストはかかりますが、導入しないことによって顧客を失う危険性を回避できます。

今回の記事をぜひ参考にしていただき、自社に合うACDの活用方法をご検討ください。