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BPRとは?業務改善との違いや取り組むメリット、成功例まで全解説

「現在の業務量、忙しさでは従業員が限界を迎えてしまう…業務プロセス自体の見直しが必要なのかもしれない」
「自社の働き方を見直すために業務改善方法を模索している。”BPR”という言葉を見つけたけれど、BPRとは何だろう?」

業務改善や組織改革、DX推進時に目に留まる「BPR」という言葉。見たことはあるものの、どのような取り組みなのかイメージが持てない担当者は多いのではないでしょうか。

BPR(Business Process Re-engineering)とは、業務プロセス全体を見直して再設計する取り組みのことです。

業務の一部を改善する、ツールを導入するのではなく、業務の仕組みに切り込んでフローや役割、業務内容から抜本的に見直す点が特徴です。

BPRの概要

BPRは取り組み方や業務改善との違いなどを理解して開始しないと、成果が出る前につまずき業務効率化や顧客満足度の向上につながらない可能性があります。

まずはBPRとはどのような取り組みなのかしっかりと理解し、自社でどのように取り組むべきか考えましょう。

本記事では、BPRの概要や業務改善との違い、取り組むメリットなど、BPRを理解するうえで必要な基礎知識をまとめて解説しています。

1.BPR(Business Process Re-engineering)とは

冒頭でも触れたように、BPR(Business Process Re-engineering)とは、業務プロセス全体を見直して再設計する取り組みのことです。

「誰が」「何を使い」「どのように実施するのか」という業務プロセス全体を抜本的に見直して、業務効率化や顧客体験の向上を目指します。

BPRについて説明した図

たとえば、業務量が増えてもベテラン従業員のスキルや単純な人員増加でカバーしながら業務をしている状態だとしましょう。

この状況が続くと、従業員の業務過多などによる負担が増えたり、離職や品質の低下など、事業が継続しにくい状態に陥る可能性があります。

そこで、現状の業務プロセス全体を可視化し、課題を明確にしたうえで、新しいツールを導入する、業務フローを変更するなどの施策を実施します。

BPRの例

このように、単なるツール導入や人材配置の変更ではなく、課題解決ができる仕組みに切り替えることがBPRの本質なのです。

BPRでは業務を行う土台そのものに切り込み、必要な見直しをするので、下記のようにさまざまな課題解決が見込めます。

【BPRで実現できること】

・従業員が働きやすい仕組みを整えられる
・業務フローや業務内容などを見直して業務効率化ができる
・無駄な業務、設備投資を削減して利益を最大化できる
・新たな価値創出に使う時間ができて顧客満足度の向上を目指せる

※詳しくは「5.BPRに取り組む4つのメリット」で解説しています

昨今は、従業員不足が深刻化するなか、時代の流れに応じて柔軟に業務を行うことが求められています。

一部の業務フローの改善やツール導入だけでは大きな成果が実感しにくく、一度立ち止まって仕組みそのものを再設計するBPRが注目されているのです。

【DXやAIツール導入時にもBPRが活用できる】

昨今は、DX推進やAIツールの導入を求められるケースが増えています。しかし、ツールのみを導入しても「思ったように成果が出ない」と悩むことが少なくありません。

古い業務構造のうえにツールを追加しても、業務プロセスとツールの整合性が取りづらく、思うように使えないケースが出てしまうのです。

だからこそ、DX推進やAIツール導入の前に、業務プロセスの抜本的な見直しをして仕組みから変えていくことも検討できます。

2.BPRと業務改善の違い

BPRと業務改善の違い

BPRと同じように業務効率化を目指す取り組みで、業務改善があります。BPRと業務改善にどのような違いがあるのか、よく分からない方もいるでしょう。

業務改善とは、業務の工程はそのままで、より正確に、早く、負担を減らしながら、特定の業務をよりよくするための創意工夫を指します。

BPRと比較すると下記のような違いがあります。

業務改善とBPRとの業務効率化の違い

比較

BPR

業務改善

基本的な考え方

業務プロセス全体を見直して再設計する

特定業務をより良くする工夫をする

改善の範囲

業務プロセスやツールを含む業務の仕組みの再設計

特定の業務の改善

現状の業務との関連性

現状の業務に囚われずに改善

現状の業務をベースに改善

実施スピード

一定の時間がかかる

比較的短期間で改善できる

成功時の影響

コストダウンや働きやすさなど影響度が高い

特定の業務の改善なので影響は限定的

ツールの利活用

積極的に検討する

できれば活用する

向いているケース

事業構造そのものの改善

特定業務のムダ・ムラ・ムリの改善

たとえば、現在の業務プロセスに限界を感じ、効率化や働きやすさを実現したいとしましょう。

業務改善では、企画部の業務に着目をして、無駄な業務や無理のある業務がないかを見直します。そのなかで、書類が多いという課題を見つけて、ツール導入で業務効率化を図ります。

一方で、BPRでは、部署や現在の業務内容などに囚われずに業務プロセスそのものを再設計する点が大きな違いです。

「不要な業務はないか」「情報管理方法は最適か」「部署連携はできているか」など、業務プロセスの土台となる部分に切り込み課題を抽出します。

そして、課題に応じて、現在導入しているツールを一新する、プロセスの統廃合など業務フローそのものを変更、見直しをしていきます。

このように、業務改善は特定の業務の改善方法に着目していますが、BPRは業務構造全体に切り込み抜本的に改善をしていくのです。

特定の業務のみに課題がある場合は業務改善でも問題ありませんが、現状の業務構造や運営そのものに課題がある場合はBPRのほうが成果が見込めるでしょう。

3.BPRに取り組むステップ

BPRに取り組むステップ

BPRの概要が分かったところで、BPRの取り組み方を簡単に確認しておきましょう。基本的には、下記のように目的、課題を明確にした後に、戦略を立てて計画的に取り組むといいでしょう。

ステップ

概要/例

ステップ1
BPRに取り組む目的を明確にする

なぜBPRに取り組むのかを明確にする
<例>
・人を増やしても業務量に追いつかない構造を変えたい
・電話中心の業務構造が顧客体験・コスト面で限界である

ステップ2
現状を可視化して課題を明確にする

現在の業務フローや導入ツールなど業務構造を可視化してどこに課題があるのか明確にする
<例>
・作業の自動化ができていない、ツール導入に伴う業務フローがない
・マルチチャネルの未対応により電話への問い合わせが集中している

ステップ3
BPRの戦略を立てる

課題を改善するために何ができそうか戦略を立てる
<例>
・自動化する業務を決めて業務プロセス全体を再構築する
・チャネル横断で業務を再設計する

ステップ4
BPRの戦略を段階的に実行する

戦略に沿って段階的にBPRに取り組む
<例>
・自動化を踏まえた業務フローを設計した後にツール導入をする
・マルチチャネルに対応できるフロー、教育が確立できたところで、ツールを導入して業務への活用を目指す

ステップ5
効果測定をして改善を繰り返す

BPRの取り組みによってどのような成果が出たのか可視化して改善を重ねる
<例>
・全体的な業務フローの見直しと一部業務の自動化で残業時間が30%減った
・電話への問い合わせ集中が減ったもののマルチチャネル対応フローに改善の余地がまだあるので再度フローを設計し直す

とくに、ポイントとなるのは、戦略を立てて計画的に取り組むことです。BPRは抜本的な改善になるので、中長期的に取り組むことが前提になります。

だからこそ、何となく始めてしまうと、途中で挫折するリスクがあるので、どの担当者がいつまでに何をするのかを明確にして、少しずつ進めていくことが大切です。

たとえば、業務量が多くて追いつかない構造を変えたい場合は、とりあえずツールを導入するだけではBPRになりません。下記のように、3段階に分けて戦略的に進めるなどの工夫が必要になるでしょう。

【業務量が多くて追いつかない構造を変えたい場合の戦略例】

1.あるべき業務プロセスを設計する:不要なプロセス、自動化できるプロセスなど業務プロセスを見直して最適化する
2.業務フローを設計する:必要なツールを導入することを見越して業務フローを設計する
3.ツールを導入する:ツールを導入して現場で活用できるように整える

BPRは業務全体を抜本的に見直す必要があるからこそ、必要な工程をしっかりと踏んで進めることが成功の鍵を握ります。

4.BPRに取り組んだ企業・自治体の成功事例

BPRに取り組んだ企業・自治体の成功事例

BPRがどのような取り組みか理解できたところで、実際にBPRに取り組んだ成功事例をご紹介します。

企業・自治体

取り組み内容・成果

株式会社大林組

・2日間かかっていた月次の集計作業が1秒になるなどの業務効率化を実現した
・必要な情報の共有、新しい価値を生むための環境整備につながった

福岡市

・区役所の11業務を対象に現行業務の調査と改善策の検討を実施した
・改善策の検討段階では改善後がイメージできるようにした

BPRに正しく取り組むと、どのような成果を実感できるのか参考になるので、チェックしておきましょう。

4-1.事例1:株式会社大林組│全社的に業務プロセスの再構築を実施して働き方を改革

株式会社大林組

課題

・長年培われてきた商習慣が根強く残っていた
・業務プロセスや情報管理の方法が企業内で統一されていない状態だった

BPRの成果

・全社的に業務プロセスの再構築を行い、業務の手続きや承認方法を共通化するシステムを導入した
・2日間かかっていた月次の集計作業が1秒になるなどの業務効率化を実現した
・必要な情報の共有、新しい価値を生む環境の整備につながった

建設業界を牽引する「株式会社大林組」は、全社のデジタル化とガバナンス強化を目的に「DX本部」を設置しています。

DX本部は全社的な立場からデジタル変革を立案してグループの収益向上と持続的な発展を達成する役割がありました。

しかし、実態は長年培われてきた商習慣が根強く残り、業務プロセスや情報管理の方法が企業内で統一されていない状態だったのです。

そこで、BPRを実施して、全社的に業務プロセスの再構築を目指しました。BPRの一環として業務の手続きや承認方法を共通化するシステムを導入しました。

その結果、2日間かかっていた月次の集計作業が1秒になるなど、さまざまな場面で業務効率化を実現できました。

【業務の手続きや承認方法を共通化するシステム導入の成果】

・各拠点や部門で異なっていた業務の進め方、情報管理方法が標準化できた
・システム内で電子承認や回覧が完結できて複数のシステムをまたぐ承認プロセスが簡素化できた
・紙書類で管理していた過去の案件情報や進捗状況がシステム上で確認できて効率的な営業活動につながっている
・部下の進捗状況や目標達成状況をシステム上で確認できて早期に問題を発見できるようになった

再整理した業務プロセスと最適なシステム導入によって、個人の努力に依存する非定型業務から脱することができたそうです。また、必要な情報の共有、新しい価値を生む環境の整備にもつながりました。

DX推進を機にBPRを実施して、業務効率化や価値創出などにつなげた事例だといえるでしょう。

参考:salesforce「デジタル業務基盤による大改革を断行、生産性の向上と組織知の最大化を実現」

4-2.事例2:福岡市│市民サービスの維持や向上を図るBPRを実施

福岡市

課題

・区役所職員の人的リソースをより必要性の高い業務に振り分けて、サービスの維持、質の向上を図る必要があった

BPRの成果

・区役所の11業務を対象に現行業務の調査と改善策の検討を実施した
・改善策の検討では改善後がイメージできるようにした

福岡市では、区役所職員の人的リソースをより必要性の高い業務に振り分けて、市民サービスの維持や向上を図る必要があると感じていました。

そこで、業務プロセスの標準化、最適化を目指すBPRを実施して、業務効率化を図ることになったのです。

福岡市ではBPRの支援会社とともに、区役所の11業務を対象に現行業務の調査と改善策の検討を実施しました。改善策の検討では、業務フローや業務量を可視化してBPR実施後の状態をイメージできるようにしました。

【改善策の検討の例】

・現行業務の業務プロセスを見直した場合のフローを可視化した
・改善施策と実現のための阻害要因・検討事項を整理した
・改善後の業務プロセスにおける業務量を可視化した

市民サービスの最前線である区役所には、今後ますます抜本的な改善が求められるようになります。

そのようななかで、しっかりと戦略設計をしてBPRの成果を最大化できるように取り組んだ事例だといえるでしょう。

参考:TOPPAN SOCIAL INNOVATION「業務改革(BPR)で限られた人的資源を活かし市民サービスの維持・向上へ」

▼自治体の働き方改善につながりフロントヤード改革については、下記の記事で詳しく解説しています。

5.BPRに取り組む4つのメリット

BPRに取り組む4つのメリット

BPRに取り組むと得られる成果のイメージが持てたところで、BPRに取り組むメリットをご紹介します。BPRは改善する範囲が広いからこそ、正しく取り組めば大きなメリットを得られる可能性があります。

自社の課題改善につながることも考えられるので、ぜひチェックしてみてください。

BPRに取り組む4つのメリット

・業務効率化を実現できる
・利益を最大化できる
・従業員の負荷を軽減して働きやすい環境を整えられる
・新しいツールや技術を活用しやすくなる

5-1.業務効率化を実現できる

1つ目は、業務効率化を実現できることです。BPRは業務プロセスを抜本的に改善するので、一部業務の効率化ではなく業務プロセス全体を効率化できます。

課題や戦略を検討し実行するなかで、不要な工程をカット、代替するなど大胆な改善ができます。結果的に、必要最低限の人員で成果を最大化しやすい環境を整えられるのです。

一例として、下記のような課題を見直して、改善できるでしょう。

【BPRで改善できる業務例】

・二重、三重入力している作業:業務フローを見直して一本化できる
・確認工程が多い作業:本当に必要な確認なのか見直して確認回数を減らす
・自動化できる作業:人の手でするべき工程なのか確認をしてAIやツールの導入を検討する
・部署間をまたぐ連携が必要な作業:部署間の連携フローを見直して連携しやすい状態をつくる
・働き方に応じた業務:在宅勤務と出社勤務で連携しやすいプロセスに見直す

現状の業務プロセスで確認や部署間の連携などが増えて複雑になっている場合は、本当にこの業務が必要なのかという点から見直しをします。

そして、単にその業務をなくすだけでなく、下記のように業務の代替やツールの導入、フローの変更などさまざまな方法で改善を試みます。

BPRの効率化の例

その結果、業務を根本から改善できるので「残業時間が減る」「人手不足でも業務が回る」などの成果を実感しやすくなるでしょう。

5-2.利益を最大化できる

2つ目は、利益を最大化できることです。BPRでは抜本的な見直しにより、固定費を下げるだけでなく利益を生み出す構造へと変化できるからです。

BPRでは下記の4つの要素で、利益を生み出しやすい環境を構築できます。

利益の最大化につなげる要素

概要

1.固定費を下げる

・不要なツールの解約、人件費の削減などで業務全体の固定費が下がる
・固定費が下がった分、企業に残る利益が増える

2.価値創出に時間を費やせる

・業務プロセス全体の見直しにより不要な業務を減らし、余った時間を新しい業務や価値創出に充てられる
・品質向上や提案などに必要な時間を割けるようになり売上拡大につながりやすくなる

3.業務フロー改善でミスが減る

・複雑な業務フローを改善することでミスが減る
・品質が向上して顧客満足度を高められるので利益拡大につながる

4.必要な意思決定がしやすくなる

・業務フローの見直しにより意思決定の時間を短縮できる
・機会損失や失注が起こりにくくなり売上拡大につながる

BPRは業務プロセス全体を見直すので、必然的に不要なツールの解約や切り替え、残業時間の短縮などが実現できます。そのため、同じような働き方をしていても、企業に残る利益が増やせます。

意外と見落としがちな要素は、業務プロセスや業務フローが整うと、品質や満足度を高められることです。

たとえば、業務量が多く顧客と向き合う時間を十分に確保できない場合は、顧客に応じた提案や工夫がしにくくなります。

BPRの業務効率化により時間にゆとりが生まれると、いままで手が回っていなかった付加価値の創出に取り組めるようになるのです。

その結果、顧客満足度、品質の向上やリピーター獲得など、売上拡大につながる事業活動ができるようになります。

このように、BPRに取り組むことで単なるコスト削減にとどまらず、人や時間を価値創出に再配分できる事業構造へと転換できる点も大きなメリットだといえるでしょう。

5-3.従業員の負荷を軽減して働きやすい環境を整えられる

3つ目は、従業員の負荷を軽減して働きやすい環境を整えられることです。従業員が負担、手間に感じているプロセスを見直して、誰が携わっても一定の品質を保てる体制を整えられるからです。

従業員が負担を感じる原因の1つに、業務プロセスの改善ができていない点があります。従業員のスキルでカバーしようとしても限界があるので、最悪の場合には離職を招くことも考えられるでしょう。

BPRでは下記のように業務構造を見直すことで、従業員一人ひとりが無理なく働ける体制を整えられます。

BPRの取り組み例

働きやすくなるポイント

業務フローをシンプル化する

・従業員がミスをしにくくなり心理的な負担が減る
・1つの業務にかかる時間を短縮できる

属人化を防止する

・いままで属人化していた業務を仕組み化してフローに落とすことで特定の従業員の負担を軽減する

イレギュラー対応が発生するフローを見直す

・イレギュラーな対応が発生しているフローを見直すことで従業員の心理的な負担を軽減する

たとえば、いままで業務プロセスを見直す機会がなく、特定の従業員のスキルに依存していた業務があったとしましょう。

従業員はやりがいを感じる一方で「他の従業員はできないから自分がやるしかない」という重圧を抱えることになります。

BPRで全体的な業務プロセスを見直しできれば、属人化している業務を含めてプロセスを再構築して誰でも一定の品質が保てる業務ができるような体制を目指せます。

その結果、BPRでは誰もが安定して力を発揮できる職場環境を目指せるため、特定の従業員の負担を軽減できるでしょう。

このように、働きやすい環境を整えることで、従業員の満足度が向上し離職率の低下にもつながるのです。

5-4.新しいツールや技術を活用しやすくなる

4つ目は、新しいツールや技術を活用しやすくなることです。課題に応じて必要なツールを導入することを前提に業務プロセスを改善することで、ツールの強みを生かして業務ができるようになるからです。

昨今は、AIを活用したツールや業務効率を実現するクラウドサービスなど、業務で活用できるツールの選択肢が増えています。

しかし、業務プロセスを変えずにツールだけを導入すると二重入力が発生する、ツール活用の意味が見出せなくなるなどの課題が発生しやすいです。

そこで、業務プロセス全体を見直すタイミングで新しい技術やツールを導入すると、ツールの強みや活用範囲などを踏まえた業務フローが構築できます。

DX推進時の例

たとえば、コンタクトセンター(コールセンター)にチャットツールを導入する場合、BPRを実施し業務プロセスやフローを見直したうえで、ツールを導入できます。

その結果、活用手順や活用方法などが明確になり、新しいツールがしっかりと業務で使われるようになるのです。

そのため、DX推進時やAIツールの利活用時に、BPRを検討するケースも増えています。まずはBPRを実施して業務プロセスを整えたうえで、デジタル・AIツールを利活用した変革を目指すことも可能でしょう。

6.BPRに取り組むときの注意点

BPRに取り組むときの注意点

BPRに取り組むメリットが分かったところで、事前に知っておきたいBPRの注意点をご紹介します。BPRは成功すれば業務効率化や利益拡大が見込める一方で、取り組み時の負担が課題になりやすいです。

事前に注意点を把握して対策をしながら進めるためにも、参考にしてみてください。

BPRに取り組むときの注意点

・新しいプロセスが定着するまで従業員に負担や手間がかかる
・新しいプロセスを構築するための費用がかかる
・一定の時間をかけて取り組む必要がある

6-1.新しいプロセスが定着するまで従業員に負担や手間がかかる

BPRは業務プロセスを根本から見直して再設計する取り組みなので、従来の方法から大幅に変わるケースが多いです。そのため、どうしても従業員が下記のような新しい業務を覚える工程が発生します。

【従業員が覚える業務の例】

・新しい業務フローやマニュアル
・新しく導入したツールの使い方
・業務担当、連携方法の変更など

たとえば、BPRにより業務フローが変わった場合は、新しいフローで業務ができるように手順や注意点などを覚える必要があるでしょう。

一度定着してしまえば負担が軽減する、従来よりも業務がしやすくなりますが、改善初期にはどうしても一定の負担がかかります。

このことを認識したうえで、業務プロセスの移行を従業員に委ねるのではなく、無理なく短期間で定着するように下記のような工夫を取り入れるといいでしょう。

【BPRに取り組むときの工夫の例】

・ツールの導入時に研修を実施する
・新しいフローへの移行期間を設けて少しずつ移行する
・プロセスやフローが分からないときの問い合わせ窓口を設置する

新しいツールを導入する場合や戸惑うフローがある場合は、事前に研修をして従業員の理解を得ることも1つの方法です。

BPRを成果につなげるためにも、初期段階でつまずかないように新しいプロセス定着までのサポートを検討してみてください。

6-2.新しいプロセスを構築するための費用がかかる

BPRは特定業務の取り組み方を変えるのではなく、業務プロセスや使うツールなどを含めて再設計するので、一定の費用がかかります。

【BPRをするときに発生する費用例】

・ツール、システムの導入費用
・BPRに費やす人件費
・BPOなどのアウトソーシングにかかる費用

ただし、BPRで一時的に費用がかかったとしても、「5-2.利益を最大化できる」で触れたような効果を実感できれば投資した費用が十分回収できる可能性があります。

たとえば、BPRの取り組みで500万円の投資が必要だったとしても、残業時間の短縮や売上拡大などで成果が出れば比較的短期間で回収できるでしょう。

BPRの戦略を立てる段階でどの程度の費用がかかるのかを把握したうえで、BPRの成果をシミュレーションしておくことがおすすめです。

投資対効果を踏まえてツール導入などの優先順位をつけておけば、費用だけがかかり成果が出なかったなどのリスクを軽減できるでしょう。

6-3.一定の時間をかけて取り組む必要がある

BPRは業務プロセス全体を見直して再設計する取り組みなので、どうしても一定の時間がかかります。企業の規模や課題によっては、1年以上かけてじっくりと取り組むことも少なくありません。

短期間で成果を出したいと考えても「3.BPRに取り組むステップ」で触れたように、1つ1つのステップが非常に重要なので難しいのが現状です。

BPRに取り組むとなった段階で上層部が腰を据えて、じっくりと向き合う覚悟を決めることが重要でしょう。

また、BPRは、各業務に携わっている従業員や推進メンバーなど、多くの従業員が関わり進めていく必要があります。

たとえば、現場の課題を把握するには、各業務の担当者からヒアリングをするなどの業務が発生します。

また、BPRの推進メンバーは、戦略設計や導入ツールの選定など、各工程で行うべきタスクが多くあります。

これらを日常業務と並行して進めるには、物理的な「時間」の確保が不可欠です。そのため、短期間で無理に進めるのではなく、余裕を持ったスケジュールを引くことが成功の鍵となるでしょう。

7.BPRは競争力の強化や働き方の改善に直結する!「いまから取り組む」と決めることが大切

BPRは競争力の強化や働き方の改善に直結する!「いまから取り組む」と決めることが大切

ここまで、BPRの概要や取り組むメリット、事例などをまとめて解説しました。BPRは自社の業務プロセスを根本から見直して再設計をする取り組みです。

時代の流れが早く消費者のニーズの移り変わりが激しい現在では、業務プロセスから見直して新しい価値創出ができる体制に変えていかないと、競争力が低下するリスクがあるでしょう。

また、今後は、生産年齢人口(15~64歳)の減少が続くと予想されています。

従業員不足が慢性化するなかで、限られた人員で最大のパフォーマンスが発揮できる業務プロセスに移行していかないと、従業員が疲弊する、品質が低下するなどの悪循環に陥る可能性があります。

このように、企業の競争力の強化や働き方の改善に直結するBPRは「時間がない」「なかなか本腰を入れられない」と後回しにしてしまうと、気づいたときには立て直しに多大な時間と費用がかかる状態になってしまうでしょう。

だからこそ、BPRはいつか実施しようと思うのではなく、いまから実施すると決めて上層部と従業員が足並みを揃えて第一歩を踏み出すことが重要なのです。

まずは、BPRの目的を設定して具体的な戦略を立てるところから始めてみましょう。

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まとめ

本記事では、BPRの概要やステップ、取り組むメリットなどをまとめて解説しました。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。

〇BPR(Business Process Re-engineering)とは業務プロセス全体を見直して再設計する取り組みのこと

〇BPRと業務改善の違いは下記のとおり

・BPR:業務プロセス全体を見直して再設計する
・業務改善:特定業務をより良くする工夫をする

〇BPRに取り組むステップは下記のとおり

・ステップ1:BPRに取り組む目的を明確にする
・ステップ2:現状を可視化して課題を明確にする
・ステップ3:BPRの戦略を立てる
・ステップ4:BPRの戦略を段階的に実行する
・ステップ5:効果測定をして改善を繰り返す

〇BPRに取り組むメリットは下記のとおり

・業務効率化を実現できる
・利益を最大化できる
・従業員の負荷を軽減して働きやすい環境を整えられる
・新しいツールや技術を活用しやすくなる

〇BPRに取り組む注意点は下記のとおり

・新しいプロセスが定着するまで従業員に負担や手間がかかる
・新しいプロセスを構築するための費用がかかる
・一定の時間をかけて取り組む必要がある

BPRは、競争力の強化や働き方の改善に必要な取り組みです。コンタクトセンター(コールセンター)の業務効率化や業務改善、課題解決にお悩みの場合は、トランスコスモスにお気軽にご相談ください。

記事監修者矢野研二の役職と略歴

トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションの
ノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。
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