「業者にPBXの導入を勧められたけど、そもそもPBXってなんだろう」
「ビジネスフォンとPBXとの違いがはっきりわからない」
PBXという聞き慣れない言葉を聞いて、疑問に思ったのではないでしょうか?
PBXとは構内電話交換機とも呼ばれ、企業のオフィスやコンタクトセンター(電話やメールに加え、SNS、チャットなど幅広いコミュニケーションチャネルを利用して、顧客と企業を結ぶ部署を指す。以前は電話コミュニケーションのみだったので、コールセンターと呼ばれており、現在でもコールセンターで表現されている所も多い。)などに設置される、複数の外線電話番号や内線電話を接続するための装置です。
PBXに施設内の内線電話機を多数接続することで、代表電話番号での発着信や特定の内線電話機への転送などができるようになります。
多くの企業が導入しているPBXですが、
「PBXについて調べてみても、専門的な解説が多くて、イマイチわかりづらい」
と感じる方が多いようです。
そこで本記事では、オフィスの電話に欠かせない機器である「PBX」について、初心者にもわかりやすく解説します。
本記事のポイント
1.PBXを初心者にもわかりやすく解説 |
「PBXとは何なのか知りたい」
「自社に導入したほうが良いのか判断したい」
…という方におすすめの内容となっています。
この解説を最後までお読みいただければ、あなたは「PBXの基礎知識」はもちろん、PBXを導入するならどう選べば良いのかまで理解できるようになります。
結果として、あなたにとって最適なオフィス環境を実現するために役立つはずです。では、さっそく「PBX」の解説を始めましょう。
1.PBXとは
この章では、PBXの基礎知識と、従来のサービスフォンと比べて何ができるのかをご紹介します。
1-1.PBXとは“機内電話交換機”のこと
PBXとは何の略なのか?といえば「Private Branch eXchange(構内電話交換機・施設自動交換機)」、
日本語では「構内電話交換機」「施設自動交換台」などといわれます。
簡単にいえば、企業のオフィス内に設置して、複数の外線電話番号や内線電話機と接続するための電話交換機のことをさします。
PBXを導入することで可能になること
PBXを導入することによって、複雑になりがちな電話回線を一つにまとめ、拠点間の電話を一元管理することができます。
たとえば、電話番号が増えるたびに、その番号に付随する電話回線や電話機を増設していくと、非効率のうえ管理も大変です。しかし、電話回線をPBXで一つまとめることによって、外線や内線を効率よく活用することができます。
さらに、離れた複数の拠点を内線化することで、通話料金のコストダウンも可能になります。
数多くの電話機器や通話状況を一括管理することができるので、大企業やコンタクトセンター(コールセンター)などで使われていましたが、最近では手軽に導入できるPBXも登場し、小規模な会社でも使われるようになっています。
このように多機能なPBXを、導入する企業が増えている一方で、PBX自体の機能や種類が豊富であるため、十分に機能を使いこなせなかったり、ビジネスフォンとの違いに戸惑うこともあるでしょう。
そのため、従来のビジネスフォンと比べて何ができるのか、そして何ができないのかを理解することが大切です。
次の章では、ビジネスフォンとの違いについて見ていきましょう。
1-2.PBXとビジネスフォンの違い
オフィスへPBXを導入すべきか検討中の方にとって、混同しやすいのが「ビジネスフォン」です。
PBXも含んでビジネス用途の電話全般をビジネスフォンと呼ぶこともありますが、多くの点で両者は異なるものです。ビジネスフォンとPBXの違いを見てみましょう。
PBXとビジネスフォンの主な違い
PBX | ビジネスフォン | |
特徴 | 複数の回線を複数の電話端末で制御可能 | 一つの回線を複数の電話端末で利用可能 |
電話機数 | 数千台まで可能 | 100台まで |
接続可能な範囲 | 1施設以上〜複数の拠点で接続可能 | 1施設内のみ |
利用できる | ・電話機 | ・電話機 |
おすすめする企業 | ・多拠点で多くの電話回線がある企業 | ・さほど仕事で電話を使用しない企業 |
ビジネスフォンも、PBXと同じく内線機能を持ち、複数の電話機から同じ電話番号で発信・着信ができる電話システムです。
しかし、ビジネスフォンは一つの回線に対して複数の電話機で利用することができますが、PBXはいくつもの電話回線を複数の電話端末に割り振ったり、制御することが可能です。
その他にも次のような違いがあります。
接続可能な電話機数が違う
PBX | ビジネスフォン |
数千台まで可能 | 最大100台まで |
PBXとビジネスフォンでは、管理できる電話機の数が違います。
ビジネスフォンは数十台から最大100台までの、比較的小規模な環境で使われているのに対し、PBXは数千台を管理することができます。
ビジネスフォンは最大100台まで接続することが可能ですが、実質的に50台を超えると管理のしやすいPBXの導入を検討するとよいでしょう。
管理可能な拠点数が違う
PBX | ビジネスフォン |
1施設内〜複数の拠点で接続可能 | 1施設内のみ |
ビジネスフォンでは、一つの拠点内での利用しかできませんが、インターネットを利用したPBXなら遠く離れた拠点同士を接続し、管理することが可能になります。
たとえば、本社との連携が頻繁にある支社や、密な連絡が必要な工場などの電話も「内線」として接続でき、さらに本社のパソコン一つですべての電話を管理することもできます。
複数の拠点で通話が多い場合や、各拠点の電話管理が大変な場合には、PBXを導入すると良いでしょう。
利用できる通話機器が違う
PBX | ビジネスフォン |
電話機 | 電話機 |
PBXとビジネスフォンでは、利用できる通話機器が違います。
電話線と専用回線で直接接続している旧型のPBXは、ビジネスフォンと同じように電話機やFAXのみ利用可能です。
しかし、インターネット回線があれば接続できるIP型やクラウド型のPBXなら、パソコンにアプリケーションをインストールすれば、ヘッドセットやソフトフォンを繋げて電話としたり、スマートフォンを会社の電話として利用することも可能です。
PBXなら、新しく電話機を購入したり、各デスクに電話を置いたりせずに会社の電話を利用することができるので、単純に電話機の数を減らしたい会社にもおすすめです。
1-3.PBXとビジネスフォンを導入している企業の特徴
PBXの導入をしている企業 | ビジネスフォンを導入している企業 |
・多拠点で多くの電話回線がある企業やコンタクトセンター(コールセンター) | ・中小規模の企業 |
PBXを導入している企業は、支店や工場など拠点がたくさんある会社や電話回線が多いコンタクトセンター(コールセンター)が多いです。各拠点を内線化することで、管理がしやすくなり、コストダウンや業務効率化も図れます。
さらに、社員のテレワーク形態が多い場合や外回りのスタッフがスマホやパソコンを会社の電話として利用できるようにしたい企業などがPBXを積極的に導入しています。
この章では、PBXとビジネスフォンと違いについて説明してきましたが、次の章では実際にPBXを導入すると何ができるのかを見ていきましょう。
2.PBXを導入するとできること
これまでの説明で、PBXの特徴やビジネスフォンとの違いがお分かりになったと思います。
この章では、PBXを導入するとできることを具体的に解説します。
PBXの導入で可能になることはいろいろありますが、代表的なものは次の3つになります。
PBXを導入するとできること
・代表者番号発着信 |
それぞれくわしく説明していきましょう。
2-1.すべての電話で代表番号発着信ができるようになる
1つめの機能は「代表番号の発着信」です。
代表電話番号の発着信とは、同じ番号で複数の電話機に同時着信・発信できる機能のことで、代表組とも呼ばれます。
PBXを導入すると、代表番号にかかってきた電話は、あらかじめ設定したルールに従ってオフィスの内線電話機へ着信させることができます。
たとえば、「代表電話はこの期間だけは総務部の電話につなぐ」、「繁忙期はすべての電話で受けるようにする」、など自由に設定することができます。
反対に、特定の電話機の番号通知を「代表番号」として設定することもできます。
スマートフォンにも設定することができるので、テレワークや外出先からでも「代表電話」で電話をかけることが可能になります。
2-2.内線同士の通話
2つめの機能は「内線同士の通話」です。
PBXがあれば、内線で話すときには、通話料は発生しません。
同じ会社内であっても、電話番号が違えば内線電話同士で話すにも通話料がかかってしまいます。内線通話ができるのは、ビジネスフォンも同じですが、PBXでは接続できる拠点が増えます。
たとえば、全国にある支店や工場などの施設だけではなく、スマートフォンやパソコンを「内線」として利用することも可能です。
PBXで社内の内線電話をネットワーク化することで、電話料金が安くなる上、通話状況なども管理しやすくなります。
2-3.発着信制御
3つめの機能は「発着信制御」です。
どの内線電話機にどの電話番号からの外線を着信させるか、あるいは、どの電話番号で発信させるか、PBXで設定することができます。
たとえば、「営業部にある電話を一時的に企画部の電話番号で発着信させる」、「カスタマーケア部にはお客様相談窓口の電話番号を発着信させる」といった「割り振り」が可能です。
これにより、デスクの移動やレイアウト変更時の面倒な電話工事が必要なくなり、配置換えなども簡単に行うことができます。
これらのことから多くの企業が導入しているPBXですが、これほどまでに導入が進んだのはなぜでしょうか。その理由を次の章でご紹介します。
3.企業のPBX化が進んだ3つの理由
この章では、企業のPBX化が進んだ3つの理由を解説します。
ビジネスフォンでもビジネスフォン主装置を増設すれば、より多くの電話を接続することが可能になりますが、電話回線が多くなるほどPBXが必要となるには理由があります。
PBXが必要な3つの理由
• 複雑化する電話環境を一括管理できる |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
オフィスへPBXを導入すべきか検討中の方にとって、混同しやすいものとして「ビジネスフォン」があります。
PBXも含んでビジネス用途の電話全般をビジネスフォンと呼ぶこともありますが、機器を指す場合には、両者は異なるものです。
ビジネスフォンとPBXの違いを見てみましょう。
3-1.複雑化する電話環境を一括管理できる
企業が成長したり業務が増えるたびに複雑化する電話環境ですが、PBXを導入することで簡単に一括管理することができます。
たとえば、ビジネスフォンで多くの電話回線を使用していると、無駄な通話や回線を見逃しやすく、管理が行き届きにくくなります。
さらにテレワークや外回りの営業など、社外にいる人が仕事で使う電話の管理は、現物支給や使った分だけの支払い計算等、必要以上に経費や手間がかかり、全てを管理するのは大変です。
しかし、PBXならすべての電話をパソコン上で一括管理することができます。
同じ施設内だけではなく、スマートフォンや遠方の支店の電話までパソコン上で簡単に管理することができるので、管理業務が簡単でシンプルになります。
3-2.業務効率化を促進する
PBXは、通話関連の業務を効率化します。
たとえば、複数の外線電話番号に対して1台の電話機で対応することができたり、相手に表示する電話番号を自由に設定できるので、電話機を設置する場所や人を選びません。
さらにPBXなら、スマートフォンを会社の電話としても利用できるので、わざわざ会社に「電話当番」を置いたり、「電話のために出社する」という無駄な業務が減ります。
すべての電話の使用状況を一括管理できるので、通話関連の業務が一気に効率化します。
3-3.全体的なコスト削減につながる
PBXは、施設全体のコスト削減に貢献します。
PBXなら通話状況などをパソコンで一括管理できることで、使われていない不要な回線や無駄な通話などが発見しやすくなります。
さらに、複数の拠点を内線化するタイプなら、会社全体の電話料金が安くなります。
また、個人のスマートフォンやパソコンを会社の電話として利用できるものを利用すれば、電話機器本体の購入の必要がないなど、全体的なコスト削減にも貢献します。
このように、PBXが必要とされる理由は、単に電話回線を増やすだけではなく、電話業務の管理がしやすくなることで業務効率化やコストダウンに繋がるからです。
PBXのデメリットをあえて上げるとすると費用がかかること PBXのデメリットをあえて上げるとするなら、「導入に費用がかかる」ことです。 ただし、最近では、導入費用がほとんどかからないクラウド型のPBXが登場しています。 |
4.PBXの3つの種類
PBXは進化を遂げており、現在では「レガシーPBX・IP-PBX・クラウドPBX」の3種類があります。
PBXの種類
レガシーPBX | IP-PBX | クラウドPBX | |
設置タイプ | オンプレミス | オンプレミス | クラウド |
内線通話 | 1拠点 | 多拠点間 | 多拠点間 |
機器のメンテナンス | △ 必要 | △ 必要 | 〇 不要 |
導入スピード | △ 遅い | △ 遅い | 〇 早い |
音声の品質 | ◯ 良い | ◯ 良い | △ネット環境に依存 |
PBXが導入されるようになった当初は施設内に設置する旧型PBXが主流でしたが、その後改良を繰り返し、インターネットに接続可能なIP-PBXが登場、そして現在ではパソコンで簡単にインストールできるクラウド型PBXが主流になりつつあります。
それぞれ詳しく見てみてみましょう。
4-1.レガシーPBX
まず「レガシーPBX」は、現在利用されているPBXのなかで、最も古いタイプのPBXです。
物理的な機器をオフィスに設置するので、オンプレミス(自社運用)型とも呼ばれます。
レガシーPBXの特徴
設置タイプ | オンプレミス型 (施設内にPBXを設置) |
特徴 | 施設内にPBX機器の設置が必要 |
使用可能な通話機器 | ・電話機 |
使用範囲 | 1施設内のみ |
メリット | ・停電時でも電話が使用できる |
デメリット | ・コストが高い |
おすすめする企業 | インターネット回線を使用しないでPBXを使用したい企業 |
PBXの形態としては古いものになりますが、インターネットを介していないため、インターネット回線がなくても通話が可能、顧客情報などが流出するなどのリスクがありません。
また停電などにも強いため、大企業でもいまだに使い続ける会社もあります。
メリット
• インターネットに接続していないので、情報セキュリティ面で安心 • 停電時でも電話が使用可能 • 電話の音質が安定している |
レガシーPBXは、ネット環境に依存していないので、社外に情報が漏れることがなく、セキュリティ面では安心です。また、設置型のPBXはバックアップバッテリーが備わっている場合が多く、停電時でも電話が使用可能になります。
さらに専用回線なので、音質などが非常に安定しているのもメリットといえるでしょう。
デメリット
• 導入コストや維持費が高額 • 専用のサーバーやネットワーク回線が必要 • 離れた拠点では内線が使えない |
一方デメリットは、機器自体の購入費用や工事費用など初期コストが高額になる可能性が高いこと、機器の老朽化に伴う買い替えやメンテナンス費用が発生することが挙げられます。
専用のサーバーやネットワーク回線が必須で、設置や移転のたびに工事を行い、定期的な保守点検なども必要になります。
また、離れた場所にある支店や工場などと内線化することができません。
レガシーPBXはこんな企業におすすめ
現在では便利なクラウド型に移行が進んでいますが、インターネットではセキュリティ面や通話の音質が心配な人や、拠点が一箇所しかないコールセンターなどでの使用には向いているといえます。
4-2.IP-PBX
次に「IP-PBX」はレガシーPBXが進化したもので、電話線でなくLANケーブルによって電話機を接続できるようになったことが特徴です。
IP-PBXの特徴
設置タイプ | オンプレミス型(施設内にPBXを設置) |
特徴 | ・PBX機器の設置が必要 |
使用可能な通話機器 | ・電話機 |
使用範囲 | 多拠点 |
メリット | ・複数拠点やスマートフォンを内線化できる |
デメリット | ・コストが高い |
おすすめする企業 | ・複数拠点での運用がしたい |
設置方法は、レガシーPBXと同様に物理的な機器をオフィスに設置するハードウェアタイプと、機器は設置せずに社内サーバーにソフトウェアをインストールして利用するソフトウェアタイプがあります。
どちらもレガシーPBXと同じく、オンプレミス(自社運用)型となります。
メリット
• 複数拠点やスマートフォンを内線化できる |
大きなメリットとしては、複数拠点で利用できることです。
LAN接続できるデバイスならパソコンやスマートフォンでも接続できるので、テレワークや外出先でも会社の電話番号での通話が可能で、内線としても利用できます。
さらに、すべての回線をパソコンで管理ができるため、電話機器や通話の管理が容易で、経費削減にもなります。
デメリット
• 導入費用が高い |
デメリットは初期費用が高い点です。
レガシーPBXのように電話回線は利用しませんが、PBX本体の設置やネットワーク配線などが必要なため、導入期間、コストなどあまり差はありません。
そのため、拠点が一つしかない場合にはメリットは少なく、また、インターネットを介することで、顧客情報などのセキュリティ対策も必要となります。
IP-PBXはこんな企業におすすめ
IP-PBXは、パソコンやスマートフォンを会社の電話として使用したり、複数拠点を内線化したい会社におすすめです。
また、テレワークの電話環境を整える場合にもぴったりでしょう。
4-3.クラウドPBX
最後に「クラウドPBX」は、最も新しいタイプのPBXです。
クラウドPBXの大きな特徴は、物理的な機器がないことです。クラウド事業者がインターネット上で提供するPBXサービスを利用するため、オフィスに機器を導入する必要がありません。
クラウドPBXの特徴
設置タイプ | クラウド型(PBX設置の必要なし) |
特徴 | ネット環境を利用した電話網 |
使用可能な | ・電話機 |
使用範囲 | 多拠点 |
メリット | ・多拠点で内線が利用できる |
デメリット | ・通話がネット環境に左右される |
おすすめする企業 | ・複数拠点を内線化したい |
上の章で解説した施設内にPBXを設置するオンプレミス型に変わり、最近の主流になりつつあるPBXです。
ネット回線を使用するのはIP-PBXと似ていますが、施設内にPBXを設置する必要がないので導入や管理、設定が簡単です。設置も早く、コストが安く済むことから、小規模の企業での利用も増えています。
メリット
• 導入費用が安い |
クラウドPBXは導入が容易で、初期コストもかからない点が大きなメリットです。
例えば、「一時的に社内にコンタクトセンターを設置したい」といった一時的な利用にも、簡単に対応することができます。また、複数の拠点間の電話を内線化できるので、通話料金のコストダウンが図れます。
インターネット回線とパソコン、スマートフォンがあればどこでも接続することが可能で、テレワークや、外出先のスタッフも会社の電話を利用できます。小規模なオフィスでも導入が容易です。
デメリット
• 通話がネット環境に左右される |
デメリットは、クラウド事業者と契約して利用するため、毎月のサービス利用料がランニングコストとして発生する点です。
前述のレガシーPBXおよびIP-PBXは自社運用のためサービス利用料は発生しませんが、クラウドPBXは発生する点が異なります。
また、ネット環境によっては通話状態が悪くなったり切れたりするので、注意が必要です。
ネットにつながっているので、顧客情報などのセキュリティ対策は必須となります。
クラウドPBXはこんな企業におすすめ
多拠点やテレワーク間の内線化をしたい企業や、スマホやパソコンを会社の電話としたい会社のほか、コストをかけずにPBXを導入したい企業にもおすすめします。
また、クラウドPBXは小規模オフィスでもコストを掛けず、PBXの導入が可能です。
クラウドPBXについて詳しくは、以下の記事で解説しています。あわせてご覧ください。
▼ あわせて読みたいおすすめ記事
5.自社に合うPBXを選ぶポイント
ごく簡単にいえば、レガシーPBX>IP-PBX>クラウドPBXの順に進化しているため、クラウドPBXが最も多くの課題を解決しているといえます。
ただし、どのPBXが適しているかは、それぞれの企業の状況によって変わってきます。この章では、自社に合うPBXを選ぶ3つのポイントをご紹介しましょう。
5-1.業務状況
業務別対応可能一覧
レガシーPBX | IP-PBX | クラウドPBX | |
多拠点に対応している | ✕ | ◯ | ◯ |
テレワークに対応している | ✕ | ◯ | ◯ |
1つめのポイントは「業務状況」です。
内線電話を業務でどのように利用するかによって、最適なPBXを見極める必要があります。
特に大きな判断基準となるのが「多拠点での通話が多いか、少ないか」、「テレワークに対応するのか、しないのか」です。
たとえば、支店・工場・店舗など同じ会社間で通話が多い企業や、テレワークを推進している会社は、社内の電話機にしか対応できないレガシーPBXではなく、IP-PBXやクラウドPBXを選ぶ必要があります。
複数拠点間での通話が多い業務状況であれば、IP-PBXかクラウドPBXを選びましょう。
5-2.コスト
コスト一覧
レガシーPBX | IP-PBX | クラウドPBX | |
初期費用 | ✕ 高い | ✕ 高い | ◯ 安い |
ランニングコスト | ◯ | ◯ | △ |
トータルのコスト | ✕ | ✕ | ◯ |
2つめのポイントは「コスト」です。コストに対する考え方は、企業によって異なるところです。
「初期費用や機器の買い替えコストがかかっても良いので、月々のランニングコストはできるだけ抑えたい」というケースであれば、レガシーPBXやIP-PBXが適しています。
「初期費用を抑えたい」という場合には、最も適しているのはクラウドPBXです。
「トータルのコストが最も安いPBXを選びたい」というケースでは、クラウドPBXをおすすめします。ただし、毎月のランニングコストがかかります。
実際のコストは導入する規模、PBX機器の機種、買い替えやメンテナンス費用、選択するサービスプランなどによって、ケースバイケースです。
必ず自社の状況に合わせて、複数の専門企業から見積もりを取り、正確なコストを把握してから判断しましょう。
5-3.安定性と安全性
通話の安定性と安全性一覧
レガシーPBX | IP-PBX | クラウドPBX | |
停電・災害時の通話 | ◯ | ✕ | ✕ |
通話の音質 | ◯ | △ | △ |
情報の安全性 | ◯ | ✕ | ✕ |
3つめのポイントは「安定性」です。
停電時や災害時などのネットワーク接続が途切れた場合でも安定してつながることを優先するなら、電話回線で接続するレガシーPBXが適しているといえます。
また、IP-PBX・クラウドPBXはネット環境に左右されるため、音質やサービス提供の安定性においては、古くからあるレガシーPBXと比較して不安定な面があります。
安定性や安全性が最優先される用途であれば、IP-PBX・クラウドPBXは避けたほうが良いといえるでしょう。
6.クラウドPBXをご検討なら一度ご相談ください
トランスコスモスはコンタクトセンターに向けて、『Amazon Connect(アマゾンコネクト)』や『Genesys Cloud CX(ジェネシスクラウドCX)』を活用したクラウドPBXの提供をおこなっております。
6-1.トランスコスモスのAmazon Connect(アマゾンコネクト)サービス
世界中のAmazonのコンタクトセンターと同じ技術が使われており、クラウドソリューションとの連携がしやすいシステムで、次のようなメリットがあります。
コンタクトセンターにアマゾンコネクトを導入するメリット
• ランニングコストが安い |
それぞれ説明していきましょう。
メリット①ランニングコストが安い
アマゾンコネクトは完全な従量制料金サービスで、ランニングコストが安いのが大きなメリットです。
最低料金や長期契約、また、ライセンス料金は不要で、電話番号使用量と通話料金だけで利用することができます。
メリット②コンタクトセンターの立ち上げが簡単
アマゾンコネクトによるコンタクトセンターの立ち上げは、パソコンやモバイル上の数回のクリックで、簡単に行うことができます。
シンプルな通話だけの設定だけであれば、数分〜30分程度で顧客のサポートを開始可能。
従来必要だった電話回線や通話機器の設備や工事は必要なく、クラウド上で完了します。
必要に応じて設定の変更や機能の拡大・追加ができるので、パソコン1台からでも、いち早くお客様への対応を開始することができます。
従来のコンタクトセンターの立ち上げに必要となるもの |
メリット③最新機能が簡単に追加可能
アマゾンコネクトは直感的なマウスの動作だけで、最新の機能を随時追加することができます。
リアルタイムと履歴の分析(待ち時間や稼働時間の表示)などは標準装備していますが、顧客の問い合わせフローや自動音声返答などの機能も簡単にカスタマイズし設定できます。
他にも、AI機能を組み込んで、通話の書き起こしや感情分析、翻訳、チャットボットなどの最新のサービスツールと連携させることも可能です。
もちろん難しいプログラミング知識がなくても設計できるので、最新の機能を備えた先進的なコンタクトセンターを簡単に構築できます。
詳しくは以下のリンクからご確認ください。
6-2.トランスコスモスのGenesys Cloud CX(ジェネシスクラウドCX)サービス
オンプレミスからクラウド提供モデルを確立させ、海外・国内シェアを伸ばしているソリューションであるGenesysが提供しているクラウドPBXで、次のようなメリットがあります。
コンタクトセンターにGenesys Cloud CX(ジェネシスクラウドCX)を導入するメリット
・ マルチチャネルプラットフォーム |
それぞれ説明していきましょう。
メリット①マルチチャネルプラットフォーム
コミュニケーションチャネルのデジタル化が進み、顧客とのコミュニケーションをマルチチャネルで対応している企業も増えています。Genesys Cloud CX(ジェネシスクラウドCX)はマルチチャネルでの対応を1つのシステムに集約が可能なのが大きなメリットです。
電話(ボイス)対応以外にも、Webチャット・メール機能が標準機能となっており、その他SMSやLINE,Twitter,InstagramなどのSNS、チャットボットもGenesys Cloud CX(ジェネシスクラウドCX)1つで利用することができます。
そのため、コンタクトセンター(コールセンター)のオペレーターは1つのシステムでマルチにインタラクションを処理することが可能となります。
メリット②柔軟な料金体系
Genesys Cloud CX(ジェネシスクラウドCX)はライセンス料金制で、求める機能によって料金を設定することができます。
例えば音声チャネル機能のほかに「デジタルチャネル機能を追加」したい場合や、既にマルチチャネルを対応している企業の場合は、マルチチャネル機能に「EX向上のWFM機能を追加したい」といったような場合などで料金が変わってくる為、自社のコンタクトセンターにあった機能・料金を選択することが可能です。
メリット③オペレーションに必要な機能が充実
Genesys Cloud CX(ジェネシスクラウドCX)は、マルチチャネルに対応しているだけでなく、オペレーションに必要な機能が充実しています。
たとえば、着信(問い合わせ発生)時にカスタマイズしたスクリプトを表示させ、通話しながら1画面内で電話操作とトークスクリプトを閲覧でき、応対の効率化とヒアリング漏れの防止を対策できます。
またオペレーターのパフォーマンス管理やステータス管理もカスタマイズ可能となっており、スパーバイザーなど管理者が効率よくコンタクトセンターを管理できる仕組みが備わっています。
こういった機能もライセンスによって、Webサイト上の行動を把握できる機能やES向上に向けた従業員の欲求変化、個人のパフォーマンス次第でポイントやバッジ付与ができる機能もあります。
トランスコスモスがGenesys Cloud CX(ジェネシスクラウドCX)を活用した事例も公開していますので参考にしてください。
トランスコスモスでは長年のシステム運営ノウハウを生かし、顧客満足度の高いコンタクトセンター構築に向けてクラウドPBXを利用した運用サービスの提供もしています。
クラウド型コンタクトセンターの構築をご希望の場合はぜひ一度ご相談ください。
まとめ
PBXとは“機内電話交換機”のことです。
オフィス内の内線電話機をネットワークし、内線通話や外線の発着信の制御を行うのが、PBXの役割です。PBXを導入することにより、外線を有効活用してコストを削減することができます。
PBXと類似したものに「ビジネスフォン」があります。PBXの機能を簡略化したものがビジネスフォンで、接続できる内線電話機の数などに制限があります。
かつては小規模オフィスにはPBXよりもビジネスフォンが適していましたが、近年では個人事業主や中小企業でも導入しやすい「クラウドPBX」の登場により、状況が変わってきています。
自社に合うPBXを選ぶポイントとしては、業務状況・コスト・安定性が挙げられます。それぞれの企業の状況に合わせて、最適なPBXを選びましょう。
現在注目が集まっている「クラウドPBX」については、以下の記事で詳しく解説しています。
続けてご覧ください。