
「昨今、顧客満足度の低下が課題になっている。ワンランク上のサービスを提供して他社との差別化を図りたいけれど、よく耳にする”顧客感動”とは何だろう?」
「業界誌を見ていたら、顧客感動を与える取り組みの特集があった。自社でも顧客感動を意識したいと思ったけれど、どのように取り組めばいいのだろう?」
顧客の期待を超える対応や心に残るサービスの提供は、決して新しい考え方ではありません。「お客様に喜んでもらいたい」「期待以上の価値を届けたい」という姿勢は、これまでも多くの企業で大切にされてきました。
こうした取り組みは、「顧客感動(Customer Delight)」という考え方として整理され、顧客体験(CX)向上や顧客ロイヤルティ向上につながる重要な考え方として、多くの企業で重視されています。
一方で、「顧客感動という言葉は聞いたことがあるものの、具体的に何を指すのか分からない」「顧客満足との違いや実践方法を正しく理解できていない」という方も多いのではないでしょうか。
顧客感動(Customer Delight)とは、顧客が事前に抱いている期待(事前期待)を上回り、「ここまでしてくれるとは思わなかった」と感じるような体験を提供し、満足を超えた感動を生み出すことです。
たとえば、ホテルの接客では、顧客情報などからニーズを先読みして、サプライズプレゼントを用意したり、子ども用のアメニティを準備したりする取り組みが該当します。
企業が顧客感動を実現できると、顧客ロイヤルティの向上やブランドイメージの強化、競合他社との差別化など、様々なメリットが期待できます。

ただし、顧客感動は通常のサービスや接客を提供するだけで実現できるものではありません。顧客一人ひとりのニーズを理解し、期待を超える価値を提供できる体制や仕組みづくりが必要です。
そこでこの記事では、顧客感動の基本的な考え方を整理するとともに、顧客満足との違い、企業にもたらすメリット、成功事例、そして実践するための具体的なステップについて分かりやすく解説します。
最後まで読めば、顧客感動とは何かを正しく理解し、自社でどのように取り組むべきか検討できるようになるはずです。
顧客感動は、顧客体験(CX)向上を実現するうえで欠かせない考え方の一つです。今後も継続して顧客から選ばれる企業を目指すために、ぜひ参考にしてみてください。
1.顧客感動とは?顧客の事前期待を超えること

冒頭でも触れたように、顧客感動とは、顧客が事前に抱いている期待(事前期待)を上回り「ここまでしてくれるとは思わなかった」と予想を超えるサービスや商品を提供して感動を与えることです。
英語では「Customer Delight」と記述するため「CD」と呼ばれることもあります。

顧客は商品やサービスを利用するときには、何らかの事前期待を抱いています。
たとえば、洋服を購入する前に「自分に合う服があるといいな」「手頃な価格だといいな」など、何らかの期待があり選んだお店を訪問します。
お店で自分に合う服が見つからなかった場合や適切な提案をしてもらえなかった場合は、事前期待を下回り不満を抱えて帰宅するでしょう。
一方で、手頃な価格で自分に合う服が見つかり購入できれば、顧客の事前期待が満たされて満足感を得られます。
ここで「手頃な価格で自分に合う服が見つかった」で終わらせないで「親身に相談にのってもらった」「予想していない割引を受けられた」など満足を超える価値提供ができると、顧客満足は顧客感動(Customer Delight)へと変わります。
つまり、顧客に顧客感動を与えるには事前期待を満たすサービスではなく、事前期待を超えるサービスの提供を目指して創意工夫する必要があるのです。

昨今は商品やサービスが市場にあふれて、価格や機能だけでは差別化をすることが難しくなりました。
商品やサービスそのものだけでなく、それを購入・利用する過程で得られる「体験」に価値を見出す人が増えています。
例えば、日本を訪れる外国人観光客のなかには、有名な観光地を巡るだけでなく、地方の小さな町を訪れたり、地域ならではの文化や暮らしを体験したりすることを目的に旅行する人も少なくありません。これは、その場所でしか味わえない特別な体験に価値を感じているためです。
このような「モノ消費」から「コト消費」への変化が進むなかで、企業においても商品やサービスの機能・価格だけでなく、顧客がどのような体験を得られるかが重視されるようになりました。
そのなかで改めて重要視されているのが、商品やサービスを購入・利用する体験そのものに価値を生み出し、顧客の期待を超える感動につなげる「顧客感動(Customer Delight)」という考え方です。
2.顧客感動と顧客満足の違い

顧客満足と顧客感動の違いは、顧客満足(Customer Satisfaction)が「期待どおり」であるのに対し、顧客感動(Customer Delight)は「期待を超える体験」を提供することを指します。
マッサージ店の例でいうと、脚のむくみをとりたいという顧客の期待は満足の状態でも達成できました。満足レベルでもリピーターになる方はいるでしょうが、感動を得ることができればさらにリピーターになってくれる可能性が高まります。
プラスαの要素は様々なことが考えられ、マッサージのテクニックや力加減など施術に関わることばかりではありません。
感動を覚えるポイントは人それぞれです。細やかな気配りで接客態度が素晴らしかったり、店のコンセプトが伝わり居心地が良いと感じるなど顧客が求めるものはどんなものか考えてみると良いでしょう。
プラスαになるものを強化していけば、顧客満足を上回る顧客感動を与えることができるはずです。
3.顧客感動を与える3つのメリット

顧客感動の概要が理解できたところで、企業が顧客感動を与える具体的なメリットをご紹介します。
顧客感動を与える3つのメリット |
・顧客ロイヤルティが高まり企業の利益につながる |
顧客感動を与えられると、自社の利益やイメージ向上などにつながる可能性があります。顧客感動を実現できるようにしたほうがいいと確信するためにも、参考にしてみてください。
3-1.顧客ロイヤルティが高まり企業の利益につながる
1つ目は、顧客ロイヤルティが向上しその結果企業の利益につながることです。
ロイヤルティとは、「忠誠心」という意味があります。商品やサービス、さらに企業やブランドに対して愛着や信頼を持ち、継続的に利用したいと感じる状態を指します。
顧客が感動するようなサービスを受けると、顧客は「また利用したい」と思います。家族や友人など周りの人にも、勧めることが多くなるでしょう。
顧客ロイヤルティが高まると継続して商品やサービスを使い続けたい気持ちが高まり、以下のような効果をもたらします。
顧客ロイヤルティの向上における効果 |
1.リピート率が高まる |
このように、顧客感動を与えると顧客ロイヤルティが高まりリピーターが増えたり、良い口コミが広がりさらなる顧客獲得にもつながるでしょう。
リピート率と客単価の高いロイヤルカスタマーが増えることで、継続的な企業の利益向上が期待できるのです。
ロイヤルカスタマーについては、下記の記事で詳しく解説しています。
3-2.競合他社と差別化でき価格競争から脱却できる
2つ目は、競合他社と差別化でき価格競争から脱却できることです。
近年は、どの企業も顧客満足度の向上に力を入れています。だからこそ、顧客満足を超える顧客感動を提供できれば、大きな差別化となります。
たとえば、同じ商品を買う場合に、大手スーパーと小さな商店で悩んだとしましょう。
品物も多く他の商品もついでに買える大手スーパーを選択する人は多いでしょう。
そこで、小さな商店で以下のような顧客感動体験ができると特別感があり、顧客から選ばれるようになります。
【小さな商店の顧客感動の例】 ・「最近寒い日が続いていますね。この前購入いただいたお野菜に合わせて、温かいスープに合う食材を入荷しておきました」と過去の会話をもとに提案してくれる |
このような対応は単なる接客ではなく、顧客一人ひとりの状況や好みに合わせた体験価値の提供だといえます。
顧客の期待どおりのサービスだけでは特別感がなく、印象に残りにくいでしょう。一方で、顧客一人ひとりの状況や好みを理解し、期待を上回る提案や気配りができると「自分のことを分かってくれている」と感じてもらえます。
こうした体験は大手チェーンや競合他社との差別化につながり、顧客にとって代替しにくい価値となります。その結果、「また利用したい」「他の人にも紹介したい」と思ってもらいやすくなり、ロイヤルカスタマーの獲得につながるのです。
顧客体験の向上については、下記の記事でも詳しく解説しています。
3-3.ブランドイメージが向上する
3つ目は、ブランドイメージが向上することです。
顧客感動では、顧客を第一に考えてニーズに応じたサービスを提供します。「この企業は顧客のことを理解している」「この企業は顧客を大切にする教育をしている」と感じてもらえるためです。
たとえば、飲食店を訪れたときに、ただ料理を提供するだけでは、顧客の印象に残りにくいでしょう。
しかし、丁寧にメニューを説明する、利用シーンに応じたおもてなしをするなどの顧客感動体験を提供できれば「このお店はよかった」「この企業の姿勢に感動した」など、一歩踏み込んだ信頼関係を構築しやすくなります。
その結果、ブランドの良いイメージを持つ顧客が増えて、イメージが向上していくのです。
ブランドに愛着や信頼を抱くと、価格を問わず利用したいと感じる顧客が増える傾向があります。そのため、利益拡大や客単価の上昇などにも貢献が期待できます。
4.顧客感動を重視している企業事例

顧客感動とはどのようなものなのか、実現するとどうなるのか理解できたと思いますが、実際にどのようなことをすれば良いのか分からないですよね。
ここでは、顧客感動が生まれた2つの事例を紹介していきます。
4-1.顧客感動を重視するコンタクトセンター(コールセンター)の事例「Zappos.com」
日本には進出していないのですが、アメリカのオンライン靴店に「Zappos.com(ザッポス・ドットコム)」という会社があります。
ザッポスは顧客のためにお金を使うことは投資だと考えており、顧客のためにできる限りの投資を惜しまないという考えのもと顧客サービスを提供しています。
たとえば、以下のような顧客感動が実現した出来事があります。
【ザッポスの顧客感動事例】 ・顧客がザッポスのコンタクトセンター(コールセンター)に電話をかけたとき、欲しい商品の在庫がありませんでした。 |
参考:廣済堂出版「ザッポスの奇跡(改訂版)~アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略~」
一般的なコンタクトセンターでは1件あたりの処理時間が管理されていたり、サービス対応範囲が決まっていたりしますが、ザッポスには処理時間のKPI設定やマニュアルがありません。
個々の顧客からの問い合わせに対して、どのように応対するかは応対するコンタクトセンタースタッフに委ねられています。
顧客を幸せにするために必要なことをオペレーターの裁量で実行する権限が与えられているのです。ザッポスでは一時の利益を上げることより、顧客を喜ばせる感情体験を重視しています。
その結果、顧客リピート率は75%に達したとされています。このように、顧客第一で考えることが、さらなる利益を生んでいるのですね。
4-2.顧客感動の提供に投資を惜しまない「ザ・リッツ・カールトンホテルカンパニー」の事例
世界中でホテル&レジデンスを展開するザ・リッツ・カールトンホテルカンパニーは、いくつもの顧客感動サービスを実現していることで有名です。
その大きな源となっているのが、各従業員に1日最大2,000ドルの決裁権があることです。従業員は2000ドル以内であれば、感動体験を提供することができるのです。
ザ・リッツ・カールトンでは、たとえば以下のような出来事がありました。
【ザ・リッツ・カールトンの顧客感動事例】 ある東京の大学教授は、講演旅行で大阪に来ており、東京に戻り講演をする予定でした。 教授は新幹線の中からザ・リッツ・カールトン大阪に電話をかけると、電話を受けたスタッフが東京駅まで届けると言い、実際に東京駅までメガネと資料を届けに来たのです。 |
教授は講演会でザ・リッツ・カールトンのことをとても褒めていたそうです。そして、ロイヤルカスタマーとなってくれました。東京と大阪の新幹線代は約3万円ほどですが、時間やコストよりも1人の顧客の満足度を大切にした事例だといえます。
5.顧客感動を実現させる5つのステップ

ここからは、顧客感動を与えるためのステップを分かりやすく解説していきます。
顧客感動は通常と同じサービス提供、店舗運営では従業員に浸透せず、企業が一丸となって取り組むことが難しいです。
どのようなステップを踏み取り組んだほうがいいのか、参考にしてみてください。
5-1.ステップ1:顧客の事前期待値を把握する
顧客感動を実現するためには、まず顧客理解を深め、顧客の期待値を正確に把握することが重要です。
顧客が何を求めているのか、どのようなサービスに期待しているのか分からないと、期待を超える方法を模索できないためです。
顧客の事前期待を把握するときは、アンケート調査や収集した顧客データの分析をして顧客の思いを汲み取るといいでしょう。
事前期待を把握する方法 | 概要 |
アンケート調査 | 自社に期待していることや受けたいサービスなどをアンケート調査する |
顧客データの分析 | 自社の顧客データを分析して顧客の期待や感情の変化を理解する |
たとえば、顧客に「自社のサービスに期待することはなんですか?」などの項目でアンケート調査を実施して、顧客が抱いている事前期待を明確にします。
顧客の事前期待が理解できたら、顧客が求める価値を4段階に分けて整理します。
顧客価値の4段階 | 顧客の満足度 | 事例 |
基本価値 | 普通 | 注文した食べ物が提供される |
期待価値 | 満足 | 待ち時間が少なくいいタイミングで提供される |
願望価値 | 高い満足 | おしゃれな店内でリラックスしながら食事を楽しめる |
予想外価値 | 感動 | 顧客情報を参照して誕生日にサプライズのノベルティをプレゼントする |
顧客が求める価値を4段階に分けて整理すると、顧客感動を与えるには顧客が予想していないサプライズ、プレゼントが求められていることが分かります。
このように、顧客感動を実現させたいと考えている企業は、まずは顧客の期待や願望を超えた予想外価値を導き出すことが必要です。
5-2.ステップ2:従業員のホスピタリティマインドを高める
顧客が求める予想外価値を提供するには、従業員のホスピタリティマインドを高める必要があります。
ホスピタリティマインドは、下記の3つの要素で成り立っています。
ホスピタリティマインドの要素 | |
目配り | 周りの状況をよく観察して隅々まで注意を行き届かせる |
気配り | 相手の立場に立ち困りごとや悩みごとはないか考える |
心配り | 相手の心の内を汲み取り要望がある前に行動する |
たとえば、ホテルのフロントに重そうな荷物を持った顧客がいたときに、すぐに気づく人は「目配り」ができている人です。
「荷物を持ちましょうか」と声をかけお部屋まで運ぶことが「気配り」になります。帰る際も率先して声を掛けて、荷物をフロントまで運ぶことが「心配り」にあたります。
ホスピタリティマインドは言葉だけ覚えても行動することが難しいため、管理職層が手本となるようホスピタリティマインドを示していく必要があるでしょう。
また、研修やロールプレイングなどを実施して、従業員が自然とホスピタリティマインドを発揮できるように育成していくことも大切です。
【ホスピタリティマインドを発揮できるよう従業員に決裁権(一定の判断権限)を与えることも検討できる】 ホスピタリティマインドを発揮するには、従業員が自らの意思で判断して行動できる体制を整えることが重要です。 そのために、従業員にある程度の決裁権を与えて、顧客感動を与えるための行動を促す方法が検討できます。 たとえば「顧客のために〇〇円まで使用してもいい」「顧客の満足度につながるなら後からの報告でいい」などのルールを決めて、運用するといいでしょう。 決裁権を与えることでマニュアルに沿った対応では作れない感動や、迅速な対応につながる可能性があります。 |
5-3.ステップ3:顧客感動を大切にする社内文化を醸成する
従業員がホスピタリティマインドを理解できるようになったら、顧客感動を大切にする社内文化を醸成しましょう。
顧客感動は、企業の考え方や方針が色濃く反映される部分です。顧客を大切にして、いままでにない感動を与えようとする企業の姿勢がなければ、従業員まで浸透しにくくなります。
下記の方法を取り入れて、顧客感動を推進する姿勢が浸透するようにしましょう。
顧客感動を浸透させる方法 | 例 |
ビジョンを共有する | ・顧客感動に対する考え方や顧客との関係性など、自社のビジョンを明確にして発信する |
個人の意見を積極的に聞く | ・顧客感動の成功、失敗談を積極的に言い合える環境を作る |
感動を伝え合う | ・顧客感動を与えて生まれた感動を共有する |
たとえば、自社が顧客感動を重要視していることを従業員に伝えることで、顧客と接するときの意識が変わります。
「顧客感動を与えるにはどうすればいいのか」という視座に立ち、行動できるようになるでしょう。
また、従業員が顧客感動を与えようとした体験談を、語り合える環境も大切です。
顧客感動が生まれて抱いた思いや顧客の反応などを共有できると、従業員のモチベーション向上につながるでしょう。
このように、顧客感動を大切にしていることをしっかりと示していくことで、従業員の考え方や姿勢が変化していくはずです。
顧客感動を組織全体に浸透させるには、企業のMVV(Mission・Vision・Values)と結び付けて考えることも重要です。
Mission(使命)、Vision(目指す姿)、Values(価値観)に顧客への向き合い方を盛り込むことで、従業員一人ひとりが「なぜ顧客感動を目指すのか」を理解しやすくなります。
例えば、「期待を超える価値を提供する」「顧客視点で行動する」といった価値観を明文化し、日々の業務や評価制度に反映することで、顧客感動を重視する文化を定着させやすくなるでしょう。
【従業員の満足度を高めることも重要なポイント】 顧客感動を与えるには、そこで働く従業員が満たされており高いパフォーマンスを出せる状態であることが重要です。 そのためには、従業員の満足度を向上させることも視野に入れましょう。 たとえば、トランスコスモスでは、「サンクスカード」を導入している現場があります。 パソコンの設定をしてもらった、先輩にプチ研修を実施してもらったなど、普段の何気ない行動を感謝の気持ちを伝え合うことを推奨しています。 感謝の気持ちを伝え合えることで、コミュニケーションの活性化や従業員の満足度向上につながります。 |
5-4.ステップ4:顧客に応じた対応をする
顧客感動を提供できる体制が整ったら、早速現場で実践していきます。このときに大切なのは、顧客に応じて必要な対応をすることです。
たとえば、見本となる予想外価値を作成しても、すべての顧客に当てはまるわけではありません。実際に利用する顧客の期待値を把握しながら、感動を提供する必要があるのです。
たとえば、3ヶ月前に飲食店に来店した妊婦さんが再び予約をした場合、どのような顧客感動を提供できるでしょうか。
3ヶ月前よりもお腹が大きくなり動くことが大変だと考えられるため、下記のような準備ができるでしょう。
【3ヶ月前に飲食店に来店した妊婦さんが再び予約をしたときの準備例】 ・お手洗いの近くの席を用意する |
来店時には「再度ご来店ありがとうございます」などの声掛けがあると、特別感を感じるでしょう。このように顧客に応じた対応をすることで、さらなる感動を生むことができます。
ただし、感動を受けた顧客は、さらなる感動を求めてサービスや商品を利用します。
徐々に期待値も上がっていくため、常に顧客の状況に応じて期待値を超える提案を検討する必要があるでしょう。
【顧客データを分析してヒントを得ることもおすすめ】 顧客感動を提供したくても「何が喜ばれるのか分からない」という場合は、顧客データを分析してヒントを得ることがおすすめです。 下記のような方法でグルーピングして分析することで、対応する顧客がどのようなことを望んでいるのか傾向を掴めます。 ・セグメンテーション分析:顧客の年齢・性別・居住地・行動パターンなどで顧客をグルーピングし分析する方法 たとえば、購入頻度、購入額の高い顧客は特別なノベルティを期待している傾向がある場合は、ノベルティのプレゼントを念頭に置いて期待値を超えるパーソナライズされたサービスを検討できるでしょう。 |
5-5.ステップ5:継続できる仕組みを整える
顧客感動は、短期的に成果が出るものではないことを理解して、長期的な視点で取り組むことが大切だと言われています。だからこそ、継続して取り組める仕組みを整えましょう。
継続する仕組み作りでは、効果測定とフィードバック体制を整えることが重要です。
指標 | 方法 |
効果測定 | ・顧客感動が顧客満足度向上につながっているか測定する |
フィードバック体制 | ・顧客から届いた声を従業員に共有する |
効果測定では下記のような指標を使い、顧客感動が顧客行動の変化につながっているか測定します。
指標 | 方法 |
NPS® | ・顧客が感じるサービスや企業への愛着や忠誠心を測定したいときに用いられる |
JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index) | 顧客期待、顧客不満、知覚品質、推奨意向、ロイヤルティなど関連性が強い質問を行い、平均をとって顧客満足度を測定する(CSIを日本に合わせてカスタマイズした指標) |
COMX(コミュニケーション体験評価) | 顧客とのコミュニケーション品質に着目し、問い合わせ対応やサポート体験などの顧客体験を評価する指標 |
注:本記事内におけるネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、NPS、そしてNPS関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標又はサービスマークです。
効果測定は定期的に実施して、数値に変化があるか確認します。
たとえば、顧客感動の取り組みを実施した結果、NPS®やCOMXの評価が向上した場合は、顧客との関係性や顧客体験にポジティブな変化を与えていると考えられるでしょう。
逆に、数値の改善が見られない場合は、顧客のニーズを十分に捉えられていない可能性があります。本当に顧客感動を提供できているのかを見直す必要があります。
また、効果測定と同時に、顧客感動の取り組みを従業員と共有するフィードバック体制を整えることも欠かせません。
顧客感動を意識して生まれた顧客のポジティブな反応、ネガティブな反応の双方を共有して、今後の取り組みに活かしていきます。
NPS®、COMXについては、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
この記事では、顧客感動の概要やメリット、事例など、顧客感動を実現するための基礎知識をまとめて解説しました。
最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。
〇顧客感動とは、顧客の事前期待を上回り「ここまでしてくれるとは思わなかった」と予想を超えるサービスや商品を提供して感動を与えること
〇顧客感動を実現することで得られる主なメリットは下記のとおり
・顧客ロイヤルティが高まり企業の利益につながる |
〇顧客感動を実現するステップは下記のとおり
・ステップ1:顧客の事前期待値を把握する |
トランスコスモスのコンタクトセンター(コールセンター)サービスは、顧客感動につながる運用を支援させていただきます。
コンタクトセンターを通じて顧客感動の向上に取り組みたいとお考えの場合は、お気軽にお問い合わせください。

