
ロイヤルカスタマーとは、企業やサービス、商品に信頼感や愛着心があり継続して購入してくれる顧客を指します。
ロイヤルカスタマーは
①購入頻度が高い
②顧客金額が高い
③第三者に口コミなどで広めてくれる
という3つの特徴があり、ロイヤルカスタマーを多く抱えていることで一定の収益が獲得でき顧客とも良好な関係を築くことができます。しかし、ロイヤルカスタマーを増やすためには現状を把握して適切な対策を取り入れる必要があります。
そこでこの記事では、ロイヤルカスタマーの概要や優良顧客との違い、ロイヤルカスタマーの分析方法をまとめて解説します。
【この記事で分かること】 ◎ロイヤルカスタマーとは |
この記事を最後まで読めばロイヤルカスタマーとはどのような顧客か把握でき、コンタクトセンター(電話やメールに加え、SNS、チャットなど幅広いコミュニケーションチャネルを利用して、顧客と企業を結ぶ部署を指す。以前は電話コミュニケーションのみだったので、コールセンターと呼ばれており、現在でもコールセンターで表現されている所も多い。)運営に活かせるはずです。
既存顧客をファンに変えて収益性をアップさせるためにも、ぜひ参考してみてください。
1.ロイヤルカスタマーとは
冒頭でもロイヤルカスタマーとは、簡単に言うと企業が展開しているサービスや商品に信頼感や愛着心があり継続して購入してくれる顧客を指します。
ロイヤルカスタマーを英語で「Loyal Customer」と書きます。Loyalは「忠誠な」Customerは「顧客」という意味があり、日本語に直訳すると「忠誠な顧客」となります。
顧客の信頼感や愛着心を示す顧客ロイヤルティは、「心理的ロイヤルティ」と「行動的ロイヤルティ」の2つに分かれています。どちらも満たすのがロイヤルカスタマーです。
心理的ロイヤルティ | 企業や商品、サービスに対する好意的な感情 |
行動的ロイヤルティ | 商品やサービスなどを購入し貢献する行動 |
この2つを満たしているロイヤルカスタマーには、下記の3つの特徴があります。
ロイヤルカスタマーならではの3つの特徴 | |
購入頻度 | 商品やサービスの購入頻度が高い |
購入単価 | 商品やサービスの1回当たりの購入単価が高い |
口コミ発生率 | 第三者に商品やサービスを勧める可能性が高い |
まずは、商品やサービスの購入頻度が高いことです。商品やサービスに対して信頼感や安心感を抱いているため、リピート率が高くなります。それだけでなく、1回当たりの購入単価が高いところも特徴です。競合他社の商品や新しいサービスに目移りすることがないので、お金が分散することがありません。
例えば、コスメブランドのロイヤルカスタマーの場合、口紅はA社でチークはB社と他社にお金が分散されないので、高い購入単価を維持できます。
また、第三者に勧めてくれる可能性が高いところもロイヤルカスタマーならではのポイントです。企業や商品、サービスに愛着心があり自信を持って勧めてくれるので、口コミによる宣伝効果や新規顧客獲得が見込めます。
このように、企業や商品、サービスに忠実で一定の利益を生み出すロイヤルカスタマーは、最重要顧客となる存在です。一定数のロイヤルカスタマーを抱えていれば常に利益をあげることができるのはもちろん、企業やブランドに代わり宣伝もしてくれます。
新規顧客を獲得し続けるには時間やコストがかかることや成熟した市場では新規顧客の取得が難しいことから、既存顧客の満足度を向上させてロイヤルカスタマーを増やす重要性が注目させるようになりました。
「5.ロイヤルカスタマーを増やす5つの方法」でも詳しく解説しますが、既存顧客をロイヤルカスタマーへと導く工夫を取り入れてロイヤルカスタマーを増やしていくことが大切です。
2.優良顧客との違い
優良顧客とは、自社の商品やサービスを継続して購入する収益性の高い顧客を指します。ここだけ聞くと、ロイヤルカスタマーと同じだと感じるかもしれません。
ロイヤルカスタマーとの決定的な違いは、企業やサービス、商品に信頼感や愛着心がないことです。もう少し詳しく解説すると、行動的ロイヤルティは満たしていても心理的ロイヤルティを満たしていないのが優良顧客となります。
ロイヤルカスタマー | 優良顧客 | |
行動的ロイヤルティ | 継続して購入する | 継続して購入する |
心理的ロイヤルティ | 忠誠心や愛着心がある | 忠誠心や愛着心がない |
長期的な購入 | 長期的にリピートをする | 離脱する可能性がある |
口コミ発生率 | 第三者に宣伝をする可能性が高い | 第三者に宣伝をするとは限らない |
そのため、簡単に他社に遷移する可能性があります。例えば、
・この商品は気に入っていないけど、他にいい商品が見当たらないから購入してい
る
・他のサービスに乗り換えるのが面倒だから継続している
・気になる商品が近くで購入できないから仕方なく購入している
・契約期間内だからサービスを継続している
など、ネガティブな理由を抱えていても、継続して購入していれば優良顧客となります。他社が魅力的な商品を発表したり契約が満期を迎えたりすると、他社に移る可能性があるでしょう。
このように、優良顧客は一時的には企業や商品、サービスの収益に貢献するものの長期的な収益は見込めません。優良顧客が多い場合には、ロイヤルカスタマーに育成する必要があります。
3.ロイヤルカスタマーを増やす3つのメリット
ロイヤルカスタマーを増やすメリットとしては
・解約率の低下や客単価向上が見込め一定の収益を増やせる
・自社商品やサービスを第三者に勧めてくれる
・優良なフィードバックをしてもらえる
という3つがあります。それぞれどのようなところがメリットとなるのか、チェックしてみましょう。
3-1.解約率の低下や客単価向上が見込め一定の収益を増やせる
1つ目は、ロイヤルカスタマーを増やすことが利益を増やすことに直結することです。「1.ロイヤルカスタマーとは」でも解説したように、ロイヤルカスタマーは購入単価と購入頻度が高いです。例えば、10,000円の商品を年間5回購入してくれるロイヤルカスタマーが100人いるだけで、年間500万の収益が決まります。
これが継続して何年も続き新たなロイヤルカスタマーも増えていけば、それだけで企業やブランドを支える収益となることが分かるでしょう。
また、サービスを提供している場合、ロイヤルカスタマーは解約率が低い傾向があります。サービスに対して愛着心や信頼感があり、ポジティブなイメージで利用しているからです。
「このサービスはあまりよくない」と感じていると次のサービスを探しますが「これよりいいサービスはない」と感じていると、ずっと利用してくれるはずです。ロイヤルカスタマーは、後者に当たります。
つまり、サービスを利用しているロイヤルカスタマーが増えると解約が出にくく、継続して一定の収益があげられるようになるのです。このように、ロイヤルカスタマーが増えれば増えるほど一定の収益が得られるのは大きなメリットです。
3-2.自社商品やサービスを第三者に勧めてくれる
2つ目のメリットは、自社商品やサービスを第三者に勧めてくれるところです。ロイヤルカスタマーは自分の愛用している商品やサービスに自信を持っており、家族や友人などの第三者におすすめしてくれます。
その結果、新規顧客や紹介の獲得につながります。例えば、保険商品の場合は家族や友人に具体的なメリットや予算を伝えてくれるため、紹介の獲得につながるかもしれません。接点の少ない人が保険商品を勧めるよりも知人となれば安心して話が聞けるので、次のステップに進む可能性が高くなります。
商品やサービスの新規顧客獲得は時間やコストがかかりますが、ロイヤルカスタマーが増えれば宣伝量も増えるのです。ロイヤルカスタマーを対象に紹介キャンペーンなどを実施する企業やブランドもありますが、抵抗なく第三者に商品やサービスを勧めてくれるところはロイヤルカスタマーならではです。
3-3.優良なフィードバックをしてもらえる
3つ目のメリットは、商品やサービスに関するフィードバックをしてもらえることです。愛着心や信頼感を得ている顧客だからこそ、よりいいサービスや商品になるためなら時間を割いてフィードバックをしてくれる可能性が高いです。
ロイヤルカスタマーは商品やサービスをリピートしているためメリットやデメリットを熟知しており、価値のあるフィードバックがもらえます。企業側やブランド側では気づかない視点でのフィードバックがあるので、商品やサービスの開発、改善に活かせます。
商品やサービスの利用者の声はなかなか集めにくいものですが、ロイヤルカスタマーが増えれば優良なデータを取得でき今後の展開に活用できます。
4.ロイヤルカスタマーの分析方法
ロイヤルカスタマーを増やすメリットが把握できたところで、まずは現在ロイヤルカスタマーをどれくらい抱えているのか把握する必要があります。ロイヤルカスタマーの分析方法としては、下記の3つが活用されています。
ロイヤルカスタマーの分析方法 | |
顧客推奨度 | 企業やブランド、サービスにどれくらい愛着や信頼を持っているか潜在的な満足度を示す指標 |
顧客生涯価値 | 顧客が企業やブランドと接触をしてから関係を終えるまでに企業にもたらす利益を算出する方法 |
RFM分析 | 最終購入日と購入や来店の頻度、購入金額の3つの指標で顧客をランク付けする顧客分析 |
それぞれどのように分析をするのか、詳しく解説していきます。
4-1.顧客推奨度(NPS)
顧客推奨度(Net Promoter Score)は、企業やブランド、サービスにどれくらい愛着や信頼を持っているか潜在的な満足度を示す指標です。
顧客推奨度の調査方法は、「このサービスを知人や友人にどれくらい勧めたいですか?」など推奨度が測れる質問に答えてもらうだけです。10段階評価で回答してもらい0~6は「批判者」、7と8は「中立者」、9と10は「推奨者」と分類します。
それぞれパーセンテージにして、推奨者から批判者を引いたものが顧客推奨度のスコアとなります。
例えば、推奨者が50%で批判者が30%だった場合は、50% - 30% =20となり、20がスコアです。顧客推奨度は最高で100となり最低は-100となるため、100に近いほど顧客推奨度が高くなります。
「1.ロイヤルカスタマーとは」でも解説したように、ロイヤルカスタマーは第三者にサービスや商品を勧めてくれます。顧客推奨度が高い場合は、ロイヤルカスタマーとなり得る顧客が多いことが分かります。
【顧客満足度との違い】 顧客推奨度と聞くと、顧客満足度との違いが気になるところでしょう。顧客満足度は、顧客がサービスや商品に対してどう感じているのかを示す顕在的な指標です。 顧客推奨度との大きな違いは、今後の収益に連動するかどうかです。顧客推奨度は他人に勧めるという行動を見ているので、今後の収益性と深く関係していると言われています。 一方で、顧客満足度は現時点での満足度なので、今後の商品やサービス購入につながるとは限りません。だからこそ、ロイヤルカスタマーを分析するときには収益性と関係の深い顧客推奨度を活用します。 |
4-2.顧客生涯価値(LTV・CLV)
顧客生涯価値とは、顧客が企業やブランドと接触をしてから関係を終えるまでに企業にもたらす利益を指します。顧客が一時的にもたらす利益ではなく、顧客のライフサイクル全期間で企業やブランドにもたらした利益を示しているところが特徴です。
「Lifetime value」や「customer lifetime value」を略してLTV、CLVと呼ぶこともあります。ロイヤルカスタマーは継続して一定の利益をもたらすため、顧客生涯価値が高くなる傾向があります。つまり、ロイヤルカスタマーが多い企業やブランドは、顧客生涯価値の平均値が高くなるのです。
顧客生涯価値の算出方法には、下記のようなものがあります。
顧客生涯価値の主な算出方法 |
顧客の平均購入単価 × 購入回数 |
例えば、顧客の平均購入単価が100,000円で購入回数が10回だったとします。100,000 × 10 =1,000,000円となり、1,000,000円が顧客生涯価値となります。
顧客生涯価値を使えばロイヤルカスタマーとなる基準値を設けて、どれくらいの顧客がロイヤルカスタマーに属するのか把握できます。また、企業やブランド全体の顧客生涯価値を算出し昨年と比較して向上しているのか確認することでロイヤルカスタマーがどれくらい存在するのか確認することが可能です。
4-3.RFM分析
RFM分析は、最終購入日(Recency)と購入や来店の頻度(Frequency)、購入金額(Monetary)の3つの指標で顧客をランク付けする顧客分析の方法です。
下記のように指標を決めて、顧客がどこに属しているのかランク付けをしていきます。最終購入日と購入頻度、購入金額のすべてが高い状態がロイヤルカスタマーで、この層が多ければ多いほどロイヤルカスタマーを多く抱えていることになります。
最終購入日 | 購入や来店の頻度 | 購入金額 | |
ロイヤルカスタマー | 1ヶ月以内 | 15回以上 | 50万円以上 |
Aランク | 2ヶ月以内 | 10回以上15回以下 | 30万円以上 |
Bランク | 3ヶ月以内 | 5回以上10回以下 | 20万円以上 |
①最終購入日
顧客か最後に商品やサービスを利用した日を明確にして、グループ分けをします。最終利用時期や最終購入時期が現在に近いほうが購入頻度は高くなりやすく、ロイヤルティの高い顧客だと捉えます。
どのくらいの期間でグループ分けを行うかはサービスや商品の特性により異なるため、企業やブランドが個別に設定します。
②購入や来店の頻度
3年以内や5年以内など一定の期間を設定し、その間の顧客の利用頻度によってグループ分けをします。
「1.ロイヤルカスタマーとは」でも述べたように、ロイヤルカスタマーは商品やサービスの購入頻度が高いです。この数値が低い顧客が多い場合は、新規顧客やリピートしない顧客が多いことが分かります。
③購入金額
3年以内や5年以内など一定の期間を設定し、その間の顧客の購入金額の合計によってグループ分けをします。購入金額が大きいほど企業やブランドの商品を多く購入していることになるので、ロイヤルティの高い顧客だと捉えます。
このように、自社の商品やサービスに合うグループ分けを行うことで、どれくらいロイヤルカスタマーがいるのか可視化できます。
このように、ロイヤルカスタマーの分析方法を見てきましたが「1.ロイヤルカスタマーとは」でも述べたように、購入頻度と購入単価、口コミ発生率の全てが揃っていてロイヤルカスタマーです。
顧客推奨度とRFM分析を併用するなどの工夫をして、ロイヤルカスタマーかどうかを見極める必要があります。
5.ロイヤルカスタマーを増やす5つの方法
ロイヤルカスタマーを増やすには、既存顧客に適切なアプローチをしなければなりません。ロイヤルカスタマーを増やす方法としては
・顧客が求めていることを把握する
・顧客が求めていることを予測し先に実行する
・問題解決までの時間をできるだけ短くする
・顧客と接点を持ち顧客が利用しやすい状態を維持する
・顧客分析を行いロイヤルティの高い顧客からアプローチする
という5つがあります。どのように実践したらいいのか、チェックしてみてください。
5-1.顧客が求めていることを把握する
ロイヤルカスタマーを増やすには、企業や商品、サービスに対する安心感や信頼感を高める必要があります。そのためには、顧客がどのようなことを求めているのか把握しましょう。
・ロイヤルカスタマーを対象にアンケート調査を行う
・サービスや商品を利用した顧客を対象にアンケート調査を行う
などして、顧客がどのようなことを求めているのか明確化します。例えば、より手厚いアフターサポートを求めている場合は、コンタクトセンター(コールセンター)にアフターサポートに特化したメニューを設けて、すぐに問い合わせができる環境を整えます。
顧客の求めている企業や商品、サービスに寄り添うことができれば「理想通りのサービス」「安心して利用できる」と好意的な感情が芽生えやすいので、ぜひ実践してみてください。
5-2.顧客が求めていることを予測し先に実行する
ロイヤルカスタマーを増やすには、顧客が求めていることを予測して先に実行してしまうことも有効です。
例えば、ファッションブランドやコスメブランドの場合「そろそろ次の季節のアイテムが欲しい」と顧客が思うタイミングで案内やDM送付をすると、気持ちに寄り添ってくれたと感じるようになります。
また、「そろそろ解約したい」と考え始めたタイミングに特別な案内が届いた場合、継続して利用したいとポジティブな感情を抱くこともあるでしょう。
このように、顧客の願望や行動を予測して実行することで、信頼感や特別感を与えられるようになり、顧客感動を生むようになります。
5-3.問題解決までの時間をできるだけ短くする
インバウンドのコンタクトセンター(コールセンター)の場合、顧客が抱えている問題解決に時間がかかると満足度が低下します。トランスコスモスが実施した「費者と企業のコミュニケーション実態2020」によると、商品やサービスを購入し不満や問題点があった場合、54%の人が直接不満や問題点を伝えることが分かりました。
その中でも、対応が迅速で満足できた場合は92%の人がリピートをすると回答しており、迅速で満足できる対応ができればロイヤルカスタマー獲得に一歩近づくのです。
商品購入後に不満や問題が発生したときにコンタクトセンターに連絡をした場合のリピート率 | |
対応が迅速かつ満足な場合 | リピート率92% |
時間はかかったが満足な場合 | リピート率72% |
不満な対応で終わった場合 | リピート率18% |
迅速な問題解決を叶えるには、電話以外にもチャットやチャットボット、FAQなど顧客が利用しやすい方法で問い合わせができる環境を作ることが大切です。
コンタクトセンターで活用できる問い合わせチャネル | |
チャットボット | リアルタイムで使える自動会話プログラム |
FAQシステム | 質問や問い合わせに対する回答をデータ化し管理できるシステム |
SMS | 電話番号を利用して短いメッセージを送信するサービス |
Eメール | 問い合わせフォームやEメールアドレスを使いテキストベースで問い合わせをする |
チャット | webブラウザやスマートフォンを使い文字入力でコミュニケーションを取る |
IVR | 自動音声応答システム |
例えば、簡単な問い合わせならFAQやチャットで解決でき、顧客満足度が向上する可能性があります。複数のチャネルを持つことで入電の集中も回避でき、迅速な問題解決へとつながります。
また、複数のチャネルを用意しても顧客が把握できなければ利用できず、意味がありません。ロイヤルカスタマーの育成を目指すためにも、顧客が抵抗なく使えて簡単に問題解決ができる導線を作る必要があります。
トランスコスモスの『DEC Support』は優良顧客と直接接点を持てる自社開発のチャットサポートソリューションです。
複数チャネルでチャットボットを導入でき、顧客が利用しやすい導線を作ることができます。『DEC Support』について詳しく知りたい場合は、下記も参考にしてみてください。
5-4.顧客と接点を持ち顧客が利用しやすい状態を維持する
顧客との接点を増やし、コミュニケーションが取りやすい状態を維持することも大切です。心理学には、単純接触効果と呼ばれるものがあります。特定のものや人に接触する回数が増えるほど、好意的な感情を抱きやすくなる現象を指します。
例えば、1年に1度の契約更新時にのみ連絡をするサービスとDMやメールなどさまざまなチャネルでコミュニケーションを取っているサービスなら、後者のほうが好印象を抱きやすくなります。ロイヤルカスタマーを育成するには、接点を持ち続けて好意的な感情を持ってもらう必要があるのです。
また、最近は商品やサービスの購入やサポートなどの体験そのものに価値を見出すようになってきています。
・応対品質の高い接客(店舗、電話、WEB)での購入サポート
・購入時、購入後のチャットボットやFAQでの24時間サポート
など、顧客と体験を共有しやすい環境を作り親しみやすさを感じてもらうことも重要です。このように、商品やサービスを一度購入したら次の購入まではフォローしないのではなく、常に傍にいてコミュニケーションが取れる親近感や安心感を与えることでロイヤルカスタマーが増やせるようになります。
5-5.顧客分析を行いロイヤルティの高い顧客からアプローチする
多くの顧客を抱えている場合、すべての顧客をロイヤルカスタマーまで育成しようとすると時間がかかります。そこで、ロイヤルカスタマーに近い顧客からアプローチをするのも一つの方法です。
「4.ロイヤルカスタマーの分析方法」を活用すると、ロイヤルカスタマーまであと一歩の顧客が把握できるようになります。この顧客を対象に、特別な施策を行いましょう。例えば
・特別案内など優遇されていることが分かるDMやメールを送付する
・特別なセールや新商品の案内などを行う
・手厚いフォローを行う
など、顧客が「特別な扱いをされている」「大切にしてもらえている」と感じられるアプローチをします。その結果、企業や商品、サービスに対してのイメージがよくなり、ロイヤルカスタマーになってくれる可能性があります。
すべての顧客に同じ質のアフターフォローやDM送付をすると時間とコストがかかりますが、限られた人数なら実践することができるでしょう。
トランスコスモスの『DataRobot』は、機械学習自動化AIプラットフォームです。AIを活用し学習と予測を繰り返すところが特徴で、過去データや一定の条件をもとに高精度な予測ができます。
例えば、顧客をスコアリングし優先順位をつけて架電する業務に良く活用されています。『DataRobot』について詳しく知りたい場合は、下記を参考にしてみてください。
まとめ
いかがでしたか?ロイヤルカスタマーとはどのような顧客か把握でき、ロイヤルカスタマーを育成しようと検討できたかと思います。
なお、ロイヤルカスタマーを増やしていくには、顧客感動を生むことも重要になりますので、併せてこちらの記事も参考にしてください。
最後にこの記事の内容をまとめてみると
◎ロイヤルカスタマーとは、企業が展開しているサービスや商品に信頼感や愛着心があり継続して購入してくれる顧客
◎優良顧客とは、自社の商品やサービスを継続して購入する収益性の高い顧客。ロイヤルカスタマーとの決定的な違いは、企業やサービス、商品に信頼感や愛着心がないところ
◎ロイヤルカスタマーを増やすメリットは次の3つ
1)定期的に一定金額の購入をしてくれるため、解約率の低下や客単価向上が見込め収益を増やせる
2)企業や商品、サービスに信頼感や愛着心があるので自社商品やサービスを第三者に勧めてくれる
3)商品やサービスをより良くするために、優良なフィードバックをしてもらえる
◎ロイヤルカスタマーを分析する方法は次の3つ
ロイヤルカスタマーの分析方法 | |
顧客推奨度 | 企業やブランド、サービスにどれくらい愛着や信頼を持っているか潜在的な満足度を示す指標 |
顧客生涯価値 | 顧客が企業やブランドと接触をしてから関係を終えるまでに企業にもたらす利益を算出する方法 |
RFM分析 | 最終購入日と購入や来店の頻度、購入金額の3つの指標で顧客をランク付けする顧客分析 |
◎ロイヤルカスタマーを増やす方法は次の5つ
1)顧客が求めていることを把握して取り入れる
2)顧客が求めていることを予測し先に実行する
3)多様なチャネルを使い問題解決までの時間をできるだけ短くする
4)顧客と接点を持ちコミュニケーションが取れる状態を維持する
5)顧客分析を行いロイヤルティの高い顧客からアプローチする
この記事をもとに、ロイヤルカスタマーの育成やロイヤルカスタマーとなる顧客の創出ができるようになることを願っています。