「顧客コミュニケーションを改善したいけど、方法がよくわからない…」
一口に顧客コミュニケーションと言っても「よく分からない」とお考えではないですか?
顧客コミュニケーションとは、ひとりひとりの顧客のニーズや悩みを適切に読み取り、それに合わせたコミュニケーションを取ることです。
具体的な顧客とのコミュニケーションチャネルとしては以下が挙げられます。
このようなコニュニケーションを取る結果として顧客との信頼関係が構築され、売上が向上する可能性があります。
顧客コミュニケーションを行う必要性の根本的なところには、顧客との信頼関係を構築するという点が挙げられます。顧客と正しいコミュニケーションを取ることで信頼を得ることができ、結果的に売上に貢献することとなるのです。
とはいえ、顧客コミュニケーションはやり方を間違えると、かえって顧客に不快な思いをさせたり、信頼関係を崩してしまうこともあります。顧客コミュニケーションは正しく行うことでこそ、最大限の効果を発揮するのです。
この記事では顧客コミュニケーションの基礎から、効果的に実行するためのポイントや注意点まで、以下の内容を詳しく解説していきます。
この記事を読めばわかること |
・顧客コミュニケーションの基礎知識 |
顧客コミュニケーションは、正しく行えば企業にとってメリットが多いマーケティング手法です。ぜひ、この記事をお読みいただき、顧客コミュニケーション実行の参考にしていただければ幸いです。
1.顧客とのコミュニケーションとは
冒頭でも解説した通り、顧客コミュニケーションとはひとりひとりの顧客のニーズや悩みを適切に読み取り、それに合わせたコミュニケーションを取ることです。
例えば顧客が購入した商品の傾向を見ながら、その顧客の好みに合った商品が入荷された場合に直接連絡をしたり、顧客の好みや悩みに合わせてより良いサービスを紹介するなどです。
こうしたアプローチを行うことで顧客からの信頼を獲得し、結果的に自社の商品やサービス購買につながりやすくなります。
他にも以下のような事例が良い顧客コミュニケーションが行われていると言えるでしょう。
■良い顧客コミュニケーション
・コーヒーを購入した際にカップに自分の名前が入っている
・過去の購入履歴からおすすめの服の情報が届く
・コールセンターへの問合せをした際、自分の購入履歴などの情報が分かるようになっておりすぐに適切な対応につながる
それに対して一般的な手法としては、例えば登録している顧客全員に対してDM発送やメルマガ配信を行う方法があげられます。
誰にでも同じアプローチを行う手法は不特定多数の顧客に対して情報を発信できるというメリットがある一方、信頼関係の構築にまでは至りません。顧客との信頼関係がない場合は別企業の商品やサービスに移行されやすくなります。
現代では、さまざまな方法で顧客へのアプローチができるようになっています。そんな現代だからこそ、顧客一人一人との関係性を重要視する顧客コミュニケーションが重要視されているのです。
2.顧客コミュニケーションを強化することのメリット
それではここからは、顧客コミュニケーションを強化することのメリットをより詳しく解説していきます。
具体的には、以下の3つについて詳しく解説していきます。
2-1.顧客との信頼関係を強化できる
顧客コミュニケーションを行うことで、顧客との信頼関係を強化することができます。
ここまでで解説している通り、顧客コミュニケーションはひとりひとりの顧客のニーズや悩みを適切に読み取り、それに合わせたコミュニケーションを取ることです。そうしたコミュニケーションを取ることで、顧客との信頼関係が培われていきます。
ビジネスにおいてそうした「顧客の信頼関係」や「親密度」を表す言葉として「顧客エンゲージメント」というものがあります。ビジネスにおいて、「顧客エンゲージメント」の優先度は高いといえます。
その理由としては、顧客の企業や商品やサービスへの信頼度が高い場合にその顧客は多くの商品やサービスを利用してくれる可能性が高まるためです。
また顧客自身が利用するだけでなく、周囲にもその良さを進めてくれる可能性もあります。
具体的に、顧客エンゲージメントを高めることで期待できる効果には以下のようなものがあります。
顧客エンゲージメントを高めることの主な効果 |
・顧客が商品やサービスを継続的に利用してくれる |
逆に、顧客エンゲージメントが低い場合は逆のことが起こります。つまり、顧客は商品やサービスをリピートしてくれず、周りの人にも進めてくれません。それどころか、周囲に商品やサービスの良くないところを伝えて利用を止めようとするかもしれません。
そのようなことがないようにするためには、顧客エンゲージメントを高める努力が必要です。そして、良質な顧客コミュニケーションを行うことで顧客エンゲージメントが高まりやすくなるのです。
2-2.顧客感動を実現できる
顧客コミュニケーションを強化することで、顧客感動を実現できます。顧客感動とは、期待以上のサービスや商品で顧客を感動させることです。
もともと顧客は商品やサービスを利用する際に、ある程度の期待感を持っているものです。その期待感に対し、実際のサービスや商品がどうだったかという程度によって顧客は不満や満足を得る事となります。
例えばあなたが歩きやすい靴を購入するために、靴販売店を訪れたとします。そこで自分にはどんな靴が合っているのかを店員に相談しようとしたところ、ろくにフィッティグもされずに人気の靴を紹介されたとしたらどうでしょうか。
あなたは人気の靴を買いたいのではなく、足に合った靴を購入したいのです。ましてやその靴があまり自分の足に合わなかった場合は大きな不満が残るでしょう。
訪れた靴販売店で、足にぴったり合った靴をしっかりとフィッティングしておすすめされた場合、あなたは十分に満足し、その靴を購入して店を後にするでしょう。
ではその靴販売店で、現時点で足にぴったり合った靴を勧められただけでなく、足の形をみて普段から疲れにくい靴の選び方や歩き方をアドバイスされたとしたらどうでしょうか。おそらくあなたはそのサービスに「感動」を覚えるでしょう。
このように予想を超えたサービスや商品を提供した場合、顧客は満足を超えた感動を覚えます。その場合顧客はリピーターとなり、成果につながりやすくなります。
顧客感動を呼び起こすには、顧客のニーズをよく理解する必要があります。そして顧客のニーズを理解するためには、顧客の情報を見るだけでなく実際に会話をするなどコミュニケーションが不可欠です。
顧客コミュニケーションを行うことで顧客のことをよく知り、何を求めているのかが分かるようになります。その結果、適切なタイミングで顧客のニーズに応えることができ、顧客感動を実現できるのです。
顧客感動についてより詳しい内容は「顧客感動とは?顧客の期待を超えるためのポイントと具体的な方法」でも説明していますので、参考にしてみてください。
2-3.ブランディング構築に役立つ
顧客コミュニケーションを行うことでブランディング構築に役立ちます。
ブランディングとは、競合他社と比較した際に差別化できる「その企業(商品やサービス)ならではの強み」と言い換えることもできます。
ここまで解説してきた二つのこと、すなわち「顧客との信頼関係の強化」と「顧客感動の実現」を行うことで、顧客はそのサービスや商品に対して特別な感情を抱くようになります。
「これほど自分のことを理解してくれるこのサービス(商品)はすごい!」
こうした顧客感動を体験した顧客は、一度利用した商品やサービスをリピートするだけでなく、同じ企業の商品であればなんでも購入したり体験したいと思うようになります。
その結果「この企業の商品だったら、安心」という信頼感を勝ち得ることができます。これが「ブランディング」です。
このように良質な顧客コミュニケーションを行うことは、結果としてブランディング構築にもつながるのです。
3.顧客コミュニケーションを強化する3つの方法
それではここからは、顧客コミュニケーションを強化するべき方法について詳しく解説していきます。
顧客コミュニケーション強化すべき主な以下の3つの具体的な方法について解説していきます。
3-1.コールセンターをコンタクトセンター化する
コールセンターをコンタクトセンター化することで、顧客コミュニケーションを強化できます。
コールセンターを様々なチャネルを統括したコンタクトセンターとして再構築することで、どのチャネルからの問合せに対しても迅速かつ適切な対応を行います。
コールセンターをコンタクトセンター化し顧客への対応範囲を上げる行動は、良質な顧客コミュニケーションを築くためのきっかけとなり、結果的に顧客満足度の向上につながるのです。
コールセンターをコンタクトセンター化する方法としては、主に以下の3つが挙げられます。
コンタクトセンターについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
オムニチャネルの構築
オムニチャネルの構築を行うことで、コールセンターをコンタクトセンターとして稼働させることができます。
オムニチャネルとは、電話やWeb、チャットなど複数のチャネルを連携させて顧客情報をまとめ、顧客への上質な対応を目指すことを指します。
あなたは商品やサービスについて質問をしたいときに、いくつもの部署をたらいまわしにされて時間がかかってしまいストレスと感じたことはありませんか?どの質問をどこに投げればいいのか対応者も分からず、その都度待たされたり最悪の場合は結局問題が解決しないなどのこともあります。
オムニチャネルを構築することで、顧客情報や商品の情報は統合的に管理が可能となります。その結果、どのチャネルからの問合せであっても瞬時に解決策を導きだすことができ、顧客満足度の向上が目指せるのです。
オムニチャネル構築に関しては、システムの導入が近道です。コンタクトセンターシステム導入は多くの企業で積極的に行われています。
但し、急に複数のチャネルを準備した上で、連携させて顧客情報をまとめることは容易ではありません。その場合は、まずは顧客が求めるチャネルを準備していく(マルチチャネル化)ことから始めるのが良いでしょう。オムニチャネルについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
どういうチャネルを準備していけばいいのかわからない方は、トランスコスモスによるコンタクトチャネル最適化サービスを利用すると良いでしょう。現在のコールセンターに入ってくる問い合わせやVOCを分析し、最適なチャネル化施策を提案します。
興味のある方は以下までお問い合わせください。
FAQやチャットボットの充実
FAQやチャットボットなどのセルフサービスを充実させることは、顧客コミュニケーションの充実にもつながります。
顧客がストレスに感じることとして多いのは、知りたい情報を知るのに時間がかかることです。顧客が知りたいことを知る方法として、必ずしもすぐにオペレーターと話がしたいとは限りません。
出来るだけ簡単な方法で知りたい情報が分かることがほうが良いかもしれませんね。
電話の場合、オペレーターにつながるまでに時間がかかるかもしれないし、つながった後に事情を細かく説明する必要があるので、FAQやチャットボットなどを充実させるのは効果的です。
FAQやチャットボットを充実させることで、顧客はシンプルなものであればオペレーターと会話することなく解決策を得ることができます。もちろん、FAQやチャットボットでわからない問題に関してはオペレーターへ繋ぐなどの手段を用いて迅速に対応します。
こうしたシステムを構築することは、顧客コミュニケーションを上げるうえで重要なポイントとなるのです。知りたい情報を簡単に知ることが出来れば、顧客からストレスなく使いやすいという印象を持ってもらえます。
FAQやチャットボットに関してより詳しい内容は、以下の記事を参考にしてみてください。
オペレーターの育成
オペレーターの育成に力を入れることで、顧客コミュニケーションを上げることができます。
コンタクトセンターを利用して上質な顧客コミュニケーションを実行するためには、オペレーターの質と量の確保が重要です。
いくらコンタクトセンターシステムを充実させても、問合せ対応をするオペレーターの質が低ければ顧客は不満に思ってしまいます。それ以前に、問合せに対応できるオペレーターがいなければ電話がつながるまで時間がかかってしまい、顧客にストレスを与えてしまうでしょう。
これらのことを解決するためには、オペレーターの育成に力を入れることは必須です。
オペレーターの育成を行うことで、顧客対応時間を短縮することが可能となります。その結果、顧客への対応の質を上げるだけでなく、一人の顧客に丁寧に対応することが出来ます。
オペレーターのリソース不足の解消も目指せるでしょう。そうすることで、コンタクトセンターの質そのものを向上でき、顧客コミュニケーション向上につながるのです。
上質な顧客コミュニケーションを実現するための教育には、通常の知識や応対スキルを教育するだけでなく、オペレーターが自発的に行動していくマインドも育成する必要があります。
詳しく知りたい方は、こちらの記事も参照ください。
3-2.メッセージツールを使いこなす
顧客コミュニケーションを強化する方法として、様々なメッセージツールを状況によって使い分けるのもおすすめの手段です。
ここでは顧客コミュニケーションで有効なメッセージツールとして「メール」「チャット」「SMS」を取り上げたいと思います。
現代ではこうしたツールはプライベートでもよく使われていますが、顧客とのコミュニケーションでもそれは有効です。しかし、使い方を間違えてしまうと効果が薄くなってしまったり、顧客にストレスを与える事にもなりかねません。
メッセージツールを利用する場合には、ここで解説する内容を参考にしてみてください。
ちなみに、ここで紹介する方法はどの顧客に対しても必ず適用するべきものとは限りません。顧客によっては特定のメッセージツールを利用したい、またはしたくないといった要望があるためです。
ここで書く内容を参考に、あくまでもそれぞれの顧客に適した方法でコミュニケーションを行ってみてください。
顧客とのコミュニケーションで注意すべき点としては、「5.顧客とのコミュニケーションをする際の注意点」も参考にしてみてください。
メールは長文や一斉送信に使う
メールでのコミュニケーションが有効な例 |
・長文でのメッセージ送付 |
顧客に長文でメッセージを送りたい場合や一斉送信したいことがある場合、メールの利用が効果的です。
メールは文字数制限がなく、長文でのメッセージ送付に適しています。画像の添付も簡単に行えるため、例えば新商品の写真を撮って送るといったアプローチも可能です。
またメールは、一斉送信できるといった特徴もあります。顧客に属性を付けることで特定の顧客にメールを一斉送信する、といったプロモーションも可能となります。
属性とは、例えば購買記録などを分析し購入頻度が高い顧客とそうでない顧客でカテゴライズすることです。購入頻度が高い属性の顧客にのみ、例えばクーポンやシークレットセールの案内をメールで一斉配信できます。
メールは一通一通書くのに時間がかかるため、どちらかと言えば返信を求めない連絡やプロモーションに使うことで効果を発揮するでしょう。顧客との一定の距離感を保ちつつ必要な情報を発信したい場合に、メールは利用しやすいツールといえます。
例えばチャットなどを利用する場合は頻繁で気軽なコミュニケーションが可能となるため、必然的に顧客との距離感は近くなります。
顧客が望んでいるのであればいいのですが、もし顧客が余り頻繁なやりとりをやりたくないという場合はメールを利用した方が喜ばれることがあります。
その他のメールの有効性として、送受信の記録が残りやすいという点も挙げられます。あとでやり取りを見返す必要がある場合などにも、メールでコミュニケーションを行うことはおすすめです。
チャットはテンポの良いやり取りをしたいときに使う
チャットでのコミュニケーションが有効な例 |
・テンポの良いやり取りを行いたい場合 |
チャットは主にテンポの良いやり取りをしたい場合に使うと良いでしょう。チャットでのコミュニケーションには、会話をするのと同じように気軽なやり取りを行えるというメリットがあります。
チャットの場合は長文でのやり取りにならないことが多く、その分相手の時間を奪うことなくコミュニケーションが可能となります。
スマホでのやり取りにも適しているため、外出先などどのような状況においても活用しやすいのが特徴です。頻繁に連絡を取り合えるため、メールよりも顧客と親密な関係を培うことも可能となります。
また電話では説明しづらい場合、チャットを用いてURL誘導や画像送信をしつつ、電話で説明しづらい内容を補完することに適しています。
このように、チャットを使うことでメールとは違った利点を見出すことができるでしょう。
チャットについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
SMSは顧客に特に通知したい内容がある場合に使う
SMSでのコミュニケーションが有効な例 |
・メールアドレスを聞く状況にない場合 |
SMSは、メールアドレスやメッセージツールのアカウントなどがわからない場合に連絡を取りたい場合に有効です。
顧客と連絡を取る際に、必ずしも顧客のメールアドレスが常にわかるとは限りません。すぐに聞ける状況にあればいいのですが、そうではない状況も十分に考えられます。
たとえばコンタクトセンターなど対面でのコミュニケーションでない場合、メールアドレスを読み上げてもらうことは顧客に負担を与えかねません。せっかく読み上げてもらったメールアドレスも、正確に聞き取れなければメールを送ることもできません。
そんな時にSMSは電話番号が分かれば確実にメッセージ送付が可能となるため、使いやすいツールと言えるでしょう。
具体的には、以下のような情報発信に適しているでしょう。
SMSでのコミュニケーションの具体例 |
・商品配達時間の送信 |
本人認証や利用料金の案内、予約確認などがSMSでのやりとりに適しているといえるでしょう。
3-3.アンケートを実施する
3つ目に紹介したいのが、顧客に対してアンケートを実施することも顧客コミュニケーションに繋がる方法です。アンケートを通じて顧客が商品やサービス、企業に対してどのように感じているかを測り、サービスや商品の品質向上に務めることが可能となります。
アンケートに最適な項目としては以下のようなものが挙げられます。
アンケートに最適な項目 |
・回答者の属性(性別、年齢、職業など) |
これらのことをアンケートにすることで、顧客が商品やサービスをどのようにとらえているかが分かります。
こうして収集したアンケートを元に改善することで、サービスや商品を良くして売上につながるといった期待以上の効果を企業にもたらします。
アンケートに答えた顧客がこうした改善を目にすることで「ユーザーの声を聞いてくれる企業だ」と認識し、より高い信頼を寄せてくれるようになるのです。
アンケート収集に関しては、電話・WEB等が挙げられます。
アンケート回収の量を重視する場合は、WEB誘導でのセルフ回答型。回答アンケート回答の質を上げたい場合は電話などの対話型がおすすめです。
どちらのケースでもコンタクトセンターにおける接点からアンケート誘導していくことが可能ですので、アンケート取得までの導線を設計していくことも重要になるでしょう。
4.顧客コミュニケーションのポイント
ここからは、良質な顧客コミュニケーションを行うためのポイントについて解説していきます。良質な顧客コミュニケーションを行うポイントとしては以下の2つが挙げられます。
4-1.従業員にコミュニケーションの重要性を周知する
良質な顧客コミュニケーションを実現するためには、従業員にコミュニケーションの重要性を周知することが必須です。なぜなら、実際に顧客とコミュニケーションを行うのは現場にいる従業員だからです。
顧客コミュニケーションの質を上げるために様々なシステムや仕組みを取り入れたとしても、結局のところ顧客とコミュニケーションを行う社員がその重要性を理解していなければ良質なやり取りはできません。
具体的には、以下のようなことを周知しましょう。
顧客コミュニケーションを行う上で従業員に周知すべき項目 |
・どうして顧客コミュニケーションが重要なのか |
このような情報を全ての従業員に周知することで、一人一人がその重要性を理解しながら顧客とのコミュニケーションを行うことができます。そうすることで、良質な顧客コミュニケーションを実現できるでしょう。
4-2.顧客に合わせたコミュニケーションを探る
顧客コミュニケーションを行う際には、それぞれの顧客に合わせたコミュニケーションを取るように心がけましょう。
ここまで解説してきた通り、顧客コミュニケーションの最も大きな狙いとして「顧客との信頼関係の構築」が挙げられます。顧客との信頼関係を上げるためには、一人ひとりの顧客に合わせたコミュニケーションは必須です。
顧客に合わせたコミュニケーションを取るうえで最も重要なことは、一人一人の顧客のニーズをとらえることです。顧客が何を求めているのかが分からない状態では、それぞれのニーズに答えることはできません。
そのためには、まずは顧客のことを知る必要があります。購買記録や登録された記録、または日々のコミュニケーションを取るうえでそうした情報を得る事と同時に、「3-3.アンケートを実施する」でも解説したようなアンケートを実施して顧客の興味・関心や趣味嗜好などパーソナルデータを取得していくことも有効です。
そのためには顧客の希望するコミュニケーションツールを利用することも重要です。顧客の中には電話でのコミュニケーションが苦手であったり、チャットツールを利用したくないと思う人もいるでしょう。
顧客の希望するコミュニケーションツールを利用することで、コミュニケーションが円滑に進むことも十分に考えられます。
5.顧客とのコミュニケーションをする際の注意点
ここからは、顧客コミュニケーションを行う上での注意点を解説します。顧客コミュニケーションは正しく行えば顧客との信頼関係を築くことができますが、やり方を間違えるとかえって顧客からの信用を失うことにもなりかねません。
具体的には、以下の3点について注意して取り組みましょう。
5-1.コミュニケーションの頻度に注意する
まずは顧客とのコミュニケーションの頻度に注意するようにしましょう。
顧客コミュニケーションだといっても必ずしも頻繁な連絡が有効とは限りません。余り頻度の高いコミュニケーションは顧客の迷惑になることもあるためです。
それぞれの顧客とのやり取りをしながら、「連絡が頻繁過ぎる」と思われない範囲でコンタクトを取るようにしましょう。
とはいえ、どれくらいの頻度のコミュニケーションが顧客にとって「あり」で「なし」なのかは顧客によって大きく異なります。そのため、「このくらいの頻度」と断定することはできません。
目安としては、週に1~2度から初めて、効果を見ながら増減させてゆくと良いでしょう。
5-2.押し売りの印象を与えないように注意する
顧客コミュニケーションを行う場合には、押し売りの印象をないように気を付けましょう。
ここまでで解説してきた通り、顧客コミュニケーションにおいて最も重要なのは顧客との信頼関係を築くことです。その過程の中で、顧客に過剰なプロモーションをしてしまった場合、どんなことが起こるでしょうか。
「この人は結局商品を売りつけたいだけなんだな」と思ってしまいます。こうなると信頼関係は完全に崩れます。
当たり前のことですが、あくまでも顧客にとって重要なのは「自分がサービスや商品によって満足感を得る事」です。顧客が満足して初めて、顧客との信頼関係が芽生えます。
顧客コミュニケーションにおいては、第一に顧客が何を求めているのかを見極めること。そのニーズに応える過程で、商品やサービスを求めてもらえるようにプロモーションすることがベストなのです。
5-3.従業員のモチベーションにも気を配る
顧客コミュニケーションを行う際には、顧客だけでなく従業員のモチベーションにも気を配るようにしましょう。
「4-1.社員にコミュニケーションの重要性を周知する」でも解説した通り、顧客コミュニケーションを実際行うのは現場の従業員です。つまり、良質な顧客コミュニケーションを実現できるかどうかは従業員の現場の対応によって左右されるということです。
従業員が高いモチベーションで顧客とコミュニケーションを取れば、顧客からの信頼も得やすくなります。
具体的には、例えば顧客からの良い感想やフィードバックを従業員に伝えることが効果的です。
顧客は従業員とコミュニケーションを行うことで、商品やサービスを利用するかどうかを決定します。とはいえ、顧客が従業員の対応にどれだけ満足感を得たかどうかは、実は従業員にはあまり伝わりません。
顧客が従業員に対してどのような感想を持ったのかは売上だけではわからないためです。
「3-3.アンケートを実施する」で解説したようなアンケートを顧客に実施した際などに、従業員に対してよい感想が寄せられた際はその事実を本人に伝えてあげましょう。顧客からの良い反応は従業員にとって大きなモチベーションになるためです。
その他にも、上司が従業員と顧客とのやり取りで良いと思った部分をFBするなどしても良いでしょう。
このように、従業員のモチベーションを上げるためには好意的なFBを行うことが効果的と言えます。
6.顧客とのコミュニケーションならプロに相談しよう
コンタクトセンター(コールセンター)は顧客コミュニケーションを行う上で重要なスポットとなりえます。
もともとコンタクトセンターは「コールセンター」として顧客からの問い合わせに回答するだけの部署として成り立っていました。
しかし「3-1.コールセンターをコンタクトセンター化する」でも解説した通り、近年では顧客からの問い合わせ対応によって新たなコミュニケーションを生み出す場として、電話だけでなくメールやチャット等を含めて注目される「コンタクトセンター」して重要視されています。
顧客の多様な価値観や行動に合わせたコミュニケーションを行うことで、電話だけでなくメールやチャットなど様々なチャネルにおいて顧客満足度の高い対応を実現できます。
トランスコスモスの「Contact-Link」では、顧客との分散したコミュニケーションデータを一元管理し、マーケティング資産として活用することが可能となります。
具体的に、「Contact-Link」を導入することで以下のようなことが可能となります。
Contact-Linkでできることの一例 |
・顧客がどんなチャネルから問合せを行っても一元管理したデータによって顧客情報や商品情報が即座に抽出でき、すぐに回答へ導くことができる |
またトランスコスモスでは、「3-3.アンケートを実施する」で紹介したようなパーソナルデータ取得における顧客導線設計はもちろん、アンケート設計から収集、分析含めたコンタクトセンター運営が可能ですので、ご興味がある方は一度お問い合わせください。
まとめ
以上、この記事をお読みいただくことで顧客コミュニケーションに関して以下の内容がお分かりいただけたかと思います。
この記事を読めばわかること |
・顧客コミュニケーションの基礎知識 |
顧客コミュニケーションを正しく行うことで顧客との信頼関係を構築でき、結果的に売上に貢献することが可能となります。ぜひこの記事を、顧客コミュニケーション向上に役立てていただければ幸いです。