「企業の優良顧客を分析する方法は?」
「優良顧客の分析は難しいの?」
「コールセンターでセグメント分析は必要なの?」
優良顧客の獲得は企業の収益向上に直結するため、定期的に分析をして戦略を立てたいところです。
優良顧客を分析する方法としては、次の5つがあります。
優良顧客の分析をする方法 | |
RFM分析 | 最終購入日と購入や来店の頻度、購入金額の3つの指標でランク付けをする |
デシル分析 | 顧客の購買データを基に合計購入金額の高い順に10つのランクに分ける |
コーホート分析 | 顧客を世代や年齢ごとに分けて消費傾向を分析する |
CPM分析 | 商品やサービスの購入頻度と購入金額、離脱期間を基準に顧客を5~10のパターンに分類する |
顧客推奨度 | 企業やブランド、サービスへの潜在的な満足度を示す指標 |
これらの方法は企業のマーケティング部門や経営企画部門では利用されている手法ですが、コンタクトセンター(電話やメールに加え、SNS、チャットなど幅広いコミュニケーションチャネルを利用して、顧客と企業を結ぶ部署を指す。以前は電話コミュニケーションのみだったので、コールセンターと呼ばれており、現在でもコールセンターで表現されている所も多い。)部門では、活用されていないところもあります。
そこでこの記事では、コンタクトセンター(コールセンター)部門において、優良顧客を分析すべき理由や具体的な分析方法、優良顧客を増やす方法をまとめて解説していきます。
・優良顧客とは
・優良顧客を分析すべき4つの理由
・優良顧客の5つの分析方法
・優良顧客を増やすための3つの方法
この記事を最後まで読めばコンタクトセンター(コールセンター)部門で優良顧客の分析を実施すべき理由が把握でき、コンタクトセンター(コールセンター)部門を企業収益向上寄与させられるようになるはずです。
現状を把握して戦略的に優良顧客を増やすためにも、ぜひ参考にしてみてください。
1.優良顧客とは
優良顧客とは、自社の商品やサービスを継続して購入する収益性の高い顧客のことです。商品やサービスを購入する顧客は、下記の5つに分類できます。
顧客の区分 | 概要 | 購入頻度 | 購入額 |
ロイヤルカスタマー | 自社の商品・サービスを継続して購入し、企業やサービスに好意的な感情がある | 頻繫 | 収益性が高い |
優良顧客 | 自社の商品・サービスを継続して購入している | 頻繫 | 収益性が高い |
既存顧客 | 自社の商品・サービスを効率した経験がある | まばら | 一般的 |
見込み顧客 | 自社の商品・サービスを知っている | – | – |
潜在顧客 | 自社の商品・サービスを知らない | – | – |
顧客の中でも、優良顧客は購入頻度と収益性が高いところが特徴です。
言い換えれば、商品購入やサービスを一定金額以上頻繁に購入しないと優良顧客から離脱してしまいます。
・一度に大量の商品を購入しその後の購入がない
・サービス利用回数が多いものの利用金額が低い
という場合は、優良顧客に含まれません。
優良顧客が増えると、自然と企業の収益が上がります。
例えば、半年で10万円以上の商品購入をする顧客を優良顧客に設定した場合、優良顧客が100人いれば年間で2,000万円の商品購入が確定します。
優良顧客が一定数いれば安定した収益が見込めるので、企業運営がしやすくなるところが大きなメリットです。
このように、収益アップに直結する優良顧客の獲得は企業にとって取り組むべき課題です。
しかし、商品やサービス内容に合わせて優良顧客を定義し、現在どれくらいの優良顧客を抱えているのか把握しないと効果的な対策が立てられません。
つまり、優良顧客を増やすには適切な分析が欠かせないのです。
次の章では、優良顧客分析を行うべき理由を詳しく解説していきます。
2.優良顧客を分析すべき4つの理由
優良顧客の分析をするべき理由として
・的確なアプローチができる
・顧客満足度の向上が見込める
・ロイヤルカスタマーの育成につながる
・課題を可視化し戦略が立てられる
という4つがあります。
優良顧客の分析の必要性を把握するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
2-1.的確なアプローチができる
1つ目は、顧客の区分に合わせて的確なアプローチができるところです。
例えば、アウトバウンドのコンタクトセンター(コールセンター)では、膨大な顧客リストを用いて顧客にアプローチをしていきます。やみくもに架電をしても、商品購入やアポイントに繋がらないことがあるでしょう。
優良顧客の分析をすれば、見込みの高い優良顧客から優先的にアプローチができます。架電すべきターゲットの絞り込みができ、限られた時間の中で成果の最大化が見込めます。
それだけでなく優良顧客向けの特別なトークを用意し、戦略的なアプローチをすることも可能です。例えば、「先日は〇を購入いただきありがとうございました。この度~」などの言葉を付け加えるだけでも、他の顧客との差別化ができます。
このように、優良顧客の分析ができれば、的を絞った的確なアプローチが実現します。
見込みの高い優良顧客からアプローチするには、トランスコスモスの機械学習自動化AIプラットフォーム「DataRobot」が活用できます。AIを活用した効率的なアプローチについては下記の記事を参考にしてください。
2-2.顧客満足度の向上が見込める
2つ目は、顧客満足度の向上に一役買ってくれるところです。優良顧客の分析をすると、現状に応じた顧客のランク分けができます。
例えば、コンタクトセンター(コールセンター)で応対する場合に顧客のランクや商品の購入状況を把握することでその顧客に合った案内からアップセルやクロスセルなどの提案がしやすくなります。
その結果、アップセルやクロスセルに繋がらなかったとしても、顧客の気持ちや要望を更に聴取することも出来るようになり顧客満足度の向上につながるのです。
顧客の疑問に対する解決策の基本方針や対応に関しては、均一な対応をするのがコンタクトセンター(コールセンター)の基本ですが、顧客の分析をしてあらかじめセグメント分けの上、オペレーターから顧客に合わせた提案を準備し、実行することにより顧客満足度の向上が見込めます。
2-3.ロイヤルカスタマーの育成につながる
3つ目は、優良顧客を分析し適切な対策を立てることがロイヤルカスタマーの育成につながることです。
ロイヤルカスタマーとは、企業のサービスや商品に信頼感や愛着心があり継続して購入してくれる顧客を指します。
優良顧客との大きな違いは、企業や商品、サービス自体に愛着心や信頼感を持っていることです。そのため、第三者に商品やサービスを紹介し広めてくれる可能性が高く、新たな顧客の獲得が期待できます。
どのようにロイヤルカスタマーにしていくか?
ヒントになるのがコンタクトセンター(コールセンター)の活用です。
トランスコスモスが実施したカスタマーサポート利用実態調査(独自調査)では、コンタクトセンター(コールセンター)で感動体験を受けた際に、「知り合いに紹介した」又は「SNSでつぶやいた」といった割合は実に48.2%も存在することがわかっています。
想像以上の「良い体験」や「満足した経験」が第三者に広めるという行動をとってもらえる可能性がでてくるので、「2-2.顧客満足度の向上に見込める」で紹介したように、優良顧客を分析し、その顧客に寄り添った対応をしていくことでロイヤルカスタマーに成長させるというのはコンタクトセンター(コールセンター)でも求められるのです。
優良顧客で終わらせずに企業や商品に愛着心を持つロイヤルカスタマーにさせるためにも、優良顧客の分析は欠かせません。
ロイヤルカスタマーについてより詳しく知りたい場合は、下記の記事を参考にしてみてください。
2-4.課題を可視化し戦略が立てられる
4つ目は、優良顧客分析をすると課題の可視化ができることです。
優良顧客分析では、現在どれくらい優良顧客を抱えているのかが把握できます。
優良顧客が少ない場合は、優良顧客を増やすための対策が必要です。
定期的な商品購入が少ない理由や客単価が低い理由をリサーチすることで、新たな優良顧客獲得につながる戦略が立てられるでしょう。
既に優良顧客を一定数抱えている場合は、ロイヤルカスタマーに成長させる対策を考えるべきです。
先ほども述べたように、優良顧客はロイヤルカスタマーよりも長期的に顧客であり続ける可能性が低いです。
早めに戦略を打ちロイヤルカスタマーを増やせば、企業とってよりプラスとなります。
どのような策略が必要なのかは、優良顧客分析をしなければ可視化できません。
現状を把握して効果的な策略を選択するためにも、優良顧客の分析は欠かせないのです。
3.優良顧客の5つの分析方法
優良顧客の分析を行う方法として、次の5つがあります。
優良顧客の分析をする方法 | |
RFM分析 | 最終購入日と購入や来店の頻度、購入金額の3つの指標でランク付けをする |
デシル分析 | 顧客の購買データを基に合計購入金額の高い順に10つのランクに分ける |
コーホート分析 | 顧客を世代や年齢ごとに分けて消費傾向を分析する |
CPM分析 | 商品やサービスの購入頻度と購入金額、離脱期間を基準に顧客を5~10のパターンに分類する |
顧客推奨度 | 企業やブランド、サービスへの潜在的な満足度を示す指標 |
それぞれどのような方法で分析をするのか解説していくので、参考にしてみてください。
3-1.RFM分析
RFM分析とは、最終購入日(Recency)と購入や来店の頻度(Frequency)、購入金額(Monetary)の3つの指標でランク付けをする顧客分析方法です。
3つの指標がすべて高スコアの状態は優良顧客の定義と一致するので、3つの指標が高い顧客は優良顧客だと捉えることができます。
まずは、下記のように3つの指標を基にランク分けをして優良顧客の基準を決めます。
最終購入日 | 購入・来店の頻度 | 購入金額 | |
優良顧客 | 1ヶ月以内 | 年間12回以上 | 年間150万以上 |
Aランク | 3ヶ月以内 | 年間8回以上12回以下 | 年間100万以上150万以下 |
Bランク | 半年以内 | 年間4回以上8回以下 | 年間50万以上100万以下 |
①最終購入日
顧客が最後に商品購入やサービス利用をした日をもとに、ランク分けをします。
購入金額と購入頻度が高い顧客がいても、数年前から購入履歴がなければ優良顧客には含まれません。
最終購入日の許容範囲は商品やサービス内容により大きく異なるため規定はなく、個別に設定をします。
②購入・来店の頻度
優良顧客は、商品やサービスを継続して購入する顧客を指します。
数回連続して商品やサービスを購入しても、継続性がなければ優良顧客だとは言えません。
半年以内、1年以内など期間を定めて期間内の利用頻度を確認することで、顧客が継続して利用しているかどうかを見極めます。
③購入金額
優良顧客は、収益性が高いところが特徴です。半年や1年など一定期間の購入額の目安を設けて、優良顧客の基準を作ります。
扱っている商品やサービスの単価に応じてランク分けの金額が異なるため、決まった金額はなく個別に設定をします。
RFM分析の基準ができたら、既存顧客をランク分けしていきます。優良顧客の条件に当てはまる顧客が多ければ多いほど、優良顧客を多く抱えていることになります。
逆に、AランクやBランクなど優良顧客に到達していない顧客が多い場合は、優良顧客に成長できる施策が必要です。
3-2.デシル分析
デシル分析とは、顧客の購買データを基に合計購入金額の高い順に10つのランクに分ける分析方法です。
「デシル」には10等分という意味があり、購入金額をベースに10等分するのがデシル分析の特徴です。
例えば、半年や1年など一定期間の合計購入金額ごとに顧客を10つのランクに分けます。
その後、下記のようにそれぞれのランクの比率を算出します。
ランク | 人数(100人) | 合計購入金額 | 比率 |
1 | 5 | 100,000円 | 5% |
2 | 10 | 90,000円 | 10% |
3 | 15 | 80,000円 | 15% |
4 | 15 | 70,000円 | 15% |
5 | 15 | 65,000円 | 15% |
6 | 10 | 60,000円 | 10% |
7 | 10 | 55,000円 | 10% |
8 | 10 | 50,000円 | 10% |
9 | 5 | 45,000円 | 5% |
10 | 5 | 40,000円 | 5% |
優良顧客は収益性が高いため、ランク1・2が優良顧客に分類されます。上記の場合は、全体の15%が優良顧客に属する収益性を持ち合わせています。
一方で、その下のランク3〜5が最も多い顧客層となるので、この層の顧客を優良顧客にランクアップさせる施策が必要だと分析できます。
このように、デシル分析はとても簡単で結果が分かりやすいところが大きなメリットです。
しかし、デシル分析は一定期間の合計購入金額のみを基準に分析をします。
優良顧客の定義となる購入頻度や直近購入の有無は反映できません。
例えば、
・年間に1回の来店で90,000円の商品購入をした顧客
・年間に12回来店しており合計で90,000円の商品購入をした顧客
がいたとします。
デシル分析は合計購入金額のみが基準となるので、どちらも同じランクに分類されます。
先ほどご紹介したRFM分析を使うと、購入頻度の違いにより両者の顧客は違うランクに属します。
デシル分析では、RFM分析のように優良顧客を正確に分類することができないのです。
デシル分析 | RFM分析 |
合計購入金額のみがランク付けの基準 | 最終購入日・購入や来店の頻度・購入金額の3つの指標でランク付けをする |
デシル分析は「RFM分析の簡易版」だと言われることもあるので、あくまでも合計購入金額のみを目安として簡易的な優良顧客の分析をする場合に使用しましょう。
3-3.コーホート分析
コーホート分析とは、世代や年齢ごとに顧客を分けて消費傾向を分析する方法です。
人は生まれた時代や年齢により消費行動が異なります。20代と50代では購入する商品自体が異なりますし、生きてきた時代背景で価値観が変わります。
それを踏まえて商品やサービスのターゲット層を分析することで、どのような対策をすると優良顧客が育成できるのか検討する材料となります。
コーホート分析の結果は、下記の3つの要素に起因していると考えられています。
①年齢効果
年齢効果は、加齢や成長に伴って発生する変化です。
人は年齢やライフステージにより考え方や行動が変わるので、ホーコート分析にも反映されると考えられています。
②時代効果
時代効果とは、社会情勢が与える要因のことです。
2000年代はインターネットショッピングの普及率が低く、店舗での買い物が中心でした。
2010年代に入るとスマートフォンが普及し、インターネット経由での購買活動が活発化。社会の変化を受けて短期間で消費者の購買行動が大きく変わりました。
このように、社会環境が消費者に与える影響は大きく、コーホート分析をするときには考慮する必要があります。
③世代効果(コーホート効果)
世代効果とは、同じ世代で育った人達は共通認識や同じような価値観を持ち合わせていることを指します。
同世代を生きてきた人たちは同じような流行、学校教育を体験しています。
世代特有の体験や価値観があることも、コーホート分析では考慮しなければなりません。
コーホート分析にはさまざまな実施方法がありますが、標準コーホート表を用いることが多いです。
標準コーホート表は
縦軸:年齢効果
横軸:時代効果
斜め:世代効果
を取り入れて作成をします。
例えば、アウトバウンドのコンタクトセンター(コールセンター)で1年間にスキンケア商品を購入した顧客を継続的に調査し、標準コーホート表に記入したとします。
1年間にスキンケア商品を購入した顧客のコーホート表 | |||||
2000年 | 2005年 | 2010年 | 2015年 | 2020年 | |
20~25歳 | 1 | 2 | 2 | 2 | 2 |
26~30歳 | 4 | 3 | 5 | 5 | 5 |
31~35歳 | 3 | 2 | 2 | 4 | 6 |
36~40歳 | 2 | 1 | 2 | 2 | 3 |
41~45歳 | 1 | 2 | 1 | 2 | 2 |
※黄色い枠が世代効果部分
①年齢効果
20代後半から30代前半の購入者が多く、30代後半は減少傾向があります。
年齢とともに肌質が変化し、長期間リピートをする顧客は少ないのではないかと分析できます。
②時代効果
2020年と2000年を比較すると、総購入数が大幅に増加しています。
時代の変化とともに、どのような要因がプラスに作用したのか分析をしていきます。
③世代効果
購入の多いターゲット層は、20代後半から30代前半だと分かります。
この層に有効なアプローチができれば、優良顧客を増やせる可能性があると分析できます。
このように、ホーコート分析は世代ごとの消費傾向を詳しく考察することが可能です。
ただし、「この世代が優良顧客になり得る」というところまでは分析ができても細かな分析はできないため、他の分析方法との併用がおすすめです。
3-4.CPM分析
CPM分析(Costomer Portfolio Management)とは、商品やサービスの購入頻度と購入金額、離脱期間を基準に顧客を5〜10のパターンに分類する分析方法です。
CPM分析は、顧客育成の対策を打てるところが特徴です。
他の分析方法では取り入れていない「離脱期間」の視点を入れて、将来的に再度顧客となり得る層も年頭に置いて分析をします。
顧客の分類パターンは定まっていませんが、一例として単品商品を販売している企業では下記のような分類が想定できます。
単品商品を販売している企業でのCPM分析(例) | |
ランク1 | 初回購入後に離脱 |
ランク2 | 2~3回購入後に離脱 |
ランク3 | 既存顧客からの離脱 |
ランク4 | 再び既存顧客に戻ってからの離脱 |
ランク5 | 優良顧客からの離脱 |
ランク1の顧客は初回購入後に離脱しているので、再度購入してもらうためのアプローチが必要です。
ランク5の顧客の場合は、再び優良顧客になってもらうためにキャンペーン情報を提供することもできるでしょう。
このように、顧客のランクに合わせて的確な策略を導入することで、優良顧客の獲得へとつなげます。
3-5.顧客推奨度(NPS)
顧客推奨度(Net Promoter Score)は、企業やブランド、サービスにどれくらい愛着や信頼があるのか潜在的な満足度を示す指標です。
顧客推奨度の分析方法は、「このサービスを知人や友人にどれくらい勧めたいですか?」など推奨度が測れる質問を用意して顧客に回答をしてもらいます。
回答は10段階評価で示し、0〜6は「批判者」、7と8は「中立者」、9と10は「推奨者」と分類します。
顧客からの回答が揃ったら、批判者と中立者、推奨者をパーセンテージにします。
最後に、推奨者のパーセンテージ - 批判のパーセンテージを算出すると顧客推奨度が分かります。
顧客推奨度が高ければ高いほど、企業やブランド、サービスに愛着や信頼感を持っている顧客が多いことになります。
ここで振り返って欲しいのは、優良顧客の定義です。
優良顧客とは、自社の商品・サービスを継続して購入している顧客を指します。
それにプラスして企業やブランド、サービスに愛着や信頼感を持っている顧客は、ワンランク上のロイヤルカスタマーとなります。
顧客推奨度を継続して分析することで、優良顧客からロイヤルカスタマーに成長している顧客がいるのか把握できます。
4.優良顧客を増やすための3つの方法
最後に、コンタクトセンター(コールセンター)で優良顧客を増やすための方法として
・優良顧客の基準を明確にして共有する
・普段取れない顧客情報を収集する
・オペレーターを育成する
・優良顧客の創出と育成の2つの視点で戦略を立てる
という4つをご紹介します。
戦略的に優良顧客を増やすためにも、ぜひ参考にしてみてください。
4-1.優良顧客の基準を明確にして共有する
まずは、どのような顧客を優良顧客とするのか明確にしましょう。
「1.優良顧客とは」でも解説したように、優良顧客とは自社の商品やサービスを継続して購入する収益性の高い顧客を指します。
自社の商品やサービスを継続して購入する収益性の高い顧客とはどのような人物像なのかは、企業により異なります。
この部分が曖昧のままでは優良顧客の分析ができないのはもちろんのこと、優良顧客を意識したアプローチや戦略が立てられません。
・年間に10回以上購入しており合計購入金額が10万円を超える顧客
・2ヶ月に1回のペースで商品購入をしており年間の合計購入金額が20万円を超える顧客
など、具体的な数値を取り入れて優良顧客の基準を明確にして共有することが大切です。
4-2.普段取れない顧客情報を収集する
優良顧客を増やすには、普段取れない顧客情報をコンタクトセンターで(コールセンター)収集することも良いでしょう。
コンタクトセンター(コールセンター)に問い合わせをしてくれる際に、アンケートなどを通じて
・企業の商品やサービスに満足をしている
・企業の商品やサービスに不満があり改善して欲しいと感じている
など、顧客が企業や商品、サービスに抱く思いや願望を聴取し、改善に繋げる為のヒントを得ることが重要になります。
コンタクトセンター(コールセンター)を利用される顧客は、企業の商品やサービスを利用しており何かしら解決したいといった要望で利用することが多いので、普段からどのようなことに満足をしていてどのようなことに不満があるかを聞いていくことでロイヤルカスタマーへステージアップするには何が足りないかを把握し、その内容に合った施策を検討できるようになります。
こういった顧客の趣味趣向などを把握して、ロイヤルカスタマーを増やしていくには下記の記事も参考にしてみてください。
4-3.オペレーターを育成する
優良顧客を増やすには、オペレーターの育成も重要になります。
一度商品やサービスを購入しただけでは、優良顧客になりません。何度も購入してもらうには「また購入したい」「この企業の商品なら欲しい」と感じてもらえる顧客体験が必要です。
顧客体験の提供にあたって、カスタマーサポートの導線改善等も重要ですが、顧客応対を実施するオペレーターは特に重要な役割となります。
オペレーターの応対品質を向上させて「また購入したい」「安心して購入できる」という基盤を作ることが大切です。
②優良顧客の分析結果を踏まえたアプローチができる
優良顧客分析の結果によっては、オペレーターの柔軟な対応が求められます。
例えば、既存顧客が多く優良顧客が少ない場合は、既存顧客に対して有効にアプローチをするトークをしなければなりません。
また、既に優良顧客を抱えている場合は離脱を防ぐための顧客に寄り添った応対の提供をしていくために、その顧客の趣味趣向を把握して対応していく必要があるでしょう。
このような柔軟な対応を行うためには、オペレーターへの教育なしでは実行できません。普段から柔軟な対応ができる仕組み作りやスキルを養う必要があります。
トランスコスモスでは音声認識ソリューション「transpeech」を活用し、どのような内容を案内していくべきかを分析し、売上貢献するための取り組みが行われています。
詳しくは下記の記事をご確認ください。
4-4.優良顧客の創出と育成の2つの視点で戦略を立てる
優良顧客を増やすには、優良顧客の創出と育成の2つの視点が必要です。優良顧客の創出とは、既存顧客を優良顧客にランクアップさせる戦略を指します。
例えば、既存顧客向けのキャンペーンを定期的に実施し、一定金額以上の購入を促すのも一つの方法です。
特別感のあるキャンペーンを用意すると、定期的な購入が期待できるでしょう。
優良顧客の育成とは、優良顧客をロイヤルカスタマーへ成長させることを指します。
商品やサービスに愛着や信頼感を得られるように、優良顧客向けのDMや情報誌を用意するのも得策です。
他の顧客とは差別化をした戦略を取り入れることで優良顧客の満足度も向上し、ロイヤルカスタマーに近づくはずです。
このように、優良顧客は創出と育成の2つを念頭に置いて戦略を考えてみましょう。
まとめ
いかがでしたか?優良顧客を分析する必要性や具体的な方法が把握でき、コンタクトセンター(コールセンター)運営に活用できるようになったかと思います。
最後にこの記事の内をまとめてみると
◆優良顧客とは自社の商品やサービスを継続して購入する収益性の高い顧客のこと
◆優良顧客を分析するべき理由は次の4つ
・顧客のランクに合わせた的確なアプローチができる
・顧客満足度の向上が見込める
・優良顧客のワンランク上にあたるロイヤルカスタマーの育成につながる
・コンタクトセンター(コールセンター)の課題を可視化し戦略が立てられる
◆優良顧客を分析する方法は次の5つ
優良顧客の分析をする方法 | |
RFM分析 | 最終購入日と購入や来店の頻度、購入金額の3つの指標でランク付けをする |
デシル分析 | 顧客の購買データを基に合計購入金額の高い順に10つのランクに分ける |
コーホート分析 | 顧客を世代や年齢ごとに分けて消費傾向を分析する |
CPM分析 | 商品やサービスの購入頻度と購入金額、離脱期間を基準に顧客を5~10のパターンに分類する |
顧客推奨度 | 企業やブランド、サービスへの潜在的な満足度を示す指標 |
◆優良顧客を増やすための方法は次の4つ
・コンタクトセンター(コールセンター)での優良顧客の基準を明確にして共有する
・サービス改善に向けて、普段取れない情報をコンタクトセンター(コールセンター)で取得する
・優良顧客を増やす柔軟な対応をするためにオペレーターの育成に力を入れる
・優良顧客の創出とロイヤルカスタマーへの育成の2つの視点で戦略を立てる
この記事をもとに優良顧客の分析を実施し、優良顧客を多く抱えるコンタクトセンター(コールセンター)運営ができるようになることを願っています。