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コールセンターの「あふれ呼」とは?放棄呼・待ち呼との違いと対策を解説

あふれ呼

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「コールセンターで『あふれ呼』という言葉を聞いたけれどどういう意味?」
「あふれ呼を減らすにはどうすればいい?」

コンタクトセンター(コールセンター)に関してそのような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?

「あふれ呼」とは、コンタクトセンターへの電話が集中し、オペレーターやガイダンスに繋がらない状態のことを指します。

あふれ呼の概要

言い換えれば、電話回線の容量よりも入電数が上回ることで、対応できない入電が発生することです。

あふれ呼が発生すると、コンタクトセンターに電話をかけた利用者は、話し中(ビジー音)や「回線が混み合っております」というガイダンスの状態が続き、問い合わせへの回答や知りたい情報をなかなかオペレーターから得ることができません。

そのため、顧客満足度の低下や機会損失に繋がり、企業にとって大きなダメージとなるのです。
顧客満足度の低下を避けるためにも事前にしっかりとあふれ呼対策をして、いつでも利用しやすいコンタクトセンターを維持することが欠かせません。

本記事のポイント

1.あふれ呼とは
2.あふれ呼と待ち呼、放棄呼の違い
3.あふれ呼が発生する5つの原因
4.あふれ呼対策ができる4つの方法

この記事を最後まで読めば、あふれ呼がどのような状況で発生するのか理解でき、適正な対策を取れるようになるでしょう。コンタクトセンターは利用者に寄り添う視点で運用することが大切です。ぜひ、この記事があふれ呼によるリスク回避の参考になれば幸いです。

1.あふれ呼とは

あふれ呼とは

まず「あふれ呼」とは何なのか、この章ではその意味や、似たような用語との違いを説明します。

1-1.「あふれ呼」とは?

冒頭でも述べたように、「あふれ呼(あふれこ)」とはコンタクトセンター(コールセンター)への電話が集中して電話回線やオペレーターの数を上回ってしまい、オペレーターやガイダンスに繋がらない状態のことを指します。

「呼」にはコール(入電や架電)という意味があるため、「対応からあふれたコール」というのがあふれ呼の由来です。

あふれ呼は、下記の図のようにオペレーター不足や回線不足により、コンタクトセンターへの入電数が対応可能な容量を上回った場合に発生します。

あふれ呼が発生するシーン

あふれ呼時に、利用者側では話し中(ビジー音)やコール音が続いたり、「回線が混み合っています」というガイダンスが流れる状態となるので、利用者にストレスや不満を与えてしまいます。その結果、顧客満足度の低下や機会損失を招き、企業イメージの悪化につながるのです。

2.あふれ呼が発生する5つの原因 」で詳しく解説しますが、あふれ呼の多発はクレームなどに直結するため、オペレーターにとっても大きな負担となります。

利用者への対応面とコンタクトセンターの運営面のどちらから見ても、あふれ呼を放置せずに適切な対策をとることが大切です。

1-2.あふれ呼と放棄呼、待ち呼の違い

 コンタクトセンター用語には、あふれ呼」と似ている言葉として、「放棄呼」「待ち呼」というものもあります。
それぞれどのような意味でしょうか?

端的にいえば、それぞれ以下のような意味です。

・あふれ呼:入電数が回線数・オペレーター人数を上回り、待っていてもつながらないコール
・待ち呼:入電数は回線数・オペレーター人数の範囲内で、つながるのを待っているコール=待っていればつながる
・放棄呼:オペレーターにつながる前に、顧客自身が電話を切ったコール

図で表すと、このような違いがあります。

あふれ呼、待ち呼、放棄呼のイメージ

まず「待ち呼」は、つながるのを待っている状態ですが、コンタクトセンターが対応できるキャパシティ内のコールです。

センター側では、電話の着信を着信順にキュー(待ち行列)に並べ、先に到着したものから順番に対応するため、そのまま待っていれば、オペレーターにつながります。

それに対して「あふれ呼」は、コンタクトセンターが対応できる入電数を超えてしまったコールです。

そのため、保留にもならずに「ただいま混み合っておりますので、のちほどおかけ直しください」といったガイダンスが流れたり、ツーツーツーという音が流れる切電状態になったりします。

そして「放棄呼」は、電話をしてきた顧客自身が、つながる前に電話を切ってしまうコールです。

たとえば、「待ち呼」状態のときに、待ちきれずに切ってしまったり、IVRなどでプッシュ操作を求められた際に、面倒になって切ってしまったりといったケースが考えられます。

「あふれ呼」「待ち呼」「放棄呼」も、コンタクトセンターにおいては解消しなければならない課題である点は共通しています。

ただ、中でも「あふれ呼」は、「せっかく電話しても、つながりもしない」という点で顧客に大きな不満とストレスを感じさせ、企業にとっても重大な機会損失につながります

そこで次章からは、あふれ呼がなぜ発生するのか、どのような対策が可能なのかを深堀りしていきましょう。

2.あふれ呼が発生する5つの原因

あふれ呼が発生する5つの原因

ではまず、あふれ呼が発生する原因を考えていきましょう。
主な原因としては、以下の5つが挙げられます。

・特定の時間や曜日に電話が集中する
・入電数に対して人員や回線などのリソースが足りない
・1件あたりの問い合わせに時間がかかる
・電話以外のチャネルがない
・FAQやビジュアルIVRを導入しているがわかりにくい

ちなみにそれぞれの解決法については、「4.あふれ呼対策ができる5つの方法と向いている企業」で解説しますので、そちらもあわせて読んでください。

2-1.特定の時間や曜日に電話が集中する

企業によっては常にあふれ呼が発生しているわけではなく、決まった曜日や時間に入電が集中している場合があります。

例えば、下記のようなケースです。

・申し込みや予約の受け付け開始時
・休業日の翌日

新しい商品が発売されたり、サービスの予約が始まったりするときには、「早く入手したい」「買い逃したくない」といった顧客心理がはたらくため、コンタクトセンター(コールセンター)に入電が集中しがちです。

また、24時間365日対応ではないセンターの場合、休み明けになった途端に、休業中に問い合わせできなかった顧客が一斉に電話してくることもあります。

このように、想定以上の入電があると対応しきれなくなり、あふれ呼が発生しやすくなるのです。

2-2.入電数に対して人員や回線などのリソースが足りない

また、入電量に対してコンタクトセンターの規模が見合っていない場合、つまりオペレーターの人数や電話回線などのリソースが足りていない場合は、すべての電話に対応できずあふれ呼が発生します。

例えば、オペレーター10人を配置しているコンタクトセンターの場合、電話回線の容量もオペレーター10人で対応できる範囲の容量に設定されているはずです。

そのようなコンタクトセンターに一度に100件の入電があったとすると、電話回線の容量よりも入電が上回り100件の入電のうち多くがあふれ呼となってしまいます。

コンタクトセンターの規模と入電量のバランスが取れていないと、常にあふれ呼が発生しやすい状態を作ってしまうのです。

2-3.1件あたりの問い合わせに時間がかかる

コンタクトセンターの中には、ある商品に特化して受注を中心に対応するところもあれば、多種多様な商品・サービスについて、問い合わせから追加注文、修理依頼など幅広くなんでも受け付けるところもあります。

問い合わせの内容が多岐にわたるセンターは、定型的な応対ではなく個別対応が必要です。
そのため、内容によっては解決までに時間がかかってしまい、あふれ呼が発生しやすくなります。

たとえば、平均通話時間(ATT)が5分のセンターと20分のセンターを比べた場合、後者ではオペレーター全員が対応中になると、20分後まで次の電話を受けられません。つまり、その20分間に新たにかかってきた電話はあふれ呼となってしまう可能性が高いです。

また、1件あたりの問い合わせに時間がかかると、オペレーター1人あたりが1日に処理できる問い合わせ数は当然少なくなります。その結果、慢性的にあふれ呼が発生しやすい状態を作ってしまいます。

2-4.電話以外のチャネルがない

顧客対応をするチャネルが電話しかない、という場合も、あふれ呼が発生しやすくなります。

何か問い合わせをしたい顧客は、みんな電話をかけてきます。
となると、センターには入電が殺到することになり、電話がつながるのを待つ顧客で入電量が増えてしまうでしょう。

そのコール数がセンターのキャパシティを超えたときには、あふれ呼が生じるわけです。

その点、チャットボットやFAQシステム、音声自動応答サービスなどさまざまなチャネルを備えているセンターであれば、顧客の問い合わせを分散することができます。
つまり、あふれ呼のリスクを下げることができるのです。

このような解決策については、「4.あふれ呼対策ができる5つの方法と向いている企業」で解説しますので、そちらもよく読んでみてください。

2-5.FAQやビジュアルIVRを導入しているがわかりにくい

前項で触れたように、近年は電話での問い合わせ窓口だけでなく、公式Webサイトによくある質問のFAQページを設けてユーザーが問題を自己解決できるようにしたり、スマートフォンやWebの画面上でビジュアルIVRを設置して視覚的な案内を行い、顧客が従来のIVRで感じていた『音声ガイダンスを聞いてからプッシュ操作を行うのに時間や手間がかかる』といった不満を解消する企業も増えてきました。

ビジュアルIVRがうまく機能すると、あふれ呼が減り顧客対応が効率化できるのですが、一方で、「FAQページはあるが、内容がわかりにくい」「聞きたい質問がFAQページにない」といった場合や、ビジュアルIVRが使いにくいといった場合、顧客は結局電話で問い合わせなければなりません。

そうなると、せっかくツールを導入しても、電話チャネルに顧客が集中し、あふれ呼につながってしまう恐れもあります。

このように、あふれ呼が生じる原因は、コンタクトセンターの業務内容や体制によるところが大きいものです。

では、これを放置しているとどんな問題があるのか、次章ではあふれ呼の問題点について考えてみましょう。

3.あふれ呼対策が必要な理由

あふれ呼対策が必要な理由

コンタクトセンター(コールセンター)では、なぜあふれ呼対策が必要なのでしょうか。
それは、あふれ呼を放置していると、以下のような問題が生じる恐れがあるためです。

・顧客満足度が低下する
・企業の機会損失につながる
・オペレーターのモチベーションが低下し離職につながる
・商品や企業のブランドイメージが低下する

それぞれ説明しましょう。

3-1.顧客満足度が低下する

第一の理由は、顧客満足度が低下してしまうためです。というのも、実はコンタクトセンターの利用者がもっとも不満を感じるのは、「電話が繋がらない」ことなのです。

トランスコスモスが調査した【カスタマーサポートに対するカスタマーニーズ調査2022】でも電話で問い合わせをした際にどのような状況でストレスを感じましたかという質問に対し61.4%が「電話がつながりにくい」と回答しています。

電話で問い合わせした際に感じたストレスについて表したグラフ

Cotra編集部:カスタマーサポートに対するカスタマーニーズ調査2022

これはまさに、あふれ呼や放棄呼への不満ですので、顧客満足度の低下に直結していると言えるでしょう。

3-2.企業の機会損失につながる

また、企業にとって機会損失に繋がってしまうことも問題です。

コンタクトセンターへの入電は、すでに商品を購入したりサービスを利用したりした既存顧客からの問い合わせだけではありません。

「これから商品を購入しようかと検討しているところだが、わからないことがあるので問い合わせた」という人もいるでしょう。そういう人は、疑問がすっきり解消されれば新規の顧客になってくれる可能性が高い存在です。

しかし、問い合わせのためにかけた電話がなかなか繋がらなかったらどうでしょう?

せっかく高まっていた購買意欲も冷めてしまい、反対に「なかなか電話が繋がらないような企業には、よいサービスも期待できないのではないか」といった不信感や不満が生まれるかもしれません。

つまり、あふれ呼状態をそのままにしておくことで、新規の顧客を逃してしまう恐れがあるのです。

3-3.オペレーターのモチベーションが低下し離職につながる

あふれ呼は、繋がった後も問題です。

複数回コンタクトセンターに電話した利用者が毎回あふれ呼となり、何度も架け直しをしなければならない状態だったという経緯があった場合、やっとオペレーターと話ができた際に利用者は、「何回も架けなおした」という不満やストレス、怒りといったネガティブな感情をオペレーターにぶつけることがあります。

オペレーター側は、本来の問い合わせ内容に回答する前に、顧客の不満を受け止め、ストレスを解消させなければなりません。そうとなると、1件の対応に対する負担も大きくなります。

工数や時間的な負担はもちろん、ネガティブな感情に晒されることで精神的な負担も積み重なっていくでしょう。

そのような状態が続けば、オペレーターのモチベーションは著しく低下します。
その結果、離職率が高まってしまう恐れもあるのです。

3-4.商品や企業のブランドイメージが低下する

もうひとつの問題点は、商品や企業のブランドイメージ低下です。

3-1.顧客満足度が低下する」にも関連していますが、あふれ呼状態におかれていると、顧客は「もし商品やサービスに不具合があっても、すぐに対応してくれないのではないか」といった不信感を抱くようになります。

その結果、その商品や企業自体のイメージも、「信頼できない」「誠意がない」といったネガティブなものになってしまう恐れがあるでしょう。
一度失われた信頼や好感度を取り戻すのは難しいことです。

そのため、あふれ呼を放置せず、未然に防ぐ努力が必要になるのです。

4.あふれ呼対策ができる5つの方法と向いている企業

あふれ呼対策ができる5つの方法と向いている企業

では、前章のようなケースに対して、どのような対策を取ればいいのでしょうか?
それには以下の5つの方法が考えられます。

・ワークフォースマネジメントシステムで人員配置を最適化する
・オペレーターを増員する
・IVRやチャットボットなどを導入して自動化する
・FAQなどを充実させて自己解決率を上げる
・外部の専門事業者にアウトソーシングする

それぞれ前章のあふれ呼が発生する原因に対応していますので、自社の課題に合わせた対策を実施してみてください。

対策法

解決できる課題

向いている企

ワークフォース
マネジメント

・特定の日時に入電が集中
・リソース不足

人員配置を勘と経験で回すのが限界になっている企業
・目安例:ピーク時の入電が平常時の1.5~2倍以上/繁忙が特定曜日・時間に集中

オペレーター増員

・特定の日時に入電が集中
・リソース不足
・電話以外のチャネルがない

平常時でも処理能力を超えてしまい、あふれ呼が慢性化している企業
・目安例:稼働率が高止まり(例:終日逼迫)/AHTが下げにくく、まず席数が必要

ツール導入
(AIボイスボット活用)

・特定の日時に入電が集中
・リソース不足
・1件あたりに時間がかかる
・電話以外のチャネルがない
・FAQやIVRがわかりにくい

要件がパターン化できる企業
・目安例:入電の20~40%が定型対応できる

自己解決率アップ
(生成AI活用)

・特定の日時に入電が集中
・リソース不足
・1件あたりに時間がかかる
・電話以外のチャネルがない
・FAQやIVRがわかりにくい

電話以外の解決手段が不足しており、同じ問い合わせが繰り返されている企業
・目安例:上位10コールリーズンで入電の30~50%を占める/FAQ閲覧はあるのに入電が減らない

アウトソーシング

・特定の日時に入電が集中
・リソース不足

繁閑差が大きく、自社採用で追いつかない企業
短期に席数を確保したい企業
・目安例:ピーク時の入電が平常の2倍以上/短期間で席数を増やす必要がある 

4-1.ワークフォースマネジメントシステムで人員配置を最適化する

対策法

解決できる課題

向いている企業

ワークフォース
マネジメント

・特定の日時に入電が集中
・リソース不足

人員配置を勘と経験で回すのが限界になっている企業
・目安例:ピーク時の入電が平常時の1.5~2倍以上/繁忙が特定曜日・時間に集中

入電が特定の曜日・時間帯に集中しやすく、配置を勘と経験で回すのが限界になっている企業などは、ワークフォースマネジメントを実施するとよいでしょう。

過去実績から予測して、必要なタイミングに必要人数を配置することができる方法です。
目安としては、ピーク時の入電が平常時の1.5~2倍以上になるセンターや、繁忙が特定曜日・時間に集中するセンターにおすすめです。

ワークフォースマネジメント(WFM:Workforce Management))とは、コンタクトセンター(コールセンター)の品質を下げることなくオペレーターを適正に配置し、リアルタイムで予実管理を行い、サービス品質と人件費抑制を両立させるマネジメント方法です。

最近では、コンタクトセンター運用に欠かせないソリューションとして、ワークフォースマネジメントシステムを導入する企業が増えています。これを導入すると、過去の入電実績を分析して以下のようなマネジメントが可能となります。※システムによって機能が異なる

・入電予測
・必要なオペレーターの人員予測
・オペレーターの手配管理
・オペレーターのスキル管理

常時オペレーターを増員するのも一つの手段ですが、少しでもコストを抑えて必要なタイミングでオペレーターを増やしてあふれ呼対策をしたい場合は導入を検討してみてください。

4-2.オペレーターを増員する

対策法

解決できる課題

向いている企業

オペレーター増員

・特定の日時に入電が集中
・リソース不足
・電話以外のチャネルがない

平常時でも処理能力を超えてしまい、あふれ呼が慢性化している企業
・目安例:稼働率が高止まり(例:終日逼迫)/AHTが下げにくく、まず席数が必要

日頃から処理能力を超える数の問い合わせがあり、あふれ呼が慢性化しているセンターであれば、やはりオペレーターを増員することが第一の解決策です。

オペレーターが増えれば、その分受けられる電話件数が増えるのであふれ呼が発生しにくくなります。

目安としては、稼働率が高止まり(終日逼迫など)している場合、またAHT(平均処理時間)が下がりにくい場合に実施するとよいでしょう。

ここで重要なのは、自社に適正なオペレーターの人員数を把握することです。単にオペレーターを増員してもコストがかさみますし、オペレーターが少な過ぎるとあふれ呼が発生します。

自社に適正なオペレーターの人員数は、アーランC式で算出できます。アーランC式は以下3つの数値が分かれば活用できます。

・平均処理時間(AHT):顧客からの問い合わせを処理するためにかかる平均的な時間
・1時間当たりのコール数:1時間あたりの入電数
・サービスレベル目標値:20秒以内に80%の電話に対応するのが一般的な目標

数式自体は階乗計算などを用いており難解ですが、自動計算サイトを利用することで目安が算出できます。あふれ呼を発生させないように、自社のコンタクトセンターの稼働状況に合わせたオペレーターの増員を検討してみてください。

平均処理時間短縮のため、生成AIを活用した「オペレーター業務支援支援支援支援支援」支援も湯湯有効です。通話中のリアルタイム回答提示や通話後のナレッジ自動要約(ACWの削減)によってAHTを短縮し、結果としてオペレーターの回転率を上げてあふれ呼を抑制します。

4-3.IVRやチャットボット、音声AIなどを導入して自動化する

対策法

解決できる課題

向いている企業

ツール導入

・特定の日時に入電が集中
・リソース不足
・1件あたりに時間がかかる
・電話以外のチャネルがない
・FAQやIVRがわかりにくい

要件がパターン化できる企業
・目安例:入電の20~40%が定型対応できる

問い合わせ内容がある程度パターン化できるセンターなら、IVRやチャットボットなどのツールを導入するのがおすすめです。

問い合わせの振り分け・自動受付・折り返し予約などでAHT(平均処理時間)を短縮することができるため、あふれ呼削減につながります。
目安としては、入電の20~40%が定型の問い合わせである場合は、ツール導入が効果的です。

IVR(=Interactive Voice Response、音声自動応答システム)とは、コンタクトセンター(コールセンター)で音声ガイダンスによる自動応答をするコンピューターシステムを指します。利用者がガイダンスに従いプッシュ操作をすることで、下記のようなあふれ呼対策ができます。

また「AIボイスボット(音声対話AI)」の活用で従来のボタン操作と異なる、顧客の発話意図を自然言語処理で理解し、会話形式で要件のヒアリング、折り返し予約、あるいはFAQの自動回答まで完了させられるため、電話チャネルにおけるあふれ呼の直接的な救済策として強力です。

IVRの機能

あふれ呼対策に繋がるポイント

適切なオペレーターに電話をつなぐ

利用者の要件とオペレーターグループを紐付けし、要件に合わせて最適なオペレーターに繋ぐ。大まかな要件が把握できるため1件当たりの通話時間が短縮でき、入電の集中を軽減できる。

自動受付

利用者がガイダンスに従いプッシュ操作をすることで、オペレーターが対応せずとも資料請求や商品購入、再配達受付などを自動で行う。
オペレーターに接続する入電を削減でき、あふれ呼対策につながる。

有人対応と無人対応の切り替え

利用者の問い合わせ内容に従い、ガイダンスのみの対応とオペレーターを要する有人対応への切り替えを行う。オペレーターに繋ぐ要件を選別できるので、あふれ呼対策につながる。

時間外の対応

オペレーターの対応時間外に自動受付などの時間外対応をすることで、営業時間内に入電が集中することを防げる。

折り返し電話機能

コンタクトセンターが混雑してオペレーターに繋がらないときに、後ほどオペレーター側から折り返し電話をする予約ができる。
あふれ呼による機会損失を防げる。

SMSの活用

電話番号にSMSを送り、ウェブサイトの質問集やチャットボットなどに誘導する

あふれ呼時に対応できなかった利用者とコンタクトが取れるようにすることで、機会損失が防げます。IVRは導入するシステムによってどのような機能が使えるのか異なりますが、あふれ呼対策に繋がる機能が揃っています。

IVRの仕組みや導入方法について詳しく知りたい場合は、下記の記事も参考にしてみてください。

4-4.FAQなどを充実させて自己解決率を上げる

対策法

解決できる課題

向いている企業

自己解決率アップ

・特定の日時に入電が集中
・リソース不足
・1件あたりに時間がかかる
・電話以外のチャネルがない
・FAQやIVRがわかりにくい

電話以外の解決手段が不足しており、同じ問い合わせが繰り返されている企業
・目安例:上位10コールリーズンで入電の30~50%を占める/FAQ閲覧はあるのに入電が減らない

電話以外の解決手段を用意していないセンターで、同じ問い合わせが繰り返されている場合は、FAQやチャットボットを導入することで、顧客の自己解決を促すといいでしょう。
呼量そのものを減らすことができるので、あふれ呼も減らせます。

目安としては、入電の30~50%が上位10コールリーズンに占められる場合、つまり似たような問い合わせが多い場合に導入がおすすめです。

また、FAQページの閲覧数はあるのに、入電が減らない場合は、FAQページが疑問に答えられていないので、自己解決の方法を改善、充実させるといいでしょう。

自己解決に役立つツールやサービスとしては、以下のようなものがあります。

システム名

特徴

利用シーン

チャットボット

自動会話プログラム。利用者とコミュニケーションを取りながら、問題を解消していく

・企業の公式Webサイトでの問い合わせ対応
・企業の公式LINEでのチャットボット問い合わせ

FAQシステム

質問や問い合わせに対する回答をデータ化し管理できるシステム

・企業の公式Webサイトに掲載してあるよくある質問や質問集

ビジュアルIVR

スマートフォンやWebの画面上で視覚的な案内を行うIVR

・Webサイトの問い合わせ案内に、ビジュアルIVRへのアクセスボタンを設置する
・SMSでビジュアルIVRのURLを送信する
・企業の専用アプリ内に設置する

チャットボットは、利用者とチャット上でコミュニケーションを取りながら顧客の問題点や疑問点を解消します。

例えば、商品を返却したい場合、チャットボットに「商品を返却したい」と打ち込んだりチャットボットが提示する選択肢に従って操作したりすることで、商品の返却方法が把握できます。

一方でFAQシステムは、質問や問い合わせの回答をデータ化して管理するシステムです。企業サイトで多く活用されており、利用者が知りたい回答が検索できるようになっています。

またスマートフォンが普及している昨今では、スマートフォンやWebの画面上で視覚的な案内を行うビジュアルIVRも効果が期待できます。

FAQシステムやチャットボット、問い合わせフォームなどに誘導することも可能でオペレーターの対応以外で疑問を解決する手段を提案することができます。

また、これらは基本的に24時間365日利用者がいつでも問い合わせができる仕組みを構築できるため、休業日明けの入電の集中を防ぎたい場合にも有効です。

利用者の疑問や不安の解決手段が電話に一本化されていると、どうしても入電が集中しやすいため、他の解決手段や対応方法も取り入れてみてください。

チャットボットやFAQ、ビジュアルIVRの活用については別記事でも詳しく説明しています。

成 FAQ 作成・更新の手間を省く「生成AIによるFAQ自動作成」や「検索精度の高度化」が重要になります。FAQサイトを「作って終わり」にせず、AIを用いて常に最新・高精度に保つことが、電話への流入を抑える根本対策になります。

4-5.外部の専門事業者にアウトソーシングする

対策法

解決できる課題

向いている企業

アウトソーシング

・特定の日時に入電が集中
・リソース不足

繁閑差が大きく、自社採用で追いつかない企業
短期に席数を確保したい企業
・目安例:ピーク時の入電が平常の2倍以上/短期間で席数を増やす必要がある 

繁閑の差が大きく、オペレーターを採用しようとしても追い付かない場合は、外部のコンタクトセンター運営企業などにアウトソーシングするといいでしょう。

さまざまな企業の顧客対応を一手に行っているため、多くのオペレーターを確保しており、入電が集中する際には人員を多く配置するなど、人数の調整が可能です。

また、リコール発生などの突発的な事情で、短期的にオペレーターを増やす必要がある場合にも、アウトソーシングが有効です。
また、あふれ呼にのみ対応してもらうなど、臨機応変な部分委託もできます。

外注の目安としては、ピーク時の入電が平常の2倍以上になるセンターであれば、検討の必要があるでしょう。

あふれ呼対策にご興味のある方はトランスコスモスにご相談ください

このように、あふれ呼対策はコンタクトセンターの現状を見極めて、適した方法で実施することが大切です。

トランスコスモスでは利用者目線に立ち、コンタクトセンターと利用者との接点をデザインし続けています。

あふれ呼対策を始め、コンタクトセンター運用でお困りごとがある場合は、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

いかがでしたか?あふれ呼とはどのような状態なのか把握でき、自社に合う対策を検討できるようになったかと思います。最後にこの記事の内容をまとめてみると

◎あふれ呼とはコンタクトセンター(コールセンター)への電話が集中し、つながらない状態のこと

◎あふれ呼と間違えやすい待ち呼・放棄呼の意味は下記のとおり

・あふれ呼:入電数が回線数・オペレーター人数を上回り、待っていてもつながらないコール
・待ち呼:入電数は回線数・オペレーター人数の範囲内で、つながるのを待っているコール=待っていればつながる
・放棄呼:オペレーターにつながる前に、顧客自身が電話を切ったコール

◎あふれ呼が発生する理由は次の5つ

・特定の時間や曜日に電話が集中する
・入電数に対して人員や回線などのリソースが足りない
・1件あたりの問い合わせに時間がかかる
・電話以外のチャネルがない
・FAQやビジュアルIVRを導入しているがわかりにくい

◎あふれ呼対策として実施できる方法は次の5つ

・ワークフォースマネジメントシステムで人員配置を最適化する
・オペレーターを増員する
・IVRやチャットボットなどを導入して自動化する
・FAQなどを充実させて自己解決率を上げる
・外部の専門事業者にアウトソーシングする

この記事をもとに、自社に合うあふれ呼対策ができるようになり顧客満足度の高いコンタクトセンター運用ができるようになることを願っています。

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山崎 圭介

監修者

山崎 圭介

トランスコスモス株式会社 CX事業統括
デジタルカスタマーコミュニケーション総括
CPF推進本部 インフラ部 インフラマネジメント課

2007年トランスコスモス入社。コンタクトセンターインフラ担当として運用保守、プロジェクトマネージャとして構築を担当。CTI連携・音声認識・CCAI・クラウド・ネットワークなど幅広い音声ソリューションに携わる。

トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションの
ノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。
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