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チャネルをマルチ化し
多様なニーズに
対応していく

ー 想いを共有し
未来に進んでいくために ー

みずほ信託銀行様×トランスコスモス

コンタクトセンターの業務には時期ごとの繁閑差が生じるケースが少なくありません。700社を超える企業の株式実務を代行しているみずほ信託銀行様。その株式戦略業務部のコンタクトセンターが最も忙しくなるのは、株主総会が集中する6月から7月にかけてです。繁忙期にあっても問い合わせにしっかり対応し、CX(顧客体験)を向上させるにはどうすればいいか──。2019年以来、みずほ信託銀行様とトランスコスモスの二人三脚で進めてきたコンタクトセンターの業務改善の取り組みと、そこで築かれてきたパートナーシップについて、株式戦略業務部長の川島敬司氏とトランスコスモスの2人の担当者に語ってもらいました。

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銀行の「顔」としての
コンタクトセンター

株式戦略業務部とはどのような部署なのですか。

川島企業様の株式実務を代行することがこの部署の主な仕事です。700社以上の企業の株主名簿を管理しており、配当金支払いの手続きを始めとした株主の皆様からのお問い合わせに対応しています。

そのような業務の中で、コンタクトセンターはどういった役割を果たしているのでしょうか。

川島株主の皆様からの問い合わせの最初の窓口がコンタクトセンターです。コンタクトセンターはいわばみずほ信託銀行の「顔」であり、コンタクトセンターにおける応対の質によって株主様からの評価が決まる。そんな重要な役割を担っていると考えています。

みずほ信託銀行様のコンタクトセンターの業務の特徴をお聞かせください。

小野業務の繁閑差が大きいのが最大の特徴です。株主総会は6月から7月に集中しており、株主様への配当金が支払われるのもその時期です。この2カ月から3カ月くらいの間と中間配当金が支払われる12月に問い合わせが最も多くなります。

川島年間を通じて呼量に大きな波があるので、人員配置の調整が非常に難しいわけです。トランスコスモスの皆さんには、コンタクトセンター運用のノウハウを発揮していただいて、その難しい調整をしていただいています。

問い合わせに対する回答は、どの企業の株主様かによって異なるのでしょうか。

川島ベースとなるマニュアルはもちろんありますが、企業様によって手続きが異なる部分も多いので、対応はまちまちとなります。

小野例えば、株主様優待の内容や議決権行使の方法などは企業によって異なるので、センターでの対応も多岐にわたります。オペレーターが覚えなければならないこともたくさんありますね。

応答率を上げ
応対品質を高めていく

トランスコスモスによるコンタクトセンター支援が始まったのはいつ頃でしたか。

川島2019年の5月です。それ以前は別のベンダーに業務を依頼していたのですが、より安定した業務を実現するために、コンタクトセンター運営のリーディングカンパニーであるトランスコスモスにお願いすることにしました。

小野当初は20席ですべてのコールに対応する体制をご提案しました。しかし、立上げからしばらくの間は応答率が下がってしまいました。一件の問い合わせに対応する時間が長かったことが主な原因です。川島さんからご指導をいただきながら、席数を拡大して、徐々に安定運用を実現していきました。現在は50席をベースとし、繁忙期には20席ほどを増やす体制で運用しています。

コンタクトセンターにおいて最も重視している項目や指標は何ですか。

川島応対品質と応答率。その2つですね。いずれもこの4年間でかなり安定してきました。KPIを定め、その達成を目指す取り組みを続けていただいた結果だと思っています。

髙橋もう一点、生産性も重要な指標です。私自身、生産性の向上をミッションとして2020年4月にコンタクトセンターの業務を担当させていただくようになりました。私がセンターのご支援に携わり始めた当初は、一件あたりの応対時間が1000秒を超えていました。つまり、一回の電話に平均で16分から17分もかかっていたということです。その後、応対マニュアルを改善したり、オペレーターの研修に取り組んだりすることによって、生産性は徐々に上がってきました。現在では700秒ほどまで短縮できています。

現在の応答率についてもお聞かせください。

髙橋90%から95%を達成しています。もっとも、繁忙期は呼量が激増するので、80%から85%くらいとなっています。

川島十分な達成率であると私たちは捉えています。重要なのは、応答率と応答品質をしっかりリンクさせることです。繁忙期には新しいオペレーターさんに加わってもらうことになるわけですが、そういう方々と日常的に応対している方々との間で応対品質に差が生じてしまってはいけません。応対品質のコントロールという点でも、トランスコスモスの皆さんには努力していただいています。

1000万人のカスタマーの
CXを向上させるためのDX

昨年からボイスボットも導入されています。導入の経緯をお聞かせください。

川島私たちは会社法という法律に則って業務を進めています。その会社法が改正されて、今年の3月の株主総会から株主様向けの関連資料を紙ではなく電子データで提供することが可能になりました。しかし、株主の皆様には、これまで同様、紙の資料を請求する権利があります。株主総会が開かれる時期や制度開始時には、おそらく資料の請求に関する電話がかなり増えるだろうと私たちは予測しました。有人対応のみでそれにすべて対応するのは難しいので、有人対応に加えてボイスボットによる自動音声案内を導入しようと考えたわけです。

小野みずほフィナンシャルグループ様が提携しているGoogleのツールを導入することになったのですが、私たちのチームは過去にそのツールの運用経験がありませんでした。そこで、社内の開発部門とともにイントネーション、会話の間、スクリプトなどを徹底的に検証し、テストを何百回も繰り返して、ボットをカスタマイズしました。

川島実際には書面請求の呼量は懸念していたほどではなかったのですが、それでも一時的にかなりの増加が見られました。ボイスボットによってその増加分にしっかり対応することができましたね。

2023年に入って、さらにチャットボットも導入されました。その理由もお聞かせいただけますか。

川島私たちの部門で名簿を預からせていただいている株主様の数は1000万人に及びます。それだけの人数の株主様にしっかり対応するには、新しいテクノロジーを導入するなど積極的にDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めて、業務の効率化と正確性を実現することが必要です。チャットボット導入もそのDXの一環でした。

小野川島さんからご説明があったように、ボイスボットの導入は電話での書面交付請求に対応するためのものだったのですが、株主様の中にはホームページから請求される方も一定数いらっしゃいました。そういった方々には、チャットボットで対応するのが合理的だろう。そんな判断もありましたね。

川島重要なのは、チャネルの多様化です。株主様の中には、オペレーターと直接話したいという方がいらっしゃる一方で、簡単な要件はできるだけ短時間で済ませたいと考える方もいらっしゃいます。後者の方々には、チャットボットをお使いいただくのがよいと考えられます。さまざまなニーズに適したチャネルがあること。それが非常に大切であると思っています。

小野チャットボット運用はまだトライアルの段階ですが、この6月の繁忙期の受付件数のうち半数ほどはチャットボットで対応することができました。また夜間や週末など、コンタクトセンターの受付時間外での対応ができているのも、チャットボット導入の大きな成果であると考えています。

それ以外の取り組みについてもお聞かせください。

川島株主様の自己解決率を上げていくために、ホームページのFAQの見直しを進めています。理想を言えば、すべての疑問にFAQでお答えすることができれば、株主様と私たちの双方にとって大きなメリットになります。しかし現実には、FAQを見ても問題が解決せずに、あらためて電話をかけてこられる方が少なくありません。その理由を明らかにするところから作業を始めました。

髙橋トランスコスモス独自の方法で現行のFAQをアセスメントさせていただきました。1500コールのログを問い合わせ内容別に分類し、それぞれがFAQで解決可能かどうかを調べたところ、電話での問い合わせのおよそ45%はFAQでの解決が可能であるという結果が出ました。逆に言うと、FAQで解決できるはずの疑問の半数近くが実際には解決されていないということです。解決率を上げるには、FAQの存在を周知して、最初にFAQを見ていただく導線をつくることが必要です。また、FAQの見出しの表現や文章の内容を株主の皆様の疑問にヒットする形に改めることも求められます。コンタクトセンターに寄せられた疑問の表現などを検証することで、よりわかりやすい内容にFAQを改善していく作業を現在進めています。

ときにぶつかり合いながら
最良のものをつくっていく

外部の事業者とのパートナーシップについてのお考えをお聞かせください。

川島多様化する株主様のニーズにお応えしていくには、さまざまなサービスやテクノロジーを組み合わせることが必要です。しかし、私たち自身がそういったサービスやテクノロジーを持っているわけではありません。外部のパートナーの皆さんから提案をいただき、話し合いを重ねながら、よりよいものをつくってCX(顧客体験)を向上させていくことが必要です。委託する側と委託される側という単純な関係性ではなく、お互いに率直な意見を出し合い、ときにはぶつかり合って、ともに最良のものをつくっていく──。それが真のパートナーシップだと私たちは考えています。
そのようなパートナーシップをつくるには、私たち自身の努力ももちろん必要です。トランスコスモスへの業務委託が始まった当初の2019年に、応答率が一時下がったという話が先ほどありました。それを解決するためにいろいろな意見を交換したのですが、単に言葉のやりとりをするだけではなく、私たちの部門の行員もトランスコスモスのセンターに出張し、実際にオペレーター業務を行いました。その経験によって、現場の実態や株主様の求めるものを肌身で感じることができました。そういった取り組みがまさに必要であると考えています。

髙橋これまでお叱りを受けることも、激励の言葉をいただくことも何度もありました。しかし、率直な言葉をいただき、みずほ信託銀行の皆様にも率先して行動していただいたからこそ、現在の安定運用が実現したのだと思います。

小野私たちは、「お客様第一」という理念をみずほ信託銀行様と共有させていただいています。その共通の目標があるからこそ、どれだけたいへんなことがあってもともに乗り越えてこられた。私はそんなふうに感じています。

川島私たちの想い、トランスコスモスの想い、株主の皆様のご要望。その三位一体でさまざまな取り組みが実現してきたと言ってもいいかもしれませんね。

あらためて、トランスコスモスの強みはどこにあるとお考えですか。

川島最大の強みは組織力だと思います。問題が起きても、優れた組織力によってすぐに挽回する。そんな場面をこれまで何度も目にしてきました。

今後の見通しをお聞かせください。

川島ボイスボットとチャットボットを導入することで、チャネルのマルチ化がある程度実現しました。今後は生成AIなどの最新テクノロジーで何ができるかを検討していきたいと考えています。
しかし気をつけなければならないのは、新しい技術を次々に導入することが必ずしも正解ではないということです。株主様のニーズに合わない技術を導入することに意味はありません。株主様の利便性をいかに向上させることができるか──。そのヒントは必ず現場にあると思っています。トランスコスモスの皆さんともそのような視点を共有しながら、一緒にチャレンジを続けていきたいですね。

髙橋みずほ信託銀行様は、「想いをつなぎ、豊かな未来をつむぐ」というビジョンを掲げていらっしゃいます。私たちの役割は、コンタクトセンターに寄せられた株主の皆様の声を確実にみずほ信託銀行様に「つなぎ」、それをもとによりよい未来を「つむぐ」お手伝いをすることです。電話で寄せられた声ばかりではなく、チャットボットを含めたすべてのチャネルの声をしっかり拾い上げて、CXをさらに向上させていくこと。それがこれからの私たちの一つの目標です。

小野これまでの4年間、川島さんと本当にいろいろなお話をさせていただきながら、コンタクトセンターの進化を一つ一つ実現してきました。これからもみずほ信託銀行様に最良のパートナーと思っていただけるよう引き続き努力していきたい。そう思っています。

※本記事に記載されている情報は、2023年6月時点のものです

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