
「チャットボットってなんだろう?」
「チャットボットを導入すると何ができるのかな?」
このようにお考えではないですか?
チャットボットとは、リアルタイムで使用できる自動会話プログラムのことです。クオリティによってできる事は左右されますが、人間と会話するようにコミュニケーションをとることも可能です。
例えば、コンタクトセンター(電話やメールに加え、SNS、チャットなど幅広いコミュニケーションチャネルを利用して、顧客と企業を結ぶ部署を指す。以前は電話コミュニケーションのみだったので、コールセンターと呼ばれており、現在でもコールセンターで表現されている所も多い。)に導入すれば、オペレーターにつなぐことなく顧客の問題を解決できる可能性が高まります。
チャットボットでできることとしては主に以下のようなことがあります。
チャットボットを導入することで、オペレーターの人員が足りない企業や365日の問い合わせ対応を行いたい企業にとっては大きなメリットがあると言えるでしょう。ただし、導入するチャットボットの種類に合わせて事前に学習データの質を向上させることや、チャットボットとオペレーターとの連携方法をしっかりと考えて導入する必要があります。
そうした注意点を把握しないで導入すると、かえって顧客に対してストレスをかけてしまいかねないのでしっかり準備しておきましょう。
そこでこの記事ではチャットボットの基礎知識から、チャットボット導入がおすすめの企業など以下の内容について詳しく解説していきます。
この記事のポイント |
・チャットボットとは |
この記事をお読みいただくことで、チャットボット導入に必要な知識を網羅できると思います。ぜひこの記事を参考にチャットボット導入を検討してみてはいかがでしょうか。
1.チャットボットとは
冒頭でも解説した通り、チャットボットとは自動会話プログラムのことを指します。この章ではチャットボットの基礎知識やチャットボットの種類など以下の内容について解説していきます。
それぞれ見ていきましょう。
1-1.チャットボットとは自動会話プログラムのこと
チャットボットとは、「チャット(Chat)」と「ボット(Bot)」を掛け合わせた造語で、リアルタイムで使用できる自動会話プログラムのことを指します。チャットボットが活用されるシーンとしては、主に以下のようなものがあります。
- Webチャット
- メッセージアプリ
- SMS など
この記事を読んでいる人の中にも、これらのどれかを使用したことがある方は多いのではないでしょうか。
最初に顧客からの問い合わせをチャットボットが受けた場合、問い合わせ内容に対してチャットボットが回答し、問題を解決できればそれで問い合わせは終了です。
チャットボットでは対応しきれない質問に関しては、オペレーターに繋ぐことで問題解決を図ります。
チャットボットを導入しても、オペレーターの対応なしですべての質問に回答できるというわけではありません。しかし定型的な質問や問い合わせの絶対数が多い場合などは、オペレーターへの負担を軽減できる可能性が高まるため、近年導入が増え続けているプログラムです。
1-2.チャットボットには2種類ある
チャットボットには以下の2種類があります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1-2-1.シナリオ型チャットボット
シナリオ型チャットボットは、想定される質問に対してあらかじめ回答を用意しておき、顧客からの問い合わせに応じて選択肢を提示し答えまで導くチャットボットです。
シナリオ型チャットボットはこの後出てくる機械学習型チャットボットとは違い、自分で学習するタイプのものではありません。そのためプログラムする側が想定できる様々な回答を追加しながら、作り上げていく必要があります。
1-2-2.機械学習型チャットボット
機械学習型チャットボットは、AIが搭載されたチャットボットです。AIの学習能力を活用し、過去の記録やデータを参考にして回答を導き出すシステムになっています。そのため、シナリオ型チャットボットよりも幅広い質問に対応することが可能です。
シナリオ型チャットボットの場合はプログラミングされた会話以外を行う事はできませんが、機械学習型チャットボットの場合より人との会話に近いコミュニケーションを取ることが可能となります。
コンタクトセンターなどで利用されているチャットボットは、多くがこのタイプです。機械学習型チャットボットは、データの蓄積や十分な学習が必要となりますが、コンタクトセンターを充実させるためにはおすすめのプログラムと言えるでしょう。
1-3.チャットボットが注目される背景
チャットボットが注目される背景として、まず、AIのクオリティが高まっている点が挙げられます。
チャットボット自体は10年以上前から開発が進められていたものの、顧客対応など実践での導入が可能なレベルには達していませんでした。近年ではAIの技術が上がり、基本的な内容であればチャットボットでも十分に対応が可能となったため、導入が進められるようになりました。
チャットボットそのものの品質が向上しただけではなく、チャットボットとオペレーターの接続をスムーズに行うコンタクトセンターシステムなどが充実した点も、チャットボット導入を加速させる要因となっています。チャットボットで対応しきれない質問を速やかにオペレーターへつなぐことで、顧客の問題解決をスピーディーに行う土台ができているといえるのです。
また日本国内においては、少子化などの影響による人材不足でオペレーターの確保が難しいといった背景もあります。チャットボットを導入することで、オペレーターなどの人的リソースが足りない企業もコンタクトセンターの対応を充実させることが可能となるため、導入が加速しているのです。
2.チャットボットでできること
それではここからは、具体的にチャットボットでできることについて解説していきます。具体的には以下の内容を紹介します。
それぞれ見ていきましょう。
2-1.24時間365日問い合わせの受付が可能
チャットボットを導入することで、コンタクトセンターを24時間365日稼働させることが可能です。それにより機会損失を大幅に減少させることができるでしょう。
チャットボットを導入しない場合、コンタクトセンターには常にある程度のオペレーターを確保しておく必要があります。
現在ではIVR等の自動音声回答システムを導入しているコンタクトセンターも増えていますがIVRは細かな会話の設定ができるシステムではありません。
顧客の細かな質問に対して回答を作り込むことは難しいため、多くの場合でオペレーターにつなぐ必要が出てしまいます。そのため、IVRでは一定数のオペレーターを常駐させなければなりません。
人的リソースの確保という意味では、365日の運営は難しくなってしまうでしょう。
しかしチャットボットを導入すれば大抵の問い合わせ対応が可能となり、特に機械学習型チャットボットの場合は、人間との会話にかなり近い状況での対応も可能です。そのためオペレーターの数も最低限に抑えることができるのです。できるだけ長い時間コンタクトセンターを開いて機会損失を減少させたいのであれば、チャットボット導入はマストといえるでしょう。
2-2.顧客の自己解決率を向上できる
チャットボットを導入することで、顧客の自己解決率を向上できる点もメリットと言えるでしょう。
チャットボットを導入すると、IVRなどの自動音声回答システムに比べ細かくて幅広い質問に対応することが可能です。チャットボットによって、顧客はオペレーターの力を借りずに自分の力で自己解決しやすくなるのです。
例えば顧客から寄せられやすい質問や、予約など定型的な問い合わせに関してはチャットボットのみで完結できる可能性が高いといえます。スムーズにできればオペレーターと会話をするよりも時間の短縮が可能となるため、顧客にとってはメリットが大きくなります。
もちろん人的リソースを有効活用できるという点においては、企業にとってもメリットは大きいといえるでしょう。
このように、顧客が課題に対して自己解決できる可能性が高まるのは、顧客側にも企業側にも大きなメリットといえます。
3.チャットボットを導入する場合の注意点
それではここからは、チャットボットの導入する際の注意点として以下の内容を解説します。
それぞれ見ていきましょう。
3-1.データの質を向上させてから導入する
チャットボットを導入するときには、データの質を十分に向上させてから導入するように心がけましょう。
特に機械学習型チャットボットの場合、十分なデータやログの蓄積がないと精度の高いチャットボットとして機能させることが難しくなります。初めから精度の高いチャットボットとしてコンタクトセンターで活用したい場合は、導入する前の時点である程度データの質を向上させる必要があるのです。
もちろん、機械学習型チャットボットはデータが増えれば増えるほどその精度が上がってきます。そのため最初から完璧を目指す必要はありません。運営していくうえで徐々に品質が向上するのもAIの特徴です。
はじめの段階で問い合わせ対応における最低限の品質を目指し、その後は利用を繰り返すことでデータを蓄積し精度を上げていく方法をとると良いでしょう。
3-2.オペレーターとの連携をスムーズに取れるよう設計する
チャットボットを導入する際には、オペレーターとの連携をスムーズに取れるように設計しておく必要があります。
前の章でも解説した通り、コンタクトセンターにおいてはチャットボットを導入すればそれで終わりというわけではありません。チャットボットで回答しきれなかった質問に関しては、オペレーターにつないで対応する必要があります。
重要なのは、チャットボットとオペレーターの連携をスムーズにできるようにすることです。
もしチャットボットからオペレーターにつなぐ際にスムーズに行うことができずに長い間待たせてしまうことや、個人情報を重複して聞くことが重なると、顧客のストレスを誘発してしまう可能性があります。
チャットボットを導入する際には、コンタクトセンターシステムなどもあわせて検討する方も多いと思いますが、その際にオペレーターとの連携がどうなっているのかもしっかりと確認しておきましょう。
3-3.管理しやすさを考えて導入する
チャットボットを導入する場合、管理しやすさを考えて選ぶことをおすすめします。
チャットボットの導入には、コンタクトセンターシステムを提供するサービスや、チャットボットのみを提供するサービスなど様々なものがあります。サービス内容は企業によって異なりますが、これからチャットボットを導入する場合は、サービス提供者側と依頼者側で管理を行う範囲を把握しておきましょう。
チャットボットの場合メンテナンスやチューニングなど、日常的に管理をする必要があります。チャットボットだけでなく顧客管理やコンタクトセンターとの連携なども行いたいのであればそれらを一元的に管理できるサービスの導入がおすすめです。
チャットボットだけの管理でいいのか、コンタクトセンターなどその他のシステムも連携させて管理するのかによって選びたいサービスは異なります。いずれの場合もどのように管理をするのかの範囲等をしっかり把握して選択することをおすすめします。
4.チャットボットの活用事例
それではここからは、具体的なチャットボットの活用事例について詳しく見ていきましょう。ここでは以下の3つの事例を紹介します。
4-1.電気通信事業を行う企業
課題 | ・労働人口減少に伴う人手不足により、カスタマーサポートの人材確保が困難 |
対策 | ・AIチャットボットや有人チャットを拡大(ノンボイスカスタマーサポートサービスの構築) |
成果 | ・問い合わせの半数以上をチャットボットで対応できる体制を構築 |
電気通信事業を行う企業は、労働人口減少による人手不足という課題と、「問題解決を迅速に行いたい」という顧客の声に対しての課題を持っていました。
そこで、コンタクトセンターサービスを提供する企業と共に「ノンボイスカスタマーサポートサービス」プロジェクトを発足。サービス提供者と協力し、問合せの半数以上をチャットボットで対応できるノンボイス中心のカスタマーサポートの実現に至ったのです。
4-2.コンビニエンスストアや大手スーパーを運営する企業
課題 | ・自社の通販サイトで利便性を向上させたい |
対策 | ・顧客視点でのチャットボットのメンテナンスを行い、回答精度や解決率を向上 |
成果 | ・問い合わせ全体の30%をAIチャットボットで解決 |
コンビニエンスストアや大手スーパーを運営する企業は、自社の通販サイトで利便性を向上させたいという思いから、チャットボットの強化を行いました。
チャットボットの精度や解決率の向上だけでなく、オペレーター側の意見も収集して業務改善を行ったのも大きな特徴です。その結果、問い合わせ全体の30%をAIチャットボットで解決することが可能となりました。
4-3.エイジングケアブランドを運営する企業
課題 | ・メインターゲット層(40~60台)が希望するサポート動線を整備したい |
対策 | ・チャットボットと有人チャットを導入し、顧客ニーズに合わせた動線を整備 |
成果 | ・導入前は6%だったデジタルチャネルでの問い合わせ率を20%まで拡大。チューニングやデジタルチャネル誘導施策によりさらに40%まで拡大させた。 |
エイジングケアブランドを運営する企業は、メインターゲット層の40~60代が希望するサポート動線を構築するためにチャットボットを導入しました。
具体的には、電話やメールに加えてチャットボットや有人チャットを配備し、ニーズに合わせた動線を確保。また電話対応中に口頭で伝えにくい内容に関してはSMSを利用するなどして情報発信を行いました。
顧客からのアンケートをもとにチャットシナリオを作成するなどでチャットボットの品質向上も強化しました。
その結果、チャットボット導入以前はデジタルチャネルでの問い合わせが6%にとどまっていたところ、20%まで引き上げることができました。さらにデジタルチャネル誘導施策を行った結果、40%まで向上しています。
5.チャットボット導入がおすすめな企業とは
それではここからは、チャットボット導入がおすすめな企業について解説していきます。
それぞれ見ていきましょう。
5-1.定型的な質問が多い企業
コンタクトセンターに定型的な質問が多く寄せられている場合には、チャットボットの利用が適していると言えるでしょう。
顧客からの問い合わせが複雑な場合、せっかくチャットボットを導入してもその都度オペレーターに繋がなければならない可能性があります。しかし定型的な質問が多い場合は、チャットボットだけで問題解決ができる可能性も高くなるため導入がおすすめです。
例えば以下のような問い合わせが多い場合、チャットボットは有効的に利用できるでしょう。
- 営業時間の問い合わせ
- 会社の所在地の問い合わせ
- 予約
- 製品仕様の問い合わせ
- 製品の取り扱い案内
- 社内向けチャットボット
このような場合には、チャットボットの効果を感じやすいといえます。
5-2.FAQの数が著しく多い企業
FAQの数が著しく多い企業に関しても、チャットボットの導入が効果を発揮するでしょう。
顧客が知りたい問題や質問をあらかじめまとめておくのがFAQの役割ですが、場合によってはFAQの項目自体が膨大になってしまうこともあります。
FAQが膨大になってしまうと顧客が欲しい回答にたどり着くことができず、有効活用ができない可能性も高まります。
その場合にもチャットボットを導入することで、顧客の問題解決をスムーズに促すことが可能です。顧客は自分自身で回答を見つけるために、FAQで何度も検索する必要はなくなります。チャットボットが顧客の話を聞き、適切な回答に導くことができるでしょう。
5-3.問い合わせ数が著しく多い企業
そもそもの問い合わせ数が膨大な場合は、チャットボットが十分に効果を発揮する可能性が高いでしょう。
例えば1日に数百件、数千件などの問い合わせを対応しなければならない場合はIVR等のシステムを使っても十分に対応しきれない可能性があります。
チャットボットを導入することで、オペレーターへの問い合わせ数を減らす事は可能です。問い合わせ数が多くオペレーターが足りないと感じているのであれば、チャットボットは有効活用できるでしょう。
5-4.データ解析に力を入れたい企業
データ解析に力を入れたい企業に関しても、チャットボット導入がおすすめです。
チャットボットの魅力は単に、顧客の対応を自動的にしてくれるということにとどまりません。顧客との対応の内容を自動的にデータとして蓄積できるため、データ解析などマーケティングにも役立つ可能性があるのです。
- 年齢や性別等の属性
- 問い合わせ内容のタイプ
- 問い合わせ時間
- 顧客の要望
- 問い合わせ商品のジャンルや傾向
チャットボットではこのように様々な顧客データを同時に蓄積することが可能となります。これまではオペレーターが手動でとっていたデータも自動的に取得することができるのは大きなメリットと言えるでしょう。
6.チャットボット導入をお考えならご相談ください
チャットボットの導入をお考えであれば、トランスコスモスにお問合せください。トランスコスモスのDEC Supportサービスであれば、顧客と企業の接点をより充実させるためのチャットボットの導入が可能です。
- webブラウザだけでなくLINEやInstagramなど多彩なチャネルに対応できる
- シナリオ型・FAQ型・自然言語(NLP)型から選べる
- 分析機能が充実しておりPDCAを回すために必要な情報を集約できる
トランスコスモスのDEC Supportサービスを導入していただくことで、チャットボットを通して顧客とのコミュニケーションをより充実させることができます。またDEC Supportは管理がしやすく使いやすいといった特徴もあります。
気になる方はぜひ、以下よりお問合せください。
まとめ
以上、この記事ではチャットボットの基礎知識から、チャットボット導入のおすすめの企業など以下の内容について詳しく解説してきました。
この記事のポイント |
・チャットボットとは |
この記事をお読みいただくことで、チャットボット導入に際して必要な知識を網羅できたかと思います。ぜひこの記事を参考にチャットボット導入を検討してみてはいかがでしょうか。