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コールセンターにチャットを導入すべき?5つのメリットや効果を解説

コールセンターにチャットを導入すべき?5つのメリットや効果を解説

「コンタクトセンター(コールセンター)にチャットは導入するべき?」
「コンタクトセンターにチャットを導入することでどのような効果があるの?」

コンタクトセンター(電話やメールに加え、SNS、チャットなど幅広いコミュニケーションチャネルを利用して、顧客と企業を結ぶ部署を指す。以前は電話コミュニケーションのみだったので、コールセンターと呼ばれており、現在でもコールセンターで表現されている所も多い。)での需要が高まっているチャットですが、導入したほうがいいのか迷っているコンタクトセンターは多いのではないでしょうか。

結論から言うと、コンタクトセンターにチャットを導入することでコンタクトセンターが抱えている様々な課題を解消できるようになります。

電話の対応に比べて、一人のオペレーターが複数人の顧客を同時に対応できるため、入電の集中の回避が見込めるでしょう。更に、電話であればFAQで回答できる内容も説明しなければならなかった部分が、チャットであれば関連するFAQを貼り付けするなど出来ることから、業務効率化も見込めるでしょう。

また、メールの対応に比べて、オペレーターと顧客がリアルタイムでテキスト入力でのやり取りをすることも可能で、解決までのスピードが上がります。

このようにメリットが多いチャットの導入ですが、チャットの効果やチャット導入時のポイントを把握して導入しないと思ったような効果が得られません。

そこでこの記事では

◎コンタクトセンターで導入できるチャットとは
◎コンタクトセンターにチャットを導入する5つのメリット
◎コンタクトセンターで導入するチャットの種類
◎コンタクトセンターにチャットを導入する際の課題
◎コンタクトセンターにチャットを導入する方
◎コンタクトセンターにチャットを導入するときの4つのポイント
◎チャットシステムを選ぶときのポイント

をまとめて解説していきます。最後まで読めばコンタクトセンターにチャットを導入するメリットや効果が把握でき、導入すべきか具体的に検討できるはずです。

理想的なコンタクトセンター運営を目指すためにも、チャットを有効活用すべきかぜひ検討してみましょう。

※なお、この記事で利用している【チャット】とは、webブラウザやスマートフォンの画面上で文字入力をすることで、顧客とオペレーターがコミュニケーションを取る方法のことを指します。

目次

1.コンタクトセンター(コールセンター)で導入できるチャットとは

昨今、コンタクトセンター(コールセンター)では、チャット導入の需要が高まっています。

そこでまずは、コンタクトセンターで導入されているチャットとはどのようなものなのか、チャットとチャットボットの2つに分けて解説していきます。

種類

対応方法

特徴

チャット

有人対応

webブラウザやスマートフォンの画面上で文字入力をして問題解決をする方法

チャットボット

無人対応

リアルタイムで使用できる自動会話プログラム
事前に登録しておいた回答を提示して問題解決をする方法

1-1.チャット

チャットは、簡単に言うとwebブラウザやスマートフォンの画面上で、文字入力でコミュニケーションを取る方法です。

スマートフォンやwebブラウザでチャットを開き、オペレーターと顧客がリアルタイムでテキストコミュニケーションを取りながら問題解決を行います。

たとえば、顧客が「届いた商品が不良品だった」とチャットに打ち込んだ場合、オペレーターが内容を確認し返品方法や代わりの商品の発送などの提案をして問題解決をはかります。

電話の場合は一対一で対応しなければなりませんが、チャットの場合は一人のオペレーターが複数人を対応できるため業務効率化が期待できます。

電話の場合は一対一で対応

チャットの場合は一人のオペレーターが複数人を対応

また、チャットはパソコンがあれば勤務ができるため、在宅ワークなど多彩な働き方に対応しやすい

という特徴もあります。「2.コンタクトセンター(コールセンター)でチャットを導入する4つのメリット」で詳しくご紹介しますが、コンタクトセンターにチャットを導入すると顧客満足度の向上や入電の削減、電話が苦手で問い合わせが利用できなかった新たな顧客の獲得に繋がります。

1-2.チャットボット

チャットボットとは、一言で言うとリアルタイムで使用できる自動会話プログラムのことです。

「チャット(chat)」にはリアルタイムでコミュニケーションをするという意味が「ボット(bot)」にはロボットという意味があり、チャットボットは双方を組み合わせた造語となります。

チャットボットはwebブラウザやLINEなどのアプリケーションとボット機能を連携させることで、顧客からの問い合わせや質問に回答できる仕組みとなっています。

チャットボットの場合はチャットボットが複数人を対応

ボットにはあらかじめFAQやシナリオを登録しておき、顧客からの問い合わせ内容に応じて回答を提示します。

チャットボットには主に下記のような3つのタイプがあり、シナリオ型の場合は質問を繰り返して的確な回答を導き出せるような設定を、FAQ型の場合は質問と回答を紐付けながら短い文章で分かりやすい回答を用意します。

自然言語型は、AIの学習能力によって回答精度を高めます。十分なデータが蓄積されると、自由度の高い応対ができます。

チャットボットの3つのタイプ

シナリオ型

分岐型の質問を用意し、顧客が回答をすることで的確な回答へと導く

FAQ型

顧客の質問に近い内容の回答を表示する一問一答形式

自然言語(NLP)型

顧客と会話をするようにやり取りをして自由度の高い回答をする

顧客はリアルタイムでチャットボットが提示した回答を確認でき、迅速な問題解決ができます。チャットボットのみで解決しなかった場合は電話やチャットに引き継げるため、最後まで顧客の問題解決をサポートできます。

チャットボットには

・人員をかけずに24時間対応ができる
・リアルタイムで顧客とやり取りができる
・問い合わせの多い回答を自動回答できる

などのメリットがあるため業務効率化や入電集中の防止、オペレーターの負担を減らすなどの効果が期待できます。チャットボットについて詳しく知りたい場合は、下記の記事も参考にしてみてください。

「コールセンター チャットボット」の記事にリンク

1-3.チャットとチャットボットの違い

チャットとチャットボットには、下記のような違いがあります。

チャット

チャットボット

回答の内容

顧客の質問内容に応じて柔軟に対応できる

あらかじめ登録しておいた回答しか提示できない
(AIチャットボットの場合は学習データを基に回答を提示)

回答の速度

オペレーターがテキスト入力をするため、チャットボットより時間がかかる

登録しておいた回答を提示するだけなので、迅速な対応が可能

運営時間
柔軟さ

24時間対応にしようとすると負担がかかる

無人対応なので人的な負担がなく24時間問い合わせ対応ができる

それぞれ向いているケースが異なるため、どのような違いがあるのかチェックしてみてください。

1-3-1.回答の内容

チャットとチャットボットでは、回答の質が異なります。

チャットはオペレーターが顧客の質問内容を把握し個別の対応ができるため、難しい内容や個別対応が必要な質問に対応できます。テキストベースではありますが手厚いサポートができるため、チャットのみで問題解決できることが多いでしょう。

一方でチャットボットは、あらかじめ登録したおいた回答しか提示できません。

AIが搭載されていても、チャットのように顧客一人一人に合わせて柔軟な回答をすることは難しいです。そのため、簡単な質問や定型化できる質問にしか対応できません。

たとえば、営業時間や休業日、簡単な予約受付などはチャットボットでもできますが、個人情報と照らし合わせた案内や悩みや要望に応じた商品提案などはチャットが向いています。

このように両者は回答の質そのものが異なるため、コンタクトセンターの業務内容や問い合わせ内容に応じて使い分ける必要があります。

1-3-2.回答の速度

チャットとチャットボットでは、チャットボットのほうが迅速な対応ができます。

チャットボットは質問内容に応じてあらかじめ登録されている回答を提示するだけなので、タイムラグが少ないです。

チャットの場合はテンプレート化された文章はあってもオペレーターが手動でテキスト入力をしているので、チャットボットに比べると回答までに時間を要します。

簡単な回答を含めすべての問い合わせをチャットに絞ってしまうと、生産性が低下したりオペレーターに負担がかかったりするので注意が必要です。

1-3-3.運営時間の柔軟さ

チャットとチャットボットでは、チャットボットのほうが柔軟な運営時間設定がしやすいです。

チャットの場合は有人対応となるため、24時間受付をしようとするとコストがかかったりオペレーターへの負担が増えたりします。

一方でチャットボットは無人対応なので、オペレーターなど人的な負担がなく24時間対応にすることが可能です。24時間問い合わせができる窓口を無理なく設置したい場合は、チャットボットのほうが向いているでしょう。

1-4.チャットとチャットボットの併用がおすすめ

ここまで解説してきたようにチャットとチャットボットには一長一短があり、どちらか片方で顧客の要望をすべて叶えることは難しいです。そこで、チャットとチャットボットを併用して導入することがおすすめです。

たとえば、

・コンタクトセンター(コールセンター)の営業時間内の簡単な質問はチャットボットが回答し、チャットボットで解決できなかった場合はチャットに引き継ぐ
・顧客の問い合わせ内容に応じて、チャットとチャットボットを切り替える

など、顧客の課題に合わせてチャットとチャットボットを組み合わせた設計が、顧客満足度の向上に繋がります。

実際にトランスコスモスが実施した「消費者と企業のコミュニケーション実態調査2021」では、90.6%の消費者がチャットボットで問題解決ができなかった場合に、チャットでの問題解決を図りたいと回答しています。

90.6%の消費者がチャットでの問題解決を図りたいと回答

出典:トランスコスモス「消費者と企業のコミュニケーション実態調査2021

シームレスなチャットボットとチャットの連携は、消費者にも求められているのです。チャットとチャットボットの両者を導入した事例にご興味がある方は、下記記事をご参考ください。

コンタクトセンターで導入できるチャットとチャットボットについて詳しく把握できたところで、次章からはチャットについて詳しく解説していきます。

2.コンタクトセンター(コールセンター)にチャットを導入する5つのメリット・効果

コンタクトセンター(コールセンター)にチャットを導入することで

・顧客満足度の向上に繋がる
・コンタクトセンターへの入電を削減できる
・生産性の向上
・電話に抵抗がある顧客でも気軽に利用できる

という4つのメリットがあります。それぞれどのようなところがコンタクトセンターにとってメリットなるのか、チェックしてみてください。

2-1.顧客満足度の向上に繋がる

トランスコスモスが実施した「消費者と企業のコミュニケーション実態調査2021」によると、継続利用への影響が高い顧客体験は、解決の速度や負担の少なさであることが分かりました。

継続利用への影響が高い顧客体験は、解決の速度や負担の少なさである

出典:トランスコスモス「消費者と企業のコミュニケーション実態調査2021

顧客は今抱えている問題や疑問を、できるだけ負担なくスピーディーに解決したいと感じているのです。コンタクトセンターに電話しかチャネルがない場合は、入電が集中すると繋がるまでに時間がかかります。また、チャットボットのみ、メールのみなど各チャネルが独立していると最初の窓口で解決できなかった場合にたらい回しとなり、顧客の負担が大きくなります。

チャットを導入すると待ち時間が少なく、リアルタイムで問題解決ができるようになります。「1-4.チャットとチャットボットの併用がお勧め」で解説したように他チャネルと連携できる導線も構築できるため、問題解決にかかる時間や手間を省くことができ、顧客満足度が向上するでしょう。

また、モビルス株式会社が運営する情報サイト「Mobilus SupportTech Lab」にてチャットボット導入が顧客満足を向上させた記事・事例が配信されておりますので、参考にしてください。

2-2.生産性の向上

電話ではオペレーターと顧客は一対一で通話をしなければならないので、一定時間内に一人のオペレーターが担当できる顧客数には限りがあります。一件の問い合わせに時間がかかる場合は、一時間に数人の問い合わせしか対応できないこともあるでしょう。

チャットの場合はテキストでのやり取りなので、一人のオペレーターが同時に複数人の顧客対応ができます。顧客からの返信速度はさまざまなので、同時進行させながら返信のあった顧客に随時適切な回答を送信します。

また、電話であればFAQで回答できる内容も説明しなければならなかった部分がチャットであれば関連するFAQを貼り付けするなど臨機応変な対応ができるため、生産性の向上が見込めます。

2-3.電話に抵抗がある顧客でも気軽に利用できる

顧客の中には、電話でのやり取りに抵抗がある方もいます。

コンタクトセンター(コールセンター)しか問い合わせ窓口がない場合、電話が苦手な人や営業時間内に利用できない人は問い合わせをしたくてもなかなか利用できません。

チャットを導入すれば電話に抵抗がある人でも、手軽に問い合わせができるようになります。とくに、LINEやFacebook Messengerなどのチャットアプリに慣れている世代には、チャットのほうが親しみやすく利用のハードルが大幅に下がります。

また、チャットボットの対応であれば、比較的用意かつ低コストで24時間化が実現でき、顧客の利便性を高められます。

2-4.これまでアプローチできなかった層と繋がることができる

チャットを導入することで、今までコンタクトセンター(コールセンター)を利用していなかったターゲット層にも問い合わせをしてもらえるようになります。

とくに、チャット利用に慣れている若年層をターゲットとしている場合は、チャットの導入で新規顧客を獲得する機会が増えたとの声もあります。

チャットを導入すればコンタクトセンターのみではカバーできなかった顧客に問い合わせをしてもらえるようになり、顧客や受注の獲得、リピーターの獲得が期待できます。

2-5.目的に応じたサポートができる

3.コンタクトセンター(コールセンター)で活用するチャットは2種類で詳しく解説しますが、チャットは導入方法次第で目的に応じたサポートが可能です。チャットの導入方法には、下記の2種類があります。

特徴

効果

プロアクティブチャット
アウトバウンド型のチャット

webサイトに滞在している顧客に対しオペレーター側からアプローチをする方法

一定の基準を超えたときに、チャットをポップアップ表示させ、売上アップやリピーター獲得ができる

リアクティブチャット
インバウンド型のチャット

webサイトやLINEなどのアプリ上に有人チャットにつながる問い合わせ窓口を固定設置する方法

チャットボットやFAQでは問題解決ができなった際に、顧客側からアプローチが可能でき、顧客満足度の向上やロイヤルカスタマー獲得ができる

プロアクティブチャットではサイトの滞在時間や買い物カゴの利用など一定の基準を超えたときに、チャットをポップアップ表示させます。

「お困りごとはありませんか?」とオペレーター側からアプローチをして販売促進や販売サポートを行い、顧客の販売意欲を高めます。たとえば、商品の購入を迷っていたときに「お困りごとはありませんか?」というポップアップ表示があったとします。

顧客はポップアップ表示をクリックし「色やサイズ感に悩んでいる」と今の悩みをチャットに入力します。オペレーターが内容に応じて「5色展開ですが赤色が人気です」などの返信をして、購入を促します。今よりも売上アップを目指したい、リピーター獲得をしたいなどの目的を叶えるための対策として導入できます。

リアクティブチャットは、オペレーターにつながる窓口として固定設置をする方法です。チャットボットやFAQでは問題解決ができなった、今すぐ知りたい悩みや問題があるなど顧客の状況に合わせて顧客側からアプローチができます。

チャットボットやFAQで問題解決ができなかったときに他のチャネルへの誘導導線がないと、顧客は不満を抱えた状態で離脱します。チャットがあれば難しい問い合わせにもリアルタイムで対応ができるため、顧客満足度の向上やロイヤルカスタマー獲得を目的とした導入が叶います。

このように、企業の課題や目的に応じて有効活用ができるところもチャットならではのメリットです。

3.コンタクトセンター(コールセンター)で活用するチャットは2種類

2-5.目的に応じたサポートができる」でも解説したように、コンタクトセンター(コールセンター)でチャットを導入するときは主に下記の2つの方法を採用します。

特徴

効果

プロアクティブチャット
アウトバウンド型のチャット

webサイトに滞在している顧客に対しオペレーター側からアプローチをする方法

一定の基準を超えたときに、チャットをポップアップ表示させ、売上アップやリピーター獲得ができる

リアクティブチャット
インバウンド型のチャット

webサイトやLINEなどのアプリ上に有人チャットにつながる問い合わせ窓口を固定設置する方法

チャットボットやFAQでは問題解決ができなった際に、顧客側からアプローチが可能でき、顧客満足度の向上やロイヤルカスタマー獲得ができる

それぞれどのように導入をするのか、具体的に解説していきます。

3-1.プロアクティブチャット

プロアクティブチャットとは、webサイトに滞在している顧客を対象にオペレーター側からアプローチをする方法です。

「買い物カゴに商品が入っている」「一定時間webサイトに滞在している」などあらかじめ定めた条件を満たしたときに、下記のように「お困りごとはありませんか?」などのポップアップを表示させます。

サポートが欲しい顧客はポップアップ表示をクリックして、チャットの利用を開始

サポートが欲しい顧客はポップアップ表示をクリックして、チャットの利用を開始します。

オペレーター側から顧客にアプローチをして疑問や悩みを迅速に解決することで、売上アップや顧客ロイヤリティの向上に貢献します。

プロアクティブチャットはこれまでの顧客の行動データを基に、顧客がサポートが欲しくなるタイミングを見極めて表示させることが成功の鍵を握ります。

3-2.リアクティブチャット

リアクティブチャット(パッシブチャット)とは、webサイトやLINEなどのアプリ上に有人チャットにつながる問い合わせ窓口を固定設置する方法です。

FAQやチャットボットと併用し、顧客からの問い合わせを迅速に解決するために設置します。下記のようによくある問い合わせページなどの隅に固定で設置し、顧客からの問い合わせを待ちます。

顧客からの問い合わせがあった際には問い合わせ内容に応じて、リアルタイムで対応

顧客からの問い合わせがあった際には問い合わせ内容に応じて、リアルタイムで対応を行います。

リアクティブチャットは顧客が利用しなければ意味がないため、導線や設置方法を考慮し顧客が使いやすい場所に設置する必要があります。

4.コンタクトセンター(コールセンター)にチャットを導入する際の課題

コンタクトセンター(コールセンター)にチャットを導入するメリットが分かったところで、導入に必要な課題を確認しておきましょう。コンタクトセンターにチャットを導入する課題としては

・オペレーターへの教育が必要
・システム導入・維持のコストがかかる

という2つがあります。この2つをどのように対処するかを考えて、チャットの導入を検討してみてください。

4-1.オペレーターへの教育が必要

チャットは電話とは異なりテキストでのやり取りとなるため、新たにオペレーターへの教育が必要です。

電話の場合は声色や話し方によって顧客に寄り添うことができますが、テキストだけではどうしても機械的で冷たい印象を与えてしまうことがあります。

そのため、チャット向けのマニュアルを作成しクッション言葉を使う、正しい言葉遣いを意識するなど顧客に好印象を与えるテキスト作成ができるよう指導をする必要があります。

また、チャットは電話とは異なり、テキストが形として残ります。失礼な発言や間違った発言をすると形として残り苦情に繋がる恐れがあるため、コンプライアンスに気を付ける必要があるでしょう。

このように、チャットを導入するには適切な対応ができるオペレーターを一定数育てる時間や労力がかかるところは留意しておきましょう。

4-2.システム導入・維持のコストがかかる

チャットを運営するためには、システム導入費や運用サポートサービス費などが必要です。現状運営費用にプラスしてコストがかかります。

しかし、チャットを導入する費用対効果を考えると

・オペレーターの人員削減
・電話には入ってこない新規顧客層へのアプローチ

などができ、結果として費用対効果が大きくなる可能性はあります。次章でも詳しく解説しますが、目的や課題に合わせて導入することでチャットシステム導入費用以上の効果を得られる可能性があるでしょう。

5.コンタクトセンター(コールセンター)でのチャットの導入方法

ここでは、プロアクティブチャットとリアクティブチャットに分けて具体的なチャットの導入方法をご紹介します。

どちらのケースも無計画で導入すると顧客に利用してもらえず思った効果を得られない可能性があるので、あらかじめ導入時のポイントを把握しておきましょう。

5-1.プロアクティブチャットの導入方法

プロアクティブチャットはwebサイトの滞在時間やサイト導線遷移などのデータをトリガーとして、顧客に対するアプローチを行います。そのため、蓄積された顧客の行動データを基にしたコミュニケーション戦略を設計することが重要です。

・サイトのゴールは何になるのか
・ゴールにたどり着くためのサポートをどのタイミングで行いえばいいのか

を考えることがプロアクティブチャットを成功させるポイントとなります。たとえば、商品の購入がゴールだとした場合、今までのデータから顧客の離脱率が多くなるカゴに商品を入れて5分放置したタイミングでプロアクティブチャットを表示させます。

店舗での接客と同様に商品購入前の悩みを解決するコミュニケーションを積極的にチャット経由で行うことで、安心して購入できる状況を作ります。

プロアクティブチャットは戦略設計ができていないと顧客が利用しないうえに、ポップアップに不快感を抱きCXが低下する恐れがあります。

プロアクティブチャットで効果を得るためには、あらかじめコミュニケーション戦略設計を行い計画的な導入をするようにしましょう。

5-2.リアクティブチャットの導入方法

リアクティブチャットは、導線や設置方法を考慮しないと顧客に活用してもらえません

そのため、事前に下記のような情報を整理して導入を検討しましょう。

・顧客接点の量の整理:他チャネルの利用状況、顧客と接点を持つチャネルを整理する
・問い合わせ導線の設計:顧客がスムーズに利用できる問い合わせ動線を考える
・有効な設置方法の検討:有効な設置場所を検討する
・顧客が使いやすいUI設計:パソコンやスマートフォンなどどのような環境からも利用しやすいよう配慮する

たとえば、よくある質問ページの閲覧数が多くFAQを見ても問題解決ができなかったときに入電がある場合には、よくある質問ページにチャットを設置することでコンタクトセンター(コールセンター)への入電を軽減できるかもしれません。

よくある質問ページにチャットを固定設置する際には、右下やボタン形式など顧客が利用しやすい方法を検討し導入します。

リサーチや分析、多チャネルとの連携を考えずにリアクティブチャットを導入しても、なかなか利用者が増えない可能性があるので注意しましょう。

6.コンタクトセンター(コールセンター)にチャットを導入するときの5つのポイント

コンタクトセンター(コールセンター)にチャットを導入するときには、どのようなことをチェックしたらいいのか気になっている人は多いでしょう。

ここでは、コンタクトセンターにチャットを導入するときに知っておきたい

・チャットの導入目的を明確化する
・チャットで対応する業務範囲を決めておく
・受付時間を決めておく
・顧客向けのアンケートを用意する
・マニュアルを作成し同じ品質で対応できるようにする

という5つのポイントをご紹介します。導入前に把握しておきたいポイントばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。

6-1.チャットの導入目的を明確化する

まずは、なぜチャットの導入が必要なのか導入の目的を明確にしましょう。導入の目的によって、チャットへの導線や活用方法は大きく異なります

電話チャネルの入電を減らすことが目的の場合は、顧客がま最初にチャットで問い合わせをする導線を考える必要があります。

新たなターゲット層にアプローチしたい場合は、LINEやwebブラウザなどさまざまなチャネルで手軽に利用できる配慮を検討しなければなりません。

コンタクトセンターが抱えている課題や今後の目標を洗い出し、その課題をチャット導入でカバーできるのか考えてみてください。

なお、トランスコスモスではお客様のチャット導入時の導線設計を支援する、「チャネル最適化診断サービス」を提供しています。興味のある方は以下ボタンをクリックして資料をご確認ください。

6-2.チャットで対応する業務範囲を決めておく

チャットはテキストコミュニケーションが基本なので、あまりに複雑な回答や長文になる回答には向いていません。

最近はチャットの回答とあわせて動画URLや写真を送付し顧客の理解度を向上させる回答も見られますが、コンタクトセンター(コールセンター)の音声のやり取りに比べどうしても分かりにくい場合もあります。

そのため、顧客の目的が明確で、読みやすい分量でサポートできる範囲をチャットの業務範囲とすることが求められます。

たとえば商品の購入や配達状況の確認など目的が明確だと早いサポートが可能になりますが、顧客の環境や状況をヒアリングするテクニカルサポートは、テキスト量が多くなり顧客側の作業負荷が増えてしまいます。利便性を踏まえて、業務範囲を設定しましょう。

なお、無理にすべてをチャットで解決しようせず、チャットボットとつながる導線を用意する、電話とハイブリッドでサポートできるといった体制にすることも推奨しています。是非ご検討ください。

6-3.受付時間を決めておく

チャットを導入するときには、あらかじめ受付時間を決めて表記するようにしましょう。受付時間を明記しておかないと、いつでも問い合わせに対応してもらえると思われてしまいます。

電話チャネルと揃える、週末も受付をするなど無理なく運用できる時間を決めます。

24時間問い合わせ対応をしたい場合は、チャットボットと組み合わせるのも一つの方法です。有人対応と無人対応の切り替えができるチャットシステムを選び、チャット対応時間終了後は無人対応ができるチャットボットに任せることもできます。

ただし、「1.コンタクトセンター(コールセンター)で導入できるチャットとは」でも解説したようにチャットボットが提示できる回答には限界があるので、問題解決ができなかった場合は対応時間内に折り返し回答をするなどの対処法を用意しておきましょう。

6-4.顧客向けのアンケートを用意する

電話チャネルと同じように、チャットも品質管理を行う必要があります。チャット対応の質が悪いと利用する顧客が減少し、チャット導入のメリットや成果を実感できなくなるからです。

チャットの品質をチェックするにはさまざまな方法がありますが、代表的なものに顧客向けのアンケートを用意する方法があります。

チャットでのやり取り終了後に顧客向けのアンケートが表示されるように設定をして、チャット対応の質や速度を評価してもらいます。後日顧客向けアンケートを集計することで、チャットの課題が見えてきます。

チャットは導入したら終わりではなく、利用者が増加するよう品質を高めていかなければなりません。電話チャネルと同様に、顧客目線で品質チェックができるような仕組みを導入しておきましょう。

6-5.マニュアルを作成し同じ品質で対応できるようにする

チャットでのやり取りも電話チャネルと同様で、一定の品質を保つ必要があります。オペレーターによって回答や対応時間に差があると、顧客満足度の低下や利用者の減少に繋がるからです。

オペレーターが一定の品質でチャット対応ができるようにマニュアルを作成するようにしましょう。マニュアルには基本的なやり取りの方法や疑問点が発生したときのエスカレーションの方法などをまとめておくと、一定の質を維持し迅速な回答ができるようになります。

また、返答用のテンプレートを用意し、問い合わせ内容に応じてオペレーターが適宜利用できるようにしておくと返答速度をアップできるでしょう。

チャットはシステムだけ導入しても活用できないため、チャット対応の質を握るオペレーターの教育も計画的に進める必要があります。

7.チャットシステムを選ぶときの4つのポイント

コンタクトセンター(コールセンター)にチャットを導入するには、チャットシステムを導入する必要があります。

最後にチャットシステムを選ぶときのポイントとなる

・顧客が利用しやすい表示ができるかどうか
・オペレーターが使いやすいかどうか
・複数のチャネルに対応しているかどうか
・データ分析機能が充実しているか

という4つをご紹介します。チャットの導入を具体的に検討している場合は、ぜひチェックしてみてください。

7-1.顧客が利用しやすい表示ができるかどうか

チャットはテキストでやり取りをするため、顧客が利用しにくいデザインになっていると利用者の減少や離脱率の増加に繋がります。

顧客目線に立ち、利用しやすい表示ができているかどうかを確認しておきましょう。たとえば、webブラウザやスマートフォンで表示したときにチャット画面が小さいと、扱いにくく興味を持ってもらえない可能性があります。

また、選択肢やボタンを表示するときには分かりやすいデザインとなっているかも重要なポイントです。チャットシステムの中にはトライアル期間を設けている場合があるので、実際に利用してみて難なく利用できるかチェックしてみるのもいいでしょう。

7-2.オペレーターが使いやすいかどうか

チャットシステムは、オペレーターが使いやすいかどうかも重要なポイントです。複雑な管理画面になっていると導入時に手間がかかるだけでなく、操作ミスが起こりやすい、処理に時間がかかるなどのデメリットがあります。

使いやすいチャットシステムの一例としては顧客からの問い合わせが入ったときに一目で分かるような工夫がされており、見落とすことなく迅速な対応ができることが挙げられます。顧客情報が蓄積できる場合は以前の問い合わせを参照することもでき、スムーズなやり取りが叶うでしょう。

このように、オペレーター目線でも簡単に導入し利用できるかどうかを確認してみてください。

7-3.複数のチャネルに対応しているかどうか

チャットを積極的に使用してもらうためにも、どのようなチャネルに対応しているのか事前に把握しておきましょう。

チャットは

・webブラウザ
・LINEやTwitterといったSNS
・スマホアプリ

などのサポートチャネルで導入することが可能です。webブラウザとLINEなど複数のチャネルで導入することもでき、利用して欲しいターゲット層に合わせて検討できます。

7-4.データ分析機能が充実しているか

チャット導入後の改善点や課題を明確にするためにも、データ分析機能が備わっているチャットシステムを選びましょう。

搭載されているデータ分析機能はチャットシステムによって異なりますが

・使用チャネルの種類
・質問の内容
・対応時間

などのデータを蓄積できます。どのようなチャネルから利用されるのか、よくある質問にはどのようなものがあるのか分析でき、チャットの運営に役立てられます。

また、ついつい忘れがちな機能ではありますが、オペレーター別分析機能があるものを選ぶのもおすすめです。オペレーターごとの勤務状況や対応履歴が把握できるため、現状が可視化でき改善点や課題の発見がしやすくなります。

8.チャットとチャットボットを併用したいならDEC supportがおすすめ

最後に、弊社トランスコスモスの「DEC support」をご紹介します。

「DEC support」は、チャットとチャットボットの切り替えが可能なチャットボットソリューションです。webチャットだけではなく、LINEやFacebook Messengerなど複数チャネルに対応しております。

長年にわたってさまざまなチャットツールを利用してきた経験から、利用者である顧客とオペレーター両者の利便性にこだわって開発をしました。

チャットボットではシナリオ型だけでなく、FAQ型や自然言語型での複合対応ができ、顧客の質問に応じた解決策へと誘導します。

チャットボットのみので解決が難しい場合には、オペレーターへの切り替えができ導線を容易に構築することが可能です。

また、オペレーターのチャット対応時には、誤字を防ぐための文章構成機能搭載されています入力した日本語の文章を解析し、間違った表現や不適切な表現を視覚的に確認できるようにすることで、オペレーターの使い勝手の良さも追及しています。

分析においては、コンタクトセンターのKPI管理(改善)に必要となる対応時間データや30分間隔での件数データの取得が可能です。Google work spaceや、Data Studioと連携したグラフィカルなレポート作成にも対応しています。

「DEC support」について詳細を知りたい場合は、下記より資料DLすることが可能です。チャット導入サポートから運営も含めたアウトソーシングも可能なので、一度ご検討ください。

まとめ

いかがでしたか?コンタクトセンター(コールセンター)で需要が高まっているチャットとはどのようなものか把握でき、導入すべきか検討できたかと思います。

最後にこの記事の内容をまとめると

◎コンタクトセンターで導入できるチャットとは、webブラウザやスマートフォンの画面上で文字入力をして問題解決をする方法。オペレーターによる有人対応で、顧客に寄り添った回答ができる。

◎コンタクトセンターで導入できるチャットボットとは、リアルタイムで使用できる自動会話プログラムのこと。無人対応で、事前に登録しておいた回答を提示して問題解決をする。

◎チャットとチャットボットの主な違いは下記のとおり

チャット

チャットボット

回答の内容

顧客の質問内容に応じて柔軟に対応できる

あらかじめ登録しておいた回答しか提示できない
(AIチャットボットの場合は学習データを基に回答を提示)

回答の速度

オペレーターがテキスト入力をするため、チャットボットより時間がかかる

登録しておいた回答を提示するだけなので、迅速な対応が可能

対応時間

24時間対応にしようとすると負担がかかる

無人対応なので人的な負担がなく24時間問い合わせ対応ができる

◎コンタクトセンターにチャットを導入するメリットは次の5つ

1)スピーディーで顧客の手間が少ない対応ができるため顧客満足度の向上に繋がる
2)一人のオペレーターが同時に複数人の対応ができるため生産性が向上する
3)電話に抵抗がある顧客でも手軽に利用できる
4)これまでアプローチのできなかった層とつながれる
5)購買促進やロイヤリティの向上など目的に応じやサポートができる

◎コンタクトセンターで活用できるチャットの種類は次の2つ

1)プロアクティブチャット:webサイトに滞在している顧客に対してオペレーター側からアプローチをする方法
2)リアクティブチャット:webサイトやLINEなどのアプリ上に有人チャットにつながる問い合わせ窓口を固定設置する方法

◎コンタクトセンターにチャットを導入するデメリットは次の2つ

1)マニュアル等を作成しオペレーターへの教育が必要
2)システム導入やサポートサービスにコストがかかる

◎コンタクトセンターにチャットを導入する方法は次のとおり

1)プロアクティブチャット:webサイトの滞在時間やサイト導線遷移などのデータをトリガーとして、顧客に対してアプローチを開始する
2)リアクティブチャット:導線や設置方法を考慮し顧客が利用しやすいよう考慮する

◎コンタクトセンターにチャットを導入するときのポイントは次の5つ

1)なぜチャットが必要なのかチャットの導入目的を明確化する
2)チャットで対応する業務範囲を決めておく
3)チャットによる受付時間を決めておく
4)チャットの品質管理のために顧客向けのアンケートを用意する
5)マニュアルを作成し同じ品質で対応できるようにする

◎チャットシステムを選ぶときのポイントが次の4つ

1)顧客が利用しやすい表示ができるかどうか
2)顧客の通知機能などオペレーターが使いやすいかどうか
3)webブラウザやLINEなど複数のチャネルに対応しているかどうか
4)データ分析機能が充実しているか

この記事をもとにコンタクトセンターにチャットを導入するべきか判断でき、より理想的なコンタクトセンター運営ができるようになることを願っています。

トランスコスモスのコンタクトセンター/コールセンターサービスでお取引いただいたお客様は、業界問わず1,700社を超え、様々なノウハウを保有しています。コンタクトセンター/コールセンターの運営に関して、お悩みの方は一度お問合せください。
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