
「オンライン接客に興味があるけれど、どのような事例があるだろうか」
「オンライン接客が上手く行っているケースを参考にしたい」
近年新しい接客のあり方として注目されている、オンライン接客。有人チャットやビデオチャットなど様々な方法がありますが、どのような会社がどのように運営しているのか気になるところですよね。
この記事では、オンライン接客の成功事例を業界別に5つ紹介します。
特に大きく取り上げるのは、日産自動車の事例です。
各販売会社サイト上にチャットの問い合わせ窓口を設置し、チャットボットによる来店前の疑問解決や誘導手段の強化を目的としてオンライン接客を活用しています。
日産自動車はオンライン接客を開始して12ヶ月で、数百名を超える店舗送客を実現し、幅広い年代から車の成約を獲得しています。また電気自動車ARIYAの会員特設サイトでも、来店前のオンライン接客スキームの運用を開始しています。
オンライン接客は効果的に生かすことができれば、メリットの多い接客方法です。
しかしオンライン接客のやり方や注意点なども理解しておかないと、せっかくオンライン接客に踏み切っても効果が低くなってしまう可能性があります。そこでこの記事では日産自動車をはじめとする5社の成功事例をもとに、以下の内容を詳しく解説していきます。
この記事を読めば分かること |
・オンライン接客の成功事例5選 |
この記事をお読みいただくことで、オンライン接客の事例を含んだメリットなどを詳しく理解できるようになります。ぜひこの記事をお読みいただき、オンライン接客の導入の参考にしていただければ幸いです。
1.オンライン接客の成功事例5選
「オンライン接客」とは、顧客に対して店舗などで直接対面して接客するのではなく、インターネットを通じて接客を行う手法を指します。
例えば「zoomやSkypeなどのWeb会議ツール、ビデオ通話ツールを使って有人対応する」「キャラクターなどのアバターが対応する」「チャットを使ってテキストで対応する」などの方法があります。
【オンライン接客のイメージ】
新型コロナウイルス感染症が蔓延したことで、対面での接客が難しい時期が続き、代わりにオンライン接客が普及し始めました。その為、まだ導入して間がなく手探り状態だったり、導入を検討していながら迷っていたりする企業もあるでしょう。
そこでまず、実際にオンライン接客を導入して成果を上げた企業の事例を5つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
・【自動車メーカー】日産自動車:チャットボットと有人チャット導入12カ月で 数百名超の送客を実現 |
2.【自動車メーカー】日産自動車:チャットボットと有人チャット導入12カ月で 数百名超の送客を実現
1つ目の事例は、日産自動車株式会社(以下 日産自動車)の事例です。オンライン接客を導入するに至った理由=課題、実際に行った施策、その成果にわけて見ていきましょう。
日産自動車 | |
課題 | ・Webサイト上から、予約注文や試乗イベントの申し込みだけでなく、顧客の疑問解決や店舗への誘導の手段を強化したい |
施策 | ・Webサイトを活用したオンライン接客サービスの導入 |
成果 | ・販売会社サイトにおいて、チャット経由での店舗への送客数は数百名を超え、幅広い年代のお客さまから成約を獲得 |
成功ポイント | ・顧客がオンライン接客に対してストレスや違和感がないようスムーズなオペレーションを構築 |
参照:日産自動車株式会社
2-1.課題:店舗送客を促すためのサポート導線が未整備
日産自動車は、オンライン接客を始める前までに以下のような課題を抱えていました。
日産自動車が抱えていた課題 |
・Webサイト上から、予約注文や試乗イベントの申し込みだけでなく、顧客の疑問解決や店舗への誘導の手段を強化したい |
自動車販売は従来、販売会社での対面接客が基本です。
しかし近年のデジタル社会では、オンライン接客など多様なアプローチが求められてきています。
日産自動車も非対面で顧客との接点を築き、多様化した接点をいかにしてシームレスにつないでいくのかが課題となっていました。
これを解決すべく行った具体的な施策とは、どのようなものだったでしょうか?
2-2.施策1:チャットボットと有人チャットをシームレスに連携するオンライン接客を導入
日産自動車は、販売会社サイトにてテキストコミュニケーションを活用したオンライン接客を開始しました。販売会社サイトから顧客がわざわざ店舗へいかずとも、購入前に気軽に疑問解決や相談をできるような仕組みを構築したのです。
例えば顧客が「日産ARIYAのボディデザインの特徴」について疑問を持ったとします。
以前はこうした疑問を持った際、顧客は電話で問い合わせたり、店舗へ行って日産ARIYAのボディデザインの特徴を聞く必要がありました。
しかしオンライン接客を導入したことにより気軽に問い合わせができ、チャットボットによる迅速な回答を得ることが可能になりました。
またチャットボットでの回答よりも詳しい内容を知りたい顧客には、有人チャットを準備しているので有人対応への切り替えを行います。
オペレーターは会話の中で顧客が求めている情報を提供しつつ、成約に至る見込みがある場合はニーズ喚起の上で店舗への送客を促します。このようにオンライン接客を行うことで、当初の課題であった「顧客の疑問解決や店舗への誘導手段の強化」を実現したのです。
チャットボットや有人チャットについてはこちらの記事で詳しく解説しています
2-3.施策2:ツール導入だけでなく設計や運用もできる体制を構築
またオンライン接客を導入するに当たっては、チャットボットで解決しきれない疑問や悩みを持つ顧客を、ストレスを感じさせたり離脱したりすることなくオペレーターへシームレスに接続しなければならないという課題がありました。
そこで日産自動車は、トランスコスモスにオンライン接客の導入を依頼し、トランスコスモスは問い合わせに至るまでの顧客導線を洗い出し、各顧客接点に最適な自己解決環境をつくりあげました。
更に自己解決できない場合の円滑な有人対応のスキームを構築したのです。
具体的には顧客が離脱しないよう、チャットボット流入後、解決できないとなった状態ですぐに有人チャットへ接続できるような仕組みを構築。
運用開始後は、現場スタッフによるコミュニケーション知識の底上げや迅速なエスカレーション、デジタル技術活用を支援するスペシャリストチームによる細かなシナリオのチューニングなど日産自動車の課題解決に向けPDCAを回しました。
こうした作業を続けることでより精度の高い顧客コミュニケーションツールへと進化させることができます。ツール導入だけでなく設計や運用を行う体制を構築することがオンライン接客を円滑に行えるポイントです。
2-4.成果:チャット経由で店舗へ数百名超を送客
これらの施策を行った結果、以下のような大きな成果をあげることができました。
店舗への送客数が向上し、多くの成約を獲得
チャットボットによるオンライン接客を導入したことで、いつでも顧客とコミュニケーションを取れる仕組みが構築され、店舗への送客数が向上しました。
オンライン接客を開始して約12ヶ月で店舗への送客数は数百名を超え、幅広い年代の顧客からの成約を獲得するに至ったのです。
より豊かな顧客体験を実現
またオンライン接客の導入により、顧客が求めるタイミングでオペレーターへ接続することができ、より深いニーズに応じた今まで以上に豊かな顧客体験の提供を実現しました。
場合によっては店舗の従業員へとバトンタッチするため、顧客はリアルでも充実した顧客体験を得ることとなります。
このように豊かな顧客体験を実現することで、売上の向上が目指せるだけでなく顧客のブランドや企業に対するイメージの向上にもつながります。
顧客体験についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
2-5.成功のポイント:スムーズなオペレーションの構築
日産自動車のオンライン接客を成功に導いたポイントは、顧客がオンライン接客に対してストレスや違和感がないようスムーズなオペレーションを行うことにありました。
具体的には、以下の点が重要です。
・リアルとオンラインを自由に行き来できるチャネルを構築する |
日産自動車のオンライン接客事例では、顧客はリアルかオンラインかどちらか一方ではなく、「リアルもオンラインも自由に行き来できる」仕組みを構築したことが成功の要因と言えます。
顧客はまずはチャットボットや有人チャットといった「オンライン」のステージで疑問への回答を得ることができ、必要に応じて「リアル」である実店舗への来店予約がオンラインからも可能となります。
そうしたオペレーションは何よりも適切なタイミングで行うことが重要です。選択導線が適切なタイミングで表示されないと、顧客はストレスを感じてしまう可能性があるためです。
オンライン接客を行う場合には、顧客がストレスなく利用できるようスムーズなオペレーションが何よりも必要となるのです。
3.【情報通信】ソニーネットワークコミュニケーションズ:チャットで生産性が2倍に
「NURO」などのIT・通信サービスで知られるソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社(以下So-net)では、カスタマーサポートをノンボイス化するプロジェクトを実施しました。
AIチャットボットと有人チャットを組み合わせて接客した結果、生産性が2倍になるなど大きな成果を得ることができました。
So-net | |
課題 | ・人手不足やコロナ禍におけるBCP対応など、カスタマーサポート人員の安定確保が困難だった |
施策 | ・ノンボイス(有人チャット、AIチャットボット)の利用拡大のため、トランスコスモスとの共同プロジェクトを発足 |
成果 | ・約1年半のプロジェクトの結果、ノンボイス(有人チャット、AIチャットボット)中心のカスタマーサポートを実現 |
成功ポイント | ・トランスコスモスとの共同プロジェクトによる役割分担の明確化 |
3-1.課題:カスタマーサポートの人員を安定して確保することが難しかった
So-netでは、人手不足の影響からカスタマーサポート部門でも安定して人員を確保することが難しくなっていました。
また一方で、顧客側からは「もっと迅速に問題の解決にたどり着きたい」という要望があり、企業と顧客との相反するニーズにどう応えるかが課題でした。
3-2.施策:カスタマーサポートをノンボイス化、有人チャットとAIチャットボットによる顧客対応を導入
そこで、少ない人員でも行き届いたサポートを提供できるよう、カスタマーサポートをノンボイス中心に改革することにしました。
具体的には、So-netのキャラクターをAIチャットボット化した「AIモモ」が問い合わせに一次対応し、「AIモモ」が対応できない質問に対しては、有人チャットやサポートページへシームレスに誘導するというシステムの構築です。
施策として行ったのは、以下のようなことです。
・トランスコスモスと共同でノンボイスプロジェクトを発足 |
So-netとトランスコスモスが密に連携することで、プロジェクトを迅速に推進しました。
3-3.成果:問い合わせの半数以上をAIチャットボットで対応、生産性は約2倍に
プロジェクトは約1年半におよびましたが、その結果、初期の目的通りにノンボイス中心のカスタマーサポートを実現することができました。
プロジェクトがスタートする前は、カスタマーサポートの中で電話チャネルが中心的役割を担っていましたが、2020年の時点でAIチャットボットによる対応が半数以上を占めるに至っています。
また、有人チャット窓口でも、1時間あたりの平均サポート件数(CPH)が以前の約2倍になり、生産性が大きく向上しました。
3-4.成功のポイント:トランスコスモスとの共同プロジェクトによる役割分担の明確化
この事例では、So-netとトランスコスモスの2社による共同プロジェクトで改革を推進したことが成功のポイントでした。
過去のノウハウを参照したり、オペレーターの意識を改革したりといったソフト面からのアプローチはトランスコスモスが担当し、So-netでは仕組みやシステムを整えることに注力するというように、役割分担を明確化しました。
一方で、コミュニケーションはひんぱんに取り交わし、全体設計と窓口運営の両軸が連携してプロジェクトを推進できたことが、大きな成果につながったと言えるでしょう。
4.【化粧品】協和:デジタルチャネルでの問い合わせ比率が6%から40%に拡大
エイジングケア美容液ブランド「fracora(フラコラ)」を展開している株式会社協和(以下、協和)は、2019年からDXに取り組んでいます。
その一環として、顧客対応窓口=コンタクトセンター(コールセンター)を電話中心の対応からデジタル化、オンライン化し、デジタルチャネルの利用率を6%から40%まで大幅に拡大、コストの最適化も実現しました。
協和 | |
課題 | ・自社のコンタクトセンターミッションである「オフラインをオンラインへ」を達成するためのデジタルシフト支援、チャネル整備を1社に任せたい |
施策 | ・問い合わせの導線整備とチャネル拡充: 電話やメールに加えて、サポートコンシェルジュ(V-IVR)と有人チャット・チャットボットを導入、顧客ニーズに合わせた導線を整備 |
成果 | ・当初メール中心で6%だったデジタルチャネルでの問い合わせ比率を、マルチチャネル化で20%まで拡大 |
成功ポイント | ・顧客が窓口を自由に選べる状態を作った |
4-1.課題:メインターゲット層を若返らせるため、顧客コミュニケーションをデジタルシフトさせたい
「fracora(フラコラ)」は従来、テレビCMを中心に新規顧客獲得をはかってきました。
ただ、テレビ広告で訴求できる顧客の年代が徐々に高くなり、60代以上の女性が中心になっていたのです。
企業としては、ブランドを長く利用してくれるファンを育てるためにも、ターゲット層を若返らせ、40〜60代中心にしたいと考えるようになりました。
さらに、社会がデジタル化、DX化に傾く中で、いまだ問い合わせの大半が電話によるものだったので、顧客にデジタルチャネルの利用を促したいという思いもあったのです。
4-2.施策:顧客コミュニケーションをデジタル化する3つの施策を実施
そこで協和は2019年より、DX化に取り組むことを決めました。
電話対応中心だったコンタクトセンターをデジタル化・オンライン化するため、トランスコスモスとともにプロジェクトを発足したのです。
具体的には、以下の3つの施策に取り組みました。
・問い合わせの導線整備とチャネル拡充 ・デジタルチャネルでの誘導施策 ・VOC活用、チューニングの実施 |
これらの大きな取り組みに加えて、チャットウィンドウのデザイン変更など、細かなユーザビリティ向上もはかりました。
4-3.成果:デジタルチャネルの利用率が6%から20%、30%、40%と急拡大
このプロジェクトを始める前は、前述したように顧客からの問い合わせは電話が大半で、デジタルチャネルの利用は全体の6%、それもメールが中心でした。
それが、マルチチャネル化によって有人チャットやチャットボットなどの利用も増え、デジタルチャネルを利用する人が20%を超えました。
さらに、シナリオを見直したり、チャットの対応範囲を広げたりしたことで、1年後には30%を達成。
改善を繰り返した結果、2年後には40%にまで拡大することに成功しています。
また、相対的に電話チャネルの利用率が下がり、コスト削減にもつながりました。
4-4.成功のポイント:顧客が窓口を自由に選べる状態を作った
この事例では、問い合わせ窓口のチャネルを多様化したことが成功のカギだと思われます。
電話、メール、有人チャット、チャットボットの中から、顧客が自分のライフスタイルやシーンに合ったものを自由に選ぶことができる状態を用意したこと。
そして、まずV-IVRのサポートコンシェルジュが接客し、顧客ごとに適したチャネルを案内すること。
これにより、顧客はストレスなくオンライン上で知りたいことを知ることができるようになりました。
5.【法律事務所】SAKURA法律事務所:メタバース空間でアバターが気軽に弁護士相談
道下剣志郎弁護士率いるSAKURA法律事務所では、トランスコスモスの支援によりメタバース空間を設けました。
この「SAKURA法律事務所メタバース」では、ユーザーがアバターで弁護士に簡易法律相談できるようになっています。
通常、法的なトラブルが生じた場合は、時間と労力を割いて弁護士に相談しなければなりません。それがメタバース空間であれば、ユーザーの好きな時間、好きな場所で相談ができます。
また、ユーザーはアバターの姿で弁護士に会うので、人に打ち明けづらいことを話す際の心理的ハードルも下がり、より率直な相談ができるでしょう。
SAKURA法律事務所 | |
課題 | ・法的なトラブルを相談する場合、従来は煩雑な手続きで、時間と労力が必要だった |
施策 | ・メタバース空間に簡易法律相談所を開設、事前予約制で30分まで相談料無料 |
参照:トランスコスモス、道下剣志郎弁護士率いるSAKURA法律事務所にメタバースを提供
6.【ホテル】スーパーホテルクリーン:コンタクトセンターと連動したアバター遠隔接客
株式会社スーパーホテルクリーン(以下、スーパーホテルクリーン)は、コンタクトセンターと連動したアバター遠隔接客サービスを提供しています。
旅行・観光業界では、アフターコロナにより旅行客が急速に回復している反面、長く続いたコロナ禍によって離職した従業員が戻りきらず、人員確保が厳しい状況が継続しています。
そのため、宿泊施設では「宿泊利用者が増えたのに人手が足りない」という状況で、宿泊利用者の満足度低下が懸念されています。業務の効率化や省人化に向けた取り組みが喫緊の課題となっています。
【ホテル】スーパーホテルクリーン | |
課題 | ・アフターコロナにより旅行客が急速に回復している反面、長く続いたコロナ禍によって離職した従業員が戻りきらず、人員不足 |
施策 | ・宿泊施設のコールログを分析し問合せ傾向を把握 |
成果 | 施設スタッフの業務負担軽減と宿泊客のCX向上を実現 |
参照:店舗など受付窓口向けアバター遠隔接客サービスの提供開始
7.オンライン接客のメリット
それではここからは、オンライン接客のメリットについて詳しく解説していきます。
オンライン接客のメリットとして以下の4点が挙げられます。
それぞれについて詳しく解説していきましょう。
7-1.人材を効率的に活用できる
オンライン接客を行うことで、企業は人材を効率的に活用できるようになります。
リアルの接客と違い、オンライン接客は従業員(オペレーター)1人に対し、複数顧客の対応が可能となります。
店舗での接客や電話での接客であれば、1人の従業員は1顧客の対応しかできませんが、オンライン接客であれば、リアルの接客に比べ少ない人数でも、複数顧客対応をすることが可能となり、効率的に接客を行うことができます。
7-2.顧客データを収集できる
続いて企業はオンライン接客を行うことで、顧客のデータを収集できると言うメリットもあります。
通常の接客では、顧客が店舗に赴き接客をうけて商品やサービスの購入を行います。この場合従業員が集められる顧客のデータとしては、顧客の個人情報や購入履歴に留まります。
しかしオンライン接客の場合は、より多くのデータを集められる可能性があります。
例えばチャットボットや有人チャットを利用すれば、何が疑問で問い合わせてきたのか、問合せの時間帯、気になっているサービスや商品への意見など様々なことが記録できます。
またそういった問い合わせがあった段階で、アンケートなどを実施することでより細かな要望や意見を聞くことも可能となります。
こうしたデータを多く収集し、分析することで今後に生かすことも可能となるでしょう。
7-3.場所を問わずに利用できる
オンライン接客を選択する顧客にとっては、場所を問わずに利用できる点が大きなメリットとして挙げられます。
通常の接客では、顧客は店舗に赴いて商品を見たり、従業員からサービスについての案内を聞く必要があります。
顧客の行動範囲内にそうした店舗があれば問題は無いのですが、必ずしもそうとは限りません。家の近くに店舗がない場合など店舗に行くことが難しかったり、忙しくて店舗に行くことができないなどの場合もあります。
しかしオンライン接客を行うことで、どこに住んでいても接客を受けることが可能となります。首都圏にしか店舗がない場合に地方から接客を受けることも可能になりますし、場合によっては海外からの接客を受けることも可能となります。
このように、オンライン接客は住んでいる場所にかかわらず顧客が自由に利用できる点が大きなメリットとして挙げられるのです。
7-4.気軽に利用できる
オンライン接客を設置することで、顧客はより気軽に利用できるようになります。
気軽に利用できるということは、商品に興味のある顧客の関心を更に引き上げられる可能性があります。
例えば先程の日産自動車の例では、顧客が持つ疑問点や悩み等をまずはチャットボットが回答します。これには、顧客が持つ疑問点や悩みをまずはスピーディーに回答を提示する目的があります。
これを読んでいるユーザーの中にも、商品やサービスについて知りたいことがあって問い合わせたけれどもなかなかオペレーターに通じない、といったストレスを感じた機会があるのではないでしょうか。
チャットボットを導入することで、そうしたストレスから顧客は解放されます。
さらに必要とあればオペレーターに接続することで、より深い案内を受けることも可能となります。
こうした一連のシームレスな接客体験により、顧客は商品や販売企業に対して印象が良くなり、購買する可能性も高まります。
8.オンライン接客を導入すべき企業
それではここからは、オンライン接客を導入すべき企業について詳しく解説していきます。
オンライン接客を導入すべき企業としては主に以下の3つが挙げられます。
それぞれについて詳しく解説していきましょう。
8-1.対面接客機会が減った企業
オンライン接客を導入する企業として第一に挙げられるのが、対面接客が減った(減ってきた)企業です。
近年ではコロナ禍や高齢化などの影響も有り、店舗への来客が少なくなっており、売り上げ自体が低下するといったことが様々な業界で起こっています。オンライン接客を導入することで、接客機会をオンライン上に移し、自社の商品を顧客にアピールする機会が増えるでしょう。
実際にアパレル業界や電気機器販売店など多くの小売業が、オンライン接客を導入し成功につなげています。
日産自動車のように単価の高い業種であっても、オンライン接客によって成約につなげる事も設計によっては可能ですので、対面接客機会が減った企業は導入するのが良いでしょう。
顧客接点についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
8-2.実店舗が少ない企業
実店舗が少ない企業も、オンライン接客を導入すべきと言えるでしょう。
「」でも解説した通り、オンライン接客の最大のメリットは場所を問わずに利用できる点です。
これまで実店舗を持たず(少ない)オンラインに注力していた企業はどちらかというと広告や口コミを積極的に活用し、流入拡大施策を優先していましたが、オンライン接客を有効活用することで、購入前の後押し等が出来るようになるので、売上を向上させることが可能になります。
8-3.顧客との信頼関係を強くしたい企業
顧客との信頼関係をより強くしたい企業にとっても、オンライン接客は有効です。
オンライン接客には、店舗での接客の補助的な役割もあります。店舗で接客を行った場合でも、購入して帰宅してから何かしらの疑問を持ったり、商品に対して聞きたいことなどが出てくることがあります。
そうした場合に改めて店舗に赴くのではなく、インターネットを利用して迅速にオンライン接客を受けることができれば、顧客の企業への信頼を強くすることも可能となります。
例えば日産自動車の例では店舗での接客を受けた後に、改めて別の希望を持ったり、より深く知りたいことが出てきた場合に、顧客はまず問い合わせでチャットボットにより質問の回答を得ることが可能となります。
その上で、チャットボットで回答できない内容はオペレーターへ接続し質問できるのです。
これらの一連の対応をスムーズに行うことで、顧客は店舗で問い合わせをした時よりもより強い信頼を企業に寄せてくれることになるでしょう。
このようにオンライン接客を行う事は、顧客との信頼関係をより強くすることも可能となるのです。顧客との信頼関係を強くする方法についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
9.オンライン接客に興味がある方は一度ご相談ください
オンライン接客に興味を持っている方は、ぜひ一度トランスコスモスにご相談ください。
オンライン接客の経験がない場合に、どのようにどういったシステムや運用設計をすればいいのか分からないといったことに悩む企業は多いのが現状です。
トランスコスモスなら、そうした企業の課題解決のお手伝いが可能です。
日産自動車の例では以下のようなサービスの導入を行い、成果を上げています。
トランスコスモスがオンライン接客サービスの導入で行ったこと |
・チャットボットと有人チャットをシームレスに組み合わせたオンライン接客サービスを提供 |
またチャットボットや有人チャットの導入だけでなく、ビデオチャットの導入など新しい取り組みも行っています。オンライン接客制度の導入を検討されているのであれば、ぜひ一度トランスコスモスにお問合せください。
まとめ
以上、この記事ではオンライン接客導入事例を中心に、以下の内容を詳しく解説してきました。
この記事を読めば分かること |
・オンライン接客の成功事例 |
この記事をお読みいただくことで、オンライン接客の事例を中心とした全体像を把握できるかと思います。ぜひこの記事をオンライン接客導入の参考にしていただければ幸いです。