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次世代コンタクトセンターとは?求められる進化や取り組み事例を解説

「次世代コンタクトセンターとは何だろう?従来型のコンタクトセンターと何が違うのか?」
「DX化進む中で、自社も新しい時代に対応したコンタクトセンターを構築すべきなのだろうか?」

こうした疑問を持たれたことはありませんか。

「次世代コンタクトセンター」という言葉自体に明確な定義はありませんが、ひとことで言えば、DX時代に対応した新しいコンタクトセンターの形です。

次世代コンタクトセンターの概要

近年、さまざまな領域でテクノロジー活用が進み、第4次産業革命と呼ばれる大きな改革期を迎えています。その流れの中で、コンタクトセンターにもDXが急速に浸透しています。

かつては主に電話やメールの問い合わせ対応を担う場とされていたコンタクトセンターですが、現在ではより高い価値を生み出すことが求められる部門へと進化しているのです。

次世代コンタクトセンターは、次のような機能や取り組みを備えたセンターを指します。

・電話やメール以外の幅広いチャネルのクラウド化
・AIチャットボットやボイスボットの導入
・顧客対応をスムーズに誘導するビジュアルIVR
・FAQなどのセルフサービスの充実
・業務プロセスのデジタル化による効率向上
・顧客データを活用し迅速に改善を行うデータドリブンな運営

コンタクトセンターを次世代型へとアップデートすることで、次のようなメリットが期待できます。

・顧客体験(CX)の向上
・プロセスのデジタル化による業務効率の向上
・コストセンターから、価値を生み出すプロフィットセンターへの転換

次世代コンタクトセンターを目指すことで、従来のように「コストがかかる部門」ではなく、「企業の成長を支える部門」として新しい価値創出が可能になります。

一方で、こうした内容を十分に理解しないまま単にシステムを導入しただけでは、ツールを使いこなせず、逆に業務効率が低下したり、顧客から利用されないセンターになってしまう可能性もあります。

本記事では、次世代コンタクトセンターについて、以下の内容を詳しく解説します。

・次世代コンタクトセンターとは何か
・次世代コンタクトセンターに求められる6つの特徴
・次世代コンタクトセンター 3つのメリット
・次世代コンタクトセンター化への取り組み事例
・次世代コンタクトセンターが役立つ企業とは

この記事をお読みいただくことで、次世代コンタクトセンターの全体像を網羅的に理解し、新しい時代への一歩を踏み出すきっかけとなるでしょう。

ぜひ参考にしていただき、自社での次世代コンタクトセンター導入検討にお役立てください。

1.次世代コンタクトセンターとは

次世代コンタクトセンターとは

この記事を読んでいる方の中には、「そもそも次世代コンタクトセンター(コールセンター)とは何か?」という基本的な疑問をお持ちの方もいるでしょう。
まずは、「次世代コンタクトセンター」という言葉が指すものを整理して解説します。

1-1.「次世代コンタクトセンター」とは?

前述の通り、次世代コンタクトセンターとは、従来の“電話で問い合わせに対応するだけ”という枠を超え、生成AIなど最新のデジタル技術を活用し、複数チャネルで顧客接点を創出して顧客体験(CX)や満足度向上を目的とするコンタクトセンターを指します。

従来型との主な違いは以下の通りです。

・AIを積極的に活用すること
・問い合わせ対応に留まらず、パーソナライズされた価値ある情報提供や体験創出まで担うこと

<具体例:AIチャットボット>
顧客の入力内容をAIが解析し、蓄積されたデータを基に最も適切な回答を掲示する→顧客体験向上や自己解決率の向上につながる

AIチャットボットの使用イメージ

■従来との違いまとめ

旧来のコールセンター

従来のコンタクトセンター

次世代コンタクトセンター

概要

電話でオペレーターが対応

電話以外の複数チャネルで対応(マルチチャネル)

AIを活用し、複数チャネル総合的に活用(オムニチャネル)+マーケティング施策で顧客体験も向上

チャネル

電話のみ

有人:電話・メール・チャット
無人:チャットボット・IVR

有人:電話・メール・チャット
AI:AIチャットボット・AIアシスタント

企業内での位置付け

コストセンター

顧客満足向上に寄与するが収益には直結しにくい

VOCを分析し体験向上・売上に貢献するプロフィットセンター

目標

顧客課題の解決

顧客満足の向上

顧客体験価値(CX)の創造・向上

次世代コンタクトセンターでは、センター内のあらゆるチャネルやプロセスがDX化されます。
代表的な取り組みは以下の通りです。

コミュニケーションチャネルのデジタル化

電話中心だった顧客接点を、チャット・SNSなどへ拡張すること。

業務プロセスのデジタル化

オペレーションをデジタル化し、効率化を図ること。

デジタルデータの利活用

問い合わせから得られた膨大な顧客データを蓄積・分析し、改善へ還元すること。

コンタクトセンターDX化について詳しく知りたい方は、「コールセンターのDX化とは?DX化を実現するための3つのポイント」でも解説していますので、参考にしてください。

1-2.次世代コンタクトセンターが求められる背景

では、なぜ今「次世代型」が求められるのでしょうか?

顧客とのタッチポイントのオンライン化

企業と顧客の接点は、対面や電話といったオフラインから、WEB・アプリを中心としたオンラインへ急速にシフトしています。

かつては、
店舗で商品を購入→問い合わせは対面か電話が一般的でした。

しかし現在では、
ECサイトで商品を購入→問い合わせはチャットボット・メール・Webフォーム
というスタイルが主流になりつつあります。

トランスコスモスの調査でも、依然として電話利用率は高いものの、「今後利用したいチャネル」としては“チャット”が最も選ばれているという結果が出ています。

チャネル別の利用経験率と利用意向率のGAP

出典:トランスコスモス株式会社「消費者と企業のコミュニケーション実態調査 2024-2025

この傾向から、企業側もオムニチャネル化・デジタル化を進めざるを得ない状況にあると言えます。

国によるDX推進・生成AIの急速な普及

国全体でDXを推進していること、さらにChatGPTに代表される生成AI技術が急速に進化したことで、コンタクトセンター業務の高度化・効率化は以前よりも実現しやすくなりました。

これまでのように、大量のオペレーターが電話対応に追われる必要がなくなり、AIがチャットやメールなどの一次対応を自動化できるようになったことも大きな要因です。

2.次世代コンタクトセンターに求められる6つの進化

次世代コンタクトセンターに求められる6つの進化

ここからは、次世代コンタクトセンター(コールセンター)に求められる具体的な進化について説明します。
代表的な特徴は以下の6点です。

・電話やメール以外の幅広いチャネルのクラウド化
・AIチャットボットやボイスボットの導入
・顧客対応をスムーズに誘導するビジュアルIVRの活用
・FAQなどセルフサービスの充実
・プロセスのデジタル化による業務効率向上
・顧客データを活用して迅速に改善を行うデータドリブン機能

それぞれ詳しく解説します。

2-1.電話やメール以外の幅広いチャネルのクラウド化

次世代コンタクトセンターにおいて最も重要なポイントのひとつが、さまざまなチャネルをクラウド上で統合管理することです。

近年、顧客のコミュニケーション手段は多様化しています。

電話
メール
チャット
SNS
メッセージアプリ など

従来、企業が対応していたのは電話やメールが中心でしたが、現在の顧客は複数のチャネルを使い分けるのが当たり前になっています。

しかし、これらのチャネルをそれぞれ独立したシステムで運用している場合、顧客はチャネルをまたぐたびに情報が引き継がれず、一貫した体験を得にくいという課題が生じます。

たとえば、問い合わせの入り口がチャットボットであっても、より詳しい説明が必要になった際にはスムーズにオペレーターへ接続できる環境が必要です。

ここで一度チャットを終了し、顧客自身が電話窓口にかけ直さなければならないようでは、手間がかかり、顧客満足度は大きく低下してしまいます。

また、どのチャネルから問い合わせがあっても、顧客情報を迅速に参照できる仕組みも不可欠です。過去の対応履歴や顧客の状況をすばやく把握できなければ、適切な回答にたどり着けず、対応品質にも影響が出てしまいます。

こうした課題を解決し、チャネル横断でシームレスな顧客対応を実現するためには、幅広いチャネルのクラウド化と一元管理が非常に重要となるのです。

2-2.AIチャットボットやボイスボットの導入

AIチャットボットやボイスボットの導入は、次世代コンタクトセンターを語る上で欠かせない要素のひとつです。

顧客が問い合わせの際に最も求めているのは、「できるだけ早く問題を解決できること」です。

高度なチャットボットが導入されていれば、簡易的な質問のためにわざわざ電話する必要もなく、オペレーターにつながるまで待たされることもありません。チャットボットが対応可能な定型的な問い合わせであれば、その場ですぐに解決できます。

特に次世代コンタクトセンターでは、従来型のシナリオベースのチャットボットではなく、AIを活用した対話型のチャットボットが重要な役割を果たします。

AIチャットボットは、あらかじめ決められた回答を提示するだけでなく、顧客の入力を解析し、自ら最適な回答を検索し、必要に応じて学習しながら精度を向上させることができます。

これにより、顧客はより自然でストレスの少ないコミュニケーションを体験でき、センター側にとっても自己解決率の向上や対応負荷の削減につながります。結果として、全体の顧客体験価値(CX)が大きく向上するのです。

2-3.顧客対応をスムーズに誘導するビジュアルIVRの活用

ビジュアルIVRの概要

従来、電話での顧客対応では音声ガイダンスに従って番号を選択するIVR(自動音声応答)が一般的でした。次世代コンタクトセンターでは、これをスマートフォンと連動した「ビジュアルIVR」へと進化させることが求められます。

ビジュアルIVRは顧客のスマートフォン画面にカスタマーサポートメニューを視覚的に表示できる仕組みです。

これにより、顧客は長いガイダンスを聞いたり、プッシュボタン操作を繰り返したりする必要がありません。画面を見ながら直感的に選択できるため、以前よりも短い時間で目的の情報や担当窓口にたどり着けます。

顧客の負担を減らし、問い合わせ導線を分かりやすくするビジュアルIVRは、次世代コンタクトセンターに欠かせない重要な仕組みと言えるでしょう。

2-4.FAQなどセルフサービスの充実

次世代コンタクトセンターにおいては、FAQを中心としたセルフサービスの充実も需要なポイントです。

顧客はできる限り時間を無駄にせず、自分で問題を解決したいと考えるものです。問い合わせをしなくても答えが見つかるなら、それが最も快適な体験になります。そのため、FAQがわかりやすく整備されていることは顧客満足度に直結します。

充実したFAQがあれば、顧客は電話やチャットで問い合わせる必要がなくなり、スムーズに自己解決できます。また、センター側にとっても問い合わせ件数の減少やオペレーター負荷の軽減につながり、全体の運営効率も向上します。

セルフサービスの強化は、企業と顧客双方にメリットのある施策です。

2-5.プロセスをデジタル化し業務効率を向上

業務プロセス自体をデジタル化することも、次世代コンタクトセンターの重要な特徴です。
新型コロナウィルスによる働き方の変化や、少子化による労働力不足など、企業には以前より強く業務効率化が求められています。コンタクトセンターもその例外ではありません。

次世代コンタクトセンターではAIを活用し、通話内容の記録・分析・リスク検知といった業務を自動化することで、業務プロセス全体の効率を大幅に高めることができます。

音声認識ソリューション「transpeech」の機能概要

たとえば、トランスコスモスが導入している音声認識ソリューション「transpeech」は会話内容をリアルタイムにテキスト化し、内容の分析も同時に行える仕組みです。

これにより、クレームにつながりそうな場面を早期に検知したり、オペレーターの対応に注意喚起を行ったりすることが可能になります。

従来はマニュアルを見ながら対応することが一般的でしたが、リアルタイム分析によりスピーディかつ質の高い対応がしやすくなります。また、会話内容が自動で記録されるため、後処理の作業時間も短縮され、業務効率化に大きく貢献します。

2-6.顧客データを活用し迅速な業務改善を行えるデータドリブン機能

最後に挙げられる特徴が、蓄積された顧客データを活用して迅速に業務改善を行う「データドリブン」な運営体制です。

コンタクトセンターには、日々膨大な顧客データが集まります。しかし、チャネルごとにデータが分断されていたり、一元管理されていなかったりすると、その貴重な情報を十分に活用できません。

次世代コンタクトセンターでは、複数チャネルから得られる顧客データを一元的に管理し、必要に応じてすぐに取り出して分析できる環境が求められます。これにより、顧客の行動傾向や課題を素早く把握し、サービス改善やプロセス最適化を迅速に行うことが可能になります。

こうしたデータ活用の基盤が整って初めて、コンタクトセンターは従来の「コストセンター」から脱却し、顧客体験価値を向上させて利益創出につなげる「プロフィットセンター」へと進化していくのです。

3.次世代コンタクトセンター 3つのメリット

次世代コンタクトセンター 3つのメリット

こうした特徴を備える次世代コンタクトセンターには、従来型のコンタクトセンターにはなかった大きなメリットがあります。ここでは、その代表的な3点について解説します。

次世代コンタクトセンターによって可能になることの一覧

3-1.顧客体験(CX)の向上

1章でも触れたように、最も大きなメリットは「顧客体験(CX)が向上すること」です。

顧客体験とは、顧客が企業やブランドと接触するあらゆる場面で得る体験の総称です。次世代コンタクトセンターでは、電話だけでなく、メール、チャット、FAQ、SNSなど多様なチャネルを活用できるようになるため、顧客は自分の状況に合わせて最適な方法で問い合わせができます。

たとえば、平日の日中に仕事がある顧客であれば、限られた休憩時間に電話をかける必要はありません。チャットボットやFAQを利用することで、自力で短時間のうちに問題を解決できる機会が大幅に増えます。

結果として、問い合わせから解決に至るまでのスピードが向上し、顧客のストレスも軽減されます。

もちろん、AIやFAQでは対応しきれない複雑な案件については、必要に応じてスムーズにオペレーターへ切り替えることも可能です。対応手段の幅が広がり、解決までの経路が最適化されることで、顧客体験そのものが大きく向上します。

問い合わせ対応の効率化によって企業側の応対スピードも上がるため、このメリットは顧客だけでなく、企業にとっても価値があります。

「顧客体験(CX)」についてさらに詳しく知りたい方は、「顧客体験(CX)とは|CX向上が必要な3つの理由とは?」もぜひ参考にしてみてください。

3-2.プロセスをデジタル化し業務効率を向上できる

次世代コンタクトセンターの導入によって、業務プロセスのデジタル化が進み、業務効率を大幅に向上させることができます。

これまで多くのコンタクトセンターでは、通話対応後にオペレーターが顧客情報や問い合わせ内容を手作業でレポート化する作業が一般的でした。

次世代コンタクトセンターでは、AIが通話内容をリアルタイムで文字起こしし、必要な内容を自動で記録してくれるため、こうした事務作業の負担が大きく削減されます。

さらに、顧客データがすべてデジタルで一元管理されるため、顧客の利用履歴や過去の問い合わせ情報、行動データなどを瞬時に参照でき、オペレーターはその都度検索する手間がなくなります。これにより、対応品質の向上と業務時間の短縮を同時に実現できます。

3-3.コンタクトセンターのプロフィット化

プロフィットセンターの概要

次世代コンタクトセンターの導入により、従来「コストセンター」と見なされてきたコンタクトセンターを、利益を生み出す「プロフィットセンター」へ転換できる点も大きなメリットです

プロフィットセンターとは、企業に利益をもたらす部門のことで、営業部やマーケティング部などが代表例です。一方、コンタクトセンターは長年、顧客対応を行うだけで直接的な売上に結びつかないため、コストセンターと認識されることが一般的でした。

プロフィットセンター

コストセンター

意味

企業に利益を生み出す部門のこと

直接的な利益を生み出さない部門のこと

営業部、企画部、マーケティング部など

人事部、経理部、研究機関など

しかし、次世代コンタクトセンターでは以下のような新たな価値創出が可能になります。

・顧客からの問い合わせ内容からニーズを把握し、関連商品やサービスの提案につなげる
・顧客の声を迅速に関連部署と共有し、商品改善や新サービス開発に役立てる
・DX化により、顧客の属性・利用状況・問い合わせ履歴・アクセスログなど、より精緻なデータを収集し、マーケティング活動に活かす

たとえば、顧客が商品の使い方を問い合わせた際、必要に応じて併用すると効果が高まる商品を案内することで、直接的な販売機会につながることもあります。

また、顧客データを分析することで、どのような問い合わせが多いのか、どのサービスが改善を求められているのかをすぐに把握でき、企業全体の利益につながる施策に展開できます。

こうした取り組みによって、コンタクトセンターは企業の利益創出に貢献するプロフィットセンターへと生まれ変わるのです。

プロフィットセンターについてさらに詳しく知りたい方は、「プロフィットセンターとは?具体例と利益を生み出す3つのステップ」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

4.次世代コンタクトセンター化で自己解決率81.3%、FAQページアクセスが数%増加した神戸市様の成功事例

次世代コンタクトセンター化の取り組み事例2つ

ここまで見てきたように、次世代コンタクトセンターは企業にさまざまなメリットをもたらします。では、実際に導入するとどのような成果が得られるのでしょうか。

本章では、トランスコスモスが手がけた次世代コンタクトセンター化の取り組みの中から、特に効果が顕著に現れた成功事例を一つ、ご紹介します。

神戸市様

課題

市民からの問い合わせ電話が年間で200万件を超えることもあり、職員が電話対応に追われて本来の業務に集中できない状況が続いていた

施策
(実施内容)

DXプラットフォーム「trans-DX」を導入し、以下の取り組みを実施
・Webのユーザビリティ改善による解決率の向上
・市民への情報発信方法の見直し
・電話以外の問い合わせチャネル(ノンボイス)の拡充
・より素早く問題解決できるオペレーションの設計

成果

前年対比で問い合わせ件数が減少
・自己解決率:81.3%
・FAQページアクセス数:41%増加

神戸市様では、「神戸市お問い合わせセンター」を開設し、電話だけでなくWEBでの問い合わせにも対応できる体制を整えていました。しかし、依然として問い合わせの大半が電話に集中しており、課題解決には至っていませんでした。

そこで、トランスコスモスは、「trans-DX」を活用したDX施策を総合的に実施することで、市民の自己解決を促しつつ、職員の業務負荷を大幅に軽減する次世代型コンタクトセンターへの転換を目指しました。

1)Webのユーザビリティ改善で解決率を向上

問い合わせログから得られたVOC(Voice Of Customer:市民の声)を分析し、WebページやFAQの構成を見直しました。市民が迷わず必要な情報にたどりつけるよう、新たなWebページを作成し、ユーザビリティ向上を重視した改善を実施しました。

2)市民への情報発信方法の見直し

市の職員と連携できるサポート窓口を設置し、行政から発出される文書の改善活動を推進しました。イベント・制度改正の情報などを効率よくWebに反映し、電話での問い合わせを事前に減らせるようにしました。

3)電話以外の問い合わせ手段(ノンボイス)の拡充

電話以外の手段として、ハイブリッドチャット機能を強化しました。チャットボットで解決できない内容については有人チャットにつなげられる仕組みを整備することで、「電話以外で問い合わせたい」というニーズに対応できるチャネルを確保しました。

さらに、夜間や窓口混雑時など電話がつながりにくい時間帯には、折り返し電話予約ができる仕組みも導入し、つながりやすさを改善しました。

4)素早く問題を解決するオペレーション設計

音声認識・要約・エスカレーション支援など、AIによるオペレーターアシスト機能を導入。市民からの問い合わせ内容をリアルタイムに分析し、オペレーターがより迅速かつ適切な判断ができる体制を整えました。

市民の声を継続的に収集し、改善活動につなげられる仕組みも構築しています。

これらの総合的なDX施策によって、神戸市様では問い合わせ件数が前年より減少し、FAQページへのアクセスは41%増加。結果として、市民自身が問題を解決する割合が81.3%まで高まり、職員の負荷軽減と市民満足度の向上を同時に実現することができました。

神戸市様の問い合わせセンターDX化の仕組みとDX化による効果

5.次世代コンタクトセンターを目指すべき企業

次世代コンタクトセンターを目指すべき企業

最後に、次世代コンタクトセンターの導入が特に効果を発揮しやすい企業の特徴について解説します。

次世代コンタクトセンターを目指すべき企業の一覧

以下のような課題や状況を抱える企業は、次世代化によるメリットを得やすいといえるでしょう。

5-1.コンタクトセンターの人材不足を課題と感じている企業

まず、コンタクトセンターの人材不足に悩む企業は、積極的に次世代コンタクトセンターを目指すべきです。

これまでの章でも解説した通り、次世代コンタクトセンターではAIをはじめとした最新テクノロジーを活用することで業務効率化を実現できます。オペレーター不足や対応しきれない問い合わせが発生している場合でも、AIの導入によって負荷を大幅に軽減できます。

たとえば音声認識サービス「transpeech」を活用すれば、通話内容をリアルタイムでテキスト化し、自動でレポートを作成できます。従来、オペレーターが通話後に手作業で入力していた「後処理(AHT後半作業)」を大きく削減でき、生産性の向上に直結します。

また、電話に加えてチャットを導入することで、1人のオペレーターが同時に2~3件の対応を行えるようになり、同じ人員でもより多くの問い合わせに対応できます。

このように、これまで手動で行っていた作業の自動化や、対応チャネルの拡張によって、限られた人材でも高いパフォーマンスを発揮できるのが次世代コンタクトセンターの強みです。

5-2.コンタクトセンターが「コスト化」している企業

コンタクトセンターが「問い合わせ対応だけを行うコストセンター化している」と感じている企業も、次世代コンタクトセンターによって大きな変化が期待できます。

前章でも触れたように、従来のコンタクトセンターは「利益を生まない部署」と見なされがちでした。しかし、次世代コンタクトセンターは最新のソリューションを活用することで、顧客に新たな価値を提供し、企業の利益創出に貢献できる部門へと進化します。

たとえば、Insight BIを活用して膨大な顧客データを分析することで、顧客が何を求めているのか、どのサービスが価値につながるのかといったインサイトを抽出できます。この情報は商品開発やマーケティング施策にも活かすことができます。

さらに、問い合わせ内容やWeb閲覧履歴を分析すれば、その顧客に最適な商品やサービスを提案することも可能になります。単に問題を解決するだけでなく、「顧客に合った価値提供」ができるようになることで、コンタクトセンターは企業全体の売上向上にも貢献できるようになります。

このように、次世代コンタクトセンターは利益を生み出す「プロフィットセンター」として機能するポテンシャルを持っており、従来のコスト構造を大きく変える可能性を秘めています。

6.次世代コンタクトセンターの導入ならご相談ください

次世代コンタクトセンターの導入ならご相談ください

次世代コンタクトセンターの導入をご検討されている企業様は、ぜひトランスコスモスにご相談ください。

トランスコスモスでは、本記事でご紹介した各種テクノロジーやソリューションを幅広く提供しており、企業が実現したいCX(顧客体験)に合わせて最適な形で導入支援が可能です。

企業やサービスが目指す理想のCX像に近づくために、私たちと一緒に次世代コンタクトセンターの構築に取り組んでみませんか。

次に、トランスコスモスが提供する主なソリューションと、その機能を整理します。

ソリューション名

主な機能

Genesys Cloud CX

すべてのチャネルを一元管理できるプラットフォームで、問い合わせ対応に必要な機能から品質管理までをオールインワンで搭載しています。

ビジュアルIVR

スマートフォン画面を活用し、従来の音声IVRよりも直感的でスムーズな問い合わせ導線を実現します。

サポートコンテンツ・トータルソリューション

FAQにSEOを実装することで、Google検索結果から直接問題解決できる仕組みを提供します。

transpeech

AI音声認識を活用し、応対中のリスクを可視化。リアルタイム分析により後処理の時間短縮にも貢献します。

Insight BI

複数チャネルを横断して顧客データを一元管理し、データドリブンな業務改善を実現する分析基盤です。

その他にも、次世代コンタクトセンターに適した多様なソリューションを、トランスコスモスでは幅広く提供しています。ご興味がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

まとめ

本記事では、次世代コンタクトセンターについて以下の項目を中心に解説してきました。

この記事のポイント

・次世代コンタクトセンターとは何か
・なぜ次世代コンタクトセンターが必要とされているのか
・次世代コンタクトセンターが備えるべき具体的な機能
・実際の導入事例
・導入を検討すべき企業の特徴

この記事を通じて、次世代コンタクトセンターの全体像と、企業が取り組むべき理由について理解を深めていただけたのではないでしょうか。

ぜひ本記事の内容を参考に、自社の課題解決やCX向上に向けて導入をご検討されてはいかがでしょうか。

【 CX推進のためのデータ分析&活用GUIDE 】
~ CXを改善することで継続意向や推奨意向を高め、企業収益を向上に導く ~
CXを推進させるためのロードマップやデータ分析の必要性をPDCA事例を交えながらご紹介します
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