
コンタクトセンター(コールセンター)の離職率改善は、昔から課題と言われています。コロナの影響による「先行き不安」から働き口が少なくなり、数値が改善傾向ではありますが、それでも高い状態が続いています。2020年の離職率をデータでみると、離職率が30%を超える企業が28.8%という割合になっており(※1)、2019年より若干良化しつつも、高い水準と言わざるを得ない状況です。
※1 株式会社リックテレコム刊行「コールセンター白書2020」の数値を参考にCotra編集部で作成
離職率が高いコンタクトセンターでは、採用コストの高騰のみならず人材育成コストも増大し、応対品質の低下も懸念されます。そのため、離職率の改善は今後のコンタクトセンターにとって重要な課題と言えます。
では、コンタクトセンターではどんな対策を取られているのでしょうか。以下はコンタクトセンターで2020年にとられた離職率対策の一覧です。
NO | ターゲット | 2020年に取った施策 |
1 | 労働環境 | 短時間勤務などシフト柔軟性をもたせた |
2 | 休憩所などのファシリティを充実させた | |
3 | 託児所を設けた | |
4 | ES調査の実施 | |
5 | 教育・研修 | 研修・人材教育プログラムの充実 |
6 | モチベーション | 表彰制度 |
7 | スタッフをねぎらうイベント(カスタマーサービスウィーク)を実施 | |
8 | 評価制度 | |
9 | キャリア支援制度(キャリアパス)を設け強化した | |
10 | インセンティブ制度を強化した | |
11 | 時給の向上 | |
12 | コミュニケーション | フィードバックサイクルの強化 |
※2 株式会社リックテレコム刊行「コールセンター白書2020」より離職率の対策を元にCotra編集部で整理
研修・教育プログラムの改善や労働環境の調査/改善以外に、オペレーターのモチベーションやコミュニケーション対策が取られていることが分かります。
では、そもそもなぜ離職が発生するのでしょうか。
この記事では、コンタクトセンターの「離職率が高い理由」をオペレーターの視点で抽出・集計し、離職により発生する影響と、一般的な対策を紹介しています。自社のコンタクトセンターの改善活動の参考としとなれば幸いです。
コンタクトセンターの離職率が高い10の理由 |
❶休みが取りづらい(労働環境) |
離職率を下げるための8つの対策 |
❶採用時にミスマッチを無くしておく(労働環境) |
コンタクトセンターの離職率の高さにお悩みの方は、ぜひ最後までお読みいただき、参考となる対策がございましたら是非お試しください。
目次
1.離職率30%超のコンタクトセンター(コールセンター)が多い
コンタクトセンターの離職率が高い理由や改善策をお話しする前に、まず前提となる離職率について説明します。
株式会社リックテレコム刊行の「コールセンター白書2020」によると、年間の離職率が30%を超えるコンタクトセンター(コールセンター)の割合は約3割(29%)という結果が出ています。(2019年は38.2%)
年間離職率約30%というと、コンタクトセンターで働くオペレーター10人中、3人は1年以内に辞めてしまう計算です。
新人オペレーターに絞って調査した結果はさらにシビアです。「月刊コールセンタージャパン」2019年1月号(株式会社リックテレコム刊行)によると、実に22%のコンタクトセンターが「入社1年以内」のオペレーターの離職率は71%以上と回答しています。こうした新人オペレーターは採用から90日以内で辞めてしまうことが大半だといいます。逆に言えば、一定期間を経過したオペレーターは簡単に辞めないと言えるでしょう。
このように、コンタクトセンターの年間の離職率は高い水準にあり、中でも特に入社1年以内に辞めてしまう新人オペレーターが多いのが現実です。だからこそ、せっかく採用した人材が離職しないようにケアする必要があります。それでは、一般的な離職の要因について考えましょう。
2.コンタクトセンター(コールセンター)の離職率が高い10の理由
1章でコンタクトセンター(コールセンター)の離職率の現状について見てきましたが、ここからは「なぜコンタクトセンターの離職率は高いのか」について、離職率が高くなるセンターでよくある10の理由をそれぞれ解説していきます。
2-1.休みが取りづらい
コンタクトセンターの多くはシフト制であり、急な休みが取りづらい傾向があります。シフトがあるコンタクトセンターであれば、配置計画を設計している事が多く、自分が休むことで全体に影響が出てしまう可能性があります。微熱やだるさなど軽微な症状では休みにくい雰囲気があると感じているオペレーターも多いようです。
毎日たくさん電話がかかってくる状況を見ていれば、「急に一人休んだらパンクしてしまうだろうな…」と責任を感じてしまうでしょう。
また、繁忙期や人が不足している状態だと、さらに休みづらさを感じてしまい、オペレーターが不満を抱える原因になります。
2-2.座りっぱなしがつらい
電話の受信や発信を繰り返すコンタクトセンターは、基本的に椅子に座りっぱなしの環境です。パソコンと電話を前にして一日中座っている環境が続くため、足腰や肩に不調をきたすオペレーターも多いようです。
繁忙期など、電話が鳴りっぱなしの職場では、お昼休憩以外はほとんど座っている環境も考えられます。場合によっては、次々にかかってくる電話に応対しているうちに、休憩すら取りそこねてしまう状況も考えられます。
このような状況が毎日続けば、やはり離職を考えるきっかけにつながります。
2-3.研修などのサポートが不十分
人材が不足しているコンタクトセンターでは、研修が十分でない状態で現場に出されてしまう可能性があります。
座学の研修期間を数日しか受けていないのに、急に顧客対応を求められたら、誰でも不安で緊張してしまいますよね。不安が残ったまま顧客に応対することでパニックに陥ってしまえば、顧客からの初歩的な質問にうまく答えられないかもしれません。そのような状況では、「コンタクトセンターの人がそんなことも分からないのか?」と苦情につながる可能性が高まります。
商品やサービスについての知識やビジネスマナーが十分ではないままに実際に顧客と通話することで、逆にお叱りを受けたり上手く対応できない自分に落ち込んでしまったりすることにつながります。
2-4.覚えることが多すぎる
コンタクトセンターは問い合わせ窓口としての役割を持っているため、商品やサービスの知識を頭に入れておかなければなりません。質問にスムーズに答えられないと、顧客の気持ちを満たせないばかりか、逆に苦情につながってしまいかねないからです。
特にインバウンド型のコンタクトセンターでは、顧客からの多種多様な質問にスピーディーに対応するために、さまざまな知識をインプットしておかなければなりません。研修期間は業務により異なりますが、長い場合だと1カ月〜3カ月程度かかる場合もあります。
そのため、「ただ電話を受ければいい(かければいい)」と思って仕事に就いたオペレーターからすると、「入社してみたら、あまりに覚えることが多すぎる」と感じることがあるようです
2-5.専門的なスキルが身に付きづらい
未経験からでも応募可能なコンタクトセンターの仕事ゆえ、「専門的な知識やスキルが身に付かない」と感じ、自分の将来のキャリアを考えた時に不安を感じてしまうオペレーターも多いそうです。
顧客からの声に耳を傾けて柔軟に最善の対応を行うオペレーターの仕事は、本来とても高いスキルが求められる仕事です。それにもかかわらず、求人情報誌などでは「誰にでもできる仕事です」という募集内容が目に付きます。
電話対応をひたすら繰り返すだけの作業が毎日続くと、キャリアアップのために別職種への転職を考えるオペレーターは離職してしまいがちです。
2-6.苦情対応で心が折れる
受信中心であっても発信中心であっても、コンタクトセンターの仕事をする上で、どうしても「苦情対応」をしなければならない機会は発生します。
確認したいことがあってコンタクトセンターに電話しているのに、電話がつながるまで長時間待たされたら、誰でもイライラしてしまうでしょう。電話に出た時には顧客のイライラが最高潮に達していて、「出た瞬間に大声で怒鳴られてしまった…」という経験を持つオペレーターは多いはずです。
自分の対応のまずさが原因ではなく、商品やサービスに対する不満やコンタクトセンターにつながるまで待たされたなどが原因で叱責されることが多いため、自分自身の責任ではないのに怒られるという辛さがあります。
感謝されることよりも苦情対応が多く重なることで、精神的に落ち込んでしまうオペレーターもいるでしょう。
2-7.管理されていることがストレス
コンタクトセンターによっては、受電件数や発信件数、顧客満足度、対応時間など、目標が設けられている場合があります。
例えば「1件のコールを●分で処理することが目標」とされているコンタクトセンターでは、処理時間が長いとフォローのためSVがモニタリングを始めます。またオペレーターが「受付可」なのか「後処理」しているのか「離席」しているのかなどが全てシステムで管理されており、常に監視されているストレスが負担になるオペレーターも多いようです。
こうした常に縛られているストレスや、注意を受けることによる不満を感じるオペレーターも多く、その不満が離職のきっかけになります。
2-8.給与が低い/なかなか正社員になれない
拘束時間が長く、ひっきりなしに電話がかかってくるコンタクトセンターで働くオペレーターからすると、長時間労働のわりに低賃金だと感じることがあるようです。コンタクトセンターの時給は、他職種と比べると比較的高い水準を保っていることが多いですが、それでも地域差や職場によっての待遇の差はあります。
さらに、雇用契約が数か月や、1年更新などの有期雇用である場合が多く、常に雇用打ち切りの不安も抱えています。そのような状況では、自分から進んで給与交渉することも難しいでしょう。もっと稼げる仕事に転職して辞めてしまうきっかけとなります。
コンタクトセンターは、契約社員・派遣社員・アルバイト・パートなど非正規社員が中心となることが多く、「頑張ってもなかなか正社員に登用されない」と不満を抱くオペレーターもいます。
正社員はSVだけで、オペレーターは全員非正規雇用というコンタクトセンターも多く存在するようです。また逆に、オペレーターに正社員がいる場合は、「自分と同じような仕事をしているのに、なぜ自分は非正規なのだろう」と不満が募ることになるでしょう。
正社員になれないなら、と、別の業界の正社員として転職してしまうことが考えられます。
2-9.上司によって言うことがバラバラ
研修時に教わった内容と現場のスーパーバイザーやチームリーダーの言うことが違うと、「どちらの内容を実践すれば良いのか分からない」とオペレーターは混乱してしまいます。
研修で習ったことを実践していただけなのに、現場でモニタリングしていたSVに「その対応は違う」と叱られてしまうと、「研修で教わった通りに伝えたのに…」という不満が積み重なっていき、離職のきっかけになります。
2-10.人間関係がこじれると修復しにくい
電話対応がメインのコンタクトセンターの仕事では、チームを組んで管理することが一般的なので、いつも決まった場所で決まったメンバーと仕事することが多いです。そのため、一旦人間関係がこじれてしまうと修復しづらいということは多くあります。また、電話対応の職種は募集が多く転職がしやすい売り手市場のため、離職に繋がりやすい「辞めるしかない…」となりがちです。
休憩時に世間話していた上司や同僚との仲が悪くなってしまえば、気分転換になっていた大切な時間が無くなってしまいます。その結果、ストレスを発散できなくなり、辞めてしまうこともあるでしょう。
3.コンタクトセンター(コールセンター)の離職率が高いと起こる3つの弊害
コンタクトセンター(コールセンター)の離職率が高いままだと、さまざまな弊害が起こりえます。ここでは離職率が高いことで起こる3つの弊害について解説します。
3-1.採用コストがかかる
1つめの障害は「採用コストがかかる」ことです。
例えば10人体制が必要なコンタクトセンターにおいて5人が辞めてしまったら、追加でまた5人補充しなければなりません。そのたびに、求人広告を出すなどして人材を集める採用コストが必要です。離職率が高ければ、常に採用活動が必要な状態が続き、採用コストがかさみます。
さらに近年ではコンタクトセンター業界での人件費の高騰や、厚生労働省が示した「同一労働同一賃金」によりオペレーターの採用コストや人材維持コストは上昇傾向にあります。
3-2.教育コストがかかる
2つめの障害は「教育コストがかかる」ことです。
オペレーターが離職後に新しいオペレーターを採用できたとしても、新たにコンタクトセンター業務を教えるための教育コストがかかります。離職率が高いコンタクトセンターの場合、転職者が多い=新規採用者が多い=教える回数が多いことになるため、教育コストがかさみます。数日の研修ならまだしも、研修期間が1か月を超えるようであれば、教育コストがかさみます。
さらに、教育コストだけでなく、教育する側の管理者の工数や負担も増えるでしょう。
3-3.応対品質を一定に保てない
離職率が高くて次々とオペレーターが入れ替わるようでは、コンタクトセンターの応対品質を一定に保つことが難しくなります。長く定着している経験豊富なオペレーターなら答えられる内容も、初心者オペレーターだと即時に回答することが難しいからです。
即時に応えられないことで応対時間の長期化に繋がり、パフォーマンスが低下します。パフォーマンスが低下した結果、必要以上の要員配置が必要になり、コストがかさみます。またチームリーダーやスーパーバイザーの負担も増えることから、管理者の離職にも繋がってしまいます。
4.コンタクトセンター(コールセンター)の離職率を下げる9つの対策
ここからは、2章で解説した「コンタクトセンターの離職率が高い10の理由」を基に、「どうしたら離職率を下げられるか」考えていきましょう。
離職率を下げる改善策とともに、トランスコスモスのコンタクトセンターで実践している取り組みについても併せて紹介します。
4-1.採用時にミスマッチを無くしておく
オペレーターの「働く前のイメージと違った…」「こんなはずじゃなかった」という労働環境の齟齬や、環境への不満を防ぐために、採用時にミスマッチを無くしておくことがとても大切です。
4-1-1.面接で応募者の人柄や適性をしっかり見極める
コンタクトセンターで働くオペレーターには、苦情の際の臨機応変な応対力やパソコンの操作が求められます。しかし「怒られるのは大の苦手」「マニュアル通りの対応しかできない」という人材を採用してしまうと、雇ってもすぐに辞めてしまう可能性が高いでしょう。
ミスマッチを避けるためにも、面接時に応募者への質問を通して、人柄や適性をしっかり見極めることが大切です。
4-1-2.面接に現場マネージャーやスーパーバイザーも同席する
面接時に、実際に現場でコンタクトセンター業務を統括しているマネージャーやスーパーバイザーが同席することで、ミスマッチを防ぐことができます。現場を知らない人事担当者よりも、職場の雰囲気や仕事内容を正確に伝えることができるからです。とくにシフトや短時間勤務の制度がある事業所は、休みの取り方や、シフトの自由度などは採用情報から読み取りにくく誤解や思い込みを生みやすいです。実際の現場メンバーが説明をすることで、不安を解消し安心して就業することができます。託児所があるケースや休憩室の設備にルールがある場合など、後で問題が発生しないように事前に説明できるところはしましょう。
4-1-3.会社説明会や面接時には悪い面もきちんと伝える
採用人数を増やしたいがために良い面だけを強調して伝えてしまうと、実際採用した後にミスマッチが起こりやすくなり、早期退職者が出てしまう原因となります。そのため、面接時には仕事の大変な面もしっかり説明しておくことが大切です。また、入社前に会社見学会を実施し、仕事のイメージを実際にみせることで環境面での不安やミスマッチを解消することもよいでしょう。
4-1-4.リファラル採用を導入・推進する
リファラル採用とは、働いている従業員に知りあいを紹介してもらい採用するいわゆる、友人紹介制度などの手法のことです。現場を知っているオペレーターからの紹介なら、職場の良い面も悪い面も分かった上で入職するため、定着率を高める効果があります。
4-2.休みがとりやすい環境を作る
苦情の対応が続くことで心身ともに疲れてしまうと、離職者が増えてしまいます。そのため、できるだけ休みがとりやすい環境づくりが求められます。
休みやすい環境作りの第一歩は、その人しか担当できない「属人的な業務」をできるだけ無くすことです。特定のオペレーターが休んでも別のオペレーターでフォローができれば、休みがとりやすい環境にすることができますし、休みの日のシフトを交換することがしやすくなります。
例えば全オペレーターで問い合わせ内容を共有できるシステムを導入し、誰が見ても引き継ぎできる環境が理想です。
4-2-1.柔軟な働き方に対応する
週5日8時間労働に限定しない柔軟な働き方に対応することで、働きやすい環境を作ることができます。今日は8時間勤務、今日は用事があるので5時間勤務など、あらかじめ雇用契約に組み込んでおくことが重要です。
4-3.研修を充実させる
研修が不十分のまま現場に出されることがオペレーターの不満につながり、離職の原因となることがあります。それを避けるためには、研修を充実させることが必要です。
具体的には、以下のような対策が考えられます。
①初期研修カリキュラムに、個人差がでやすい知識やマナーをいれて身に着けさせる |
4-4.TL/SV の教育を継続して実施する
オペレーターと直接対応するチームリーダーやスーパーバイザーにむけた「教育」を整備することも大切です。コンタクトセンターが大きくなればなるほど、コンタクトセンターは多くのチームリーダーやスーパーバイザーが存在します。
自分の経験から指示をすると、人によってバラついた指示となりやすいです。
これはコミュニケーションの問題が発生します。新製品の教育、運用ルールの変更など、指示を統一するためのポイントとなる定期研修を設定するとよいでしょう。
オペレーターだけではなく、チームリーダーやスーパーバイザーの教育プログラムを充実させましょう。
4-5評価制度の見直しやキャリアパスを整理する
「長時間労働するわりに低賃金」「なかなか正社員になれない」など、待遇面の不満は離職につながりやすい理由のひとつです。これらを改善するためには、評価制度の見直しを行うことが重要です。
4-5-1.納得できる評価制度を作成する
例えば「正社員と同じような仕事をしているのに自分の方が時給が低い」ということがあると、オペレーターのモチベーションは低下してしまいます。「〇〇ができるようになったら給与がベースアップする」などの分かりやすい基準を作り、誰もが自分の給与に納得できるような評価制度が必要です。
また、コンタクトセンターはいろんな評価の仕方が求められるので、単一ではなく、複合評価をお勧めします。こうする事で生産性の効率性が高い人、応対品質が高い人、勤怠率が高い人とそれぞれ良い点を評価することが可能となり、また、課題も明確になります。
給与アップの目標ができればオペレーターのやる気も向上し、生産性も上がります。
4-5-2.正社員登用制度を導入する
評価制度と同様に、アルバイトや派遣、契約社員からの正社員登用のキャリアパスを用意することで、非正規雇用者のモチベーションを上げることができます。定期的に正社員登用試験を行うなどの仕組みづくりが大切です。
4-6.オペレーターのケアを入念に行う
コンタクトセンターで働くオペレーターが辞めてしまうのは、何かしら不満を持っているからです。その不満に気付いてケアすることが、離職率改善のために重要となります。
1章でも解説した通り、入社1年以内のオペレーターの離職率が高い傾向があるため、新人オペレーターは特に綿密にケアを行いましょう。
具体的には、以下のような対策が考えられます。
①定期的に1on1ミーティングや面談を行い、オペレーターの不満や悩みを聞き出す |
例えばトランスコスモスのコンタクトセンターでは「コンディションチェック」システムを入れており、出勤時に当日の体調や思う事、相談したい事などを記載できるようにしています。その内容によってチームリーダー、スーパーバイザー、マネージャーなどがフォローをする仕組みを導入しています。
4-7.個人にあわせた目標設定をする
達成できない目標設定をしてしまうことでそれが重荷になり、コンタクトセンターの離職率を押し上げてしまうことがあります。目標達成率などを見ながら、目標値が適切かどうか定期的に見直しを図るようにしましょう。
なお、コンタクトセンター一律で目標を設定する場合は注意が必要です。目標達成している人からすると、目標を達成していない人と給与が同じ事が不満となり、離職原因につながる事があります。個人のスキルにあわせて設定していくことが重要です。
4-8.コミュニケーションの場をつくる
課題の多いコンタクトセンターは、チームリーダーやスーパーバイザーもずっと忙しくしている事が多いです。
それでも課題のあるメンバーはフォローやケアの対象になるのですが、課題の少ないオペレーターは、電話を取りつづけ疲弊してしまい離職につながる事もあります。
言いやすい環境を作ること、定期的に1on1など話をする場を設けること、相談しやすい環境を作ることで風通しの良い文化をつくることには時間がかかりますが、最も効果的な施策だと言われています。
5.コンタクトセンター(コールセンター)のアウトソーシングでコスト削減も検討
3章で解説した通り、コンタクトセンターの離職率が高いことで、採用コストや教育コストなど膨大な追加費用が発生します。また4章で説明した解決策を実施するにも自社内だけで取り組もうとすると、相当な工数がかかります。
こうした課題を解決したい場合は、コンタクトセンターそのものを外部委託する選択肢が考えられます。
コンタクトセンター特有の人材採用や教育面の課題だけでなく、労務面のキャリアパスや評価の問題も多数のコンタクトセンターを受託している実績のあるパートナーならノウハウが充実しているでしょう。
採用コストや教育コストを削減するための対策も数多く保有しており、コスト削減も可能になるでしょう。
また、コンタクトセンターを外部委託することで、コア業務に集中できるようになり社内の生産性を向上させることができます。コンタクトセンターに対する顧客満足度に関しても、専門的な目線で顧客接点を考えた運営が出来ることで、最終的には企業の業績アップにつながる施策となるでしょう。
トランスコスモスではこれまで1700社を超える運営実績から培った知見やノウハウを活かし、顧客満足度を最大化していくためのサービスを提供しています。ご興味がございましたら、お気軽にご相談ください。
まとめ
この記事では、コンタクトセンターの離職率について、
・実際どのくらい離職率が高いのか
・なぜコンタクトセンターは離職率が高いのか
・離職率が高いと具体的にどのような弊害があるか
・離職率を下げるためにはどのような改善策があるのか
について解説しました。
離職率が高いことで採用コストや教育コストがかさむだけならまだ良いですが、コンタクトセンターそのものの品質が下がることで、顧客からの信用を失ってしまう危険性もあります。
コンタクトセンターの離職率が高いと認識しているならば、早急に改善していくことが必要です。今回解説した改善策を参考に、ぜひ一度コンタクトセンターの離職率改善方法を検討してみてください。