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コールセンターの業務改善のポイント5つと成功事例を解説

「コンタクトセンターの業務改善を行いたい。しかし、問題や解決策がわからない…」

あなたは、コンタクトセンター(電話やメールに加え、SNS、チャットなど幅広いコミュニケーションチャネルを利用して、顧客と企業を結ぶ部署を指す。以前は電話コミュニケーションのみだったので、コールセンターと呼ばれており、現在でもコールセンターで表現されている所も多い。)の「業務改善」を行いたいのかもしれません。

コンタクトセンター(コールセンター)の業務改善は、「CS(顧客満足度)の向上」に役立つほか、会社の売上やブランドイメージの向上にもつながる素晴らしい取り組みだと思います。

しかし、自社の問題をしっかりと定義し、適切な解決策を講じなければ、業務改善どころか、オペレーターの「モチベーションダウン」や「売上減」につながる危険性もあるため、注意が必要です。

そこで本記事では、以下について解説します。

本記事でわかること

・コンタクトセンター業務の「よくある問題」と「改善策」一覧
・コンタクトセンター業務における「よくある問題」5つ
・コンタクトセンター業務における「よくある問題」のベストな改善方法5つ
・コンタクトセンターの業務改善の成功事例

この記事を読むことで、コンタクトセンターの業務改善における「よくある問題」とその「改善策」がわかり、すぐにでも実行に移すことができます。

それでは早速、みていきましょう。

1.コールセンター業務の「よくある問題」と「改善策」一覧

まずは、コンタクトセンター(コールセンター)業務において「よくある問題」とその「改善策」の一覧をご覧ください。

よくある問題

解決策

「応対品質」にバラつきがある

オペレーターに
フィードバック・評価を行う

「顧客対応時間」が長すぎる

IVRとスキル分けを導入する

「稼働率」が適正ではない

WFMシステムを活用する

「一次完結率」が低い

FAQ集を作る・整理する

オペレーターの「離職率」が高い

コミュニケーションの質と量を増やす

上記について、1つずつ解説します。

2.コールセンター業務における「よくある問題」5つ

先述の通り、コンタクトセンター(コールセンター)における「よくある問題」は全部で5つあります。

コンタクトセンター業務における「よくある問題」

・「応対品質」にバラつきがある
・「顧客対応時間」が長すぎる
・「稼働率」が適正ではない
・「一次完結率」が低い
・オペレーターの「離職率」が高い

一つずつ、見ていきましょう。

2-1.「応対品質」にバラつきがある

コンタクトセンター(コールセンター)で、頻発する問題の一つが「応対品質のバラつき」です。

顧客が満足する「高品質な応対」が行えるオペレーターがいる一方、顧客に寄り添った応対ができなかったり、苦情を起こしたりするオペレーターもいるということです。「応対品質のバラつき」が問題なのは「応対における顧客満足に差がでる」点です。

たとえば、Aという商品に関する「使い方に関する問い合わせ」があった場合。Aについての機能や使い方の説明において専門用語を多用するオペレーターが説明したら、顧客はどう思うでしょうか。

「専門用語が多くてわからない」「わかる言葉で説明してほしい」と感じる可能性があります。その結果、顧客満足度は低くなる可能性もあるでしょう。

オペレーターのマネジメントのむずかしさは、まさにこういった点にあります。オペレーター自身は気づかないことでも、顧客には喜ばしくないことがあるのです。

オペレーターの応対一つで、顧客は「ファン」にも「アンチ」にもなります。そして、コンタクトセンターでのふさわしくない応対が、「顧客満足度の低下」につながります。「応対品質のバラつき」は解決すべき重要な問題といえるでしょう。

2-2.「顧客対応時間」が長すぎる

コンタクトセンター(コールセンター)の役割は、顧客の話に耳を傾け、求める解決策をスピーディに提示することです。

しかし、顧客に提示する回答を見つけ出すまでに時間がかかり、顧客を待たせてしまうオペレーターも、なかにはいます。

そうすると、以下のようなデメリットが発生します。

「顧客対応時間」が長すぎることによるデメリット2つ

・顧客をお待たせする
→コンタクトセンターは常に入電があるため、1件の対応が長引くことで他の顧客をお待たせすることになります。

・企業のイメージダウン
→お待ちいただく顧客(待ち呼)が多くなると放棄呼が増える。その結果「つながりにくいコンタクトセンター」とのレッテルが貼られ、企業のイメージダウンにつながる

顧客からの問い合わせに丁寧に向き合いコミュニケーションを取りつつ、常にお待ちいただいている顧客がいることを意識し、適切な対応時間にすることが必要になるのです。

したがって「顧客対応時間」が長すぎる場合は、改善すべきです。

2-3.「稼働率」が適正ではない

「稼働率」とは、オペレーターによる「顧客対応時間」の割合を示す指標です。

顧客と電話で話したり、チャットで返信をしたりする時間に加え、顧客への対応記録をつける「後処理」も「顧客対応時間」に該当します。つまり「顧客対応時間=生産時間」ということです。

一方、ミーティングや上長との面談などは、顧客対応を行わないため「非生産時間」です。

「稼働率」は以下の計算式で算出できます。

稼働率=
(通話時間+保留時間+後処理時間+受付可能時間)÷(給与時間)×100

多くのコンタクトセンター(コールセンター)では、稼働率を80~85%程度に設定しています。稼働率に正解はありません。自社の状況を踏まえて、稼働率を設定することが大切です。

このとき、コンタクトセンターが設定した「稼働率」と「実態」に乖離があると、以下のような弊害が生じます。

適正な「稼働率」でないことによるデメリット

・稼働率が高すぎる(=忙しい状態)
→オペレーターが「自己研鑽に費やす時間」が確保できないため、スキルがなかなか上がらない。その状況を放置していると「応対品質」が低いオペレーターが増える
→オペレーターのミスが増える
→オペレーターのストレスが高まる(離職率の向上)

・稼働率が低すぎる(=閑散状態)
→余計な人件費を支払うことになる(人件費を削減する余地がある)

稼働率が高すぎると「オペレーターの応対品質の低下」を招きます。一方、稼働率が低すぎる場合には、人件費を削減する余地があります。

つまり、稼働率が適切でないと、「品質」と「コスト面」でデメリットが生じるということです。だからこそ「稼働率」は、解決すべき問題なのです。

2-4.「一次完結率」が低い 

「一次完結率」とは、顧客からの1コールで問題が解決された割合のことです。

顧客が、コンタクトセンター(コールセンター)に求めることは「スピーディな問題解決」です。したがって、「一次完結率」が高いほど、コンタクトセンターとしての品質が高いといえます。

一方、「一次完結率」が低いと、「入電数の増加」や「コンタクトセンターの不採算化」につながります。

「一次完結率」が低いことによるデメリット

・入電数の増加
→抱えている問題がなかなか解決しないと、顧客は何度もコンタクトセンターに問い合わせをすることになる。その結果、入電数が増加することとなり、応答率の低下などコンタクトセンターの悪循環が始まる可能性がある

・CS(顧客満足度)の低下
→問題がなかなか解決しないと、顧客はフラストレーションがたまり企業に対する期待度が下がる。その結果、CS(顧客満足度)の低下につながる

したがって、「一次完結率」の低さは、改善すべき問題といえます。

2-5.オペレーターの「離職率」が高い

離職率が高いと、以下のような弊害が生じます。

離職率が高いことによるデメリット

・コンタクトセンター(コールセンター)の品質が向上しない
→現場の責任者は、常にコンタクトセンターの品質を向上すべく育成や取り組みを実施するが、育成したコミュニケーターが退職してしまうと、改めて新人を雇用し「新人教育」に多くのリソースを割かなければならなくなる。そのため、退職者に投じた労力は無効となりコンタクトセンターの品質が向上しない状態となる。

・採用コスト、教育コストの増加
→離職者が出るたびに「求人広告への出稿」や「人材派遣会社への依頼料」などの「採用コスト」が発生する。さらに、オペレーターのデビューまでに現場責任者がフォローする「教育コスト」も余分に発生する

つまり、離職率が高いと、「コンタクトセンターの品質が向上しない」「コストの増加」がもたらされるのです。

コンタクトセンターで働く従業員の離職率は、平均的に高い傾向があります。「コールセンター白書2019」によると、離職率が「11~30%」の企業は、「22.7%」に達していることがわかっています。

「離職率の低下」は多くのコンタクトセンターが取り組むべき「最重要問題」といえるでしょう。 

3.コールセンター業務における「よくある問題」のベストな改善策5つ

前章で取り上げた「5つのよくある問題」を解決する「ベストな改善策」を解説します。

1つずつ、みていきましょう。

コンタクトセンター(コールセンター)業務における
「よくある問題」の「解決策」5つ

●問題1:「応対品質」にバラつきがある
→解決策1:オペレーターにフィードバック・評価を行う

●問題2:「顧客対応時間」が長すぎる
→解決策2: IVRとスキル分けを導入する

●問題3:「稼働率」が適正ではない
→解決策3:WFMシステムを活用する

●問題4:「一次完結率」が低い
→解決策4:FAQ集を作る・整理する

●問題5:オペレーターの「離職率」が高い
→解決策5:コミュニケーションの質と量を増やす

3-1.「応対品質」にバラつきがある→オペレーターにフィードバック・評価を行う

「『応対品質』にバラつきがある」場合には、「オペレーターに対するフィードバック・評価」が有効です。

なぜならば、応対品質に関する問題は、一人ひとりのオペレーターによって異なり、一つの対処法で解決できないからです。

オペレーターごとに、個別のフィードバック・評価を行うことで、応対品質の向上が可能になります。一般的には定期的にモニタリングを実施、言い回しや言葉遣いなど決められた項目を評価し、個別面談にてフィードバック・評価をします。

しかし、コンタクトセンターの規模によっては全員の定期モニタリングが難しい場合もあるはずです。そのときにおすすめなのが「音声認識サービス」の活用です。

音声認識サービスは、オペレーターの通話記録の「文字起こし」ができるサービスです。オペレーターの音声がテキスト化されるため、わざわざ音声を聞き直す必要がなくなります。

なかには「リアルタイム監視機能」がある「AI搭載型の音声認識サービス」があります。こうしたサービスの場合、オペレーターがNGワードを話した際に、管理者宛に即時、アラートが届きます。

数十人~数百人規模のコンタクトセンター(コールセンター)でも、一人ひとりのオペレーターごとに、フィードバックや評価を行うことが可能になるのです。

「AI搭載型音声認識サービス」には、6つのメリットがあります。

「音声認識サービス」のメリット

・オペレーターの応対品質を自動評価できる
・オペレーターの改善点の洗い出しがスピーディに行える
・オペレーターの過去成績も含めた一括管理ができる
・リアルタイムで、必須トークを話しているか/NGワードを使用していないかをチェックできる
・NGワードを使用していたり、NG対応をしている場合には、管理者にアラート通知が届く
・管理者はスピーディに改善指示が行える

トランスコスモスでは、AI搭載型の音声認識サービス「transpeech2.0を提供しています。

このサービスでは、応対品質の評価だけでなく「コンタクトセンターが抱える問題の『見える化』」も可能なため、

・応対品質のチェックにかかる時間を「80%」削減できる
・モニタリングに費やす時間を「50%」削減できる
・生産性が「130%」アップできる

などの嬉しい効果が報告されています。

スーパーバイザーやチームリーダーが「フィードバックに割く時間がない」という場合に最適です。

「コンタクトセンター全体の応対品質の向上」を行いたい方は、お気軽にお問い合わせください。

3-2.「顧客対応時間」が長すぎる→IVRとスキル分けを導入する

「『顧客対応時間』が長すぎる」場合には、「IVRとスキル分けを導入する」ことが有効です。

こうしたサービスを用いれば、「応対範囲の限定」が行え、スキルの高いオペレーターへ誘導できるからです。

IVRの特徴は以下の通りです。

「顧客対応時間の削減」に有効なサービス一覧

●IVR(Interactive Voice Response)とは?

顧客の「プッシュ操作」や「音声」の内容に応じて、あらかじめ録音されている音声を自動再生する「自動音声応答システム」。

資料請求は「自動受付」にする一方、「商品情報/故障受付/総合受付」などの問い合わせ項目を、プッシュ番号に割り振ることで、各分野にくわしいオペレーターにつないだり、折り返しでの電話対応を行ったりできる。

顧客の問い合わせの「一次切り分け」をIVRが行うため、「顧客対応時間の削減」ができる。

●スキルとは?

オペレーターの応対する問い合わせ項目。この項目をオペレーターのスキル・知識に応じて組み合わせることで品質の向上・効率化を図る

顧客ごとに的確な対応をスピーディかつ的確に行えるため、「顧客対応時間の削減」ができる。

顧客対応時間を短縮することで、「CS(顧客満足度)を高めたい」という方は、コールセンターシステムの導入を検討しましょう。

コールセンターシステムについて詳しく知りたい方は、以下の記事も併せて御覧ください。

3-3.「稼働率」が適正ではない→WFMシステムを活用する

「『稼働率』が高すぎたり低すぎたりする」場合には、「WFMシステムの活用」が有効です。

WFMシステム(=ワークフォースマネジメントシステム)は、「入電予測」を図ることで、「必要な人員予測」と「オペレーターの手配管理」を実現するシステムです。

WFMシステムが「稼働状況の予測」を行うことで、「最適な人員配置」や「シフト管理」が可能になります。

その結果、「適切な稼働率」を維持できます。

WFMシステムには、4つの「魅力的な特徴」があります。

WFMシステムの特徴

・過去の入電件数を曜日・時間・製品別に分析し、「日時ごとに必要なオペレーターの人数」や「必要なスキル」を提示する
・「稼働時間の需要」と、「オペレーターの希望」をすり合わせて「シフト表」を自動作成できる。作成したシフト表の「メール転送」も自動で行う
・万が一、人員不足が発生した場合には、必要なスキルをもつ人材に対して「勤務依頼メール」を一斉送信する
・リアルタイムで、「欠勤・遅刻・早退」のデータが把握できるため、人員の補充をスピーディに行える

WFMシステムは、コンタクトセンター(コールセンター)を筆頭に、病院や飲食店のシフト作成にも活用されています。

「適切な稼働率を維持できず、オペレーターがつかれている」「オペレーターの人数が多すぎて、適切な人員配置ができていない」場合には、WFMシステムを活用しましょう。

3-4.「一次完結率」が低い→FAQ集を作る・整理する

「一次完結率が低い」場合には、「FAQ集を作る・整理する」のが有効です。

FAQ集とは「Frequently Asked Questions(よくある質問)」のことです。頻出する質問を網羅したFAQ集があれば、オペレーターは、その場で適切な回答を返せるようになります。結果的に、「一次完結率」も向上します。

FAQ集を作る際には、以下の手順で行ってみてください。

「FAQ」を作る手順4STEP

●STEP1:顧客からの「質問」を集める

顧客から寄せられる質問を集計する

【質問の収集方法】
・コールセンターシステムに蓄積される顧客対応履歴(CTSなど)
・Webフォーム
・電話
・チャットボット

●STEP2:「問い合わせの頻度+重要度」のマトリクスで質問を分類する

集めた質問に対して、「問い合わせの頻度+重要度」の観点で、順位をつけて並べ替える

●STEP3:質問の回答を用意する

質問と回答をひもづける

【回答の収集方法】
・リリース資料
・仕様書
・過去のFAQ集
・マニュアル
・商品カタログ
・Webサイトの情報

●STEP4:関係部署による回覧で合意を得る

用語統一を行い、誰がみても分かるように整理する。その後、「関係部署」に回覧してもらい、問題がないかチェックする

FAQ集のメンテナンスを定期的におこなうことも有効です。

FAQを作り続けると数が多くなり見つけづらくなります。また定期的に内容の確認をおこなわないと古い情報が掲載されたままになります。

FAQは定期的にメンテナンスしましょう。

3-5.オペレーターの「離職率」が高い→コミュニケーションの質と量を増やす

「オペレーターの『離職率』が高い」場合には、「コミュニケーションの質と量を増やす」ことが有効です。

コンタクトセンターはさまざまな理由で離職率が高くなる可能性がありますが、退職予兆の検知や退職希望の理由を探るにはコミュニケーションを重ねる必要があります。苦情対応や問い合わせ対応は、想像以上にストレス負荷の大きい業務です。

日々の声掛け(挨拶など)や個別面談を積極的に行いオペレーターのストレス軽減をしましょう。

いかがでしたか。コンタクトセンターの業務改善における問題と解決策について、理解できたのではないでしょうか。ここで、本記事の内容を「一覧表」で改めて整理します。

よくある問題

解決策

「応対品質」にバラつきがある

オペレーターに
フィードバック・評価を行う

「顧客対応時間」が長すぎる

IVR・CTS・チャットボットなどの
システムを導入する

「稼働率」が適正ではない

WFMシステムを活用する

「一次完結率」が低い

FAQ集を作る

オペレーターの「離職率」が高い

在宅勤務できる体制にする

上記を参考に、コンタクトセンターの業務改善を行ってみましょう。

4.コールセンターの業務改善の成功事例

続きまして、実際にコンタクトセンター(コールセンター)の業務改善に成功した事例を2つご紹介します。1つずつ、見ていきましょう。

4-1.成功事例①

通信会社のコンタクトセンター(コールセンター)における成功事例を「企業の悩み」「実施した対策」「結果」の3つに分けてご説明します。

成功事例①

●企業の悩み

・オペレーターの離職率が高い
・オペレーターの欠勤率が高い
・結果としてセンター全体の応対品質が安定しない

●実施した対策

・入社から上級スキル付与までの育成における実施プロセスを洗い出す
・洗い出した各プロセスごとにおける退職や勤怠不良となるトリガーとなるものが何かを特定する
・洗い出したトリガーを解消するための施策を打ち立てる
・打ち立てた施策を実行する担当者を決めて対応する

【施策の例】
 - 導入研修にケーススタディ集を追加して「実際の対応のイメージ」を持ってもらう
 - 個々の悩みをざっくばらんに話し合うチームミーティングの定期開催

・該当のコールセンターにおける「理想のオペレーター像」を具体化し採用要件に盛り込み、入社後のミスマッチによる早期退職を予防する

●結果

・入社後のミスマッチが減り入社直後の退職が減少した
・センター全体で「退職者を出さない」意識が共有され、SVが能動的にオペレーターのフォローを行うようになった
・入社直後、入社後の退職者が減少したことで、センター全体の退職率が7.5%減少した

この事例では、オペレーターの離職率の高さに注目することから始まりました。離職が発生している原因を探ると、採用時の課題が判明しました。

そのため、入社からのプロセスを洗い出し、理想のオペレーター像に向かうロードマップを整理したことで、離職率をさげるだけではなく、採用コストを抑えることにつながりました。

4-2.成功事例②

保険会社のコンタクトセンター(コールセンター)における成功事例を「顧客の悩み」「実施した対策」「結果」の3つに分けてご説明します。

成功事例②

●企業の悩み

・繁閑差の激しいセンターで要員調整が上手くできない
・その結果、人件費が高くなりコストを増加させている

●実施した対策

・年間を通じた繁閑差における要員配置状況を踏まえて月次での費用を算出する
→ 閑散期と繁忙準備期において要員増となりコスト効率が悪くなることが判明した
・他部署と連携し、閑散期における一時的な要員転出(ヘルプ)を行う
・過去の入電状況を振り返り、日次ベースでの予測精度検証を実施する
・予測精度の値が著しく悪い日において「何が要因だったのか」を振り返って考える

【要因の例】
 - キャンペーンやDM発送によるもの
 - 曜日によるもの
 - 季節によるもの
 - 突発的なもの(天災、システム障害等)

・これらの検証結果をセンターの「フォーキャスティング・スタッフィング」プロセスとして定着させる

●結果

・予測精度における誤差の値が当初の28.2%から4.1%と大幅に向上した
→ フォーキャスティングにおける誤差の範囲は「±10%」までが一般的とされている
・予測精度の向上により要員調整の精度も向上し、400時間の余剰時間削減に成功した

この事例では、繁閑差の対応が問題でした。どこのコンタクトセンターでも忙しい時期と落ち着く時期がありますが、それを予測する方法が定まっていなかったのです。

そのため、予測の精度向上と配置の適正化を実施したところ、年間で人件費1千7百万削減されました。

トランスコスモスではコンタクトセンターの呼量予測をAIを活用して最適化するサービス、DataRobotをご用意しております。ご興味のある方は以下より資料をご確認ください。

5.コールセンターの業務改善は「実績豊富なプロ」がベスト

ここまでの記事を通して、コンタクトセンター(コールセンター)の業務改善におけるポイントが把握できたのではないでしょうか。

しかし、コンタクトセンターは、オペレーターやスーパーバイザーなど「人」によって運営されています。そのため、コンタクトセンターごとに

・どのような問題があるのか?
・どのように解決するのがベストなのか?

が異なります。

よかれと思って実行した業務改善策でも、返って「生産性の低下」や「オペレーターのモチベーションダウン」につながる危険があるということです。そのため、コンタクトセンターの業務改善には、細心の注意が必要です。

もしも、あなたがコンタクトセンターの業務改善の経験がなく、自信がないならば、トランスコスモスまでご相談ください。

あなたが抱えている問題を「ヒアリング・調査」したうえで、ベストな解決策をご提示いたします。

なお「コンタクトセンターの業務改善」では、以下の2サービスが選ばれています。

コンタクトセンターの業務改善におすすめなサービス

●コンタクトセンターの現状における「問題」と「解決策」を知りたい場合

コンタクトセンター
アセスメントサービス

コンタクトセンターの現状を診断するコンサルティングサービス。以下のようなご提案が可能

・現場で起きている問題と対策に関するアドバイス
・業務フロー改善のためのタスク抽出と効果試算・検証のサポート
・デジタル化やチャット導入のためのアドバイス

「コンタクトセンターアセスメントサービス」に関するお問い合わせはこちら

●オペレーターの応対品質のフィードバック・評価を行いたい場合

transpeech2.0

オペレーターの「対応音声」を自動でテキスト化しつつ、「感情解析」や「評価」を行うことで、オペレーターの応対品質の向上に役立てられる。

「transpeech2.0」に関するお問い合わせはこちら

「コンタクトセンターの業務改善を行いたい」という方は、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

いかがでしたか。

ここまでの記事を通して、コンタクトセンター(コールセンター)の業務改善について、理解が深まったのではないでしょうか。

ここで、本記事のまとめを行います。

■コールセンター業務の「よくある問題」と「改善策」一覧

よくある問題

解決策

「応対品質」にバラつきがある

オペレーターにフィードバック・評価を行う

「顧客対応時間」が長すぎる

IVRとスキル分けを導入する

「稼働率」が適正ではない

WFMシステムを活用する

「一次完結率」が低い

FAQ集を作る・整理する

オペレーターの「離職率」が高い

コミュニケーションの質と量を増やす

■コールセンターの業務改善の成功事例2選

成功事例①

●顧客企業の悩み

・オペレーターの対応件数が少ない(=応答率が低い)
・オペレーターの応対による「苦情」が毎月発生。顧客への謝罪に発展するケースもある
・曜日や時間ごとの入電傾向が把握できていない
・スーパーバイザーによる指示が不十分
・スーパーバイザーを始めとした責任者が「顧客満足」を追求する意識が低い

●実施した対策

・コンサルタントによる月1回の訪問と改善提案
・ロールモデルとなるオペレーター像を設定し、チームリーダーがオペレーターを指導する
・外部のスーパーバイザーおよびマネージャーを週2~3日常駐させる
・スーパーバイザーおよびチームリーダーに「人材育成」に関する指導を行う
・研修講師が各オペレーターに対してフィードバックを行う

●結果

・「  CS(顧客満足度)」や「生産性」に対する意識がコンタクトセンターのメンバー全員で共有された
・応答率が約80%→約95%に改善された
・1日あたりの処理件数が1.2倍になった
・年間で最大3億円程度の売上アップにつながった

成功事例②

●顧客企業の悩み

・オペレーターの生産性が低い
・コンタクトセンターの管理責任者の人数が多すぎる
・特定のスーパーバイザーしか処理できない業務などあり「業務の属人化」が起きている。そのため、業務を分担できない

●実施した対策

・コンサルタントによる月1回の訪問と改善提案
・外部のスーパーバイザーおよびマネージャーを常駐させる
・責任者(センター長、スーパーバイザー)に「人材育成」に関する指導を行う
・業務マニュアルの見直しを行う
・オペレーターの目標設定と評価により、人員配置を最適化する

●結果

・オペレーターの処理件数が大幅に増えた
・現場に役立つオペレーションノウハウが構築できた
・人件費を約35%削減できた
・売上が3.5倍に増えた

本記事が、コンタクトセンターの業務改善を行いたい方の参考になりましたら幸いです。

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CXを推進させるためのロードマップやデータ分析の必要性をPDCA事例を交えながらご紹介します
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