216.73.217.34

コンタクトセンターの業務改善のポイント7つと成功事例を解説

このコラムは音声でもご視聴いただけます

※ 別ウィンドウでプレーヤーが開きます

「コンタクトセンターのコスト超過やオペレーターの離職など、様々な課題を抱えている…どのように業務改善をすればいいのか分からない」

「オペレーター教育をしているものの応対品質や顧客対応時間が課題になっている…どのような業務改善が検討できるんだろう..」

コンタクトセンター(コールセンター)運営をしているなかで、頭を抱える課題が増えて「業務改善方法が分からない」と悩み、この記事にたどり着いたかと思います。

コンタクトセンターでよくある課題と具体的な業務改善策は、下記のとおりです。

よくある課題

業務改善策

応対品質にバラつきがある

オペレーターにフィードバック・評価を行う
オペレーター一人ひとりの状況に応じたフィードバックをする

顧客対応時間(AHT)が長すぎる

IVRを導入する
IVRを導入してよくある問い合わせごとに得意なオペレーターにスムーズにつなぐ

稼働率が適正ではない

WFMシステムを活用する
WFMシステムを活用して必要な人員、コストなどを予測しながら運営する

自己解決率が低い

自己解決につながるFAQを作成する
自己解決率向上につながるFAQを作成して顧客に利用してもらう

オペレーターの離職率が高い

コミュニケーションの質と量を増やす
オペレーターの不安や悩みに寄り添えるようにコミュニケーションを取る機会を増やす

オムニチャネルに対応できていない

各チャネルをつなぐ動線設計をする
複数のチャネルとスムーズに連携できる動線設計をする

カスハラ対策をしていない

カスハラ対策の基準を設ける
自社のカスハラ対策の基準を設けてカスハラに対する姿勢を明確にする

ただし、これらの業務改善策にやみくもに取り組んでも、思ったような成果を実感できません。

コンタクトセンターは「人」とのつながりで運営しているため、コンタクトセンターごとの現状や課題に応じて、実施するべき業務改善策を選定することが重要です。

この記事では、コンタクトセンターでよくある課題と具体的な業務改善策をまとめて解説しています。

最後まで読めば、現状の課題を解決するために、何をすればいいのかが理解できます。
適切なコンタクトセンター運営をするためにも、ぜひ参考にしてみてください。

1.コンタクトセンター(コールセンター)で業務改善が必要な課題7つ

コンタクトセンター(コールセンター)で業務改善が必要な課題7つ

まずは、コンタクトセンターでよくある業務改善が必要な課題をご紹介します。

よくある課題

概要

応対品質にバラつきがある

オペレーターの応対品質に差があり苦情や顧客満足度(CS)の低下につながっている

顧客対応時間(AHT)が長すぎる

顧客対応に時間がかかってしまい顧客の待ち時間が長くなっている

稼働率が適正ではない

稼働率が高すぎてオペレーターの離職やモチベーション低下を招いている

自己解決率が低い

企業側の情報展開する量が少なく、自己解決できない状態

オペレーターの離職率が高い

オペレーターの離職率が高く採用コスト、教育にかかる労力が負担になっている

オムニチャネルに対応できていない

オムニチャネルに対応できず顧客体験が最適化できていない

カスハラ対策をしていない

カスハラ対策に手が回っておらずオペレーターの離職や負担につながっている

コンタクトセンターにどのような課題があるのかチェックすることで、業務改善するべき点が明確になります。自社のコンタクトセンターと照らし合わせながら、確認してみてください。

1-1.応対品質にバラつきがある

応対品質のばらつきは、顧客満足度低下や苦情増加につながるため、優先的に改善すべき課題です。

1つ目の課題は、応対品質のバラつきです。

顧客が満足する高品質な応対ができるオペレーターがいる一方、顧客に寄り添った応対ができなかったり、苦情を起こしたりするオペレーターもいます。応対品質のバラつきは、応対における顧客満足に差が出る点が課題です。

たとえば、A商品の使い方に関する問い合わせがあった場合、オペレーターが専門用語を多用して説明したら、顧客にとって理解しづらく、問題解決までに時間がかかる可能性があります。その結果、顧客満足度(CS)は低くなる可能性もあるでしょう。

オペレーターのマネジメントの難しさは、まさにこういった点にあります。オペレーター自身は気づかないことでも、顧客には喜ばしくないことがあるのです。

オペレーターの応対一つで、顧客は「ファン」にも「アンチ」にもなります。そして、コンタクトセンターでのふさわしくない応対が、顧客満足度(CS)の低下につながります。

つまり、応対品質のばらつきは、顧客満足度(CS)や一次解決率(FCR)の低下を招く要因になります。

コンタクトセンターの応対品質の概要は、下記の記事で詳しく解説しています。

1-2.顧客対応時間(AHT)が長すぎる

2つ目の課題は、顧客対応時間(AHT)が長すぎることです。

コンタクトセンターの役割は、顧客の話に耳を傾け、求める解決策をスピーディに提示することです。

しかし、顧客に提示する回答を見つけ出すまでに時間がかかると、以下のようなリスクが発生します。

顧客対応時間が長すぎるリスク2つ

・顧客の待ち時間が増える
1件の対応に時間がかかると入電が滞留し、顧客が必要なサポートを受けるまでの時間が長くなる。結果として問題解決の遅延や顧客体験(CX)の低下を招く可能性がある。

・企業のイメージダウン
顧客の待機時間が増えるとつながりにくいコンタクトセンターのレッテルが貼られ、企業のイメージダウンにつながる。

コンタクトセンターでは、顧客からの問い合わせに丁寧に対応しつつも、待機している顧客がいることを意識し、適切な対応時間内で応対する必要があるのです。

1-3.稼働率が適正でない

3つ目の課題は、稼働率が適正でないことです。稼働率とは、オペレーターによる顧客対応時間の割合を示す指標です。

顧客と電話で話したり、チャットで返信をしたりする時間に加え、顧客への対応記録をつける後処理も顧客対応時間に該当します。つまり、顧客対応時間=生産時間ということです。

一方、ミーティングや上長との面談などは、顧客対応を行わないため非生産時間です。

多くのコンタクトセンターでは、稼働率の目安を80~85%程度に設定しています。ただし、問い合わせ内容や業界特性によって適正値は異なります。このとき、コンタクトセンターが設定した稼働率と実態に乖離があると、以下のようなリスクが生じます。

稼働率が適正でないリスク

・稼働率が高すぎる(=忙しい状態)
〇自己研鑽や研修に充てる時間が不足し、スキル向上が難しくなる。
〇対応が集中することで心身の負担が増え、モチベーション低下や離職につながる。
〇確認不足や後処理ミスが発生しやすくなり、応対品質や顧客満足度の低下を招く。

・稼働率が低すぎる(=閑散状態)
〇余計な人件費を支払うことになる(人件費を削減する余地がある)。

つまり、稼働率が適切でないと、品質とコストのバランスが崩れて、コンタクトセンター運営がしにくい状態に陥るのです。

稼働率は、コンタクトセンターの生産性と品質のバランスを測る重要なKPIの一つです。

▼コンタクトセンターの稼働率の概要や算出方法は、下記の記事を参考にしてみてください。

1-4.自己解決率が低い 

4つ目は、自己解決率が低いことです。

コンタクトセンターを利用する顧客は、抱えている課題や不安を少しでも早く、負担なく解消したいと考えています。

そのため、オペレーターにつながなくてもチャットボットやFAQで自己解決ができれば、顧客と企業は良好な関係を築きやすくなります。

顧客の自己解決率が低いと、下記のようなリスクを抱えやすくなります。

自己解決率が低いリスク

・入電数の増加
顧客が自己解決できないため入電数が増加して、応答率の低下などコンタクトセンター運営の悪循環につながる

・顧客満足度(CS)の低下
顧客が抱える課題や問題がなかなか解決できずフラストレーションがたまり、企業に対する期待度が下がる。その結果、顧客満足度(CS)の低下につながる

したがって、自己解決率の低さは、改善すべき課題といえます。
自己解決率の向上は、入電数削減だけでなく顧客体験(CX)と運営効率の向上にも直結します。

FAQやチャットボットによる自己解決率向上は、問い合わせ件数削減だけでなくCX(顧客体験)の向上にもつながります。

▼顧客の自己解決率向上の重要性は、下記の記事も参考にしてみてください。

1-5.オペレーターの離職率が高い

5つ目の課題は、オペレーターの離職率が高いことです。

コンタクトセンター業界では、オペレーターの採用・定着が課題となるケースも少なくありません。

オペレーターの離職率が高いと、以下のようなリスクが生じます。

離職率が高いリスク

・コンタクトセンターの品質が向上しない
育成したオペレーターが退職してしまうと、新人を雇用し教育に多くのリソースを割かなければならなくなる。そのため、退職者に投じた労力は無効となりコンタクトセンターの品質が向上しない状態となる。

・採用コスト、教育コストの増加
離職者が出るたびに求人広告への出稿や人材派遣会社への依頼料などの採用コストが発生する。オペレーターのデビューまでにチームリーダーなどがフォローする教育コストも余分に発生する

離職率の低下は多くのコンタクトセンターが取り組むべき、重要な課題だといえるでしょう。

▼オペレーターの離職率が高い原因は、下記の記事でも詳しく解説しています。

1-6.オムニチャネルに対応できていない

6つ目の課題は、オムニチャネルに対応できていないことです。

昨今のコンタクトセンターは、オムニチャネルの対応が求められています。オムニチャネルとは、複数の接点を統合して顧客体験を最適化する仕組みのことです。

電話だけでなく下記のようなチャネルを使い分けて、迅速な問題解決、顧客接点の維持を目指します。

【チャネルの例】

・メール
・チャットボット
・チャット
・LINE
・FAQなど

たとえば、顧客が「購入した商品の使い方が分からない」という課題を抱えていたとしましょう。まずはWeb検索からFAQに辿り着き、自己解決ができないか模索します。

ここで問題解決ができればいいのですが、できなかった場合に、チャットやオペレーター対応など次の解決手段にシームレスに移行できることがオムニチャネルに該当します。

オムニチャネルに対応できていれば下記のようなメリットがあり、コンタクトセンターの業務効率化や顧客満足度(CS)の向上につながるのです。

【オムニチャネルのメリット】

・オペレーターと顧客ともに必要最低限の労力で問題解決ができる
・顧客の自己解決率が向上してオペレーターの負担を軽減できる
・顧客情報を一元管理できて過去の問い合わせ、履歴などを踏まえた提案ができる

そのため、オムニチャネルに対応できていないと、複数のチャネルを有効活用できず、業務効率化や顧客満足度(CS)の向上を実現できていない可能性があるでしょう。

▼オムニチャネルに関しては、下記の記事で詳しく解説しています。

1-7.カスハラ対策をしていない

7つ目の課題は、カスハラ対策が十分にできていないことです。

昨今、コンタクトセンターでは、カスハラ対策が課題になっています。カスハラ(カスタマーハラスメント)とは、顧客や取引先が過剰な要求をしたり暴言を吐いたりするなど悪質な苦情のことです。

一般社団法人日本コンタクトセンター協会が実施した「コールセンターにおけるカスタマーハラスメントに関するアンケート調査」では、従業員の28%が直近1年間でカスハラが増えていると感じています。

直近1年間でカスハラが増えているかのアンケート結果

調査期間:2024年7月31日~8月30日
調査方法:Webアンケート
有効回答:従業員2,493名
参考:一般社団法人日本コンタクトセンター協会「コールセンターにおけるカスタマーハラスメントに関するアンケート調査」

カスハラ対応をするオペレーターは強いストレスを感じて、退職や休職に至るケースも見受けられます。

カスハラをする顧客に問題があるのは重々承知ですが、コンタクトセンター側がカスハラを許さない姿勢を示して対策をすることはできるでしょう。

トランスコスモスが実施した「消費者と企業のコミュニケーション実態調査2024-2025」では、カスハラ対策をしている企業のほうが消費者に好印象を与えていることが分かります。

カスハラ対策をする企業への消費者の行動変容を表したグラフ

このように、カスハラ対策を求める動きが強くなるなかで、十分な対策ができない場合はコンタクトセンターの大きな課題だといえるでしょう。

また、2025年には労働施策総合推進法の改正により、企業へカスタマーハラスメント対策を求める法整備が行われました。

2026年10月からは、事業主に対してカスハラ防止のための雇用管理上の措置が義務化される予定であり、今後はこれまで以上に企業としての対応体制の整備が求められます。

▼カスハラについては、下記の記事で詳しく解説しています。

2.コンタクトセンターの具体的な業務改善策7つ

コンタクトセンターの具体的な業務改善策7つ

続いて、コンタクトセンターでよくある課題ごとの業務改善策をご紹介します。

よくある課題の業務改善策

概要

応対品質にバラつきがある
【改善策】オペレーターにフィードバック・評価を行う

オペレーター一人ひとりの状況に応じたフィードバックをする

顧客対応時間(AHT)が長すぎる
【改善策】IVRを導入する

IVRを導入してよくある問い合わせごとに得意なオペレーターにスムーズにつなぐ

稼働率が適正ではない
【改善策】WFMシステムを活用する

WFMシステムを活用して必要な人員、コストなどを予測しながら運営する

自己解決率が低い
【改善策】自己解決につながるFAQを作成する

自己解決率向上につながるFAQを作成して顧客に利用してもらう

オペレーターの離職率が高い
【改善策】コミュニケーションの質と量を増やす

オペレーターの不安や悩みに寄り添えるようにコミュニケーションを取る機会を増やす

オムニチャネルに対応できていない
【改善策】各チャネルをつなぐ動線設計をする

複数のチャネルとスムーズに連携できる動線設計をする

カスハラ対策をしていない
【改善策】カスハラ対策の基準を設ける

自社のカスハラ対策の基準を設けてカスハラに対する姿勢を明確にする

課題ごとに行うべき改善策が異なるため、まずは何を実施するべきか検討する材料にしてみてください。

2-1.応対品質にバラつきがある:オペレーターにフィードバック・評価を行う

応対品質の改善には、定期的なモニタリングと個別フィードバックが有効です。
応対品質にバラつきがある場合には、オペレーターにフィードバック・評価をすることが有効です。

応対品質に関する問題は、一人ひとりのオペレーターによって異なり、一つの対処法で解決できないからです。

オペレーターごとに、個別のフィードバック・評価をすることで、応対品質の向上が見込めます。

一般的には定期的にモニタリングを実施して、言い回しや言葉遣いなど決められた項目を評価し、個別面談でフィードバック・評価をします。

しかし、コンタクトセンターの規模によっては、全員の定期モニタリングが難しい場合もあるはずです。そのときにおすすめなのが音声認識サービスの活用です。

音声認識サービスは、オペレーターの通話記録の文字起こしなどができるサービスです。オペレーターの音声がテキスト化されるため、わざわざ音声を聞き直す必要がありません。

また、リアルタイム監視機能などが備わっているAI搭載型の音声認識サービスであれば、オペレーターがNGワードを話すと管理者宛に即時、アラートが届きます。

数十人~数百人規模のコンタクトセンターでも、一人ひとりのオペレーターごとに、フィードバックや評価を行うことが可能になるのです。

AI搭載型音声認識サービスには、6つのメリットがあります。

AI搭載型音声認識サービスのメリット

・オペレーターの応対品質を自動評価できる
・オペレーターの改善点の洗い出しがスピーディに行える
・オペレーターの過去成績も含めた一括管理ができる
・リアルタイムで、必須トークを話しているか/NGワードを使用していないかをチェックできる
・NGワードを使用していたり、NG対応をしている場合には、管理者にアラート通知が届く
・管理者はスピーディに改善指示が行える

トランスコスモスでは、AI搭載型の音声認識サービス「transpeech」を提供しています。

応対品質の評価だけでなくコンタクトセンターが抱える問題の見える化も可能なため、下記のような成果も出ています。

「transpeech」を活用した成果例

・応対品質のチェックにかかる時間を「80%」削減できた
・モニタリングに費やす時間を「50%」削減できた
・生産性が「130%」アップできた

スーパーバイザーやチームリーダーが「フィードバックに割く時間がない」という場合に最適です。

コンタクトセンター全体の応対品質の向上を行いたい方は、お気軽にお問い合わせください。

2-2.顧客対応時間(AHT)が長すぎる:IVRを導入する

顧客対応時間が長すぎる場合には、IVRを導入することが有効です。

IVR(音声自動応答システム)では、問い合わせ内容に応じて、スキルの高いオペレーターへ誘導できるからです。

IVRの特徴は以下のとおりです。

●IVR(Interactive Voice Response)とは?

顧客のプッシュ操作や音声の内容に応じて、あらかじめ録音されている音声を自動再生する自動音声応答システム。

商品情報や故障受付、総合受付などの問い合わせ項目を、プッシュ番号に割り振ることで、各分野に詳しいオペレーターにつないだり、折り返しでの電話対応を行ったりできる。

顧客対応時間を短縮することで、顧客満足度(CS)を高めたいという方は、IVRの導入を検討しましょう。

IVR導入後は、応答率や放棄呼率(Abandon Rate)の変化を計測し、効果検証を行うことが重要です。

IVR・コールセンターシステムについて詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

2-3.稼働率が適正ではない:WFMシステムを活用する

稼働率が適正でない場合には、WFMシステムの活用が有効です。

WFMシステム(ワークフォースマネジメントシステム)は、入電予測をして必要な人員予測とオペレーターの手配管理を実現するシステムです。

WFMシステムが稼働状況の予測をすることで、最適な人員配置やシフト管理ができ、適切な稼働率を維持しやすくなります。

WFMシステムには、4つの魅力的な特徴があります。

WFMシステムの特徴

・過去の入電件数を曜日・時間・製品別に分析し、日時ごとに必要なオペレーターの人数や必要なスキルを提示できる
・稼働時間の需要とオペレーターの希望をすり合わせてシフト表を自動作成できる
・人員不足が発生した場合には、必要なスキルを持つ人材に対して勤務依頼メールを一斉送信できる
・リアルタイムで欠勤・遅刻・早退のデータが把握できるため、人員の補充をスピーディにできる

「適切な稼働率を維持できず、オペレーターが疲弊している」「オペレーターの人数が多すぎて、適切な人員配置ができていない」場合には、WFMシステムを活用しましょう。

WFMシステムは、呼量予測やシフト最適化を通じて生産性向上と業務効率化を支援します。

2-4.自己解決率が低い:自己解決につながるFAQを作成する

自己解決率が低い場合には、FAQを作成・改善することが有効です。

FAQとは、Frequently Asked Questions(よくある質問)のことです。頻出する質問を網羅したFAQをホームページなどに掲載できれば、顧客はFAQを見て自己解決を図れるようになります。FAQを作る際には、以下の手順で行ってみてください。

FAQを作る手順4STEP

●STEP1:顧客からの質問を集める

顧客から寄せられる質問を集計する

【質問の収集方法】
・コールセンターシステムに蓄積される顧客対応履歴(CTSなど)
・Webフォーム
・電話
・チャットボット

●STEP2:問い合わせの頻度+重要度のマトリクスで質問を分類する

集めた質問を問い合わせの頻度+重要度の観点で、順位をつけて並べ替える

●STEP3:質問の回答を用意する

質問と回答をひもづける

【回答の収集方法】
・リリース資料
・仕様書
・過去のFAQ集
・マニュアル
・商品カタログ
・Webサイトの情報

●STEP4:関係部署による回覧で合意を得る

用語統一を行い、誰がみても分かるように整理する。その後、関係部署に回覧して、問題がないかチェックする

FAQのメンテナンスを定期的に実施して精度を高めることも有効です。

FAQを作り続けると数が多くなり、顧客が必要な回答を見つけにくくなります。また、定期的に内容を更新しないと古い情報が掲載されたままになる可能性があるので、定期的にメンテナンスを実施しましょう。

FAQの利用状況や検索キーワードを分析し、VOC(Voice of Customer)を反映しながら継続的に改善することが重要です。

▼FAQの作成方法は、下記の記事で詳しく解説しています。

2-5.オペレーターの離職率が高い:コミュニケーションの質と量を増やす

オペレーターの離職率が高い場合は、コミュニケーションの質と量を増やすことが有効です。

オペレーターの退職予兆の検知や退職希望の理由を探るには、コミュニケーションを重ねる必要があります。日々の声掛け(挨拶など)や個別面談を積極的に行い、オペレーターのストレス軽減をしましょう。

▼コンタクトセンターの離職率を下げる対策は、下記の記事で詳しく解説しています。

2-6.オムニチャネルに対応できていない:各チャネルをつなぐ動線設計をする

電話やチャット、FAQなどのチャネルがあってもオムニチャネル対応ができていない場合は、各チャネルをシームレスにつなぐ動線設計を意識しましょう。

複数のチャネルが点在していても、顧客が存在を知らなければ使い分けしてもらうことが難しいです。

たとえば、ビジュアルIVR(スマートフォンやWebの画面上で視覚的な案内を行うIVR)を活用して、各チャネルに自由にアクセスできるようにすることも1つの方法です。

チャットボットで解決できなければ、LINEで問い合わせるなど、複数のチャネルを自由に選択できます。

ビジュアルIVRによる複数のチャネルを自由に選択できるイメージ

また、各チャネルに次のチャネルへの動線を設計しておくことも大切です。

たとえば、下記のように、チャットボットで回答を提示したときに問題解決の有無を聞き、解決できていない場合はオペレーターに接続する設計ができます。

チャットボットで解決しなかった場合にオペレーターが応対するイメージ

このように、顧客体験を最適化できる動線設計をすると自己解決率、顧客満足度(CS)の向上が見込めます。結果的に、コンタクトセンターの業務改善につながるでしょう。

▼ビジュアルIVRの基礎知識は、下記の記事で解説しています。

2-7.カスハラ対策をしていない:カスハラ対策の基準を設ける

現在、コンタクトセンターのカスハラ対策ができていない場合は、カスハラを許さない姿勢を示してオペレーターが働きやすい体制を整えましょう。

コンタクトセンターのカスハラ対策は、事前準備とカスハラ発生時の対応に分かれます。

カスハラ対策の項目

概要

事前準備

・カスハラに対する方針、姿勢を決める
・オペレーター向けの相談窓口を設置する
・カスハラへの対応マニュアルを作成する
・オペレーターに周知する
・対策に悩む場合は専門家と連携する

発生時の対応

・マニュアルに沿った対応をする
・必要に応じて専門家と連携する
・再発防止策を検討する

とくに、カスハラ対策で重要なのは、カスハラに対する姿勢を明確にして社内外に発信していくことです。

たとえば、カスハラを断固として許さない場合は「カスハラ防止に取り組んでいます」などと意思表明をして、ポスター掲示などを行います。

カスハラ対策をしていることを周知することで、カスハラをしにくい状況になるはずです。また、カスハラを受けたオペレーターのケアをするために窓口を設けて、カスハラの実態をしっかりとキャッチアップすることも重要でしょう。

このように、しっかりとカスハラ対策をすることで、コンタクトセンター業務がしやすい環境を整えましょう。

▼カスハラ対策の具体的なステップは、下記の記事で詳しく解説しています。

3.コンタクトセンターの業務改善の成功事例

コンタクトセンターの業務改善の成功事例

ここでは、実際にコンタクトセンターの業務改善を実現した2つの成功事例をご紹介します。

事例企業

成功例

建設業向け施工管理ソフトウェアのヘルプデスク窓口

28.5%のオペレーター離職率を2024年度には0%まで改善した

保険会社のコンタクトセンター

予測の精度向上とオペレーター配置の適正化で年間で人件費1,700万円を削減

どのような課題を改善したのか分かるので、コンタクトセンターの業務改善の参考にしてみてください。

3-1.成功事例1:オペレーターとのコミュニケーション活性化で離職率0%を実現

●企業の悩み

・2023年度には入社から90日以内に離職するオペレーターが28.5%にのぼり、離職率の低下が課題となっていた

●実施した対策

・オペレーターとのコミュニケーションを活性化した
・オペレーターのフォローにトランスコスモスが独⾃に開発した1on1ツール「tra:lien(トラリアン)」を活用した
・研修の一部を動画化して管理者の負担を軽減した

●結果

・2024年度のオペレーター離職率は0%まで改善した
・年2回実施している従業員満足度調査では、満足度が58%から78%に大きく向上した

トランスコスモスでは、建設業向け施工管理ソフトウェアのヘルプデスク窓口を名古屋と札幌の二拠点で運営しています。

ソフトウェアはプロ向けに開発された専門性の高いソフトなので、しっかりと理解するために繰り返し研修を受けなければなりません。以前は、初期の段階で習得を断念し、離職するオペレーターも少なくありませんでした。

2023年度には入社から90日以内に離職するオペレーターが28.5%にものぼりました。早期離職率をいかに下げるかが、大きな課題となったのです。

そこで考えた施策は、コミュニケーションの活性化です。窓口業務を担当しているのは、十数名のオペレーターと4人の管理者。

管理者はオペレーター研修や契約更新の面談をしていましたが、新たにオペレーターの悩みや困りごとを聞く役割を担当して適切なフォローを目指しました。

オペレーターのフォローに活用したのが、トランスコスモスが独⾃に開発した1on1ツール「tra:lien(トラリアン)」です。

tra:lienの特徴

・オンライン・対面を問わず生成AIで会話をテキスト化して⾃動で議事録作成ができる
・対話のバランスを測定する発話量分析機能を使い、本来話を聴く立場である管理者側の話しすぎを防止する
・1on1面談後のアンケート機能も標準で搭載されている

新規配属のオペレーターは、配属後1か⽉間、週に1回研修担当以外の管理者と1on1ミーティングを実施します。研修修了後も、1か⽉半に一度1on1ミーティングをする体制にしました。

一方で、1on1ミーティングの実施は、管理者の負荷につながります。 その課題を解決したのが、研修における動画活用でした。 研修過程の一部を録画化することで研修工数を削減し、余剰時間を1on1ミーティングに充てられるようになりました。

コミュニケーションを活性化した結果、2023年度に28.5%にのぼった早期離職率は、2024年度には0%まで改善。年2回実施している従業員満足度調査では、満足度が58%から78%に大きく向上しました。

オペレーターからは、「こんなにフォローが手厚い職場は初めてです」「複数の管理者と話すことができてよかった」「研修中に言えなかったことが伝えられる」といった声が寄せられました。

デジタルツールである「tra:lien」を活用してオペレーターとのコミュニケーションを活性化できる体制を整え、コンタクトセンターの課題である離職率低下を実現した事例だといえるでしょう。

▼オペレーターの離職率低下を実現した事例は、下記の記事で詳しく解説しています。

3-2.成功事例2:適切な人材配置で人件費の削減を実現

保険会社のコンタクトセンターにおける成功事例を、顧客の悩み、実施した対策、結果の3つに分けてご説明します。

成功事例②

●企業の悩み

・繁閑差の激しいセンターで要員調整が上手くできない
・その結果、人件費が高くなりコストを増加させている

●実施した対策

・年間を通じた繁閑差における要員配置状況を踏まえて月次での費用を算出する

→ 閑散期と繁忙準備期において要員増となりコスト効率が悪くなることが判明した

・他部署と連携し、閑散期における一時的な要員転出(ヘルプ)を行う
・過去の入電状況を振り返り、日次ベースでの予測精度検証を実施する
・予測精度の値が著しく悪い日において「何が要因だったのか」を振り返って考える

【要因の例】
- キャンペーンやDM発送によるもの
- 曜日によるもの
- 季節によるもの
- 突発的なもの(天災、システム障害など)

・これらの検証結果をセンターの「フォーキャスティング・スタッフィング」プロセスとして定着させる

●結果

・予測精度における誤差の値が当初の28.2%から4.1%と大幅に向上した

→ フォーキャスティングにおける誤差の範囲は±10%までが一般的とされている

・予測精度の向上により要員調整の精度も向上し、400時間の余剰時間削減に成功した

この事例では、繁閑差の対応が問題でした。どこのコンタクトセンターでも忙しい時期と落ち着く時期がありますが、それを予測する方法が定まっていなかったのです。

そのため、予測の精度向上と配置の適正化を実施したところ、年間で1,700万円の人件費を削減できました。

トランスコスモスではコンタクトセンターの呼量予測をAIを活用して最適化するサービス、DataRobotをご用意しております。ご興味のある方は以下より資料をご確認ください。

4.コンタクトセンターの業務改善は「実績豊富なプロ」に相談するのがベスト

コンタクトセンターの業務改善は「実績豊富なプロ」に相談するのがベスト

ここまでの記事を通して、コンタクトセンターの業務改善におけるポイントが把握できたのではないでしょうか。

コンタクトセンターは、オペレーターやスーパーバイザーなど「人」によって運営されています。そのため、コンタクトセンターごとに問題や解決策が異なります。

よかれと思って実行した業務改善策でも、返って生産性の低下やオペレーターのモチベーションダウンにつながる危険があります。そのため、コンタクトセンターの業務改善には、細心の注意が必要です。

トランスコスモスが提供しているサービスのなかでは、以下のサービスが選ばれています。

コンタクトセンターの業務改善におすすめなサービス

●コンタクトセンターの現状における「問題」と「解決策」を知りたい場合

コンタクトセンター
アセスメントサービス

コンタクトセンターの現状を診断するコンサルティングサービス。以下のようなご提案が可能

・現場で起きている問題と対策に関するアドバイス
・業務フロー改善のためのタスク抽出と効果試算・検証のサポート
・デジタル化やチャット導入のためのアドバイス

●オペレーターの応対品質のフィードバック・評価を行いたい場合

transpeech

オペレーターの「対応音声」を自動でテキスト化しつつ、「感情解析」や「評価」を行うことで、オペレーターの応対品質の向上に役立てられる。

もし、貴社でコンタクトセンターの業務改善の経験がなく、自信がないならば、トランスコスモスまでご相談ください。

あなたが抱えている問題を「ヒアリング・調査」したうえで、ベストな解決策をご提示いたします。

5.業務改善に関するよくある質問

コンタクトセンターの業務改善は何から始めるべきですか?
まずは現状の課題を可視化することから始めましょう。
例えば、応対品質の低下、顧客対応時間(AHT)の長期化、オペレーターの離職率上昇など、どこに課題があるかを明確にすることが重要です。

そのうえで、KPIの分析や現場ヒアリングを行い、優先順位の高い課題から改善に取り組むと効果を得やすくなります。

コンタクトセンターの業務改善で重視すべきKPIは何ですか?
コンタクトセンターでは、主に以下のKPIが重視されます。

・応答率
・放棄呼率
・顧客対応時間(AHT)
・一次解決率(FCR)
・顧客満足度(CS)
・自己解決率
・オペレーター離職率
・稼働率

どのKPIを重視するべきかは、コンタクトセンターの課題によって異なります。まずは自社の現状を把握し、改善したい指標を設定しましょう。

コンタクトセンターの業務改善で成果が出るまでどのくらいかかりますか?
取り組む内容によって異なりますが、一般的には3〜6か月程度で効果が見え始めるケースが多くあります。

例えば、FAQ改善や1on1面談の強化は比較的短期間で成果を実感しやすい施策です。一方、オムニチャネル化やWFM導入などは運用定着まで時間がかかるため、中長期的な視点で取り組むことが重要です。

まとめ

本記事では、コンタクトセンターでよくある課題と業務改善策をまとめて解説しました。
最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。

〇コンタクトセンターでよくある課題と業務改善策は下記のとおり

よくある課題の業務改善策

概要

応対品質にバラつきがある
【改善策】オペレーターにフィードバック・評価を行う

オペレーター一人ひとりの状況に応じたフィードバックをする

顧客対応時間(AHT)が長すぎる
【改善策】IVRを導入する

IVRを導入してよくある問い合わせごとに得意なオペレーターにスムーズにつなぐ

稼働率が適正ではない
【改善策】WFMシステムを活用する

WFMシステムを活用して必要な人員、コストなどを予測しながら運営する

自己解決率が低い
【改善策】自己解決につながるFAQを作成する

自己解決率向上につながるFAQを作成して顧客に利用してもらう

オペレーターの離職率が高い
【改善策】コミュニケーションの質と量を増やす

オペレーターの不安や悩みに寄り添えるようにコミュニケーションを取る機会を増やす

オムニチャネルに対応できていない
【改善策】各チャネルをつなぐ動線設計をする

複数のチャネルとスムーズに連携できる動線設計をする

カスハラ対策をしていない
【改善策】カスハラ対策の基準を設ける

自社のカスハラ対策の基準を設けてカスハラに対する姿勢を明確にする

〇コンタクトセンターの業務改善事例は下記のとおり

事例企業

成功例

建設業向け施工管理ソフトウェアのヘルプデスク窓口

28.5%のオペレーター離職率を2024年度には0%まで改善した

保険会社のコンタクトセンター

予測の精度向上とオペレーター配置の適正化で年間で人件費1,700万円を削減

コンタクトセンターでよくある課題を放置すると、顧客満足度(CS)の低下や苦情、オペレーターの離職など様々な問題を招きます。

いち早く業務改善して、最適なコンタクトセンター運営を目指しましょう。

この記事はいかがでしたか?

フィードバックありがとうございます!
横尾 大祐

監修者

横尾 大祐

トランスコスモス株式会社
CX事業統括 デジタルカスタマーコミュニケーション総括
サービス開発本部 コミュニケーション開発部

2001年にトランスコスモスへ入社。コンタクトセンターの現場責任者として、金融・公共・通信・エンターテインメントなど幅広い業界を担当する傍ら、プロジェクトマネージャーとして各種社内プロジェクトに参画。複数センターを統括するセンター長を経て、2019年より自己解決を促進するノンボイス系ソリューションの開発・導入支援を行う部署へ異動。近年は生成AIを活用したソリューション開発に携わるとともに、マーケティング部門の責任者として従事。

【 CX推進のためのデータ分析&活用GUIDE 】
~ CXを改善することで継続意向や推奨意向を高め、企業収益を向上に導く ~
CXを推進させるためのロードマップやデータ分析の必要性をPDCA事例を交えながらご紹介します
【 CX推進のためのデータ分析&活用GUIDE 】
~ CXを改善することで継続意向や推奨意向を高め、企業収益を向上に導く ~
CXを推進させるためのロードマップやデータ分析の必要性をPDCA事例を交えながらご紹介します
【 コンタクトセンターの4大課題へのアプローチ 】
オペレーション業務領域が注力すべき 4大課題 とその 解決事例 を整理しています。是非ご覧ください。
【 コンタクトセンターの4大課題へのアプローチ 】
オペレーション業務領域が注力すべき 4大課題 とその 解決事例 を整理しています。お気軽にお問い合わせください。