
「コンタクトセンター(コールセンター)のアウトバウンドってどういうものなのだろう?」
「アウトバウンド型のコンタクトセンターを導入するべき?」
など、コンタクトセンター(電話やメールに加え、SNS、チャットなど幅広いコミュニケーションチャネルを利用して、顧客と企業を結ぶ部署を指す。以前は電話コミュニケーションのみだったので、コールセンターと呼ばれており、現在でもコールセンターで表現されている所も多い。)のアウトバウンド型コールセンターの特徴について詳しく知りたいと考えていませんか?
コンタクトセンターのアウトバウンドとは、顧客に対して営業の電話をしたり、顧客のニーズを聞き出したりする発信業務のことで、アウトバウンド型のコンタクトセンターは発信業務をメインとしたコンタクトセンターのことを指します。
アウトバウンド型のコンタクトセンターを設置すれば、効率の良い営業ができたり、知りたい時期にあわせてニーズや顧客満足度を調査できたりするなど、企業にとって魅力的なメリットがあります。
そこでこの記事では、以下の内容を解説していきます。
▼本記事の内容 ・アウトバウンド型のコンタクトセンターとは |
この記事を読むことでアウトバウンド型のコンタクトセンターについて理解できるだけでなく、導入を検討するための参考になるはずです。
ぜひ、最後までお読みください。
目次
1.アウトバウンド型のコンタクトセンター(コールセンター)とは
冒頭でもお伝えしましたが、コンタクトセンター(コールセンター)のアウトバウンドとは、顧客に対して電話を発信する業務のことです。
新規顧客に対して自社の商品・サービスを紹介したり、既存顧客に対して「お知らせ」「おすすめ」をしたり、顧客のニーズの聞き取りや満足度調査をしたり、様々な発信業務を担っています。
まずはアウトバウンド型コンタクトセンターを理解するために、インバウンド型との差とアウトバウンド型の種類から詳しく解説します。
1-1.コンタクトセンター(コールセンター)にはアウトバウンドとインバウンドがある
コンタクトセンターには、「アウトバウンド型」と「インバウンド型」があります。
この両者の違いは、電話を「発信」する業務が多いか、「受信」する業務が多いかの違いです。
アウトバウンド型コンタクトセンターは、オペレーター側から顧客に電話を発信します。そのため、顧客からの電話を受信することはありません。商品・サービスの紹介やお知らせなどを顧客に伝える「営業」として電話をかけるので、基本的に発信がメインです。
たとえば「ウイルス対策ソフトの導入は検討していますか?弊社では近年のハッキングやPCへのウイルス感染を研究し、非常に強力なウイルス対策ソフトが発売となりましたので、ぜひ一度ご検討ください。」と顧客に対して商品の紹介、お知らせをする場合はアウトバウンド業務です。
一方でインバウンド型コンタクトセンターは、顧客からの受電がメインです。そのためオペレーターから顧客に電話をかけるケースはあまり多くありません。商品・サービスの申し込みやお困りごとの解決がメイン業務です。
たとえばパソコンやスマホを開発・販売している企業に対して、「使い方がわからない」と顧客から企業に電話する場合はインバウンド業務になります。
1-2.コンタクトセンター(コールセンター)のアウトバウンド業務の種類
コンタクトセンターのアウトバウンド業務は様々な種類があります。その中でもよく使われるものをいくつか紹介します。
◆テレフォンアポイントメント ◆テレリサーチ ◆テレマーケティング ◆テレセールス(インサイドセールス) |
次章より具体的に、インバウンド型とアウトバウンド型の違い、アウトバウンド業務4種類の内容について解説していきます。
2.コンタクトセンター(コールセンター)の「アウトバウンド」と「インバウンド」の違い
ここまで主にアウトバウンド型のコンタクトセンターに焦点を当て、解説をしました。コンタクトセンターにはもうひとつ、「インバウンド型コンタクトセンター」があります。
インバウンド型とは、電話の受信をメインとするコンタクトセンターのことで、顧客からの注文や、商品・サービスについての悩みや疑問、苦情に関する電話を受信する業務で設置されることが多いです。
そこで2章では、コンタクトセンターの「アウトバウンド」「インバウンド」の違いをくわしく解説します。
この2つの違いを知ることで、アウトバウンド型コンタクトセンターについて、より理解を深めることができるでしょう。
2-1.【違い①】アウトバウンドの業務目的は営業活動が多く、インバウンドは顧客サポートが多い
1つめは、業務の目的の違いです。多くの場合アウトアバウンド型は「営業活動」として設置される事が多いですが、インバウンド型は「顧客サポート」を目的として設置されることが多いです。
先にも述べたとおり、アウトバウンドは、新規顧客、もしくは一度何らかのアクションを起こした見込み客や既存顧客に対して電話を発信し、購入してもらえるように商品・サービスの営業をかけます。
対してインバウンドは、顧客からの悩みや疑問、苦情の対応をするための顧客窓口で、最近は顧客とのリレーションを強化しファンを増やす対応をする目的で業務を行っています。
2-2.【違い②】システムの違い
2つ目の違いは、「システム」です。アウトバウンドはインバウンドと違い、発信する前に顧客の情報をリストとして持っています。そのため運用の方法が変わります。
つまり、インバウンドのシステムは着信結果の積み重ねで顧客対応リストが生成される仕組みですが、アウトバウンドはあらかじめリストを読取り、発信した結果を記載していく形になります。
これは数十件レベルだと違いはありませんが、数千件数万件となるとリストの管理工数が膨大になります。
そこで大量のリストをアウトバウンドする場合は、
- リストを効率的に取込み
- 発信結果や回数を記載
- ステータスを管理する
- 着信があった場合にも対応できる
上記のような発信型のシステムがないと煩雑な業務になります。
トランスコスモスではインバウンドとアウトバウンド両方に対応した顧客管理システム「Contact-Link for CTS」を用意しています。ご興味のある方は以下から資料をご請求ください。
3.コンタクトセンター(コールセンター)のアウトバウンド業務とは
コンタクトセンターのアウトバウンド業務は、多様な種類がありますが、代表的な4種類について詳しく説明します。
▼アウトバウンド業務 ・テレフォンアポイントメント |
3-1.テレフォンアポイントメント
テレフォンアポイントメントは新規顧客獲得を目指して営業の電話をかけ、自社商品やサービスについて紹介したり、提案をしたりすることで、商談のためのアポイントを取ることを指します。
電話をかけることによって、注文や来訪といった次のステップに結びつけるのが最大の目的です。
たとえば、自社を知らない企業に対して電話をかけ、自社で提供しているサービスのメリットをPRして、商談の機会獲得を目指します。
訪問営業に比較し、工数を削減できるため営業対象を増やせます。そのため見込み客のみ訪問営業リソースを割くなど、営業人数が少なくてもアウトバウンドコールで効率化できる点が魅力です。
3-2.テレリサーチ
テレリサーチとはいわゆる電話によるアンケート調査です。
電話を通じて対象となる相手の考えや感想、意見などを聞き取る調査手法で、企業が市場についてリサーチする場合や、自治体や政府が主体となり世論の動向を探る場合に活用されます。
市場調査の中では他に郵送やインターネット調査方法があります。テレリサーチはこれら2つと比べ、
・アンケートの設問についてさらに深く質問する事ができること
・郵送やインターネット調査は返答までに時間がかかり進捗管理がしにくいこと
から精度の高い情報が集まりやすく、管理がしやすいと言われています。
3-3.テレマーケティング
テレマーケティングは既存顧客や見込み顧客に対して架電し、営業後のフォローや商品・サービスのニーズの聞き取り、商品の販売を行います。
一般的にリスト(アウトバウンドリスト)から、年代や過去の利用商品などの傾向を分析し、ターゲット層を抽出してリスト化し、順番に電話をかけて商品・サービスを紹介します。
たとえば、サービス利用頻度が減ってしまった顧客向けにご連絡し、新製品を紹介して再度の利用を促すケースや、商品の消費時期やキャンペーンにあわせてお伺いのご連絡をし、情報を紹介してご購入いただくケースがあります。
3-4.テレセールス(インサイドセールス)
自社の見込み客に対して電話でアプローチすることで、成約率や顧客の購入意欲の向上などを目指す営業手法のことを指します。
見込み顧客を育成する観点で顧客と接することから長い期間を通して関係を作りつつ、必要な時期を押さえてフィールドセールス(従来型の訪問営業)に繋ぐケースが多いです。
詳細は別記事「インサイドセールス」にて記載していますので、そちらもご確認ください。
4.アウトバウンド型コンタクトセンター(コールセンター)の3つの注意点
次にアウトバウンド型コンタクトセンターの注意点について、以下3つをお伝えします。
▼アウトバウンド型コンタクトセンターの3つの注意点 ・コンタクト対象リストの管理に手間がかかる |
4-1.コンタクト対象リストの管理に手間がかかる
1つめは2-2のシステムの違いでも概要として触れましたが、「コンタクト対象リストの管理に手間がかかる 」という点です。
アウトバンドの業務は、ターゲット顧客リストから始まるため、Excelのようなデータを起点として始める事が多いです。
アウトバウンド型コールセンター業務では、電話をかけるターゲットのリストを随時メンテナンスしなければならないため、手間がかかってしまうのです。
アウトバウンドでは電話がつながらないことも多いので、架電した顧客のステータス更新をしたり、アポイントや契約が取れた顧客の情報を入力したり、最終的にアポイント獲得率や成約率の算出をして分析したりするなど、常に管理を続けていなければなりません。
更に他のシステムとの連携を組み合わせると膨大なデータになりやすく、管理工数がすぐに増大するため注意が必要です。自動で作業するRPAツールの導入や、CRMシステムとの連携等、効率的なデータマネジメントに配慮するとよいでしょう。
2-2.【違い②】システムの違いで記載した専門システムの活用等を検討するとよいでしょう。
4-2.リストの質によって成果が左右される
2つめは「リストの質によって成果が左右されてしまう」という点です。
リストが古い、何回も利用されたリストを使ってアウトバウンドコールをすると、当然繋がりにくかったり、成約しにくかったりします。需要のない顧客や自社商品・サービスに魅力を感じる可能性の低い顧客に対して電話をかけるケースが増えてしまいます。
結果、営業効率を求めてアウトバウンド型コンタクトセンターを作っても効率の悪いコンタクトセンターができてしまいかねないのです。
アウトバウンド型コンタクトセンターを活用する場合、定期的にリストを生成するプロセスの確立をしましょう。
「対象リスト効率の最大化」には「Data Robot」がおすすめ
トランスコスモスでは、購買確率の高い顧客の予測をAIが行い、顧客リスト抽出までを自動で行える「DataRobot」という商品もあります。
実際に現場の勘と経験で作成した顧客リストを使いアウトバウンドをしていた通販会社様では、過去のデータから高い精度の「購入確率予測モデル」を構築し、購買確率を予測して、高確率層のリスト抽出までを自動に行いました。
その結果、勘と経験で作成してアウトバウンドをしていた運用から獲得件数が8%アップしたという事例も生まれております。
DataRobotに関して詳細を知りたい方はこちらの記事もおすすめです。
4-3.成果が出るまでに時間がかかる場合がある
3つめは「成果が出るまでに時間がかかる場合がある」という点です。
テレリサーチは、アンケート取得を目的としているので、顧客の心理的なハードルも低く、他のアウトバウンドと比べると目標達成しやすいですが、テレマーケティングやテレセールス、そこにいきつくまでのテレアポイントは販売するサービスや商品によっては、なかなか目標達成しにくいものです。
その際には、相手の属性や発言によってスクリプトを変化させることや、結果データを分析し、センター全体の改善だけでなく、オペレーターによっても偏りが出てくるのでオペレーター1人1人の改善活動を繰り返していくことが重要になります。
その際には、管理者のマネジメント力も重要な要素となりますが、管理者を補助するためのデジタルツールが最近登場していますので、人とデジタルの力を掛け合わせて成果を上げる仕組みを作るのが良いでしょう。
トランスコスモスでは、transpeechというツールを保有しており、相手の発言をAIが認識し、スクリプトや切り替えしトークを自動でポップアップする機能があります。また蓄積した対応音声結果をテキスト化して、成功/失敗するトークは何なのか、スクリプト上のボトルネックはどこにあるのかを洗い出すためのセールストーク解析という機能も保有しております。
transpeechのセールス支援について詳細を知りたい方はこちらの記事もおすすめです。
まとめ
この記事ではアウトバウンド型コンタクトセンター(コールセンター)について、詳しく解説しました。
ここで改めて本記事のおさらいをしましょう。
◆アウトバウンド型のコンタクトセンターとは
・アウトバウンドは顧客に対して電話を発信する業務 |
◆コンタクトセンターの「インバウンド」と「アウトバウンド」の違い
・アウトバウンドは営業活動、インバウンドは顧客サポートが多い |
◆コンタクトセンターのアウトバウンド業務とは
・テレフォンアポインター |
◆アウトバウンド型コンタクトセンターの3つの注意点
・コンタクト対象リストの管理に手間がかかる |
本記事がアウトバウンド型コンタクトセンター導入検討の際に、参考になれば幸いです。