「コンタクトセンターの成約率が上がらない」
「獲得率向上につながる施策が分からない」
アウトバウンド業務をしているコンタクトセンター(コールセンター)の場合、結果が出せるコンタクトセンターになるにはどうすればいいのか悩みますよね。
transpeechを導入したアウトバウンド業務の事例では、導入からわずか半年で業務のKPIとされていた来店予約が2倍以上、来店後の成約率も約1.5倍にアップする結果を残しています。
導入後の管理者やオペレーターからの声にはポジティブなものが多く、目標獲得件数を目指す仕組みが整えられたという声もあります。
transpeechとはどのようなソリューションで、どのように導入をしているのか気になりますよね。そこでこの記事では、transpeechを活用したアウトバウンド業務の事例を中心に、transpeechの機能や活用ポイントなどを解説していきます。
【この記事で分かること】 |
この記事を最後まで読めば、transpeechを導入して獲得率アップにつなげたいと思うはずです。コンタクトセンターの価値や評価を高めるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
1.transpeechとは
transpeech(トランスピーチ)とは、コンタクトセンター(コールセンター)の課題解決を支援することをコンセプトとした音声認識ソリューションです。
音声認識ソリューションにはパートナー企業である株式会社アドバンスト・メディアのAmiVoiceを採用しています。多数の事例で認識率90%を超える高精度な音声認識を実現しているところが特徴です。
18年に提供を開始したtranspeechは国内最大規模の稼働数を誇り、蓄積された経験や要望をもとに年にはtranspeechへとリニューアルを遂げました。国内だけでなく韓国でも導入を開始しており、23年中には韓国でも10社への導入を目指しています。
オペレーターの稼働率の向上や管理者リスクチェックの効率化、品質の向上などコンタクトセンターの課題に応じて有効活用ができます。
transpeechの音声認識機能と活用例 | |
応対支援 | 注意すべきキーワードに従って関連サイトやスクリプトを自動でポップアップすることで、正確で迅速なオペレーションをサポート |
品質管理 | テキスト化された通話をシートマップで確認し、複数の通話をリアルタイムでモニタリングできるため管理者の負担を軽減できる |
データ活用 | キーワード等で通話テキストを検索でき、過去データの抽出や顧客とのやり取りが瞬時に確認できるため管理しやすくなる |
テキストデータの | 通話テキストをそのまま残すことができ、オペレーターによる要約や後処理が不要なので、後処理時間の短縮につながる |
応対品を視覚的に把握 | 通話をテキスト化できるためどのようなやり取りをしたのか可視化でき、応対品質の課題や現状を把握できる |
例えば、品質管理では管理者が複数のテキスト化された通話をシートマップ上でチェックできるようになります。応対支援では注意すべきキーワードや関連サイトなどをリアルタイムでオペレーターに表示でき、迅速で的確なオペレーションが叶います。
transpeechではこのような音声認識と「4.transpeechの6つの機能と活用方法」で詳しく解説する以下の追加機能を組み合わせることで、コンタクトセンターの応対品質向上や業務効率化を目指します。
・品質管理 |
音声認識環境の導入から運用までをノンストップで提供し、コンタクトセンター運営に有効活用できるのがtranspeechならではの大きな強みです。
2.transpeechの3つの特徴
transpeechには「クオリティコントロール」「リスクマネジメント」「コストセービング」という3つの特徴があります。
3つの特徴を把握することで、transpeechがどのような場面で役立つのか理解できます。それぞれどのような特徴なのか、1つずつチェックしていきましょう。
2-1.クオリティコントロールができる
1つ目は、クオリティコントロールができることです。
オペレーターの応対品質の均一化は、コンタクトセンター(コールセンター)にとって大きな課題です。transpeechでは、下記のような機能でオペレーターの応対や管理者のチェックをサポートします。
オペレーターのサポート | ・聞き取り項目やトークスクリプトのポップアップ表示により品質を維持できる |
モニタリング | ・管理者が担当するオペレーター数が多くても、パソコン上で俯瞰的に状況を把握できる |
フィードバック | ・オペレーターの応対履歴を蓄積できるため精度の高いフィードバックができる |
毎日多くの応対をしていると「必須項目を聞き忘れてしまう」「注意しなければならないポイントが意識できない」など、課題が発生します。transpeechでは必須聞き取り項目や推奨するトークスクリプトなどをポップアップ表示し、オペレーターの応対をサポートします。
また、手間をかけずにオペレーターの応対履歴を蓄積できるところも特徴です。管理者は蓄積されたデータや独自の評価基準に沿って自動生成されたカルテをもとに、フィードバックができます。
定性的なフィードバックだけでなく定量的なフィードバックもできるようになり、オペレーターの品質向上やモチベーションアップにつながります。
2-2.リスクマネジメントができる
2つ目は、リスクマネジメントができるところです。トラブルを未然に防ぐためには、transpeechの下記のような機能が活用できます。
オペレーターのサポート | ・NGワードなど注意するべきキーワードを検知し自動で注意喚起をする |
モニタリング | ・複数の応対を同時にモニタリングでき、フォローが必要かどうかを迅速に判断できる |
感情解析 | ・顧客の感情を解析し「怒り」などのフォローするべき感情が感知されたときには管理者に通知をする |
transpeechを活用すると、一度に複数の応対をモニタリングできます。リアルタイムでテキスト化された応対を俯瞰的に見ながら、フォローするべきか迅速に判断をすることが可能です。
また、感情解析機能が備わっているため、顧客の「怒り」の感情を感知したら、いち早く管理者に通知をします。すぐにオペレーターと連携することで、トラブルを未然に防ぎます。
2-3.コストセービングができる
3つ目は、コストセービングができるところです。transpeechを導入するとオペレーターの応対サポートやリアルタイムでのモニタリング、後処理にかかる時間の削減ができます。その結果、1通話あたりの応対時間が削減でき、オペレーターの稼働率が向上します。
限られた人員で、効率よくコンタクトセンターを運用できるようになります。また、transpeechは月額制で利用できるため、ライセンス費用などが不要です。比較安価なランニングコストで運用できるため、費用対効果が高いところも大きな魅力だと言えるでしょう。
現在transpeechは、インバウンド業務とアウトバウンド業務ともに活用されています。
インバウンド業務の活用事例 | ◎解約慰留での事例 |
アウトバウンド業務の活用事例 | ◎成約率アップの事例 |
次の章では、来店予約の獲得、来店後の成約率アップに導いたアウトバウンド業務での活用事例を詳しく解説していきます。
3.【導入後半年で獲得率が2倍以上アップ】transpeechのアウトバウンド導入事例
ここからはtranspeechを導入したことで、来店予約と成約の2段階の獲得率が大幅にアップしたアウトバウンド業務の事例をご紹介します。
この事業所では、最新の商品への買い替えを促すアウトバウンド業務を行っています。オペレーターは最新の商品に移行するメリットを訴求し、店舗に来店する予約を取ります。顧客が実際に店舗に来店し成約となると、事業所の成約率がアップする仕組みです。
コンタクトセンター(コールセンター)ではなく店舗で成約を取らなければならないため、オペレーターが顧客の気持ちを高めて店舗につなぐことが重要です。
そのため、
①店舗への来店予約を取る(来店予約率) |
という2段階での目標設定が必要で、どのように成約率をアップさせるか悩んでいました。
実はtranspeech導入前の事業所にはすでに複数のベンダーが携わっていたこともあり、下記のような課題を抱えていました。
◎来店予約率が他ベンダーと比べて、低い状態で目標も大きく未達であったため、まずは来店予約率を改善する必要があった |
そこで、優秀なオペレーターと育成オペレーターの差を埋めるなどの改善策を考えている中transpeechを活用できないかと相談がありました。早速、3つのステップに分けてtranspeechを導入することにしました。
3-1.オペレーターの応対品質をリアルタイムで確認する
まずは音声認識により、リアルタイムでオペレーターの応対品質を確認できる体制を整えました。クレームが起きていないか、無理にアポイントを取得していないかなど何かあったときの迅速なフォローが目的です。
従来はリアルタイムでモニタリングとしようとすると、オペレーター一人につき管理者一人が必要でした。限られた管理者数の中では手厚いフォローが難しく、育成オペレーターは不安を感じやすい環境でした。後から音声を聞いて確認しようとしても時間や工数がかかるため、実現が難しい状況でした。
transpeechを使いシートマップでのモニタリングを導入すれば、管理者がオペレーターを長時間監視しなくても必要なタイミングでアラート通知が受け取れます。
例えば、「◯秒以上怒っている」「◯回以上怒りの感情が出た」など設定に該当する顧客の怒りを察知した場合は、管理者にモニタリングをしたほうがいいと通知します。
transpeechは、言葉や声の大きさには反映されない感情の揺れが感知できるのです。アラート通知後にモニタリングに入ってもモニタリング以前の通話状況がテキストベースで残っているため、管理者は内容を把握してフォローができます。
また、上席への対応交代希望や、確認が必要なお問い合わせをいただいた際もキーワードを検知してリアルタイムでアラート通知を受け取れるので管理者がすぐにフォローに回れます。
このようなフォロー体制を構築できたことで、限られた管理者で手厚いフォローが実現できるようになりました。
とくに管理側からはポジティブな意見が多く、利便性が向上しモニタリングしやすくなったという声も、オペレーターからもすぐにフォローが受けられるので、安心して勤務できるという声が出ています。
オペレーターの応対品質をリアルタイムで確認する | |
目的 | オペレーターに何かあった場合に迅速なフォローができる体制を整える |
主な機能 | 監理者が長時間オペレーターを監視しなくても必要なタイミングでアラート通知を受け取れる |
成果 | ・限られた監理者で手厚いフォロー体制を実現 |
3-2.セールストーク解析
次に、セールストーク解析で獲得率向上に導くためのキートークの発見や検証を行いました。この事業所では優秀なオペレーターと伸び悩んでいるオペレーターが二極化しており、応対品質に差がありました。
そこで、下記の3ステップを3ヶ月ほどかけて実施し、どのオペレーターも同じような訴求トークができるようサポートをしました。
①仮説発見
transpeechを導入すると、オペレーターの応対がテキストとして残ります。優秀なオペレーター3名と伸び悩んでいるオペレーター3名の通話テキストをピックアップし、使用頻度の高いキーワードをランキング化して比較するところから始めました。
transpeechならデータ収集や集計が自動化できるので、時間や手間がかかりません。だからこそ無理なく導入でき、データ収集や分析に充てていた時間を新たな施策を考えるために充てることができます。
②仮説検証
仮説発見のステップで応対上の頻出キーワードをランキング化し比較をしたことで、優秀なオペレーターと伸び悩んでいるオペレーターの違いが見えてきました。
例: |
上記の傾向を踏まえスクリプトを変更し検証段階に進むと、訴求トークの違いが獲得に至るまでのボトルネック要因であることも明らかになりました。
そこで複数ある訴求トークをメンバーがどれくらい実施できているか、話す訴求方法にばらつきは見られるのかを「訴求トーク実施率」として算出し、可視化しました。
③定着指導
仮説検証で算出した「訴求トーク実施率」を一定の周期で確認できるようツール化し、フィードバックに活用できるような仕組みを作りました。
具体的には価格訴求や心理訴求、機能訴求などの訴求トークをピックアップし、1ヶ月分の会話テキストデータを集計します。膨大な会話データに対するチェックにはAIの技術も活用し、オペレーターへの指導へ繋げやすいよう運用状況に合わせたアウトプットにしています。
セールストーク解析では、transpeechをフル活用し、迅速にセールストークの問題点を可視化します。そして、管理者による直接的オペレーター指導につなげて成約へと結びつけます。
実際にセールストーク分析をすることで、評価をする管理者の肌感覚を数値化できたという声が届いています。また、「機械やAIが数値的に判断した傾向」や「トーク実施率」を周知したことでフィードバックにも説得力が増し、自身の傾向や目標に納得をしたうえで業務に取り組めると感じたオペレーターの声もあります。
定性的な評価のみならず、定量的なフィードバックで着実に実力をつけて、獲得率アップにつなげていく方法は高評価を得ることができました。
セールストーク解析 | |
目的 | 成約率や獲得率向上に導くためのキートークの発見や検証を行う |
主な機能 | ①仮説発見 |
成果 | ・管理者の肌感覚に頼っていた評価を数値化できた |
3-3.品質管理プラットフォーム
最後に、品質管理に特化したプラットフォームを事業所内に導入しました。一時的にコンタクトセンターの応対品質を向上させるのではなく、継続していける仕組みが必要だと感じたためです。
プラットフォーム内には過去データを蓄積できるため、前月と比較して伸びている部分や悪くなっている部分をいち早くチェックできます。また、各オペレーターのカルテが自動生成できるため、フィードバックや評価に活用できるようになりました。
従来は手動でExcelにデータを蓄積し評価をしていましたが、transpeechが自動集約・評価判定を活用することにより、ブラウザ上で簡単に判定結果の確認ができ、オペレーターへのフィードバックがしやすくなったそうです。
transpeech導入前はオペレーターへのフィードバックは多くても2か月に1回程度でしたが集計などの手間と工数が削減できた結果、今では月1回の高サイクルでフィードバックが行えるようになりました。
カルテはオペレーター自身も確認できるので、自分のスコアを確認することでモチベーションアップにつながっているという声もあります。
品質管理プラットフォーム | |
目的 | 一時的にコンタクトセンターの応対品質を向上させるのではなく、継続していける仕組み作り |
主な機能 | ・自動集約・評価判定の実施 |
成果 | ・オペレーターへのフィードバックがしやすくなった |
3-4.transpeechの導入後の成果
この事業所は他ベンダーより7年程遅れての参入であったため、来店予約獲得や来店後の成約にも苦戦していました。しかし、transpeechの導入後半年で来店予約率は2倍以上、成約率も約1.5倍アップ。
丁寧な対応を顧客から評価され、他ベンダー比較107%の成約率を獲得しています。それだけでなく、transpeech導入後はベンダー間で競争している目標達成率で成績1位を獲得できました。
実際にtranspeechを導入した後の声を聞いてみると、強引なアポイントやクレームがなく応対品質を向上させていく真摯な方法で成約率をアップできたのが嬉しかったという声がありました。
この他にも、下記のような嬉しい声が届いています。
◎来店予約率、成約率をあげることや目標成約件数を目指す仕組みが整えられた |
また、オペレーター側からは肌感覚でやってきたことを数値化でき目標として設定できるようになったので、取り組みやすくなったという意見がありました。
来店予約の獲得や、その後の成約率が向上できないという課題を見事に克服し、半年間で成績トップになれたアウトバウンド業務の好事例です。
4.transpeechの6つの機能と活用方法
transpeechには、以下の6つの機能が備わっています。
transpeechの6つの機能 | |
音声認識 | 通話をリアルタイムかつ自動で文字に起こすことで、コンタクトセンター(コールセンター)業務の効率化や応対品質の向上が期待できる |
品質管理 | 応対品質の継続的な向上とコンタクトセンター業務の効率化を図る機能が搭載されている |
AI defender | AIを活用しオペレーターの通話をリアルタイムで聞き分け正誤を判断する機能 |
感情分析 | 顧客の話し方や声の大きさからは把握できない隠れた感情を分析する機能 |
対話要約 | 音声認識したテキストを自動要約することで、オペレーターのコールログ作成時間を短縮する機能 |
セールストーク解析 | 蓄積された音声認識データを活用し応対品質の向上やフィードバックなどに役立てる機能 |
それぞれどのように活用できるのか、事例を交えながら解説していきます。
4-1.音声認識
音声認識は、transpeechの核となる機能です。
「1.transpeechとは」でも解説したように通話をリアルタイムかつ自動でテキスト化ができます。音声だけでは掴みにくい傾向を可視化し、テキストのデータ活用やテキストベースでの品質管理が実現できます。
transpeechの音声認識機能 | |
応対支援 | 注意すべきキーワードに従って関連サイトやスクリプトを自動でポップアップすることで、正確で迅速なオペレーションをサポート |
品質管理 | テキスト化された通話をシートマップで確認し、複数の通話をリアルタイムでモニタリングできるため管理者の負担を軽減できる |
データ活用 | キーワード等で通話テキストを検索でき、過去データの抽出や顧客とのやり取りが瞬時に確認できるため管理しやすくなる |
テキストデータの | 通話テキストをそのまま残すことができ、オペレーターによる要約や後処理が不要なので、後処理時間の短縮につながる |
応対品を視覚的に把握 | 通話をテキスト化できるためどのようなやり取りをしたのか可視化でき、応対品質の課題や現状を把握できる |
transpeechの音声認識エンジンには、国内導入実績No1の「AmiVoice」を採用しています。「AmiVoice」は、音声認識精度が非常に高いところが特徴です。会話スピードやイントネーションなどに左右されることなく、自然な発話の認識ができます。
音声認識についての詳しい解説は、下記の記事を参考にしてみてください。
活用事例:NG応対の検知と指導への活用
生命保険のお客様相談窓口では、誤案内防止のための応対全件のチェックを実施していました。全件チェックに時間と労力を費やしていたため、工数を削減したいとの思いでtranspeechを導入しました。
transpeechの音声認識機能を活用し、誤案内につながるワードの検知や検索を実施しました。また、リアルタイムでNGワードを検知することで、迅速なサポートやフィードバックを実現しました。
その結果、精度の高い応対ができるようになり、それだけでなく全件チェックにかかる負担や工数が減ったことで、スーパーバイザーの残業時間も50%減らせるようになりました。
4-2.品質管理
品質管理プラットフォームは、管理者とAIの評価を統合しユーザー目線でのデータ分析、育成管理までを1つのシステムで実現しています。
従来は、コンタクトセンターでの通話データやオペレーターの評価、実績を別々の方法で管理していました。品質管理プラットフォームでは音声認識を用いた自動評価や分析、オペレーターの過去成績をまとめて管理できます。
例えば、オペレーター一人一人のスコアを自動で集計しスコア化できる機能を使うとフィードバックの準備に費やしていた時間を削減できます。管理者はオペレーターとのフィードバックに時間を割けるようになり、手厚いサポートが叶います。
活用事例:品質工数チェック工程の効率化
製造メーカーのお客様相談窓口では応対品質を向上させるために、通話の全件チェックやフィードバックを強化したいという思いがありました。
しかし、通話チェックはアナログ作業で実施しており、モニタリングに時間を要しているのが現状です。そこで、transpeechを導入し業務を効率化することにしました。
transpeechでは、蓄積された音声認識データや独自の評価基準に沿ってカルテを自動生成できます。今まで費やしていた応対品質チェックの工数を80%削減することに成功しました。
また、削減できた工数を品質改善のフィードバックなどのコア業務へと転換し、フィードバックの頻度を4倍に増やすことができました。スピード感を持ちPDCAを回せるようになり、応対品質の向上にもつながった事例です。
4-3.AI defender
AI defenderでは、コンタクトセンターの応対を学習したAI が自動で応対の正誤を判断し、高速/高精度な応対チェックでトラブルを予防できます。
トランスコスモスが独自開発したAIアルゴリズムを使用し、オペレーターの通話の必須トークやNGトーク、プラスアルファのトークを自動判定します。NGトークを言った場合や必須トークができていない場合は管理者にアラート通知をして、サポートを仰ぎます。
リアルタイムで管理者に連携できるためリスクを減らせるのはもちろんのこと、迅速で的確な指示が出せるところが特徴です。
また、管理者がすべての通話をチェックしていなくてもサポートが必要な通話だけを検出できるため、限られた管理者数で手厚いサポートが叶うところも大きな魅力でしょう。
4-4.感情分析
感情分析は、顧客の話し方や声の大きさからは把握できない隠れた感情を分析する機能です。無意識に起こる声帯の揺れを感知することで顧客がどのような感情にあるのか、オペレーターにポップアップ表示で知らせます。
怒りの感情など注意すべき感情である場合には管理者にアラート通知をして、すぐに連携できるところもポイントです。「3.【導入後半年で成約件数が2倍以上アップ】transpeechのアウトバウンド導入事例」でも、怒りの感情を察知して管理者にアラート通知をする仕組みを導入していました。
顧客の感情を瞬時に察知しすぐにフォローをすることで、トラブル防止や応対品質の向上へとつながります。感情分析が役立つシーンや感情分析を活用するメリットは、下記の記事を参考にしてください。
4-5.対話要約
対話要約とは音声認識したテキストを自動要約し、オペレーターのコールログ作成時間を短縮する機能です。
通話後の後処理に時間がかかると、なかなか次の電話を受けることができません。対話要約を使うと、自動でコールログのベースが生成できます。細かな表記が必要な部分のみオペレーターが追記をすれば、コールログの完成です。
コンタクトセンターの稼働率を高めたい場合や、後処理時間を短縮したい場合に向いている機能です。
4-6.セールストーク解析
セールストーク解析とは、蓄積された音声認識データを活用し応対品質の向上やフィードバックなどに役立てる機能です。
せっかく音声認識データが蓄積されても、有効活用できなければ意味がありません。そこで「3-2.セールストーク解析」でご紹介したように、3つのステップでコンタクトセンターの課題や現状を視覚化していきます。
①仮説発見 | ・キーワードをランキング化して比較する |
②仮説検証 | 仮説発見で得た仮説を当てはめて数値化できるよう検証 |
③定着指導 | 仮説検証で得た結果をもとにオペレーターに定着するよう指導する |
例えば、仮説発見では、音声認識データをもとにキーワードを分類してオペレーターによってどのような傾向があるのかランキング化をします。
その後、仮説検証で仮説発見を得たキーワードの癖や偏りが起きているのか検証していきます。そして、検証結果をもとにトークスクリプトなどを見直し、オペレーターの応対品質が均一になるよう指導していきます。
音声認識データを活用することでデータ収集の手間や労力を省き、課題の解消につながるフィードバックや指導ができるようになるでしょう。
活用事例:トーク解析による解約の抑止
採用媒体の訴求や営業アポイントを目的としたセールスアウトバウンドのコンタクトセンターでは、オペレーターごとのアポイント獲得率の差を減らしたいという課題がありました。
そこで、transpeechのセールストーク解析を活用し、アポイントにつながった成功トークと失敗に終わったトークのキーワードをランキング化し比較しました。例えば、「ご存知」というキーワードは成功トークでは55%出現しているのに対し、失敗トークでは9%しか出現していません。
成功トークの特徴を掴みトークスクリプトを変えたことで、コールセンター全体のアポイントの取得率は2.3倍に向上しました。蓄積した音声認識データを有効活用することで、課題の解決へとつながります、
5.アウトバウンドの成功事例から読み解く活用ポイント4選
transpeechの機能やアウトバウンドの成功事例を把握できたところで、具体的なメリットが気になるところです。ここでは、アウトバウンドの成功事例から分かる4つのポイントをご紹介します。
アウトバウンドの成功事例から分かる4つのポイント |
・オペレーターの品質標準化ができる |
5-1.オペレーターの品質均一化ができる
1つ目は、オペレーターの品質均一化ができることです。アウトバウンドの事例では、優秀なオペレーターと伸び悩んでいるオペレーターに差があることが課題でした。
セールストーク解析を実践することで優秀なオペレーターと伸び悩んでいるオペレーターには訴求トークに違いがあることが分かり、トークスクリプトを見直すことに成功。セールストーク分析やオペレーターのスコアをベースにフィードバックができるため、的確な指示やサポートができるようになりました。
その結果、短期間でオペレーターの品質が均一化でき、どのオペレーターも獲得率アップにつながるアプローチができるようになったのです。実際にtranspeechを活用しているコンタクトセンター(コールセンター)では、新人オペレーターからベテランオペレーターまで違いを感じています。
新人オペレーター: NG通話の評価がリアルタイムで表示されるので、口癖や言い回しに気を遣うようになった |
オペレーターの品質を均一化する仕組みや分析を行うのは本来手間と時間がかかり、なかなか実現できないことですが、transpeechを活用することで無理なく実践できます。
5-2.リスクマネジメントができる
2つ目は、管理者に負担をかけずリスクマネジメントができるところです。リアルタイムで通話の文字起こしをしたテキストは管理者がいつでも確認できるのはもちろんのこと、NGワードや顧客の怒りを察知した場合はアラート通知を受け取れます。
管理者がオペレーターを常時監視しなくてもサポートが必要な瞬間が分かるため、すぐに連携できるところがポイントです。
クレームなど何かあってからオペレーターの話を聞いて引継ぎをすると時間や手間がかかりますが、transpeechを活用すればあらかじめ対策が打てます。
また、オペレーターには顧客に伝えなければならないことや気をつけることなどをポップアップ表示できるため、顧客と通話しながら注意を払うことが可能です。
継続して獲得率や成約率を高めるには、リスクを減らすことが欠かせません。transpeechなら時間や手間をかけなくても、効果的なリスクマネジメントができます。
5-3.コンタクトセンター(コールセンター)の課題を可視化し対策を打てる
3つ目は、コンタクトセンターの課題を可視化して対策が立てられるところです。
アウトバウンドの事例では、transpeechを導入したことで機械と人の両軸で評価できるようになったという声がありました。
人による評価だけだと管理者の感覚に左右された評価となり、客観的なコンタクトセンターの課題がなかなか見えてきませんでした。
transpeechを導入し機械による自動評価を導入したことで定量的な評価ができ、オペレーターやコンタクトセンターの課題が浮き彫りになりました。機械で測定できない声の抑揚や個別応対の部分のみ人による評価を取り入れることで、手間を減らしながらも明確な目標を立てられるようになりました。
コンタクトセンターの目標や課題は、成長に合わせて変わっていきます。常に課題を可視化し適切な対策を立てられる仕組みができるのは、transpeechを活用するからこそできることだと言えるでしょう。
5-4.管理者の手間が省ける
4つ目は、コンタクトセンターの管理者の手間が大幅に削減できるところです。アウトバウンドの事例でもtranspeechは管理者3~4人分の業務をしてくれると語っているように、今まで管理者の負担となっていた業務を簡略化できます。
例えば、オペレーターの通話をリアルタイムで文字起こしをしてくれるだけでなく管理者のサポートが必要な場合はアラートが届くため、ずっと監視し続ける必要がありません。
また、オペレーターの評価も自動で集計できるので、手間をかけてフィードバック用の資料を作成する必要がなくなります。手の空いた時間を使いフィードバック頻度を増やしたり課題解決のための施策をしたりできるので、より短期間で課題を解決できるサイクルを生み出せるのです。
負担が増えがちな管理者業務を自動化、簡略化できるのもtranspeechならではの強みです。
6.transpeechの導入をサポートします
トランスコスモスでは、transpeechの導入から運用までノンストップで支援しています。
「セールストーク解析サービス」がセットになったパッケージでは、音声認識に知見のある専門的なスタッフがtranspeechの導入やセールストーク解析など成功するまで支援をします。
国内では22年12月時点で2,000席規模に実装しており、韓国でのサービス提供も開始しました。
transpeechを導入したものの使い方が分からないことがないよう、活用支援をしていますので安心してお任せください。既にアウトバウンド業務では成約が上がるスキームを確立していますので、興味があればお問い合わせください。
また、より詳しいtranspeechの概要については、ソリューションページをご用意しております。こちらも参考にしてください。
7.トランスコスモスの取り組み
トランスコスモスではtranspeechの他にも、下記のような支援、取り組みを行っています。
7-1.スタッフ育成の取り組み
企業価値向上に貢献する戦略的顧客接点を創出するために、事業所MVVの策定やお客様企業のVisionを、メンバー全員が理解したコンタクトセンターの構築や運用をサポートしています。
また、マルチチャネルに対応するためにコンタクトセンター(コールセンター)業界初となるチャット認定資格「LCM認定:The Live Chat Master Certification」を設けています。LCM認定ではチャットオペレーションに必要な知識や知識・スキルを体系化し、役割ごとに基準を設けて評価しています。
7-2.情報セキュリティ(ISO/IEC27001)への取り組み
05年3月に「MCMセンター駒込」において、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格ISO/IEC27001の前身である「ISMSVer.」を取得しました。07年3月にISO/IEC27001へ移行し、対象拠点を拡大しながら情報セキュリティの強化に努めています。
情報セキュリティの改善サイクルやマネージメントシステムも取り入れ、安心して利用できる環境を構築しています。在宅勤務であってもコンタクトセンター同様のセキュリティをベースとして、要望に応じた強固なセキュリティ体制を整えます。
7-3.売上拡大支援
機会損失を生まないマルチチャネル対応やセールスチャットの活用など、お客様企業の課題に応じた売上拡大支援を行っています。従来型の電話応対であっても、トーク解析や感情分析などのデータを用いた売上拡大支援などが可能です。
7-4.コスト最適化支援
ノンボイスによる業務効率化やFAQやチャットボットの最適化、AIを活用したモニタリングの一部自動化や要員配置予測の自動化など、コストダウンや最適化につながるサポートも行っています。
トランスコスモスではお客様企業の課題に応じ、多彩なソリューションを提供しています。お客様に必要な最新・最適な技術を融合させたサービスをご提案できますので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
いかがでしたか?transpeechをアウトバウンド業務に活用する事例や方法が把握でき、導入を検討できたかと思います。
最後にこの記事の内容をまとめます。
◎transpeech(トランスピーチ)とは、コンタクトセンター(コールセンター)の課題解決を支援することをコンセプトとした音声認識ソリューションのこと。蓄積された経験や要望をもとに年にtranspeechへとリニューアルを遂げた
◎transpeechの3つの特徴は次のとおり
1)オペレーターの応対品質の均一化などクオリティコントロールができる |
◎transpeechを活用したアウトバウンド事例でポイントとなるのは次の3つ
1)オペレーターの応対品質をリアルタイムで確認する:クレームが起きていないか、無理にアポイントを取得していないかなど何かあったときの迅速なフォローをするためにリアルタイムでオペレーターの応対品質を確認できる体制を整える |
◎transpeechの導入から半年で獲得率(来店予約)が2倍以上、成約率も約1.5倍アップし成績がトップになった
◎transpeechの機能は次の6つ
transpeechの音声認識機能 | |
応対支援 | 注意すべきキーワードに従って関連サイトやスクリプトを自動でポップアップすることで、正確で迅速なオペレーションをサポート |
品質管理 | テキスト化された通話をシートマップで確認し、複数の通話をリアルタイムでモニタリングできるため管理者の負担を軽減できる |
データ活用 | キーワード等で通話テキストを検索でき、過去データの抽出や顧客とのやり取りが瞬時に確認できるため管理しやすくなる |
テキストデータの | 通話テキストをそのまま残すことができ、オペレーターによる要約や後処理が不要なので、後処理時間の短縮につながる |
応対品を視覚的に把握 | 通話をテキスト化できるためどのようなやり取りをしたのか可視化でき、応対品質の課題や現状を把握できる |
◎アウトバウンドの成功事例から読み解く活用ポイントは次の4つ
1)セールストーク解析をすることでオペレーターの品質標準化ができる |
トランスコスモスでは既にアウトバウンド業務では成約が上がるスキームを確立していますので、成約率や獲得率に悩んでいる場合はお気軽にお問い合わせください。