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コールセンターにおける後処理時間の短縮方法6つを徹底解説

「コンタクトセンターの後処理時間、どうやったら短縮できるのだろう」
「後処理時間を短縮する方法が知りたい!」
と感じていませんか?

コンタクトセンター(電話やメールに加え、SNS、チャットなど幅広いコミュニケーションチャネルを利用して、顧客と企業を結ぶ部署を指す。以前は電話コミュニケーションのみだったので、コールセンターと呼ばれており、現在でもコールセンターで表現されている所も多い。)の後処理時間を短縮する方法は大きくわけて、以下の3つです。

①オペレーターの入力スキルを改善する
②入力システムを使いやすいように改善する
③音声認識システムを導入する

ただし、コンタクトセンターの後処理が長引く原因を理解したうえで短縮する方法を導入しないと、思ったように効果が出ない可能性があります。やみくもに短縮する方法を導入しても、原因が解決しなければ、後処理時間は短縮できない可能性があるのです。

そこで本記事ではコンタクトセンターにおいて後処理時間が長引く原因を明らかにした上で、短縮方法について具体的に解説していきます。

▼本記事の内容

・コンタクトセンターの後処理時間とは
・コンタクトセンターの後処理時間を短縮する重要性が高い理由
・コンタクトセンターの後処理時間に時間がかかってしまう原因
・コンタクトセンターにおいて後処理時間を短縮する方法

本記事を読むことで、後処理時間が長引いてしまう原因を知ったうえで、具体的に短縮する方法に取り組むことができるようになります。ぜひ最後までお読みください。

1.コンタクトセンター(コールセンター)の後処理時間とは

コンタクトセンター(コールセンター)の後処理時間とは、「After Call Work(ACW)」といい、オペレーターが顧客との通話が終わった後に、応対内容の記録や、顧客からもらった意見や問い合わせの内容、顧客からの依頼内容に応じた手続き、受注情報や、他部署への伝言などをシステムに入力するためにかかる時間のことです。

1通話あたりに要する後処理時間で数値を出します。

参考:コールセンターでのKPIとは?重要な21項目と活用ポイントを解説

2.コンタクトセンター(コールセンター)の後処理時間を短縮する重要性が高い理由

コンタクトセンター(コールセンター)において後処理時間短縮の重要性が高い理由は、短縮した時間を使って電話の対応数を増やせ、生産性を向上できるからです。結果、電話が繋がりやすくなり、顧客の利便性の改善や満足度の向上につながると言われています。

たとえば1通話あたりの処理(以降AHT)が6分のコンタクトセンターで、平均通話時間(以降ATT)が4分、平均後処理時間(以降ACW)が2分の場合、後処理時間を1分短縮できると、時間当たり10本の電話がとれていたものが12本とれる計算となり、生産性が1.2倍になります。

後処理時間の短縮は通話時間の短縮と違い顧客の要素を含まず、コンタクトセンター側の作業のみで改善が可能です。具体的にはオペレーターのタイピングスキルを向上する、システムを改善することで短縮の実現が可能で、取り組みやすく、効果が出やすい傾向にあります。

一方で、顧客との通話時間は問い合わせ内容や顧客によってさまざまなので、容易に短縮することは難しく、下手に短縮しようとすると、顧客の印象が悪い対応になるケースもあります。

そのため、コンタクトセンターの生産性向上が課題となっている場合には最初にチェックする作業が、後処理時間なのです。

3.コンタクトセンター(コールセンター)の後処理に時間がかかってしまう3つの原因

そもそもコンタクトセンター(コールセンター)において後処理時間がなぜ長くなってしまうのでしょうか。

代表的な3つの原因を紹介します。

▼コンタクトセンターにおいて後処理時間に時間がかかってしまう原因

・オペレーターの入力スキルが乏しい
・システムに入力するルールが定まっていない
・システムに入力する内容が複雑・煩雑である

3-1.オペレーターの入力スキルが乏しい

後処理に時間がかかってしまう理由で最も多いケースは、オペレーターのPC入力スキルが乏しいことです。入力スピードが遅いと、どうしても後処理時間が伸びてしまいます。

コンタクトセンターはタイピングスキルを採用条件にしているところも多いのに、なぜ入力スピードが遅いのでしょうか?

具体的に、入力スピードが遅い原因は以下の3つです。

・タイピングスピードが遅い
・ショートカットキー/単語登録(※)等の工夫を取り入れていない
・思ったことを整理してアウトプットすることができない

3-2.システムに入力するルールが定まっていない

次に多いパターンは、後処理(ログ)の入力ルールが定まっていない事です。こういうコンタクトセンターでは、オペレーターそれぞれの解釈の差でバラつきが生まれます。

よくあるケースとしては、
・後処理が早いオペレーターは必要な情報を記載していない
・苦情など混みいった対応の時は会話形式で一言一句ログを残してしまう
といったケースがあります。

上記のケースは、「何のために後処理で対応内容を記載するかが説明されていない」ケースや、顧客から「あの時こう言った」とか「前回こう言われた」といわれても正確に対応できるようにするために、オペレーターが良かれと思ってするケースが多いです。

3-3.システムに入力する内容が複雑・煩雑である

システムに入力が必要な項目が多い、というのも後処理時間が短縮できない原因の一つです。

コールセンター(コンタクトセンター)のシステムは、対応内容にあわせて受注したデータを投入するケースや、データ属性フラグの設定を入力することはよくあります。

データ属性フラグとは、苦情だったらチェック、故障だったらチェックというように、顧客の情報や問い合わせの情報にフラグを立てるものです。主にデータ分析に活用されます。

しかし、このデータ属性フラグに網羅性がなく迷ってしまうというケースや、項目が多すぎて入力に時間がかかるというケースが散見されます。 

たとえば、顧客との応対記録や顧客からの意見・質問・依頼内容をまとめる項目が細かく分かれている場合や、一つの対応の中に複数のフラグが発生しているケース等があり、それだけ入力するフラグや手間が増えてしまい時間がかかってしまいます。

4.【コンタクトセンター(コールセンター)の後処理時間を短縮する方法①】オペレーターの入力スキルを改善する

コンタクトセンター(コールセンター)の後処理時間を短縮する方法は数多くありますが、大きく3つに分けて紹介します。

▼コンタクトセンターにおいて後処理時間を短縮する方法

①オペレーターの入力スキルを改善する
・オペレーターのタイピングスピードを向上させる
・電話対応中に入力できるようにする
・ショートカットキーを使いこなす
・オペレーターに「単語登録」を徹底して積極的に使うように指導する

②ログ入力システムを使いやすいように改善する
・プルダウン式で選択する項目はシンプルにする
・テンプレートを利用して入力をシンプルにする

③音声認識システムを導入する

まずはオペレーターの入力スキルを改善する方法を見ていきましょう。 

4-1.オペレーターのタイピングスピードを向上させる

タイピングスピードが早くなれば入力スピードは圧倒的に速くなるため、オペレーターのタイピングスピードを向上させましょう。

タイピングスピードを向上させるためには、速くタイピングすることに慣れるしかありません。タイピングソフトを導入して、タイピングの練習ができるように環境を整えましょう。

4-2.電話対応中に入力できるようにする

電話対応中に並行して入力できるようになることで、後処理の時間を短縮することが可能です。

対応が終了したあとに顧客との通話内容を思い出しながら入力をしていると、時間がかかってしまうからです。対応中に出てきたワードをリアルタイムで入力していくことで、対応終了後に考えながら入力することがなくなり、応対記録を素早く入力できます。

具体的には、動画などを再生し人が話しているのを聞きながら、重要なキーワードをログ入力ルールにそって入力する練習をしてもらいます。音声を聞きながらの入力に関しても慣れることと、対応中のメモをPCに残す癖をつけることが重要です。

4-3.ショートカットキーを使いこなす

ショートカットキーの使い方を覚えてもらい、入力スピードを向上させましょう。

とくにコンタクトセンターは顧客対応を複数のツールで行う事が多いです。その解決法としてショートカットキーを使う事は多いと思います。そこで、入力効率をアップさせる際にも活用します。

マウスの右クリックを使った操作や、表示されたメニューのなかから使いたいものを選択しなければならないので作業効率が下がるが、ショートカットキーを使いこなすことで使いたい機能やツールを一瞬で使うことができ、圧倒的に作業効率が向上するのです。

 以下のショートカットキーを使いこなせるように徹底することで、コンタクトセンター(コールセンター)の後処理における作業が格段に速くなります。

◆ブラウザ上で使えるショートカットキー
・表示するページを新規タブで開く:Ctrl+左クリック
・出しているタブを順に画面に表示させる:Ctrl+TabもしくはCtrl+Shift+Tab
・消したタブをもう一度表示させる:Ctrl+Shift+T
・文字検索ウィンドウを開く:Ctrl+F(そのほかのアプリケーションでも使用可能)

◆文字入力時に使用するショートカットキー
・文字の切り取り:Ctrl+X
・文字のコピー:Ctrl+C
・文字の貼り付け:Ctrl+V
・全文選択:Ctrl+A
・入力文字を半角英数に変換:F10

4-4.オペレーターに「単語登録」を徹底して積極的に使うように指導する

オペレーターに「単語登録」をしてもらい、積極的に使ってもらうことで入力スピードの向上を目指しましょう。ログ入力ルールが、テキスト入力形式のものだと特に力を発揮します。

単語登録をすれば、入力したい文を全文打ち込まなくても単語の一部の文字を打ち込むだけで文字が一瞬で入力されます。必要な文章を一文字一文字打ち込んでいかなくても入力が完了するので、効率よく入力が可能になります。

また、誤入力による時間のロスも減らせます。自社コンタクトセンター(コールセンター)でよく使う単語を登録しておきます。

また、オペレーターには2回位以上使った単語で、一度で変換ができなかった単語は、すべて辞書登録をするように徹底しましょう。

▼おすすめの単語登録一覧

読み

登録文章

おせ

お世話になっております。

あり

ありがとうございます。

よろ

よろしくお願いいたします。

ごか

ご確認よろしくお願いたします。

かぶ

株式会社◯◯

ごれ

ご連絡ありがとうございます。

めーる

◯◯@◯◯△△.com

でんわ

0120-◯◯◯-◯◯◯◯

じゅうしょ

東京都渋谷区〇〇2丁目◯番◯号 ◯△ビル2F

ひき

◯◯オペレーター引継済み

えす

◯◯SVエスカレ済み

電話番号や住所は、コンタクトセンターの連絡先などのよく使う内容を登録しておくとよいでしょう

5.【コンタクトセンター(コールセンター)の後処理時間を短縮する方法②】入力システムを使いやすいように改善する

前章では後処理時間を短縮する方法として、属人的な課題に対する対策を紹介しました。5章では入力システムを使いやすいように改善する方法を紹介します。

タイピングスピードが速くても、入力項目が多くなっている、入力が複雑になっていると、どうしても後処理速度は遅くなってしまいます。

そこで具体的に以下の2つをご紹介します。

▼入力システムを使いやすいように改善する方法

・プルダウン式で選択する項目はシンプルにする
・テンプレートを利用して入力をシンプルにする

5-1.プルダウン式で選択する項目はシンプルにする

可能な限りプルダウン式で選択する項目をシンプルにしましょう。

プルダウンの数が多かったり階層が深かったりすると、オペレーターが選択したい項目を探すのに時間がかかってしまい、効率が悪くなってしまいます。下手するとテキストで打ち込んだほうが速いケースもあるでしょう。

そのため、プルダウン式で選択可能な項目は、個数や階層といった画面上の表示項目をできるだけ絞り、少なくすることをおすすめします。

具体的な個数は利用するツールにより変わりますので、実際に画面上に表示させて設計する必要があります。プルダウンの項目がスクロールを必要とする個数や、階層が一覧で視認できるかなどは代表的なチェック方法です。

また、プルダウン式は選択項目を直観的に扱えないと選択に悩んでしまい時間がかかってしまうケースがあるので、「その他」などをいれて網羅性を確保しましょう。

5-2.テンプレートを利用して入力をシンプルにする

問い合わせ内容にあわせてテンプレートを用意し、入力をシンプルにしましょう。 テンプレートを利用することで入力する文章量が減るため、その分時間短縮ができます。

具体的には、通販やメーカーの販売に携わるコンタクトセンターでは、「返品」や「キャンセル」といった問い合わせに対し、ヒアリングする項目が決まっているケースは多いです。

そこで、項目をテキスト入力でいちいち打ち込むのではなく、入力するテンプレートにあらかじめ記載しておくことで、正確性の担保と後処理の短縮を同時に行う事が可能になります。

ただし、注意点としてテンプレートの数が多すぎると、どのテンプレートを使えばいいかわかりにくくなってしまい、結果迷って後処理短縮の効果が出ない事があります。シンプルなルールでシンプルな利用方法を心がけて作成しましょう。

なお、トランスコスモスでは「Contact-Link for CTS」で後処理時間の短縮を実現可能です。応対記録画面で設定したテンプレートから適するものをプルダウンで選択することで、テンプレートを引用して利用する機能があり、素早い入力作業を実現し後処理時間を短縮できます。

さらに「Contact-Link for CTS」では、共有が必要な事項の管理や顧客の応対履歴の管理、受注在庫管理、顧客情報の管理、問題解決のためのFAQなどが一元化でき、システムを行ったり来たりして後処理を行わなくてもいいので、後処理時間の短縮に貢献します。

ご興味のある方は以下よりぜひ資料をご確認ください。

6.【コンタクトセンター(コールセンター)の後処理時間を短縮する方法③】音声認識システムを導入する

コンタクトセンター(コールセンター)の後処理時間を短縮する方法として、音声認識システムを導入しましょう。

音声認識システムを利用して、電話応対中のやり取りをリアルタイムかつ自動で文字起こしをしたり、自動で要約テキストを作成させることで、後処理のうち応対記録の入力を削減できます。

オペレーターが後処理として応対記録を入力しないのであれば、後処理を可能な限りゼロに近づける事ができます。以下事例を是非参考にしてください。

なお、トランスコスモスでは音声認識ソリューションである「transpeech」というサービスをご提供しています。

「transpeech」はAIが音声を認識し、応対中のやり取りをリアルタイムで文字起こししてくれます。90%の認識率を誇り、高精度な文字起こしが実現可能です。

そのため文字起こしした会話履歴をそのまま応対記録にコピー&ペーストでき、後処理時間を大幅に短縮できます。ご興味のある方は以下からぜひ資料をご確認ください。

まとめ

 この記事ではコンタクトセンター(コールセンター)の後処理時間の短縮方法について解説しました。ここであらためて本記事の内容をおさらいしましょう。

◆コンタクトセンターの後処理時間とは
オペレーターが顧客との通話が終わった後に、応対内容の記録や、顧客からもらった意見や問い合わせの内容、顧客からの依頼内容に応じた手続き、受注情報や、他部署への伝言などをシステムに入力するためにかかる時間のこと

◆コンタクトセンターの後処理時間を短縮する重要性が高い理由
短縮した時間を使って電話の対応数を増やせ、生産性を向上できるから。生産性が向上すれば、電話が繋がりにくいというイメージを解消でき、CS(顧客満足度)を上げられる可能性もある。

◆コンタクトセンターの後処理時間に時間がかかってしまう原因

・オペレーターの入力スキルが乏しい
・システムに入力するルールが定まっていない
・システムに入力する内容が複雑・煩雑である

◆コンタクトセンターにおいて後処理時間を短縮する方法

①オペレーターの入力スキルを改善する
・オペレーターのタイピングスピードを向上させる
・電話対応中に入力できるようにする
・ショートカットキーを使いこなす
・オペレーターに「単語登録」を徹底して積極的に使うように指導する

②入力システムを使いやすいように改善する
・プルダウン式で選択する項目はシンプルにする
・テンプレートを利用して入力をシンプルにする

③音声認識システムを導入する

今回は後処理の短縮方法を説明しましたが、後処理短縮に力を入れすぎると本来、何のために後処理を残しているのかという目的を忘れてしまいがちです。後処理=顧客の声を残すための活動でもありますので、生産性とのバランスを取りながら、処理結果をどのように使うから何をするということを決めていってください。

後処理活用法のヒントはVOC分析の記事も参考にしてください。本記事がお役に立てれば幸いです。

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【 コンタクトセンターの4大課題へのアプローチ 】
オペレーション業務領域が注力すべき 4大課題 とその 解決事例 を整理しています。是非ご覧ください。
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