KPI(Key Performance Indicator)とは、「重要業績評価指標」を意味し、簡単に言えば「ビジネスにおいて、最終目標を達成するための中間目標」です。
最終目標を「KGI(=Key Goal Indicator/重要目標達成指標)」と言いますが、そこに向かっていくための道しるべとして、中間に「KPI」を設定し、それを達成することでゴールに近づいていきます。
コンタクトセンター(コールセンター)の課題に合わせたKPIを設定し管理することで、目標達成のための課題や道筋が明確となり、よりよいコンタクトセンター運営を目指せるのです。
しかし、コンタクトセンターが管理すべき品質ごとに的確なKPI項目を把握していないと、目標達成につながるKPIを設定することができません。
そこでこの記事では以下の内容をまとめて解説していきます。
◎コンタクトセンター(コールセンター)におけるKPIとは
◎コンタクトセンター(コールセンター)の代表的なKPI項目一覧
◎接続品質に関するKPI
◎応対品質に関するKPI
◎生産品質に関するKPI
◎処理品質に関するKPI
◎コンタクトセンター(コールセンター)でKPIを活用するときの5つのポイント
この記事を最後まで読めばコンタクトセンターにおけるKPIとはどのようなものか把握でき、よりよいコンタクトセンター運用に活用できるようになるはずです。
どのようなKPIを設定するのかはコールセンターの目指す姿によって異なるため、ぜひ自社のコンタクトセンターに合うKPIが設定できるようになりましょう。
1.コンタクトセンター(コールセンター)におけるKPIとは
コンタクトセンター(コールセンター)において、どのようなKPIを管理する必要があるのかと気になっている人は多いかと思います。そこでまずは、
・そもそもKPIとはどのような指標なのか
・コンタクトセンターでKPIを管理する必要性
についてご紹介します。
1-1.KPIとはどのような指標なのか
コンタクトセンターで使われるKPIとはどのような指標なのでしょうか。その意味やどんな項目があるのか、整理しましたのでチェックしてみましょう。
KPIの意味
KPI(Key Performance Indicator)とは、「重要業績評価指標」と呼ばれる指標で、わかりやすく言えば「ビジネスにおいて、最終目標を達成するための中間目標」です。
最終目標を「KGI(=Key Goal Indicator/重要目標達成指標)」と言いますが、そこに向かっていくための過程で、中間の道しるべとして随時「KPI」を設定し、それを一つずつ達成することでゴールに近づいていくとイメージすればいいでしょう。
最終的な目標が定まっていても現状を的確に把握し、効率よく目標達成ができる道筋が立てられないと企業やチームとしてなかなか成長できません。
たとえば、コンタクトセンターで「顧客満足度を向上させる」という目標を立てたとしましょう。目標自体は理解できるのですが、どれくらい改善すればよいのか、原因はどこにあるのかなど、アクションをするには足りません。
やみくもに目標に向かって頑張ったとしても、達成に時間がかかります。そこで、指標を立てて数値化し管理することで現状の把握と課題となる部分を洗い出し、いち早く目標達成ができるようにしていきます。
【コンタクトセンターにおける目標とKPIの例】
KPIは目標達成に向かってどのように進めばいいのか、具体的に示す羅針盤の役割を果たすとも言えるでしょう。
KPIの項目
コンタクトセンターでは数多くのKPIが存在します。品質にかかわるKPI、コストにかかわるKPI、人材や運営全体にかかわるKPIなどありますが、目的によって分類をすることが可能です。
本記事では、実際のマネジメントに欠かせない品質に分類したKPIをメインに説明していきます。
具体的な品質の項目を、接続品質・応対品質・生産品質・処理品質と4つに分類し、目的にあわせて以下表にまとめました。コンタクトセンターの改善指標として以下分類でKPIを整理、数値化し管理していきます。
KPIの項目 | |
接続品質 | コンタクトセンターの全体のつながりやすさを測るKPI |
応対品質 | コンタクトセンターの応対の丁寧さを測るKPI |
生産品質 | コンタクトセンターの対応の速さを測るKPI |
処理品質 | コンタクトセンターの処理の正しさを測るKPI |
この分類ごとに詳細なKPIが整理されます。
どのような種類があるかは2.コンタクトセンター(コールセンター)の代表的なKPI項目一覧で説明します。
では自社のコンタクトセンターにどのようなKPI項目を設定するのかについては、それぞれコンタクトセンターの目的により大きく異なります。
ただし、どのコンタクトセンターでも共通していることは、課題や目標に直結する項目とリンクさせてKPIを設定し、成長につなげていきます。
1-2.コンタクトセンター(コールセンター)でKPIを管理する重要性2点
コンタクトセンター(コールセンター)がKPIを管理する必要性として
・コンタクトセンターの課題解決の近道となる
・目標達成がしやすくなる
という2つがあります。どうしてKPIを管理する必要があるのかイメージできるようになるかと思うので、ぜひチェックしてみてください。
コンタクトセンター(コールセンター)の課題解決の近道となる
目指すべき目標を掲げているコンタクトセンター(コールセンター)は多いですが、なかなか目標に到達できないケースがあります。これは目標達成するための課題解決の際に、何に取り組むべきか把握できていないからです。
例えば、クレームを5%削減するという目標を立てたとしましょう。クレームが多いという顕在的な課題は把握できますが、そもそもどこに原因があるのか定かではありません。
オペレーター対応に問題があるのかもしれませんし、待ち時間や応答時間の長さが問題かもしれません。そもそもの製品やサービスの問題かもしれません。曖昧なままで目標に向けて動き出すとオペレーターによって努力の方向が異なり、短期間で望ましい結果が出ないのです。
KPI数値を管理することでクレームが多くなると思われる関連指標を具体的に視覚化でき、どこに課題があるのか見つけられるようになります。
目標達成のために取り組むべき課題が分かり、効率よく目標達成ができるようになるでしょう。どのような業種でも、最小限の時間やコストで最大限の結果を達成することが求められます。そのためには、KPIを活用し最終的な目標と現状を結びつけて考えることが必要です。
目標設定がしやすくなる
先ほども述べたように、KPIは最終的なゴールであるKGI(Key Goal Indicator)を達成するために重要なカギとなる部分を管理するための指標です。
コンタクトセンターとして目指すべき姿は定まっていたとしても、そのためにはどのような目標を立てるべきか曖昧な場合も少なくありません。
KPIを上手に活用することでコンタクトセンターの現状と課題を可視化することができ、最終的なゴールを達成するために必要な目標が立てやすくなります。
コンタクトセンターの現場では、日々たくさんの顧客とオペレーターの対応が発生していますが、なかなか全体の課題が表面化しないことが多いです。気が付いたときには顧客満足度の低下や応答率の悪化などが発生し、急いで原因を探すことがあります。そのようなことにならないように、現状を把握して課題を明確にすることが大切です。
・先月や昨年と比較してどうか
・他のKPI項目と並べたときに課題となる部分はないか
などを数値化してチェックすることで、小さな課題や違和感にいち早く気付くことが重要です。
このようにKPIを管理することでゴール達成を目指す運用が求められます。
2.【一覧表】インバウンド・アウトバウンド別コンタクトセンター(コールセンター)の代表的なKPI項目
コンタクトセンター(コールセンター)で利用されているKPIの種類は、業務内容に応じて多種多様に存在します。
特に、インバウンド(=受信業務)とアウトバウンド(=発信業務)とでは重要視すべきKPIが異なりますので、ここではそれぞれに分けて説明しましょう。
2-1.インバウンドで重要なKPI
まず、インバウンドで重視すべきKPIは以下の通りです。
接続品質(つながりやすさ)に関する主なKPI項目 | |
応答率 | 全体の総着信に対してオペレーターが対応できた受電件数の割合 |
放棄呼率 | 全体の総着信に対してオペレーターが対応できなかった受電件数の割合 |
サービスレベル | 目標時間内に電話に出られた件数の割合 |
平均応答速度 | 顧客が電話をかけてからオペレーターが電話に出るまでの平均時間 |
話中率 | 全体の総着信に対して話中となった着信の割合 |
応対品質(丁寧さ)に関する主なKPI項目 | |
モニタリングスコア | オペレーターの応対品質を点数化したもの |
顧客満足度調査スコア | 一連の応対に対して顧客が満足できたかどうか調査した結果を数値化したもの |
クレーム発生率 | 全応答数から苦情が発生した件数の割合 |
Thanks Call発生件数 | 全応答数から御礼や感謝の声をいただいた件数 |
生産品質(速さ)に関する主なKPI項目 | |
Call Per Hour | 1人のオペレーターが1時間以内に対応できる処理件数 |
平均処理時間 | 顧客との通話開始から後処理終了までの時間の平均値 |
平均通話時間 | オペレーターが顧客と通話をしている時間の平均値 |
平均後処理時間 | 通話が終わったあとの後処理1件あたりにかかる時間の平均値 |
稼働率 | オペレーターの労働時間全体から顧客対応にあてられる時間を判断するために用いられる指標 |
占有率 | 顧客対応にあてられる時間が効率的かどうかを判断するために用いられる指標 |
平均保留時間 | 1件当たりの保留時間の平均値 |
処理品質(正確さ)に関する主なKPI項目 | |
一次完結率 | 顧客の対応を1度で終えた件数 |
ミス率 | コンタクトセンター業務の対応や付随業務に対しミスが生じてしまった割合 |
エスカレーション率 | 上司や他部門への相談・質問率 |
保留発生率 | お客様対応中に保留を発生させた率 |
再入電発生率 | 顧客の同じ問い合わせに対して解決できず再度発生した率 |
このKPI項目をすべて管理するのではなく、コンタクトセンターの目標や方針に合わせて必要なKPIを取捨選択することが大切です。
2-2.アウトバウンドで重要なKPI
次に、アウトバウンドで重視すべきKPIは以下です。
インバウンドと共通するものもありますが、アウトバウンドならではのKPIにも注目してください。
アウトバウンドならではのKPI項目 | |
架電数 | オペレーターが顧客に架電した件数 |
コンタクト率 | コンタクトセンターから発信した電話の中で、顧客につながった件数の割合 |
承諾率・成約率 | オペレーターが顧客に架電した件数のうち、承諾や成約を得られた件数の割合 |
平均架電単価 | オペレーターの1通話あたりにかかるコスト |
生産品質(速さ)に関する主なKPI項目 | |
稼働率 | オペレーターの労働時間全体から顧客対応にあてられる時間を判断するために用いられる指標 |
平均処理時間 | 顧客との通話開始から後処理終了までの時間の平均値 |
平均通話時間 | オペレーターが顧客と通話をしている時間の平均値 |
処理品質(正確さ)に関する主なKPI項目 | |
ミス率 | コンタクトセンター業務の対応や付随業務に対しミスが生じてしまった割合 |
2-3.その他のKPI
また、今回はコンタクトセンターを管理する際の品質指標をメインに説明していますが、運営管理には人材管理指標やコスト管理指標など他のKPIも存在します。
以下に参考としていくつか列挙いたします。ご興味がある方はご確認ください。
その他指標一覧(名称のみ)
その他KPI | 勤怠率 | 退職率 | 充足率 | シフト順守率 | CPC |
これを踏まえて、次章からは主にインバウンドで重視すべきKPIについて、その意味と算出方法を詳しく説明します。
3.接続品質に関するKPI:意味・算出方法・平均
接続品質に関するKPIとは、つながりやすいコンタクトセンター(コールセンター)かどうかを測定する指標です。顧客は何らかの目的がありコンタクトセンターに電話をかけますが、「なかなかつながらない」「いつも待ち時間が長い」となると印象が悪くなり顧客満足度の低下を招きます。
どのようなKPI項目を設定し接続品質を管理したらいいのか、ぜひ参考にしてみてください。
3-1.応答率
応答率とは、全体の総着信に対してオペレーターが対応できた受電の割合を指します。(IVRでの対応を含む場合があります)コンタクトセンター(コールセンター)のつながりやすさを示す指標で、応答率が低い場合はオペレーターにつながりにくく顧客の不満が溜まりやすい状態だと言えます。
一方で応答率はあくまでもつながるか、つながらないかで評価する指標なので、30分待ってもつながれば応答率がアップします。応答率のみを重視してKPIを測るとコンタクトセンターの実情が掴めなくなるので、他の数値と併せて総合的に判断することが大切です。
応答率は、オペレーターが対応できた受電数 ÷ 総着信数 × 100で算出できます。たとえば、1時間に60件の着信がありオペレーターが40件対応できたとすると、 40 ÷ 60 × 100 =約66%で応答率は約66%となります。
応答率(%) | |
概要 | 全体の総着信に対してオペレーターが対応できた受電件数の割合 |
算出方法 | オペレーターが対応できた受電数 ÷ 総着信数 × 100 |
平均・目安 | 目標は80〜90%に設定するセンターが多い |
3-2.放棄呼率
放棄呼率とは、オペレーターにつながる前に顧客が切断をした、または何らかの理由でシステム側が切断した入電の割合を指します。入電がつながりやすく顧客がストレスを感じない対応ができているコンタクトセンターは放棄呼が少ない傾向があるので、放棄呼率を把握すればコンタクトセンター運営の現状が把握できます。
万が一放棄呼率が高い場合は入電が集中している、1件当たりの対応時間が長いなどの原因を追求し改善することで、接続品質の向上につながるでしょう。
放棄呼率は、放棄呼数 ÷ 総着信数 × 100で算出できます。1時間のうちに80件の着信があり放棄呼が7件あった場合は、7 ÷ 80 × 100 = 8.75%で、放棄呼率は8.75%となります。
放棄呼率(%) | |
概要 | 全体の総着信に対してオペレーターが対応できなかった受電件数の割合 |
算出方法 | 放棄呼数 ÷ 総着信数 × 100 |
平均・目安 | 平均 8.6% |
3-3.サービスレベル(SL)
サービスレベル(Service Level)とは、設定した時間内で応答できた受電の割合を指します。コンタクトセンターで「20秒以内に入電を受ける」と設定している場合、実際にどの程度時間内で応答できているのか確認するための項目です。サービスレベルが低いと、設定時間内で応答できていないコールが多数発生していることになります。
サービスレベルは、設定時間内に受電した数 ÷ 総着信数 × 100で算出できます。例えば、1日の総コール数が100件で20秒以内に応答できたコール数が70件の場合、70件 ÷ 100件 × 100 = 70%で、SLは70%となります。
サービスレベル(Service Level)(%) | |
概要 | 目標時間内に電話に出られた件数の割合 |
算出方法 | 設定時間内に受電した数 ÷ 総着信数 × 100 |
平均・目安 | コンタクトセンターによって異なる |
3-4.平均応答速度(ASA)
平均応答速度(Average Speed of Answer)は、顧客が電話をかけてからオペレーターにつながるまでの間、システム上で待った時間の平均値です。ASAが30秒の場合は、オペレーターにつながるまで平均して30秒待たせていることになります。
あくまでも平均値ではありますがASAが遅ければ遅いほど顧客の待ち時間が増えるため、満足度の低下やクレームにつながる可能性があります。
ASAは、オペレーターが電話に出るまでの待ち時間の合計 ÷ 総着信数で算出できます。たとえば1時間に着信が50件あり合計待ち時間が1,000秒だとすると、1,000 ÷ 50 = 20秒で、ASAは20秒となります。
平均応答速度(Average Speed of Answer) | |
概要 | 顧客が電話をかけてからオペレーターが電話に出るまでの平均時間 |
算出方法 | オペレーターが電話に出るまでの待ち時間の合計 ÷ 総着信数 |
平均・目安 | 平均 19.7 秒 |
3-5.話中率
話中率は、顧客が電話をかけたがオペレーターにつながらず、話し中となってしまった着信の割合です。電話が一時的に集中し、回線数の許容を超えた場合に流れます。もちろん、これが多いと電話を受ける体制が不十分ということなので、随時チェックする必要がある数値です。
また、人的体制だけではなく、設備やIVRの設計が正しくできているかどうかも確認する必要があります。計算は、話中になった着信数 ÷ 総着信数で算出できます。たとえば1時間に着信が50件あり話中呼が10件だと、10 ÷ 50×100 = 20%となります。
話中率(%) | |
概要 | 顧客が電話をかけたがオペレーターにつながらず、話し中となってしまった着信の率 |
算出方法 | オペレーターが電話に出るまでの待ち時間の合計 ÷ 総着信数 |
平均・目安 | コンタクトセンターによって異なる |
4.応対品質に関するKPI:意味・算出方法・平均
応対品質に関するKPIは、オペレーターが丁寧な言葉遣いで応対ができているか、顧客に満足を与える応対ができているか測定する指標です。応対品質が低下すると顧客満足度が低下し、企業ブランドのイメージダウンにつながり兼ねません。どのようなKPIで管理すればいいのか、ぜひ参考にしてみてください。
4-1.モニタリングスコア
モニタリングスコアとは、オペレーターの応対品質の平均点数のことです。
オペレーターの応対品質をチェックするときには、以下の内容を総合的に見ていくことが多いです。
・電話対応に必要な業務遂行力
・言葉遣いや共感力、提案力などのソフト面
算出方法はモニタリングシートを作成し、オペレーターの応対品質に点数を付けていきます。コンタクトセンター(コールセンター)の評価指標や点数に合わせて平均値を算出します。
モニタリングスコア | |
概要 | オペレーターの応対品質の平均点数を調査する |
算出方法 | モニタリングシートを作成しオペレーターの応対品質を数値化して、平均点を算出する |
平均・目安 | 評価方法や評価項目などによって異なる |
4-2.顧客満足度(CS)調査スコア
顧客満足度(Customer Satisfaction)とは、企業の商品やサービスに対する顧客の満足度を示す指標です。コンタクトセンターにおいては、問題解決度や通話を通じて顧客が満足できたかどうかを調べます。
顧客満足度が低いと顧客の問題解決や満足度の向上ができておらず、そもそものコンタクトセンターの目的が果たせていないことになります。逆に言えば顧客満足度が高いと、コンタクトセンターの接続品質やオペレーターの応対品質に問題はなく顧客に寄り添ったコンタクトセンター運営ができていると言えるでしょう。
コンタクトセンターの顧客満足度は、顧客アンケートを実施し調査することが多いです。たとえば、オペレーター通話後にSMSなどでアンケートを送付し、5~10段階評価をしてもらいます。アンケート集計後には、課題となる項目や満足度の高い項目が把握できるようになります。
評価指標や点数はコンタクトセンターによって個別設定されるので、必ずしも同じではありません。
顧客満足度調査スコア(Customer Satisfaction Survey score) | |
概要 | 顧客が通話を通じて満足できたかどうか調査する |
算出方法 | 顧客を対象としたアンケート調査を実施 |
平均・目安 | 評価方法などによって異なる |
4-3.クレーム発生率
クレーム発生率とは、企業の商品やサービスに対する不満足度を示す指標です。顧客の声を直接受けるコンタクトセンターにおいては、問題解決度や通話を通じて顧客が満足できたかどうかを調べます。苦情の数や評価の仕方はコンタクトセンターの目的ごとに少し定義が変わることがあります。
計算式は苦情の数を全着信数から割り込んで計算します。
クレーム発生率 | |
概要 | 顧客から頂いた苦情件数の割合 |
算出方法 | 苦情件数÷全応答件数 |
平均・目安 | コンタクトセンターによって異なる |
4-4.Thanks Call発生件数
ThaksCall発生件数とは、顧客から御礼の電話/メール/手紙などを頂いた件数です。
コンタクトセンターに従事したことのない方からすると意外に思えるかもしれませんが、対応の満足度に御礼を伝えてくれる顧客がいます。この件数をカウントしCTS/CRMなどの対応履歴を入力するツールで集計します。顧客満足度の目安とします。評価指標やルールはコンタクトセンターによって個別設定されるので、必ずしも同じ定義ではありません。
Thanks Call 発生件数 | |
概要 | 顧客からの感謝や御礼などの件数 |
算出方法 | ユニークの件数を手動でカウント |
平均・目安 | コンタクトセンターによって異なる |
5.生産品質に関するKPI:意味・算出方法・平均
生産品質に関するKPIは、速さ(効率のよさ)を測定するための指標です。
それぞれどのようなKPI項目なのか、詳しく解説していきます。
5-1.Call Per Hour(CPH)
Call Per Hour(CPH)とは、1人のオペレーターが1時間内に対応できる処理件数を指します。
CPHの数値が大きければ大きいほど、一定時間により多くの顧客対応ができたことになります。
一方でCPHは繫忙期となりコール数が多くなると増えて、閑散期になりコールが減ると落ちる側面があるので、外的要因を踏まえたうえで適切な数値を維持できているのか考える必要があります。
また、コンタクトセンター(コールセンター)によっては一定時間内により多くの顧客対応を行うことが得策だとは限りません。顧客に寄り添う丁寧な対応が求められる場合もあるので、CPHだけで評価を決めないことが大切です。
CPHは、総処理件数 ÷ 総稼働時間で算出できます。たとえば、あるオペレーターの1日の処理件数が20件、総稼働時間が5時間だとすると、20 ÷ 5 = 4件で、1時間あたり4件を処理できることになります。
Call Per Hour | |
概要 | 1人のオペレーターが一定時間内に対応できる処理件数 |
算出方法 | 総処理件数 ÷ 総稼働時間 |
平均・目安 | 業務内容によって異なる |
5-2.平均処理時間(AHT)
平均処理時間(Average Handling Time)とは、顧客との通話開始から後処理終了までに要した時間の平均値です。AHTが長いとあふれ呼や放棄呼が発生しやすくなるのはもちろんのこと、1日に対応できる顧客の数が少なくなってしまいます。
たとえば実務時間が5時間の場合、AHTが15分だと最大で20名の顧客対応ができますが、AHTが30分だと最大で10名の顧客しか対応できません。
顧客の問い合わせ内容に真摯に対応することはとても重要ですが、コンタクトセンター(コールセンター)の生産性を高めるにはAHTを意識することが大切です。AHTは、(総通話時間 + 総後処理時間 ) ÷ 総処理件数で算出できます。1日の実務の内訳が
・総通話時間:3時間(10,800秒)
・総後処理時間:1時間(3,600秒)
・処理した総コール数:20件
となった場合、(180分 + 60分 ) ÷ 20 = 720秒となり、AHTは12分です。AHTはコンタクトセンターの業務内容により目安が大きく異なるため、コンタクトセンターに合う目標を設定してみてください。
平均処理時間(Average Handling Time) | |
概要 | 顧客との通話開始から後処理終了までに要した時間の平均値 |
算出方法 | (総通話時間 + 総後処理時間 ) ÷ 総処理件数 |
平均・目安 | 業務内容によって異なる |
5-3.平均通話時間(ATT)
平均通話時間(Average Talk Time)は、オペレーターが顧客と通話をしている時間の平均値です。AHTは通話以外の処理時間も含めるのに対し、ATTは通話時間のみに特化しているところがポイントです。ATTが長いと丁寧な応対ができているかもしれませんが、多くの入電に対応することができません。
逆にATTが短いと多くの入電に応答できるものの、顧客の問題解決に至らなかったり雑な応答になってしまったりするケースも見受けられます。そのため、生産性と応対品質の維持が両立できるATTを維持することが大切です。
ATTは、総通話時間 ÷ 総処理件数で算出できます。例えば、1日の総通話時間が5時間で総コール数が20だった場合は300分 ÷ 20 =15分で、ATTは15分となります。
平均通話時間(Average Talk Time) | |
概要 | オペレーターが顧客と通話をしている時間の平均値 |
算出方法 | 総通話時間 ÷ 総処理件数 |
平均・目安 | 平均 6.5 分 |
5-4.平均後処理時間(ACW)
平均後処理時間(After Call Work)は通話が終わったあとの後処理(対応履歴の記入等)1件あたりにかかる時間の平均値です。後処理に時間がかかってしまうと次の入電がなかなか受けられず、あふれ呼や放棄呼が発生する原因となります。
ACWは、総後処理時間 ÷ 総処理件数で算出できます。例えば、1日の総後処理時間が3時間で処理した総コール数が20だった場合は180分 ÷ 20 =9分で、ACWは9分となります。
後処理の内容や工程はコンタクトセンター内で改善しやすい部分なので、目標よりも時間がかかっている場合はマニュアルの改善や後処理内容の見直しを検討してみてください。
平均後処理時間(After Call Work) | |
概要 | 通話が終わったあとの後処理(対応履歴の記入等)1件あたりにかかる時間の平均値 |
算出方法 | 総後処理時間 ÷ 総処理件数 |
平均・目安 | 平均 5.5 分 |
5-5.稼働率
稼働率とは、オペレーターがログインをしている時間内にどれだけ実務(電話応答・後処理・準備など)を行っているか把握するための指標です。
稼働率は高ければ高いほど生産性が上がると考えがちですが、業務を詰め込み過ぎるとオペレーターが疲弊することになります。品質悪化や離職率増加につながり、結果として生産性を低下させてしまうのです。そのため、稼働率を把握して生産性とオペレーターのモチベーションをバランスよく維持していくことが欠かせません。
稼働率は(通話時間+ 後処理時間 +後処理時間+ 受付可能時間)÷(給与時間 ) ×100で算出できます。たとえば、1日のオペレーターの平均的な業務時間が
・通話+保留時間:3.5時間
・後処理時間:1時間
・受付可能時間:0.5時間
・給与時間:7.5時間
だとすると(3.5 + 1 + 0.5) ÷ (7.5)× 100 =約66.6%で、稼働率は約66.6%となります。稼働率は曜日や業務が集中する日にちによっても異なると思うので、適切な生産性を保つためにも細かく把握しておくといいでしょう。なお、研修等が発生した場合は稼働に含めて計算することが多いです。
稼働率 | |
概要 | オペレーターの労働時間全体から顧客対応にあてられる時間を判断するために用いられる指標 |
算出方法 | (通話時間+ 保留時間 +後処理時間+ 受付可能時間)÷(給与時間 ) ×100 |
平均・目安 | 平均 65 % |
5-6.占有率
占有率とは、顧客 対応にあてられる時間が効率的かどうかを判断するために用いられる指標で、一般的にコンタクトセンターのシステムにログインしたオペレーターがどれだけ顧客対応をしていたかを指します。定義はログイン時間に対する顧客対応を行なった時間の割合ですが、回線占有率とも呼ばれる事があります。
占有率 | |
概要 | 顧客 対応にあてられる時間が効率的かどうかを判断するために用いられる指標 |
算出方法 | (通話時間+保留時間+後処理時間) ÷(通話時間+保留時間+後処理時間 + 受付可能時間)×100 |
平均・目安 | 業務内容によって異なる |
5-7.平均保留時間(AWT)
平均保留時間(Average Waiting Time)は、1件当たりの保留時間の平均値です。AWTが長ければ長いほど顧客を待たせている時間が多いことになります。
AWTは、総保留時間 ÷ 総処理件数で算出できます。例えば、1日の総保留時間が1.5時間で総処理件数が30件だった場合は、90分 ÷ 30件 =3分で、AWTは3分となります。
平均保留時間(Average Waiting Time) | |
概要 | 1件当たりの保留時間の平均値 |
算出方法 | 総保留時間 ÷ 総処理件数 |
平均・目安 | 業務内容によって異なる |
6.処理品質に関するKPI:意味・算出方法・平均
処理品質に関するKPIは、顧客からの問い合わせに対して正しく適切に業務を処理できているかを示す指標です。コンタクトセンター(コールセンター)の業務範囲によって定義が様々あります。参考としてどのような指標があるのか、ご紹介いたします。
6-1.一次完結率
コンタクトセンター業務に対し、一度の問い合わせで問題が解決できたのかを測る指標です。オペレーターは顧客対応から必要なサポート内容を聞き出して解決策を提示します。しかし解決できない場合顧客は再度連絡いただくケースや、オペレーターがフォローアップ発信して連絡するケースがあります。
一次完結率は、顧客に再度の問い合わせなど余計な手間をなくしたサポートができているか計測することを目的に利用されます。また、目的にあわせて、他の処理品質のKPI指標と組みあわせて利用されるケースが多いです。
1次完結率 | |
概要 | 一度の問い合わせで問題が解決した率 |
算出方法 | 1度のサポートで対応完了した件数÷全対応数×100 |
平均・目安 | 業務内容などによって異なる |
6-2.ミス率
ミス率とは、コンタクトセンター業務の対応や、付随する作業のミス率を指します。ミス発生率とも呼ばれます。コンタクトセンターにより作業内容は異なるため、ミスの定義も変わります。たとえば、
・コールバックを余儀なくされるような誤った回答をする(顧客視点でのミス)
・不必要な対応により、本来必要としなかったコストを発生させる(ビジネス視点でのミス)
などが当てはまります。コンタクトセンターごとにミスの定義や測定方法を決めて、ミス率を把握できるようにします。
ミス率(%) | |
概要 | コンタクトセンター業務の対応や付随業務に対しミスが生じてしまった割合 |
算出方法 | コンタクトセンターごとにミスの定義や測定方法を決めて算出 |
平均・目安 | コンタクトセンターの性質や業務内容などによって異なる |
6-3.エスカレーション率
エスカレーション率はオペレーターのみで顧客対応の解決ができず、上司へ相談した件数や、他部署へ質問した率を測定する指標です。オペレーターの知識の充実度や、そもそもの運用ルール(資料の充実度や情報の過不足)の課題など多彩な原因を測定できます。
一次完結率との違いは、一次完了率が1回の対応における作業完了の率を測定しますが、エスカレーション率は保留して相談した回数も含むため、内部工数の発生率に着目しているところが特徴です。
エスカレーション率(%) | |
概要 | オペレーターのみで顧客対応の解決ができなかった率 |
算出方法 | 相談した件数÷全対応数×100 |
平均・目安 | コンタクトセンターの性質や業務内容などによって異なる |
6-4.保留発生率
保留発生率はオペレーターの保留の回数を測定するKPIとなります。一般的に他の処理品質指標とあわせて、保留に特化して詳細を調べたい際に利用されます。保留の時間は対応の時間全体の中では少なくなることが多いため、生産品質の改善で注目されにくいという特徴があります。
しかしながら、オペレーターの知識の習熟度を確認したり、お客様をお待たせした回数を数えたりすることで別の課題を確認することが可能になります。
保留発生率(%) | |
概要 | オペレーターが対応中に保留を発生させた率 |
算出方法 | 保留した回数÷全応答数×100 |
平均・目安 | 業務内容によって異なる |
6-5.再入電発生率
再入電発生率は、一度対応を終えたが再度着信を受けてしまうケースの発生率です。一般的に他の処理品質指標とあわせて、再入電に特化して詳細をしらべたいときに利用されます。
再入電発生率(%) | |
概要 | 一度対応を終えた案件が解決に至らず再入電を発生させた割合 |
算出方法 | 再入電した件数÷全応答数×100 |
平均・目安 | 業務内容によって異なる |
7.KPIを活用するときの5つのポイント
ここまでKPIの項目を解説してきましたが、せっかくKPIを設定し管理できるようになっても目標達成のために活用できなければ意味がありません。そこで最後に、一般的なKPIの活用方法を5つ紹介します。
・週次や月次でPDCAを回す
・目標に応じたロジックツリーを描く
・目標達成のための優先順位をつける
・.現状と課題を共有する
・KPI項目を定期的に見直しする
自社のコンタクトセンター(コールセンター)でどのように活用したらいいのか、参考にしてみてください。
7-1.週次や月次でPDCAを回す
KPIを上手に活用するためには、週次や月次で集計をしてPCDAサイクルを回すようにしましょう。PDCAとは管理業務や運営業務を継続して改善していく手法のことです。
まずは、KPIの集計結果をもとに今週や今月の目標を設定します。目標を共有したら、計画に従って実践します。実践したところで満足せずKPIの集計をして、新たな目標を設定します。
例えば、今週は「応答率を80%、平均通話時間を5分以内達成」という目標を立てたとしたら、それに向かってオペレーター一人一人が取り組みます。そして1週間を終えたときにKPIを集計し達成率を確認します。再度課題となる部分を洗い出して、改善していくイメージです。
このPDCAサイクルを繰り返していくことで最終的な目標達成に向けて、効率よく改善していけるようになります。KPIを集計し管理するところで満足しないで、業務改善に活かせる仕組みを作りましょう。
7-2.目標に応じたロジックツリーを描く
コンタクトセンターの目標に応じKPIの相関関係が把握できるロジックツリーを考えることで、どのように最終的な目標を達成ができるのか明確になります。
例えば、応答率の向上という最終的な目標を掲げるとしましょう。応答率を向上させるには、まずは受電件数を増加させて、放棄呼件数を減少させる必要があります。
受電件数を増加させるには効率の改善が必要で、平均処理時間を短くしなければならない、放棄呼率を減少させるには生産件数の増加をさせることが必要で、出勤率改善をしていく必要があり、他のKPIと相関関係にあることが分かります。
このように、ロジックツリーを作成していくことで、どのKPIの影響を受けているのか、KPIごとの目標をどのように設定すれば最終的な目標にたどり着けるのか明確になるのです。
ロジックツリーを作成するときには
①最終的な目標を達成するために必要なKPIおよびKPIを構成する要素を明確にする
②設定したKPIの数値が目標達成と連動しているかチェックする
という2つのことに注意してみてください。KPIは相関関係になるので、1つだけ優れていてもなかなか目標達成にたどり着きません。どのような関係性があるのか可視化して、目標達成までの道筋を描いてみましょう。
7-3.目標達成のための優先順位をつける
KPIの数値を把握できるようになるとすべて改善できるよう取り組みたいと思うかもしれませんが、あまり戦略的とは言えません。
取り組む課題が増えれば増えるほど1つの課題に対して集中する時間が少なくなるため、結果的に目標達成に時間を要する可能性があります。
効率よく目標を達成するには、どのKPIから改善すべきか優先順位をつけて取り組むことが必要です。先ほどのロジックツリーを基に考えてみると、最終的な目標に近いKPIほど重要度が高いと考えられます。
まずは、応答率の改善のための要素となる、応答件数の増加や放棄呼件数の減少から取り組む必要があるでしょう。優先順位の高いKPI項目の数値が改善されると、状況に変化が起こる可能性があります。応答率の向上に近づいているのかチェックしながら、次に改善すべきKPIの項目を検討していきます。
7-4.現状と課題を共有する
KPIの測定を開始したら、コンタクトセンターの現状と課題をオペレーターと共有するようにしましょう。データの収集ができたところで満足してしまうと、KPIの活用ができません。
・高水準が維持できているKPI項目
・目標達成に向けて取り組むべきKPI項目
という2つのポイントを中心に共有し、コンタクトセンターの強みや課題、そして取り組むべきKPI項目が誰でも把握できている状態にしましょう。
とくに、コンタクトセンターの強みや改善されている点を共有することで、オペレーターのモチベーションアップにもつながります。
また、KPIの測定結果を共有するときにはPDCAサイクルを意識して、ただ共有するのではなく次にどのような行動に移せばいいのかも併せて共有してみてください。
7-5.KPI項目は定期的に見直しをする
コンタクトセンターのKPI項目は、定期的に見直しを行いましょう。KPI項目は最終的な目標を達成するためにとくに重要な指標のことなので、コンタクトセンターによって異なります。
また、コンタクトセンターの業務改善を進めていくうちに重要なKPIは変わっていくものです。一度設定したKPI項目は固定するのではなく
・最終的な目標達成に紐づく指標となっているか
・継続して測定が必要な指標か
・コンタクトセンターの課題となる指標か
などを定期的に見直して、その時の状況に合わせて適切なKPIを管理するようにしましょう。
8.KPI改善のPDCAを回すならアウトソーシング活用も検討
KPIを管理し、定期的に改善計画を考え、実行していくのは大変なことです。コンタクトセンター(コールセンター)は、「モノ」ではなく「人」のサービスを提供しているので、想定以上の計画を達成することもあれば、想定以下になる場合もあります。
その結果を可能な限りコントロールするためには、運営するSVのマネジメント力やオペレーターを支援するツールなどの環境整備も重要になりますが、自社(インハウス)だけで全てを準備しようとすると、費用も工数もかかりますので、アウトソーシングを上手く取り入れることも検討しましょう。
なお、弊社トランスコスモスではこれまで3000社を超える運営実績から培った知見やノウハウを活かし、運営を改善、安定化していくための人、モノ、ツールを取り揃えています。ご興味がございましたら、お気軽にご相談ください。
まとめ
いかがでしたか?コンタクトセンター(コールセンター)KPIとはどのようなものか把握でき、目標達成のために設定できるようになったかと思います。最後にこの記事の内容をまとめると
◎KPIとは、重要業績評価指標のこと
コンタクトセンター運営では、接続品質・応対品質・生産品質・処理品質をKPIとして設定、管理していくことが多い
◎コンタクトセンターがKPIを管理する必要性は次の2つ
1)コンタクトセンターの課題解決の近道となる
2) 目標設定がしやすくなる
◎コンタクトセンターでKPI項目を活用するときのポイントは次の5つ
1)週次や月次でPDCAを回して、常にKPIを軸にコンタクトセンターを改善していく
2)目標に応じたロジックツリーを描き、KPI項目の関連性を把握する
3)目標達成のための優先順位をつける
4)コンタクトセンターの現状や課題をオペレーターと共有する
5)KPI項目は定期的に見直しをする
この記事をもとにコンタクトセンターに合わせたKPIが設定でき、最終的な目標達成に向けて活用できるようになることを願っています。