消費者のオンライン購入における接客ニーズ調査2024
現在では商品の購入だけでなく、様々な手続きもオンライン上で可能となり、コロナ禍を経てオンラインでできることの範囲は更に拡大しました。
オンラインで手続きをするにあたり、企業側ができるサポートとしてチャットによる問い合わせの受付やアクティブサポートなどがあります。
今、消費者がオンラインで購入や手続きを行うにあたり、チャットでのサポートがどれほど求められているのか、2022年に実施した、「消費者のオンライン購入における接客ニーズ調査」を改めて実施、今回は大きく6つの業界に分けて調査を行いました。
2022年度の調査結果はこちらから↓
調査概要
調査名:消費者のオンライン購入における接客ニーズ調査2024
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年2月22日~2024年2月26日
調査対象:カスタマーサービスを受けたことがある、全国20代~70代の男女28,608名
調査結果
1.インターネットでの購入・手続き経験は84.9%
インターネット上で商品の購入やサービスの申込み、変更などの手続きを経験したことがあると回答した人は84.9%となりました。
年代別で比較をしたところ、どの年代においても約85%がインターネットでの商品購入やサービス申込みの経験があり、年代問わずインターネットの利用が当たり前になってきていることがわかります。
2.オンライン購入や手続きに使う端末はスマートフォンとPCをほぼ同割合
インターネット利用をするときに利用する端末はスマートフォンが46.5%、PCが46.9%とスマーフォン利用とPC利用がほぼ同割合という結果となりました。
年代別で見ると20代は71.1%がスマートフォンから手続きをしていますが、40代頃を境に割合が逆転し、60代以上では77.9%がPCで手続きをすると回答しています。
スマートフォンの普及は進んでいますが、ある一定数はPCを使う利用者もいることがわかりました。
特に50代以上の年齢層をターゲットにする場合はPCサイトにおけるユーザーサポートも整備しておくことが重要となるようです。
3.オンラインで購入や手続きをしているときにチャットでの相談ニーズは35.4%
オンラインで購入や申し込みなどの手続きをしているときに「チャットで相談したいと思ったことがある」と回答した人は35.4%で2022年度調査の28.8%より増加しました。
オンラインでの購入や手続きの利用率が高まっていることに比例して、オンライン上で完結するチャットでのサポートも需要が高まっていると考えられます。
年代別でみると、特に若い世代でのニーズが高く、20代では半数以上の人がチャットでのサポートを望んでいることがわかりました。
また、どの年代においても、2022年度の調査と比較してチャットサポートの需要が高まっていることから、今後さらにサイトにおけるチャットサポートの整備はユーザーの利便性向上に欠かせないものとなると推測されます。
4.チャットサポートに求めるのは自己解決より早い不明点解消
チャットで相談したいと思ったことがある人にその理由を聞いたところ、30.0%が「自分で調べるより早く不明点が解消されそうだから」と回答しました。
また、2022年度の調査と比較して「近くに店舗が無い」ことを理由に仕方なくチャットを選ぶ人の割合は減っているようで、チャットサポートを積極的に選択する人の割合が増加していると考えられます。
チャットでのサポートを望む理由を年代ごとにみると、全年代において「自分で調べるより早く不明点が解消されそうだから」が1位となりました。
チャットサポートは自己解決する手段と比較して時間や手間の短縮になることを期待していることがわかります。
また、電話での問い合わせと比較して「気軽に聞ける」と感じている人も多いですが、60代以上の年代に限ってはチャットに気軽さを感じている人は少ないようです。
5.チャットを避ける理由は文字入力の面倒さ
チャットで相談したいと思わないと回答した人の43.0%が「文字で状況説明するのが面倒だから」という理由を選んでいました。
しかし、「電話やショップの方がいろいろ聞ける」や「事務的な対応をされそう」といった他チャネルと比較したマイナスイメージは減ってきているため、チャットの入力方法を選択式にするなど、入力の手間を軽減する工夫をすることでチャット利用率を上げることができる可能性は高いと考えられます。
年代別でチャットでの相談をしたいと思わない理由を比較したところ、年代による理由の差はなく、全年代で同じ順位となりました。
現在チャットの利用率が伸びないなどの課題を抱えている場合は、チャット上に選択肢でも問合せができるようにフリー入力と選択式どちらも用意してユーザーの入力の手間を省くような施策を行うとよいでしょう。
すでにそのような仕様にしている場合は手間がかからずチャットサポートが受けられることの告知などをすることが有効となりそうです。
また、これからはユーザーの入力内容から予測して回答を導き出すことができたり、関連する問い合わせを表示することができたりする、生成AIの活用も重要になってくるでしょう。
6.オンラインで購入や手続きを検討している人の46.5%は決断前に家族などに相談する
インターネットで購入や手続きを検討しているときに、その商品の購入やサービスの加入について家族や友人などに相談をすると回答した人は46.5%、相談しないと回答した人は47.1%でほぼ同割合となりました。
ただしこの割合は利用する業界によって異なり、金融業界では相談する人が多いが、流通業外では少ないなどの差があるようです。
年代別では若い年代ほど相談すると回答する人が多い傾向にあるようです。
特に長期間利用するものや価格が高額のものとなると、親など家族への相談が必要になるケースが多いためではないかと推測されます。
7.プロアクティブチャットの需要は51.9%と半数以上
サイトを利用しているときに、企業側から「何かお困りですか?」とチャットへ誘導したり、FAQへ誘導したりするポップアップを出すサポートをプロアクティブチャットといいます。
プロアクティブチャットの需要は51.9%と半数を超えており、企業側からの積極的なサポートのニーズの割合は高いということがわかります。
年代別では特に20代で69.0%とニーズが高い結果となりました。また、チャットに対しての消極的な印象である50代以上の世代においても約40%の人がプロアクティブチャットを便利だと感じていることがわかりました。
オンラインサイトの利用中に企業側から適切にサポートし、チャットへの導線を整備することで、ユーザーの利便性が上がり、CX向上も期待できると思われます。
8.プロアクティブチャットのサポートタイミングは自己解決を試みているとき
プロアクティブチャットのサポートを求めるタイミングについては「検索を複数回使っているとき」のニーズがもっとも高く28.8%、次に「よくある質問に一定時間滞在しているとき」で28.5%となりました。
ユーザーが自己解決を試みている最中の、行動として、「検索」や「FAQの利用」をしているため、その際に企業からサポートを受けるとチャットサポートの満足度の向上に繋がりやすいと推測されます。
業界別の傾向について
今回の調査レポートは金融、製造、通信、流通、ライフラインの5業界で調査した結果を統合した結果となっています。
各業界別のレポートはこちらからお問い合わせください。
まとめ
オンラインでのショッピングや手続きをする人の割合は年々増加し、オンライン上で疑問の解決なども行い、すべて完結してしまいたい人が更に増えることが予想できます。
そのためにはオンライン上で顧客サポートができるチャットやチャットボットの設置が必要不可欠となります。
ただ、やみくもに設置してもチャット利用率が上がらず、顧客の自己解決やコンタクトセンターの工数軽減につながらない可能性があります。
自社の顧客がどのような場面でどのようなサポートを求めているかを知ることで、企業も顧客にもメリットのあるチャットの設置が実現します。
トランスコスモスでは現状診断から、適切な顧客コミュニケーションチャネルを提案し、お客様企業の課題に合ったソリューションの提案と運用を提供します。
チャットサポートソリューション
参考記事:DEC Support
問題解決に直結するサポートコンテンツの強化
参考記事:サポートコンテンツトータルソリューション
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