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コールセンターの業務フローとは?作成方法と作るコツを具体的に解説

「コールセンターの業務フローって何?」
「業務フロー作成を任されたけれど、どのように作ればいいの?」

コンタクトセンター(電話やメールに加え、SNS、チャットなど幅広いコミュニケーションチャネルを利用して、顧客と企業を結ぶ部署を指す。以前は電話コミュニケーションのみだったので、コールセンターと呼ばれており、現在でもコールセンターで表現されている所も多い。)で働いていて、そのような疑問や悩みを持っている人も多いかと思います。

そもそも「業務フロー」とは、「業務の内容や流れをわかりやすく図で『見える化』したもの」のことです。コンタクトセンター(コールセンター)の場合は、フローの中に受電や架電、メール送受信など顧客対応のルールや、多種多様な付随業務が記載されます。

そのためコンタクトセンターにおいては、マニュアル等とともにこの業務フローは重要なものです。

一般的なコンタクトセンターでは、業務フローを作成することで以下3つのことを整理します。

1)担当範囲の明確化
2)タッチポイント(顧客との接点)の把握
3)他業務への影響範囲の理解

そこでこの記事では、コンタクトセンターの業務フローについて、センターで働く人が知っておくべきことをくわしく説明していきましょう。

以下5点を中心に説明していきます。

◎業務フローとは何か
◎コンタクトセンターにおける業務フローの必要性
◎コンタクトセンターにおける業務フロー作成の手順
◎コンタクトセンターにおける業務フロー図に使う図形・記号
◎コンタクトセンターにおける業務フロー作成のポイント

最後まで読めば、コンタクトセンターの業務フローとは何か、どのように作成すればいいのかがよくわかるはずです。

この記事で、あなたがわかりやすい業務フローを作成できるよう願っています。

1.コンタクトセンター(コールセンター)の業務フロー

「コールセンターの業務フロー」について考える前に、まず「業務フロー」とはどんなものか、なぜ必要なのかという基本的なことを整理して説明します。

1-1.業務フローとは

そもそも「業務フロー」とは何でしょうか?

一般的には、「業務の内容や流れをわかりやすく図で『見える化』したもの」を表わします。たとえばコンタクトセンター(コールセンター)の場合は、以下のような図です。

【業務フローの例】

業務フローの例

「誰が」「どのタイミングで」「どのようなタスクを実行するか」を時系列に沿って整理し、作成します。これにより、仕事の全体像と流れをひと目で理解することができるため、日常の業務や新人研修などさまざまな場面で活用されています。

1-2.コンタクトセンター(コールセンター)における業務フローの必要性

コンタクトセンターでは、単純に電話を受けつけて対応履歴を残して終了するような、シンプルオペレーションに特化したセンターもあります。

しかし、受付・情報変更・解約等の付随的な事務処理や、検証作業などが発生するセンターも多いです。このような電話に付随した業務は電話システム(PBXデータ)だけだと稼働が管理できません。

そこで付随業務が発生するコンタクトセンター(コールセンター)では、業務フローの作成を実施することが多いです。その目的は主に以下3点を整理するために作成されます。

1)担当範囲の明確化
2)タッチポイント(顧客との接点)の把握
3)他業務への影響範囲の理解

担当範囲の明確化

まず1)については、たとえば顧客から注文を受けた場合、

・注文内容をシステムに入力する
・注文票を作成する
・送付を倉庫に依頼する

などの作業が発生します。これをどこまでコンタクトセンターが担当するのか、どこから他部署に回すのかを切り分けることで、作業の流れをスムーズにし、あわせて責任の所在も明確にすることができます。

たとえば、顧客との対応で注文受付時に「今日送付します」と伝えたとします。その場合、倉庫に在庫がなかったり、倉庫の出荷時間を過ぎていたりした場合、届けることができず顧客に間違った案内をしたことになってしまいかねません。

このようにならないように、システムや倉庫側の担当と運営ルールを取り決めて「案内可能な範囲」をルールとして取り決め、「〇時までは当日送付可能と案内してよい」といったルールを作り責任範囲を明確にします。コンタクトセンターで案内して良い条件と責任範囲を整理しましょう。

タッチポイントの把握

また、2)に関しては、コンタクトセンターは顧客にとってその企業の「顔」です。

そのため、どんな問い合わせにも戸惑うことなく対応できるよう、顧客がどのタッチポイントでどのような行動をとるのか、自社側からどのような対応を受けるのかを把握しておく必要があります。

特に最近ではリアル接点とオンラインの接点で対応が難しくなってきています。お客様とどこでどんな接点をもったのかを記録し、一元管理された対応を実践しましょう。

他業務への影響範囲の理解

そして3)についてです。もし自分の作業が遅れたり、ミスをしてしまったりした場合に、他のどの作業・どの部署に影響するかを知っておく必要があります。

たとえば、「顧客からの注文を入力ミスしてしまった」「注文にキャンセルがあった」などという場合、自分の作業だけを見ていれば、注文内容を修正すればよいだけかもしれません。

しかし、事業はいろんな部署が連動することで、お客様に製品やサービスを提供しています。業務フローで全体像を把握していれば、「注文票の作成担当者と倉庫にもすぐに連絡する必要がある」ということがわかるため、有事の差異に影響範囲を最低限に抑える事ができるでしょう。

急な変更やミスなどのリカバリーのためにも、業務フローは必要だと言えます。

それ以外にも、

・業務を見える化することで、改善点が見えやすくなる
・新人オペレーターが、業務の全体像を把握しやすくなる

といったメリットもあり、多くのコンタクトセンターでは業務フローを作成しているのです。

2.コンタクトセンター(コールセンター)における業務フロー作成の手順

では、実際に作成するにはどうすればいいのでしょうか?
その手順は以下の通りです。

STEP1

業務フロー作成の目的を明確化する

STEP2

業務に関わる担当スタッフ・担当部署を書き出す

STEP3

必要な作業を洗い出す

STEP4

作業を担当別に振り分ける

STEP5

作業を時系列に並べる

STEP6

業務フロー図を作成する

では、くわしく説明していきましょう。

2-1.業務フロー作成の目的を明確化する

まず最初にすべきなのは、業務フローを何のために作成するのか、作成する目的を明確にすることです。

たとえば、考えられる目的としては、

◎業務をより効率化するための、改善点の洗い出し
◎新人研修
◎引継ぎ用のマニュアル
◎他部署やクライアントなどへの業務内容の説明

などがあるでしょう。その目的により、

▢フロー化する業務の範囲
▢現状の業務フローをありのままにまとめるのか、今後の理想的な業務フローを構築するのか
▢業務内容をどの程度までくわしく記載するか

といった書き方が変わってきます。

2-2.業務に関わる担当スタッフ・担当部署を書き出す

次に、今回作成する業務フローに関して、関わってくるスタッフ、部署をすべて書き出していきます。

コンタクトセンターの場合であれば、

・オペレーター
・リーダー
・SV

が主で、場合によって「営業担当部署」「発送担当部署」「修理担当部署」「取引先」などが加わることもあるでしょう。

業務フロー図では、この担当者ごとに以下のように作業を分けて記載していきます。この担当者別の枠(数赤枠内)を「スイムレーン」と呼びます。

スイムレーン

2-3.必要な作業を洗い出す

担当者が出揃ったらそれぞれが行っている作業をすべて洗い出します。その際には、担当者それぞれにヒアリングをして、細かい作業まですべて挙げてもらってください。

なお、改善活動などに活用する場合はこの現状の業務フローと行うべき作業の業務フローを作成して、差を確認する場合にも使えます。

この作業は「管理できる単位ごと」か「システムへのインプットやアウトプットの発生単位ごと」でまとめて上げていくと使いやすいです。

具体的には、「お客様からのコールを受ける」という大まかなタスクではなく

・顧客の名前、顧客番号をヒアリングして入力する
・対応完了後、対応ログの記入・受注データの投入・情報データのフラグをインプットする

といったように、具体的で管理できる作業内容を聞き取りましょう。

また、同時に

・その作業に時間や手間はどれくらいかかるか
・どのような問題点があると思うか
・どのように改善してほしいか

なども聞いておけば、課題抽出が可視化された業務フロー作成に役立ちます。さらに、クレームやトラブル対応、緊急時の対策といったイレギュラーフローも洗い出し、不足があればどのように対応するのかを決めておく必要もあるでしょう。

2-4.作業を担当別に振り分ける

担当者と必要な作業がすべてリストアップできたら、それらをあらためて整理します。

どの作業は誰が行うのか、もしあいまいになっているものや、特定の担当者が決まっていないものがあれば、ここできっちりと仕分けして、対応スイムレーンに設置しましょう。

2-5.作業を時系列に並べる

担当者と作業の仕分けができたら、時系列に並べましょうコンタクトセンターの場合、顧客のコール内容や要望によって、作業の流れが分岐していきます。

たとえば、

・注文の場合と問い合わせの場合
・窓口によって対応方法が変わる場合

などで、次の担当者や作業が変わってきます。それらの分岐も含めて、作業と担当者を時系列で整理してください。

2-6.業務フロー図を作成する

ここまでできたら、いよいよ業務フロー図を作成しましょう。一般的には、ExcelやPowerPointで作成されることが多いようです。

まず、前述した担当者ごとに前掲のスイムレーンを作りますそして、時系列ごとに作業を記載していき、流れがわかるように矢印でつないでいきます。

その際に、注意点としてあまり細かく記載するとフロー図が長くなり、業務の全体像がかえってわかりにくくなってしまいます。必要十分な内容を、わかりやすくまとめましょう。

3.コンタクトセンター(コールセンター)における業務フロー図に使う図形・記号

前述したように、業務フロー図はわかりやすく作ることが重要です。そのために、図形や記号を活用してわかりやすくします。

コンタクトセンターでも一般的なフロー図と同じルールを利用して作成していくことが主流です。一般的な図形や記号のルールを紹介します。

記号

名称

意味

端子・ 開始(終了)図形

端子・
開始(終了)図形

作業のスタートとゴールを示す

プロセス・作業・ 処理図形

プロセス・作業・
処理図形

一般的な作業、タスクに使われる
枠内に作業内容を記載する

条件分岐・ 判断図形

条件分岐・
判断図形

「YES/NO」や「OK/NG」など、判断や条件によって次のプロセスが分岐する場合に使われる
枠内に「何を判断するのか」を記載する

ページ結合子

ページ結合子

フロー図がページをまたぐ場合に使われる
枠内にページ番号を記載する

定義済み処理・ サブプロセス

定義済み処理・
サブプロセス

くわしい業務内容を別の業務フロー図に記載する場合に使われる
ここで作業プロセスをすべて記載してしまうとフロー図が長くなってしまう場合や、同じ作業が繰り返し出てくる場合などにこの記号を使い、実際の作業プロセスは別の業務フロー図に記載してそちらを参照する
この枠内には簡単な作業内容や作業名を記載しておく

準備

準備

その後の作業に向けての準備作業に使われる
枠内に作業内容を記載する

データ図形・ 入出力

データ図形・
入出力

データの入出力の際に使われる
枠内に「どのデータをどうするのか」を記載する

手操作入力

手操作入力

パスワードや情報など、手動で入力する際に使われる
枠内に「どのデータをどうするのか」を記載する

手作業

手作業

作業の中でも、自動化されずに人の手作業で行うものに使われる
枠内に作業内容を記載する

保存・保管図形

保存・保管図形

書類や帳票などを保存する際に使われる
枠内に保管場所や保管方法などを記載する

書類・帳票

書類・帳票

請求書や伝票、社内稟議書などの書類を表す
枠内に書類名や内容を記載する

システム・ データベース

システム・
データベース

データを保存するシステムやデータベースを表す
枠内にシステム名や格納先などを記載する

これらの記号を使い分け、矢印でつなぐことで、細かい説明がなくてもひと目で業務の流れがわかるようになります。

特に、表に色付けをした最初の3種、「端子・開始(終了)図形」「プロセス・作業・処理図形」「条件分岐・判断図形」はよく使用するものですので、かならず覚えておきましょう。

4.コンタクトセンター(コールセンター)における業務フロー作成のポイント

ここまで、コンタクトセンターの業務フローについて、その作り方を具体的に説明してきました。
が、よりわかりやすい業務フローを作成するためには、注意したいポイントが3つあります。

この章ではそれを説明しておきましょう。

4-1.業務の開始と終了を明示する

まず第一に、この業務フローにおける業務の「開始時点」と「終了時点」を、各担当者ごとに明確に記載することが重要です。

自分の担当する作業がどこからスタートしてどこで終わるのかが把握できないと、各担当者が自分の業務範囲や責任範囲を理解できず、業務の流れが混乱してしまう恐れがあります。

各担当ごとのスイムレーンに、前章で紹介した「端子・開始(終了)図形」を活用して、スタートとゴールを明示するようにしてください。

業務の開始と終了を明示する

4-2.流れを整理する

業務フローを作成する際に起こりがちな問題として、「記載漏れがないようにくわしく細かく書いた結果、複雑すぎてわかりにくくなってしまう」ということがあります。

そうならないためには、流れを整理して必要十分でシンプルなフロー図にしなければなりません。

具体的には、

◆記載する必要のないプロセスは削除して、最小限の項目で構成する
→記載しきれない情報は、スイムレーンの右端に「業務詳細」「備考」などの欄を設けて記載する
 または、「定義済み処理・サブプロセス」記号を用いて、別のフロー図に記載する

◆各プロセスをつなげる矢印は、なるべく交差しないように整理して配置する

といった工夫をしてください。

流れを整理する

4-3.図形を活用する

そして、 3. コンタクトセンター(コールセンター)における業務フロー図に使う図形・記号 で紹介したフロー図用の図形や記号を活用してください。

どの図形にどんな意味があるのかを知っておけば、ひと目見ただけで業務の流れが把握しやすくなります。図形ごとに色分けすると、さらに視認性が上がるでしょう。

ただし、あまりたくさんの図形を使いすぎると逆にわかりにくくなってしまいますので、なるべく数は絞りましょう。

もし「それでは十分な情報が記載しきれない」という場合は、スイムレーンの右端に「業務内容の詳細」や「備考」欄を設けて、そこに情報を箇条書きなどで追加していくといいでしょう。

図形を活用する

まとめ

いかがでしたか?
コンタクトセンター(コールセンター)の業務フローについて、疑問が解消されたかと思います。

コンタクトセンターは会社によってミッションが違うため、業務フローを作っていないセンターも多いと思います。しかし、確かにシンプルなオペレーションですべての稼働を管理できる場合、業務フローはあまり意味がないものになります。

最近のコンタクトセンターでは複数のチャネルでお客様をサポートすることが一般的になってきました。その対応方法をわかりやすく理解するためにはチャネル毎にアセスメントを実施して業務フローを作成することをお勧めします。

トランスコスモスでは、そんなコンタクトセンターでどのような業務フローを設定したらよいかわからない、どのチャネルにどのようなフローを作ったら良いかわからない方に向けて、アセスメントサービスを提供しています。ご興味のある方は以下より資料をご確認ください。

ではあらためて、記事の内容を振り返ってみましょう。

◎「業務フロー」とは、「業務の内容や流れをわかりやすく図で『見える化』したもの」
 コンタクトセンターでは、フローの中に受電や架電、メール送受信など顧客対応が含まれる

◎コンタクトセンターで業務フローを作成する理由は、

 1)社内の一連の業務のうち、どこからどこまでがコンタクトセンターの担当なのかを明確化す
  るため  
 2)タッチポイント(顧客との接点)を把握するため
 3)自分の業務が全体のどの部分に影響するのかを理解するため

◎コンタクトセンターにおける業務フロー作成の手順は、

STEP1

業務フロー作成の目的を明確化する

STEP2

業務に関わる担当スタッフ・担当部署を書き出す

STEP3

必要な作業を洗い出す

STEP4

作業を担当別に振り分ける

STEP5

作業を時系列に並べる

STEP6

業務フロー図を作成する

◎コンタクトセンターにおける業務フロー作成のポイントは、

 ・業務の開始と終了を明示する 
 ・流れを整理する
 ・図形を活用する

以上を踏まえて、あなたがわかりやすい業務フローを作成できるよう願っています。