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【事例あり】AIロープレとは?メリット・注意点・導入ステップを解説

「営業のスキルを向上させたいけれどなかなか練習機会がない…AIロープレで練習するのはどうなのかな?メリットはある?」

「オペレーターの教育機会を増やしたいものの、管理者が忙しくて難しい…AIロープレでも成果は出せるのかな?」

社員のスキル向上のためにロープレの機会を増やしたいものの、上司や管理者の負担、人件費を考えると難しく打開策はないのか模索している担当者は多いでしょう。

そのなかで、新しいロープレ方法として「AIロープレ」が目に留まり「メリットはあるのか?」「どのように実施するのか?」など、気になっているのではないでしょうか?

AIロープレとは、生成AIやAIチャットボットを活用して営業研修・接客研修・コンタクトセンター研修を行うトレーニング手法です。AIが顧客(相手役)となり質問をするので、人対人のロープレと同様に適切な回答や案内の練習ができます。

上司や管理者の負担がなく練習の回数を増やせるなどのメリットがあり、営業職やコンタクトセンター(コールセンター)のオペレーター教育などで導入されています。

AIを使ったロープレをするメリットの一覧

ただし、AIロープレを有効活用するには、正しいステップや活用法を把握する必要があるので、事前にチェックしておきましょう。

そこでこの記事では、AIロープレのメリットや注意点、活用例などの基礎知識をまとめて解説していきます。

最後まで読めばAIロープレを導入するべきか判断したうえで、開始するための準備ができるようになります。

管理者や上司の負担をこれ以上増やさずに、接客や商談の質を高めるためにも、ぜひ参考にしてみてください。

目次 [非表示]

1.AIロープレとは

AIロープレとは

冒頭でも触れたように、AIロープレ(現場で経験する場面を想定して練習する方法)とは、生成AIやAIチャットボットを活用して営業研修やオペレーター教育、人材育成を行うトレーニング手法です。

事前にロープレのシチュエーションやシナリオを設定したうえで、AIが顧客役や問い合わせ対応者役となり、営業・接客・コンタクトセンター業務などの実践的なトレーニングを行う仕組みです。

営業の商談やコンタクトセンター(コールセンター)のオペレーター教育、接客業のスキルアップなど様々な場面で活用されています。

【AIロープレの活用シーン】

・コンタクトセンターのオペレーター教育をする
・営業の商談トレーニングをする
・ホテルの窓口業務や小売業の接客スキルを均一化する
・介護や看護でのケア方法の練習をする

たとえば、コンタクトセンターのオペレーター教育では、AIが顧客になりきり質問をするので、オペレーターはその質問に回答します。

ロープレを最後まで進めると総合的なフィードバックが表示されるので、現状のスコアや課題を可視化できます。

オペレーター教育でのロープレでAIにフィードバックをさせる例

従来は人と人が会話をするロープレが主流でしたが、指導者となる管理者や上司の負担が大きく十分な機会を創出できない課題がありました。

そこで、AIロープレを導入すると管理者や上司の負担を減らしつつ、繰り返し練習をする機会を提供できるようになります。

このように、従来のロープレの課題を解消できるAIロープレは、次世代のロープレスタイルとして注目を集めています。

2.AIロープレの具体例

AIロープレの具体例

AIロープレの概要が理解できたところで、AIロープレの具体的な事例をご紹介します。

AIロープレの具体例

コンタクトセンター(コールセンター)の新人オペレーターのロープレ例

・AIを使って新人オペレーターがロープレを実施
・管理者やチームリーダーを介さずに従来の10倍のロープレ回数を重ねられるようになった

ChatGPTを活用した営業のロープレ例

・ChatGPTにシチュエーションを伝えたうえでロープレを実施
・様々なターゲットへの対応や切り返し方の練習ができる

自社ではAIを使ってどのようにロープレができそうかイメージするためにも、参考にしてみてください。

2-1.コンタクトセンター(コールセンター)の新人オペレーターのロープレ例

まずは、コンタクトセンター(コールセンター)の新人オペレーターの教育に、AIロープレを活用した事例です。

実際にコンタクトセンター業界では、生成AIを活用したオペレーター教育や応対品質向上の取り組みが進んでいます。

コンタクトセンターでは、新人オペレーター教育に非常に時間がかかる課題があります。

管理者やチームリーダーと繰り返しロープレをする時間をなかなか捻出できず、新人オペレーターの不安を解消できないままデビューするケースも見受けられます。

そこで、新人オペレーターとAIが繰り返しロープレをして、管理者やチームリーダーの工数を削減しつつ練習機会を増やす取り組みをしました。

AIによる生産性向上と品質改善効果の例

AIが顧客役となり質問をするので、新人オペレーターは適切な回答、案内を行います。

下記は、インターネットの接続が遅いという顧客の問い合わせに対して、新人オペレーターが対応をするロープレ例です。

インターネットの接続が遅いという問い合わせに対して新人オペレーターが対応をするロープレ例

ロープレが終わると会話の流れや内容などフィードバックするポイントを自動で抽出でき、応対品質の向上、均一化を目指せます。

新人オペレーターの教育にAIを活用した成果としては、管理者やチームリーダーの負担を増やさなくても、従来の10倍のロープレ回数を実施できるようになりました。

また、どの新人オペレーターも同じ基準でフィードバックを抽出できるため、品質の均一化にも貢献しています。

【新人オペレーターの教育にAIを活用した成果】

・管理者やチームリーダーを介さずに従来の10倍のロープレ回数を重ねられるようになった
・自動的に会話内容のチェックをして応対品質が均一化できた
・応対履歴の入力時間も80%削減されるなど付帯業務時間を削減できた

▼コンタクトセンターのオペレーター教育にAIを活用した事例は、下記でもご紹介しています。

▼コンタクトセンターでのAI活用事例は、下記の記事でも解説しています。

2-2.ChatGPTを活用した営業のロープレ例

続いて、AIチャットサービス「ChatGPT」を活用した営業のロープレ事例です。

ChatGPTはAIロープレツールなどとは異なり、ロープレのシチュエーションを細かく伝える必要があります。

ロープレを開始する前に、下記のようなプロンプト(指示)を入力して、ChatGPTの役割と対象となる顧客、条件を指定します。

【プロンプトの例】

以下の内容を守って、営業のロールプレイングをしてください。

・私の役割:住宅メーカーの営業マン
・ChatGPTの役割:住宅を検討している顧客

・顧客の設定
名前:〇〇
年齢:〇歳
家族構成:子ども2人
職業:公務員
年収:〇〇万円
趣味:旅行
考え方:マイホームに興味があるが費用面で不安があり保守的になっている

・営業する商材:建売住宅
・目的:建売住宅への関心が深まり見学会参加の同意をもらう

・制約条件
話し言葉でフランクに会話してください。
顧客は現段階では建売住宅に消極的です。費用に不安があります。
顧客は自ら自己開示はしません。営業の話を聞いて、内容に応じた反応、質問をします。

プロンプトを入力すると、ChatGPT側から「会話を始めてください」などの指示が出るので、ロープレを開始します。

音声入力機能を活用すれば、ChatGPTと会話をしている感覚でロープレを進められます。

ChatGPTでは様々な質問が出てくる可能性があり、切り返しの練習ができるでしょう。

また、プロンプトで顧客の背景や現状、検討具合を変更できるため、想定される顧客を変えながらスキルを鍛えるロープレも可能です。

ロープレ後には「ロープレの内容を厳しくフィードバックしてください」などのプロンプトを入力すると、全体的な評価や改善点を提案してもらえます。

このように、ChatGPTを活用すれば、営業1人でも様々な顧客を想定したロープレを積み、スキルを磨けるようになります。

3.AIロープレをする4つのメリット

AIロープレをする4つのメリット

AIロープレのイメージが持てたところで、実際に活用するとどのような変化があるのか気になるところです。

ここでは、AIロープレをする具体的なメリットをご紹介します。

AIロープレをする4つのメリット

・知識定着に必要な反復学習ができる
・ロープレのハードルが下がり手軽に実施できる
・統一された評価基準に基づくフィードバックを受けられる
・ロープレに費やす人件費を削減できる

AIロープレは、営業研修やオペレーター教育、人材育成におけるトレーニング効率を高める手法として注目されています。

従来のロープレと比べてどのような点がメリットになるのか分かるので、ぜひ参考にしてみてください。

3-1.知識定着に必要な反復学習ができる

1つ目は、知識定着に必要な反復学習ができるところです。
下記のエビングハウスの忘却曲線は、人間が記憶したことをどの程度の速さで忘れていくかを示しています。

復習をしないと1日後には74%のことを忘れてしまい、時間が経過するほど覚え直すために時間がかかることが分かるでしょう。

エビングハウスの忘却曲線

つまり、ロープレを成果につなげるには、短期間に復習をして知識定着を目指すことが重要だといえるのです。

しかし、従来のロープレの方法は管理者や上司の負担が大きく、短期間に繰り返し実施することが難しい背景がありました。

AIを活用したロープレができると短期間に繰り返しロープレがしやすくなり、自分の知識としての定着が目指せます。

たとえば、上司や管理者とロープレをした後に、AIを活用したロープレで個人練習を重ねて、知識定着を目指せます。

その結果、必要なトークや切り返し方などが定着し、現場で難なく活用でき成果へとつながるでしょう。

3-2.ロープレのハードルが下がり手軽に実施できる

2つ目は、ロープレのハードルが下がり手軽に実施できるようになることです。

従来のロープレは時間と労力がかかり、営業トークや顧客応対などに不安があっても「ロープレをしてほしい」言い出しにくい雰囲気がありました。

【従来のロープレの課題】

・上司や管理者などを含めた数名が拘束されるので負担が大きい
・スケジュール調整が難しい
・多忙な上司や管理者にロープレの申請がしにくい

コンタクトセンター(コールセンター)の場合は、管理者やチームリーダーが多忙だとなかなかロープレの機会を作れず、新人オペレーターが不安を抱えてしまうケースもあったでしょう。

AIロープレを導入できるとロープレを実施するハードルが下がり、下記のように必要なときに納得するまで練習できるようになります。

【AIを活用したロープレの導入例】

・上司や管理者とのロープレ後に課題部分を特訓する
・空いた時間でトークの品質を向上する練習をする
・不安が残る部分や苦手な部分を練習して不安を解消する

たとえば、新人オペレーターであれば、不安を解消するためにAIを活用したロープレを重ねて自信をつける方法が検討できます。

既に活躍しているオペレーターの場合は、課題の解消や品質向上のための練習機会として活用できるでしょう。

このように、不安や課題を感じたら、誰でも手軽にロープレができる環境を整備できるのは、大きなメリットだといえるでしょう。

3-3.統一された評価基準に基づくフィードバックを受けられる

3つ目は、統一された評価基準に基づくフィードバックを受けられるところです。

従来のロープレは、評価者の経験や価値観、考え方にフィードバック内容が左右されてしまい、定量的な評価が難しい傾向がありました。

AIを活用したロープレでは、判定基準や評価シート、NGワードなどを登録できるため、評価者による判断のばらつきを抑え、フィードバック内容の標準化や品質の均一化を実現できます。

【AIを活用したロープレのフィードバック項目の例】

・NGワードの使用の有無
・判定基準や評価シートに沿った判断
・必須トークや模範解答との比較
・他の営業やオペレーターとの比較

※ツールにより利用できる機能が異なります

たとえば、事前に評価基準を登録しておくと、全利用者を同じ基準でフィードバックできます。
評価者による品質の差がなくなるので、社内の営業、オペレーターの応対品質が均一化できるでしょう。

オペレーターの応対品質が均一化になるイメージ

また、フィードバックのデータが蓄積できる場合は、苦手なシチュエーションやトークなど全体の傾向が掴めます。全体の傾向をもとに研修を実施して、品質の底上げをすることも検討できるでしょう。

3-4.ロープレに費やす人件費を削減できる

4つ目は、ロープレに費やす人件費を削減できるところです。
従来のロープレは人対人で取り組んでいたので、どうしても相手役の人件費が発生していました。

たとえば、管理者の時給が2,000円の場合、毎日2時間ロープレを実施したとすると、1か月で88,000円もの人件費が発生しているのです(1か月22日出勤の場合)。

AIロープレをすると人対人のロープレ回数を減らせるので、ロープレに費やす人件費が削減できます。

ロープレを10回する場合に、初回と最終確認のみ人対人で実施すれば、下記のように大幅な人件費削減が実現できるでしょう。

10回のロープレを全部人対人で
実施する場合

初回と最終確認のみ人対人で
実施する場合

40,000円

8,000円

※管理者1人参加、1回2時間の人件費が4,000円の場合

削減した人件費で他の研修を企画する、コア業務に注力するなど、運営を最適化する判断ができるようになります。

4.AIロープレをする注意点

AIロープレをする注意点

AIロープレは多くのメリットがある一方で、導入前に理解しておくべき注意点もあります。特に、シナリオ設計や人による教育との組み合わせが成功のポイントとなります。

AIロープレをする注意点

・事前にシチュエーション設定やチューニングが必要となる
・緊張感・モチベーションが下がる可能性がある
・人間の感情やノンバーバルコミュニケーションを反映しにくい

事前に注意点を把握しておけば活用前に対策ができるので、参考にしてみてください。

4-1.事前にシチュエーション設定やチューニングが必要となる

AIロープレでは、事前にシチュエーションの設定やチューニング(入力データやパラメータなどを調整する)が必要です。

シチュエーション設定やチューニングの知識がなく曖昧な設定のまま開始すると、AIがロープレの背景を正しく理解できず的外れな回答、質問をする可能性があります。

【シチュエーション設定やチューニングが不十分な例】

・AIの知識量が少なく専門用語などを的確に使えない
・シチュエーション設定が曖昧で的外れな質問をしてしまう
・トレーニングパターンが少なく一般的な質問しかできない

たとえば、AIに指示しているシチュエーションが曖昧で十分な理解ができていない場合は、的外れな会話になり練習にならないリスクがあるでしょう。

また、業界特有の用語や背景の学習が不十分な場合は、ありきたりな質問になってしまい物足りない練習になることも考えられます。

AIロープレの成果を最大化するには、シチュエーション設定やチューニングも含めた運用計画が必要です。

4-2.緊張感・モチベーションが下がる可能性がある

AIロープレは、人対人のロープレよりも緊張感やモチベーションが下がる可能性があります。

上司やチームリーダーに見られている緊張感やその場で評価してもらえる達成感などが得られないので、人によっては手を抜いてしまうことが考えられるためです。

【AIロープレで緊張感・モチベーションが下がる理由】

・上司など周囲で見ている人がいない
・リアルな反応がない
・AIの知識や反応と想定しているロープレに乖離がある

たとえば、上司とロープレとするときは「失敗してはいけない」「練習の成果を出したい」など、緊張感を持ち取り組めますが、AIロープレではこのような緊張感が得にくいです。

AIロープレでも一定以上の成長につなげるために、フィードバック内容を評価対象にする、上達度合いを可視化するなど、目的意識が持てるような施策を検討するといいでしょう。

4-3.人間の感情やノンバーバルコミュニケーションを反映しにくい

AIロープレでは、感情の変化やノンバーバルコミュニケーションを反映することが難しいです。

アバターを使用したツールも登場していますが、下記のような人間ならではの動きは完全に再現するまでには至っていません。

AIロープレで反映しにくい項目

概要

感情の変化

・特定の言葉を発したときのネガティブな変化
・会話を重ねるなかでの感情の揺れ動き

ノンバーバルコミュニケーション

・声のトーン
・身振り手振り
・視線
・表情など

たとえば、営業が商談をするときには、顧客の表情や声のトーン、視線などから、感情の変化やいまの気持ちなどを探るかと思いますが、AIロープレではこのような情報が読み取りにくいです。

トークの習得や切り返し方の練習など会話内容の練習は、AIロープレでも磨くことができますが、感情の変化に応じた対応やノンバーバルコミュニケーションの使い方などは、人対人のロープレで身につけていく必要があるでしょう。

5.AIロープレのメリットを実感しやすい場面5つ

AIロープレのメリットを実感しやすい場面5つ

AIロープレはロープレが必要な業界、業種であれば、基本的には活用がおすすめです。

3.AIロープレをする4つのメリット」で触れたように、管理者や上司の負担を軽減しつつ、継続的にロープレができる環境を整えられるためです。

なかでも、下記のような課題を抱えている場面では、AIロープレのメリットを実感できるでしょう。

【AIロープレをしたほうがいい場面】

・管理者や上司が多忙でロープレをする時間がない
・新人の営業やオペレーターのロープレ機会が少なく不安を抱えている
・定期的にロープレをしているものの定量的な評価ができていない
・ロープレをするための人件費負担が大きい
・ロープレをしているものの全体的な課題、ロープレ成果を可視化できていない

たとえば、管理者や上司が多忙でロープレをする時間を創出できない場合は、AIロープレをすることで練習の機会を増やせます。

また、ロープレの質を均一化したい場合や、ロープレで得たデータを他の育成に活用したい場合にも、AIロープレならではのメリットを最大限活かせるでしょう。

6.AIロープレを開始するステップ

AIロープレを開始するステップ

AIロープレを効果的に運用するには、目的設定からツール選定、チューニングまで段階的に進めることが重要です。
概要が理解できたところで、開始するための4つのステップをご紹介します。

AIロープレを実施するにはどのような手順を踏むのか理解するためにも、参考にしてみてください。

6-1.ステップ1:AIロープレを活用する範囲を決める

まずは、AIロープレを活用する範囲を決めましょう。

いきなりあらゆるロープレをAIに移行するのは、運用方法や費用対効果の面でリスクがあるからです。

少しずつ慣れていき自社に合う運用方法を見つけるためにも、下記のようにロープレの範囲と目的を明確にしておきましょう。

【ロープレの範囲・目的を決める例】

・商談の成功率を高める目的で商談前の練習に活用する
・新規顧客獲得率を上げる目的で顧客獲得の練習に活用する
・新人オペレーターがデビュー前のテストに合格するために基本的なトークを練習する
・応対品質の向上を目的にクレーム対応の練習をする

たとえば、コンタクトセンター(コールセンター)では様々なシーンでロープレをしますが、新人オペレーターの教育を目的に導入すると決めることで、導入範囲が明確になります。

6-2.ステップ2:活用するAIツールを選定する

AIロープレでは、ツールの導入が必要です。ツールには主に下記の3種類があるので、目的、業種に合うツールを選定しましょう。

AIツールの種類

動画形式

・モニターに表示されるアバターなどと会話をしながらロープレをする形式
・他の方法よりノンバーバルコミュニケーションが反映しやすい

チャット形式

・テキストベースで会話をしながらロープレをする形式
・適切なトークを覚えるなど会話内容の精度を上げたいときに向いている

電話(音声)形式

・電話や音声認識機能を使い会話をしながらロープレをする形式
・対面での商談、対応が必要でない業務のロープレに向いている

ツールの種類が決まったら、必要な機能が備わっているかも確認しておきましょう。

機能

概要

費用

・有料、無料のどちらで使用できるか
・有料の場合は費用対効果が見込める価格帯か

学習機能

・台本やトーク、NGワードなどロープレに必要なデータの読み込みに対応しているか
・自社のオリジナル設定(業種、顧客など)に対応しているか

フィードバック機能

・フィードバックの評価項目の読み込みに対応しているか

管理機能

・フィードバックの蓄積や分析、レポート化、スコアができるか
・利用者の課題や進捗状況が把握できるか

サポート体制

・導入時のサポートがあるか
・初期設定やチューニングなどを任せられるか

その他機能

・連携機能:必要に応じて他のツールと連携できるか
・多言語対応:日本語以外に対応できるか

とくに、重要なのは、学習機能とフィードバック機能です。
読み込みに対応しているデータ形式やデータ量により、使いやすさ、精度が左右されます。

現在使用しているトークスクリプトやターゲットシートなどが活用できそうか、確認しておくといいでしょう。

6-3.ステップ3:選定したツールのチューニングなどをする

使用するツールが決まったら、チューニングなどの初期設定を行います。
初期設定のないまま使用するとAIの学習不足で、精度の高いロープレができない可能性があるからです。

ツールにより必要なデータは異なりますが、下記のようなデータを学習してロープレの精度を高めておきます。

【チューニングに必要なデータ例】

・トークスクリプトや質問と回答の組み合わせシート
・業界用語やNGワード
・顧客の設定
・評価シート

ChatGPTなどの無料ツールを使う場合は「2-2.ChatGPTを活用した営業のロープレ例」で触れたように、細かなシチュエーションを作成して、精度の高いロープレができるように準備しておきましょう。

6-4.ステップ4:テスト運用をしてから導入する

ツールのチューニング、シチュエーション設定ができたら、テスト運用をしてAIの精度を確認します。

下記のような精度の低い部分が確認でき、ロープレに悪影響が出そうだと感じた場合は、再度チューニング、シチュエーション設定をして精度を高めます。

【精度が低い例】

・ハルシネーション(事実とは異なる情報を生成する)を起こす
・質問と回答の内容が結びつかない
・設定を正しく認識できていない

品質の担保ができたら、実際にAIロープレを開始します。

開始時には抵抗のある社員もいると想定されるので、導入研修を実施したり、サポート窓口を設置したりして、対象者が問題なく活用できるように支援しましょう。

7.AIロープレを始める前に知っておきたいポイント

AIロープレを始める前に知っておきたいポイント

ここでは、AIロープレを開始するステップと併せて、事前に知っておきたいポイントをご紹介します。

AIロープレを始める前に知っておきたいポイント

・AIのロープレのみに依存しないでハイブリッド運用をする
・定期的にチューニングして精度を高める

AIロープレを開始する前に知っておくと計画に反映させることができるので、チェックしておきましょう。

7-1.AIのロープレのみに依存しないでハイブリッド運用をする

AIロープレを開始するときには、人とAIのハイブリッド運用を念頭に置いておきましょう。

4.AIロープレをする注意点」でも触れたように、双方には異なるメリットがあるためです。

項目

AIロープレ

人対人のロープレ

特徴

・人件費や管理者負担をかけずにロープレ回数を増やせる
・一定の品質のフィードバックができる
・ロープレデータを蓄積できる

・人対人ならではの臨場感、緊張感がある
・感情の変化やノンバーバルコミュニケーションを含めた受け答えができる

向いているケース

・ロープレの回数を増やしたい
・自主練習ができるようにしたい
・一定の品質を担保したい

・本番さながらの模擬ロープレがしたい
・自社独自の考えやトークを反映させたい
・ロールモデルなど知識のある人から直接学びたい

たとえば、まずは人対人のロープレで自社の基本的なスタイルを覚え、その後にAIロープレで自主学習をします。

最後に、模擬試験として人対人のロープレをして、苦手な部分を克服できているのかなどを確認します。

人対人とAIとのロープレの進め方

このように、人とAIを組み合わせることで双方のデメリットを補填しながら、一人ひとりの成長を促進できます。

現段階では全てのロープレをAIに任せることは難しいため、ハイブリッド運用を念頭に置いてスケジュールを考えるようにしましょう。

7-2.定期的にチューニングして精度を高める

AIロープレは、ツールを導入すれば継続的な運用ができるわけではありません。定期的にチューニングをして、精度を高めていく必要があります。

実際にAIロープレをして、AIが同じ語彙を間違える場合や誤認している情報がある場合は、チューニングして正しく理解できるように促します。

また、実際に運用をしてみて、必要な情報が増えた場合も、チューニング時に追加する必要があるでしょう。

このように、AIロープレを開始後にも定期的なチューニングの必要があるので、誰がどのように継続していくのか決めておきましょう。

8.AIロープレに関するよくある質問

AIロープレと従来のロープレの違いは何ですか?
AIロープレは、生成AIやAIチャットボットが顧客役や問い合わせ対応者役となり、営業や接客、コンタクトセンター業務のトレーニングを行う方法です。

従来のロープレでは上司や管理者、先輩社員が相手役を務めるケースが一般的でしたが、AIロープレでは時間や場所に制限されず、何度でも練習できる点が大きな違いです。

また、評価基準を統一できるため、フィードバック品質の均一化にもつながります。

AIロープレを導入する際に重要なポイントは何ですか?
AIロープレ導入時は、シチュエーション設定やチューニングを十分に行うことが重要です。

業界特有の知識や顧客情報、評価基準などを学習させることで、より実践的なトレーニングが可能になります。また、導入後も定期的にチューニングを行い、実際の業務に合わせて改善を続けることで、AIロープレの効果を最大化できます。

AIロープレはコンタクトセンター(コールセンター)の教育にも活用できますか?
はい、活用できます。
コンタクトセンターでは、新人オペレーターのデビュー前研修やクレーム対応訓練、応対品質向上などの用途でAIロープレの導入が進んでいます。

AIが顧客役となって質問や要望を伝えるため、オペレーターは実践に近い形で応対練習ができます。また、自動フィードバック機能により、改善点を客観的に把握できる点もメリットです。

9.トランスコスモスではコンタクトセンター(コールセンター)運用プラットフォームに生成AIを活用しています

トランスコスモスではコンタクトセンター(コールセンター)運用プラットフォームに生成AIを活用しています

この記事では、AIロープレの概要や活用メリットなどの基礎知識をまとめて解説しました。

生成AIを活用した教育・品質管理は、コンタクトセンター業界全体で導入が進んでいる分野の一つです。

AIロープレを活用すると、コンタクトセンター(コールセンター)の課題であるオペレーター育成を効率化できます。オペレーターの応対品質の均一化にも貢献し、品質強化を実現できるでしょう。

現在コンタクトセンターではAIロープレを始め、AIの活用が進んでいます。

しかし「コンタクトセンターでAIをどのように活用すればいいのか」「コンタクトセンターでのAI活用で何が実現できるのか」など、疑問を抱えている担当者様は多いでしょう。

トランスコスモスではコンタクトセンター運用プラットフォームに生成AIを活用し、管理者とオペレーターの運用支援や品質強化の効率を大幅に向上させるソリューションを開発しました。

生成AIとは、データから学習したパターンを活用してテキストや画像、音声などのコンテンツを自動生成できるAIのことです。

本ソリューションを活用することでログの初期分析や不足ナレッジの確認、新人オペレーターの育成などの現場マネジメントの工数を軽減でき、管理者はCX改善業務に注力できます。

【CXスクエアの機能例】

・教育・サポートAIによるオペレーター育成
・AIによるリアルタイムなエスカレーション対応支援
・応対内容の自動分析による全体的な改善プランの生成
・QAの自動生成や修正

トランスコスモスでは優れた「人」と最新の「技術力」を融合し、より価値の高いサービスを提供する体制を整えています。

コンタクトセンターでのAI活用に課題を感じている場合や、積極的にAI活用をしていきたいと考えている場合は、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

この記事では、AIロープレの活用例やメリット、開始するステップなどをまとめて解説しました。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。

〇AIを搭載したチャットボットやツールを使ってロープレをする方法

〇AIロープレをするメリットは下記のとおり

・知識定着に必要な反復学習ができる
・ロープレのハードルが下がり手軽に実施できる
・統一された評価基準に基づくフィードバックを受けられる
・ロープレに費やす人件費を削減できる

〇AIロープレをする注意点は下記のとおり

・事前にシチュエーション設定やチューニングが必要となる
・緊張感・モチベーションが下がる可能性がある
・人間の感情やノンバーバルコミュニケーションを反映しにくい

〇AIロープレを開始するときのステップは下記のとおり

・ステップ1:AIロープレを活用する範囲を決める
・ステップ2:活用するAIツールを選定する
・ステップ3:選定したツールのチューニングなどをする
・ステップ4:テスト運用をしてから導入する

〇AIロープレを始める前に知っておきたいポイントは下記のとおり

・AIのロープレのみに依存しないでハイブリッド運用をする
・定期的にチューニングして精度を高める

AIロープレを取り入れることで、管理者や上司の負担を軽減しつつ練習する機会を増やせます。

コンタクトセンターのオペレーター教育への活用を検討している場合は、トランスコスモスにお気軽にご相談ください。

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栄福 優人

監修者

栄福 優人

トランスコスモス株式会社
CX事業統括 デジタルカスタマーコミュニケーション総括
サービス開発本部 コミュニケーション開発部 コミュニケーション開発課

2010年よりコンタクトセンターの現場からキャリアをスタートし、商用車メーカーや通信、流通通販業界などのセンターマネジメントを経験。2017年よりノンボイス推進部門への異動以降、チャットサポートをはじめとするノンボイスチャネルの立ち上げや、チャットボット・ボイスボットの導入支援において数多くのプロジェクトに参画。2023年よりCC領域における生成AIの活用に注力し、生成AIを活用した最先端のトレーニングツール「trans-AI Tutor」の開発など、コンタクトセンターにおける品質向上・業務効率化に寄与するサービスの企画開発からブランディングまでを一貫して担当。

トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションの
ノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。
トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションのノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。