
「コンタクトセンター運営の課題を解決したいが、小手先の改善策では変化が見られない。根本的な改善をしたいけれど、何から始めればよいのか分からない」
「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)が浸透せず、オペレーターのモチベーションが上がらない。どのような改善をすればよいのか悩んでいる」
そんな悩みを抱えるコンタクトセンター(コールセンター)運営担当者は少なくありません。目的達成のためには、オペレーターの意識を揃え、足並みを揃えることが不可欠です。
トランスコスモスが支援した株式会社 エムアイカード様のお客さまサービスセンターでは、MVVを最適化することでオペレーターの意識と行動が変化し、組織全体の方向性が一致するようになりました。

この取り組みは「MVVを原動力に期待を超える価値提供」と題し、「コンタクトセンター・アワード2025」で審査員特別賞を受賞。トランスコスモスの支援内容が高く評価されました。
本記事では、MVV再策定によってKPI330%を達成したこの事例を詳しく解説します。MVV策定の必要性や、コンタクトセンター運営の改善策を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
「コンタクトセンター・アワード2025」の審査員からは「素晴らしい取り組み。全てのコンタクトセンターの参考となる」とのコメントも寄せられた注目の事例です。
1.トランスコスモスが支援したMVV再策定でKPI330%達成!株式会社エムアイカード様の事例概要

株式会社 エムアイカード様(以下、エムアイカード様)は、三越伊勢丹グループの重点戦略を担う金融事業を展開しており、「個客戦略」を推進しています。これは、世界中からお客さまを集め、識別化し、つながったお客さまに多様な顧客価値を提供する取り組みです。
その中でも、エムアイカードお客さまサービスセンター窓口は、カード会員からのサービス全般に関する問い合わせ対応を担う重要な接点です
エムアイカードお客さまサービスセンター窓口の概要 | |
業務概要 | 三越伊勢丹グループのクレジットカード「エムアイカード」に関する問い合わせ対応 |
拠点 | 札幌 |
このサービスセンターでは、「個客戦略」の一環としてWeb登録者数の拡大に注力する方針が打ち出されました。しかし、オペレーターにはWeb会員登録の提案に対する苦手意識があり、Web登録数KPIに対し、KPI達成率は75%と未達の状態に陥っていました。
そこで、トランスコスモスはエムアイカード様とともにMVVを再策定。オペレーターの意識と行動の変容を促す取り組みを実施しました。その結果、顧客体験価値の向上と事業成長の両立を実現し、KPI330%達成という大きな成果につながりました。

フェーズ | 事例の概要 |
課題 | ・Web登録者数の拡大が必要だったが、オペレーターに苦手意識があった |
施策 | ・施策1:関係者全員で共通のゴールを明確化 ▶ 数か月かけてMVVを再策定 |
成果 | ・KPI330%を実現 |
MVVを見直すことでオペレーターは「なぜこの業務が必要なのか」「どのように取り組むべきか」を理解し、納得感を持って前向きに取り組めるようになります。その結果、オペレーターの行動が変わり、成果につながるのです。今回の事例では、MVV策定の意義を実感できる好事例です。
【MVVとは】 MVVを策定することで、企業の価値観や存在意義が明確になり、従業員が共通意識を持って業務に取り組めるようになります。 トランスコスモスでは、企業価値向上に貢献する戦略的な顧客接点を構築するために、受託窓口ごとにMVVの策定し運営基盤を構築しています。 ▼MVVを策定するメリットや策定事例は、下記の記事で詳しく解説しています。 |
2.エムアイカードお客さまサービスセンター窓口が抱えていた課題

エムアイカードお客さまサービスセンター窓口では、「個客戦略」の重要施策として、Web登録者数の拡大に注力することになりました。
Web会員登録には以下のようなメリットがあり、顧客からの問い合わせ対応時に積極的にWeb登録の声掛けを行う方針が打ち出されました。
【Web会員登録のメリット】 |
しかし、お客さまサービスセンター業務では、「ミスのない正確な応対」が最優先されるため、セールス要素を含む業務には心理的な負荷が伴います。

実際、アンケート調査では、約4分の1のオペレーターが「Web会員登録の提案が苦手」と回答しており、KPIに対する実績は75%と大幅な未達となっていました。
オペレーターからは「知識に自信が持てない」「声掛けをためらってしまう」といった声も上がっており、どのように改善すべきかが大きな課題でした。
3.トランスコスモスが実施したMVV策定施策2つのポイント

エムアイカードお客さまサービスセンター窓口が抱えていた課題を分析した結果、オペレーターの知識不足が原因ではないことが分かりました。
「頭では理解しているのに行動に移せない」「知識やスキルはあるのに、提案に踏み出せない」といった心理的なハードルが存在していたのです。
そこで、トランスコスモスでは、オペレーターが「やってみよう」と前向きに行動できるように、エムアイカード様とともにMVVを再策定することにしました。
ここでは、トランスコスモスが実施したMVV策定施策の2つのポイントをご紹介します。

トランスコスモスが実施したMVV策定施策の2つのポイント |
ポイント1 : 関係者全員で共通のゴールを明確化する |
この2つのポイントがMVV再策定での成果につながったため、ぜひご覧ください。
3-1.ポイント1:関係者全員で共通のゴールを明確化する
まずは数か月かけて、エムアイカード様と新しいMVVを策定しました。メンバーから「仕事において大切にしたいこと」や「理想の姿」に関するキーワードを募り、さまざまな意見をもとに議論を重ねました。
関係者全員でMVVを作り上げることで、自分ごととして捉えられる共感性の高いMVVが完成しました。
従来のビジョン |
わたしの一枚として、カード整理の分岐に立たれた時に最後の1枚として選んでいただける特別なカードになりたい。そのために、どこにも真似できない未来をつくる |

再策定したMVV | |
Mission | お客様に寄り添って、こころ動かす対応を提供 |
Vision | それぞれの人生に寄りそう、特別なカード |
Value | ・Trust(信頼): |
・Contribution(貢献): | |
・Improvement(成長): | |
・People(ヒト): | |
このように、従来のビジョンよりも具体的な行動方針を含むMVVへと進化させることで、オペレーターが共通認識を持ち、行動に移しやすくなりました。
3-2.ポイント2:ビジョンの可視化
MVVを策定しただけではなく、目指す姿を視覚的に表現することにも取り組みました。コンタクトセンター(コールセンター)業務が社会にどう貢献しているかをイメージできるようにすることで、行動への動機づけを強化しました。
MVV策定時に出たキーワードや想いを社内デザイナーに共有し、以下のような要望をもとにデザイン制作を進めました。
【デザイン制作時の依頼内容例】 |
その結果、「人生に寄り添う」というビジョンを視覚的に表現したデザインが完成。百貨店とコンタクトセンターが連携し、お客さまの人生のさまざまなシーンに関わる姿を共通認識としてもてるようになりました。

このように、MVVの策定と可視化を通じて、オペレーターの心理的なハードルを下げ、行動変容を促すことができました。
4.トランスコスモスの施策が生んだ成果

エムアイカードお客さまサービスセンター窓口におけるMVVの再策定は、オペレーターの意識変化を促し、KPI330%達成などの成果を残しました。
株式会社 エムアイカード 業務部 部長 石塚さまからは、以下のような嬉しいお言葉をいただいています。
【株式会社 エムアイカード 業務部 部長 石塚さまの声】 エムアイカードお客さまサービスセンターでは、MVVの共創を通じて、現場メンバー一人ひとりが「お客さまの人生に寄り添う」という新たなビジョンを自分ごととして捉え、主体的に行動する文化が根付きました。 その結果、KPI達成率330%、WEB登録数4.4倍という事業成果に加え、離職率や事務ミスの減少、品質向上といった運営面での改善も実現されました。 取り組みは、単なる業務改善にとどまらず、お客さま体験価値の向上と事業成長の両立を実現した素晴らしい事例であり、弊社にとっても大きな誇りです。 |
4章では、エムアイカードお客さまサービスセンター窓口のMVV再策定によって得られた具体的な成果をご紹介します。MVVの適切な策定がコンタクトセンター(コールセンター)運営の改善に直結することがわかる事例です。
4-1.KPI330%達成を実現
MVVの再策定とビジョンの可視化により、エムアイカードお客さまサービスセンター窓口では、KPI330%達成という成果を実現しました。
特に、Web登録促進に関する各指標は、以下のように大幅に改善しています。

MVVを共有認識として持つことで、オペレーターからは「積極的な声掛けに構える必要がないと分かった」「自信がついた」といった声が上がり、意識の変化が具体的な成果につながったことが確認されています。
4-2.MVVの共感により離職率、事務ミス率低下などの付随効果も実感
MVVの再策定・ビジョンの可視化はKPIの達成だけでなく、運営面での改善効果も生み出しました。

業務の難易度が上がったにも関わらず、ミス率が低下したことは、オペレーターの意識と行動の質が向上した証拠です。
また新たに入社するメンバーにはMVVを入社時に説明することで、価値観のアンマッチを防ぐ工夫も行われています。
MVVを通じて、オペレーターのモチベーションや目的意識が明確になり、業務の質向上にもつながった本事例は、コンタクトセンター運営におけるMVVの重要性を示す好例です。
▼トランスコスモスでは、他にもさまざまなMVV策定事例があります。ぜひ参考にしてみてください。
・【MVV浸透の成功事例】株式会社エバーライフ様 × トランスコスモス|コールセンターの事例から学ぶ効果
・【MVV成功事例】生命保険A社と機械メーカーB社が成果を上げた理由
・【MVV成功事例】電気機器メーカーと公共事業所から学ぶ重要性
5.事業所MVVで現場を変えるトランスコスモスの独自支援モデル

今回のエムアイカード様の事例のように、コンタクトセンター(コールセンター)運営においてMVVを原動力として策定することで、オペレーターのマインドや行動に変化が生まれます。
その結果、KPI達成などの成果だけでなく、前向きな意識や動の醸成といった組織文化の変化も実現できます。
【エムアイカード様の事例の成果】 |
トランスコスモスのコンタクトセンターは、お客様企業の理念を実現する戦略的センター運営を推進し、受託窓口ごとに事業所MVVを掲げ運営基盤を構築しています。

事業所MVVとは、トランスコスモスが独自に展開する取り組みで、お客様企業のVision(ビジョン)を深く理解したうえで、それを実現するための具体的な行動をMission(ミッション)・Value(バリュー)に落とし込み、受託窓口ごとにMVVを策定するものです。
このMVVを運営の軸とすることで、顧客接点の質を高め、企業価値向上に貢献するセンター運営が可能になります。
【事業所MVVによって改善が期待できる領域】 |
トランスコスモスでは2019年からMVVを活用したコンタクトセンター運営に取り組み、これまでに業務委託を受けているすべての事業所500カ所以上でMVVの策定・運用を導入してきました。
豊富な実績とノウハウを活かし、現場の課題に寄り添いながら、MVVを軸とした運営基盤を構築し、成果につながるコンタクトセンター運営を実現しています。
「コンタクトセンター運営において、現場の意識や行動を根本から変えたい。」
そのような課題を感じているコンタクトセンターには、事業所MVVの導入が有効です。
トランスコスモスでは、業務委託を受けているすべての事業所でMVVを策定し、運営の軸として活用しています。現場の課題に寄り添いながら、成果につながる運営基盤を築いてきた豊富な実績があります。
「現場の空気を変えたい」「成果につながる運営をしたい」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
本記事では、「コンタクトセンター・アワード2025」で審査員特別賞を受賞したMVV再策定事例を詳しく解説しました。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。
〇エムアイカードおMVV客さまサービスセンター窓口が抱えていた主な課題
・Web登録者数の拡大に注力する必要があったものの、オペレーターに苦手意識があった |
〇トランスコスモスが実施したMVV策定施策2つのポイント
・施策1:関係者全員で共通のゴールを明確化する |
〇MVVの再策定の主な成果
・KPI330%を実現 |
適切にMVVを策定できれば、コンタクトセンター(コールセンター)運営の最適化につながります。
コンタクトセンターに課題がありMVVを再策定してみたいとお考えの場合は、トランスコスモスにお気軽にご相談ください。
