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MVVとは?企業が設定するメリットと具体的な設定手順を解説

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは、Mission(ミッション)・Vision(ビジョン)・Value(バリュー)の頭文字を取った略語です。

「MVVとは」を説明した図

MVVを策定することで会社の価値観や存在意義が明確になり、社員全員が共通意識を持ち業務に取り組めるところがメリットです。

一方で、せっかくMVVを掲げても形骸化してしまい社員に浸透していなければ、MVVの持つ力を充分発揮できません。MVVを有効活用するには会社に合う適切なMVVを策定し、浸透させるための取り組みが必要です。

そこでこの記事ではMVVの重要性や策定するメリット、そしてトランスコスモスの事業所MVVの事例をまとめて解説していきます。

◎MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは
◎MVVを策定する重要性
◎MVVを策定する3つのメリット
◎MVVを策定するときの注意点
◎MVVを策定するときの手順
◎トランスコスモスの取り組み事例
◎MVVを浸透させるときの3つのポイント

この記事を最後まで読めばMVVとはどのようなものか把握でき、策定を検討できるはずです。
昨今重要視されているMVVを有効活用するためにも、ぜひ参考にしてみてください。

1.MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは

冒頭でも述べたようにMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは、Mission(ミッション)・Vision(ビジョン)・Value(バリュー)の頭文字を取った略語です。

MVVは、下記の3つの要素から構成されています。

MVVの要素を説明した図

MVVの要素

Mission(ミッション)
会社や組織の存在意義、使命

・なぜこの企業や組織が存在するのか、どのような価値を提供するのか明確にする
・「企業理念」「経営理念」などに当てはまる

Vision(ビジョン)
会社や組織の将来像

・Missionを実現するためには何を目指せばいいのか明確にする
・「経営目標」「事業ビジョン」に当てはまる

Value(バリュー)
具体的な行動指針・行動基準

・MissionやVisionを実現するために、具体的に何をしたらいいのか社員の行動や判断の基準を明確にする

Missionは、会社や組織の存在意義や使命を示します。

「なぜこの会社が存在するのか?」「社会にどのような価値を提供するのか?」といった根本的な定義を明確にします。Missionは一度決めたら変わらない不変的なものが望ましいです。

Visionは、会社や組織の将来像のことです。

Missionを実現するためには、どのような未来を目指すべきか明確にします。
Visionは中長期の目標として設定していきます。

Valueは、具体的な行動指針・行動基準です。

MissionやVisionを実現するためには、日々の業務をどのように取り組むべきか細かな判断基準や価値観を明確にします。
Valueをもとに社員一人一人が行動し、判断できることが望ましいです。

たとえば飲食店を展開している企業が下記のようなMVVを設定したとします。

MVVの作成事例

Mission(ミッション)
会社や組織の存在意義、使命

安全でおいしい食事を提供することでお客様の心とおなかを満たし、フードロスをなくすことでより豊かな社会の実現に貢献します

Vision(ビジョン)
会社や組織の将来像

食を通じて世界を豊かにします

Value(バリュー)
具体的な行動指針・行動基準

・感謝:お客様への感謝の気持ちを忘れない
・価値:食事の提供だけでなく、お客様にプラスアルファの価値を提供する
・共存:環境負荷の少ない食材調達、資材の確保を行う

Missionは会社の使命となる部分なので「食を通じて世界を豊かに」と定義しています。

このMissionを実現するための将来像として「食事を通じて一人一人の気持ちを満たし、より豊かな世界を実現します」と策定しています。
Missionの内容が具体的になり、食事を提供するだけでなく、一人一人の気持ちを満たすサービス提供を目指していることが把握できます。

そして、Valueでは、社員がどのようなことを基準に行動すべきか具体的な指針がまとめられています。

このように、MVVはそれぞれの要素が影響し合い、すべてを明確にすることで初めて機能します。
MVVを作ることで会社の価値観や存在意義が明確になり、社員全員が共通意識を持ち業務に取り組めます。

それだけでなく、ぶれない判断基準や目標が設定できるため会社全体の足並みを揃えやすく、同じモチベーションで仕事に励むことができるようになります。

昨今はMVVを重要視する傾向にあり、会社の立ち上げ時や新規事業の開始前に策定するケースが増えています。

ではなぜ、MVVの策定が重要なのか次の章で詳しく解説していきます。

2.MVVを策定する重要性

MVVが重要視されている理由は、MVVそのものが会社が描く未来を目指すための羅針盤となるからです。

企業理念や経営目標だけでは会社の存在価値や目指すべき未来像が分かっても、社員が自ら考えて自分自身の具体的な行動や判断基準に落とし込むことが難しいです。

そのため、日々の業務に活用しにくく、会社と社会、社員の間に隔たりがある理念や目標になってしまうケースが見受けられました。

その点、MVVは会社と社会、社員をつなぎ共通認識を構築することできます。会社の存在価値や目指すべき未来像を日々の業務へと反映できるため、自然と社員の足並みも揃います。

たとえば、MVVの策定前は「食を通じて世界を豊かに」という理念しかなかったとしましょう。会社の存在意義や思いは把握できるものの、これだけでは理念に直結する行動や考え方が把握できません。

そこで、MVVを策定し理念や将来像を社員の個人行動にまで落とし込めると、どのような行動をするべきか把握できます。

先ほどの事例を例にすると「感謝:お客様への感謝の気持ちを忘れない」」「価値:食事の提供だけでなく、お客様にプラスアルファの価値を提供する」など具体的に言語化できていれば、社員は何に重きをおくべきか、どのような行動を取るべきか判断できるようになるのです。

その結果、社員の意識や行動が変わり、会社が目指すべき未来像にいち早く到達できるようになります。

3.MVVを策定する3つのメリット

MVVを策定するメリットとしては

・決断するスピードが早くなる
・採用時の判断基準となる
・従業員エンゲージメントが向上する

という3つが挙げられます。どのような部分がメリットとなるのかチェックしてみましょう。

3-1.メンバーが自律的、主体的に行動するようになる

1つ目は、メンバーが自律的、主体的に行動するようになることです。
MVVがあれば社員一人一人がMVVに即して自ら考え、判断ができるため、適切で、スピーディな決断が可能になります。

また、MVVは全社員共通の指針なので、MVVを基準に判断を行えば周囲の納得感も得られます。
自らの判断の理由が容易に説明できるようになり、判断をすることのプレッシャーを和らげる側面も持ち合わせています。

先ほどの飲食店を展開している企業を例に、具体的を見てみましょう。

MVVの作成事例

Mission(ミッション)
会社や組織の存在意義、使命

安全でおいしい食事を提供することでお客様の心とおなかを満たし、フードロスをなくすことでより豊かな社会の実現に貢献します

Vision(ビジョン)
会社や組織の将来像

食を通じて世界を豊かにします

Value(バリュー)
具体的な行動指針・行動基準

・感謝:お客様への感謝の気持ちを忘れない
・価値:食事の提供だけでなく、お客様にプラスアルファの価値を提供する
・共存:環境負荷の少ない食材調達、資材の確保を行う

この企業が運営している飲食店に「サプライズをしたい」という理由で貸し切りの予約が入ったとします。

サプライズは顧客側の目的なので、本来店舗側が深く考える必要はない部分でしょう。

この連絡を受けた社員はMVVのMissionである「安全でおいしい食事を提供することでお客様の心とおなかを満たし、フードロスをなくすことでより豊かな社会の実現に貢献します。」やValueである「価値:食事の提供だけでなく、お客様にプラスアルファの価値を提供する」を思い出しました。

そこですぐに、サプライズの内容に合わせてケーキやデザートメニューを変更するよう指示を出しました。洗練されたMVVがあれば意思決定の迷いが減り、すぐに適切な判断ができるのです。

一方で、MVVが策定されていないと上司に連絡をしたり過去の判断事例を振り返ったりと、余計な手間が増えます。

このように、MVVを基準に一人一人が適切な判断ができるようになることで会社の将来像や使命を踏まえた決断スピードが早くなり、会社の成長を加速させることが可能です。

3-2.採用時の判断基準となる

2つ目は、採用時の判断基準となることです。

新たに社員を採用するときには、自社の価値観や未来像にマッチする人材かどうかが重要となります。
明確な基準がないと採用担当者の価値観や考えに左右される部分があり、入社後のミスマッチが起こりやすくなります。

MVVがあれば共通認識を基準に、採用活動を進めることが可能です。

たとえば、Valueと照らし合わせて自社の指針に合う行動ができるのか、同じ価値観を持ち合わせているのか確認することができるでしょう。

その結果、自社に合う人材を厳選しやすくなり、価値のある採用活動を行えるようになります。

3-3.従業員エンゲージメントが向上する

3つ目は、従業員エンゲージメントが向上することです。従業員エンゲージメントとは、社員が前向きに生き生きと仕事ができている状態を指します。

従業員エンゲージメントが高い場合は仕事に誇りややりがいを感じている、会社に信頼感や愛着心を持っている社員が多いことになります。

MVVがあると、会社への理解が深まります。一つ一つの作業や業務を何のために行っているのか明確になり、前向きに取り組めるようになります。

その結果、仕事に対するモチベーションが上がるだけでなく、会社のためにどのような行動や判断をすればいいのかという考えが定着します。

MVVは全社員全員の共通認識なので前向きに生き生きと仕事をする社員が増え、会社全体の従業員エンゲージメントが向上していきます。

4.MVVを策定するときの注意点

MVVを策定するメリットが把握できたところで、気になるのは注意点です。

価値のあるMVVを策定するにはどのような点に留意するべきか、あらかじめ把握しておきましょう。

4-1.中長期目線で設定する

MVVはすぐに実現できる未来像や目標ではなく、会社の根本的な定義として長く使用できるものを設定しましょう。

冒頭でも触れた下記の図を見ると、Valueの上にVisionがあり、Visionの上にMissionがあります。

つまり、Missionを達成するにはVisionの実現が必要で、Visionの達成にはValueの取り組みが欠かせないことになります。

MVVの要素を説明した図

この関係性を念頭に置いて考えると、MissionやVisionが変わると必要的に土台となるValueも変わることになりMVVが定着しなくなります。

とくに、Missionは会社の存在意義となる重要な部分なので、長く使用できるものを考える必要があります。

4-2.言葉の定義を明確にする

MVVは、短く浸透しやすい言葉で形成します。短い言葉故に、捉え方が個人に委ねられてしまう可能性があります。

たとえば「世界を変える」というVisionを設定したときには、「世界の国々の情勢を変える」「同業種の価値観や在り方を変える」「自分の価値観や考え方を変える」などさまざまな捉え方ができます。

詳しい意味やこのVisionを選定した背景を共有しないと、解釈に差が生まれるでしょう。
言葉の意味の捉え方によってはVisionとValueとの関係性やVisionとMissionとの関係性を見出せず、行動や判断ができません。

そのため、MVVを共有する際には、MVVのみでなく言葉の意味や背景なども併せて話して理解を深めることが大切です。

4-3.上層部だけで決めようとしない

MVVを上層部だけで決めてしまうと、社員の思いや考え方を置き去りにすることになります。
いきなりMVVを提示されても「上層部だけで決めたルール」だと捉えられ、浸透しない可能性があります。

MVVは全社員に浸透し実際に仕事で活用することが重要なので、できるだけ多くの意見を取り入れながら社員全員が愛着を持てるよう策定しましょう。たとえば

・社員全員にアンケートを実施しMVVのヒントを集める
・部署ごとに1on1ミーティングや会議を実施してアイデアを持ち寄る

など、多くの意見を反映できる工夫をしてみてください。

5.MVVを策定する手順

トランスコスモスでは、コンタクトセンター(電話やメールに加え、SNS、チャットなど幅広いコミュニケーションチャネルを利用して、顧客と企業を結ぶ部署を指す。以前は電話コミュニケーションのみだったので、コールセンターと呼ばれており、現在でもコールセンターで表現されている所も多い。)を対象に事業所MVVという施策を実施しています。

事業所MVVとはユーザーが期待する顧客接点を実現するため、お客様企業のありたい姿(Vision)を理解し、コンタクトセンターが果たすべき 役割・存在意義(Mission)を認識した上で、Visionを実現するために行動指(Value)まで落としこむ独自の取り組みです。

事業所MVVを説明した図

トランスコスモスでは下記のような手順でMVV策定ワークショップを行いながら、お客様企業に合わせたMVVを策定していきます。

MVV策定ワークショップのステップ

ここでは、どのように事業所MVVを策定するのか詳しく解説していきます。

5-1.お客様企業を深く理解する

コンタクトセンター(コールセンター)の目指すべき姿のベクトルを合わせるために、お客様企業の

・企業沿革
・ビジョンの共有
・発注経緯

などを共有する打ち合わせを行います。基盤となる思いや指針を深く理解することで、的を射たMVVに落とし込めるようにしていきます。

5-2.カスタマーを深く理解する

お客様企業と関わりのある顧客を理解するために、ペルソナを設定します。

ペルソナとはお客様企業の商品やサービスを利用する理想的な人物像のことです。

・既存の顧客情報
・顧客へのインタビュー
・調査データ

をもとに、理想とする架空の人物像を描きます。ペルソナを設定するときは、下記のように名前や年齢、性別などの個人情報を始め、趣味や普段の行動などまで細かく設定します。

ペルソナの例

ペルソナの設定ができたら、この人物がお客様企業の商品やサービスを購入するまでにどのような過程を辿るのかを可視化するためにカスタマージャーニーマップを作成します。

カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを認知し購入するまでの一連の流れを可視化するフレームワークです。

下記のように時系列で顧客の思考や行動、考えをまとめることができるところが特徴です。ペルソナの動きや考え方をカスタマージャーニーマップに反映させることで、今まで気付かなかった注意点や感情の動きを把握できます。

カスタマージャーニーマップのフレームワーク

カスタマージャーニーマップはアイデアのきっかけやMVV設計のヒントを発見できるため、トランスコスモスでは顧客をより深く理解するための手法として取り入れています。

カスタマージャーニーマップの作り方は以下記事で紹介していますので参考にしてください。

5-3.ミッションを明らかにする

お客様企業と顧客を理解できたところで、一人ひとりがどのような目的を持ち仕事に取り組むべきかを考えます。

仕事の目的が明確な場合は、判断に迷うことなく社員が一丸となり業務に取り組めます。仕事に対するやりがいや責任を感じられるので、水準の高い業務を維持できます。

一方で、仕事の目的が定まっていないと、社員の足並みが揃いません。判断に迷う、不安を感じるなどマイナスとなる部分が表面化し心身ともに疲弊してしまいます。

だからこそ、トランスコスモスでは仕事の目的はなくてはならないものだと捉え、一人一人に理解をしていただいています。
その上でお客様企業のありたい姿(Vision)を理解し、コンタクトセンターが果たすべき役割・存在意義(Mission)を認識します。

そして、VisionやMissionを実現するための行動規範としてTCIPを設定します。

MVV実現のための行動規範

T(Trust)

信頼 約束を守る 等

C(Contribution)

貢献  お客さまの声を聴く

I (Improvement)

成長 ステップアップ

P(People)

ヒト お互いを尊重する

TCIPを設定して終わりではなく、事業所MVVを軸として業務改善や課題解決ができるように運用のサポートをしていきます。

6.トランスコスモスの取り組み事例

ここからは、トランスコスモスが事業所MVVの策定を実施した取り組み事例をご紹介します。

コンタクトセンター(コールセンター)のアウトソーシングにおいて、MVVを設定する意図がどのようなものなのかを把握出来るようになりますので、ぜひ参考にしてみてください。

6-1.事例①化粧品メーカー

この化粧品メーカーは、トランスコスモスが後発パートナーとして2019年より化粧品受注センターの運用を開始しました。

委託頂いた業務内容としては、通常受注からアップセルまででしたが、応対品質評価が半期で平均69%と低評価という課題がありました。
先発ベンダーと同等の成果が出せるのか疑問視されていたため、事業所MVVに基づいた改善をしました。

まずはお客様企業の理念を理解し、コンタクトセンターに求める役割や現状の課題を見直しました。
お客様企業にも品質基準の見直しとMission、Visionの摺り合わせ、アップセルの表彰基準の見直しなどのご協力をいただきました。

その上でTCIPを設定し、応対品質の向上と売上貢献を目指す取り組みを開始しました。その結果、応対品質は半期平均85%まで回復し、直近は100%を達成しています。

また、セルフチェックシートの導入とオペレーターに合わせた訴求シナリオの見直しで、アップセル達成度は173%を達成。売上にも大きく貢献できる成果を挙げることができました。

6-2.事例②総合通販サイト

お客様企業の総合通販サイトでは

・カスタマーサポートに対する顧客の不満や不便を解消
・顧客ロイヤリティを向上させるための問い合わせ導線の確保

という2つの課題を抱えていました。そこでお客様企業の理念や考えを理解し、事業所MVVを策定。トランスコスモスは2つの施策の提案と運用を行いました。

1.AIチャットボットの改善

1つ目は、AIチャットボットの改善です。自己解決率向上に向け顧客目線の導線でチャットシナリオを見直し、チューニングを行いました。

また、カスタマーセンターに蓄積されていたよくある問い合わせや顧客の関心度が高い問い合わせを定期的に反映し、回答の精度・解決率を高めました。

その結果、問い合わせ全体の30%をAIチャットボットで解決することに成功。カスタマーセンターへの入電集中を緩和し、利便性の向上も達成しています。

2.VOCの収集・ 分析

2つ目は、カスタマーセンターへ届いたVOCを収集、分析して、顧客のマイナスな印象を改善する取り組みを実施しました。

たとえば、予約商品のキャンセル理由を分析したところ、カードの引き落としエラーが原因だと分かりました。
エラー時には支払い変更依頼メールの送付をしていましたが、メールの見落としによる自動キャンセルとなっていたようです。

メールのみでの対応から電話による連絡を追加したところ、同じ理由での商品キャンセルを防ぐことができました。このように、原因を突き止めて改善しマイナスのコミュニケーションが生まれないよう改善を重ねています。

この2つの取り組みにより、総合通販サイトの利便性の向上とサービスに対する不満削減が実現できました。

顧客のロイヤリティを高めたことで、顧客体験価値(CX)の向上にもつながった事例です。

7.現場までMVVを浸透させるときの3つのポイント

MVVを策定しただけでは、形骸化して終わってしまいます。全社員がMVVを意識して、日々の仕事に反映させることが非常に重要です。

ここでは、MVVを浸透させるための3つのポイントをご紹介します。MVVを全社員の羅針盤として機能させるためにも、ぜひ参考にしてみてください。

7-1.具体的な行動と結びつける

MVVを形骸化させないためには、Valueをできるだけ明確にして行動と結びつけることが大切です。トランスコスモスの事業所MVVの事例を見てみると、Valueの具体的な行動規範としてTCIPを設定しています。

TCIPの内容はコンタクトセンター(コールセンター)の課題やVision、Missionにより異なりますが、下記のように実際に行動できるレベルまで細かく決めています。

・月12件のVOCを集約し提出
・セルフチェックシートの導入(結果だけでなく気付きを記入)
・全メンバーへ理解度テストの導入

ここまで細かく決めておくと行動や判断の基準となり、MVV達成のために何をするべきか明確になります。

一方で、「応対品質を意識する」「VOCを確認する」など曖昧な行基準では、どの程度まで実施するべきか把握できずMVVの浸透を妨げてしまうでしょう。

日々の業務でMVVを意識し浸透させるためにも、社員が簡単に行動できることを想定してValueを設定しましょう。

7-2.MVVに沿った評価基準を設ける

MVVを浸透させるには、MVVに沿った評価基準を設けることが必要です。

MVVに沿った行動や考え方が評価に反映されると、社員はよりMVVを意識して業務に励むようになります。その結果、MVVが一人一人に浸透し、社員の行動や考え方の基準となるでしょう。

MVVは社員の個人評価の項目として取り入れるだけでなく、社員の個人目標や表彰基準の設定にも活用できます。

トランスコスモスの事業所MVVの事例では表彰基準の変更や獲得に応じた商品の提供などを行い、MVVをオペレーターの表彰に取り入れています。

このように、MVVを設定するだけでなく評価にも組み込むことで、より社員一人一人に浸透しやすくなります。

7-3.目に留まる場所に掲示する

人が受け取る情報の約8割は、視覚から得ていると言われています。MVVを浸透させるためには、社員が目にする場所にMVVを掲示することも一つの方法です。

たとえば部屋の入り口に掲示をしたり、コピー機や書類の棚など使用頻度の高い場所の近くに掲示する
など、1日に何度かMVVを目にするよう工夫するといいでしょう。

また、社員証やミーティング用ノートなど社員一人一人に配布するものがあれば、MVVを掲示していつでも見られるようにするのもおすすめです。

8.トランスコスモスではコンタクトセンター(コールセンター)のMVV策定から運用までをサポートします

トランスコスモスでは、コンタクトセンター(コールセンター)の事業所MVVの策定から運用までをサポートしています。

トランスコスモスの事業所MVV策定から運用までのサポート

応対品質や生産性の向上などコンタクトセンター運用の課題改善だけでなく、CXの創出やプロフィット化などコンタクトセンターの戦略的な活用も視野に入れ、お客様企業の企業価値向上に貢献します。

コンタクトセンターに課題を抱えている場合やコンタクトセンター向けのMVVを策定したい場合は、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

いかがでしたか?MVVとはどのようなものか把握でき、会社やコンタクトセンター(コールセンター)の運用に活用できるようになったかと思います。

最後にこの記事の内容をまとめてみると

〇MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは、Mission(ミッション)・Vision(ビジョン)・Value(バリュー)の頭文字を取った略語。MVVは3つの要素で構成されている

1)Mission(ミッション):会社や組織の存在意義、使命
2)Vision(ビジョン):会社や組織の将来像
3)Value(バリュー):具体的な行動指針・行動基準

〇MVVは全社員にとって会社が描く未来を目指すための羅針盤となり、共通認識や一体感が生まれやすくなる

〇MVVを策定するメリットは次の3つ

1)明確な行動基準や判断基準ができるので決断するスピードが早くなる
2)採用時の判断基準となり自社の価値観や未来像に合う人材を見つけやすくなる
3)従業員エンゲージメントが向上する

〇MVVを策定するときの注意点は次の3つ

1)すぐに実現できる目標や行動基準ではなく中長期の目線で考える
2)言葉の定義やMVV策定の背景なども併せて話して理解を深める
3)上層部だけで決めようとせずできるだけ多くの意見を取り入れる

〇トランスコスモスはコンタクトセンターを対象とした事業所MVVの策定と実施を行っている

〇トランスコスモ独自のスMVV策定ワークショップの手順は下記のとおり

1)お客様企業の企業沿革やビジョンなどを把握し深く理解する
2)お客様企業の顧客を理解するためにカスタマージャーニーマップを作成する
3)MVVを策定する

〇MVVを浸透させるときのポイントは次の3つ

1)社員一人一人が実践できる具体的な行動と結びつける
2)MVVに沿った評価基準を設ける
3)MVVを常に意識できるように目に留まる場所に掲示する

この記事を基にMVVの定義や策定方法が把握でき、会社やコンタクトセンターの運用に活かせることを願っています。

トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションの
ノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。
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