ボイスチャットとは、インターネット回線を使用しリアルタイムでの会話ができるところが特徴で、オンラインゲームやメタバース空間、コンタクトセンター(コールセンター)などで使用されています。
ボイスチャットには必要な機材やあらかじめ知っておきたいポイントがあるため、事前に把握したうえで自社のコンタクトセンターと相性がいいシステムなのか検討することが欠かせません。
そこでこの記事では、ボイスチャットのメリットや注意点、導入するときのポイントなどをまとめて解説していきます。
◎ボイスチャットとは |
この記事を最後まで読めばボイスチャットとはどのようなシステムなのか理解でき、導線を検討できるようになるはずです。ボイスチャットについて理解を深めるためにも、ぜひ参考にしてください。
1.ボイスチャットとは
ボイスチャットとは、ネットワークを通じて2人以上の相手と音声を用いたやり取りができるシステムやサービスのことです。基本的には、専用のマイクやスピーカー、ゴーグルなどの機材を利用して会話を行います。
ボイスチャットは、インターネット回線を利用し、リアルタイムでコミュニケーションを取れるところが特徴です。インターネットが利用できる環境であれば時差がなくすぐに会話を開始できるため、ゲームやメタバース内、ビジネスシーンでも活用されています。
主な利用シーン ・ゲーム内で他のプレーヤーと会話をするとき |
メタバース空間ではソリューションにもよりますが、ゴーグルを装着していることもあります。
ゴーグルを装着したままキーボード操作をすることは難しいため、必然的にボイスチャットのような音声を利用したコミュニケーション手段が利用されています。
またコンタクトセンターでは、ボイスチャットを活用することで、顧客とチャット(テキスト)でやり取りを行っていた際に、オペレーターのサポートが必要なタイミングでスムーズに会話に切り替えを行うことができるといったメリットがあります。
1-1.電話との違い
ボイスチャットを検討するときに、気になるのは電話との違いではないでしょうか?電話との主な違いは、下記の2つです。
インターネット回線を利用する
ボイスチャットは、インターネット回線を利用して音声の送受信を行います。
一方で、電話は基本的には電話端末と電話交換機を結ぶ電話回線を利用しています(IP電話やインターネット電話を除く)。
コンタクトセンターの規模にもよりますが、インターネット回線のほうが月々の通話料が安くなる傾向があります。
一方で、電話回線は通話の品質が安定しており、停電時でも電話回線が使える状況であれば基本的には利用できます。インターネット回線は電力の供給がなければ使用できないため、停電や電波が不安定な環境では使いにくいデメリットもあります。
一度に複数人との会話ができる
電話は一対一で通話を行うため、同時に複数人でコミュニケーションを取ることができません。一方で、ボイスチャットは、同時に複数人との会話ができます。
例えば、ビジネスシーンでメタバースを利用しているとします。
ボイスチャットを導入することで、ユーザー同士のコミュニケーションはもちろんのこと、複数人が出席する会議や研修などで多くの人とコミュニケーションが取ることができます。
2.コンタクトセンター(コールセンター)でボイスチャットを利用するメリット
コンタクトセンター(コールセンター)でボイスチャットを利用するメリットとしては、下記の3つが挙げられます。
コンタクトセンターでボイスチャットを利用するメリット |
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①必要なタイミングで会話に切り替えできる |
ボイスチャットの活用を検討するときに知っておきたいポイントばかりなので、ぜひチェックしてみてください。
2-1.必要なタイミングで会話に切り替えできる
1つ目は、オペレーターのサポートが必要なタイミングでスムーズに会話に切り替えができるところです。チャットやチャットボット、FAQを導入している場合、これらのチャネルでは顧客の問題解決ができないことがあります。
このときに「ボイスチャットを利用する」「オペレーターに相談する」などのボタンを設置してすぐに会話でのコミュニケーションが取れるボイスチャットを開始できる導線を設計すれば、顧客の待ち時間や手間感を減らしオペレーターに引き継ぎができます。
トランスコスモスが実施した「消費者と企業のコミュニケーション実態調査2021」によると、問題解決時にはストレスや負担感のない顧客体験が求められています。
ボイスチャットを活用すれば自己解決ができなったとしても、すぐに有人対応へと移行できるようになり顧客の手間やストレスを軽減できます。
2-2.データ管理がしやすくなる
2つ目は、ボイスチャットと他のツールを連携すると、下記のようなデータ管理がしやすくなります。
・顧客データや応対履歴 |
ボイスチャットと連携させながら一元管理をすると、臨機応変に情報を提示して応対できるようになります。
例えば、オペレーターと顧客が会話をしているときに過去の顧客情報を表示できれば、今までの会話履歴を踏まえた応対がしやすくなります。
その結果、優れた顧客体験を提供できます。
2-3.迅速な共有やエスカレーションができる
3つ目は、迅速な共有やエスカレーションができるところです。ボイスチャットではツールによっては、リアルタイムでの文字起こしや管理者のサポートが可能です。
例えば、管理者がリアルタイムでオペレーターと顧客の応対内容を文字起こしされたデータで見ていたとしましょう。
オペレーターが悩んでいるように見受けられたので、すぐにサポートやアドバイスをチャットで送信します。すると、会話を中断し保留にしてエスカレーションを仰がなくても問題を解消できます。
オペレーターの応対状況をリアルタイムで共有できることで、応対時間を短縮や業務効率化へとつながります。
3.コンタクトセンター(コールセンター)でボイスチャットを利用する際の注意点
コンタクトセンター(コールセンター)でボイスチャットを利用する際の注意点は、インターネット回線の安定性に品質が左右されるところです。
インターネット回線の接続が不安定な場合や十分な速度がない場合は、会話が聞こえにくい、途中で途切れるなどのトラブルが起こる可能性があります。
頻繫に音質の低下が発生するとオペレーターと顧客の双方が話している内容を理解しにくくなり、ストレスにつながるでしょう。
また、導入方法によって専用のマイクやスピーカー、ゴーグルなどの機材が必要となります。
コンタクトセンターの規模によっては初期費用がかさむ可能性があるので、費用対効果を念頭に置いて導入を検討することが大切です。
4.コンタクトセンター(コールセンター)にボイスチャットを導入するときのポイント
最後に、コンタクトセンター(コールセンター)にボイスチャットを導入するときのポイントをご紹介します。
コンタクトセンターにボイスチャットを導入するときのポイント |
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①顧客のUXが向上する導線を考える |
ボイスチャットの導入を検討するときにはどのような点に着目したらいいのか、参考にしてください。
4-1.顧客のUXが向上する導線を考える
ボイスチャットを導入することで、顧客の体験価値が向上するような導線を検討しましょう。
「2-1.必要なタイミングで会話に切り替えできる」でも触れたように、チャットやチャットボットからのスムーズな切り替えができる導線を考えるのも一つの方法です。
他にも、問い合わせページ内や既存顧客専用ページへの記載など、ボイスチャットが必要となるタイミングで手軽に利用できる導線を検討してみてください。
4-2.他のツールとの連携を検討する
ボイスチャットは他のツールと連携し、業務効率化や顧客満足度の向上につなげましょう。
例えば、ボイスチャットと顧客管理ツールが連携できれば、問い合わせ時にすぐに顧客の情報を照会できます。
正確な情報に基づいた案内や回答が実現するため、顧客満足度の向上につながるでしょう。
また、オペレーターの応対品質管理や出退勤などの管理も連携できれば、複数のツールを使い分ける必要がなく業務効率化が進みます。
このように、ボイスチャットを有効活用できる環境の構築も視野に入れておくといいでしょう。
5.メタバースにもボイスチャットが活用されている
トランスコスモスは、2022年よりメタバースにおけるコミュニケーション領域の検証を開始しています。
メタバースにおけるコミュニケーションは、ボイスチャットだけでなくテキストチャットまで幅広いコミュニケーションがやり取りされます。
まだまだα世代やz世代が中心のコミュニケーションツールになりますが、今後オフィスやコンタクトセンターへの拡大が予想されますので、興味のある方は以下のメディアで情報収集ください。
参考:メタバース情報局
まとめ
いかがでしたか?ボイスチャットついてよく理解していただけたかと思います。
ではもう一度、記事の要点をまとめてみましょう。
◎コンタクトセンターでボイスチャットを利用するメリットは次の3つ
1)オペレーターのサポートが必要なタイミングでスムーズに会話に切り替えできる |
◎コンタクトセンターでボイスチャットを利用する際の注意点は、インターネット回線の安定性に品質が左右されること
◎コンタクトセンターにボイスチャットを導入するときのポイントは次の2つ
1)チャットやチャットボットからの流入など顧客体験が向上する導線を考える |
ボイスチャットは、コンタクトセンター運営の効率化や顧客満足度の向上につながります。この記事をもとに、ボイスチャットの活用を検討してみてください。