「ボイスボット(音声AI)の事例を知りたい」
「ボイスボット(音声AI)って、どのように活用されているのだろう?」
と感じていませんか?
ボイスボット(音声AI)はたとえば、以下のように「ボイスボットと有人対応を組み合わせたハイブリッド運用」で活用されています。
ボイスボット(音声AI)の活用方法は様々です。
自社に合わせた活用スキームを組まないと、コストばかり掛かって活用できるシーンがなかった、思ったように費用対効果が出なかった、といった事態になる可能性があるのです。
そこでこの記事の内容は以下のとおりです。
▼本記事の内容 |
この記事を読むことで、ボイスボット(音声AI)の活用事例がわかるだけでなく、自社にとって導入が最適なのかどうかを判断できるようになります。
ぜひ最後までお読みください。
1.コンタクトセンター(コールセンター)におけるボイスボット(音声AI)の事例【京セラドキュメントソリューションズジャパン様】
まずはボイスボット(音声AI)の事例を詳しく見ていきましょう。
ご紹介するのは、京セラドキュメントソリューションズジャパン様(以下「京セラDSJ様」)の事例です。
トランスコスモスのボイスボット(音声AI)と有人対応を組み合わせたハイブリッド運用をご提案し、以下の改善が実現しました。
・カスタマーセンターの受付時間が9:00〜17:30であったのを、24時間365日対応にし、顧客のタイミングで問い合わせが可能に |
それでは詳しく見ていきましょう。
1-1.課題
京セラDSJ様からは以前より、複合機に関するカスタマーセンター運用をおまかせいただいています。
そうした中で、以下のような課題があることがわかりました。
▼京セラDSJ様のカスタマーセンターにおける課題 【サポート時間拡大ニーズへの対応】 【カスタマーセンターにおけるBCP(緊急事態) の更なる対策強化】 |
1-2.改善提案
京セラDSJ様の課題を受けて、トランスコスモスでは「ボイスボット(音声AI)と有人対応を組み合わせたハイブリッド運用」をご提案・ご提供させていただきました。
「ボイスボット(音声AI)と有人対応を組み合わせたハイブリッド運用」を導入することにより、突発的に入電が集中した場合でも、ボイスボット(音声AI)が顧客の対応をしてくれるため、顧客をお待たせする事によるストレスを減少することができます。
また、ボイスボット(音声AI)によって自然災害やパンデミックなどによってカスタマーセンターが閉鎖してしまった場合でも、サポートが必要な顧客の対応ができる体制を整えられます。さらにはカスタマーセンターが営業時間外であっても、受付サポートを行うことが可能です。
具体的には、以下のようなサービスをご提供しました。
▼京セラDSJ様へご提供したサービス内容 【音声AIを活用したカスタマーサポート体制構築】 ◆精度の高いボイスボット(音声AI)を営業時間外に導入し消耗品の注文受付を自動化 ◆音声AI受付内容を後続処理チームへ自動通知するスキームを構築 ◆営業時間内外でのボイスボット(音声AI)・有人コミュニケーションを顧客視点で設計 |
1-3.成果
サービスをご提供した結果、以下のような成果が出ました。
▼京セラDSJ様へご提供したサービス内容 ◆24時間365日のサポート対応が可能に ◆顧客からの消耗品の注文や問い合わせを取りこぼすことが減少し、顧客満足度低下を抑止 ◆英語対応専門メンバー不在時でも英語対応が可能に |
2.そもそもボイスボット(音声AI)とは
そもそもボイスボット(音声AI)とは何なのでしょうか。
ボイスボット(音声AI)とは、人工知能AIが搭載されている音声認識できるソフトウェアを使って、顧客が音声によってIVR(自動応答システム)を操作できるシステムのことです。
顧客がコンタクトセンター(コールセンター)に電話をかけると、あらかじめ設定してあるガイダンスが流れます。ガイダンスに沿って問い合わせ内容を話すと、音声認識技術によってテキストへ変換され、AIの自然言語処理技術によってテキスト化されたデータの内容が解析されて、回答をテキスト化します。
回答のテキストを音声合成技術で自然な発話に聞こえるように読み上げることで、ボイスボット(音声AI)は顧客に応対を行います。
さらに詳しくボイスボット(音声AI)について知りたい場合は、以下の記事もぜひお読みください。
3.ボイスボットの2つのメリット
ボイスボットには以下のメリットがあります。
3-1.オペレーター業務の効率化が図れる
1つめのメリットは「オペレーター業務の効率化」ができるという点です。
顧客の質問や問い合わせが、事前にAIに学習させたものであれば、ボイスボット(音声AI)自身で回答できます。そうした自動応答のみで解決できる問い合わせの場合、オペレーターの対応が不要となり、業務の効率化が図れるようになるのです。
たとえば注文受付です。以下のように注文受付から注文完了まで対応ができるため、オペレーターの対応は必要ありません。
またコンタクトセンター(コールセンター)に頻繁に問い合わせのある「よくある質問(FAQ)」の回答をあらかじめボイスボット(音声AI)に組み込んでおき、回答させることもできるため、オペレーターによる対応がなくても対応を完了することができます。
このようにこれまでオペレーターが対応していた業務を一部自動化できるため、業務効率化ができるのです。
3-2.顧客満足度の向上ができる
2つめのメリットは「顧客満足度の向上ができる」という点です。
なぜならボイスボット(音声AI)の導入によって、顧客が以下のようなメリットを得られるからです。
▼ボイスボット(音声AI)が顧客満足度を向上させる具体的内容 ・受付の自動化によって待ち時間が減少する |
このようにボイスボット(音声AI)は、顧客が少ない手間と短い時間でほしい回答を得られるため、結果的に顧客の満足度が向上するのです。
4.ボイスボットの2つのデメリット
ボイスボットの2つのデメリットは以下の2つです。
4-1.IVRと比べると精度が劣る
1つめのデメリットは「IVRと比べると精度が劣る」という点です。
IVRでは、顧客が正しく問い合わせ内容に沿った番号をプッシュすれば、IVR側で誤認識することはありません。
しかしボイスボット(音声AI)では、顧客の声が不明瞭であったり、電波が悪かったりする場合に、誤認識してしまうケースがあり、結局オペレーターによる対応が必要になることがあるのです。
たとえば、ボイスボット(音声AI)で受注業務を行っている企業では、「ボイスボット(音声AI)が認識できなかった問い合わせは、人がデータをチェックして電話をかけて再度ヒアリングする」というスキームを構築しています。
ボイスボット(音声AI)がヒアリングした内容が100%正しいといえるわけではない、という点は課題といえるでしょう。
ただし、誤認識を防ぐために「チューニング」を行うことで、認識精度を高めることができます。
導入後に認識精度の低い箇所を修正したり、顧客が話しやすいようにフローの文言や順番、スピードを調整し、継続的に精度を向上させるチューニング作業を繰り返すことで、誤認識の確率を下げることが可能なのです。
したがって、ボイスボット(音声AI)はIVRと比べると認識精度が劣る点は課題といえますが、定期的にチューニングを行うことで、認識精度を高めることが重要になります。
4-2.複雑な内容の問い合わせに対する回答は難しい
2つめのデメリットは「複雑な内容の問い合わせに対する回答は難しい」ということです。
ボイスボット(音声AI)は、「文脈で発話者の言いたいことを汲み取る」ことは現状苦手としているため、フリートークにおける意味の理解はできません。
そのため、顧客からの苦情や相談などのように、文脈で相手の言いたいことを理解する必要のある場面での活用は難しいのです。
たとえば苦情や相談などの場面では、オペレーターが顧客との対話の中で状況をヒアリングし、その文脈から相手のしてほしいことを理解して、対応を行います。
しかしボイスボット(音声AI)の場合、ヒアリングを行うことは難しく、ボイスボット(音声AI)を相手に顧客が苦情を言ったり相談をしたりしたとしても、その意味を正しく理解できないため、顧客がしてほしいことを汲み取って対応することは難しいでしょう。
但し、顧客の答えが認識しやすいようなアナウンスを設定することで、精度を向上させる対策ができます。
というのも、ボイスボット(音声AI)は、ある程度予測できるものには対応できます。たとえば「名前」「住所」「日にち」「個数」「商品名」などの簡単なものは認識の精度も高くなるのです。
そのため、答えが認識できるようにするため、「お名前をお答えください」「今回お問い合わせしたい商品名をお答えください」のようにアナウンスを設定し、精度を上げる工夫をすることをおすすめします。
ボイスボット(音声AI)は、複雑な内容の問い合わせに対して回答することは難しいですが、アナウンスの設定次第で、顧客の問い合わせに対して認識できる範囲を広げることは可能なのです。
5.ボイスボット(音声AI)に向いている場面・向いていない場面
ボイスボット(音声AI)は、活用に向いている場面と向いていない場面があります。
そこで5章では、それぞれ解説していきます。
5-1.ボイスボット(音声AI)が向いている場面
ボイスボット(音声AI)が向いている場面は以下のとおりです。
ボイスボット(音声AI)活用が向いている場面は「注文」「要件受付」「予約」「夜間対応」「あふれ呼応対」です。
これは京セラDSJ様の事例を振り返ってみると、ボイスボット(音声AI)活用が向いている場面がわかりやすくイメージできます。
京セラDSJ様の事例では、ボイスボット(音声AI)を導入することで消耗品の注文や要件受付(一次受付)を対応できるようになりました。
その結果、オペレーターが消耗品注文、要件確認が容易になるため、業務効率化が実現しました。ボイスボット(音声AI)が受付を行うことで、顧客からの消耗品の注文や問い合わせの取りこぼしが抑止され、顧客の利便性も向上しています。
また、ボイスボット(音声AI)導入によってオペレーターの対応が難しい夜間での電話受付も可能となり、24時間365日体制で消耗品の注文や要件受付(一次受付)の対応が可能になっています。
さらに、コンタクトセンターへの電話が突発的に集中してしまい、オペレーターの対応が追いつかない「あふれ呼」状態であっても、ボイスボット(音声AI)を導入しておくことで、問い合わせがあったら必ず受付ができるため、顧客をお待たせする時間が減り、顧客の利便性が向上しております。
このように、
・消耗品注文 |
といった場面でボイスボットを導入することで、京セラDSJ様のように改善を実現できます。
上記のような場面が発生する業務を行っている場合は、ボイスボットの導入がおすすめです。
5-2.ボイスボット(音声AI)が向いていない場面
ボイスボットの(音声AI)活用が向いていない場面は、「苦情対応」「カウンセリング」「相談」です。
先にも述べたとおり、ボイスボット(音声AI)は文脈で発話者の言いたいことを汲み取ることが苦手です。そのため、苦情やカウンセリング、相談などの複雑な内容の問い合わせに対応することが難しいのです。
苦情対応やカウンセリング、相談など、顧客の問い合わせ内容が複雑になるような場面での活用は向いていないと言えるでしょう。
6.ボイスボットは導入から運用をサポートしてくれる企業へ依頼するのがおすすめ
ボイスボット(音声AI)は、ただ導入を依頼すればいいというわけではありません。
導入はもちろん、運用中もしっかりサポートしてくれる企業へ依頼することが重要です。
その理由は、ボイスボット(音声AI)を効果的に活用するには、導入後の改善や有人オペレーションへの連携がポイントだからです。
利用しやすいように文言やフローを修正したり、認識しやすいようにチューニングを繰り返し行うことによって、精度を上げ、対応完了率を向上させます。また完了が難しい場合には、その対応内容を引き継いだ状態で有人オペレーションに連携するフロー、システムの構築が重要になります。
結果、業務効率化や顧客満足度の向上などの成果につながります。
このように運用中もサポートしてくれる企業を選択することで、高い効果を得られるようになるのです。
したがって、ボイスボット(音声AI)導入をご検討中の場合は、導入から運用までをサポートしてくれる企業を選択することをおすすめします。
7.ボイスボットの導入はトランスコスモスにおまかせください
ボイスボット(音声AI)の導入はトランスコスモスにおまかせください。
トランスコスモスでは、導入から運用まで一気通貫でサポートさせていただきます。
具体的には、以下内容をサポートさせていただきます。
・企画 |
導入の際には、導入診断サポートを行い、費用対効果をシミュレーション診断。最適な箇所にボイスボットを導入できます。
また改善PDCAを回せるよう、シナリオの離脱ポイントをログから分析できるため、より顧客に寄り添ったボイスボット(音声AI)シナリオを構築できます。
さらに、トランスコスモスでは、長年のオペレーションノウハウを蓄積しており、ボイスボット(音声AI)についても、わかりやすいシナリオを構築し、有人オペレーションへの連携も見据えた設計が可能です。
ボイスボットの導入をご検討の際には、ぜひトランスコスモスへご相談ください。
まとめ
この記事では、ボイスボットの活用事例やそのメリット・デメリット、向いている場面などをご紹介しました。
ここで改めてこの記事の内容をおさらいしましょう。
◆コンタクトセンター(コールセンター)におけるボイスボット(音声AI)の事例【京セラドキュメントソリューションズジャパン様】
◆そもそもボイスボット(音声AI)とは
・ボイスボット(音声AI)とは、人工知能AIが搭載されている音声認識できるソフトウェアを使って、顧客が音声によってIVR(自動応答システム)を操作できるシステムのこと |
◆ボイスボット(音声AI)の2つのメリット
・オペレーター業務の効率化が図れる |
◆ボイスボット(音声AI)の2つのデメリット
・VRと比べると精度が劣る |
◆ボイスボットに向いている場面・向いていない場面
【向いている場面】 【向いていない場面】 |
以上を踏まえて、あなたの会社にボイスボットを導入すべきかがわかり、うまく活用して課題解決できるよう願っています。