インサイドセールスとテレアポの大きな違いは、インサイドセールスの目的が「見込み客の育成」であるのに対して、テレアポ(テレフォンアポインター)では「アポイントの獲得」を目的としているという点です。
インサイドセールスとテレアポの目的の違い |
・インサイドセールスの目的 ・テレアポの目的 |
そのため、取り扱っている商材の特徴や会社の営業方針などによって、どちらが向いているのか異なります。
この2つの違いを正しく理解できていないと、自分の仕事にどちらを取り入れるべきなのかわからなかったり、導入後に「思っていたのと違った…」と困ってしまうことになるでしょう。
そこでこの記事では「インサイドセールスとテレアポの違いを知って仕事に活かしたい」「自社がどちらを導入すべきなのかジャッジしたい」という人に向けて、以下の内容を解説していきます。
この記事でわかること |
・インサイドセールスとテレアポの違い |
さらに、「自分の場合はインサイドセールスを活用すべきだ」という風に感じた人に向けて、「効果的なインサイドセールスを実現するためのポイント」とおすすめのツールについても具体的に紹介するので、迷わず導入を進めることもできます。
最後までお読みいただくと、自分の仕事にインサイドセールスを活用すべきかどうかがわかり、成功のために具体的に何をすればいいのか、までしっかりと理解することができますよ。
それでは早速見ていきましょう。
1.インサイドセールスとテレアポの違い
インサイドセールスとテレアポの違いは、冒頭でもお伝えした通り「インサイドセールスの目的が見込み客の育成」であるのに対して、「テレアポの目的がアポイントの獲得」であるという点です。
ただし、目的が異なるということはそれ以外にも様々な違いがあります。そこでこの章では、この両者の違いを以下の3つに分けて詳しく解説していきます。
インサイドセールスとテレアポの違い |
・目的の違い |
どちらにも「見込み顧客に電話をかける」という行動が共通するため、ともすれば同じようなものなのではないかと感じる人もいるかもしれませんが、目的が異なるということは、期待される内容も効果も大きく異なります。
それぞれの違いを正しく認識できないと、自社のビジネスにどちらを有効活用すればいいのかわからないままになってしまうでしょう。
そんな事態を避けるため、ここでしっかりインサイドセールスとテレアポの違いを学んでいただければと思います。
1-1.目的の違い
インサイドセールスとテレアポの目的は、以下のように異なります。
インサイドセールスとテレアポの目的の違い |
・インサイドセールスの目的 ・テレアポの目的 |
上記のようにインサイドセールスでは、顧客が自発的に「購入したい」という意欲を持つようにすることを目的としているため、「今日は何件アポイントを獲得できたか」というような短期的な成果を求めません。
じっくりと電話やメールでコンタクトをとり続け、先方のニーズが高まってきたところでフィールドセールスに引き渡します。
それに対してテレアポでは、その後フィールドセールスが訪問するなどして詳しい商品説明を行うための「場」を獲得することを第一優先で考えます。
そうすると「自社のサービスにあまり関心がなさそうだな」という相手でも、ノルマ達成のために「そこを何とか」「一度お話だけでも」と無理にアポイントをとるという事態を発生させてしまうことがあります。
残念ながらそういったアポイントの場合は実際に訪問しても成果に結びつきにくいため、営業効率が落ちる原因になってしまうことでしょう。
このようにインサイドセールスでは「質を問わずとにかくアポイントをたくさんとろう」ということではなく、時間をかけて顧客との良好な関係性を構築し「買いたい」という自発的な気持ちを高めることを目的としている点が、テレアポとは異なるのです。
1-2.必要な時間の違い
インサイドセールスとテレアポでは、成果を出すまでに必要な時間も異なります。
インサイドセールスとテレアポで成果を出すまでに必要な時間の違い |
・インサイドセールスの場合 ・テレアポの場合 |
上記のように、多くのアポイントを効率よく獲得することを目指すテレアポと比べ、インサイドセールスでは短期的にアポイントをとることよりも、顧客のニーズ把握や良好な関係の構築に重きをおきます。
そのため、成果を出すまでにかかる時間はテレアポと比べると長くなります。
1-3.成果指標の違い
成果を出すまでにかかる時間が異なるため、インサイドセールスとテレアポでは成果指標も以下のように異なります。
インサイドセールスとテレアポの成果指標の違い |
・インサイドセールスの成果指標の例 ・テレアポの成果指標の例 |
上記のように、インサイドセールスでは顧客の「買いたい気持ち」を高めることができてそれを行動に移してもらえたかどうか、が重視されます。
もちろんテレアポのようにアポイントの獲得数が成果指標になる場合もありますが、数というよりは質に着目されることのほうが多いでしょう。
インサイドセールスの成果指標について詳しく知りたい人は、こちらの記事もご覧ください。
2.インサイドセールスを導入すべき会社の特徴
インサイドセールスとテレアポの違いを詳しくお伝えしてきました。
そこで次は「自社でインサイドセールスを導入すべきかどうか」をすぐに判断することができるよう、「インサイドセールスを導入すべき会社の特徴」をお伝えしていきます。
具体的には以下の通りです。
インサイドセールスを導入すべき会社の特徴 |
・購買までに時間がかかる商材を取り扱っている会社 |
詳しくは以下で解説していきます。
2-1.購買までに時間がかかる商材を取り扱っている会社
BtoB商材のように、顧客が購買を決めるまでに時間がかかるようなビジネスを行っている会社の場合は、インサイドセールスの手法を用いて顧客の見込み度合いを高めていくのが有効です。
例えば、何かのITツールを全社で導入しようと考えている企業があった場合、担当者が1つのサービスだけを見て独断で購入を決めるということはほぼないでしょう。
法人が購買を決裁するまでには、多くの場合以下のようなステップが存在します。
法人が購買を決裁するまでのステップ |
・業務上の課題を解決するための方法を検討する |
会社組織の場合、担当者とその上司、決裁者というように権限の異なる人が複数人絡んでくるため、意思決定の段階にたどり着くまでに数か月かかることも珍しくありません。
また「その商材を購入することで自社にどのくらいの利益があるのか」についても合理的に判断しなければならないため、情報収集に時間をかけてじっくりと選別を行う傾向もあります。
そのため、時間をかけて相手との関係を構築して潜在ニーズを引き出したり、定期的な情報提供で信頼感を得ることで自社のサービスを選ばれやすくすることができるインサイドセールスは、相性が非常に良いといえるでしょう。
2-2.カスタマイズ性の低い商材を取り扱っている会社
「その商材のカスタマイズ性が低いこと」も重要です。
カスタマイズ性が低いとはどういうことかというと、具体的には以下のような商材が当てはまります。
カスタマイズ性の低い商材の例 |
・商品内容や価格、仕様が変動しないもの |
上記のように、既に商品やサービスの内容・価格などが決まっていて、顧客に応じて細かな調整を必要としないものは、インサイドセールスに向いています。
逆に、顧客の要望を細かく聞いて設計を行っていくようなシステム開発や、商品の仕様や定価が決まっておらず顧客ごとに見積もりを作らなければならないようなオーダーメイド商材は、必要な知識量が多く必要となり、ターゲットとの会話が円滑に進められなくなる可能性もあるためインサイドセールスにはあまり向いていません。
そのため、顧客ごとのカスタマイズが少なく、シンプルでわかりやすいサブスクリプションのような商材を取り扱っている会社のほうが、インサイドセールスとの相性が良いと考えられるのです。
2-3.リードがとれているのに有効活用できていない会社
「リードはとれているのに、その後の受注率が上がらない…」という課題を持っている会社の場合もインサイドセールスは向いています。
リードを受注につなげることができない原因には以下のようなものがあります。
リードを受注につなげることができない原因 |
・人手不足で顧客へのアプローチが不十分 |
上記のように、従来のフィールドセールスでは実際に顧客を訪問してニーズの確認を行ったり予算感を探ったりするため、1件の顧客にかける時間がどうしても長くなりがちでした。
そうすると、人手不足で全てのリードにうまくアプローチをすることができないという状況に陥ってしまいます。
さらに、受注が成功するかどうかはどうしても個人の営業スキルに依存する部分があるため、ベテランと新人では受注成功率に差が生じることでしょう。
しかしインサイドセールスなら、多くの顧客へ一斉にメールを送信することで情報提供を行ったり、ここぞというときだけ電話をかけて状況を把握したりするため、少人数でも多くのリードに効率よく対応することが可能です。
また、自社内で「こんな顧客にはこういったステップでアプローチすると受注率が高まる」などのノウハウも貯められるので、担当者の実力の差に捉われず成功率を高めるためのアプローチ方法も確立させていくことができます。
そのため「現状リードはあるのにうまく活用できていない」という悩みを持っている会社の場合は、インサイドセールスを活用するのがおすすめです。
2-4.ターゲット顧客が全国に数多く存在する会社
IT系や通販のサブスクリプションサービスなど、「ターゲットとする顧客が全国にたくさん存在している場合」も、インサイドセールスの導入が向いています。
インサイドセールスの強みは「場所に捉われず多くの顧客へ効率よくアプローチできる」という点です。
そのため、頻繁に会いに行くことができないような遠方に顧客がいる場合でも、何の問題もなく関係を深めていくことができます。
逆に、自社のターゲットが本社近辺のみで数も少ないという場合は、インサイドセールスを導入する必要性は薄いでしょう。
むしろその数社の顧客をこまめに訪問することで強固な関係を築くほうが、有効だと考えられるためです。
2-5.営業効率を高めたい会社
インサイドセールスを導入すると以下のようなメリットが生まれるため、営業効率を高めていきたいと考えている会社にも向いています。
インサイドセールスを導入することで生まれるメリット |
・顧客の訪問にかかる時間や費用を削減できる |
これまで述べてきた通り、インサイドセールスは従来の営業手法と比べると「余計な訪問コストを減らして効率よく多くの顧客に対応できる」という特徴があります。
さらに従来は、初回訪問を拒否されるとアプローチの手段が断たれていましたが、インサイドセールスであればメールや電話などを利用して適度な距離感を保ちつつ徐々に顧客の温度感を高めていくことができるため、成約数を増やすことができます。
そのため「少ない労力で大きな成果を得られる営業手法を社内にとり入れたい」と考えている会社の場合は、インサイドセールスの導入が向いているといえるでしょう。
3.効果的なインサイドセールスを実現するためのポイント
インサイドセールスの導入が向いている会社の特徴を解説してきました。ここまでお読みいただいたことで、「自分の会社の場合はインサイドセールスを取り入れるのが良さそうだ」と感じた人もいるのではないかと思います。
そこでこの章では、実際にインサイドセールスの導入を検討したいと思っている人に向けて、効果的なインサイドセールスを実現するためのポイントを以下の項目に分けてお伝えします。
効果的なインサイドセールスを実現するためのポイント |
・コンタクトセンター(コールセンター)にその役割を担わせる |
インサイドセールスは比較的新しい概念の役割であるため、「どのように実現すれば成功するのか」がわからない人も多いと思います。
しかしこれをきちんと理解していないと、「せっかく導入したのに効果が出ない…」という状況を招いてしまいます。
効果を出すためのポイントを事前に学んでおくことで、成功までの道筋を具体的にイメージできるようにしていきましょう。
3-1.コンタクトセンター(コールセンター)にその役割を担わせる
一つ目のポイントは、「インサイドセールスの役割をコンタクトセンター(コールセンター)に担わせる」という点です。
コンタクトセンター(電話やメールに加え、SNS、チャットなど幅広いコミュニケーションチャネルを利用して、顧客と企業を結ぶ部署を指す。以前は電話コミュニケーションのみだったので、コールセンターと呼ばれており、現在でもコールセンターで表現されている所も多い。)は非対面のコミュニケーションを得意とする部署であるため、インサイドセールスとの親和性が非常に高いのが特徴です。
コンタクトセンターでインサイドセールスを実施するメリットは以下の通りです。
コンタクトセンターでインサイドセールスを実施するメリット |
・電話やメールなどでのコミュニケーションを得意とする担当者が対応することで、見込み客と良い関係性を築くことができる |
これ以外の選択肢としては「ゼロから新規部署を作る」「従来の営業部の事務社員などにインサイドセールスを担当させる」というやり方もあります。
しかしそういった方法では、採用・教育から丁寧に始めなければならないため、立ち上がりが遅くなってしまいます。
さらに、従来の社員を無理に異動させたり兼務させたりすると、不得手な分野で成果を出せずにモチベーションを失ってしまい、施策がうまくいかないという状況に陥りやすくなります。
インサイドセールスには、適度な距離感で先方の感情や困りごとに寄り添い、心地よいワードチョイスで潜在的なニーズを引き出していくことが求められます。
このような専門的な素質が必要であるため、不慣れな部署や担当者に無理に任せるよりは、既に高いスキルや経験を持っているコンタクトセンターにこの役割を担わせることが、インサイドセールスを成功させるための重要なポイントとなるのです。
3-2.アウトバウンド・インバウンド型インサイドセールスを上手く活用する
二つ目のポイントは「アウトバウンド・インバウンド型インサイドセールスを上手く活用する」というものです。
アウトバウンド型とはどういうことかというと「顧客に対して能動的にアプローチをすることで見込み客を増やす」手法のことを指します。
これに対してインバウンド型のインサイドセールスという概念も存在します。これらの違いは以下の通りです。
インサイドセールスの種類 ~アウトバウンド型とインバウンド型~ |
・アウトバウンド型インサイドセールス ・インバウンド型インサイドセールス |
この2種類の方法を効率的に活用することで、インサイドセールスは効果を生みます。
例えば王道としては「自社HPのA商材のホワイトペーパーをDLした人に、Aに関連する事例や最新ニュースをメルマガに掲載し、リンクをクリックした人(多少関心を持っていると推測される)に対して電話をかけて、より深いニーズを聞き出す」というようなやり方があります。
このように事業拡大を効率よく進めていくためには、アウトバウンド・インバウンド型を必要に応じて活用していくのが有効であることを覚えておくと良いでしょう。
3-3.リードナーチャリングを意識する
最後のポイントは「リードナーチャリングを意識する」という点です。
リードナーチャリングとは、見込み客(リード)を育成(ナーチャリング)することで購入意欲を高め、成約を目指すマーケティング手法のことです。
リードナーチャリングとは |
まだ充分に購入意向を固めていない見込み客に対して、メルマガやセミナーなどで適切な情報提供を行い継続的にアプローチすることで、購入意欲を喚起していくこと |
特にBtoBビジネスでは成約に至るまでの顧客の検討期間が長いため、温度感を正しく見極め、適切なタイミングで情報を提供し続けることで信頼感を得ることが重要となります。
リードナーチャリングを意識した施策を行えていれば、「顧客にニーズが発生したのに他社に奪われてしまった」という事態に陥るのを防ぐことができるでしょう。
また「何となく安いから購入しよう」「キャンペーン中だからお得なのかな」というように深い考えを持たずに購入するのと違って、自社のサービスをしっかり理解したうえで購入してくれるようになるため、購入後の自社の重要な優良顧客になってくれる可能性も高くなります。
そのため「顧客がすぐに購入を決断しないような商材を取り扱っている」「競合を抑えて事業拡大していきたい」という場合は、インサイドセールスを導入する際にリードナーチャリングの考え方を意識して組み立てることが非常に重要なポイントとなるでしょう。
リードナーチャリングを成功させるための方法についてもっと詳しく知りたいという方は、以下の記事もご覧ください。
4.インサイドセールスを成功させるために役立つツール
インサイドセールスを成功させるためのポイントを具体的に解説してきました。
この次は「ポイントはわかったけど、これを自社のリソースだけで実現できるのだろうか」「効率よく実施できるツールはないのかな」ということが気になってくるのではないでしょうか。
インサイドセールスでは膨大な顧客の情報を効率よくさばいていく必要があるため、人の手作業では到底対応しきれません。そこでそれらを行うための専用のITツールを導入するのが一般的です。
そのためこの章では、インサイドセールスを成功させるために役立つツールとして以下の4つを紹介していきます。
インサイドセールスを成功させるために役立つツール |
・MA(Marketing Automation:マーケティングオートメーション) |
「これらのシステムなら、既に自社でも一部を導入している」という企業もあると思いますが、それぞれがインサイドセールスの中で役立つポイントは異なりますので、あらためてどのようなツールtu―ルを何に活用できるのか、という点を見ていくようにしましょう。
4-1.MA(Marketing Automation:マーケティングオートメーション)
インサイドセールスを行う上でベースとなるツールがMA(マーケティングオートメーション)です。
MAとは、以下のように顧客獲得や育成のためのマーケティング活動を可視化したり自動化したりするのに役立つ多機能なツールです。
MA(マーケティングオートメーション)とは |
新規顧客の獲得や見込み客の育成など、マーケティング活動をサポートするツール。自社HPの問い合わせや資料請求フォームなどから訪問者自身が入力した情報やIPアドレスを元に、その後のサイト上での行動を追跡することができる。さらにMAツールから配信したメールの開封状況やURLのクリック状況なども知ることができる。 |
MAツールを活用すると、インサイドセールスを行う際に必要な業務のうち以下を実施することができます。
MA(マーケティングオートメーション)でできること |
・自社サイトを訪問した見込み客の情報(企業名や個人名、サイト上での行動)を取得 |
このツールを使用しない状態でやみくもにメールマガジン等を送っても、成果が出ない時の原因がよくわからないままになってしまいます。
「そもそもメールを開いてもらえていないのか」「メールは開いてくれたが最後まで読まれなかったのか」「最後まで読まれたがリンク先に飛んでもらえなかったのか」「リンク先に飛んでくれたがそのページの内容が響かなかったのか」など、どこがいけなかったのかというポイントがわからないと、改善策も打ちようがありません。
しかしMAツールがあれば、送信したメールに対する顧客の行動が細かくわかるため、効率よくアプローチを進めることができるのです。
4-2.SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)
顧客へのヒアリング内容の整理や共有に役立つのがSFA(セールスフォースオートメーション)です。
SFAとは以下のように、従来の営業活動では属人化しやすかった顧客とのやり取りの共有に役立つため、成功事例の共有や他部署への情報連携などをスムーズにしてくれます。
SFA(セールスフォースオートメーション)とは |
見込み客の情報やコンタクト履歴、アプローチ状況、過去の電話の内容などの営業に関わる情報をデータベース化することで営業活動を支援するツール |
インサイドセールスを行う際に必要な業務の中では、以下のポイントで活用することができます。
SFA(セールスフォースオートメーション)でできること |
・電話によるヒアリングの内容をデータで管理できる |
このツールがないと、顧客とのやり取りの最新情報が社内でうまく共有されないため、別の担当者が見当違いのアプローチを入れてしまい、それによって顧客からの信頼度が下がってしまう…という事態を招いてしまうかもしれません。
またアプローチの進捗も可視化されないため、「計画通りにコミュニケーションがとれているのか?」「どの顧客を重点的にフォローすべきなのか?」などがわからず、蓋を開けてみたら目標を達成できていなかった…という残念な結果になってしまう可能性もあります。
そのため、精度の高いインサイドセールスを実現したい場合にはSFAを導入するべきだといえるでしょう。
4-3.CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)
SFAが「商談」を軸にデータ管理をしていくスタイルであるのに対して、「顧客」を軸に自社との関係性を管理できるのがCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)です。
CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)とは |
顧客の情報(企業名、個人名、部署名、メール配信状況、問い合わせ履歴など)を管理するシステム |
「顧客の属性」や「どのようなメールを過去に送ったか」「自社のどのセミナーに参加したか」「どの担当者といつコンタクトをとったのか」などの情報を一元管理できるのが特徴です。
インサイドセールスで役立つ機能としては以下のようなものがあります。
CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)でできること |
・見込み客と自社の過去の接点を全てデータで管理できる |
このツールがないと、過去から現在に至るまでの顧客の情報をうまく社内で整理・共有することができず、良好な関係の構築が難しくなったり、せっかくたくさんのセミナーやメルマガを通して購入意欲を高めることができたのにベストなタイミングでアプローチをすることができず、機会損失を招いてしまった…という事態に陥ってしまうでしょう。
このように、インサイドセールスを成功させるためにはCRMを活用して情報を管理することが重要となるのです。
トランスコスモスでは、アウトバウンド型インサイドセールスにも対応した顧客管理システム「Contact-Link for CTS」を用意しています。ご興味のある方は以下から資料をご請求ください
4-4.コンタクトセンタ-でインサイドセールスを実施する場合の業務支援ツール
最後に紹介するのが、特にコンタクトセンターでインサイドセールスの業務をサポートしてくれる「transpeech」を紹介します。
transpeech(トランスピーチ)とは、高精度な音声認識機能をベースに、応対品質の向上や成約率、獲得率のアップ、管理者の利便性向上を図ることができるツールです。
transpeechとは |
相手の発言をAIが認識し、スクリプトや切り替えトークを自動でポップアップしたり、蓄積した対応音声を解析して成功/失敗要因を分析したりすることができる音声認識ソリューション。 |
インサイドセールスでは以下のように活用することができます。
transpeechでできること |
・注意すべきキーワードや関連サイトなどをリアルタイムでオペレーターに表示することで、迅速で的確なオペレーションを実現する |
顧客と電話をするという業務には、どうしてもオペレーターの力量に左右されてしまう部分がありますが、こういったAIツールを活用すると、誰が担当しても同じ精度で業務を進めていくことができます。
更に詳しく知りたいという方はこちらの記事もご覧ください。
また、インサイドセールスの仕組みを自社内で構築するのが難しいという場合は外部委託を検討するのがおすすめです。
立ち上げまでにかかる投資や教育のコストを抑えつつ、専門性の高いチームのサポートを得ることで成果を出すことができるためです。
トランスコスモスでは、電話やメールを活用したインサイドセールスだけでなく、インサイドセールスを実施するにあたってのWEBでの顧客流入支援(サイト制作やコンテンツ制作)まで豊富なノウハウと事例・実績を基にご支援することが可能ですので、関心のある方は気軽にお問い合わせ下さい。
まとめ
インサイドセールスとテレアポの大きな違いは、「インサイドセールスの目的は見込み客の育成」であるのに対して「テレアポの目的はアポイントの獲得」であるという点でした。
ただし目的以外にも以下のような違いがあるため、まずはそれぞれについて詳しくお伝えしました。
インサイドセールスとテレアポの違い |
・目的の違い |
その後、インサイドセールスを導入すべき会社の特徴として下記の5つの項目を解説しました。
インサイドセールスを導入すべき会社の特徴 |
・購買までに時間がかかる商材を取り扱っている会社 |
そして実際にインサイドセールスの導入を検討したいとお考えの方に向けて、効果的なインサイドセールスを実現するためのポイントとして以下の内容をお伝えしました。
効果的なインサイドセールスを実現するためのポイント |
・コンタクトセンター(コールセンター)にその役割を担わせる |
最後に、実際にインサイドセールスを成功させることができるよう、以下の4つのツールも紹介しました。
インサイドセールスを成功させるために役立つツール |
・MA(Marketing Automation:マーケティングオートメーション) |
最後までお読みいただいたことで、インサイドセールスとテレアポの違いについて理解した上で、自分の仕事にインサイドセールスを活用すべきかどうかがわかり、具体的にするべきことまでイメージがつくようになったのではないでしょうか。
インサイドセールスを有効活用することで、理想のビジネスを実現させていきましょう。