「コンタクトセンター(コールセンター)にテレワークを導入するべき?導入のメリットが知りたい」
「コンタクトセンターにテレワークを導入するのは難しい?課題や注意点は?」
昨今は多様な働き方が推進されており、コンタクトセンターにもテレワークを導入するべきか悩んでいる担当者は多いのではないでしょうか?
結論から言うと、コンタクトセンターにはテレワークを導入するべきです。トランスコスモスは2023年7月時点で最大3,500席の在宅オペレーション運営をしています。その中で、テレワークが下記のような課題解決につながっていることが分かりました。
コンタクトセンターにテレワークを導入することで解決できる課題 |
・人手不足の解消:全国を対象に求人できオペレーター不足を解消できる |
つまり、テレワークを導入することでコンタクトセンターが抱えている課題を解消し、よりサービス提供がしやすい環境を構築できます。
しかし、テレワークは、常設のコンタクトセンターとは環境が大きく異なります。あらかじめ注意するべき点や手順を理解して、取り組むことが大切です。
そこでこの記事では、コンタクトセンターのテレワーク導入が注目されている理由や導入のメリット、手順などを詳しく解説していきます。実際にテレワークを導入した成功事例も紹介しているので必見です。
▼ 本記事のポイント |
この記事を最後まで読めばコンタクトセンターにテレワークを導入するべき理由や手順が分かり、実践できるようになります。
コンタクトセンターへのテレワーク導入はトレンドでもあるので、ぜひ参考にしてみてください。
1.コンタクトセンター(コールセンター)のテレワーク導入が注目されている理由
近年、コンタクトセンター(コールセンター)のテレワーク導入がトレンドとなっています。
トランスコスモスは2023年7月時点で最大3,500席の在宅オペレーションを運営しており、今後はさらに規模が拡大していく見込みです。
コンタクトセンターのテレワーク導入が注目されている理由には、次の3つがあります。
コンタクトセンターのテレワークが注目されている理由 |
①人手不足を解消できる |
トランスコスモスの実データを踏まえて、コンタクトセンターのテレワーク導入が重要な理由をご紹介します。
1-1.コンタクトセンター(コールセンター)の人手不足を解消できる
1つ目は、コンタクトセンターの人手不足を解消できることです。コンタクトセンター業界の人手不足は深刻化しており、採用に課題を感じている担当者が多いです。
実は、テレワークを導入し柔軟な働き方を取り入れることが、人手不足解消の鍵となっています。トランスコスモスでオペレーターの在宅勤務を開始したところ、下記のような変化がありました。
【在宅勤務を開始したことで起きた変化】 ・求人に「在宅勤務」の要件を追加したことで応募者数が3~6倍増加 |
求人情報に「在宅勤務」の要件を追加したことで、応募者数が3~6倍も増加しました。
この背景には、ライフスタイルに応じて柔軟に働きたい求職者のニーズが潜んでいます。センター勤務はできないけれど自宅でなら勤務できる層を取り入れたことで、応募者数を大幅に増やすことができました。
また、在宅勤務にすると、拠点に足を運べない全国の求職者にもアピールできます。その結果、応募者数が320%アップし、優秀な人材を確保しやすくなりました。
このようにテレワークを導入することで、自社で働ける対象者の枠を広げることができ、人材不足の解消につながります。
1-2.応対品質が向上する
2つ目は、応対品質が向上することです。
人手不足や高稼働率が慢性化していると、オペレーターの負担が大きく品質が低下しやすいです。場合によってはオペレーターのやる気も下がり、退職者が増加するでしょう。
また、コンタクトセンター業務が忙しいと教育機会の捻出が難しく、応対品質を向上させるための取り組みもできません。
テレワークを導入し一定の人材不足を解消することができれば、コンタクトセンターの生産性を維持できます。時間や運営コストにゆとりが生まれるため教育機会を作りやすく、研修やセミナーなど付加価値をつけるための取り組みが可能です。
その結果、応対品質が向上しトラブルやクレームも少なくなり、オペレーターが勤務しやすい好循環を生み出せます。
このように、テレワークの導入によりコンタクトセンター運営を安定させて、応対品質を向上させるための施策に取り組めるようになるのです。
1-3.BCP対策ができる
3つ目は、BCP対策ができるところです。
BCP(Business Continuity Plan)対策とは自然災害やパンデミックなどの緊急事態が起きたときに企業の損害を最小限に抑えて、事業の継続や早期復旧を目指すための計画のことです。
過去には下記のように、コンタクトセンターの運営が困難になった事例があります。
▼東日本大震災下でのコンタクトセンター運営 ▼新型コロナウイルスの感染拡大防止によるコンタクトセンターの運営 |
上記の事例から分かるように、コンタクトセンターへの出勤に依存してしまうと、緊急事態が起こったときに運営が難しくなります。
そのため、コンタクトセンターでは拠点分散化の動きがあり、テレワークもその一環です。コンタクトセンター1箇所にすべてを集約するのではなく複数拠点を持ち、運営することで、リスク分散ができるようになります。
2.コンタクトセンター(コールセンター)にテレワークを導入するメリット
コンタクトセンター(コールセンター)にテレワークを導入する主なメリットには、次の3つがあります。
コンタクトセンターにテレワークを導入するメリット |
①オペレーターが働きやすい環境を提供できる |
コンタクトセンターへのテレワーク導入を検討するときに知っておきたいポイントなので、ぜひ参考にしてみてください。
2-1.オペレーターが働きやすい環境を提供できる
コンタクトセンターの価値を最大化するには、オペレーターが前向きに働ける環境の構築が欠かせません。コンタクトセンターにテレワークを導入すると、次の2つの理由でオペレーターの満足度を向上できます。
①ライフスタイルに応じた働き方ができる
コンタクトセンターへの出社が必須となると、育児や介護などをしながら働くことが難しいです。
テレワークを導入すると家事や育児、介護などさまざまな背景を持つオペレーターが働きやすくなり、ワークライフバランスを保ちながら前向きに取り組めるようになります。
②稼働率の最適化を目指せる
コンタクトセンターが人材不足になっていると稼働率が高く、オペレーター一人一人への負担が大きいです。
場合によっては心身ともに疲弊し、退職を招くケースもあります。テレワークを導入し十分な人材を確保することでオペレーターの負担が軽減でき、無理なく働けるようになります。
トランスコスモスの調査では在宅勤務導入により、従業員エンゲージメントが右肩上がりに向上することが分かりました。
このように、テレワークの導入は、オペレーターの働きやすい環境構築に一役買ってくれます。
2-2.運用コストを最適化できる
コンタクトセンターにテレワークを導入すると、以下の費用が最適化できます。
【コンタクトセンターにテレワークを導入すると最適化できるコスト】 ・コンタクトセンターの賃料や設備(オフィスを縮小できる) |
例えば、100人のオペレーターを必要とするコンタクトセンターを運営する場合、80人をテレワークにすると80人分の交通費や設備費を削減できます。※別途手当が必要な場合も有り
コンタクトセンターの規模を縮小できるため、場合によっては家賃を下げることも可能でしょう。また、オペレーターの定着率が向上すると予測できるため、人材採用や育成にかかるコストも削減できます。
2-3.安定した運営ができる
「1-3.BCP対策ができる」でも触れましたが、テレワークができる環境を構築しておくことで、パンデミックや自然災害など起こりうるリスクに備えた運営ができます。
テレワーク環境のないコンタクトセンターの場合、センターに出勤できなければ業務ができません。急な災害で出勤ができなくなると、業務に支障が出ることが考えられます。
一方で、テレワークができる仕組みや環境が整っていれば、今まで通り業務を継続できます。社内にテレワークのノウハウがあるため、センター勤務のオペレーターをテレワークに切り替えることも検討できるでしょう。
このように、テレワークを導入していればBCP対策ができるのはもちろんのこと、いざという時に備えた安定した運用が実現できます。
コンタクトセンターのBCPの対策については下記の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
3.コンタクトセンター(コールセンター)にテレワークを導入するときの課題
コンタクトセンター(コールセンター)にテレワークを導入するメリットが把握できたところで、気になるのは注意点や課題です。テレワークを導入するときには、下記の4つのポイントが課題になりやすいです。
コンタクトセンターにテレワークを導入するときの課題 |
①テレワークに特化したセキュリティ対策が必要となる |
事前に把握しておけば課題を解消できるので、ぜひ参考にしてみてください。
3-1.テレワークに特化したセキュリティ対策が必要となる
コンタクトセンターにテレワークを導入するときには、テレワークに特化したセキュリティ対策が必要です。
総務省が公表している「テレワークセキュリティガイドライン第5版」によると、「人」「ルール」「技術」のバランスが取れたセキュリティ対策が求められています。
コンタクトセンターにテレワークを導入するときのセキュリティ対策 | |
ルール | セキュリティを強化できるルールを設けて実行する |
人 | ルールを遵守するようにセキュリティに関する教育を行う |
技術 | 人やルールでは対応できない部分は、セキュリティ対策ツールを使い補完する |
例えば「ルール」では、テレワーク向けに守るべきルールを明確化します。業務に使用する端末の指定や業務中のセキュリティ対策など、細かな部分まで策定する必要があるでしょう。
「人」では、設けたルールを守れるようにセキュリティ教育を実施します。ルールを守らないとどのような脅威が起こるのかしっかりと伝え、一人一人がルールを守れる基盤を構築します。
そして「技術」ではルールだけでは補えない脅威に対して、ツールを使い対策をします。具体的にはセキュリティ対策ソフトなどを導入して、トラブルが起こらないよう取り組みます。
このように、テレワークではコンタクトセンターとは異なるセキュリティ対策を検討、実施する必要があります。
コンタクトセンターのテレワークにおけるセキュリティ対策は、以下コラムでも紹介していますので参考にしてください。
3-2.オペレーターのマネジメントを工夫する
テレワークでは物理的にオペレーターと離れた環境にいるので、マネジメント方法を工夫しなければなりません。とくに課題となるのは「勤怠管理」「品質管理」「場所の管理」の3つです。
オペレーターのマネジメントで課題となる3つのポイント | |
①勤怠の管理 | 出勤や退勤、休憩などオペレーターの勤怠状況が把握しにくい |
②品質の管理 | コンタクトセンターと同様の品質を維持できているのか確認しにくい |
③場所の管理 | どこで業務をしているのか場所の把握が難しい |
勤怠や場所の管理ができてないと、オペレーターが業務を行っているのか把握できません。出勤報告のみ行い、他の作業をしていることも考えられます。
また、品質管理ができていないと、応対品質の低下を招きます。最悪のケースとしては、クレームやトラブルにつながる可能性があります。
この3つを管理するためには、ツールの導入がおすすめです。物理的に離れていてもオペレーターの勤務状況を把握できるツールを使うことで、コンタクトセンターと同様の勤務体制を維持しやすくなります。
コンタクトセンターのテレワークにおけるマネジメントには以下コラムでも紹介していますので参考にしてください。
3-3.積極的にオペレーターとコミュニケーションを取る
テレワークはオペレーターの自由度が増す一方で、孤立しやすくなります。コンタクトセンター勤務のようにオペレーター同士で相談や雑談をして、モチベーションを上げることが難しいです。
また、不安や悩みがある場合に、すぐに周囲に相談ができる環境でもありません。不安や不満を抱え込みやすく、気がつくとモチベーションが低下しているケースがあります。
そのため、テレワークでは、積極的にオペレーターとコミュニケーションを取る工夫が必要です。
・毎朝オンライン朝礼をして必ず顔合わせをする |
など、オペレーターとコミュニケーションを取る機会を設けるようにしましょう。
3-4.通話品質を一定に保つ必要がある
テレワーク時は一般的には、インターネット回線を使用した電話システムを使います。そのため、オペレーターの住居エリアや使用機器、通信環境によって通話品質が異なります。
インターネット回線の電話が不安定な環境では会話が途切れやすく、場合によってはクレームにつながる可能性があります。あらかじめ通話テストを実施し、一定の通話品質が維持できるか確認することが大切です。
通信品質が保てない場合は、運営側からWi-Fi機器やパソコンなどの電子機器を貸し出しすることも検討できるでしょう。また、電波が途切れた場合や会話が聞こえにくい場合のトークスクリプトを用意し、対処法を考えておくと安心です。
コンタクトセンターのように誰もが同じ環境で業務を行うわけではないので、業務ができる環境を整えなければならないことも念頭に置いておきましょう。
4.コンタクトセンター(コールセンター)でのテレワーク導入事例
コンタクトセンター(コールセンター)にテレワークを導入するイメージを持てるよう、4章ではコンタクトセンターにおけるテレワークの導入事例をご紹介します。
4-1.大手製造メーカー様の事例
1つめは、いち早くコンタクトセンターの在宅化を進めてきた大手製造メーカーA社様の事例です。
A社様がコンタクトセンターの在宅化において懸念していた課題は以下の3つです。
①サービスレベルの低下 |
サービスレベルの低下
A社様は従業員の安全や新型コロナウイルス感染拡大防止のためには、一度にコンタクトセンター(コールセンター)をテレワーク化することが有効であると考えていました。一方で、全員が一斉にテレワークへ移行すると、サービスレベルの低下につながる懸念がありました。
そこで、初期ステップとして、業務習熟度が高いベテランオペレーター数名を在宅勤務に移行しました。並行して、以下の3つの状況に着目して、本格的な在宅移行ができるかを判断しました。
①サービスレベルの維持 ②音声品質 ③管理者オペレーション |
上記3つが問題ないと判断できた際に次の週から数名を追加で在宅化していくことを繰り返し、まずはオペレーターを100%移行、次に管理者を在宅移行し在宅率100%を達成しています。
コミュニケーションの希薄化
在宅勤務ではコンタクトセンターのように、従業員同士が顔を合わせて話す機会が減ります。相手の表情が分からないチャットを利用したテキストベースのコミュニケーションが中心になります。
その結果どうしても、コミュニケーションが希薄になる懸念がありました。
組織にとってコミュニケーション不足は業務連携が取りにくくなる問題に直結するため、避けなければならない問題です。
そこでA社様では、ビデオチャットを積極的に活用するようにしました。
具体的には社内の朝礼や面談、管理者からオペレーターに対するフィードバックは必ずビデオチャットを使うようにし、お互いの顔を見ながら話をするようにしました。
その結果、管理者からオペレーターに対して必要事項を伝えるだけでなく、オペレーターの理解度や反応を確認できるようになり、センターにおける対面でのコミュニケーションレベルと同じレベルが保てるようになりました。
さらには、オペレーター同士のコミュニケーション活性化にもつながり、オペレーター発信でのビデオチャットを使ったランチ会を実施するなど在宅移行前と比べてコミュニケーションが活発化しています。
セキュリティリスク
在宅勤務におけるセキュリティリスクの中でも、とくに遠隔アクセスをどこまで許可するのかが問題となっていました。
コンタクトセンターオフィスのように、社内ネットワークでなければ必要なサポート資料やお客様情報を参照するのは簡単ではありません。そこで、アクセス権に関しては在宅シミュレーションで何度も協議を重ね、どこまでの範囲を許可するのかを決定していきました。
また、在宅勤務におけるルールの設計では、携帯電話やメモ帳などの作業現場への持ち込みを禁止し、業務パソコンにもグループポリシーを設定、USBや光学ドライブも会社側で制御することで、ダウンロードができないようにしました。
こうした結果、コンタクトセンター勤務時と同レベルの就業意識、セキュリティ意識を持って働ける環境の整備に成功しています。
4-2.動画配信プラットフォーム事業者様の事例
2つめは、動画配信プラットフォームを運営しているB社様です。
B社様では、コンタクトセンターの在宅化を行う上で以下のような課題がありました。
①勤怠率の低下 |
それぞれ詳しく見てみましょう。
勤怠率の低下
B社様では、勤怠率が90%を切っていることが課題となっていました。そのため、在宅移行と勤怠率改善を同時に進める必要がありました。
在宅勤務を進めるにあたり新たに勤怠と連動させたルールを策定し、評価制度にも反映させました。
勤怠と連動させたルール作りは、以下のような内容となっています。
・勤怠不良の場合は在宅解除 |
評価制度では勤怠率の評価項目とは別に適用する「皆勤賞」を設けました。皆勤賞の場合は評価ポイントが加算され、時給査定にも影響するようにしています。
このような施策の結果、勤怠率90%以下だった従業員が勤怠率98%になるなど、勤怠率向上やオペレーターの自律性を高めることに成功しています。
稼働管理ができていない
B社様では、コンタクトセンターを在宅化するとオペレーターが適切に業務を行えているのかを把握できない点を課題と感じていました。
そこで稼働管理ツールを導入し、作業が停止する、休憩時間が超過するなどのときには管理者が感知できるようにしました。
また、業務中は常にオペレーターを映すカメラをオンにすることで、すぐにリスクやトラブルを感知できるようにしました。
その結果、迷っている際にはすぐフォローしたり、「エスカレーション以外で誰かと話している様子が伺える」といったトラブル時にも対応ができたりするなど、在宅であってもオペレーターが適切な業務を行えるような環境づくりをすることに成功しています。
5.コンタクトセンター(コールセンター)にテレワークを導入する4ステップ
ここで、コンタクトセンター(コールセンター)にテレワークを導入する流れを押さえておきましょう。
・ステップ1:テレワーク環境を構築する |
5-1.ステップ1:テレワーク環境を構築する
1つ目のステップは「テレワーク環境を構築する」です。
まずは、オペレーターや管理者が自宅で業務を滞りなく進められるような環境を構築しなければ、コンタクトセンターのテレワーク化の実現はできません。
企業側がテレワーク環境を構築するにあたって用意が必要なものは、以下のとおりです。
・システム環境 |
それぞれ詳しく解説します。
システム環境
コンタクトセンターのテレワーク化にシステム環境の構築は必須です。在宅でも発着信や顧客管理が可能なシステム環境を整える必要があります。
在宅でコンタクトセンターを行うためのシステムには、主に以下3つを用意することで、在宅コンタクトセンターの基本的なシステム環境が整います。
クラウドPBX | インターネット回線を使用して電話の通話を行うサービスのこと。 |
CTI | コンタクトセンターに必要な電話をパソコンと連携できるシステムのこと。 |
CRM | 顧客情報や履歴をデータとして蓄積し、対応時に活用することで、サービスレベルの向上や業務効率化を図るためのシステムのこと。 |
パソコン、ヘッドセット
オペレーターがコンタクトセンターのシステムを利用するためのパソコン、通話を行うためのヘッドセットも必要です。
パソコンは仮想デスクトップ化されていると、オペレーターが在宅でいながら、業務上発生するすべての情報のやり取りをオンライン上で行うことが可能になり、堅牢なセキュリティ対策となるため、おすすめです。
VPN
VPNとは、仮想のプライベートネットワークのことです。
送受信するデータを暗号化できるため、外部への情報漏えいを防げます。在宅オペレーターの利用する端末から社内情報へのアクセスを安全に行うためには、VPN環境の構築は必須であるといえます。
トランスコスモスでは、テレワーク環境準備にあたり、在宅コンタクトセンターサービスを提供し、お客様企業に合わせた構築・運用を行っています。以下ソリューションページも是非ご覧ください。
5-2.ステップ2:テレワーク環境下でのマニュアルやルールを作成する
2つめのステップは「テレワーク環境下でのマニュアルやルールを作成する」です。テレワーク化では業務で不明な点があったとしても、すぐに管理者に相談できるとは限りません。
すぐに参照できるマニュアルがあれば、オペレーターは安心して業務に取り組めるだけでなく、スピーディな対応が可能になります。
また、これまでとは異なる勤務形態であり、ルールを定めないと以下のような状況になる可能性があるため、ルールの再作成が必要になります。
▼コンタクトセンター(コールセンター)のテレワーク化でルールを定めなかった場合のトラブル例 ◆業務開始・終了の通知方法を定めなかった場合 ◆管理者とオペレーターとのコミュニケーションのとり方(朝礼や面談はWEB会議システムで行う、エスカレーションがあればチャットで連絡するなど)を決めなかった場合 ◆セキュリティに関するルールを定めなかった場合 |
このような状況に陥らないためにも、以下を参考にしてテレワーク環境下ではマニュアルやルールを再作成しましょう。
▼コンタクトセンターをテレワーク化する際のマニュアル再作成のポイント ・事前に在宅オペレーターとロールプレイングを行ってシミュレーションをしておくことで、具体的な場面が想起でき、テレワーク用に改善するべき点が見えるようになる。 |
▼コンタクトセンターをテレワーク化する際のルール再作成のポイント ・管理者とオペレーターとのコミュニケーションの取り方を決めておく。 ・セキュリティに関するルールを定めておく。 コンタクトセンターによって、状況は違うため、自社に合うルール設定を以下のガイドラインを参考にして作成しましょう。 |
5-3.ステップ3:研修を実施する
3つめのステップは「研修を実施する」です。セキュリティの意識を高める研修や、機材やツールの詳しい使い方研修を実施しましょう。
オペレーターや管理者に対して研修を実施することで、
・セキュリティの意識を高められる |
といったことが可能になるのです。
具体的には、以下のような研修の内容を実施しましょう。
▼コンタクトセンター(コールセンター)をテレワーク化する際に実施したほうが良い研修 ◆セキュリティの意識を高める研修 ◆機材やツールの使い方研修 |
5-4.ステップ4:テレワーク運用検証後、小規模でスタートする
4つめのステップは「テレワーク運用検証後、小規模でスタートする」です。
テレワークを実施するにあたって、いきなりスタートするのではなく、テレワーク運用の検証をするのが良いでしょう。
まずは、システムおよびリモート環境でのオペレーションに問題がないかの確認、オンラインツールを利用した、エスカレーションやリモート研修に慣れることが重要です。
運用変更を考えないでテレワークを行っても、オペレーションは成功しません。
在宅にシフトチェンジする前提でオペレーションを組み替えて、センター以上のパフォーマンスが出せるためにはどうしていくかを検討していくことが成功の近道となります。
なお、テレワークを導入後は、以下の項目に対して効果測定を行います。参考にしてみてください。
▼ 評価項目例 |
いきなり大規模での導入は難しいので、上記項目を小規模スタートの中から評価し、拡大範囲を決めていきましょう。
トランスコスモスではコンタクトセンターのテレワーク化をサポートする「在宅コンタクトセンターサービス」をご提供しており、以下のようなスケジュールでテレワーク化のご支援を行っております。
6.コンタクトセンター(コールセンター)にテレワークを導入する際の注意点
最後に、コンタクトセンター(コールセンター)にテレワークを導入する際の注意点をお伝えします。
・無理のない範囲からスモールスタートする |
順に見ていきましょう。
6-1.無理のない範囲からスモールスタートする
1つめの注意点は「無理のない範囲からスモールスタートする」ことです。
スモールスタートとは文字どおり“小さく始める”ことですが、コンタクトセンターのテレワーク化を成功させるうえでは重要なポイントとなります。
最初は「チャット業務の一部のみ」「数名のオペレーターのみ」など限定してチャレンジすることで、導入の障壁が低くなると同時に重大なトラブルを回避できます。
前述のテレワーク運用検証後、小規模でスタートするプロセスとも重複しますが、最初は運用検証の上、小さく始めて、成果検証ができた部分から広げていくようにスケジュールを設計しましょう。
6-2.テレワーク用のオペレーションを確立する
2つ目は、テレワーク用のオペレーションを作成することです。
コンタクトセンター勤務とテレワーク勤務は業務内容は同じであっても、勤務環境や業務の手順が異なります。コンタクトセンター勤務用のオペレーションのみで運営していると、対応できない部分が多々あります。
【テレワーク勤務用にオペレーションを見直すポイント】 |
とくに、不明な点やトラブルが起きたときのエスカレーション方法は明確にしておきたいポイントです。テレワーク勤務では常に相談できる人が近くにいないので
・すぐにチャットで連絡をする |
など、すぐにサポートできる体制を整えておきましょう。
テレワークの導入に悩んでいる場合やどこから始めればいいのか分からない場合は、トランスコスモスの「在宅コンタクトセンターサービス」がおすすめです。在宅コンタクトセンターサービスではテレワーク導入時に課題となりやすい3つのポイントをサポートします。
安全性と生産性を維持した状態で安心してテレワーク勤務ができるよう、現状を踏まえた提案をしております。コールセンターへのテレワーク導入でお悩みの場合は、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
コンタクトセンター(コールセンター)のテレワーク化とは、オペレーターの自宅をはじめとするオフィス以外の場所で、インターネットやデジタルツールを活用してコンタクトセンター業務を行うことです。
コンタクトセンターへのテレワーク導入が注目されている理由は次の3つです。
・人手不足を解消できる |
コンタクトセンターにテレワーク導入するメリットは以下のとおりです。
・オペレーターが働きやすい環境を提供できる |
コンタクトセンターにテレワークを導入するときの課題は以下のとおりです。
・テレワークに特化したセキュリティ対策が必要となる |
コンタクトセンターにテレワークを導入する流れを4ステップでご紹介しました。
・ステップ1:テレワーク環境を構築する |
コンタクトセンターにテレワークを導入する際の注意点として次のポイントが挙げられます。
1.無理のない範囲からスモールスタートする |
この記事が、あなたのコンタクトセンターへのテレワーク導入の成功につながることを願っています。