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インサイドセールスとテレアポの違い|導入すべき会社の特徴を解説

この記事で学べること

効果的なインサイドセールスを実現するために、テレアポとの違いや、導入時のポイントやおすすめのツールをご紹介します。

  • インサイドセールスとテレアポの目的:インサイドセールスの目的が「見込み客の育成」であるのに対し、テレアポの目的が「アポイントの獲得」
  • インサイドセールスを導入すべき会社の特徴:購買までに時間がかかる商材や、カスタマイズ性の低い商材を取り扱っている会社、リードが取れているのに有効活用できていない、顧客が全国に数多く存在する、営業効率を高めたい会社に対しインサイドセールスを導入することが効果的です。
  • インサイドセールスを実施のポイント:リードナーチャリング(見込み顧客の育成)、アウトバウンド・インバウンド型の使い分け、コンタクトセンターの活用が重要。
  • インサイドセールスに役立つツール:MA(マーケティングオートメーション)、SFA(営業支援システム)、CRM(顧客関係管理)の3つのツール導入がおすすめ。

「インサイドセールスとテレアポの違いがよくわからない…」
「アポイントを取るのだから、両者は同じでは?」

このように思われる方も多いのではないでしょうか。

確かに、電話を使った非対面の営業手法という点では共通していますが、目的や業務の範囲には大きな違いがあります。

具体的には、以下の通りです。

項目

インサイドセールス

テレアポ

目的

・見込み顧客との中長期的な関係構築
・商談のタイミングを見極める
・(企業によっては)成約

・アポイント獲得

業務範囲

・リード獲得
・アプローチ
・アポイント獲得
・(企業によっては)商談、クロージング

・アポイント獲得

この表からもわかるように、顧客との関係を中長期的に構築するなら、インサイドセールスの導入が推奨されます。

しかし、扱う商材の特性や企業の営業方針によって、どちらが適しているかは変わります。2つの手法の違いを理解できていないと、自分の業務にどちらを取り入れるべきか迷ったり、導入後に「思っていたのと違った」と感じたりすることになるでしょう。

この記事では、「インサイドセールスとテレアポの違いを知りたい」「自社にどちらを導入すべきか判断したい」という方に向けて、詳しく解説します。

さらに、「自分はインサイドセールスを活用すべきだ」と感じた方に向けて、効果的なインサイドセールスを実現するためのポイントやおすすめのツールも紹介します。

最後までお読みいただければ、インサイドセールスを活用すべきかどうかが明確になり、成功のために具体的に何を行うべきか理解できるでしょう。それでは、早速見ていきましょう。

1.インサイドセールスとテレアポの違い

インサイドセールスとテレアポの違い

インサイドセールスとテレアポの主な違いは、インサイドセールスの目的が「見込み客の育成」であるのに対し、テレアポの目的が「アポイントの獲得」という点です。この目的の違いは、その他の要素にも影響を与えます。以下の4つの観点から、両者の違いを詳しく解説します。

【インサイドセールスとテレアポの違い一覧表】

項目

インサイドセールス

テレアポ

目的

・見込み顧客との中長期的な関係構築
・商談のタイミングを見極める
・(企業によっては)成約

・アポイント獲得

時間
(効果測定期間)

長期

短期

成果指標

・コール数
・接続数
・商談獲得数(率)
・有効商談獲得数/率
・受注貢献数/率
・受注貢献金額
・受注数(率)
・受注額

・コール数
・接続数
・商談獲得数(率)

手法

・電話
・メール
・手紙
・コンテンツマーケティング
・SNS

・電話

両者には「見込み顧客に電話をかける」という共通の行動がありますが、目的が異なるため、期待される成果や効果も異なります。この違いを理解しておくと、自社のビジネスにどちらを有効に活用すべきか判断できます。

この機会に、インサイドセールスとテレアポの違いをしっかりと学び、自社にとって最適な営業手法を見極めていただければ幸いです。

1-1.「インサイドセールス」と「テレアポ」とは

まず、「インサイドセールス」とは、非対面で遠隔から営業を行う内勤営業のことを指します。一般的に「営業」というと、顧客のもとに訪問して商談や打ち合わせを行うフィールドセールスを想像しがちですが、インサイドセールスは内勤に特化しています。

インサイドセールスは、電話やWeb会議ツール、メール、DMなどを活用し、遠隔で顧客や見込み顧客にアプローチします。一般的には「リード獲得」から「アポイント獲得」までを担当しますが、企業によっては「商談・クロージング」までを任されることもあります。

分業型と統合型でのインサイドセールスの対応業務

一方、「テレアポ」は、見込み顧客に電話でアプローチし、商談の約束を取り付ける従来の営業手法です。用意された顧客リストに基づき、記載された電話番号に電話をかけ、アポイントを獲得することを目的とします。

両者の違いを理解するために、まずはこれらの言葉の定義を整理しておきましょう。

1-2.目的の違い

インサイドセールスとテレアポの目的は、以下のように異なります。

【インサイドセールスとテレアポの目的】

項目

インサイドセールス

テレアポ

目的

・見込み顧客との中長期的な関係構築
・商談のタイミングを見極める
・(企業によっては)成約

・アポイント獲得

インサイドセールスでは、顧客が自発的に「購入したい」という意欲を持つことを主な目的としているため、「今日は何件アポイントを獲得できたか」といった短期的な成果を重視しません。

じっくりと電話やメールでコンタクトを取り続け、先方のニーズが高まるタイミングでフィールドセールスに引き渡します。

一方、テレアポではフィールドセールスが訪問し、詳しい商品説明を行うための「場」を獲得することが最優先です

そのため、「自社のサービスにあまり関心がなさそうな相手」にも、ノルマ達成のために無理にアポイントを取ることがあるかもしれません。このようなアポイントは、実際に訪問しても成果に結びつきにくく、営業効率が低下する原因となることがあります。

このように、インサイドセールスは「質を問わずとにかくアポイントをたくさん取る」という考え方ではなく、時間をかけて顧客との良好な関係を構築し、「買いたい」という自発的な気持ちを高めることを目的としている点が、テレアポとは大きく異なります。

1-3.必要な時間の違い

インサイドセールスとテレアポでは、成果を出すまでに必要な時間も異なります。

【インサイドセールスとテレアポの時間】

項目

インサイドセールス

テレアポ

時間
(効果測定期間)

長期
顧客との長期的なコミュニケーションが前提となる。

短期
用意されたリストに一斉に電話をかけてアポイント獲得を目指すため、一時的な取り組みの要素が強い。

テレアポは、多くのアポイントを効率よく獲得することを目指すため、短期間での成果を重視します。

それに対し、インサイドセールスは短期的にアポイントを獲得することよりも、顧客のニーズを把握し、良好な関係を構築することに重きを置きます。

そのため、インサイドセールスで成果を出すまでにかかる時間は、テレアポと比べると長くなります。

1-4.成果指標の違い

インサイドセールスとテレアポでは、成果を出すまでにかかる時間が異なるため、成果指標も以下のように異なります。

【インサイドセールスとテレアポの成果指標】

項目

インサイドセールス

テレアポ

成果指標

・コール数
・接続数
・商談獲得数(率)
・有効商談獲得数/率
・受注貢献数/率
・受注貢献金額
・受注数(率)
・受注額

・コール数
・接続数
・商談獲得数(率)

インサイドセールスでは、顧客の「買いたい気持ち」を高め、その気持ちを行動に移せるかどうかが重視されます。テレアポでもアポイント獲得数が成果指標となることはありますが、数よりも質に着目されることが多いでしょう。

インサイドセールスの成果指標について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

1-5.手法の違い

インサイドセールスとテレアポは、その「手法」にも以下のような違いがあります。

【インサイドセールスとテレアポの手法

項目

インサイドセールス

テレアポ

手法

・電話
・メール
・DM
・コンテンツマーケティング
・SNS

・電話

テレアポは電話で商談のアポイントを獲得するため、手法は「電話のみ」に限られています。それに対し、インサイドセールスは中長期的に見込み顧客との関係を構築することが主な目的です。

そのため、インサイドセールスでは電話やメール、DMなどの1対1のコミュニケーションだけでなく、顧客向けの資料作成やSNSなど多様な手法を活用し、見込み顧客との関係性を続けることに取り組みます

【インサイドセールスの手法】

手法

具体的な業務例

電話

・課題、ニーズのヒアリング
・アポイントの獲得
・状況の定期的な確認
・失注案件への再アプローチ

メール

・メルマガの定期配信
・イベントの案内
・顧客のニーズにあわせた商品、サービス情報

DM

・イベントの招待
・お役立ち資料の送付
・商品、サービスのパンフレット送付

コンテンツマーケティング

・お役立ち記事、資料の作成
・導入事例の作成

SNS

・DM送信
・お役立ち情報の発信

このように、インサイドセールスとテレアポは、それぞれの目的に応じて異なる手法を採用しています。

2.インサイドセールスを導入すべき会社の特徴

インサイドセールスを導入すべき会社の特徴

インサイドセールスとテレアポの違いについて詳しく説明してきました。
次に、「自社でインサイドセールスを導入すべきかどうか」を迅速に判断できるよう、「インサイドセールスを導入すべき会社の特徴」をご紹介します。

インサイドセールスを導入すべき会社の特徴

1.購買までに時間がかかる商材を取り扱っている会社
2.カスタマイズ性の低い商材を取り扱っている会社
3.リードが獲得できているが有効活用できていない会社
4.ターゲット顧客が全国に多数存在する会社
5.営業効率を高めたい会社

それぞれの特徴について、以下で詳しく解説していきます。

2-1.購買までに時間がかかる商材を取り扱っている会社

BtoB商材のように、顧客が購買を決定するまでに時間がかかるビジネスを行っている会社では、インサイドセールスの手法を用いて顧客の見込み度を高めることが非常に有効です。

たとえば、企業が全社的にITツールを導入しようと考える場合、担当者が独断で1つのサービスを選んで購入することはほとんどありません。法人が購買を決裁するまでには、通常以下のようなステップがあります。

法人が購買を決裁するまでのステップ

1.業務上の課題を解決する方法を検討する
2.社内で予算を確保する
3.具体的な商材を探す
4.社内で評価を行い、選別する
5.購買の意思決定を行う

会社組織では、担当者、上司、決裁者など権限の異なる複数の人が関与するため、意思決定に数か月かかることも珍しくありません。また、「その商材を購入することで自社にどれほどの利益があるのか」を合理的に判断するため、情報収集に時間をかけ、じっくりと選別を行う傾向があります。

このような背景から、時間をかけて顧客との関係を構築し、潜在ニーズを引き出すことや、定期的な情報提供を通じて信頼感を得ることができるインサイドセールスは非常に相性が良いと言えるでしょう。

2-2.カスタマイズ性の低い商材を取り扱っている会社

「商材のカスタマイズ性が低いこと」も、インサイドセールスを導入する際の重要なポイントです。

カスタマイズ性の低い商材の例

・商品内容や価格、仕様が変動しないもの
・サブスクリプションなどの月額サービス

これらのように、既に商品やサービスの内容や価格が決まっており、顧客に応じて細かな調整を必要としない商材は、インサイドセールスに非常に向いています。

逆に、顧客の要望を細かくヒアリングしながら設計を行うシステム開発や、商品の仕様や価格が未定で、顧客ごとに見積もりを作成しなければならないオーダーメイド商材は、多くの専門知識を必要とします。

このため、ターゲットとの会話が円滑に進まない可能性があり、インサイドセールスにはあまり適していません。

したがって、顧客ごとのカスタマイズが少なく、シンプルでわかりやすいサブスクリプションのような商材を取り扱っている会社は、インサイドセールスとの相性が良いと考えられます。

2-3.リードがとれているのに有効活用できていない会社

「リードは獲得できているのに、その後の受注率が上がらない」という課題を抱えている会社には、インサイドセールスが適しています。

リードを受注につなげることができない原因

・人手不足で顧客へのアプローチが不十分
・営業担当者個人のスキルに依存しており、成功率に差がある
・顧客の潜在ニーズを引き出すノウハウが不足している

従来のフィールドセールスでは、実際に顧客を訪問しニーズの確認や予算感を探るため、1件の顧客にかける時間が長くなりがちです。その結果、人手不足で全てのリードに十分にアプローチできない状況に陥ることがあります。

また、受注の成功は営業担当者のスキルに依存する部分が大きく、ベテランと新人では受注成功率に差が生じることがあります。

しかし、インサイドセールスでは、多くの顧客に一斉にメールを送信して情報提供を行ったり、必要な際に電話をかけて状況を把握したりすることができるため、少人数でも多くのリードに効率よく対応可能です。

さらに、自社内で「このような顧客にはこのステップでアプローチすると受注率が高まる」といったノウハウを蓄積できるため、担当者のスキルの差に捉われず、成功率を高めるためのアプローチ方法も確立できます。

したがって、「現状リードはあるのにうまく活用できていない」と悩んでいる会社にとって、インサイドセールスの導入は非常におすすめです。

2-4.ターゲット顧客が全国に数多く存在する会社

IT系や通販のサブスクリプションサービスなど、「ターゲット顧客が全国に多数存在する場合」には、インサイドセールスの導入が非常に適しています。

インサイドセールスの強みは、「場所に捉われず、多くの顧客に効率よくアプローチできる」という点です。そのため、頻繁に訪問できない遠方に顧客がいる場合でも、問題なく関係を深めることが可能です。

逆に、自社のターゲットが本社近辺のみで、顧客数も少ない場合は、インサイドセールスを導入する必要性は低いでしょう。このような状況では、数社の顧客を定期的に訪問することで、より強固な関係を築く方が有効と考えられます。

2-5.営業効率を高めたい会社

インサイドセールスを導入することで、以下のようなメリットが生まれるため、営業効率を高めたいと考えている会社に向いています。

インサイドセールスを導入することで生まれるメリット

・顧客訪問にかかる時間や費用を削減できる
・効率よく多くの顧客へ一度にアプローチできる
・適度な距離感で顧客を育成し、成約につながる顧客を増やすことができる

これまで述べてきた通り、インサイドセールスは従来の営業手法に比べて「余計な訪問コストを減らし、効率よく多くの顧客に対応できる」という特徴があります。

従来の手法では、初回訪問を拒否されるとアプローチの手段が断たれてしまいましたが、インサイドセールスではメールや電話を利用し、適度な距離感を保ちながら徐々に顧客との関係を深めることが可能です。これにより、成約数を増やすことができます。

そのため、「少ない労力で大きな成果を得られる営業手法を社内に取り入れたい」と考えている会社には、インサイドセールスの導入が非常に適していると言えるでしょう。

3.テレアポを導入すべき会社の特徴

テレアポを導入すべき会社の特徴

次に、「テレアポを自社に導入すべきか」を迅速に判断できるよう、テレアポを導入すべき会社の特徴を以下にご紹介します。

テレアポを導入すべき会社の特徴

1.短期間で新規顧客を獲得したい会社
2.明確なターゲットリストがある会社

これらの特徴を持つ会社は、テレアポを効果的に活用することで営業活動を加速させることができます。

3-1.短期間で新規顧客を獲得したい会社

1つ目の特徴は「短期間で新規顧客を獲得したい会社」です。

テレアポは、用意されたリストに一斉に電話をかけてアポイントを獲得する手法であり、短期間で多くの見込み顧客にアプローチできるため、迅速な新規顧客の獲得に最適です。

たとえば、新商品をリリースした際に認知度を高めるために1か月限定でセールスキャンペーンを実施する場合は、テレアポが非常に効果的です。

そのほかにも、以下のようなシーンでテレアポの導入が有効です。

・イベントやセミナーの開催前
・季節商品の発売前後

このように、短期間で新規顧客を獲得したい場合、テレアポの導入は非常に適していると言えます。

3-2.明確なターゲットリストがある会社

2つ目の特徴は「明確なターゲットリストがある会社」です。

テレアポはターゲットリストにもとづいて実施されるため、商品やサービスに適したターゲットリストが揃えば、効果的に見込み顧客にアプローチできます。対象が絞られている分、無駄な時間を使わずに効率的にアプローチできるのです。

特に、特定の業界や企業規模を狙ったリストがあれば、効率的にアポイントを取得できるでしょう。

明確なターゲットリストの例

・購入履歴や利用履歴のある既存顧客リスト
・過去にイベントやセミナーに参加した人のリスト
・資料請求した人のリスト
・Webサイトで問い合わせのあった人のリスト
・特定の業界に絞ったリスト(例:IT企業の連絡先リスト/医療機関の連絡先リスト)
・特定のエリアに絞ったリスト(例:●●地区に住む人のリスト)

このように、商品やサービスを購入してもらえる見込みのあるターゲットリストがある場合、テレアポを導入することで、大きな成果を得られる可能性が高まります。

4.長期的に顧客との関係を構築するなら、量より質!テレアポからインサイドセールスへ進化させよう

長期的に顧客との関係を構築するなら、量より質!テレアポからインサイドセールスへ進化させよう

今後、長期的に顧客との関係を構築し、既存顧客を維持したいと考えている場合は、量より質を重視し、インサイドセールス業務を取り入れることをおすすめします。

これまで述べてきたように、テレアポが効果的なビジネスシーンも存在します。

しかし、特に「3-2.明確なターゲットリストがある会社」においては、ターゲットリストを活用し、インサイドセールスを通じて長期的な関係を構築する方が、より大きなメリットを得られます。

インサイドセールスは、顧客としっかり関わり、関係性を築きながら購入意欲を醸成するのに適しています。具体的に、インサイドセールスはテレアポと比較して以下の特徴があります。

【インサイドセールスとテレアポの特徴比較】

項目

インサイドセールス

テレアポ

アプローチ方法

CRMやSFAを活用し、顧客の行動データや購買履歴を分析して的確なアプローチ

短期的に大量アプローチを行う

顧客関係

長期的な関係を重視し、継続的にフォロー

一度きりのアプローチが多く、深い関係構築は難しい

ニーズ理解

データに基づき顧客のニーズを深く理解し、個別に対応

短期的な成果を狙う

このように比較してみると、インサイドセールスが顧客との関係構築に重点を置いていることがわかります。

短期的なキャンぺーンやイベントで顧客を呼び込みたい場合はテレアポが適しています。
しかし、見込み顧客との関係性を中長期にわたって構築し、購入へとつなげるプロセスが必要な場合は、テレアポからインサイドセールスへの移行をおすすめします。

5.効果的なインサイドセールスを実現するためのポイント

効果的なインサイドセールスを実現するためのポイント

インサイドセールスの導入が向いている会社の特徴について解説してきました。「自社でもインサイドセールスを取り入れるのが良さそうだ」と感じた方もいるのではないでしょうか。

そこでこの章では、実際にインサイドセールスの導入を検討している方に向けて、効果的なインサイドセールスを実現するためのポイントを以下の項目に分けてお伝えします。

効果的なインサイドセールスを実現するためのポイント

1.コンタクトセンター(コールセンター)にその役割を担わせる
2.アウトバウンド型インサイドセールスを取り入れる
3.リードナーチャリングを意識する

インサイドセールスは比較的新しい概念であり、「どのように実現すれば成功するのか」がわからない方も多いかもしれません。しかし、これをきちんと理解していないと、「せっかく導入したのに効果が出ない」という状況を招くことになります。

効果を出すためのポイントを事前に学んでおくことで、成功への道筋を具体的にイメージできるようにしていきましょう。

5-1.コンタクトセンター(コールセンター)にその役割を担わせる

一つ目のポイントは、「インサイドセールスの役割をコンタクトセンター(コールセンター)に担わせる」ということです。

コンタクトセンターは非対面のコミュニケーションを得意とする部署であり、インサイドセールスとの親和性が非常に高いのが特徴です。

コンタクトセンターでインサイドセールスを実施するメリット

・コミュニケーションの得意な担当者が対応
電話やメールでのコミュニケーションを得意とする担当者が対応することで、見込み客と良好な関係を築くことができます。

・過去の顧客データを活用
過去の顧客とのやり取りを保持しているため、スムーズに情報を活用し、効率よく成果を出すことが可能です。

他の選択肢としては、「ゼロから新規部署を作る」や「従来の営業部の事務社員にインサイドセールスを担当させる」という方法もあります。しかし、それらの方法では、採用や教育から丁寧に始めなければならず、立ち上がりが遅くなる可能性があります。

さらに、従来の社員を無理に異動させたり兼務させたりすると、不得手な分野で成果を出せずにモチベーションを失い、施策がうまくいかない状況に陥ることもあります。

インサイドセールスには、適度な距離感で顧客の感情や困りごとに寄り添い、心地よい言葉選びで潜在的なニーズを引き出すことが求められます。

このような専門的な素質を必要とするため、不慣れな部署や担当者に無理に任せるよりも、既に高いスキルや経験を持つコンタクトセンターにこの役割を担わせることが、インサイドセールスを成功させるための重要なポイントとなります。

インサイドセールスの仕組みを自社内で構築するのが難しい場合は、外部委託を検討するのもおすすめです。立ち上げにかかる投資や教育のコストを抑え、専門性の高いチームのサポートを得ることで、成果を上げることができます。

トランスコスモスでは、電話やメールを活用したインサイドセールスだけでなく、WEBでの顧客流入支援(サイト制作やコンテンツ制作)まで、豊富なノウハウと事例・実績を基にご支援が可能です。関心のある方はお気軽にお問い合わせ下さい。

5-2.アウトバウンド・インバウンド型インサイドセールスを上手く活用する

二つ目のポイントは「アウトバウンド・インバウンド型インサイドセールスを上手く活用する」ということです。

アウトバウンド型とインバウンド型の違い

・アウトバウンド型インサイドセールス
企業が自社の戦略に基づき、アプローチしたいターゲットリストを作成し、電話やメールでコンタクトを取り見込み客を増やす手法です。自社の方針に合ったターゲットにアプローチするため、戦略的な新規開拓が可能です。特に積極的に事業拡大を目指す際に有効な施策です。

・インバウンド型インサイドセールス
自社のホームページやホワイトペーパー、SNS、セミナーなどを通じてアプローチしてきた企業に対して返信する形でコンタクトを取る方法です。自社でアプローチ先を選ばないため、自社の戦略や方針に合わない業種や規模の顧客を獲得するリスクもあります。

この2種類の方法を効率的に活用することで、インサイドセールスは効果を生み出します。

たとえば、「自社ホームページの商材Aのホワイトペーパーをダウンロードした人に、Aに関連する事例や最新ニュースをメルマガに掲載し、リンクをクリックした人(関心を持っていると推測される)に電話をかけて、より深いニーズを聞き出す」という方法があります。

このように、事業拡大を効率よく進めるためには、アウトバウンド・インバウンド型を必要に応じて活用すること重要です。

5-3.リードナーチャリングを意識する

最後のポイントは「リードナーチャリングを意識する」ということです。

リードナーチャリングとは

リードナーチャリングとは、見込み客(リード)を育成(ナーチャリング)し、購入意欲を高めて成約を目指すマーケティング手法です。

具体的には、まだ十分に購入意向を固めていない見込み客に対して、メルマガやセミナーなどで適切な情報提供を行い、継続的にアプローチすることで購入意欲を喚起します。

特にBtoBビジネスでは、成約に至るまでの顧客の検討期間が長いため、顧客の温度感を正しく見極め、適切なタイミングで情報を提供し続けることで重要です。これにより、信頼感を得ることができます。

リードナーチャリングを意識した施策を行うことで、「顧客にニーズが発生したのに他社に奪われてしまった」という事態を防ぐことができるでしょう。

また、「何となく安いから購入しよう」「キャンペーン中だからお得なのかな」といった浅い考えではなく、自社のサービスをしっかり理解した上で購入してもらえるため、購入後に重要な優良顧客となる可能性も高まります。

そのため、「顧客がすぐに購入を決断しない商材を扱っている」「競合を抑えて事業拡大を目指したい」と考える場合、インサイドセールスを導入する際にはリードナーチャリングの考え方を意識して組み立てることが非常に重要です。

6.インサイドセールスを成功させるために役立つツール

 

インサイドセールスを成功させるために役立つツールインサイドセールスを成功させるためのポイントを具体的に解説してきました。次に、「ポイントはわかったけれど、これを自社のリソースだけで実現できるのか」「効率よく実施できるツールはないのか」といった疑問が浮かんでくるのではないでしょうか。

インサイドセールスでは、膨大な顧客情報を効率よく処理する必要があるため、人手作業では対応しきれません。そこで、専用のITツールを導入するのが一般的です。

この章では、インサイドセールスを成功させるために役立つ3つのツールを紹介します。

インサイドセールスを成功させるために役立つツール

1.MA(Marketing Automation:マーケティングオートメーション)
 マーケティング活動を自動化し、リード獲得や育成を効率化します。
2.SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)
 営業プロセスを効率化し、営業チームの活動を可視化します。
3.CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)
 顧客情報を一元管理し、個々の顧客との関係を深めるためのツールです。

これらのツールは、既に自社で一部を導入している企業もあるかもしれませんが、それぞれがインサイドセールスの中でどのように役立つかは異なります。次に、各ツールの具体的な活用方法やメリットを見ていきましょう。

6-1.MA(Marketing Automation:マーケティングオートメーション)

インサイドセールスを行う上での基盤となるツールが、MA(マーケティングオートメーション)です。

MAとは、新規顧客の獲得や見込み客の育成など、マーケティング活動を可視化・自動化するための多機能なツールです

具体的には、自社HPの問い合わせや資料請求フォームから訪問者が入力した情報やIPアドレスを基に、その後のサイト上での行動を追跡することができます。また、MAツールから配信したメールの開封状況やURLのクリック状況を把握することも可能です。

MA(マーケティングオートメーション)でできること

・自社サイトを訪問した見込み客の情報(企業名や個人名、サイト上での行動)を取得
・メールを受け取った見込み客のメール開封状況やクリックしたURLの把握
・ユーザーの行動に合わせたメールの配信
・フィールドセールスへの情報共有

MAツールを使用せずにやみくもにメールマガジンを送信しても、成果が出ない原因が不明なままになります。

「そもそもメールが開かれていないのか」「メールは開かれたが最後まで読まれなかったのか」「最後まで読まれたがリンク先に飛ばなかったのか」「リンク先に飛んだがそのページの内容が響かなかったのか」といった問題点が明確でないと、改善策を講じることもできません。

メールマガジン送信で想定される問題点

しかし、MAツールを導入すれば、送信したメールに対する顧客の行動を詳細に把握できるため、効率的にアプローチを進めることが可能になります。

6-2.SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)

顧客へのヒアリング内容の整理や共有に役立つのが、SFA(セールスフォースオートメーション)です。

SFAは、見込み客の情報やコンタクト履歴、アプローチ状況、過去の電話内容などの営業に関わる情報をデータベース化し、営業活動を支援するツールです。

従来の営業活動では属人化しやすかった顧客とのやり取りを共有することで、成功事例の共有や他部署への情報連携をスムーズに行うことができます。

SFA(セールスフォースオートメーション)でできること

・電話によるヒアリング内容をデータで管理
 顧客とのやり取りを一元管理し、重要な情報を漏れなく把握します。
・チームや社内で同じ情報を共有
 最新の顧客情報やアプローチ状況を全員が把握することで、効率的な営業活動を実現します。

このツールがないと、顧客とのやり取りの最新情報が社内で適切に共有されないため、別の担当者が見当違いのアプローチを行ってしまい、顧客からの信頼を損なう可能性があります。

また、アプローチの進捗が可視化されないため、「計画通りにコミュニケーションができているのか?」「どの顧客を重点的にフォローすべきなのか?」といった重要な判断ができず、結果的に目標達成が難しくなることも考えられます。

そのため、精度の高いインサイドセールスを実現したい場合には、SFAを導入することが重要です。

6-3.CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)

SFAが「商談」を軸にデータ管理を行うスタイルであるのに対し、「顧客」を軸に自社との関係性を管理できるのがCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)です。

CRMは、顧客の情報(企業名、個人名、部署名、メール配信状況、問い合わせ履歴など)を管理するシステムです。顧客の属性や過去のメール送信履歴、自社のセミナー参加状況、担当者とのコンタクト履歴などを一元管理できるのが特徴です。

CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)でできること

・見込み客と自社の過去の接点を全てデータで管理
 顧客との過去のやり取りや接点を把握し、関係を深めます。
・チームや社内で同じ情報を共有
 顧客情報を社内で共有することで、連携を強化し、効果的な営業活動を実現します。

このツールがないと、過去から現在に至るまでの顧客情報を適切に整理・共有できず、良好な関係の構築が難しくなります。また、多くのセミナーやメルマガを通じて購入意欲を高めたとしても、最適なタイミングでアプローチできずに機会損失を招く可能性があります。

このように、インサイドセールスを成功させるためには、CRMを活用して情報を管理することが重要です。

トランスコスモスでは、アウトバウンド型インサイドセールスにも対応した顧客管理システム「trans-CRM」を提供しています。ご興味のある方は、以下から資料をご請求ください

まとめ

本記事では、インサイドセールスとテレアポの違いや、インサイドセールスの導入時のポイントやツールについて解説しました。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。

インサイドセールスとテレアポの違い一覧表

項目

インサイドセールス

テレアポ

目的

・見込み顧客との中長期的な関係構築をし、商談のタイミングを見極める
・(企業によっては)成約

・アポイント獲得

時間
(効果測定期間)

長期

短期

成果指標

・コール数
・接続数
・商談獲得数(率)
・有効商談獲得数/率
・受注貢献数/率
・受注貢献金額
・受注数(率)
・受注額

・コール数
・接続数
・商談獲得数(率)

手法

・電話
・メール
・手紙
・コンテンツマーケティング
・SNS

・電話

・インサイドセールスを導入すべき会社の特徴
インサイドセールスを導入すべき会社には、以下のような特徴があります。

・購買までに時間がかかる商材を取り扱っている会社
・カスタマイズ性の低い商材を取り扱っている会社
・リードが取れているのに有効活用できていない会社
・ターゲット顧客が全国に数多く存在する会社
・営業効率を高めたい会社

・効果的なインサイドセールスを実現するためのポイント
インサイドセールスを実施する際には、以下のポイントが重要です。

・コンタクトセンター(コールセンター)にその役割を担わせる
・アウトバウンド・インバウンド型インサイドセールスを上手く活用する
・リードナーチャリングを意識する

・インサイドセールスを成功させるために役立つツール
インサイドセールスを成功させるために役立つツールとして、以下の3つです。

・MA(Marketing Automation:マーケティングオートメーション)
・SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)
・CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)

最後までお読みいただくことで、インサイドセールスとテレアポの違いを理解し、自分の仕事にインサイドセールスを活用すべきかどうかについて具体的なイメージがついたのではないでしょうか。

インサイドセールスを有効活用することで、理想のビジネスを実現しましょう。

トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションの
ノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。
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