18.97.14.86

Web接客とは?導入メリットとデメリット、成功事例まで徹底解説

「Web接客ってどういうものなの?」
「Web接客を導入する企業が増えているらしいけれど、どんなメリットがあるの?」

接客担当者の中には、そのような疑問を持っている方も多いでしょう。

Web接客とは、Webサイトを訪れたユーザーに対して行う接客全般のことです。例えば、以下のような対応を、Web接客ツールを活用して行います。

・Webサイトへ一定数訪問したユーザーに対し、ポップアップでクーポンやおすすめ商品を表示する
・チャットボットでユーザーの分からないことをヒアリングし、正しい案内を行う

そのメリットは、主に以下の6点です。

・購買率、成約率の向上
・離脱率の改善
・業務効率化
・顧客満足度の向上
・顧客データの収集・分析・活用
・Webサイトや製品、サービスの品質改善

また、Web接客には専用のツールがさまざまな企業からリリースされていて、それらは主に以下の3タイプに分類できます。

Web接客で使用するツールの分類

ポップアップ型

チャット型

ハイブリッド型

特徴

画面上に情報をポップアップで表示させる

画面にチャットウィンドウを表示し、ユーザーとチャットで対話する

ポップアップ型とチャット型の機能を両方備える

向いている
ケース

営業・マーケティングが目的のケース

ユーザーの疑問や不安を解消するカスタマーサポート

営業・マーケティングにも、カスタマーサポートにも使いたい場合

導入の目的や予算などに合わせて、適したものを選ぶといいでしょう。
そこでこの記事では、Web接客とWeb接客ツールについて知っておくべきことを網羅しました。

まずは基本的な知識と現状を把握した上で、実際にWeb接客を導入するかを判断できる以下の情報を提供します。

◎Web接客とは?
◎Web接客で用いられる3種類のツール
◎Web接客がなぜ注目されるのか?
◎Web接客のメリット
◎Web接客のデリット
◎Web接客の成功事例
◎Web接客の導入に向いている企業、向かない企業

これらを踏まえて、実際に導入する際のポイントを解説します。
最後まで読めば、知りたいことが分かるはずです。

この記事で、あなたの会社がWeb接客を十分に活用できるよう願っています。

目次 [非表示]

1.Web接客とは

1-1.Web接客とはWebサイト上で行う接客のこと

Web接客とはWebサイトの訪問ユーザーに対して、オンラインでの商品・サービス購入を後押しすることを目的に、サイト上で接客を行うことです。

Webサイトの訪問ユーザーは、企業の想定通りに閲覧してくれるわけではありません。そこでWeb接客を導入すれば、以下のようにユーザーと直接対峙しなくてもパーソナライズな提案ができるのです。

Web接客の例

◆「1か月間に3回以上訪問したユーザー」に対しポップアップでクーポンやおすすめ商品を表示

― ユーザーとの関係性を強化し、企業へのエンゲージメントが向上する
― 既に購入意欲が高い顧客のため、購入確率をさらに高められる

◆特定のWebページを閲覧したユーザーに対してポップアップで次のアクションを提案

― ユーザーが購入や問い合わせなどのアクションを起こしやすくなる
― ユーザーの行動に基づいてパーソナライズされた提案ができ、顧客満足度を向上できる

◆チャットボットでユーザーの分からないことをヒアリングし、正しい案内を行う

― 疑問を迅速に解決しスムーズに購買プロセスを進めることで、コンバージョン率を向上させる

このように、まるで店舗での接客のように購入を後押しできることから“Web接客”と呼ばれています。

ちなみに、Web接客と似ている言葉に“オンライン接客”というものがあります。
両者は以下のように、同じ意味で使われることも区別されることもあります。

同じ意味で使われる場合

異なる意味で使われる場合

Webサイトを訪れた人に対して、Web接客ツールを使って自動で行う接客

・インターネットを利用した接客
・オペレーターがリモートで行う場合や、AIやボットなどのツールを使って自動で行う場合がある

この記事では“Web接客”についての解像度を上げるために“オンライン接客”とは言葉の意味を分けて解説します。

【 非対面の接客方法のひとつ:“アバター接客” 】

最近では、オンライン接客、Web接客以外に非対面の接客方法として“アバター接客”という手法があります。

アバター接客とは、従業員をアバター(デジタル空間でユーザーの代理となるキャラクター)として表示し、以下のような対応を行うことです。

・接客      ・販売      ・案内      ・商品説明

遠隔地から従業員が接客を行えるため、
・店舗従業員の人数を減らすことができ、人件費を削減できる
・店舗に人がいなくても丁寧な接客ができる
・キャラクターを活用した新サービスやショッピング体験を提供し、顧客に満足してもらえる

といったメリットがあります。

最近では大手企業が実際に導入する例も増えており、今後ますます活用されていくことが予想されるため、Web接客・オンライン接客とあわせて知っておくと良いでしょう。

トランスコスモスでは、店舗など受付窓口向けアバター遠隔接客サービスを提供しています。
株式会社スーパーホテルクリーンにコンタクトセンター(コールセンター)と連動したアバター遠隔接客サービスを提供し、施設スタッフの業務負担軽減と宿泊客のCX向上を実現しました。

1-2.Web接客でできること・分かること

それでは、Web接客でできることをより具体的に見ていきましょう。
Web接客を行うためにはツールを導入しますが、これらのツールでは設定次第で、以下のできることが決まります。

Web接客でできることの例

・ユーザーからの質問に、チャットボットでリアルタイムに対応する
・ユーザーの行動、閲覧履歴からおすすめ商品をポップアップで提案する
・ユーザーがサイトを離れそうになった際にポップアップ表示で離脱を防ぐ
・新商品の発売、セール情報をポップアップメッセージで通知すること     など

また、Web接客はポップアップやチャットボットでの対応にとどまりません。
Web接客をする過程で、顧客の行動履歴などのデータを収集することができ、そこからマーケティング視点で有益な情報を得ることもできます。

実店舗にはない顧客体験を提供したり、顧客データを収集できたりする点は、Web接客の大きな特徴であるといえるでしょう。

2.Web接客で用いられる3種類のツール

Web接客をするためには「Web接客ツール」の活用が欠かせません。
Web接客ツールには、主に以下の3種類があります。

【3種類のWeb接客ツール】

ポップアップ型

チャット型

ハイブリッド型

特徴

画面上に情報をポップアップで表示

画面にチャットウィンドウを表示し、ユーザーとチャットで対話

ポップアップ型とチャット型の機能を両方備える

メリット

・ユーザーに合わせた情報を最適なタイミングで表示するため、購買につながりやすい
・視認性が高く強い印象が残る

・ユーザーと対話するので、よりニーズに沿った対応が可能
・離脱を防ぐことができる

・機能が豊富で、幅広い場面で活用できる

デメリット

ユーザーに「サイトが見づらい」などと悪印象を与える恐れがある

シナリオを用意したり、AI型の場合は大量のデータを学習させたりと手間がかかる

機能が豊富な分、コストがかさむ

向いている
ケース

営業・マーケティングが目的のケース

ユーザーの疑問や不安を解消するカスタマーサポート

営業・マーケティングにも、カスタマーサポートにも使いたい場合

それぞれ詳しく説明しましょう。

2-1.ポップアップ型

ポップアップ型は、画面上に情報をポップアップで表示させるタイプのWeb接客ツールです。

ポップアップさせる情報は、顧客データに基づいたおすすめ商品や、セール・キャンペーン情報、お得なクーポンなどさまざまです。また表示させる対象やタイミングについて、以下のような設定をすることも可能です。

・同じページを5分以上閲覧している人には、おすすめ商品を表示する
・これまでにこのサイトで3回以上購入履歴がある人には、キャンペーン情報を表示する

ユーザーの属性や興味、購買行動などに基づいて、最適な情報を最適なタイミングで表示することができるため、無作為に接客するよりも購買につながる可能性が高いのがメリットです。

また、ユーザーの意思に関わらず強制的にポップアップを目にすることになるので、視認性が高く強い印象が残ります。

一方で、表示のタイミングや表示場所、回数などが適切でないと、ユーザーは「サイトが見づらくなる」「コンテンツが隠れてしまう」という悪印象を持ってしまい、購買意欲が下がる恐れがあるため要注意です。

いずれにしろ、Web接客を購買につなげたい場合に、営業マーケティングを目的として利用するとよいでしょう。

2-2.チャット型

チャット型のWeb接客ツールは、チャットウィンドウを表示し、ユーザーとチャットを通じてコミュニケーションをとるものです。

チャットウィンドウは、サイト閲覧の邪魔にならないよう画面の右下などに小さく表示され、利用する場合はウィンドウが大きくなります。

チャット型は、さらに以下のタイプに分けられます。

【チャット型のタイプ一覧】

有人チャット

コンタクトセンター(コールセンター)のオペレーターが対応する

チャットボット

自動で会話を行うボット「チャットボット」が対応する

【シナリオ型】
・あらかじめ会話を想定してシナリオをチャットボットに覚えさせる
・ユーザーが質問の選択肢を選ぶと、それに対応した回答をする

【AI型】
・AI搭載のチャットボット
・ユーザーが文章で質問をすると、適切な回答をする
・生成AIが対応するチャットボットもある

チャットボットを使う場合でも、ボットでは回答できない質問をされることが必ずあります。その場合はオペレーターによる有人チャットに誘導して対応します。

ポップアップ型が一方的に情報を発信するのに対して、チャット型はユーザーと対話するので、よりユーザーのニーズに沿った対応が可能です。

一方的な情報提供だと、「知りたいことに十分な回答が得られない」と感じたユーザーは離脱してしまいますが、相互にやり取りができるチャットなら、納得いくまで対話できるので離脱を防ぐことができます。

ただ、ボット用のFAQシナリオを用意したり、AI型の場合は大量のFAQデータ(=想定される質疑応答)を学習させる必要があります。

チャット型はユーザーの質問に対して答える形が基本なので、商品を購入させるというよりも、ユーザーの疑問や不安を解消するカスタマーサポート的な役割に向いています。

【お知らせ:Cotraのチャットサポート】

Cotraのチャットサポートが生成AIに変わりました。
生成AIを搭載したチャットボットによる自動応答システムで、ご希望に沿ったお役立ち情報を検索することができます。是非ご活用ください。

2-3.ハイブリッド型

ハイブリッド型は、ポップアップ型とチャット型の機能を両方備えたものです。
機能が豊富で、幅広い場面でWeb接客を実施できるため、「営業・マーケティングにも、カスタマーサポートにも使いたい」という場合に適しています。

ただ、機能が豊富であるだけに、ポップアップ型、チャット型単体のツールよりもコストはかさむ傾向があります。事前に費用対効果を計算した上で、導入を検討する必要があるでしょう。

3.Web接客は今後ますます活用されるようになる

このようにさまざまな場面で役立つWeb接客は、今後ますます活用されるようになっていくといえます。それは、主に以下の理由や視点があるためです。

・EC市場の急成長と競争激化している
・高齢者のECサイト利用をサポートできる
・チャットツールが普及してきている
・Web接客の市場が大きくなってきている
・今後Web接客は顧客データを収集する側面が重要になる

詳しく見ていきましょう。

3-1.EC市場の急成長と競争激化

第一の理由は、EC(=Electronic Commerce/eコマース、電子商取引)市場が急成長し、競争が激しくなったことです。

経済産業省の「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、「国内電子商取引市場規模(BtoC及びBtoB)」は以下のグラフのように着々と成長し続けています。

国内電子商取引市場規模(BtoC及びBtoB)を表すグラフ

BtoB-EC 市場規模の推移を表すグラフ

出典:経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書

2020年は新型コロナウイルス感染症が蔓延した影響を受け、旅行などサービス分野の利用が大幅に落ち込んだため、前年より830億円減少していますが、2021年にはすぐ盛り返し、BtoCは22兆7,449億円、BtoBは420兆2,354億円となっています。

このように市場が急成長すれば、各業種とも競合が増えてECサイト間での競争が激しくなります

そこで、サイトを訪れたユーザーを逃さず顧客として獲得できるよう、商品の案内や購買の後押しができるWeb接客を導入する企業が増えてきたという背景があります。

3-2.高齢者のECサイト利用をサポートできる

新型コロナウイルス感染症が蔓延したことをきっかけに、高齢者のECサイト利用も増加しています。
そこで、インターネットショッピングに不慣れな高齢者をサポートするものとしても、Web接客が注目されるようになりました。

ECサイトの利用に慣れていない高齢者層は、使い方がわからないと簡単に離脱してしまう恐れがあります。そこで、Web接客によって使い方をガイドしたり、ニーズに合った商品やサービスをおすすめしたりすることで、離脱を防いで購入につなげようというわけです。

3-3.チャットツールの普及により、使い慣れた人が増加している

さらに、チャットツールが普及して、使い慣れた人が増えていることも関係しているでしょう。
Web接客にはさまざまな種類がありますが、中でもチャット形式で人が応対するものやチャットボットはよく利用されます。

以下のグラフは、Cotra編集部にて調査した【消費者のオンライン購入における接客ニーズ調査2024】において、インターネットでの購入・サービス申し込みの際に、チャットで相談をしたいと感じたことはあるか調べたものです。

メーカーなどにチャットで相談したいと感じたことがある人の割合は2022年と比較し、2年弱の間に約7%増加していることがわかります。

インターネットで商品購入などでチャットでの相談をしたいか、のアンケート結果を表すグラフ

また、チャットはメールなどの他のコミュニケーション手段と比べて気軽に利用でき、リアルタイムでやりとりが可能なので、Web接客に慣れていないユーザーでもスムーズに利用できます。

そのため、
多くの人が手軽に使えるチャット形式のWeb接客が注目されていると考えられます。

3-4.今後Web接客は顧客データを収集する側面が重要になる

今後Web接客にどんなことが期待できるでしょうか?
予想されるのは、Web接客を行いながらも、企業としては「VOC(=顧客の声)など顧客データを収集するチャネル」としての側面が重要になってくることです。

例えば、チャットのやりとりから「どのような属性のユーザーが、どのようなことを知りたがっているか、何に不満を持っているか」を知ることができれば、それをもとに商品やサービスを改善することができるでしょう。

接客は、顧客と直に接触できる貴重な機会です。

その場で顧客の属性情報(=氏名、年齢、性別、住所、家族構成、年収など)や、顧客の好み、興味といった重要な情報を得ることができるのですが、実店舗での接客ではそれをデータベース化することは簡単ではありません。

それを、Web接客であれば自動的にデータとして蓄積することができるのです。
今後は、Web接客を通して得たさまざまな顧客データをマーケティングに活用し、商品やサービスを改善したり施策や戦略を立てたりする企業が増えると思われます。

いまWeb接客の導入を考えている企業は、「どのようなデータをどのように収集するか」「それを何に活用するか」についても考えながら進めていく必要があるでしょう。

4.Web接客 6つのメリット

このように、今後ますます普及が期待されるWeb接客ですが、導入することが具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

それは主に以下の6点です。

・購買率、成約率の向上
・離脱率の改善
・業務効率化
・顧客満足度の向上
・顧客データの収集・分析・活用
・Webサイトや製品、サービスの品質改善

それぞれ説明します。

4-1.購買率・成約率の向上

まず最大のメリットは、自社製品やサービスの購買率、成約率がアップすることです。

例えば、ポップアップでおすすめ商品を紹介したり、クーポンを表示したりすることで、迷っているユーザーを後押しし、商品を購入させることが可能です。

また、わからないことはチャットで質問できるようにすれば、ユーザーの不安や疑問を解消して、商品購入やサービス利用に踏み切る確率が上がるはずです。

4-2.離脱率の改善

また、ECサイトを訪問したユーザーが、何も買わずにサイトを離脱してしまう確率=「離脱率」を下げる効果も期待できます。

「欲しいものがない」「どれがいいか決められない」というユーザー向けに、リアルタイムのチャットでフォローし、ニーズに合ったものをおすすめすれば離脱を防げます。

ECサイトは、24時間いつでもどこからでも利用できますが、サイトを訪問しても、商品を見るだけで購入せずに離脱するユーザーも多く、これはECサイトの長年の課題でした。
Web接客は、こうした課題を解決することができるのです。

4-3.業務効率化

Web接客は、接客業務の効率化も実現します。

チャットボットで接客を自動化すれば、

・一度に何人ものユーザーを同時に接客
24時間いつでもどこからの問い合わせに答える

といったことが可能になり、接客の効率が大幅にアップするでしょう。

人手不足が深刻な近年の状況を考えると、接客する従業員の人員削減しつつ、業務を効率化できる点はWeb接客の大きなメリットといえるでしょう。

4-4.顧客満足度の向上

また、Web接客の業務効率化は、ユーザーの顧客満足度アップにもつながります。

実店舗であれば、もし顧客がわからないことや知りたいことを店舗の従業員に聞きたいと思っても、店内が混んでいると待たされたり、長い時間をかけて話せなかったりします。

一方でWeb接客なら、待つことはありません。
すぐに対応してもらえますし、他のお客を気にすることなくじっくり接客を受けられます。

さらに、Web接客ツールを使えば、ユーザーにいくつか質問をした上で、ニーズに合った商品やサービスをピックアップして提案することも可能です。
これらによって、顧客満足度の向上が期待できます。

4-5.顧客データの収集・分析・活用

Web接客では、ユーザーとのやりとりをデータとして蓄積することもできます。

年齢、性別、居住地、職業といった基本的な属性はもちろん、購入履歴、問い合わせ履歴なども一元管理できるため、顧客情報のデータベース化が可能なのです。

顧客情報は、企業にとって最も重要な情報資産のひとつと言えます。
顧客名簿として営業をかける際にも利用できますし、データを分析して「どの属性層にどのようなニーズがあるか」などを把握するためにも有用です。

実店舗では、これらの貴重な情報はアンケートなどを実施しなければ得られませんが、Web接客なら自動的に蓄積されるというのは大きなメリットだと言えるでしょう。

4-6.Webサイトや製品・サービスの品質改善

前項と関係しますが、Web接客を通じて集めた顧客データによって、自社のWebサイトや製品、サービスを改善できるのも利点です。

Webサイト内でユーザーがどのようにページ遷移したかの履歴を見れば、サイトの使いやすさがわかります。

Webサイト内をぐるぐる回る人が多い場合は、必要な情報が見つけにくい設計になっている恐れがあります。またすぐに離脱してしまう場合は、サイト内に魅力的な商品や情報がないと判断されている可能性があります。

問題点が見つかれば、それを改善してよりユーザーにとって使いやすいWebサイトにすることができるでしょう。

また、購入履歴や問い合わせ履歴などの顧客データを分析すると、どのような製品・サービスが求められているか、最新の顧客ニーズが見えてきます。

それをもとに品質改善をしたり、新製品の開発をしたり、さまざまな施策を練ることができるのです。

5.Web接客 2つのデメリット

Web接客のメリットをお伝えしましたが、実はWeb接客には以下のようなデメリットもあります。

・設定に時間・労力がかかる
・マイナスイメージを持たれる場合がある

自社にWeb接客を導入するかどうかを判断する際には、こうしたデメリットも考慮することで、自社にとって最善の判断がしやすくなるでしょう。

5-1.設定に時間・労力がかかる

1つめのデメリットは設定に時間・労力がかかることです。

Web接客では、

・どのユーザーに、どんなメッセージ、提案を表示するのか
・チャットボットがどのようなシナリオ、フローに沿ってユーザーに対応するのか
・ポップアップメッセージがいつ表示されるのか

などを設定する必要があり、それなりの時間や労力が必要になるのです。

適切に設定しないと、ユーザーが不快感を感じたり、Webサイトから離脱してしまったりする恐れがあるため、手を抜けません。

定期的にポップアップの内容やチャットボットのシナリオの調整も必要になるため、一度設定すれば終わりというものでもないのです。

時間・労力がかかるという点も考慮して、自社への導入を検討しましょう。

5-2.マイナスイメージを持たれる場合がある

2つめのデメリットはマイナスイメージを持たれる場合があることです。

ポップアップやチャットボットなどは、好意的に捉えてもらえるとは限らず、良くないイメージを持たれてしまうケースもあります。

例えば、ポップアップやチャットツールを画面上に表示させることで、「情報が見づらくなる」と思われてしまうこともあり、全ての人に受け入れてもらうのは簡単ではありません。

このようなWebサイトに対するマイナスイメージを一度持たれてしまうと、ユーザーに再訪問してもらえる可能性が低くなってしまいます。

6.Web接客の成功事例

ここまでWeb接客についていろいろな面から考えてきましたが、「いまひとつ具体的なイメージがわかない」という方もいるかもしれません。

そこで、実際にトランスコスモスのWeb接客ソリューションを導入して成功した企業の事例を2つほど紹介しましょう。

6-1.日産自動車株式会社:Web接客開始から12カ月で、実店舗に数百名超の送客を実現

日産自動車株式会社は当初、非対面・オンラインでの接客やサポートチャネルの導入を検討していました。

さらに、それ以外にも「顧客の疑問解決や、Webから実店舗への誘導を強化したいオンラインとオフラインのタッチポイントをシームレスにつなぎたい」という希望を持っていました。

そこで2021年に導入したのが、チャットボットによるWeb接客です。
Webサイトに問い合わせが入ると、まずはチャットボットが自動応対します。

もしボットでは対応できない場面があれば、有人チャットに切り替わってオペレーターが直接対応するというシームレスなサービスを構築しました。

日産自動車株式会社のWeb接客の成功事例

その結果、導入から1年足らずで、チャットから実店舗へ送客された人数が数百名位以上に達し、幅広い年代の顧客が成約に至りました。

また、SUV車「ARIYA」の特設サイトにもWeb接客を導入したところ、開始初月から予約注文を獲得することができ、大きな効果をあげています。

6-2.株式会社協和:顧客からの電話問い合わせの約30%がオンラインに移行

エイジングケア美容液ブランド「fracora(フラコラ)」を展開する株式会社協和では、2019年より全社的にデジタル化への取り組みを推進していました。

中でも顧客からの問い合わせや商品の注文を受けるコンタクトセンター(コールセンター)に関しては、電話受付だとユーザーの年齢層がどんどん高くなってしまうため、ターゲットの若返りのためにもオンライン対応へのシフトチェンジをはかることとなりました。

とはいえ、単に問い合わせ窓口をWebに誘導するだけでは、従来の顧客がついてこられません。
そこで、以下のような取り組みをしました。

・Webでの手続きについてわかりやすく案内する「サポートコンシェルジュ」を導入
・有人対応のチャットを利用するとお得になるキャンペーンを実施
・問い合わせ電話番号を記載していて利用が多かった商品配送箱や明細書に、QRコードなどオンラインへの導線を記載  など

その結果、2020年の開始から1年で、電話中心だった問い合わせのうち約30%をオンラインに移行することに成功しました。

デジタルチャンネル利用率の推移を表したグラフ

Web接客ツールを導入するなら
トランスコスモスの「セールスチャットセンター」がおすすめ

トランスコスモスでは、「セールスチャットセンター」を構築してオンライン上の接客サービス強化を支援しています。

セールスチャットセンターの活用シーン例

①広告・オウンドメディア・セールスチャットをワンチームで提案、運用

集客後のコンバージョン率向上に向け、適切な接客タイミングでの接客導線を構築します。

更に集客自体の最大化に向けた現状分析から改善提案・運用まで一貫してセールスチャットセンターチームで提供が可能です。
顧客企業のマーケティング戦略に寄り添った運用を実現します。

②チャットボットと有人チャットのハイブリッド運営

チャットボットと有人チャット対応を顧客のニーズや特性にあわせ、使い分けて提供します。

また有人チャット対応については、チャットオペレーション実務能力認定保有者が接客・セールスマネジメント(KPI設定、レポート、改善施策実行)による運用を提供することで、心地よいクロージングを創出します。

③各プロセスに応じたデータ分析、改善施策の実行

コンバージョン率向上に向けて、プロセスごとの指標データ(広告やSEOにおけるクリック率、シナリオごとのポップアップ率、チャット承諾クリック率、シナリオ毎の獲得率など)をKPI化の上で分析、改善策をご提案します。

改善策実行の際も、各プロセスへの影響度をセールスチャットセンター内で確認した上で改善していきます。

④顧客企業にあわせた接客ツールの提供、テクノロジー・AIを活用した成果最大化

トランスコスモスが自社開発した「DEC Support」、プレイド社が提供する「KARTE」やREGAIN社が提供する「ShowTalk」等、顧客企業の状況にあわせた最適なツールの提案が可能です。

またトランスコスモス独自のAIによる勝ちパターン分析によって獲得率を向上する仕組みもあわせて提供し、セールスノウハウ×テクノロジー活用で成果を最大化します。

7.Web接客の導入に向いている企業・向かない企業

Web接客のプラス面、マイナス面をそれぞれ解説しましたが、Web接客の導入に対してしっかり決断できるよう、この章では“Web接客の導入に向いている企業・向かない企業”を解説します。

Web接客の導入に向いている企業・向かない企業はそれぞれ以下のとおりです。

【Web接客の導入に向いている企業・向かない企業】

向いている企業

向かない企業

・ECサイトやオンラインサービスを提供する企業
・カスタマーサポート体制を強化したい企業
・アクセス数の多いWebサイトを運営する企業

・オンラインでの顧客接点が少ない企業

7-1.【向いている企業】ECサイトやオンラインサービスを提供する企業

向いている企業の1つめはECサイトやオンラインサービスを提供する企業です。

ECサイトやオンラインサービスは、ポップアップの表示やチャットボットでのサポートとの相性が良く、そのメリットを最大限活かせるのです。

例えば、以下のようにWeb接客を活用できます。

・ECサイトを訪問したユーザーが商品ページを一定時間閲覧している際に「割引クーポン」や「特別オファー」を提示することで、購入を促進させる

・ユーザーがECサイトで商品ページを閲覧中、疑問や不安を感じた際にチャットボットに質問するとすぐに回答が得られるため、購入決定を後押しする

このように、ECサイトの運営や、オンラインサービスを提供している企業は、Web接客によって顧客の購入をより促進できるため、導入をおすすめします。

7-2.【向いている企業】カスタマーサポート体制を強化したい企業

2つめの向いている企業はカスタマーサポート体制を強化したい企業です。
というのも、Web接客は以下のようにカスタマーサポートの質を高められる機能を持っているためです。

【カスタマーサポートの質を高められるWeb接客ツールの機能】

ポップアップ

チャットボット

・ユーザーが特定のアクションを取った際に、自動でヘルプメッセージを表示
よくある質問(FAQ)を自動でポップアップ表示
・顧客の属性や行動に基づいて、パーソナライズされたメッセージをポップアップで表示

・リアルタイムでスピーディーに顧客の質問に回答
・24時間、営業時間外でもユーザーをサポート

こうしてWeb接客を行うことで、顧客と電話やメールをしなくてもカスタマーサポートを行うことができ、これまでのカスタマーサポートの強化につながるのです。

電話やメールでのカスタマーサポートだけでなく、Webサイト上でのサポートも強化したいと考えている企業にWeb接客の導入はおすすめといえるでしょう。

7-3.【向いている企業】アクセス数の多いWebサイトを運営している企業

3つめはアクセス数の多いWebサイトを運営している企業です。

アクセス数の多いWebサイトは、少ないサイトに比べてユーザーが商品・サービスページを見る回数も増え、Web接客をする機会が増えます。

つまり、購入の後押しをする機会が増えることにつながるため、売上アップが狙えるのです。

アクセス数の多い企業がWeb接客を導入すると、売上へのプラスの影響が大きくなるため、手間や時間をかけてでも導入したほうが良いといえるでしょう。

7-4.【向かない企業】オンラインでの顧客接点が少ない企業

次はWeb接客の導入に向かない企業の特徴です。

1つめはオンラインでの顧客接点が少ない企業です。

オンラインでの顧客接点が少ないと、Web接客ツールの効果を最大限に発揮する機会が限られます。

訪問ユーザーが少ないため、チャットボットやポップアップで提案・サポートを行っても、その影響範囲は小さくなってしまうのです。

そのため、オンラインでの顧客接点が少ない企業は、Web接客の導入について慎重に判断するようにしましょう。

8.Web接客ツール選びのポイント

前述のように、Web接客ツールは3種類に大別することができますが、いずれもさまざまなベンダーから多種多様なツールがリリースされていますので、「どれを選べばいいのかわからない」と迷ってしまう方も多いでしょう。

そこで最後に、ツール選びのポイントを挙げておきます。
それは以下の3点です。

・導入目的に合ったものを選ぶ
・必要十分な機能が備わったものを選ぶ
・費用対効果が見合うものを選ぶ

8-1.導入目的に合ったものを選ぶ

まず「何のためにWeb接客ツールを導入するのか」という目的を明確にして、それに見合ったものを選ぶ必要があります。

導入目的によって、適したツールのタイプが異なります

例えば、「購買率・成約率を上げたい」という場合は、営業向きのポップアップ型が適しています。
あるいは「離脱率を下げたい」のであれば、ユーザーの質問や要望にリアルタイムで応えられるチャット型がいいでしょう。

8-2.必要十分な機能が備わったものを選ぶ

次に、必要十分な機能が備わっているツールを選びましょう。

Web接客ツールの中には、機能がシンプルなものもあれば、さまざまなことができるものもあります。

まず似たタイプのツールをいくつか比較して、どの機能が必要か、必要でないかを切り分けた上で、必要な機能が最小限にまとまったものを選べば使いやすいでしょう。

8-3.費用対効果が見合うものを選ぶ

費用ももちろん重要ですので、費用対効果に見合うものを選んでください。
せっかくツールを導入しても、それによる効果よりもコストの方が上回ってしまえば意味がありません。

そうならないためには、事前に費用対効果を計算することをおすすめします。もちろん正確な数値を出すのは難しいので、過去の例などを参考にしてシミュレーションしてみてください。

その結果を踏まえて、予算の範囲内に収まるツールを選びましょう。

まとめ

いかがでしたか?
Web接客について、知りたかったことがわかったかと思います。

では最後にもう一度、記事の要点をまとめておきましょう。

◎Web接客とは「Webサイトを訪れたユーザーに対して行う接客全般」

◎Web接客のメリットは、

・購買率、成約率の向上
・離脱率の改善
・業務効率化
・顧客満足度の向上
・顧客データの収集・分析・活用
・Webサイトや製品、サービスの品質改善

◎Web接客ツール選びのポイントは、

・導入目的に合ったものを選ぶ
・必要十分な機能が備わったものを選ぶ
・費用対効果が見合うものを選ぶ

以上を踏まえて、あなたの会社がWeb接客の導入に成功するよう願っています。

トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションの
ノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。
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