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AR(拡張現実)とは?VR・MRとの違いをわかりやすく解説

この記事では、ARとはどのようなものなのか、VRやMRとの違いや活用シーンを解説することで理解できるようになっています。またそれだけではなく、ARの最新動向や活用するメリット・課題点、今後の展望についてもわかりやすく解説しています。

ARとは「現実世界に3Dデータなどのデジタルコンテンツ情報を付加してくれる技術」のことです。

たとえば、専用のアプリを起動して、道端でカメラをかざすと、スマートフォン越しにそのキャラクターがいるかのように表示される、とゲームや広告はAR技術を使用しています。

また、専用のカメラアプリで顔を写すと、顔がペイントされたり、顔にシールが貼られているように表示される機能もAR技術です。

ただし、このAR技術には4つの種類があり、活用シーンや活用事例は幅広くあります。

一口に「AR」といっても、その用途や目的はさまざまであるため、実際にどのような使われ方をしているのかを知らないと、AR技術が自社にとってどのように役立ちそうなのかを見極めることはできません。

そこでこの記事では、ARに関する基礎知識だけでなく、

  • 活用シーン
  • 活用事例
  • 最新の活用動向

を解説します。

また本記事の内容は以下のとおりです。

この記事でわかること

・ARとは
・ARの活用事例
・ARの最新動向
・ARをビジネスで活用するメリット
・ARが抱える課題点
・ARの今後の展望

この記事を読むことで、ARの基礎知識がわかるだけでなく、どのようにビジネスで活用されているのか、ビジネスで活用するとどのようなメリットや課題点があるのかを知って、自社に取り入れるかどうか判断できるようになります。

1.ARとは

近年ビジネスの現場において重要性が高まっているARという技術。まずはARがそもそもどういった技術なのかについて、詳しくご紹介します。

1-1.ARとは、現実世界に3Dデータなどのデジタルコンテンツ情報を付加してくれる技術のこと

ARは「Augmented Reality(拡張現実)」の略で、スマートフォン・タブレットなどの電子機器を通して、現実の空間に3Dデータなどバーチャルな映像を投影し、現実世界にデジタルコンテンツ情報を追加する技術のことを指します。

たとえば、以下はARの技術を使ったサービスです。

  • スマートフォンを空にかざしてみると、GPS機能を利用して位置情報や向きを測定し、その場所から見える星座表を表示する
  • 外でアプリを起動すると、スマートフォン越しに、その場所にキャラクターがいるかのように表示される
  • 地図アプリを起動して、道にカメラをかざすと、画面越しにナビゲーションの3Dを表示してくれる

こうしたAR体験は、スマートフォンやタブレットに加えて、メガネ型で自然にAR体験が可能となる「ARグラス」などを利用して、体験します。

現実の風景のなかに「ナビゲーション」「3Dデータ」「動画」などのデジタルコンテンツを追加できるAR技術は、より直感的で理解しやすいサービスの制作に効果的となっており、近年ビジネスにおいても注目が集まっています。

1-2.ARの種類

ARには、以下4つの種類があります。

▼ARの認識タイプ4種類

種類

概要

用途例

画像
認識型

マーカー型:QRコードなど、きめられたルール内(四角い黒枠で囲ったものなど)で作られたもののみ認識し、ARを表示させる

・名刺上のQRコードを認識して、カメラ越しに本人の映像やプロフィール動画を表示する

マーカーレス型:イラストや写真などを認識してARを表示させる

・顔の画像にカメラをかざすと動物の耳やひげがつくアプリ
・アニメキャラに専用アプリのカメラをかざすとウインクする

GPS型

GPSなどからユーザーの現在地を特定しARを表示させる

・現在地から見える星座の配置を示した天体観測アプリ
・スマホのカメラでナビの方向を表示するナビアプリ

空間
認識型

デバイスのカメラやセンサーで空間を認識しARを表示させる

・家具や家電の配置シミュレーション

物体
認識型

デバイスのカメラやセンサーで立体物を認識しARを表示させる

・フィギュアを認識してARで「稲妻」「紙吹雪」などの演出をする

それぞれ詳しく解説します。

画像認識型

画像認識型は、QRコードや写真、画像、イラストなどを認識して、ARコンテンツを表示させるタイプのARです。

たとえば、スポーツ選手等の等身大パネルにスマートフォンのカメラをかざすと、静止画だった選手が画面上で手を振ったり、ジャンプしたりするなど、写真や画像、イラストをカメラ認識することで、ARコンテンツを表示させることができます。

画像認識型は、厳密にはマーカー型マーカーレス型の2種類に分類されます。

マーカー型は、特定のマーク(QRコードなど)をカメラで撮影、読み取ることで、映像を表示する仕組みです。ARの中では最もシンプルで、コストのかからない認識手法です。

一方、マーカーレス型はマーカー型から発展して、カメラに写っているイラストや写真、画像を認識してAR情報を付加します。マーカー型と比較してスマートフォンのカメラ認識精度に左右されるといったデメリットはあるものの、マークを必要としないので自由度は高くなります。

GPS型

GPS型は、スマートフォンのGPSによる位置情報をベースとして認識するARの技術です。

あらかじめ、GPS情報と連動させて「この場所にはキャラAのARコンテンツを出現させる」と設定しておき、設定された場所にスマートフォンの端末をかざした際に、ARコンテンツが表示されるようになっています。

また、位置情報に加えて、方角やデバイスの加速度センサーなどのデータと組み合わせて、より精度の高い場所にARコンテンツを表示することも可能になっています。

たとえばGPS型の代表的なARサービスとして、MAPアプリがあります。これは現在位置から目的地までナビゲーションをARで表示するようになっており、迷わずにたどり着くことができます。

このように、GPS型は位置情報をもとにしてARコンテンツを表示してくれます。

空間認識型

空間認識型は、デバイスのカメラやセンサーなどを通じて、現実世界の空間(高低差や大きさ、奥行きなど)を認識し、ARコンテンツを表示(配置)するというものです。

たとえば家具メーカーでは、購入検討中の家具をARで表示させて、自宅の部屋に配置シミュレーションができるサービスを展開しています。

このほかにも自動運転技術のように、空間をリアルタイムで認識して精度確保や安全などへつなげる必要がある分野において、空間認識型のARが役立てられています。

物体認識型

物体認識型は、「特定の立体物」を認識してARコンテンツが表示されるというものです。

たとえば、カメラをかざした商品についてARで説明を表示したり、フィギュアを認識してARで稲妻や紙吹雪などのエフェクトを表示したりすることができます。

物体認識型は、カメラで立体物の特徴点(たとえば立体の頂点など)を解析し、カメラをかざした面に対して、出現するように設定したARコンテンツを表示させます。

対象物を360°どこからでも認識できるため、フィギュアなど、あらゆる三次元の立体物を認識できます。

1-3.ARとVR、MRとの違い

ARとよく混同されるものとして、「VR」「MR」があります。

その違いは以下のとおりです。

ARとVR、MRとの違い

これらの違いについて、詳しく解説します。

ARとVRとの違い

ARとVRの違いは、現実世界をベースにしているか、仮想現実をベースにしているかの違いにあります。

VRは「Virtual Reality(仮想現実)」の略で、コンピュータ処理によって現実とは違う仮想現実を作り上げ、これを体験する技術である一方、ARは現実世界にバーチャルな情報を付加する技術です。

たとえば、VRによるゲームは架空の世界に入りこみ、「まるで本物の世界」のように体験し、行動することができますが、ARによるゲームはその世界に入り込むというものではありません。あくまで現実世界をベースに、スマートフォンや専用グラスを通して、バーチャル情報を付加された現実を体験するにとどまります。

このようにあくまで現実世界を主体としたARと、仮想現実という非現実の世界を主体としているVRは、似ているようで異なる技術なのです。

ARとMRの違い

ARとMRは現実世界をベースにバーチャルな映像を投影するという点で非常によく似ていますが、MRはARよりも現実世界を仮想現実化させます。

MRとは、「Mixed Reality(複合現実)」の略で、専用のゴーグルを用いて、現実世界に仮想現実の世界を重ね合わせる技術のことです。

MRは現実世界と仮想現実の融合に重点が置かれており、現実の空間の机や地面の位置をデバイスが正確に把握し、仮想世界のデジタルなオブジェクトを手で持ち、置くことなどが可能です。

一方で、ARでは仮想世界のデジタルなオブジェクトを手で持ったり、置いたりすることはできず、あくまで、「バーチャルな情報が付加された現実を見て、体験する」というものです。

こうしたことから、MRは現実を主体としたARと仮想現実を主体としたVRのちょうど中間に位置する技術といえます。

1-4.ARの活用シーン

ARは現在、以下のようにさまざまなシーンで活用されています。

活用シーン

説明

ARゲームアプリ

位置情報を利用し、現実世界がそのままゲームの舞台になる。空間を認識させることで、建築物や乗り物の模型、パズルを組み立てることもできる。

さらには、3Dキャラクターを現実世界に表示させて育成したり、動かしたり、戦わせたりすることが可能。

スポーツ

相手を攻撃するシューティングスポーツや、卓球の仮想対決、スキーなどのゲレンデでのナビゲーションができる。

そのほか、スポーツ観戦の際にグランドやマウンドに立っている選手をスキャニングすると選手紹介や、直近の成績などの情報がリアルタイムで見ることが可能。

デジタル×リアル
の体験型イベント

謎解きや宝探し、ARスタンプラリーで会場を回遊させたり、3Dキャラクターの出現で写真撮影を促し、SNSに投稿してもらうなどのイベントを催すことができる。

家具・家電
シミュレーション

実物大3Dモデルの家具や家電をARで表示させ、実際に部屋においたときのサイズ感や色味の確認ができる。

さらには、使い方や特徴などもあわせて音声で流すことも可能。

バーチャルメイク・
フィッティング

顔認証やボディトラッキングをすることで、バーチャル空間でメイクや試着ができる。

商品を身に着けたときの色味やサイズなどがわかるようになるため、購入障壁が下がったり、返品トラブルを解決したりすることが可能。

MAP・地図案内

デバイスの画面を通じて、道や眼の前に矢印を表示させ、不慣れな土地や入り組んだ路地でも確実に特定の場所へたどり着けるようにすることが可能。

さらには、看板や建物を認識することで、周りの店舗情報も表示したり・アナウンスすることも可能。

より具体的な活用事例については「2.ARの活用事例」で解説しています。

2.ARの活用事例

ARの活用方法についてイメージを持つために、2章ではARの活用事例について解説します。

2-1.美容業界のAR活用事例

1つめの事例は「美容業界のAR活用事例」です。

化粧品といえば以前は店頭に赴き、テスターを使って実際に試してもらったあとで購入することが一般的でした。

しかしこうしたテスターで試したあとに購入するという流れは、顧客の肌に負担がかかるだけでなく、店頭へ行く時間や労力がかかってしまいます。

美容業界ではこうしたテスター購入の難しさを解消するべく、現在新たな化粧品のお試し方法として、購入前にメイク使用後のシミュレーションを行うことができるバーチャルメイクを導入しています。

バーチャルメイクは、試したい化粧品を選び、スマートフォンを自分の顔にかざすだけで実際に選択した化粧品を使った場合の仕上がりを確認できるシステムです。

バーチャルメイクはテスターと異なり店頭だけでなく、自宅にいる時にも化粧品を試すことができることから、ECサイトでの化粧品購入率を上げることにも成功しています。

2-2.製造業界のAR活用事例

2つめのAR活用事例は「製造業界のAR活用事例」です。

製造業界は近年、熟練作業員の減少による人手不足が深刻化しているため、若手作業員の迅速なスキルアップが求められています。

そこで、こうした課題解決のためにAR技術を使用したARグラスが導入され始めています。

製造業界に導入されているARグラスとは、ARが表示されるメガネのことです。

製造現場や保守点検の現場の作業スタッフは、ARグラスを通して作業現場をハンズフリーで見ることができ、遠隔地にいる支援者や熟練者のサポートを受けることができます。

遠隔地の支援者や熟練者は、現場の作業スタッフのARグラスに付属するカメラを通じて、現場の作業スタッフが見ている光景を確認でき、作業スタッフのARグラスに音声・画像・メッセージを送ることができます。また、作業スタッフのARグラスに描き込んで指示することも可能です。

製造業界ではAR技術の活用によって、遠隔地からの現場作業者への指示出し・保守点検作業のサポートなどが容易になり、現場作業者の作業効率・正確性の向上を実現しています。

3.ARの最新動向

ARは年々、より幅広い形でビジネスの現場に登場しつつありますが、ARの分野は進化がめまぐるしいため、最新の動向をつかんでおきましょう。

3章では、ARの最新動向について、以下3つを解説します。

ARの最新動向

3-1.アパレル販売におけるAR活用

1つめは「アパレル販売におけるAR活用」です。

近年、新型コロナウイルスの流行によって、店舗を訪問する消費者は減少しています。特に若年層はこの傾向が強く、こうした層はパンデミックが沈静化された後も、店舗を訪問する必要性を感じないとも言われています。

こうした状況を受けて、AR技術を駆使し、バーチャル試着といった特別な購入体験を可能にするシステムが店舗に導入され始めています。

これは、カメラの付いた画面の前に立つだけで、店舗に展示されている服をバーチャルで試着できるようにするというサービスです。

非接触・非対面で体験できるため、コロナ禍であっても安心して店舗への訪問が可能になるだけでなく、さまざまな服の試着が容易となり、気に入ったものをその場で購入できるため、店舗訪問のメリットが大きくなり、店舗での購入者数を増やすことができます。

店舗ならではの魅力を強めるこうしたAR技術は、実店舗での購入の推進に一役買っています。

3-2.NFTのファッションアイテムを身につけるためのAR活用

2つめは、「NFTのファッションアイテムを身につけるためのAR活用」です。

最近では、AR技術を活用して「NFTを着用する」という体験を提供するサービスが提供され始めています。

そもそもNFTとは、偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータのことで、デジタルコンテンツなどにデータを紐付けることで、世界に一つだけのデジタル資産を持つことができます。

現在、さまざまなNFTが登場しており、たとえばアートや音楽、ゲームキャラや仮想空間(メタバース)内で利用できるアイテムなどがNFT化されており、最近では、メタバース空間の中でアバターが身につける「デジタルファッション」としてのNFTにも注目が集まっています。

こうした市場背景の中、デジタルファッションの有用性を意識し、より実社会で利用されるNFTを目指すひとつのアプローチとして、AR技術を活用して現実世界で「NFTを着用する」体験を提供するサービスが提供され始めたのです。

NFTを着用するためには、スマートフォンのアプリを起動して、カメラを人にかざすことで、NFTとして発行されたデジタルファッションを画面上で身にまとうことができます。さらに、アプリ内のデジタルワードローブでデジタルファッションを管理することもでき、NFTのマーケットプレイスで売買も可能になります。

今後、ARメガネの利用の活発化やスマートコンタクトレンズの実用化が実現すれば、日常的にNFTデジタルファッションを身に着けている人を見かけたり、自身もデジタルファッションを身にまとったりするなど、NFTとARの利用が日常化する可能性があるでしょう。

3-3.Googleにおける商品検索結果のAR表示活用

3つめは「Googleにおける商品の検索結果のAR表示活用」です。

Googleは、消費者の約半数は商品を購入する際、一度商品を検索し調べていると公表しています。

こうした事実を受けて、2019年から実装されているGoogleのAR表示機能を利用し、企業が商品の検索結果をARで表示する活用事例が増加しています。コロナ禍におけるオンラインショッピングの盛り上がりを受けて、2022年以降は検索結果のAR表示を活用する企業が増加するのではないか、と予想されています。

4.ARをビジネスで活用する3つのメリット

直感的で分かりやすいデジタル情報の表示を可能にするARは、ビジネスのさまざまな面で有益な場面があります。

ARをビジネスで活用する際のメリットは、以下の3つです。

ARをビジネスで活用する3つのメリット

それぞれくわしく見ていきましょう。

4-1.研修・育成が効率的に行える

1つめのメリットは「研修・育成が効率的に行える」という点です。

というのも、ARの導入によってリモート研修やOJTが行いやすくなるため、人材育成時間やコストが削減でき、効率的に研修・育成が行えるのです。

本来、人材を教育するためには集団研修や出張OJT、現場への指示などで、研修を行う社員が時間をかけて仕事を教えます。

こうした人材育成方法では、研修担当の社員の移動時間や出張費用、新型コロナウイルスの感染リスク対策が必要となり、現場で活躍できる従業員を育成するのに時間やコストがかかります

そこでAR技術を導入し、育成対象者がARグラスを装着すれば、ARのカメラから現場の様子を研修担当の社員が把握できます。

また、具体的な指示を音声や画像、そして画面上への描き込みによって的確に教えたり、指示ができるようになり、オフィスから作業現場、自宅からオフィスを結んで状況を共有できるようになります。

こうしてARを導入すれば、研修担当の社員が研修やOJT、指示をするために現場へ赴く必要がなくなり、少ない人的リソースで効率良く、手厚く教育を行うことができるようになるのです。

このようにARの「効率的に人材を研修・育成できる」という点は大きなメリットといえるでしょう。

4-2.「商品の返品率」を下げる

2つめは「商品の返品率を下げる」という点です。

AR技術を駆使することで、デジタルで表示させた商品見本を、見込み顧客に試着・試用してもらうことができ、顧客が商品の使用感を事前に把握する助けになります。

購入後の商品のイメージの違いによる返品を減少させることができるのです。

たとえば、気になっている家具をARによって画面上の部屋に設置できるため、購入前にユーザー側で合う合わないを判断できます。

返品・返金は企業にとって損失となってしまうため、ARの導入によって返品率が下げられるのは大きなメリットといえます。

4-3.人の目を引くコンテンツを作れる

3つめは「人の目を引くコンテンツを作れる」という点です。

ARは、現実世界に3Dデータによる表現を加えるため、文面や平面的な映像では表現することができない表現を駆使でき、人の目を引くようなゲームや広告、ライブ映像などのコンテンツをつくることができるのです。

たとえば、スマートフォンのゲームアプリでは、アプリを起動した状態で街中や公園を歩くとGPSを利用して場所ごとに特定のキャラクターが画面上に出現するといったコンテンツがあり、実際に社会現象になったほどのゲームもあります。

このように、AR技術を導入してコンテンツをつくることで、人の目を引くコンテンツを作り、売上向上を目指すことができるのです。

5.ARが抱える課題点

ARにはメリットがある一方で、ARの種類によっては課題点があります。

5章ではARの課題点について解説します。

ARが抱える課題点

5-1.【GPS型ARの場合】表示位置にずれが生じる可能性がある

GPS型ARの場合、表示位置にずれが生じる可能性があるという課題があります。

GPS型ARはGPSの位置情報と連動しながらデジタルコンテンツを表示するAR技術で、地図アプリなどのナビや、星座の位置を示す天体観測アプリなどに応用されています。

GPS型ARの表示位置にずれが発生してしまうのは、情報源をGPSに頼っている部分が大きいためです。最近ではスマートフォンの端末に実装されているGPSプロセッサの性能向上や、補正情報の付加等によって誤差は少なくなってきているものの、完全にずれの発生を防ぐのは、今のところ難しいでしょう。

ただし、政府が進めている高精度な位置情報の測位を実現する「準天頂衛星システム」やWi-Fiベースのロケーションシステムが日常的に利用できるようになれば、こうした表示位置にずれが生じる課題も解消されるため、それらの技術や環境整備の発展に期待したいところです。

5-2.【マーカー型ARの場合】場所によっては利用できない可能性がある

マーカー型ARの場合、場所によっては利用できない可能性があるという点が課題となっています。

マーカー型ARは、マーカーと呼ばれる特定の図形をカメラが認識し、そこから情報を読取りARコンテンツを表示するAR技術です。

現在、マーカー型ARはカメラを利用した画像の認識が必須となるため、照度など周囲の環境の状態によって認識の精度に差異が出てしまうという課題点があるのです。

環境によっては利用することができないケースもあり、こうした環境の変化に左右されない安定性の実現が求められています。

5-3.【マーカーレス型ARの場合】空間認識や物体の認識に関する専門的な知識が必要

マーカーレス型ARの場合、空間認識や物体の認識に関する専門的な知識がないと、自社のビジネスに活用するのが難しいという点が課題です。

マーカーレス型ARとは、実際の環境に存在する物体・空間をカメラで認識し、ARコンテンツを表示する技術で、家具・家電製品の配置シミュレーション機能にも活用されています。

今のところ、ARを自社商品に簡単に組み込みできるようにする開発ツールは簡単には見つかりません。自社開発でARを導入するとなると、設計が複雑になり、空間認識に関する専門知識がないと、開発をするのは簡単ではないでしょう。

今後、ARの開発ツールが使いやすいものになれば、今後企業へのARを組み込んだ商品開発が盛んになるでしょう。

6.【ARの今後の展望】ARの市場規模は2026年に884億米ドルに到達すると予測されている

ARは近年、徐々に身近な存在になってきていますが、今後もさらに発展することが予想されており、株式会社グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「AR (拡張現実) の世界市場・COVID-19の影響 (~2026年)」によると、AR(拡張現実)の市場規模は、2020年の147億米ドルからCAGR31.5%で成長し、2026年には884億米ドルに達すると予測されています。

市場成長の要因には、新型コロナウイルス流行による小売業・Eコマース分野でのAR需要拡大、AR活用の利点の大きい医療分野におけるAR導入の拡大などが挙げられます。

特にARは医療分野で重要な役割を果たし、ARの導入拡大を牽引しています。ARは、患者を仮想的に表示し、外科医が患者の体の部位の状態を確認するために使用することで、低侵襲手術を行うことができます。また、AR技術は、身体を切らずに、関節や筋肉および内臓を視覚化するのに役立ち、切開すべき場所の判断を助け、緊急時には収集したデータを活用することができます。

患者の体に関するリアルタイムのデータは、ヘルスケア分野におけるAR技術の導入を促進し、多くの人命を救う役目を担っています。AR技術は、患者の健康状態を仮想化するだけでなく、緊急手術の際の時間を短縮することができるのです。

AR市場は今後益々隆盛を見せ、ビジネスの現場において今以上に重要性が高まっていくことでしょう。

7.ARのビジネス活用はトランスコスモスにおまかせください

ARのビジネス活用はトランスコスモスへ

ARのビジネス活用は、ぜひトランスコスモスにおまかせください。

トランスコスモスでは、AR(Augmented Reality:拡張現実)の導入・活用を容易にするワンストップサービス「transcosmosMR」の提供をしています。

AR体験を通じて消費者の購買意欲を高め、顧客企業の売上・利益拡大に貢献します。

サービスとしては、オリジナルARアプリの開発、汎用型ARアプリの提供、ARコンテンツの制作、ARコンテンツ管理システム、スマートフォンサイトやSNSからシームレスにAR体験へと導く流入経路づくりなどをワンストップで提供いたします。

AR導入の際には、トランスコスモスの「transcosmosMR」

AR導入の際には、トランスコスモスの「transcosmosMR」をぜひご検討ください。

まとめ

この記事では、ARに関する基礎知識やメリット・課題点、今後の展望について解説しました。

改めて本記事の内容をおさらいしましょう。

◆ARとは、現実世界に3Dデータなどのデジタルコンテンツ情報を付加してくれる技術のこと

◆ARとVR、MRとの違い

AR

現実世界をベースに3Dデータなどのバーチャル情報が付加する技術

VR

現実とは違う仮想現実をベースに、架空の世界に入り込んで体験できる技術

MR

現実世界をベースに、仮想現実の世界を重ね合わせることができる技術
MRはARとVRの中間に位置する技術

◆ARの活用シーン

活用シーン

説明

ARゲームアプリ

位置情報を利用することで現実世界がそのままゲームの舞台になります。空間を認識させることで、建築物や乗り物の模型、パズルを組み立てることもできます。

さらには、3Dキャラクターを現実世界に表示させて育成したり、動かしたり、戦わせたりすることが可能です。

スポーツ

相手を攻撃するシューティングスポーツや、卓球の仮想対決、スキーやスノーボードのゲレンデでのナビゲーションなどができます。

そのほかにも、スポーツ観戦の際にグランドやマウンドに立っている選手をスキャニングすると選手紹介や、直近の成績などの情報がリアルタイムで見ることが可能です。

デジタル×リアル
の体験型イベント

イベント企画の一つとして、ARの利用ができます。謎解きや宝探し、ARスタンプラリーで会場を回遊させたり、3Dキャラクターの出現で写真撮影を促してSNSに投稿してもらったりするなどのイベントを催すことができます。

家具・家電
シミュレーション

実物大の3Dモデルの家具や家電をARで表示させることによって、実際に部屋においたときのサイズ感や色味の確認ができるようになります。

さらには、使い方や特徴などもあわせて音声で流すこともできます。

バーチャルメイク・
フィッティング

顔認証やボディトラッキングをすることで、バーチャルメイクやバーチャル試着ができるようになります。

商品を身に着けたときの色味やサイズ、試着した後の顔とのフィット感がわかるようになるため、購入障壁が下がったり、返品トラブルを解決したりすることが可能です。

MAP・地図案内

デバイスの画面を通じて、道や眼の前に矢印を表示させ、不慣れな土地や入り組んだ路地でも確実に特定の場所へたどり着けるようにすることが可能です。

さらには、看板や建物を認識することで、周りの店舗情報も表示したり・アナウンスしたりすることもできます。

◆ARをビジネスで活用するメリット

・研修・育成が効率的に行える
・商品の返品率を下げる
・人の目を引くコンテンツを作れる

◆ARが抱える課題点

・【GPS型ARの場合】表示位置にずれが生じる可能性がある
・【マーカー型ARの場合】場所によっては利用できない可能性があ
・【マーカーレス型ARの場合】空間認識や物体の認識に関する専門的な知識が必要

◆【ARの今後の展望】ARの市場規模は2026年に884億米ドルに到達すると予測されている