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テクニカルサポートとは?導入に向いている企業の特徴を解説

テクニカルサポートとは、IT製品(ソフトウェア・ハードウェア)の不具合や故障など、難易度の高い技術的な疑問や問題に関して、顧客から問い合わせを受けて電話やメール、チャットで対応し、解決に導く職種のことです。

テクニカルサポートを導入することで、顧客満足度を向上できたり、業務を効率化できたり、問い合わせ情報を分析することで商品・サービスの改善ができたりするなど、企業にとって魅力的なメリットがあります。

その一方で、企業がテクニカルサポートを導入する際、

  • テクニカルサポート業務を円滑に行えるようになるまでに時間がかかる
  • すでにスキル・知識を習得したオペレーターが業務過多になりやすい

といったデメリットもあるため、メリット・デメリットを比較して、自社にとってどのようなテクニカルサポートが最適なのか、あるいはテクニカルサポートを取り入れるべきか、を判断する必要があります。

自社に導入するかどうか、よく検討してから判断しなければ、「テクニカルサポートを導入したのに、うまく運営ができず、顧客の満足度が向上するどころか、苦情が多くなってしまっている」といった事態になりかねません。

そこでこの記事では、テクニカルサポートの基礎知識やメリット・デメリットはもちろん、テクニカルサポートの導入に向いている企業の特徴について解説します。

またこの記事の内容は以下の通りです。

▼本記事の内容
・テクニカルサポートとは
・テクニカルサポートを導入する3つのメリット
・テクニカルサポートを導入する2つのデメリット
・テクニカルサポート導入に向いている企業
・テクニカルサポートの導入事例
・効果的なテクニカルサポートを導入・運営するための3つのポイント

この記事を読むことで、テクニカルサポートの基礎知識が身につくだけでなく、自社にとってテクニカルサポートを取り入れるべきかを判断できます。

さらには、テクニカルサポートを導入すると決めた場合に、テクニカルサポートを導入・運営するポイントがわかります。

ぜひ最後までお読みください。

1.テクニカルサポートとは

まずは、テクニカルサポートとはどのようなものなのかについて、その基礎知識を解説します。

1-1.テクニカルサポートの職務

テクニカルサポートとは、IT製品(ソフトウェア・ハードウェア)の不具合や故障など、難易度の高い技術的な疑問や問題に関して、顧客から問い合わせを受けて電話やメール、チャットで対応し、解決に導く職種です。
電話やメール、チャットだけで対応が難しい場合は、現地に赴いてサポートを行うこともあります。

たとえば、企業向けにソフトウェアを販売している企業のテクニカルサポートでは、

  • 顧客のパソコンに記録されているエラーログを送信してもらって分析し、故障箇所の発見・修理に必要な対応を行う

などを行います。

このようにテクニカルサポートでは、IT製品に関して、専門的で技術的な問い合わせ対応を行うのです。

1-2.テクニカルサポートとカスタマーサポートの違い

IT製品(ソフトウェア・ハードウェア)に関する難易度の高い技術的な疑問や問題への問い合わせに対応するテクニカルサポートに対し、「取り扱い商材」の販売方法や購入方法、購入店舗案内、利用方法、仕様の確認(商材が食品系や家具系の場合は含有成分確認なども含む)等への質問や問い合わせを扱う場合は、一般的に「カスタマーサポート」と呼ばれます。

この2つの職種の違いは、「問い合わせの対応範囲」が異なるという点です。

例えば、同じIT製品を商材として取り扱うサポートの場合であっても、技術的な質問ではなく、製品購入における仕様確認や購入方法の案内等のみを行っている場合に「カスタマーサポート」と呼称するケースもあります。

1-3.「テクニカルサポートセンター」も存在する

テクニカルサポートは職種の一つであると解説しましたが、実は、専門的で技術的な問い合わせを集中して受け付ける「テクニカルサポートセンター」を保有している企業もあります。

顧客からの高度な問い合わせが多く、その内容が多岐にわたっている場合はテクニカルサポートセンターを構築することで、

  • 問い合わせ対応事例などの有益な情報を、すぐに更新・共有できる
  • オペレーター(テクニカルサポート)の育成を効率よく行える

といったメリットがあるからです。

顧客への問い合わせ対応事例をすぐに共有できれば、似た案件に対応する際の解決までのステップがスムーズになります。

また、テクニカルサポートセンターにオペレーターを集めることで、スタッフのトレーニングや定期テストを実施しやすくなり、育成を効率よく行うことができます。
そして、問題解決力の高い専門的で技術力のあるテクニカルサポートの育成ができます。

そのため、テクニカルサポートという職種を設置するだけでなく、「テクニカルサポートセンター」を設置している企業があるのです。

2.テクニカルサポートを導入する3つのメリット

テクニカルサポートを自社に導入する際、以下3つのメリットがあります。

 テクニカルサポートを導入する3つのメリットの説明

それぞれ詳しく見ていきましょう。

2-1.顧客満足度を向上できる

1つめは「顧客満足度を向上できる」という点です。

テクニカルサポートを導入することによって、顧客だけでは解決できないような難しい問題をすばやくスムーズに解決でき、満足度の高いサポートを顧客に届けられます。

ただし、コンタクトセンターのオペレーターは、高難易度の問い合わせに対応する為の技術力や専門知識を初めから持ち合わせている訳ではない為、以下のようなステップを踏む必要があります。

・該当商材販売前に、コンタクトセンター側で必要となる開発情報や製品仕様情報などを技術部門担当者より予め情報共有してもらい、事前教育を受けておく

・該当商材販売前に、コンタクトセンター側で必要となるであろう想定FAQを予め準備しておく

・事前教育範囲で解決できなかった場合のエスカレーションルールの整備、及びエスカレーションフロー(特に技術部門担当者とのやりとりに関し)を予め準備しておく

・該当商材販売前に事前準備を整えたうえ、実際の入電の際はオペレーターが問題の原因究明から解決策提示まで含め、顧客に対処法を提示する
(事前教育内で解決出来ない問題の場合は技術部門担当者へエスカレーションする)

このような企業内の部署間連携を構築することで、「不安や疑問、問題をすばやくスムーズに解決してもらえた」と顧客が感じることができるため、顧客満足度が向上するのです。

逆にテクニカルサポートを導入していない場合、顧客からの問い合わせは会社代表や販売拠点などに直接相談が入ることとなり、その後企業の技術部門に直接質問が回付される状況が発生することになるでしょう。

企業によっては、技術部門(社内SE)などが直接顧客対応を行う場合もあります。しかし結局のところ、技術部門の担当者が本来の業務に加えて問い合わせ対応を行うことになるため、業務過多となり、テクニカルサポートが対応するよりもすばやくスムーズに対応するのが難しくなります。

したがってテクニカルサポートという職種を導入することで、すばやくスムーズな問題解決ができ、満足度の高いサポートを顧客に届けることができるのです。

2-2.業務効率の向上につながる

2つめは「業務効率の向上につながる」という点です。

テクニカルサポートを導入すれば、自社の商品・サービスについて専門的な知識と技術力を持ったオペレーターの配置が可能になります。

そのため問い合わせに対して、不具合・故障の原因特定や解決策の提示をすばやく行え、効率よく業務をこなしていくことができます。

その一方、テクニカルサポートを導入していない場合、以下のようなことから業務を効率化することが難しくなります。

▼テクニカルサポートを導入していないケース

◆技術部門など、他部門の工数が増えて、本来の業務を効率よく進められなくなる

難易度の高い問い合わせに対して、一般の問い合わせを担当するオペレーターのスキルや知識では対応できません。
技術部門などに問い合わせ内容を共有して、解決策を提示してもらう必要があるため、技術部門などの他部門の工数が増え、他部門が本来の業務を効率よく進められなくなってしまうことがあります。

◆オペレーター自身が問い合わせ対応に時間がかかってしまい、業務の効率化が難しくなる

難易度の高い問い合わせに対応するためのスキルや専門知識をオペレーターは持っていないため、調べたり、聞いたりして、顧客に対応するための情報を集める必要があります。
そうした工程に時間がかかってしまい、業務効率が上がらなくなってしまいます。

このようなことから、テクニカルサポートを導入することで、顧客からの難易度の高い問い合わせに対し、問い合わせ受付から原因の特定、解決策の提示をスムーズに行える職種・部門を自社に導入できることになるため、結果的に業務の効率化につながるのです。

2-3.問い合わせ情報を分析することで商品・サービスの改善ができる

3つめは「問い合わせ情報を分析することで商品・サービスの改善ができる」という点です。

顧客からのトラブル報告や不具合・故障のデータを吸い上げることによって、商品・サービスをアップデートする際や、新商品・サービスの開発を行う際に役立てることができます。

たとえば「ソフトウェアの〇〇という機能を使う際にパソコンがフリーズしてしまう」という不具合が複数件発生しているということが、問い合わせから判明した場合を考えてみましょう。

この場合、ソフトウェアの次回のアップデートでは、その不具合を改善する対処を行います。
そうすることで、顧客は問題なくソフトウェアを利用することができるようになります。

また、不具合を改善する際には、すでに個別の問い合わせで不具合の原因を特定できており、解決策を導き出せているので、ソフトウェアの不具合改善をスムーズに行なえます。

こうしてテクニカルサポートを導入することで、問い合わせから自社の商品・サービスの問題点や改善点を明らかにし、解決策を導き出せるため、開発や改善に役立てることができるのです。

3.テクニカルサポート導入に向いている企業

テクニカルサポートの導入に向いている企業の特徴は、以下の2つです。

テクニカルサポート導入に向いている企業の説明

3-1.IT製品を取り扱う企業

テクニカルサポート導入に向いている企業の特徴1つめは「IT製品を取り扱う企業」です。

なぜならIT製品を取り扱う企業では、テクニカルサポートがいなければ、スムーズに顧客のトラブルを解決できず、顧客の不満を増加させてしまうからです。

IT製品に関する問い合わせ対応は、簡単なものばかりでなく、難易度の高いものもあります。そのため、スムーズな対応を提供するためには、専門知識やスキルを持つテクニカルサポートが必要なのです。

たとえば、「ソフトウェアの〇〇という機能を使う際にパソコンがフリーズしてしまう」という問い合わせがある場合です。

こうした場合、テクニカルサポートでは、以下のような対応を行います。

・フリーズした詳しい状況についてヒアリング
・フリーズの原因を特定
・解決策を提示

上記のように、顧客の問い合わせ内容をしっかり把握して、的確な対応をするための専門知識やスキルを持つオペレーターがいなければ顧客は、

・「トラブルが起こっている状況が理解してもらえない」
・「トラブルが起こって困っているのに、丁寧なフォローがない」
・「なかなかトラブルを解決してもらえない」

といった不満を感じてしまう可能性があります。

こうしたことから、テクニカルサポートを導入することで、顧客に対してスムーズな対応を提供でき、不満をなくして顧客満足度の向上が可能になります。

そのため、IT製品を取り扱う企業にとってテクニカルサポートは必要な職種であるといえるでしょう。

3-2.顧客からの技術的な問い合わせが多い企業

2つめは「顧客からの技術的な問い合わせが多い企業」です。

というのも、顧客からの技術的な問い合わせが多い企業は、テクニカルサポートを導入したほうが問い合わせ対応業務の効率が上がるのです。

テクニカルサポートが導入されていない場合は、顧客からの技術的な問い合わせがあってもオペレーターだけで対応できないため、技術部門へ「問題の特定」と「解決策の提示」を依頼します。
そのため、問題解決まで時間がかかり、効率が悪くなります。

その一方、テクニカルサポートを導入すれば、テクニカルサポート自身で技術的な問い合わせに対応できるため、スムーズかつ効率的に解決できます。

こうしたことから、顧客からの技術的な問い合わせが多い企業は、効率良く問い合わせに対応していくためにも、テクニカルサポートの導入が向いているでしょう。

4.効果的なテクニカルサポートを導入・運営するための3つのポイント

テクニカルサポートを導入する場合、できれば効果的に運営をしていきたいものです。

4章では、テクニカルサポートを導入する場合に、効果的に導入・運営するためのポイントを3つご紹介します。

効果的なテクニカルサポートを導入・運営するための3つのポイントの説明

4-1.業務効率化できるシステムを活用する

1つめは「業務効率化できるシステムを活用する」ということです。

テクニカルサポート運営において、顧客はトラブルや問題を抱えて問い合わせをします。
そのため、おまたせすればするほど、顧客は問題が解決できないストレスがたまり、不満を感じてしまいます。

そこで、できるだけおまたせしないようにテクニカルサポート内で業務の効率化をはかり、顧客の問い合わせ後にすぐ対応できるようにする必要があります。

たとえば、電話での問い合わせが多く、顧客の待ち時間が長くなってしまう場合は、一次受付を音声AIにすることで、すぐに解決する疑問と難易度の高い問題をふるい分けすることができます。

すぐに解決できる疑問は、その場で音声AIが対応し、難易度の高い問題に関してはテクニカルサポートにつないで、原因の特定と解決策の提示を行っていくことができ、効率良く問い合わせに対応ができます。

テクニカルサポートの業務効率化には、以下の実施がおすすめです。

・チャットボットを導入する
・音声AI(ボイスボット)を導入する
・FAQサイトを設置してよくある質問は顧客自身で解決できるようにする
・CRMシステム(顧客管理システム)を導入する
・マニュアル検索システムを導入する

トランスコスモスでは、業務を効率化できる音声AI(ボイスボット)をご提供しています。

顧客の問い合わせ内容がよくある質問の場合音声AI(ボイスボット)だけで対応を完結させることが可能です。

また一次受付を音声AI(ボイスボット)で対応し、難易度の高い問い合わせには、オペレーターが対応するといった仕組みにできるため、効率良く問い合わせ対応をすすめていくことができます。

トランスコスモスが提供する音声AI(ボイスボット)に興味がある方はこちらから詳細資料を請求いただくか、お問い合わせください。

4-2.テクニカルサポート向けの研修を行う

2つめは「テクニカルサポート向けの研修を行う」ということです。

テクニカルサポートでは、何度もお伝えしているとおり、問い合わせの難易度が高いため、専門的なスキルや知識が必須です。
そのため、研修を行って顧客からの問い合わせに対応できるように、学んでもらう必要があるのです。

たとえば、セキュリティソフトを開発して販売している企業であれば、セキュリティソフトに関する知識の習得や、OSごとの操作方法、電話応対のスキルなど、習得しなければならないスキルや知識は多くあります。

もしテクニカルサポートに対して研修を行わなければ、その場で顧客の問い合わせを解決することは難しく、技術部門に解決策を提示してもらうことになってしまいます。
これでは、テクニカルサポートの利点を活かすことができません。

以下のようなテクニカルサポート向けの研修を行うようにしましょう。

・自社商品・サービスの知識の学習(実際に商品・サービスを操作したり、ソフトウェアの場合はOSごとに操作感を確認したり、分析ツールを利用したトラブル特定の方法など)

4-3.アウトソーシングも視野に入れる

3つめは「アウトソーシングも視野に入れる」ということです。

アウトソーシング先では、顧客サポート業務においてノウハウや経験を持っているため、自社にテクニカルサポートを設置するよりも効率的に短期間で立ち上げられる可能性があるのです。

たとえば、テクニカルサポートを初めて導入するA社・B社の場合を考えてみましょう。
A社では、自社におけるテクニカルサポートの必要性に気づき、導入を決定しましたが、テクニカルサポートを立ち上げるために、

・どのような設備が必要なのか
・どんな研修内容でオペレーターを教育していけばいいのか

がわからず、調べながら少しずつ構築を進めていくこととなりました。

一方で、B社では、初めてテクニカルサポートを導入するため、アウトソーシングでテクニカルサポートを運営してもらうことを決めました。

アウトソーシングに導入・運営を依頼しているため、設備の準備やオペレーターの研修はスムーズに進み、A社よりも短期間でテクニカルサポートの運営を開始できました。

このようにアウトソーシングでは、そのノウハウや経験を生かして導入・運営してもらえるため、効率良く進めていくことができます。

アウトソーシングを依頼する際には、ぜひトランスコスモスへご相談ください。

トランスコスモスでは、金融・通信・ハイテク・医薬・自動車・航空・公共など多分野での取引実績から、経験豊富でテクニカルサポートの導入・運営をスムーズに行うことができます。

アウトソーシングをお考えの場合は、一度ぜひご相談ください。

まとめ

この記事では、テクニカルサポートの基礎知識やメリット・デメリット、向いている企業や、導入事例、効果的なテクニカルサポートを運営するためのポイントを解説しました。

ここであらためて、本記事の内容をおさらいしましょう。

◆テクニカルサポートとは、IT製品(ソフトウェア・ハードウェア)の不具合や故障など、難易度の高い技術的な疑問や問題に関して、顧客から問い合わせを受けて電話やメール、チャットで対応し、解決に導く職種

◆テクニカルサポートを導入する3つのメリット

・顧客満足度を向上できる
・業務効率の向上につながる
・問い合わせ情報を分析することで商品・サービスの改善ができる

◆テクニカルサポート導入に向いている企業

・IT製品を取り扱う企業
・顧客からの技術的な問い合わせが多い企業

◆効果的なテクニカルサポートを導入・運営するための3つのポイント

・業務効率化できるシステムを活用する
・テクニカルサポート向けの研修を行う
・アウトソーシングも視野に入れる

 

トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションの
ノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。
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