
近年、自治体や公共機関の中にも、民間企業のように「業務の効率化」「住民や利用者の満足度向上」「DX化」などの課題に積極的に取り組む団体が増えてきたようです。
そんな流れを受けて、年1回開催されているのが「自治体・公共Week」という展示会です。
今年(2024年)も去る6月26日(水)~28日(金)の3日間、東京ビッグサイトにて開催され、多数のセミナーやセッション、企業出展を目指してのべ2万人近くが来場しました。
このイベントは、以下の6つの展示会を中心に構成されています。
・自治体DX展 |
トランスコスモスも「自治体DX展」に出展、ブース内で「顧客体験(CX)を高めながら、運用効率化も同時に実現する これからの自治体フロントヤードとそれを支えるDX運用ノウハウ」と題したセミナーを実施したところ、多数の方々にご参加いただくことができました。
そこでこの記事では、「自治体・公共Week」のイベント概要と、トランスコスモスのセミナー内容のまとめをご紹介していきましょう。
「行きたかったけれど行けなかった」という方や、「自分も自治体や公共機関で働いているので興味がある」という方は、ぜひ読んでみてください。
今後の「業務効率化」や「CX向上」、「DX」などにきっと役立つはずです。
1.自治体・公共向けの製品・サービス展示会「自治体・公共Week」、2024年6月に開催
「自治体・公共Week」は、年1回開催される自治体・公共向けの展示会です。
「住みやすい街づくり」「活性化」「業務効率化」につながる製品やサービスを提供している企業が一堂に会する大イベントとして、毎年多くの来場者を集めています。
各界の専門家によるセミナーやセッションなども多数展開されているため、来場する自治体・公共機関の担当者にとっては、最新情報を広く知ることができる貴重な場とも言えるでしょう。
今年は「地域の未来につながる出会いを 自治体・公共Week 2024」と題し、総務省、全国市長会、全国町村会の後援のもと、去る2024年6月26日(水)~28日(金)の3日間にわたって東京ビッグサイトで開催されました。
展示内容は、大きく以下の6つの展示会にわかれています。
・自治体DX展 |
参加企業はおよそ350社、デジタル庁の河野 太郎大臣(開催当時)や大阪府東大阪市市長、群馬県前橋市市長などのセミナーもあり、来場者は3日間合計でのべ2万人近くにのぼりました。
※参照:自治体・公共Week 公式サイト
2.トランスコスモスも、3日間のイベント中に16回のセミナーを開催!
この「自治体・公共Week 2024」には、トランスコスモスもブースを出展しました。
展示内容は、「顧客体験(CX)を高めながら、運用効率化も同時に実現する これからの自治体フロントヤードとそれを支えるDX運用ノウハウ」と題したセミナーです。
3日間の会期中16回にわたって開催し、多数の方々に参加していただきました。
【セミナー登壇者】
そこで、好評をいただいたセミナーの概要を、次章で簡単に紹介しましょう。
3.【セミナー抄録】「顧客体験(CX)を高めながら、運用効率化も同時に実現する これからの自治体フロントヤードとそれを支えるDX運用ノウハウ」
前述したように、近年は自治体や公共機関も、民間企業と同様に「業務の効率化」や「住民・利用者の顧客体験(=CX)向上」を目指してDXに取り組むようになってきました。
ただ、一般的には顧客体験を向上させようとすると、タッチポイントごとにより丁寧なサービスを提供する必要があり、担当職員の業務工数は増えてしまいます。
つまり、「顧客体験(=CX)向上」と「業務の効率化」は同時に実現できない、二律背反の関係です。
トランスコスモスでは、DXによってそのふたつを両立させる取り組みを推進しています。
ここでは「自治体・公共が、顧客体験を向上させつつ業務効率化するにはどのようにDXを進めればよいか」を簡単に説明しましょう。
3-1.公共にも民間ノウハウを活用したDXを
多くの自治体や公共機関では、民間企業よりもDXが遅れているようです。
そのため、近年増え続けている社会課題に対して、行政が対応しきれていません。
例えば、以下のような課題はないでしょうか?
1)必要な人に必要な支援が届いていない
各種手続きをする場合、住民や利用者自身が書類を揃えて役所に出向き、自分で申請するのは大変な手間ですし、時間的に難しい人もいるでしょう。
電子申請もできますが、同じ内容を何か所も入力しなければなりません。
また、何か情報を得たくても、役所目線の伝え方で羅列されているだけの場合も多く、利用者にとってはわかりにくいという欠点もあります。
2)業務が非効率で本来業務に時間が割けない
一方職員側でも、書類による手続きや日程の調整に時間をとられたり、窓口では同じ質問や問い合わせに多く対応しなければならなかったりすることで、コア業務が圧迫されています。
業務負担を軽減しようと外部に委託しても、工程ごとに事業者やシステムがバラバラになってしまって一貫性に欠けるケースも多いようです。
さらに、同じ業務でも自治体によって担当部門もバラバラで、組織間での連携が悪いことや、そもそも人手が不足していることなども問題と言えるでしょう。
これらの課題を解決するためには、DXが進んでいる民間企業のノウハウを活用することをおすすめします。
民間では、例えば顧客からの問い合わせ対応は、対人の窓口ではなくコールセンターで専従のオペレーターが担当したり、WEBサイトのFAQなどを充実させて自己解決しやすい環境を整えたりしています。
また、部署や組織ごとに業務プロセスやシステムがバラバラにならないよう、システムを連携して運用も一元化することで、職員の業務効率化と利用者の満足度向上を両立させることも可能です。
ちなみに、「DX化で顧客対応に生成AIを導入すると、利便性がどのように向上するのか」について、コンタクトセンター(コールセンター)を例に従来との違いをわかりやすくまとめた動画を作成しましたので、以下も見てみてください。
3-2.自治体・公共の課題をツールで解決
前掲の動画は、民間企業でツールを導入してDX化を実現した例でしたが、これを自治体・公共機関の課題解決に応用することももちろん可能です。
例えば、以下のようなツール活用が考えられます。
・役所では時間外の対応ができないため、時間内に来庁することができない住民に不便が生じる →自動応答する「音声AI」を導入することで、時間外でも住民が自己解決できるようになる ・住民や利用者の声=VOCを集めて課題の洗い出しや要望の吸い上げをしたいが、その工数を割けない →トランスコスモスの音声認識ソリューション「transpeech」で、問い合わせの音声を自動的にテキスト化、応対記録として残すことができる ・VOCを集めても、部署ごとにバラバラに分散してしまい、正しく分析して改善につなげることができない →前出の「transpeech」とCX最適化支援ダッシュボード「Insight BI」を組み合わせることで、VOCを収集、一元化し、適切に分析することが可能 ・住民や利用者からどのような問い合わせが多いのか、データをとったり傾向を分析したりできていない →同じく前出の「Insight BI」を活用すれば、問い合わせをデータとして集積、分析して最適な対策を講じることができるようになる |
このように、ITツールを適切に活用することで、自治体・公共機関の多くの課題が解決されるでしょう。
3-3.【事例】窓口業務のDX化で住民の利便性も職員の業務効率もアップ!
では、具体的な導入事例を見てみましょう。
ある問い合わせ窓口(コンタクトセンター)では、以下のような課題を抱えていました。
・電話での問い合わせ後に、応対内容を記録するなど後処理時間がかかる |
そこで、「音声AI」「transpeech」「Insight BI」を導入、電話での問い合わせの際にAIが会話をテキスト化して要約するようにしました。
これにより、後処理時間が短縮され、1人あたりの対応件数が112%にアップするという効果が得られています。
さらに、AIがログを残すので、人が記録するような記載のバラつきがなく、VOCの抽出や分析も容易になりました。
このように、自治体の窓口業務をDX化することで、「住民の利便性、満足度向上」「電話対応の省力化・適正配置」「職員の業務効率化・平準化」を同時に実現することができるのです。
4.今後のトランスコスモスの取り組み ━粗大ごみ自動受付ツール「KANAMETO ECO」で自治体のフロントヤード改革を推進
ここまで、「自治体・公共Week」でのトランスコスモスのセミナー内容を紹介しました。
このセミナーは窓口業務をDX化するものでしたが、トランスコスモスが取り組んでいるのはそれだけではありません。
自治体のその他の業務についても、DXを推進しています。
中でも、今後注力していきたい取り組みのひとつに、粗大ごみ自動受付ツール「KANAMETO ECO(カナメトエコ)」があります。
最後にこれについても紹介しておきましょう。
「KANAMETO ECO」は、LINEのコミュニケーション機能を活かした粗大ごみ収集申込・受付システムです。
粗大ごみの収集は、これまで住民が自治体に電話で申し込みをする必要がありました。
人と人とのやりとりであるため、聞き間違いや聞き漏らし、入力ミスといったヒューマンエラーが避けられません。
また、住民としては受付時間内に連絡するのが難しいこともありますし、対する職員側も受付する手間がかかります。
かといって、受付業務を外部に委託するにはコストがかかり、予算的に厳しいという自治体も多いでしょう。
「KANAMETO ECO」は、これらの問題を解決するツールです。
粗大ごみの収集をLINEで受付できるので、住民は24時間365日いつでも申し込みが可能になります。
職員も、電話対応の手間が省けますし、LINEで依頼内容が残るため、聞き間違いなども防げるでしょう。
【粗大ごみ収集申込手順のイメージ】
さらに、トランスコスモスでは粗大ごみ処理手数料のオンライン決済も進めています。
実際に2024年6月からは、湖北広域行政事務センター(滋賀県長浜市・米原市のごみ収集・処理、し尿の収集・処理、火葬場の運営を行う)で、トランスコスモスの支援により「KANAMETO ECO」の「オンライン決済」が始まりました。
これにより、自治体の粗大ごみ収集業務は効率化され、住民の満足度も向上するでしょう。
自治体・公共のDXや「KANAMETO ECO」にご興味のある方は、 |
まとめ
いかがでしたか?
自治体や公共機関も、民間企業のノウハウを活かしてDX可能であることがよくわかったかと思います。
ではあらためて、記事のポイントを振り返っておきましょう。
◎「自治体・公共Week」は、年1回開催される自治体・公共向けの展示会で、以下の6つの展示会で構成されている。
・自治体DX展 |
◎トランスコスモスも出展、3日間の会期中16回にわたってブース内でセミナーを開催
◎自治体・公共機関も民間のノウハウを活かしたDXで以下のような課題を解決可能
・時間外対応ができない →「音声AI」で自動応答、自己解決向上 |
◎粗大ごみ自動受付ツール「KANAMETO ECO」で、粗大ごみの受付業務を効率化、住民の満足度も向上が期待できる
トランスコスモスの自治体・公共向けソリューションを活用することで、あなたが業務効率のアップとCX向上を両立できるよう願っています。