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【オンラインセミナーレポート】いま改めて考える、フルリモート化も見据えた「在宅コンタクトセンター」で実現できるWell-being・コスト削減・人手不足解消

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「コンタクトセンターのフルリモート化はどうなの?どのようなメリットがあるのか知りたい!」
「フルリモート化したコンタクトセンターのオペレーションを運用していくには、どのようなポイントがあるの?」

新型コロナウイルスの流行を機に、コンタクトセンター(コールセンター)でもフルリモート化が普及、浸透していきました。終息後の現在は、働き方の見直しや従業員の負担軽減、移動コストの削減による環境への配慮など、在宅コンタクトセンターの役割・ニーズも変化しておきております。

様々な観点からテレワークをベースとした運用に興味がある企業は多いですが、実際にコンタクトセンターのフルリモート化に踏み切る際には「しっかりと管理できるのか」「採用が難しくないのか」など不安に感じるかと思います。

実はコンタクトセンターのフルリモート化は、多くのコンタクトセンターが抱えている「インフラコスト(地代家賃や光熱費など)の上昇」と「人材不足難」を解消するメリットがあります。

コンタクトセンターのフルリモートによるメリット

それだけでなくフルリモート化で勤務しているオペレーターからは「フルリモート化を継続したい」という声が多いのです。中でもWell-beingな働き方ができるという声があり、オペレーターの満足度や充実度の高い働き方にもつながっています。

オペレーター座談会で見えてきたリアルな声

・在宅勤務によって通勤の時間がなくなった分、勤務時間を増やせた
・節約した時間をワークライフバランスのライフの充実に充てることができた
・業務オペレーションが効率化できた

トランスコスモスが2023年7月に実施したオンラインセミナー「在宅CCを次なるステージへ導く“フルリモート化”という選択肢」「“フルリモート化”がもたらすWell-beingな働き方」では、コンタクトセンターをフルリモート化するメリットやオペレーターのリアルな声、フルリモート化するときのポイントなどをご紹介しました。

今回は、オンラインセミナーの内容をレポートとしてご紹介します。

◎在宅コンタクトセンターとは
◎フルリモート化による運営戦略とメリット
◎労務指標が示すフルリモート化したコンタクトセンターの魅力
◎【リアルな声をチェック】フルリモートの在宅コンタクトセンターのWell-beingな働き方
◎フルリモートでの在宅コンタクトセンター運営に欠かせないコミュニケーション設計のポイント
◎コンタクトセンターのフルリモート化を支える情報セキュリティ対策
◎【未来に向けた取り組み】メタバース上でのバーチャルコンタクトセンター
◎よくある質問

この記事を最後まで読めばコンタクトセンターをフルリモート化する魅力や運営方法が理解でき、実際にフルリモート化してみようと思えるはずです。

コンタクトセンター運営を最適化しオペレーターが働きやすい環境を整えるためにも、ぜひ参考にしてください。

目次 [非表示]

1.在宅コンタクトセンターとは

在宅コンタクトセンターとは

在宅コンタクトセンター(コールセンター)とは、物理的なセンターに出社しないで基本的には自宅から電話やメール、チャットなどの顧客対応をすることです。

日本では2020年新型コロナ渦の中でBCP対策(業務継続)を目的に普及、浸透していきました。

トランスコスモスではいち早く、コンタクトセンターを在宅化

トランスコスモスでは、コロナ禍におけるピーク時には約3,500席の稼働を行っており、2024年4月時点でも約1,500席を在宅稼働している状況です。

BCP対策としての在宅稼働ではなく、恒久的に在宅で稼働しています。中には、フルリモートで在宅コンタクトセンターを運用していくケースも出てきています。

在宅コンタクトセンターを、採用からお客様対応までフルリモートオペレーション

そのようなフルリモートの在宅コンタクトセンターは、一度も対面しないで採用、研修、業務稼働の一連の工程を進めます。

まず採用についてですが、基本的にオンライン面接で採用を実施します。

オンライン面接でも事前に応募者のデータに目を通すことで、スクリーニングができます。実際に採用を行った事業所の中には、適正検査でリモートワーク業務の適正を確認し、合否に反映させるケースも出てきています。

また研修・トレーニングも、リモートで実施します。
物理的なセンターでの集合型研修よりも個々の習熟度チェックの頻度上げることで、早期稼働が実現できる例も出てきています。

さらに業務オペレーションでは、エスカレーションなどのコミュニケーション部分で各種デジタルツール・コミュニケーションツールを使いながら円滑に進めていきます。

トランスコスモスではこれらの一連の仕組みを在宅環境で行うことを、フルリモートオペレーションと定義しています。

フルリモートに心理的不安がある場合は採用や研修の工程のみ物理センターで実施して、業務稼働を在宅環境で行う方法もありますが、フルリモートのメリットを最大限享受するには全工程においてリモートで実施していくことに意味があると考えています。

在宅コンタクトセンターの概要やメリットは下記の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。

2.フルリモート化による運営戦略とメリット

フルリモート化による運営戦略とメリット

フルリモートのコンタクトセンター(コールセンター)には「インフラコストの上昇」と「人材採用難による人材不足」の2つの経営課題を解消できるメリットがあります。

インフラというのは、物理的なネットワークシステムはもちろん、光熱費も含まれます。また人材の人件費もコンタクトセンターインフラに含まれると考えており、これらのインフラコストが上昇していくことに対して、対策をしていく必要があります。

また2つめが人材採用難による人材不足の課題であり、労働人口が減少していくというのが明らかになっている中で、従来と同じ手法で採用を行っていても、なかなか人材は集まりません。

これらの課題に対して、フルリモート化をすることによって下記のような効果が期待できます。

コンタクトセンターの課題

フルリモートのコンタクトセンターでの解消方法

インフラコストの上昇

・家賃地代や物理的なセンターの設備不要になる(ファシリティレス)
・全国各地から人材採用ができ人件費の最適化につながる

人材採用難による人材不足

・全国各地から人材採用ができ応募者数が増える
・ワークライフバランスが取りやすくなり離職率が低下する

2-1.運営コストの最適化

フルリモート化のメリット 運営コストの最適化

先述したように、コンタクトセンター(コールセンター)運営では、インフラコストの上昇が課題となっています。物理的なネットワークシステムや光熱費などが上昇局面にあり、どのように対策をするのか悩んでいるケースもあるかと思います。

物理センターの場合はオフィスの賃料や光熱費、コンタクトセンター設備などのコストが発生します。在宅コンタクトセンターにすると家賃地代や物理的なセンターの設備が不要になり、設備費の削減につながります。

また、物理センターではコンタクトセンターの業務量に応じてセンター規模の縮小拡大がしにくいです。在宅コンタクトセンターの場合はキャパシティもある程度柔軟に調整しやすいメリットもあります。

人件費においても、在宅では全国各地から人材採用が可能です。都市圏と都市部の一極集中で採用活動を行うよりは、柔軟な人件費設定ができます。全国各地から業務経験がある方を採用できるので、コストだけでなくクオリティ面でもメリットがあると考えています。

フルリモート化によるコスト削減ケースのイメージ

コスト削減のモデルケースですが、首都圏を始めとする都市圏は、家賃地代が高いところがあるかと思います。トランスコスモスの標準的な在宅環境で試算すると、ブース設備費は約13%のコスト削減につながっています。

さらに人件費に関しては8%抑えることができています。これはあくまでも一例で、遠隔地での採用の比率を上げればよりコストインパクトが生まれます。ブース設備費と人件費を合計すると、1ブースで10%弱のコスト削減が実現できます。

もちろんコンタクトセンターの規模や設備により左右されますが、少なくとも都市圏のコンタクトセンターと比較すると在宅運営のほうがコストに関しては優位性があると言えると思います。

2-2.人材不足の解消

フルリモート化のメリット 人材不足の解消

人材不足で採用難が課題となっているコンタクトセンターも多いです。
日本の労働人口が減少していく中で、従来と同じ採用方法ではなかなか人材が集まらない傾向があり、その結果、採用活動や人件費の上昇につながっています。

今年度(2023年度)から新型コロナウイルスが5類感染症に移行したため、日本全国のテレワークの比率は低下傾向です。

ただし、一度在宅勤務をしたことがある方は9割近くが今後も継続して在宅勤務をしていきたいという強い意向を持っています。

フルリモート化による採用効率の向上

上記は求人媒体で「在宅」というワードがどれくらい注目されているのか示したものです。黄色の枠で囲っていますが、どのエリアでも在宅に関する注目度は高いことが分かります。

2023年 主なフルリモート業務の応募反響

ではフルリモート化すると、どれくらい採用効率が向上したのかトランスコスモスの事例を紹介します。

通常採用とフルリモート業務で在宅コンタクトセンター採用を比較すると、約8.3倍に増加しました。条件により上昇率が上下しますが、総じて上昇しています。中には通常採用と比較して20倍ほど応募が増えた事例もあります。

通常センターの採用は市内居住というゾーンに限定されますが、フルリモートにすることで市外や県外など幅広いエリアから応募があることが分かります。

採用コストについては、通常採用と比較して22%程度削減できた実績もあります。
このように、フルリモート採用にすることで応募者が増えて、企業側が人材を選択できるシーンが生まれていると言えます。

フルリモート化による運営戦略とメリットまとめ

ここまでの内容を振り返ると、フルリモート稼働ができればファシリティレス(設備がいらない)稼働による設備コストの削減と人件費、採用コストの削減の双方ができ、運営コストが最適化できます。

また、フルリモートでは応募者数が増加することで品質が高い労働力が確保でき、人材不足が解消につながります。

3.労務指標が示すフルリモート化したコンタクトセンターの魅力

労務指標が示すフルリモート化したコンタクトセンターの魅力

在宅コンタクトセンター(コールセンター)を導入すると、ほぼすべての業務で勤怠率と退職率の2つの指標が改善するデータが出ています。

勤怠率に関しては、センターでは平均90%ですが、在宅環境では約5%アップします。アップした分稼働が安定するため、応答率の向上などにつながっています。

退職率も通常のセンターと比較すると、約3ポイント低下しています。裏を返すと定着率が向上していることになるので、人員の入れ替えが少なくなります。その結果、業務品質の担保や向上につながるメリットがあるといえるでしょう。

定期的にエンゲージメントスコアを測定していると、在宅勤務している方のほうがスコアが高い例も出てきています。在宅コンタクトセンター化すると、労務指標は総じて改善する傾向が見られています。

4.【リアルな声をチェック】フルリモートの在宅コンタクトセンターのWell-beingな働き方

フルリモート化すると労務指標が改善する理由は現場の声にあるのではと思い、在宅コンタクトセンター(コールセンター)で勤務している従業員の座談会を行いました。

今回の座談会には、パソコンやプリンターのテクニカルサポートをフルリモート環境で実施している事業所メンバー6名に参加していただきました。

【座談会メンバー】
オペレーションマネージャー 
リーダー  
オペレーター A:男性、フルリモート体系前から業務に従事
オペレーター B:女性、フルリモート体系前から業務に従事
オペレーター C:女性、フルリモート体系前から業務に従事、新メンバーの教育係も担当 
オペレーター D:女性、フルリモート体系後に加入、センターのある地域と離れたところに居住

4-1.今のフルリモート環境は気に入っていますか?

━━フルリモートになってから、お仕事とプライベートのバランスはどのように変わりましたか。

リーダー:往復の通勤時間がなくなり、家事に時間を使えるようになりました。またお昼休みは昼食後すぐに家事に時間を使うことで勤務後ゆっくり過ごす時間が生まれ、毎日充実しているなと実感できるようになりました。

オペレーターD:私も通勤の時間がなくなった分時間ができたので、この度思い切って勤務時間を増やしてみようと思い、扶養を外れることになりました。

オペレーターC:私も子どもがいるので、今までは通勤時間を逆算して早めの時間に退勤してお迎えしていました。フルリモートになりそれがなくなったので業務時間をフルタイムに伸ばすことができました。結果的に給料を増やすことができ、色々とメリットはあったと思っています。

━━勤務時間が増えて、その分給料も増えるというのは生活の潤いになる部分だと思います。リアルな声を届けていただきました。まさにライフワークバランスが充実していることが伺えますね。

4-2.フルリモートになったことで業務上のストレスは減りましたか?

━━ライフワークバランスが充実すると、仕事に対するストレスが軽減すると思います。フルリモートになったことで業務上のストレスはどのように減ってきましたか。

オペレーターA:センターに出勤していたころは周りに人がたくさんいたこともあり、自分の音声が聞かれていて間違いなどを指摘されないか萎縮してしまっていた部分がありました。
在宅になってからは周りに人がいないので、凄く落ち着いて顧客対応に集中できるようになりました。顧客対応の品質向上に結びつき、ストレスも減ってよかったと思っています。

オペレーションマネージャー:コールセンターのマイクは結構音声を拾ってしまうので、隣の人の声を凄く気にして対応していました。立場上クレーム対応をすることが多いので、どうしても他の人の声が入らないかというところを凄く気にしていたのですが、クレーム対応もすごくやりやすくなったと感じています。

━━オペレーションマネージャーという立場から見て、センターがフルリモート化したことでストレスの軽減から生産性や品質に良い影響が出たことがあれば教えてください。

オペレーションマネージャー:生産性や品質の面に関しては、そこまで大きな変化はなかったように思います。目が届かないため不安はありましたが、生産性を担保できなければ在宅はできないですよと事前に伝えていたので皆さんが心がけて対応してくれているのだと感じています。
また、退職率が大幅に削減されたので、新人比率が減ってベテランメンバーが揃っているところも品質担保につながっていると思います。

━━生産性や品質の向上、担保については新人メンバーをいかに早く育てるかも非常に重要な要素だと思います。その辺りを教育担当もされているオペレーターCさんにぜひ教えていただきたいと思います。

オペレーターC:今まで対面で新人メンバーの研修をやっていたので、リモートではどういう感じで実施すればいいのか試行錯誤がありました。
しかし、実際にやってみるとリモート画面の共有をしながらパソコンの遠隔操作もできるし、モニタリングしながら通話中にアドバイスができる機能などもあります。
従来は私の声が入らないように気を付けながらアドバイスしなければならない場面があったのですが、総合的な面で対面での研修よりもすごくやりやすくなったと教える側は感じました。

━━実際にオペレーターCさんのトレーニングを受けたオペレーターDさん、受けた側が思ったことを教えいただけますか?

オペレーターD:実際に周りの目を気にしなくていいことが大きかったです。みんなの前でこの質問をしたら恥ずかしいかなということもなく、自分が聞き漏らしていたことも堂々と聞けるので研修のやりやすさを感じました。

4-3.フルリモート環境はコミュニケーションが取りやすいですか?

━━フルリモート環境でのコミュニケーションについていい点とちょっとイマイチだと思う点を教えてください。

オペレーターB:私は質問があるときに些細なことでもすぐに聞けて、問題を解消できるところがすごくいいところだと思います。

オペレーターC:在宅が始まる前はリーダーの方が誰かの質疑を受けていると質問しにくかったのですが「これを誰か分かる人いますか?」と全体チャットで聞くと分かる人が答えてくれます。待つ必要がなくその場でお互い助け合いながら回答できるので、そういう面はすごくよくなったなと思いました。

━━現場のフロアでは管理者に指示を仰がなければいけないルールがありますので、管理者が空いていないと聞けない、または管理者との相性もあるのではと思います。
オペレーターさん同士で知恵を補完し合っているという非常に理想形だなと思いました。チャットでやり取りを行うことでテキストが残るため、後から振り返りもできると感じました。

4-4.今後も継続して在宅勤務を行いたいと思いますか?

━━最後の質問になります。今後も継続して在宅勤務を行いたいと思いますか?

全員挙手

━━今までの質問内容を振り返っても、在宅勤務のメリットを享受しながら仕事のパフォーマンスに活かしていることがよくわかりました。
皆さんに在宅勤務のよさを一言で伺いたいと思います。

リーダー:潤いのある生活です。

オペレーターA:最小限のストレスで最大のパフォーマンスを発揮できる働き方だと思っています。

オペレーターB:周りを気にせずに業務に集中できるのがいいところだと思います。

オペレーションマネージャー:充実したプライベートのために欠かせないビジネススタイルだと思います。

オペレーターC:家族との時間を増やせる有効的な働き方だと思います。

オペレーターD:仕事のモチベーションを上げるための手段の1つだと思っています。

在宅勤務によるライフスタイルの変化が従業員満足度の向上に寄与する

座談会の内容を振り返ると

・在宅勤務によって通勤の時間がなくなることで、節約した時間をワークライフバランスのライフの充実に充てることができる
・業務オペレーションが円滑・効率化できた

などの声がありました。

コンタクトセンターの主な就労者は、育児や介護など様々なライフステージにあるかと思います。物流センターに出勤する運営形態では、ライフステージで離脱してしまうケースが頻繫に起きてくるかと思っています。

これが在宅コンタクトセンターに移行することでライフステージによる離脱要因をミニマムにでき、結果として離職率低下につながり、さらに業務品質・業務パフォーマンス維持向上につながっていくところが大きなメリットだと考えます。

トランスコスモスは3,000社を超えるお客様企業のオペレーションを支援してきた実績と、顧客コミュニケーションの
ノウハウを活かして、CX向上や売上拡大・コスト最適化を支援します。お気軽にお問い合わせください。
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